JP2008296487A - 感熱記録体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、発色感度が高く、透明性に優れた感熱記録体を提供することである。
【解決手段】支持体上に、樹脂と染料前駆体との複合粒子及び顕色剤を含有する感熱発色層を設けた感熱記録体において、複合粒子中の樹脂が少なくとも、ひまし油系ポリオールを重合成分として得られる重合反応物であることを特徴とする。前記ひまし油系ポリオールが、官能基数(末端水酸基)が1個または3個から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】支持体上に、樹脂と染料前駆体との複合粒子及び顕色剤を含有する感熱発色層を設けた感熱記録体において、複合粒子中の樹脂が少なくとも、ひまし油系ポリオールを重合成分として得られる重合反応物であることを特徴とする。前記ひまし油系ポリオールが、官能基数(末端水酸基)が1個または3個から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、染料前駆体と顕色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関するものである。
多価イソシアネート化合物含有重合成分のみからなる溶媒中に染料前駆体を含有する溶質を溶解し、得られた溶液を親水性保護コロイド含有水溶液中に乳化分散し、この乳化分散液を、前記重合成分の高分子化反応に供することによって得られ、ポリウレア又はポリウレタン−ポリウレア樹脂からなる母材中に、前記染料前駆体が含有されている複合微粒子を感熱発色層に含有する方法(特許文献1を参照)、前記多価イソシアネート化合物含有重合成分が、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネートと、さらにヘキサメチレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートの変性体から選ばれる少なくとも一種を含有する方法(特許文献2を参照)、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネートおよびテトラメチルキシリレンジイソシアネートを重合成分として得られる重合反応物を特徴とする複合粒子を感熱発色層に含有する方法(特許文献3を参照)が記載されているが、さらなる発色感度の向上、透明性の改良が望まれている。
特開平9−263057号公報
特開平11−139001号公報
特開2003−94807号公報
本発明の課題は、発色感度が高く、透明性に優れた感熱記録体を提供することである。
本発明では上記課題を解決するために、支持体上に樹脂と染料前駆体との複合粒子及び顕色剤を含有する感熱発色層を設けた感熱記録体において、複合粒子中の樹脂が少なくとも、ひまし油系ポリオールを重合成分として得られる重合反応物であることにより、上記の課題を解決することが可能となった。
即ち、本発明は、以下の感熱記録体を提供するものである。
項1:支持体上に、樹脂と染料前駆体との複合粒子及び顕色剤を含有する感熱発色層を設けた感熱記録体において、複合粒子中の樹脂が少なくとも、ひまし油系ポリオールを重合成分として得られる重合反応物であることを特徴とする感熱記録体。
項2:前記ひまし油系ポリオールが、官能基数(末端水酸基)が1個または3個から選ばれる少なくとも一種である、項1に記載の感熱記録体。
項3:前記ひまし油系ポリオールが複合粒子の全固形分の1〜20質量%を含有したものから作製される、項1または2に記載の感熱記録体。
項4:前記顕色剤の少なくとも一種が1,4−ビス〔α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンである、項1から3のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項2:前記ひまし油系ポリオールが、官能基数(末端水酸基)が1個または3個から選ばれる少なくとも一種である、項1に記載の感熱記録体。
項3:前記ひまし油系ポリオールが複合粒子の全固形分の1〜20質量%を含有したものから作製される、項1または2に記載の感熱記録体。
項4:前記顕色剤の少なくとも一種が1,4−ビス〔α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンである、項1から3のいずれか一項に記載の感熱記録体。
本発明の感熱記録体は、発色感度が高く、透明性に優れた効果を有するものである。
本発明では、複合粒子の壁材形成性原料として、多価イソシアネートより選ばれる少なくとも1種の高分子物質と共に、ひまし油系ポリオールを選択することにより、発色感度の高い、透明性に優れる感熱記録体を提供することが可能となった。
ひまし油系ポリオールとは、天然油脂の中で唯一水酸基を有するひまし油を出発原料として生成されるポリウレタン原料であり、官能基数、水酸基価が異なる多種のひまし油系ポリオールが工業的に得られており、広い分野で様々な用途に使用されている。
ひまし油の構造は、下記一般式で表される。なお、ひまし油は、トウダイグサ科のトウゴマの種子から採取され、脂肪酸の約90%がリシノレイン酸で構成されている特長を示す。
ひまし油系ポリオールを複合粒子の作製時に含有することにより、複合粒子に可撓性が付与されると共に、特に官能基数(末端水酸基)が1個または3個のひまし油系ポリオールは、発色感度や透明性に優れるため、好ましく用いられる。
本発明で、複合粒子に用いられる多価イソシアネート化合物とは、水と反応することによりポリウレアまたはポリウレタン−ポリウレアを形成する化合物である。多価イソシアネートより選ばれる少なくとも1種の高分子物質、ひまし油系ポリオールから選ばれる少なくとも1種の高分子物質、なかでも官能基数(末端水酸基)が1個または3個であるひまし油系ポリオールの混合物に染料前駆体を溶解する。溶解には高粘度のイソシアネート、イソシアネート誘導体の乳化分散性やハンドリング性向上のため高沸点溶媒を希釈溶媒として用いてもよい。この染料溶解液をポリビニルアルコール等の保護コロイド物質を溶解含有している水性媒体中に乳化分散し、更に必要によりポリアミン等の反応性物質を混合後、この乳化分散液を加温することにより、高分子形成性原料を重合させることによって高分子化し、それによって染料前駆体と高分子物質とからなる複合粒子を形成することができる。
本発明の目的に見合う染料前駆体溶解性の高い多価イソシアネートとしては、芳香族系よりも脂肪族系が好ましい。具体的にはm−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、キシレンジイソシアネート、及びこれらのトリメチロールプロパン付加物、ビウレット体、イソシアヌレート体といった誘導体から、少なくとも1種が選ばれることが好ましい。その中でもm−テトラメチルキシリレンジイソシアネートは染料前駆体の溶解性が非常に高いため、特に好ましく用いられる。
その他に高分子形成性原料として用いられる多価イソシアネート化合物としては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、5−イソシアネート−1−(イソシアネートメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、3,3'−ジメチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4'−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、4,4',4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート等のトリイソシアネート類、4,4'−ジメチルジフェニルメタン−2,2',5,5'−テトライソシアネート等のテトライソシアネート類等がある。
多価イソシアネート化合物とポリオールとの付加物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、2,4−トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、トリレンジイソシアネートのヘキサントリオール付加物等のイソシアネートプレポリマーを用いることができる。また多価イソシアネート化合物、例えばヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、イソシアヌレート体等の多量体も、本発明の高分子形成性原料として用いることができる。
上記のひまし油系ポリオールの他に、発明の効果を阻害しない程度に他のポリオールを高分子形成性原料に用いることもでき、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、プロピレングリコール、2,3−ジヒドロキシブタン、1,2−ジヒドロキシブタン、1,3−ジヒドロキシブタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、フェニルエチレングリコール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、グリセリン等の脂肪族ポリオール、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の芳香族多価アルコールとアルキレンオキサイドとの縮合生成物、p−キシリレングリコール、m−キシリレングリコール、α,α'−ジヒドロキシ−p−ジイソプロピルベンゼン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン、2−(p,p'−ジヒドロキシジフェニルメチル)ベンジルアルコール、4,4'−イソプロピリデンジフェノール、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'−イソプロピリデンジフェノールのエチレンオキサイド付加物、4,4'−イソプロピリデンジフェノールのプロピレンオキサイド付加物、2−ヒドロキシアクリレートのような分子内にヒドロキシル基のあるアクリレート等が挙げられる。
勿論、多価イソシアネート化合物、多価イソシアネートとポリオールの付加物及びポリオール化合物等は、上記化合物に限定されるものではなく、また必要に応じて2種以上を併用してもよい。なお、本発明で使用される多価イソシアネート化合物、または多価イソシアネート化合物とポリオール化合物との付加物のうちでも、分子中にイソシアネート基を3個以上有するものを用いることが特に好ましい。
本発明で用いる高沸点溶媒としては、リン酸エステル、フタル酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、その他のカルボン酸エステル、脂肪酸アミド、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、塩素化パラフィン、アルキル化ナフタレン、ジアリルエタン、芳香族ケトン、芳香族エーテル、芳香族エステル等が挙げられる。その中でもリン酸トリクレジルは染料溶解性と多価イソシアネートとの親和性の点から、本発明の効果には特に好ましい。上記の有機化合物は単独で使用してもかまわないが、2種以上併用することも可能である。
本発明に用いるポリエチレンイミンについては一般的に入手可能なものにおいて制約はないが、1級、2級、及び3級アミンのそれぞれを含む分岐構造を有し、分子量が300〜70,000の範囲のポリエチレンイミンを用いた場合、得られた複合微粒子膜の隔離性が高く、好ましい。具体的には日本触媒(株)製のポリエチレンイミン(商品名:エポミンSPシリーズ)が特に好ましい。ポリエチレンイミンは複合微粒子の重合過程に水系より添加し、その使用量については特に限定はないが、一般に、複合微粒子の全固形分に対して0.1〜50質量%程度であることが好ましく、1〜10質量%程度であることがより好ましい。
本発明に使用される複合粒子中には、染料前駆体の他に、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、油溶性蛍光染料、離型剤、反応促進剤等が添加されていてもよい。このような添加物質は、常温で固体であることが好ましいが、液体であってもよい。また染料前駆体が2種類以上の混合物であってもよい。
本発明の感熱記録層、または複合粒子中に紫外線吸収剤を含有させることは、耐光性の点から好ましく、特に2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系の紫外線吸収剤は、発色画像の耐光性向上効果だけでなく発色感度向上効果もあり、好ましく使用できる。
複合粒子製造における、染料前駆体と多価イソシアネート及びポリオールから成る化合物との重量比率は、発色感度の点から複合微粒子の合計量に対して、染料前駆体の含有量が5〜80質量%程度であることが好ましく、30〜50質量%程度であることがより好ましい。高沸点溶媒と多価イソシアネートの合計重量比率は20〜60質量%程度であることが好ましい。また、高沸点溶媒は1〜30質量%程度であることが好ましく、5〜15質量%程度であることがより好ましい。ひまし油系ポリオールは、1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましい。
本発明において、多価イソシアネート及びポリオールの混合物を溶媒とし、染料前駆体を溶質とする溶液を水溶液中に乳化分散するが、乳化分散に用いられる乳化剤(保護コロイド剤)としては、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩及びそれらの誘導体等の水溶性合成高分子化合物を用いることができる。同時に界面活性剤、消泡剤等を使用してもよい。複合粒子調製の際の乳化剤の使用量については特に限定はないが、一般に、複合粒子の全固形分に対して1〜50質量%程度であることが好ましく、3〜30質量%程度であることがより好ましい。
本発明の複合粒子の平均粒子径は、発色感度を考慮すると、0.1〜15μm程度であることが好ましく、0.3〜6.0μm程度の範囲となるように調節することがより好ましい。
本発明で使用される顕色剤としては、例えば4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン等のフェノール性化合物、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、N−p−トリルスルホニル−N’−p−ブトキシフエニルウレア等の分子内にスルホニル基とウレイド基を有する化合物、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸等の芳香族カルボン酸の亜鉛塩化合物等が挙げられるが、本発明で使用する複合微粒子とともに用いても、地肌カブリの発生が少なく、且つ低エネルギー部から発色感度が高い顕色剤としては、1,4-ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンが最も好ましい。
本発明で使用される染料前駆体としては、トリアリール系、ジフェニルメタン系、チアジン系、スピロ系、ラクタム系、フルオラン系等のロイコ体が好ましく使用できる。その具体例としては、例えば、黒色発色を与える染料前駆体としては、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,6−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノアニリノ)フルオラン、及び3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン等の少なくとも1種を用いることができる。
本発明においては、前記黒色発色を与える染料前駆体の中でも、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,6−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、及び2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランが地肌カブリを生じ難いという点で好ましい。
赤若しくは赤紫、オレンジ色系統の発色を与える染料前駆体としては、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(p−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(o−クロロ)アニリノラクタム、3−ジメチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−tert−ブチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−エチルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−クロロフルオラン、及び3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン等を挙げることができる。
赤色、赤紫色、オレンジ色系統の発色色調を与える染料前駆体としては、更に3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−トリルアミノ−7−メチルフルオラン、3−トリルアミノ−7−エチルフルオラン、2−(N−アセチルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−プロピオニルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ベンゾイルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−カルボブトキシアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ホルミルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ベンジルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−アリルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、及び2−(N−メチルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランを挙げることができる。
赤色、赤紫色、及びオレンジ色系統の発色色調を示す染料前駆体として、更に3,3'−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3'−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3'−ビス(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3'−フタリド〕、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−p−メチルフェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3'−フタリド〕、及び7−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3'−フタリド〕等を挙げることができる。
上記化合物のなかでも、発色感度が高く、地肌カブリが少ないという点で、赤色発色を与える染料前駆体としては、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、及び3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオランが好ましく、オレンジ色発色を与える染料前駆体としては、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、及び7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3'−フタリド〕が好ましく、赤紫色発色を与える染料前駆体としては、3,3'−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドが好ましい。
青色発色を与える染料前駆体としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−n−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、及び3−ジフェニルアミノ−6−ジフェニルアミノフルオラン等を挙げることができる。特に、これらの青発色性染料前駆体の中では、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドが、地肌カブリが少ないという点から好ましい。
緑色発色を与える染料前駆体としては、3−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)−7−(N−フェニル−N−メチルアミノ)フルオラン、3−〔p−(p−アニリノアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7−クロロフルオラン、および3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3'−(6'−ジメチルアミノ)フタリド等を挙げることができる。これらのなかでも3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3'−(6'−ジメチルアミノ)フタリドが、地肌カブリが少ないという点から好ましい。
黄色系統の発色を与える染料前駆体として、3,6−ジメトキシフルオラン、及び1−(4−n−ドデシルオキシ−3−メトキシフェニル)−2−(2−キノリル)エチレン等がある。上記の染料前駆体は単独で使用してもかまわないが、色調補正のために他の色の染料前駆体と併用することも効果的である。
本発明においては、主に発色記録画像の保存性向上のために、画像安定化剤を用いてもよい。このような画像安定化剤としては、例えば1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4'−〔1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、及び4,4'−〔1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール等のフェノール系の化合物、4−ベンジルオキシフェニル−4'−(2−メチル−2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニルスルホン、4−(2−メチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン、及び4−(2−エチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン等のエポキシ化合物、並びに1,3,5−トリス(2,6−ジメチルベンジル−3−ヒドロキシ−4−tert−ブチル)イソシアヌル酸等のイソシアヌル酸化合物から選ばれた1種以上を含むものを用いることができる。勿論、画像安定化剤はこれらに限定されるものではなく、また必要に応じて2種類以上の化合物を併用することもできる。
感熱記録体の発色感度を調節するために、感熱記録層に熱可融性物質を増感剤として含有させることができる。増感剤としては、従来から感熱記録体の増感剤として知られている化合物を使用することができ、かかる増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、ステアリン酸メチロールアミド、エチレンビスステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、パルミチン酸アミド、ベヘン酸アミド等のアミド化合物類、ジュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸ジベンジルエステル、1−ヒドロキシナフトエ酸フェニルエステル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−フェノキシ−2−ナフトキシエタン、1−フェノキシ−2−(4−メチルフェノキシ)エタン、1−(4−メチルフェノキシ)−2−ナフトキシエタン、1,3−ナフトキシプロパン、1,4−ナフトキシブタン、p−ベンジルビフェニル、m−ターフェニル、ベンジル−2−ナフチルエーテル、1,2−ビス(3、4−ジメチルフェニル)エタン、1,4−ビス(p−トリルオキシ)ベンゼン、ジフェニルスルホン、炭酸ジフェニル、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。上記増感剤の中で特に白紙部の耐熱性を良好に保つためには、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステルとシュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステルの混合体、または1−フェノキシ−2−ナフトキシエタン、または1−(4−メチルフェノキシ)−2−ナフトキシエタン、または2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好ましい。これらの増感剤は、通常、染料前駆体1質量部に対して0.1〜5質量部が使用される。
本発明において使用される画像安定化剤及び増感剤等の添加剤は、水を分散媒体として、サンドグラインダー、アトライター、ボールミル、コボーミル等の各種湿式粉砕機によって粉砕し、これをポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩及びそれらの誘導体等の水溶性合成高分子化合物のほか、必要に応じて界面活性剤、消泡剤等と共に分散媒体中に分散させた分散液とし、感熱記録層用塗液の調製の際にこれに混合すればよい。また、これらの添加剤を溶剤に溶解し、水溶性高分子化合物を乳化剤として用いて水中に乳化して使用することもできる。更には前述の複合微粒子調製方法と同様の方法で、これら化合物を含有する複合微粒子を作成し、これを感熱記録層に含有させてもよい。
本発明において、感熱記録層を構成する他の成分材料として、接着剤が用いられ、更に必要により、架橋剤、ワックス類、金属石鹸、有色染料、有色顔料、及び蛍光染料等を用いることができる。接着剤としては、例えばポリビニルアルコール及びその誘導体、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、ゼラチン及びそれらの誘導体等の水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等の水不溶性重合体のラテックス等を挙げることができる。
また、感熱記録層の耐水性を向上させるために、接着剤を三次元架橋させるための架橋剤を感熱記録層中に含有させることができる。例えば、グリオキザール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ジメチロールウレア化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、並びに過硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、及び塩化マグネシウム、四硼酸ソーダ、四硼酸カリウム等の無機化合物、または硼酸、硼酸トリエステル、硼素系ポリマー等から選ばれた少なくとも1種の架橋剤を感熱記録層の全固形分に対して1〜10質量%程度の範囲で用いることが好ましい。
感熱記録層に添加されるワックス類としては、例えばパラフィンワックス、カルナバロウワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、及びポリエチレンワックス等のワックス類、並びに例えばステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、及びその誘導体等を挙げることができる。特にメチロール化脂肪酸アミドを感熱記録層に添加すると、地肌カブリを悪化せずに増感効果を得ることができる。
本発明に用いられる支持体の種類、形状、及び寸法等には、格別の限定はなく、例えば上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙、ポリオレフィン系合成紙、合成繊維紙、不織布、合成樹脂フィルム等のほか、各種透明支持体等も適宜選択して使用することができる。
本発明においては、感熱記録層の上に保護層を設けたり、感熱記録層の下に下塗り層を設けたりすることができる。保護層及び下塗り層は共に、顔料及び接着剤を主成分として構成することができる。特に保護層には、サーマルヘッドに対するスティッキングを防止する目的で、ポリオレフィンワックス、ステアリン酸亜鉛のような滑剤を添加することが好ましく、またこれを2層以上に構成することもできる。また光沢のある保護層を設けることにより、製品の付加価値を高めることもできる。下塗り層には、シリカ、焼成カオリン等のような空隙率の高い顔料を使用することにより、その上の感熱記録層の発色感度を上げることができる。また下塗り層中にプラスチックピグメント、中空粒子、及び発泡体等を含有させることもその上に形成される感熱記録層の発色感度向上に効果があり、より好ましい。
支持体上に上記各層を形成する方法としては、エアナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロールコーター法、スプレー法、ディップ法、バー法、カーテン法、及びエクストルージョン法等、既知の塗布方法のいずれを利用してもよい。また印刷機等を使用して本発明の感熱記録層用塗液を部分印刷して使用することもできる。感熱記録層用塗液は、支持体の一表面に通常乾燥重量として1〜20g/m2程度となる様に塗布され、それによって感熱記録層が形成される。また、記録体裏面からの油や可塑剤の浸透を抑制したり、またはカールコントロールのためにバック層を設けることもできる。
本発明を下記実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
・染料前駆体含有複合粒子分散液(A液)の調製
ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート(商品名:デスモジュールW、住化バイエルウレタン社製)15部、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(品名:タケネート(登録商標)TMXDI、三井化学ポリウレタン社製)15部、リン酸トリクレジルにて30重量%に希釈されたキシレンジイソシアネート誘導体(商品名:タケネート(登録商標)D110N−30P、三井化学ポリウレタン社製)20部、水酸基価150〜170mgKOH/g、官能基数(末端水酸基)1個のひまし油系ポリオール(商品名:URIC H31、伊藤製油社製)6部を150℃に加熱した中に、染料前駆体として3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン10部、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド10部、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン10部を溶解し、この溶液をポリビニルアルコール(商品名:ポバール(登録商標)PVA−217EE、クラレ社製)の10%水溶液150部に徐々に添加し、ホモジナイザー(商品名:T.K.ROBO MICS、特殊機化社製)を用い、回転数9500rpmの攪拌によって3分間乳化分散した後、この乳化分散液を90℃に昇温し、硬化促進剤として分子量600の分岐構造状ポリエチレンイミン(商品名:エポミンSP006、日本触媒社製)の10%水溶液20部を添加し、10時間の硬化反応を行わせて、平均粒子径1.0μmの染料前駆体含有複合微粒子分散液(A液)を調製した。なお、上記染料前駆体含有複合微粒子分散液の固形分濃度は30%であった。
・染料前駆体含有複合粒子分散液(A液)の調製
ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート(商品名:デスモジュールW、住化バイエルウレタン社製)15部、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(品名:タケネート(登録商標)TMXDI、三井化学ポリウレタン社製)15部、リン酸トリクレジルにて30重量%に希釈されたキシレンジイソシアネート誘導体(商品名:タケネート(登録商標)D110N−30P、三井化学ポリウレタン社製)20部、水酸基価150〜170mgKOH/g、官能基数(末端水酸基)1個のひまし油系ポリオール(商品名:URIC H31、伊藤製油社製)6部を150℃に加熱した中に、染料前駆体として3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン10部、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド10部、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン10部を溶解し、この溶液をポリビニルアルコール(商品名:ポバール(登録商標)PVA−217EE、クラレ社製)の10%水溶液150部に徐々に添加し、ホモジナイザー(商品名:T.K.ROBO MICS、特殊機化社製)を用い、回転数9500rpmの攪拌によって3分間乳化分散した後、この乳化分散液を90℃に昇温し、硬化促進剤として分子量600の分岐構造状ポリエチレンイミン(商品名:エポミンSP006、日本触媒社製)の10%水溶液20部を添加し、10時間の硬化反応を行わせて、平均粒子径1.0μmの染料前駆体含有複合微粒子分散液(A液)を調製した。なお、上記染料前駆体含有複合微粒子分散液の固形分濃度は30%であった。
・顕色剤分散液(B液)の調製
1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン20部、部分鹸化ポリビニルアルコールの10%水溶液20部、及び水40部からなる組成物をウルトラビスコミルにて平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して顕色剤分散液(B液)を得た。
1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン20部、部分鹸化ポリビニルアルコールの10%水溶液20部、及び水40部からなる組成物をウルトラビスコミルにて平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して顕色剤分散液(B液)を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液100部、B液70部、ステアリン酸アミドの30%分散液70部、固形分濃度48%のスチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:スマーテックスPA−9280、日本A&L社製)46部及び水30部からなる組成物を混合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
A液100部、B液70部、ステアリン酸アミドの30%分散液70部、固形分濃度48%のスチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:スマーテックスPA−9280、日本A&L社製)46部及び水30部からなる組成物を混合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
・保護層用塗液の調製
アイオノマー型ウレタン系樹脂ラテックス(商品名:ハイドラン(登録商標)AP−30F、大日本インキ化学工業社製、固形分濃度20%)100部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマー(登録商標)Z−410、日本合成化学工業社製、重合度:約2300、鹸化度:約98モル%)の8%水溶液500部、カオリン(商品名:UW−90、エンゲルハード社製)を平均粒子径が1.6μmとなるように微粒化した60%スラリー50部、平均粒子径2.5μmの焼成カオリン(商品名:アンシレックス(登録商標)93、エンゲルハード社製)の40%スラリー2部、ステアリン酸アミド(商品名:ハイミクロンL−271、中京油脂社製、固形分濃度25%)26部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩(商品名:ウーポール1800、松本油脂製薬社製、固形分濃度35%)4部、パーフルオロアルキルアミドのエチレンオキシド付加物(商品名:サーフロン(登録商標)S−145、セイミケミカル社製)の10%水溶液15部、及び水300部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
アイオノマー型ウレタン系樹脂ラテックス(商品名:ハイドラン(登録商標)AP−30F、大日本インキ化学工業社製、固形分濃度20%)100部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマー(登録商標)Z−410、日本合成化学工業社製、重合度:約2300、鹸化度:約98モル%)の8%水溶液500部、カオリン(商品名:UW−90、エンゲルハード社製)を平均粒子径が1.6μmとなるように微粒化した60%スラリー50部、平均粒子径2.5μmの焼成カオリン(商品名:アンシレックス(登録商標)93、エンゲルハード社製)の40%スラリー2部、ステアリン酸アミド(商品名:ハイミクロンL−271、中京油脂社製、固形分濃度25%)26部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩(商品名:ウーポール1800、松本油脂製薬社製、固形分濃度35%)4部、パーフルオロアルキルアミドのエチレンオキシド付加物(商品名:サーフロン(登録商標)S−145、セイミケミカル社製)の10%水溶液15部、及び水300部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
青色透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:メリネックス(登録商標)912、帝人デュポン社製、厚さ175μm)の片面上に、支持体側から感熱記録層用塗液、保護層用塗液の順にそれぞれ乾燥後の塗布量が20g/m2、3.5g/m2となるようにスロットダイコーターを用いて1層毎に塗布乾燥して感熱記録体を得た。
青色透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:メリネックス(登録商標)912、帝人デュポン社製、厚さ175μm)の片面上に、支持体側から感熱記録層用塗液、保護層用塗液の順にそれぞれ乾燥後の塗布量が20g/m2、3.5g/m2となるようにスロットダイコーターを用いて1層毎に塗布乾燥して感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1のA液調製において、水酸基価150〜170mgKOH/g、官能基数(末端水酸基)1個のひまし油系ポリオール(商品名:URIC H31、前出)6部の代わりに、水酸基価195〜205mgKOH/g、官能基数(末端水酸基)3個のひまし油系ポリオール(商品名:URIC H52、伊藤製油社製)10部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1のA液調製において、水酸基価150〜170mgKOH/g、官能基数(末端水酸基)1個のひまし油系ポリオール(商品名:URIC H31、前出)6部の代わりに、水酸基価195〜205mgKOH/g、官能基数(末端水酸基)3個のひまし油系ポリオール(商品名:URIC H52、伊藤製油社製)10部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1のB液調製において、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン20部の代わりに、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール20部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1のB液調製において、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン20部の代わりに、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール20部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1のA液調製において、水酸基価150〜170mgKOH/g、官能基数(末端水酸基)1個のひまし油系ポリオール(商品名:URIC H31、前出)6部の代わりに、水酸基価75〜105mgKOH/g、官能基数(末端水酸基)2個のひまし油系ポリオール(商品名:URIC H56、伊藤製油社製)10部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1のA液調製において、水酸基価150〜170mgKOH/g、官能基数(末端水酸基)1個のひまし油系ポリオール(商品名:URIC H31、前出)6部の代わりに、水酸基価75〜105mgKOH/g、官能基数(末端水酸基)2個のひまし油系ポリオール(商品名:URIC H56、伊藤製油社製)10部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1のA液調製において、ひまし油系ポリオールを使用しない以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1のA液調製において、ひまし油系ポリオールを使用しない以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について以下の評価を行い、得られた結果を表1に示す。
〔記録感度〕
感熱印字試験装置(機種名:TH−PMH、大倉電機社製)を用いて各エネルギー条件で印画を行い、得られた記録画像部をマクベス濃度計TR-927J型(ビジュアルモード、マクベス社製)にて測定した。
感熱印字試験装置(機種名:TH−PMH、大倉電機社製)を用いて各エネルギー条件で印画を行い、得られた記録画像部をマクベス濃度計TR-927J型(ビジュアルモード、マクベス社製)にて測定した。
〔ヘイズ値〕
感熱記録体のヘイズ値をヘイズメーター(TC−H IV型、東京電色社製)で測定した。
感熱記録体のヘイズ値をヘイズメーター(TC−H IV型、東京電色社製)で測定した。
〔地肌カブリ〕
各感熱記録体を白紙状態で65℃、2時間処理した後、地肌部をマクベス濃度計(前出)にて測定し評価した。
各感熱記録体を白紙状態で65℃、2時間処理した後、地肌部をマクベス濃度計(前出)にて測定し評価した。
Claims (4)
- 支持体上に、樹脂と染料前駆体との複合粒子及び顕色剤を含有する感熱発色層を設けた感熱記録体において、複合粒子中の樹脂が少なくとも、ひまし油系ポリオールを重合成分として得られる重合反応物であることを特徴とする感熱記録体。
- 前記ひまし油系ポリオールが、官能基数(末端水酸基)が1個または3個から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載の感熱記録体。
- 前記ひまし油系ポリオールが複合粒子の全固形分の1〜20質量%を含有したものから作製される、請求項1または2に記載の感熱記録体。
- 前記顕色剤の少なくとも一種が1,4−ビス〔α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンである、請求項1から3のいずれか一項に記載の感熱記録体。
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JP2007146381A JP2008296487A (ja) | 2007-06-01 | 2007-06-01 | 感熱記録体 |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08169178A (ja) * | 1994-12-19 | 1996-07-02 | Fuji Photo Film Co Ltd | 記録材料 |
JP2006110979A (ja) * | 2004-09-16 | 2006-04-27 | Oji Paper Co Ltd | 感熱記録体 |
JP2006130363A (ja) * | 2004-11-02 | 2006-05-25 | Oji Paper Co Ltd | 1,4−ビス[α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼンの湿式粉砕方法、呈色剤分散液及び該分散液を使用した感熱記録体 |
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2007
- 2007-06-01 JP JP2007146381A patent/JP2008296487A/ja active Pending
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