JP2005238725A - 感熱記録体 - Google Patents

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智行 久岡
Tsuyoshi Kano
剛志 鹿野
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Abstract

【課題】 記録部の保存性、記録感度に優れ、しかも支持体の他方の面(裏面)に設けた印刷部を熱エネルギーにより乾燥しても、感熱記録層への地肌カブリが極めて少ない感熱記録体を提供することにある。
【解決手段】 支持体の一方の面側に、染料前駆体と顕色剤および接着剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、前記支持体の他方の面側に印刷部を有し、前記感熱記録層中の染料前駆体が3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドであり、かつ感熱記録体の静発色開始温度が90〜120℃であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、染料前駆体と呈色剤の発色反応を利用した感熱記録体に関し、特に支持体の裏面に印刷部を設けた感熱記録体に関するものである。
染料前駆体と顕色剤の発色反応を利用した感熱記録体は良く知られている。かかる感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトでかつその保守も比較的容易であるためファクシミリ、各種計算機、医療用機器、コンピューター、感熱複写機、その他各種機器のプリンター等の記録媒体としてのみならずチケットや宝くじ用等、幅広い分野において使用されようとしている。
近年、感熱記録体をチケットや宝くじ用として使用する用途が増加しており、特に、発券された用紙を個々に識別させるために、感熱記録体のおもて面や裏面に可変情報を予め印刷する手段がある。
一般に、チケットや宝くじ用として使用する感熱記録体においては、裏面にUVオフセット印刷などで光学濃度が0.7〜1.4であるタイミングマークを印刷し、その後に可変情報を随時連続的に印刷する方式が一般的である。かかる可変情報を随時連続的に、しかも安価に印刷する方式としてインクジェット方式、電子写真方式等を利用した印刷が用いられている。かかる印刷方式は、印刷速度を高めるためには印刷された印刷部を熱エネルギー、或いは光−熱エネルギー変換、高周波−熱エネルギーにより定着させる必要があるが、特にタイミングマークに合致した部分が熱エネルギーの吸収が大きく、反対面の感熱記録層部分に地肌カブリが発生する問題がある。
熱エネルギーを熱風や熱ロールから供給する方法は装置自体が大型な装置となるため、最近では、光や高周波を用いる方式が採用されつつある。例えば、電子写真方式等の印刷部に使用されるトナーを定着するための手段として、キセノンフラシュランプが使用されたり、インクジェット方式ではインクの乾燥のために高周波を使用されたりするが、その際、光−熱エネルギー変換、高周波−熱エネルギーにより印刷部の印字部に対応する感熱記録層に地肌カブリが発生する問題がある。併せて、可変情報を印刷した部分の光学濃度が高い場合、同様に熱エネルギーの吸収が大きく、反対面の感熱記録層に地肌カブリが発生する問題がある。
こうした地肌カブリを改良した方法が記載されている(特許文献1を参照)が、記録部の保存性に問題がある。
特開2002−79753号公報
本発明は、記録部の保存性、記録感度に優れ、しかも支持体の他方の面(裏面)に設けた印刷部を熱エネルギーにより乾燥しても、感熱記録層への地肌カブリが極めて少ない感熱記録体を提供することにある。
本発明は、支持体の一方の面側に、染料前駆体と顕色剤および接着剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、前記支持体の他方の面側に印刷部を有し、前記前記感熱記録層中の染料前駆体が3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドであり、かつ感熱記録体の静発色開始温度が90〜120℃であることを特徴とする。
印刷部が、熱定着された印刷部であることを特徴とする。
裏面での印刷適性を向上させるために、印刷部を設ける前の支持体において、感熱記録層を有する面と反対の面にインクジェット用受容層を設けることが好ましい。
地肌カブリが起こりにくいという理由で、顕色剤がN−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアであることが好ましい。
印刷部の認識性を向上させるために、印刷部の最大光学濃度が0.7〜1.4であることが好ましい。
感熱記録層中の染料前駆体において、黒発色する染料前駆体を含有することにより、2色発色記録が可能となる。
黒発色する染料前駆体が、ポリウレアおよびポリウレア−ポリウレタンより選ばれた少なくとも1種の高分子物質から形成される複合粒子を使用することにより、2色分離性および記録部の耐薬品性が良好になるためにより好ましい。
本発明の感熱記録体は、記録部の保存性、記録感度に優れ、しかも支持体の他方の面(裏面)に設けた印刷部を熱エネルギーにより乾燥しても、感熱記録層への地肌カブリが極めて少ない効果を有するものである。
支持体の一方の面側に、染料前駆体と呈色剤および接着剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、該感熱記録体の染料前駆体が3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドであり、支持体の他方の面側に印刷部を有し、かつ感熱記録体の静発色開始温度が90〜120℃であることを特徴とし、感熱記録体の発色開始温度が90℃未満になると、印刷部を特に連続的な可変情報の印刷性に優れた電子写真方式等の粉体トナーにより形成し、熱定着する際、印刷部に対応する感熱記録層部分において地肌カブリが発生し、120℃を越えると感熱記録層の記録濃度を高めるためには記録エネルギーを強くする必要があり、そのためサーマルヘッドが破壊される恐れがある。
なお、感熱記録体の静発色開始温度とは、熱傾斜試験機(東洋精機社製)を用い、9.8×10Paの圧力で1秒間発色させ、発色部をマクベス濃度計(RD−914型、マクベス社製)を使用してマゼンタフィルターで測定した時の光学濃度が0.2に達する温度である。
感熱記録体の静発色開始温度を90〜120℃に調整するためには、主に感熱記録層中の顕色剤と増感剤の選択が重要であり、更に、染料前駆体が3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドであることから、地肌カブリの起こりにくい顕色剤が必要となり、特に顕色剤としてN−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアを用いることが好ましい。
印刷部を熱定着若しくは乾燥させるための方法としては、例えば熱ロール、或いは熱板を有する間に感熱記録体を通過させる方法、あるいはキセノンフラッシュ等の閃光照射による光−熱エネルキー変換方法、高周波を照射させる方法があるが、熱ロール、或いは熱板を用いる方法では感熱記録層全体に地肌カブリが発生する恐れがあり、またキセノンフラッシュ等の閃光照射方法や高周波を照射方法では印刷部の光学濃度が1.4を越えると印刷部に対応した部分の感熱記録層に地肌カブリが発生する恐れがある。また、印刷部の光学濃度が0.7未満になると、印刷部の定着が著しく低下したり読み取り不良を生じる恐れがあるため、印刷部最大光学濃度(マクベス社製のマクベス濃度計、RD−914型を使用してビジュアルモードで測定された値)としては0.7〜1.4程度が好ましい。
本発明の印刷部とは、裏面全面、或いは裏面の一部分に設けた文字、画像、タイミングマークおよびバーコード等である。
特に、インクジェットを用い高周波の照射による高周波−熱エネルキー変換により印刷部の印字部を乾燥させる場合は、支持体と感熱記録層の間または支持体の他方の面側に、密度が0.9以下で厚さが5〜20μm程度の下塗り層を設けたり、熱可融性化合物を含有する下塗り層を設けることにより、感熱記録層への地肌カブリの発生がより抑制される。なお、支持体の感熱記録層面と反対側に設けられる下塗り層としては、インクジェットを使用した場合の濃度を効率よく上げる目的でカチオン樹脂を必須成分とするインクジェット用受容層がより好ましい。
前記下塗り層中には、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、無定形シリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、焼成カオリン、ナイロンフィラーパウダー、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、有機中空粒子等の顔料類、ポリビニルアルコール、アセトアセチル基、シラノール基、カルボキシル基等を有する各種変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、アラビアゴム、酸化デンプン、エーテル化デンプン、エステル化デンプン、乳化重合されたスチレン−ブタジエン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂等の接着剤類、ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステル・ナトリウム塩、脂肪酸金属塩等の界面活性剤類、グリオキザール、ジメチロール尿素、ポリアミドエピクロルヒドリン、ホウ酸、ホウ砂等の架橋剤類、その他消泡剤類、蛍光染料類、着色染料類等が含有される。
支持体としては、例えば中性または酸性の上質紙、コート紙、合成紙等が使用されるが、層の効果を十分に発揮させるために、好ましくは上質紙が使用され、特に感熱記録体としての用途に合わせた品質特性を持たせた専用の原紙が望ましい。支持体の厚みとしては、80〜200μm程度が好ましく、支持体の厚みが80μm未満になると、高周波−熱エネルギー変換定着時に感熱発色層に地肌カブリが発生する恐れがある。
本発明は、支持体の一方の面、またはその面上に設けた下塗り層の上に感熱記録層が設けられるが、感熱記録層に含有される染料前駆体としては、保存性が良好との理由で3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドが使用される。
なお、染料前駆体としては、上記の赤紫色系統の色調に発色する3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド以外に以下の染料前駆体があげられ、所望の効果を妨げない範囲で含有することができる。
かかる染料前駆体即ち、赤もしくは赤紫、オレンジ色系統の発色を与える染料前駆体としては、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(p−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(o−クロロ)アニリノラクタム、3−ジメチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−tert−ブチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−エチルフルオラン、3−(N−メチル−N−イソアミルアミノ)−7−フェノキシフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−クロロフルオラン、および3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−ベンゾフルオランをあげることができる。
赤色、赤紫色、オレンジ色系統の発色色調を与える染料前駆体としては、さらに3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−トリルアミノ−7−メチルフルオラン、3−トリルアミノ−7−エチルフルオラン、2−(N−アセチルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−プロピオニルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ベンゾイルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−カルボブトキシアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ホルミルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ベンジルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−アリルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、および2−(N−メチルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランをあげることができる。
赤色、赤紫色、およびオレンジ色系統の発色色調を示す染料前駆体として、さらに3,3’−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3’−フタリド〕、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−p−メチルフェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3’−フタリド〕、および7−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3’−フタリド〕などをあげることができる。
上記染料前駆体のなかでも、発色感度が高く、地肌かぶりが少ないという点で、赤色発色を与える染料前駆体としては、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、および3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N−メチル−N−イソアミルアミノ)−7−フェノキシフルオランが好ましく、オレンジ色発色を与える染料前駆体としては、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、および7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3’−フタリド〕が好ましい。
感熱記録層に使用される顕色剤の具体例としては、例えば4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン等のフェノール性化合物、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸−p−クミルフェニルエステル、N−(o−トリル)−p−トルエンスルホアミド、4,4’−ビス(N−p−トルエンスルホニルアミノカボニルアミノ)ジフェニルメタン等の分子内に−SONH−結合を有するもの、p−クロロ安息香酸亜鉛、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸等の芳香族カルボン酸の亜鉛塩等が挙げられるが、地肌カブリの点からN−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアが好ましい。
染料前駆体と顕色剤の使用比率は、用いる染料前駆体及び顕色剤の種類に応じて適宜選択すべきもので特に限定するものではないが、染料前駆体1質量部に対して0.5〜10質量部、好ましくは1〜4質量部程度の顕色剤が使用される。
感熱記録層には、記録部の保存安定性を高めるために保存性改良剤、および記録感度を高めるために増感剤を含有させることもできる。かかる保存性改良剤の具体例としては、例えば2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物等が挙げられる。
増感剤の具体例としては、例えば、パラベンジルビフェニル、ジベンジルテレフタレート、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸ジベンジル、アジピン酸ジ−o−クロルベンジル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、シュウ酸ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸ジ−p−クロルベンジル、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、1,3−ビス(2−ナフトキシ)プロパンなどをあげることができる。
本発明において、2色発色記録をするために感熱記録層中に赤紫色の色調以外の染料前駆体、即ち黒発色する染料前駆体を更に添加するが、2色分離性や記録部の保存性を良好にするために、黒発色する染料前駆体は、ポリウレアおよびポリウレア−ポリウレタンより選ばれた少なくとも一種である高分子物質から形成される複合粒子であることが好ましい。また、2色発色記録をするために感熱記録層を2層の構成として、下層に黒発色する染料前駆体を使用し、上層に赤紫色に発色する染料前駆体を使用したり、下層に黒発色する染料前駆体を使用し、上層に赤紫色に発色する染料前駆体と黒発色する染料前駆体とを使用する方法等もあげられる。その場合、上層で使用する黒発色する染料前駆体としては、複合粒子が好ましい。
複合粒子は染料前駆体を重合によりポリウレアおよびポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種を形成する高分子形成性原料に溶解し、その後この溶解液を水性媒体中に乳化分散し、この乳化分散液を加熱して前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製されたものであることが好ましい。
前記高分子形成性原料は、多価イソシアネート化合物、多価イソシアネート化合物とポリオールとの付加物、多価イソシアネート化合物とビウレットとの付加物、多価イソシアネート化合物とイソシアヌル酸との付加物、多価イソシアネート化合物とポリオールとの混合物、からなる群から選ばれる。
多価イソシアネート化合物と水が反応してアミン化合物ができ、そのアミン化合物と多価シソシアネート化合物とが反応してポリウレアが形成される。かかる反応と、さらに水酸基を有する有機化合物と多価イソシアネート化合物が反応してポリウレア−ポリウレタンが形成される。
本発明の感熱記録体において、前記複合粒子中の染料前駆体の含有量は、複合粒子全固形分に対して5〜80質量%程度であることが好ましい。
本発明で使用する複合粒子は、ポリウレアおよびポリウレア−ポリウレタンより選ばれた少なくとも1種の高分子物質並びに黒発色する染料前駆体からなるものであって、前記染料前駆体と高分子物質とが分子レベルで混合し、固溶体状態で存在していると考えられる。この複合粒子中には、油性溶媒などの液体を残存していない。複合粒子は空隙を有していない充実固体であることが最も好ましいが、多孔質固体、又は中空固体であってもよい。しかし、粒子径の三分の一以上の直径を有する単一の空洞を有する中空固体は、好ましくなく、むしろ微細な空孔が散在する多孔質固体の方が好ましい。前述のように、複合微粒子は、空隙部分が実質的に存在しない充実固体であることが最も好ましい。ここで「空隙部分が実質的に存在しない」とは、電子顕微鏡による複合粒子の断面観察において空隙部分の存在が認識できないことをいう。複合粒子中に液体が存在していたり、粒子径の三分の一以上の直径を有するような単一の空洞部分が存在すると、感熱発色層面、あるいは感熱発色層上に設けた保護層面を加圧式のカレンダーで平滑化処理を行う時に複合粒子が破壊されやすく白色度が低下するという不都合を生ずることがある。複合粒子が多孔質状態であるか、空隙部分が実質的に存在しないか、あるいは粒子径の三分の一以上の直径を有するような単一の空洞部分を有しているかは、後述の実施例に示すように、電子顕微鏡を使用し、複合粒子の切断断面を観察することにより容易に判別することができる。このような複合粒子は、油性溶液からなる芯液を内包していないため、それを包囲する壁膜がなく、従ってマイクロカプセルの形状とは明らかに異るものである。
高分子形成性原料として用いられる多価イソシアネート化合物としては、例えばp−フェニレンジイソシアネート、1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、2,4−トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物などが挙げられる。
また、高分子形成性原料に用いられるポリオール化合物としては、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、プロピレングリコール、1,3−ジヒドロキシブタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、フェニルエチレングリコール、ペンタエリスリトール、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、p−キシリレングリコール、m−キシリレングリコール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2−ヒドロキシアクリレートなどが挙げられる。
もちろん、多価イソシアネート化合物、多価イソシアネートとポリオールの付加物及びポリオール化合物などは、上記化合物に限定されるものではなく、また、必要に応じて2種以上を併用してもよい。なお、本発明で使用される多価イソシアネート化合物、又は多価イソシアネート化合物とポリオール化合物との付加物のうちでも、分子中にイソシアネート基を3個以上有するものを用いることが特に好ましい。
また本発明の高分子形成性原料に用いられるポリアミン化合物としては、例えばエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,5−ジメチルピペラジン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどが挙げられる。
本発明では、複合粒子の調製時の乳化分散において親水性保護コロイド剤のほかに界面活性剤、消泡剤などを使用してもよい。複合粒子調製の際の親水性保護コロイド剤の使用量については特に限定はないが、一般に、複合粒子全固形分に対して1〜50質量%であることが好ましく、3〜30質量%程度であることがより好ましい。
前記複合粒子に使用される黒発色する染料前駆体としては、例えば、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N-イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アリニノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−アミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチルアミノ)−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン等があげられ、更に3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3−(6−ジメチルアミノ)フタリドなどの発色時に近赤外領域にも強い吸収を有する染料前駆体なども併用することもできる。もちろん、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて2種以上を併用することもできる。その中でも、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチルアミノ)−7−(2−クロロアニリノ)フルオランが地肌かぶりを生じにくいという理由で好ましく使用される。
本発明に使用される複合粒子中には、染料前駆体の他に、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、油溶性蛍光染料、離型剤等が添加されていてもよい。このような添加物質は、常温で固体であることが好ましいが、液体であってもよい。染料前駆体が2種類以上の染料前駆体の混合物であってもよい。低温発色により形成される色調と混色することにより黒色色調となる発色色調、すなわち補色の関係にある発色色調を有する染料前駆体を複合粒子中に含有させることにより、高温発色色調を黒色とする場合、より黒味の強い高温発色色調を得ることができる。この場合、黒色発色性染料前駆体と、低温発色色調に対して補色の関係にある色調を発色する染料前駆体とを併用して染料前駆体を構成することもできるし、低温発色色調に対して補色の関係にある色調を発色する染料前駆体のみを単独染料前駆体として複合粒子中に含有させてもよい。
本発明の感熱発色層、又は複合粒子中に紫外線吸収剤を含有させることは、耐光性の点から好ましく、特に2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤は、発色画像の耐光性向上効果だけでなく発色感度向上効果もあり、好ましく使用できる。また、複合粒子調製における高分子化の際に、反応促進剤として錫化合物、ポリアミド化合物、エポキシ化合物、ポリアミン化合物などを併用してもよい。尚、ポリアミン化合物を使用する場合は、耐光性を低下させないという点から、脂肪族ポリアミン化合物を用いることが好ましい。
本発明において使用される複合粒子の平均粒子径は、発色感度を考慮すると、0.1〜15μmであることが好ましく、1.0〜6.0μmの範囲となるように調節することがより好ましい。
本発明においては、感熱記録層が1層の場合、複合粒子中に含まれる染料前駆体と、複合粒子と異なる色調に発色する染料前駆体との比率には限定はないが、一般に複合粒子中に含まれる染料前駆体100質量部に対し、後者の染料前駆体の量を20〜600質量部程度にすることが好ましく、より好ましくは50〜300質量部程度である。
また、感熱記録層が1層の場合、もしくは2層の場合で異なる発色色調の染料前駆体が層中に共存している場合、本発明の複合粒子を使用することにより、2色の色分離性に優れ、押圧力による地発色や、白紙のまゝ長期保存した時の地肌かぶり発生を抑制することができ、そればかりでなく、記録部の可塑剤や油による消色も著しく抑制することができる。
感熱記録層は、水を媒体とし、例えば平均粒子径が2μm以下に微分散された染料前駆体、複合粒子、顕色剤および上記の下塗り層用塗液中に含有される接着剤、更に必要により上記の下塗り層用塗液中に含有される顔料類、界面活性剤類等とを混合攪拌して調製された感熱記録層用塗液を支持体の一方の面、またはその面上に設けた下塗り層の上に乾燥後の塗布量が2〜12g/m、好ましくは3〜10g/m程度となるように塗布乾燥して形成される。
本発明の感熱記録体では、上記の感熱記録層上に、水性接着剤を主成分とする保護層を設けることにより、感熱記録部の保存性及び記録走行性が高められる。保護層に用いられる水性接着剤としては、前記の下塗り層中に含有される接着剤類が挙げられる。
更に、保護層中には前記の下塗り層中に含有される顔料類、架橋剤類、界面活性剤類等を必要により用いることができる。保護層は、水を媒体とし、例えば水性接着剤、顔料類、架橋剤類、界面活性剤類等を混合攪拌して調製された保護層用塗液を感熱記録層の上に乾燥後の塗布量が1〜5g/m程度となるように塗布乾燥して形成される。
下塗り層用塗液、感熱記録層用塗液および保護層用塗液の塗布方法については特に限定されず、例えばエアーナイフコーティング、ブレードコーティング、ダイコーティング、カーテンコーティング、スライドビードコーティング等の方法が挙げられる。
本発明の感熱記録体は、各層を設けた後にスーパーキャレンダー等で平滑化処理したり、支持体と感熱記録層との間、または下塗り層と印刷部との間に磁気記録層を設けたりする等の感熱記録体製造分野における各種の公知技術が必要に応じて付加し得るものである。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また特に断らない限り例中の部及び%はそれぞれ質量部及び質量%を示す。
実施例1
・下塗り層用塗液の調製
焼成カオリン(商品名;アンシレックス、EC社製)15部、平均粒子径1.0μm(膜厚:0.3μm)のアクリル系樹脂製の有機中空粒子の30%分散液100部、固形濃度50%のスチレン−ブタジエン系ラテックス20部、パラフィンワックス(融点75℃)の30%分酸液150部、ポリアクリル酸ナトリウムの40水溶液1部および水20部からなる組成物を混合攪拌して下塗り層用塗液を得た。
・A液調製
3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド10部、メチルセルロースの5%水溶液5部および水15部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.5μmとなるまで粉砕してA液を得た。
・B液調製
N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア10部、メチルセルロースの5%水溶液5部および水15部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.5μmとなるまで粉砕してB液を得た。
・C液調製
シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル10部、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル10部、メチルセルロースの5%水溶液5部および水55部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.5μmとなるまで粉砕してC液を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液25部、B液50部、C液50部、酸化デンプンの20%水溶液30部、軽質炭酸カルシウム10部、ポリビニルアルコールの10%水溶液の50部および水10部からなる組成物を混合撹拌して感熱記録層用塗液を得た。
・保護層用塗液の調製
アセトアセチル化ポリビニルアルコール(商品名:Z−200,日本合成化学工業社製)の8%水溶液1000部、炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1800、備北粉化社製)100部、ステアリン酸亜鉛の30%分散液30部および水100部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
・インクジェット層用塗液の調製
無定型シリカ(商品名:ミズカシルP−603、水澤化学工業社製)100部、ケン化度98モル%のケイ素変性ポリビニールアルコール(商品名:R−1130、クラレ製)の10%水溶液350部、カチオン樹脂としてジアルキルアミン・アンモニア・エピクロルヒドリン縮重合物(商品名:サンブライトKH−65、大和化学工業社製)の60%水溶液12部および水150部からなる組成物を混合攪拌してインクジェット層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
厚さ90μmの中性の上質紙(緊度:0.8)の一方の面に、下塗り層用塗液、感熱記録層用塗液および保護層用塗液を、乾燥後の塗布量がそれぞれ9g/m、5g/m、2g/mとなるように順次塗布乾燥して下塗り層、感熱記録層および保護層を設けた後、更に、支持体の他方の面にインクジェット層用塗液を、乾燥後の塗布量が6g/mとなるよう塗布乾燥してインクジェット層を設けた後、保護層面側のベック平滑度が約1500秒となるようにスーパーキャレンダー処理した。裏面についてはUVオフセット印刷で最大光学濃度1.25となるタイミングマークを印刷し、更に連続的な可変情報(バーコード印字)は高周波乾燥装置を有するインクジェットプリンタ装置で行い、感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1のC液調製において、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル10部、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル10部の代わりにシュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル6.7部、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル13.3部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1のC液調製において、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル10部、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル10部の代わりにシュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル20部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
・染料前駆体の複合粒子分散液(D液)の調製
3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン6部と、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン3部とを100℃に加熱したジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート9部に溶解し、この溶液を35℃に冷却後、同温度の8%ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールGM−14L、日本合成化学工業社製)水溶液100部に徐々に添加し、ホモジナイザーを用い、回転数8000rpmの攪拌によって乳化分散した後、この乳化分散液に水60部を加えて均一化した。この乳化分散液を90℃に昇温し、10時間の硬化反応を行わせた後、固形分濃度が20%となるように水を添加し、平均粒子径0.8μmの複合粒子分散液を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液12部、B液50部、C液50部、D液90部、酸化デンプンの20%水溶液30部、軽質炭酸カルシウム10部、ポリビニルアルコールの10%水溶液の50部および水10部からなる組成物を混合撹拌して感熱記録層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
実施例1において、感熱記録層用塗液を上記の処方に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1の感熱記録体の作製において、印刷部の最大光学濃度が0.74となるように印刷部を設けた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例6
実施例1の感熱記録体の作製において、印刷部の最大光学濃度が1.89となるように印刷部を設けた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例7
実施例1の感熱記録体の作製において、印刷部の最大光学濃度が0.63となるように印刷部を設けた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例8
実施例1のB液調製において、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアの代わりに4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例9
実施例1の感熱記録体の作製において、支持体と印刷部との間に下塗り層用塗液を乾燥後の塗布量が5g/mとなるように塗布乾燥して下塗り層を設けた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1のB液調製において、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアの代わりにビス(3−アリルー4−ヒドロキシフェニル)スルホンを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1のB液調製において、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアの代わりに4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1のA液調製において、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドの代わりに3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオランを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた各感熱記録体について下記の評価試験を行い、得られた結果を表1に記載した。
〔動発色濃度〕
得られた感熱記録体を感熱記録体評価機(商品名:TH−PMD型、大倉電気社製)を用いて、印加エネルギー0.2mJ/dotで記録し、記録部の濃度をマクベス濃度計(RD−914型、マクベス社製)を使用してマゼンタフィルターで測定した。
〔耐油性〕
得られた記録部をサラダ油に24時間浸漬させ、その後風乾させ、記録部をマクベス濃度計(RD-914型、マクベス社製)を使用してマゼンタフィルターで測定した。
〔印刷部定着後の感熱記録層の地肌カブリ〕
定着後の印刷部であるタイミングマークに対応する感熱記録層部分の濃度をマクベス濃度計(RD-914型、マクベス社製)を使用してマゼンタフィルターで測定した。
〔静発色開始温度〕
熱傾斜試験機(東洋精機社製)を用い、9.8×10Paの圧力で1秒間発色させ、発色部をマクベス濃度計(RD−914型、マクベス社製)を使用してマゼンタフィルターで測定した時の光学濃度が0.2に達する温度とした。
Figure 2005238725

Claims (7)

  1. 支持体の一方の面側に、染料前駆体と顕色剤および接着剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、前記支持体の他方の面側に印刷部を有し、前記感熱記録層中の染料前駆体が3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドであり、かつ感熱記録体の静発色開始温度が90〜120℃であることを特徴とする感熱記録体。
  2. 印刷部が、熱定着された印刷部である請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 印刷部を設ける前の支持体において、感熱記録層を有する面と反対の面にインクジェット用受容層を設けた請求項1または2に記載の感熱記録体。
  4. 顕色剤がN−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアである請求項1から3のいずれか一項に記載の感熱記録体。
  5. 印刷部の最大光学濃度が0.7〜1.4である請求項1から4のいずれか一項に記載の感熱記録体。
  6. 感熱記録層中の染料前駆体において、黒発色する染料前駆体を含有する請求項1から5のいずれか一項に記載の感熱記録体。
  7. 黒発色する染料前駆体が、ポリウレアおよびポリウレア−ポリウレタンより選ばれた少なくとも1種の高分子物質から形成された複合粒子である請求項6に記載の感熱記録体。
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