JP3566412B2 - 感熱記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は感熱記録材料に関し、更に詳しくは、支持体と感熱記録層との間にアンダー層を設けることにより諸特性を改善した感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、情報の多様化並びに増大、省資源、無公害化等の社会の要請に伴って情報記録分野においても種々の記録材料が研究・開発され実用に供されているが、中でも感熱記録材料は、(1)単に加熱するだけで発色画像が記録され煩雑な現像工程が不要であること、(2)比較的簡単でコンパクトな装置を用いて記録できること、更に得られた記録材料の取扱いが容易で維持費が安価であること、(3)支持体として紙が用いられる場合が多く、この際には支持体コストが安価であるのみでなく、得られた記録材料の感触も普通紙に近いこと等の利点故に、コンピューターのアウトプット、電卓等のプリンター分野、医療計測用のレコーダー分野、低並びに高速ファクシミリ分野、自動券売機分野、感熱複写分野、POSシステムのラベル分野等において広く用いられている。
【0003】
上記感熱記録材料は、通常、紙、合成紙又は合成樹脂フィルム等の支持体上に、加熱によって発色反応を起し得る発色成分含有の感熱発色層液を塗布・乾燥することにより製造されており、このようにして得られた感熱記録材料は熱ペン又はサーマルヘッドで加熱することにより発色画像が記録される。このような感熱記録材料の従来例としては、例えば特公昭43−4160号公報又は特公昭45−14039号公報開示の感熱記録材料が挙げられるが、このような従来の感熱記録材料は、例えば熱応答性が低く、高速記録の際充分な発色濃度が得られなかった。そして、かかる欠点を改善する方法として、例えば特開昭49−38424号公報にはアセトアミド、ステアロアミド、m−ニトロアニリン、フタル酸ジニトリル等の含窒素化合物を、特開昭52−106746号公報にはアセト酢酸アニリドを、特開昭53−11036号公報にはN,N−ジフェニルアミン誘導体、ベンズアミド誘導体、カルバゾール誘導体を、特開昭53−39139号公報には、アルキル化ビフェニル、ビフェニルアルカンを、特開昭56−144193号公報にはp−ヒドロキシ安息香酸エステル誘導体を、それぞれ含有させることによって高速化、高感度化をはかる方法が開示されているが、いずれの方法によっても充分な満足のいく結果が得られていないのが現状であった。また、他の方法として、融点の高いロイコ染料を非晶質化することにより、低融点化して、高感度化する方法が特開昭56−164890等に開示されている。しかしながら、非晶質化した染料は、その表面が活性化され、反応性に富む為、感熱発色塗液或いは感熱記録材料の液カブリ或いは地肌カブリが大きく、白色性に劣るという問題がある。
【0004】
そこで、地肌カブリをおさえて動的発色感度を高めるために、支持体の熱伝導率を0.04Kcal/mh℃以下にする(特開昭55−164192号公報)とか、支持体上に微小中空球粒子を主成分とする層を設ける(特開昭59−5093号及び同59−225987号公報)等ということが提案されており、また熱可塑性樹脂からなる5μm以下の非発泡性微小中空粒子を中間層に用いること(特開昭62−5886号公報)や、平均粒子径が0.2〜1.5μmで且つ中空度が40〜90%のプラスチック球状中空粒子をアンダー層に用いること(特開平1−113282号公報)等が提案されている。
【0005】
ところが、前記の特開昭55−164192号、特開昭59−5093号公報等に提案されている感熱記録材料は、発泡性が不充分で壁材に柔軟性がなかったり、断熱性が不充分であったり、あるいはサーマルヘッドと感熱記録材料との密着性が不充分であったりなどする場合があり、充分満足のいく結果が得られているとは言い切れないし、また前記の特開昭62−5886号、特開平1−113282号公報等に提案されている感熱記録材料も、充分満足する結果は得られていない。
【0006】
これらの感熱記録材料の感度をさらに向上させるものとして、特開平4−241987号にアンダーに体積中空率90%以上の微小中空フィラーを使用することが提案されている。
これらの中空フィラーは確かに中空率が大きくなるにつれ、断熱性が高まり感度が向上するが、それとともにフィラー自体の比重が小さくなる。したがつて、それを使用したアンダー液を作成した場合、経時で液上部と下部に中空フィラーの濃度勾配が生じ、液面上の中空フィラーが乾燥、結着し、固化してしまうという欠点を生じる。
その改善として、増粘剤の使用、又はフィラーに対するバインダー量の増加等、粘度を増大させる等の手段を使用することも考えられるが、この方法には感度が低下し、フィラーの断熱性を充分に利用できていないのが現状である。又、アンダー液の固形分を高くして、粘度を上げる手段も考えられるが、この場合には、粘性の高い液を使用するので、塗工法に制約を受け、また感度が充分ではなく、更には経時液安定性に劣るという問題を生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、中空率の高い中空フィラーを使用したアンダー液を用いても、経時での液上部と下部の中空フィラーの濃度勾配及び液面固化と感度低下を引き起こさずに、経時液安定性改善と共に現状を充分満足する高感度な感熱記録材料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、支持体上に熱で呈色する感熱記録層を設けた感熱記録材料において、支持体上と感熱記録層との間に中空率80%以上の微小中空粒子と、カルボキシル基変性の部分ケン化ポリビニルアルコールを含有したアンダー層を設けたことを特徴とする感熱記録材料が提供される。
また、本発明によれば、部分ケン化ポリビニルアルコールがケン化度が80%以上、重合度が500〜2500である上記感熱記録材料が提供される。
また、本発明によれば、部分ケン化ポリビニルアルコールがマレイン酸又はイタコン酸で変性された部分ケン化ポリビニルアルコールである上記感熱記録材料が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明では、支持体と熱で呈色する感熱記録層の間にアンダー層を設け、そのアンダー層に体積中空率80%以上の微小中空粒子と、カルボキシル基変性の部分ケン化ポリビニルアルコールを含有させることで高感度で各層間の結着性及びアンダー液の液安定性に優れた感熱記録材料が得られる。
【0010】
又、前記カルボキシル基変性部分ケン化ポリビニルアルコールのケン化度を80%以上、重合度を500〜2500にすることで、更にアンダー液の液安定性及び層構成時の結着性を高めることができる。
更に、カルボキシル基がマレイン酸又はイタコン酸で変性された、該記カルボキシル基変性部分ケン化ポリビニルアルコールを用いることによりアンダー液の液安定性をより一層上げることができる。
【0011】
本発明の中空率80%以上の微小中空粒子を主成分とするアンダー層は、断熱層として作用し、サーマルヘッド等からの熱エネルギーの効率的活用による発色感度の向上をもたらす。且つ、該微小中空粒子を主成分とする中間層を有する感熱記録材料は、弾力性に富み、ドット再現性に優れたものとなる。
【0012】
本発明において用いられる中空粒子は、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気その他の気体を含有するもので、既に発泡状態となっている微小中空粒子であり、平均粒子径は2〜10μmのものが用いられる。この平均粒子径(粒子外径)が2μmより小さいものは、任意の中空率にするのが難しい等の生産上の問題があってコストの面で難があり、逆に10μmより大きいものは、塗布乾燥後の表面の平滑性が低下するため、サーマルヘッドとの密着性が低下し、感度向上効果が低下する。従って、このような粒子分布は粒子径が前記範囲にあると同時に、バラツキの少ない分布ピークの均一なものが望ましい。
【0013】
更に、本発明において用いる微小中空粒子は、中空率が80%以上のものであるが、この中空率が90%未満のものは断熱性が不充分なため、サーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通じて感熱記録材料の外へ放出され、感度向上効果が不充分となる。なお、ここで言う中空率とは中空粒子の外径と内径の比であり、下記式で表示されるものである。
【0014】
なお、本発明で用いる微小中空粒子は、前記したように熱可塑性樹脂を殻とするものであるが、該樹脂としては、特に塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂が好ましい。
【0015】
支持体上に前記アンダー層を設けるには、前記の微小中空粒子を本発明のカルボキシル基変性の部分ケン化ポリビニルアルコールバインダーと共に水に分散し、これを支持体表面に塗布し、乾燥することによって得られる。この場合、微小中空粒子の塗布量は、支持体1m2当り少なくとも1g、またバインダー樹脂の塗布量は、アンダー層を支持体に強く結合させるような量でよく、通常は該微小中空粒子とバインダー樹脂との合計量に対して0.1〜30重量%である。
【0016】
また、前記微小中空粒子と公知の顔料とを含むアンダー層を形成させる場合には、前記微小中空粒子と顔料とを、バインダーと共に水に分解し、支持体表面に塗布、乾燥することによって得られる。この場合の前記無機又は/及び有機顔料の使用量は、微小中空粒子1重量部に対して0〜10重量部の範囲であり、10重量部超過の場合には発色感度が不充分となる。
【0017】
公知の顔料の例としては、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機顔料の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機顔料を挙げることができる。又は組合せてもよい。
【0018】
本発明に使用するカルボキシル基変性の部分ケン化ポリビニルアルコールについて説明する。
本発明で使用される部分ケン化ポリビニルアルコールバインダーで望まれるケン化度は80%以上が好ましい。ケン化度が80%未満であると、液の安定性としてタンダー液の分離が起こり易くなり、好ましくない。又、重合度は、500〜2500が好ましく、500未満であると、層構成時の結着性が低く、又、アンダー液も分離し易くなり、液安定性の面でも好ましくない。一方、2500を越えると、粘度が高くなりすぎ、塗工上好ましくない。
【0019】
又、前記ポリビニルアルコールバインダーのカルボキシル変性はイタコン酸もしくはマレイン酸によるものがアンダー液の安定性(中空フィラーの液中の分布勾配)が極めて良好である。
本発明で用いる前記部分ケン化ポリビニルアルコールの使用量は、中空フィラーの素材等によっても異なるが、通常中空フィラー1重量部に対して0.1〜1.0重量部である。
【0020】
本発明に係るカルボキシル基変性の部分ケン化ポリビニルアルコールと中間フィラーとの組み合せより成るアンダー液の安定性が優れるのか、その理由は定かではないが、以下のことが推測される。
通常、中空率の高い中空有機フィラーは製造上の問題もあり、粒径が2μm以上ある。又、断熱性効果を考えると塩化ビニリデン、アクリル系、スチレン系等、疎水性の素材を使用している場合が多い。したがって、そのような有機フィラーを水中で安定させる為には、各有機フィラーと水とに対して適度な親和性と粘度を有する必要があり、この調整に、カルボキシル基と部分ケン化されたビニルアルコール基との効果が有効であり、更には、カルボキシル基がマレイン酸もしくはイタコン酸変性された時の形態をとると、親和性のバランスが非常にマッチするものと考えられる。
【0021】
本発明に使用されるアンダー層には必要に応じて結着性を保つために従来公知の水溶性高分子や水性高分子エマルジョン等の樹脂を添加することができる。
【0022】
水溶性高分子として例えば、ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。また、水性高分子エマルジョンとしては、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックスや酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のエマルジョン等が挙げられるが、これに限らない。又これらを組合せて使用してもよい。
【0023】
なお、本発明のアンダー層には必要に応じて、更にこの種の感熱記録材料に慣用される補助添加成分、例えば、熱可融性物質、フィラー界面活性剤、増粘剤を併用することができる。
【0024】
熱可融性物質の例を挙げると、例えば高級脂肪酸又はそのエステル、アミド若しくは金属塩の他、各種ワックス類、芳香族カルボン酸とアミンとの縮合物、安息香酸フェニルエステル、高級直鎖グリコール、3,4−エポキシ−ヘキサヒドロフタル酸ジアルキル、高級ケトン、その他の熱可融性有機化合物等の50〜200℃の程度の融点を持つものが挙げられるが、これに限定されない。
【0025】
また、フィラーとしては、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機顔料の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機顔料を挙げることができ、これらは単独もしくは2種以上の混合物として使用してもよい。
【0026】
本発明の感熱記録層において用いるロイコ染料は単独又は2種以上混合して適用されるが、このようなロイコ染料としては、この種の感熱材料に適用されているものが任意に適用され、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フエノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。このようなロイコ染料の具体例としては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
【0027】
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、
3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、
3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、
3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
2−{N−(3’−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、
3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、
3−N−メチル−N,n−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、
ベンゾイルロイコメチレンブルー、
6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、
6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、
3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、
3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ピロリジノ−7−m−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、
2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、
3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、
3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5、6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’、5’−ベンゾフルオラン、
3−N−メチル−N−イソプロピル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン等。
【0028】
また、本発明の感熱記録層で用いる顕色剤としては、前記ロイコ染料を接触時発色させる電子受容性の種々の化合物、又は酸化剤等が適用される。このようなものは従来公知であり、その具体例としては以下に示すようなものが挙げられる。
【0029】
4,4’−イソプロピリデンジフェノール、
4,4’−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、
4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェノール
4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、
p−ニトロ安息香酸亜鉛、
1,3,5−トリス(4−ターシャリーブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、
2,2−(3,4’−ジヒドロキシジフェニル)プロパン、
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、
4−{β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、
1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、
1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−5−オキサペンタン、
フタル酸モノベンジルエステルモノカルシウム塩、
4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、
4,4’−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、
4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリ−ブチルフェニル)ブタン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、
4,4’−チオビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、
4,4’−ジフェノールスルホン、
4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、
4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’−ジフェノールスルホキシド、
P−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、
P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、
プロトカテキユ酸ベンジル、
没食子酸ステアリル、
没食子酸ラウリル、
没食子酸オクチル、
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、
N,N’−ジフェニルチオ尿素、
N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、
サリチルアニリド、
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、
1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、
1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、
2,4’−ジフェノールスルホン、
2,2’−ジアリル−4,4’−ジフェノールスルホン、
3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルジフェニルスルホン、
1−アセチルオキシ−2−ナフトエ酸亜鉛、
2−アセチルオキシ−1−ナフトエ酸亜鉛、
2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸亜鉛、
α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエン、
チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、
テトラブロモビスフェノールA、
テトラブロモビスフェノールS、
4,4’−チオビス(2−メチルフェノール)、
4,4’−チオビス(2−クロロフェノール)等。
【0030】
本発明の感熱記録層においては、前記ロイコ染料及び顕色剤を中間層上に塗布するために、慣用の種々のバインダーを適宜使用することができるが、その具体例としては、前記のアンダー層塗布において例示されたものと同様のものが挙げられる。
【0031】
また、本発明の感熱記録層においては、前記ロイコ染料及び顕色剤と共に、必要に応じ、更に、アンダー層で述べたようなこの種の感熱記録材料に慣用される補助添加成分、例えば、顔料、熱可融性物質、界面活性剤等を併用することができるが、これらに限定されない。
【0032】
なお、本発明においては、中間層と感熱記録層の間に、必要に応じ別の中間層として顔料、バインダー、熱可融性物質等を含有する層を設けることもできる。
この場合、顔料、バインダー及び熱可融性物質の具体例としては、前記感熱記録層又はアンダー層との関連において例示されたものと同様のものが挙げられる。
【0033】
更に、本発明の感熱記録材料は、サーマルヘッド等のマッチング性向上や、記録画像保存性をより高める等の目的によって、感熱記録層の上に保護層を設けることも可能であるが、この場合、保護層を構成する成分としては前記の顔料、バインダー、界面活性剤、熱可融性物質を用いることもできる。
【0034】
本発明の感熱記録材料は、例えば、前記した各層形成用塗液を、紙、合成紙、プラスチックフィルムなどの適当な支持体上に塗布し、乾燥することによって製造され、各種の感熱記録分野に応用される。
【0035】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、以下に示す部及び%はいずれも重量基準である。
下記に示す分散液を調製後、感熱記録材料を作成し、ついで液安定性、結着性及び感度倍率を後記する評価法によって評価した。その結果を表3に示す。なお、表1は実施例で用いるバインダー及び中空フィラーを、表2は比較例で用いるバインダー及び中空フィラーを示す。
【0036】
市販の上質紙(秤量52g/m2)の表面に上記A液を乾燥重量が3g/m2になるように塗布乾燥し、アンダー済紙を得た。
【0037】
<サーマル層>
(B液)
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 20部
10%ポリビニルアルコール溶解液 20部
水 60部
(C液)
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン 10部
シュウ酸ジ(p−メチルベンジル) 4部
10%ポリビニルアルコール溶解液 10部
水 76部
(D液)
炭酸カルシウム 20部
10%ポリビニルアルコール 10部
水 70部
B液:C液:D液を2:7:6の割合に混合した感熱発色層塗工液をアンダー済紙上に染料乾燥付着重量が0.5g/m2になるよう塗布乾燥し、スーパーキャレンダーでキャレンダー圧10kgで2回かけ感熱した。
【0038】
(評価法)
〔液安定性〕
アンダー液を50mlメスシリンダーに液面が30mlになるように注ぎ込み、室温に放置し経時で液の分離面をメスシリンダーの目盛りにて読み取った。
〔結着性〕
キャレンダー済品に、18mm幅×50mm長のセロハンテープニチバン(株)製を貼り付け、剥離し、塗工層の結着性を評価した。
○・・・上質紙から剥離
△・・・感熱層から剥離
×・・・アンダー層から剥離
〔感度倍率〕
キャレンダー済品を松下電子部品(株)製薄膜ヘッドを有する感熱印字実験装置にて、ヘッド電力0.45w/ドット、1ライン記録時間20msec/1、走査線密度8×3.85ドット/mmの条件下で、パルス巾0.0〜0.7mmsec(1mmsec毎)に印字し、印字濃度をマクベス反射濃度計RD−914にて測定し、濃度が1.0となるパルス巾を計算する。そして実施例1を基準として、実施例1のパルス巾=感度倍率として計算する。値が大きいほど感度(熱応答性)が良好であることを意味する。
【0039】
【表1】〔実施例〕
【0040】
【表2】〔比較例〕
【0041】
【表3】
【0042】
以上、表3の結果から本発明の感熱記録材料はアンダー液の安定性が著しく改善され、且つ高感度であることがわかる。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、支持体上に熱で発色する感熱発色層の間にアンダー層を設けた感熱記録材料においてアンダー層中に中空率80%以上の中空微粒子とカルボキシル基変性の部分ケン化ポリビニルアルコールを用いることによりアンダー液の安定性に優れ、結着性も良好でかつ高感度な感熱記録材料が得られる。
Claims (3)
- 支持体上に熱で呈色する感熱記録層を設けた感熱記録材料において、支持体上と感熱記録層との間に中空率80%以上の微小中空粒子と、カルボキシル基変性の部分ケン化ポリビニルアルコールを含有したアンダー層を設けたことを特徴とする感熱記録材料。
- 部分ケン化ポリビニルアルコールがケン化度が80%以上、重合度が500〜2500であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
- 部分ケン化ポリビニルアルコールがマレイン酸又はイタコン酸で変性されたカルボキシル基変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
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