JP2000318320A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2000318320A
JP2000318320A JP11135817A JP13581799A JP2000318320A JP 2000318320 A JP2000318320 A JP 2000318320A JP 11135817 A JP11135817 A JP 11135817A JP 13581799 A JP13581799 A JP 13581799A JP 2000318320 A JP2000318320 A JP 2000318320A
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capsule wall
compound
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JP11135817A
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English (en)
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Kozo Nagata
幸三 永田
Shintaro Washisu
信太郎 鷲巣
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度が印字時の環境湿度に依存し難い感熱記
録材料を提供することである。 【解決手段】 支持体と、その上に、カプセル壁がフッ
素化修飾されているマイクロカプセルを含有する感熱記
録層とを有する感熱記録材料である。好ましくは、カプ
セル壁が、少なくともイソシアネート系化合物を構成成
分として含み、且つ、フッ素含有アルコールによりフッ
素化修飾されている感熱記録材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録材料に関
し、詳しくは、医療用記録媒体等に適した感熱記録材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロカプセルは、数μm〜数mmの
直径を有するカプセルであり、その内部に微少な粒子や
液滴を包んでいる。通常、マイクロカプセルの形成に
は、カプセルに内包される芯物質と、カプセル壁を構成
するカプセル壁剤とを、疎水性の有機溶媒に溶解または
分散させ調製した油相を、水相中に混合し、ホモジナイ
ザー等の手段により乳化分散した後、加温することによ
りその油滴と水相との界面でカプセル壁剤の高分子形成
反応を進行させ、高分子物質からなるマイクロカプセル
壁を形成させる等の方法により製造される。カプセル壁
剤を選択することにより、熱や圧力等外部からの刺激に
応答して、物質非透過性から物質透過性に転移するマイ
クロカプセルが得られ、このような特性を利用して、感
熱記録材料、およびその他の種々の用途に広く使用され
ている。例えば、熱応答性マイクロカプセルを利用した
感熱記録材料では、通常、発色成分Aをマイクロカプセ
ルに内包させるとともに、該発色成分Aを発色させる化
合物Bをマイクロカプセル外に含有させ、サーマルヘッ
ド等により熱を供与することによってマイクロカプセル
内に化合物Bを浸透させ、熱を供与した領域を発色させ
て、画像を記録している。前記感熱記録材料の感度は、
発色成分Aと化合物Bとの反応性に依存するのみなら
ず、マイクロカプセルの熱応答性にも依存する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、感熱記録材
料は、種々の環境下で使用されることから、環境依存性
をより少なくすることが望まれている。マイクロカプセ
ルを利用した感熱記録材料は、一般的に、環境湿度の高
低に感度が依存する傾向があり、高湿下で使用した場合
に感度が上昇し、低湿下で使用した場合に感度が低下す
る場合が多い。特に、医療用の感熱記録材料等、高感度
の感熱記録材料は、環境に依存して生じる感度の高低
が、感熱記録材料の階調に大きく影響することになり、
環境依存性の低減が望まれている。
【0004】本発明は、前記諸問題を解決することを目
的とする。即ち、本発明は、感度が印字時の環境湿度に
依存し難い感熱記録材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を
重ねた結果、マイクロカプセル壁に吸着している水の量
が、マイクロカプセルの熱応答性に影響を与えることを
見出し、マイクロカプセルを疎水化処理することによっ
て、マイクロカプセル壁における水の吸脱着量を低減で
きるとの知見を得、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。即ち、前記課題を解決するための手段は、
以下の通りである。 <1> 支持体と、その上に、カプセル壁がフッ素化修
飾されているマイクロカプセルを含有する感熱記録層と
を有する感熱記録材料。 <2> カプセル壁が、フッ素含有アルコールによりフ
ッ素化修飾されていることを特徴とする<1>に記載の
感熱記録材料。 <3> フッ素含有アルコールが、1分子内にフッ素原
子を5以上有することを特徴とする<2>に記載の感熱
記録材料。
【0006】<4> マイクロカプセルが、少なくとも
フッ素化修飾剤を含有するとともに、カプセル壁剤を乳
化分散させた乳化分散液を、加熱して、前記カプセル壁
剤を乳化重合してなるマイクロカプセルであることを特
徴とする<1>から<3>までのいずれかに記載の感熱
記録材料。 <5> カプセル壁剤を乳化分散する前に、フッ素化修
飾剤とカプセル壁剤とを混合することを特徴とする<4
>に記載の感熱記録材料。 <6> カプセル壁剤を、末端疎水化ポリビニルアルコ
ールを含有する液中に乳化分散させることを特徴とする
<4>または<5>に記載の感熱記録材料。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の感熱記録材料は、支持体
上に、感熱記録層、更に必要に応じて、その他の層を有
する。 [感熱記録層]前記感熱記録層は、発色成分等を内包し
たマイクロカプセルを含有し、更に必要に応じて、その
他の成分を含有する。
【0008】(発色成分)前記感熱記録層は、未処理時
には優れた透明性を有し、加熱により呈色する性質を有
するものであれば、いかなる組成のものでも使用するこ
とができる。このような感熱記録層としては、実質的に
無色の発色成分Aと、該発色成分Aと反応して発色させ
る実質的に無色の化合物Bとを含有する、いわゆる二成
分型感熱記録層が挙げられるが、前記マイクロカプセル
には、発色成分Aを内包してもよいし、化合物Bを内包
していてもよい。この二成分型感熱記録層を構成する二
成分の組合せとしては、下記(ア)〜(ス)のようなも
のが挙げられる。
【0009】(ア)電子供与性染料前駆体と、電子受容
性化合物との組合せ。 (イ)光分解性ジアゾ化合物と、カプラーとの組合せ。 (ウ)ベヘン酸銀、ステアリン酸銀等の有機金属塩と、
プロトカテキン酸、スピロインダン、ハイドロキノン等
の還元剤との組合せ。 (エ)ステアリン酸第二鉄、ミリスチン酸第二鉄等の長
鎖脂肪族塩と、没食子酸、サリチル酸アンモニウム等の
フェノール類との組合せ。 (オ)酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸等のニッケ
ル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、銀等との塩等の有機
酸重金属塩と、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、
硫化カリウム等のアルカリ土類金属硫化物との組合せ、
または、前記有機酸重金属塩と、s−ジフェニルカルバ
ジド、ジフェニルカルバゾン等の有機キレート剤との組
合せ。 (カ)硫化銀、硫化鉛、硫化水銀、硫化ナトリウム等の
(重)金属硫酸塩と、Na−テトラチオネート、チオ硫
酸ソーダ、チオ尿素等の硫黄化合物との組合せ。 (キ)ステアリン酸第二鉄等の脂肪族第二鉄塩と、3,
4−ジヒドロキシテトラフェニルメタン等の芳香族ポリ
ヒドロキシ化合物との組合せ。 (ク)シュウ酸銀、シュウ酸水銀等の有機貴金属塩と、
ポリヒドロキシアルコール、グリセリン、グリコール等
の有機ポリヒドロキシ化合物との組合せ。 (ケ)ペラルゴン酸第二鉄、ラウリン酸第二鉄等の脂肪
族第二鉄塩と、チオセシルカルバミドやイソチオセシル
カルバミド誘導体との組合せ。 (コ)カプロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛等の
有機酸鉛塩と、エチレンチオ尿素、N−ドデシルチオ尿
素等のチオ尿素誘導体との組合せ。 (サ)ステアリン酸第二鉄、ステアリン酸銅等の高級脂
肪酸重金属塩と、ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛と
の組合せ。 (シ)レゾルシンとニトロソ化合物との組合せのような
オキサジン染料を形成する物。 (ス)ホルマザン化合物と還元剤および/または金属塩
との組合せ。
【0010】これらの中でも、発色成分として、(ア)
電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組合せ、
(イ)光分解性ジアゾ化合物とカプラーとの組合せ、ま
たは(ウ)有機金属塩と還元剤との組合せを用いること
が好ましく、特に、感熱記録材料の充分な透明性を確保
するためには、前記感熱記録層に(ア)電子供与性染料
前駆体と電子受容性化合物との組合せ、または(イ)光
分解性ジアゾ化合物とカプラーとの組合せを用いること
が好ましい。
【0011】次に、前記感熱記録層に好ましく使用され
る、前記組成の組合せ(ア、イ、ウ)について、以下に
詳細に説明する。まず、(ア)電子供与性染料前駆体と
電子受容性化合物との組合せについて説明する。本発明
において好ましく使用される電子供与性染料前駆体は、
実質的に無色のものであれば特に限定されるものではな
いが、エレクトロンを供与して、あるいは、酸等のプロ
トンを受容して発色する性質を有するものであり、特
に、ラクトン、ラクタム、サルトン、スピロピラン、エ
ステル、アミド等の部分骨格を有しており、電子受容性
化合物と接触した場合に、これらの部分骨格が開環若し
くは開裂する無色の化合物であることが好ましい。
【0012】前記電子供与性染料前駆体としては、例え
ば、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン
系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリ
ド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラ
クタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリア
ゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化
合物、ピリジン系化合物、ピラジン系化合物等が挙げら
れる。前記フタリド類の具体例としては、米国再発行特
許明細書第23,024号、米国特許明細書第3,49
1,111号、同第3,491,112号、同第3,4
91,116号、同第3,509,174号等に記載さ
れた化合物が挙げられる。前記フルオラン類の具体例と
しては、米国特許明細書第3,624,107号、同第
3,627,787号、同第3,641,011号、同
第3,462,828号、同第3,681,390号、
同第3,920,510号、同第3,959,571号
等に記載された化合物が挙げられる。前記スピロピラン
類の具体例としては、米国特許明細書第3,971,8
08号等に記載された化合物が挙げられる。前記ピリジ
ン系およびピラジン系化合物類としては、米国特許明細
書第3,775,424号、同第3,853,869
号、同第4,246,318号等に記載された化合物が
挙げられる。前記フルオレン系化合物の具体例として
は、特願昭61−240989号公報等に記載された化
合物が挙げられる。これらの中でも、白黒の画像形成用
感熱記録材料には、2−アリールアミノ−3−〔H、ハ
ロゲン、アルキルまたはアルコキシ−6−置換アミノフ
ルオラン〕を用いると、黒発色性の点で好ましい。
【0013】具体的には、例えば、2−アニリノ−3−
メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−N−シクロヘキシル−N−メチルア
ミノフルオラン、2−p−クロロアニリノ−3−メチル
−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−ジオクチルアミノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソアミ
ルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
N−エチル−N−ドデシルアミノフルオラン、2−アニ
リノ−3−メトキシ−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−o−クロロアニリノ−6−ジブチルアミノフルオラ
ン、2−p−クロロアニリノ−3−エチル−6−N−エ
チル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−o−クロ
ロアニリノ−6−p−ブチルアニリノフルオラン、2−
アニリノ−3−ペンタデシル−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−アニリノ−3−エチル−6−ジブチルアミ
ノフルオラン、2−o−トルイジノ−3−メチル−6−
ジイソプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−N−イソブチル−N−エチルアミノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N
−テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、2−アニ
リノ−3−クロロ−6−N−エチル−N−イソアミルア
ミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−
メチル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−
エトキシプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−N−エチル−N−γ−プロポキシプロピ
ルアミノフルオラン等が挙げられる。
【0014】前記電子供与性染料前駆体と作用する電子
受容性化合物としては、フェノール化合物、有機酸若し
くはその金属塩、オキシ安息香酸エステル等の酸性物質
が挙げられ、例えば、特開昭61−291183号公報
等に記載されている化合物が挙げられる。具体的には、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン
(一般名:ビスフェノールA)、2,2−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4’−
ヒドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
ブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ペ
ンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘ
キサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘ
プタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)オ
クタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−
2−メチル−ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキ
シフェニル)−2−エチル−ヘキサン、1,1−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,4−ビス
(p−ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、1,3−
ビス(p−ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、ビス
(p−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(3−ア
リル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(p
−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル等のビス
フェノール類;
【0015】3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル
酸、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸、3−
α−α−ジメチルベンジルサリチル酸、4−(β−p−
メトキシフェノキシエトキシ)サリチル酸等のサリチル
酸誘導体;
【0016】または、その多価金属塩(特に、亜鉛、ア
ルミニウムが好ましい);p−ヒドロキシ安息香酸ベン
ジルエルテル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘ
キシルエステル、β−レゾルシン酸−(2−フェノキシ
エチル)エステル等のオキシ安息香酸エステル類;p−
フェニルフェノール、3,5−ジフェニルフェノール、
クミルフェノール、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポ
キシ−ジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−
フェノキシ−ジフェニルスルフォン等のフェノール類が
挙げられる。中でも、良好な発色特性を得る観点からビ
スフェノール類が特に好ましい。また、上記の電子受容
性化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0017】次に、(イ)光分解性ジアゾ化合物とカプ
ラーとの組合せについて説明する。前記光分解性ジアゾ
化合物とは、後述するカップリング成分であるカプラー
とカップリング反応して所望の色相に発色するものであ
り、特定波長域の光を受けると分解し、もはやカップリ
ング成分が存在しても発色能力を持たなくなる光分解性
のジアゾ化合物である。この発色系における色相は、ジ
アゾ化合物とカプラーとが反応して生成するジアゾ色素
により決定される。従って、ジアゾ化合物、あるいは、
カプラーの化学構造を変えることにより、容易に発色色
相を変えることができ、その組み合わせ次第で、任意の
発色色相を得ることができる。また、画像形成後、特定
波長の光を照射することによって、画像保存性を向上さ
せることができる。
【0018】本発明において好ましく使用される光分解
性ジアゾ化合物としては、芳香族系ジアゾ化合物が挙げ
られ、具体的には、芳香族ジアゾニウム塩、ジアゾスル
フォネート化合物、ジアゾアミノ化合物等が挙げられ
る。前記芳香族ジアゾニウム塩としては、以下の一般式
で表される化合物が挙げられるが、これに限定されるも
のではない。また、前記芳香族ジアゾニウム塩は、光定
着性に優れ、定着後の着色ステインの発生の少なく、発
色部の安定なものが好ましく用いられる。 Ar−N2 +・X- 上記式中、Arは置換基を有する、あるいは無置換の芳
香族炭化水素環基を表し、N2 +はジアゾニウム基を、X
-は酸アニオンを表す。
【0019】前記ジアゾスルフォネート化合物として
は、近年多数のものが知られており、各々のジアゾニウ
ム塩を亜硫酸塩で処理することにより得られ、本発明の
感熱記録材料に好適に用いることができる。前記ジアゾ
アミノ化合物としては、ジアゾ基を、ジシアンジアミ
ド、サルコシン、メチルタウリン、N−エチルアントラ
ニックアシッド−5−スルフォニックアシッド、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、グアニジン等で
カップリングさせることにより得ることができ、本発明
の感熱記録材料に好適に用いることができる。これらの
ジアゾ化合物の詳細については、例えば、特開平2−1
36286号公報等に詳細に記載されている。
【0020】一方、上述のジアゾ化合物とカップリング
反応するカプラーとしては、例えば、2−ヒドロキシ−
3−ナフトエ酸アニリドの他、レゾルシンをはじめ、特
開昭62−146678号公報等に記載されているもの
が挙げられる。
【0021】前記感熱記録層において、発色成分とし
て、ジアゾ化合物とカプラーとの組合せを用いる場合、
さらに、増感剤として塩基性物質を添加してもよい。ジ
アゾ化合物とカプラーとのカップリング反応は、塩基性
雰囲気下でより促進される。前記塩基性物質としては、
水不溶性または難溶性の塩基性物質や加熱によりアルカ
リを発生する物質が挙げられ、例えば、無機または有機
アンモニウム塩、有機アミン、アミド、尿素やチオ尿素
またはそれらの誘導体、チアゾール類、ピロール類、ピ
リミジン類、ピペラジン類、グアニジン類、インドール
類、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール
類、モルフォリン類、ピペリジン類、アミジン類、フォ
リムアジン類またはピリジン類等の含窒素化合物が挙げ
られる。これらの具体例としては、例えば、特開昭61
−291183号公報等に記載されたものが挙げられ
る。
【0022】次に、(ウ)有機金属塩と還元剤との組合
せについて説明する。前記有機金属塩としては、具体的
には、ラウリン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸
銀、ステアリン酸銀、アラキン酸銀またはベヘン酸銀等
の長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩;ベンゾトリアゾール銀
塩、ベンズイミダゾール銀塩、カルバゾール銀塩または
フタラジノン銀塩等のイミノ基を有する有機化合物の銀
塩;s−アルキルチオグリコレート等の硫黄含有化合物
の銀塩;安息香酸銀、フタル酸銀等の芳香族カルボン酸
の銀塩;エタンスルホン酸銀等のスルホン酸の銀塩;o
−トルエンスルフィン酸銀等のスルフィン酸の銀塩;フ
ェニルリン酸銀等のリン酸の銀塩;バルビツール酸銀、
サッカリン酸銀、サリチルアスドキシムの銀塩またはこ
れらの任意の混合物が挙げられる。これらの内、長鎖脂
肪族カルボン酸銀塩が好ましく、中でもベヘン酸銀がよ
り好ましい。また、ベヘン酸をベヘン酸銀と共に使用し
てもよい。
【0023】前記還元剤としては、特開昭53−102
0号公報第227頁左下欄第14行目〜第229頁右上
欄第11行目の記載に基づいて適宜使用することができ
る。中でも、モノ、ビス、トリスまたはテトラキスフェ
ノール類、モノまたはビスナフトール類、ジまたはポリ
ヒドロキシナフタレン類、ジまたはポリヒドロキシベン
ゼン類、ヒドロキシモノエーテル類、アスコルビン酸
類、3−ピラゾリドン類、ピラゾリン類、ピラゾロン
類、還元性糖類、フェニレンジアミン類、ヒドロキシル
アミン類、レダクトン類、ヒドロオキサミン酸類、ヒド
ラジド類、アミドオキシム類、N−ヒドロキシ尿素類等
を使用することが好ましい。上記のうち、ポリフェノー
ル類、スルホンアミドフェノール類またはナフトール類
等の芳香族有機還元剤が特に好ましい。
【0024】前記電子供与性染料前駆体、または光分解
性ジアゾ化合物を感熱記録材料の感熱記録層に用いる場
合、該電子供与性染料前駆体の含有量は、0.1〜5.
0g/m2が好ましく、1.0〜3.5g/m2がより好
ましい。また、光分解性ジアゾ化合物の含有量は、0.
02〜5.0g/m2が好ましく、発色濃度の点から
0.10〜4.0g/m2がより好ましい。前記電子供
与性染料前駆体の含有量が0.1g/m2未満、あるい
は、前記光分解性ジアゾ化合物の含有量が0.02g/
2未満の場合には、充分な発色濃度が得られないこと
があり、また、両者の含有量が5.0g/m2を越える
場合には、感熱記録層の透明性が低下することがある。
前記電子供与性染料前駆体と組み合わせられる電子受容
性化合物は、前記電子供与性染料前駆体1重量部に対し
て、0.5〜30重量部使用するのが好ましく、1.0
〜10重量部がより好ましい。また、前記光分解性ジア
ゾ化合物と組み合わせられるカプラーは、前記ジアゾ化
合物1重量部に対して、0.1〜30重量部使用するの
が好ましい。
【0025】(マイクロカプセル)本発明において、感
熱記録層に含有されるマイクロカプセルは、そのカプセ
ル壁がフッ素化修飾されていることを特徴とする。この
ように、マイクロカプセルのカプセル壁をフッ素化修飾
することによって、カプセル壁は疎水化され、高湿度下
での水の吸着量は低減されるとともに、低湿度下での水
の脱着量も低減され、マイクロカプセルの熱応答性の環
境湿度依存性は低減される。その結果、感熱記録材料の
感度の環境湿度依存性も低減される。カプセル壁のフッ
素化修飾は、種々の方法により行うことができるが、例
えば、マイクロカプセルを構成しているカプセル壁剤と
反応するフッ素化修飾剤を、カプセル化反応時に反応液
中に含有させ、カプセル壁剤と反応させることによって
行うことができる。
【0026】前記マイクロカプセルは、前記発色成分A
と前記化合物Bのいずれか一方を内包しているのが好ま
しく、前記電子供与性染料前駆体、または光分解性ジア
ゾ化合物を内包しているのが好ましい。以下、発色成分
Aを内包する前記マイクロカプセルの製造方法の一例を
示す。疎水性の有機溶媒に、発色成分Aおよびカプセル
壁剤を溶解または分散させ調製した油相を、水相中に混
合し、ホモジナイザー等の手段により、発色成分とカプ
セル壁剤とを含有する油滴を乳化分散した後、加温する
ことにより、その油滴界面で、カプセル壁剤の高分子形
成反応(以下、「カプセル化反応」という場合があ
る。)を起こし、発色成分Aを内包するマイクロカプセ
ルを製造することができる。前記高分子形成反応には、
界面重合法、内部重合法、および外部重合法等を利用す
ることができるが、中でも、界面重合法を利用するのが
好ましい。
【0027】フッ素化修飾剤は、油相中に添加しても、
水相中に添加してもよいが、カプセル壁剤が水相中に添
加される前に、フッ素化修飾剤とカプセル壁剤とを混合
するのが好ましい。フッ素化修飾剤をカプセル壁剤とあ
らかじめ混合した後、水相中でカプセル化反応を行う
と、カプセル化反応前に、カプセル壁剤の一部または全
部をフッ素化修飾できる。例えば、あらかじめ、カプセ
ル壁剤とフッ素化修飾剤を混合し、この混合物と、発色
成分Aとを疎水性有機溶媒に溶解または分散させ、油相
を調製し、次にこの油相を水相中に乳化分散して乳化分
散液を調製し、その後、カプセル化反応を行い、発色成
分Aを内包するとともに、表面がフッ素化修飾されたマ
イクロカプセルを調製するのが好ましい。
【0028】フッ素化修飾剤としては、マイクロカプセ
ルのカプセル壁を構成している壁剤と反応する材料を用
いればよい。例えば、イソシアネート系化合物を壁剤と
して用いる場合は、イソシアネート基と容易に反応する
ヒドロキシ基を有するフッ素化修飾剤を用いるのが好ま
しく、例えば、フッ素含有アルコールが好ましく用いら
れる。ここで、フッ素含有アルコールとは、アルコール
の水素原子がフッ素原子で置換された化合物をいう。1
分子内に5以上のフッ素原子を有しているフッ素含有ア
ルコールが好ましく、7〜20のフッ素原子を有するフ
ッ素含有アルコールがより好ましい。例えば、CF3
2CH2OH、F(CF23CH2OH、F(CF28
CH2CH2OH、F(CF24CH2CH2OH、(CF
32CF(CF22CH2CH2OH等が挙げられる。ま
た、1分子内に、5以上の炭素原子を有するフッ素原子
含有アルコールが好ましい。尚、フッ素含有アルコール
は、ヒドロキシ基を2以上有する多価アルコールであっ
てもよいし、2級アルコールであっても、3級アルコー
ルであってもよい。
【0029】また、前記フッ素化修飾剤としては、フッ
素化エポキサイド、フッ素化カルボン酸、およびフッ素
化アミン等を使用することもできる。各々のフッ素化修
飾剤の例を以下に示す。
【0030】
【化1】
【0031】フッ素化修飾剤の添加量が少な過ぎると、
環境湿度依存性の低減効果が不充分になる場合があり、
一方、多過ぎると、感熱記録層用塗布液に液かぶり等が
生じる場合がある。フッ素化修飾剤の好ましい添加量
は、カプセル壁剤の種類や、フッ素化修飾剤の種類によ
って異なるが、一般的には、カプセル壁剤に対して5重
量%〜30重量%であり、より好ましくは10〜20重
量%である。
【0032】マイクロカプセルのカプセル壁を構成して
いる高分子としては、例えば、ポリウレタン、ポリウレ
ア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿
素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレ
ン、スチレンメタクリレート共重合体、スチレン−アク
リレート共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ポ
リウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、
ポリカーボネートが好ましく、ポリウレタン、ポリウレ
アが特に好ましい。また、マイクロカプセルは、2種以
上の高分子が組み合わされて形成された複合壁、例え
ば、ポリウレアとポリアミド、あるいはポリウレタンと
ポリアミドからなる複合壁から構成されていてもよい。
【0033】例えば、ポリウレアから構成されるマイク
ロカプセルは、ジイソシアネート、トリイソシアネー
ト、テトライソシアネート、ポリイソシアネートプレポ
リマー等のポリイソシアネートと、ジアミン、トリアミ
ン、テトラアミン等のポリアミン、2以上のアミノ基を
有するプレポリマー、ピペラジン若しくはその誘導体、
またはポリオール等とを、カプセル壁剤として用い、上
記水相中で界面重合法によって反応させることにより、
容易に製造できる。
【0034】また、ポリウレアとポリアミドからなる複
合壁から構成されているマイクロカプセル、若しくはポ
リウレタンとポリアミドからなる複合壁から構成されて
いるマイクロカプセルは、例えば、ポリイソシアネート
およびそれと反応してカプセル壁を形成する第2物質
(例えば、酸クロライド若しくはポリアミン、ポリオー
ル)を水溶性高分子水溶液(水相)またはカプセル化す
べき油性媒体(油相)中に混合し、これらを乳化分散し
た後、加温することにより調製することができる。この
ポリウレアとポリアミドからなる複合壁の製造方法の詳
細については、特開昭58−66948号公報に記載さ
れていて、本発明にも利用できる。
【0035】カプセル壁剤として用いるイソシアネート
系化合物は、3官能以上のイソシアネート基を有する化
合物が好ましいが、2官能のイソシアネート系化合物を
併用してもよい。具体的には、キシレンジイソシアネー
トおよびその水添物、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネートおよびその水添物、イソ
ホロンジイソシアネート等のジイソシアネートを主原料
とし、これらの2量体あるいは3量体(ビューレットあ
るいはイソシアヌレート)の他、トリメチロールプロパ
ン等のポリオールとキシリレンジイソシアネート等の2
官能イソシアネートとのアダクト体として多官能とした
もの、トリメチロールプロパン等のポリオールとキシリ
レンジイソシアネート等の2官能イソシアネートとのア
ダクト体にポリエチレンオキシド等の活性水素を有する
ポリエーテル等の高分子量化合物を導入した化合物、ベ
ンゼンイソシアネートのホルマリン縮合物等が挙げられ
る。特開昭62−212190号公報、特開平4−26
189号公報、特開平5−317694号公報、特願平
8−268721号公報等に記載の化合物が好ましい。
【0036】カプセル壁剤は、マイクロカプセルの平均
粒径が0.3〜12μmで、カプセル壁の厚みが0.0
1〜0.3μmとなるように添加されることが好まし
い。分散粒子径は0.2〜10μm程度が一般的であ
る。
【0037】イソシアネート系化合物とともに、マイク
ロカプセル壁の構成成分の一つとして水相中および/ま
たは油相中に添加されるポリオールおよび/またはポリ
アミンの具体例としては、プロピレングリコール、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミ
ン、ソルビトール、ヘキサメチレンジアミン等が挙げら
れる。ポリオールを添加した場合には、ポリウレタン壁
が形成される。上記反応において、反応温度を高く保
ち、あるいは適当な重合触媒を添加することが反応速度
を速める点で好ましい。ポリイソシアネート、ポリオー
ル、反応触媒、あるいは、壁剤の一部を形成させるため
のポリアミン等については成書に詳しい(岩田敬治編
ポリウレタンハンドブック 日刊工業新聞社(198
7))。
【0038】カプセル壁剤と、発色成分A(例えば、電
子供与性染料前駆体、または光分解性ジアゾ化合物)
と、フッ素化修飾剤等を含有する油相を分散させる水相
には、水溶性高分子を溶解または分散させるのが好まし
い。該水溶性高分子は、前記油相が油滴状に水相中に乳
化分散される際に、保護コロイドとして機能し、フッ素
化修飾剤等を含有し、合一化し易くなっている油滴の分
散性を安定化させる。前記機能を有する水溶性高分子と
しては、末端疎水化ポリビニルアルコールが好ましい。
末端疎水化ポリビニルアルコールを保護コロイドとして
用いることによって、前記油滴の乳化分散性が安定化す
るとともに、カプセル壁の強度を向上させることができ
るので好ましい。末端疎水化ポリビニルアルコールとし
ては、ポリビニルアルコールの末端をカルボン酸で変性
したカルボキシ変性ポリビニルアルコール、およびポリ
ビニルアルコールの末端をアルキル基で変成したアルキ
ル変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0039】前記カルボキシ変性ポリビニルアルコール
は、ポリビニルアルコールをカルボン酸で変性したもの
であり、前記カルボン酸としては、一塩基酸でも、二塩
基酸でもよく、一分子中に存在するカルボキシル基の数
については、特に制限はないが、二塩基酸が好ましい。
前記カルボキシ変性ポリビニルアルコールの具体例とし
ては、イタコン酸変性ポリビニルアルコールおよびマレ
イン酸変性ポリビニルアルコールが特に好ましく挙げら
れる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種を併
用してもよい。
【0040】また、前記カルボキシ変性ポリビニルアル
コールは、末端が更にアルキル基で変性されているもの
がより好ましい。具体的には、末端アルキル化イタコン
酸変性ポリビニルアルコールおよび末端アルキル化マレ
イン酸変性ポリビニルアルコールが特に好ましく挙げら
れる。前記アルキル基としては、炭素数が6〜16程度
のアルキル基が好ましく、炭素数が8〜14程度のアル
キル基がより好ましい。アルキル基の具体例としては、
例えば、−C817、−C919、−C1021、−C11
23、−C1225、−C1327、−C1429等が挙げられ
る。これらのアルキル基(−R)は、硫黄原子(−S
−)を介してスルフィド(−SR)の形で末端に導入さ
れることが好ましい。
【0041】また、前記末端アルキル変性ポリビニルア
ルコールは、ポリビニルアルコールの末端をアルキル基
で変性したものであり、前記アルキル基としては、上述
したアルキル基が好ましく、同様にスルフィド(−S
R)の形で末端に配置されることが好ましい。
【0042】前記カルボキシ変性ポリビニルアルコール
および末端アルキル変性ポリビニルアルコールは、マイ
クロカプセルの形成に用いられる保護コロイドとして使
用されるが、その添加量は、特に制限はなく、通常の保
護コロイドとして使用される量であれば充分である。ま
た、前記カルボキシ変性ポリビニルアルコールおよび末
端アルキル変性ポリビニルアルコールの製法について
も、特に制限はなく、従来公知の製法を用いることがで
きる。
【0043】また、マイクロカプセルを製造する際に、
所望により、金属含有染料、ニグロシン等の荷電調節
剤、あるいは、その他任意の添加物質を加えてもよい。
これらの添加剤は、カプセル化反応時または任意の時点
で、添加され、カプセル壁に含有される。また必要に応
じてカプセル壁表面の帯電性を調節するために、カプセ
ル壁を構成しているポリマーに、ビニルモノマー等のモ
ノマーをグラフト重合させてもよい。
【0044】より低温の状況下において、マイクロカプ
セルのカプセル壁が物質非透過性から物質透過性に転移
するとともに、内包する発色剤の発色性を高く維持する
ため、カプセル壁に可塑剤を含有させるのが好ましい。
可塑剤は、カプセル壁を構成している高分子に適合した
材料であればよいが、その融点が50℃以上のものが好
ましく、融点が120℃以下のものがより好ましい。こ
のうち、常温下で固体状のものを好適に選択して用いる
ことができる。例えば、カプセル壁剤としてイソシアネ
ート系化合物を用い、カプセル壁をポリウレア、ポリウ
レタンから構成する場合、可塑剤としては、ヒドロキシ
化合物、カルバミン酸エステル化合物、芳香族アルコキ
シ化合物、有機スルホンアミド化合物、脂肪族アミド化
合物、アリールアミド化合物等が好適に用いられる。
【0045】前記発色成分A等を含有する前記油相の調
製に用いられる疎水性有機溶媒としては、沸点100〜
300℃の有機溶媒が好ましい。具体的には、エステル
類の他、ジメチルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジ
イソプロピルナフタレン、ジメチルビフェニル、ジイソ
プロピルビフェニル、ジイソブチルビフェニル、1−メ
チル−1−ジメチルフェニル−2−フェニルメタン、1
−エチル−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタ
ン、1−プロピル−1−ジメチルフェニル−1−フェニ
ルメタン、トリアリルメタン(例えば、トリトルイルメ
タン、トルイルジフェニルメタン)、ターフェニル化合
物(例えば、ターフェニル)、アルキル化合物、アルキ
ル化ジフェニルエーテル(例えば、プロピルジフェニル
エーテル)、水添ターフェニル(例えば、ヘキサヒドロ
ターフェニル)、ジフェニルエーテル等が挙げられる。
これらの中でも、エステル類を使用することが乳化分散
物の乳化安定性の観点から特に好ましい。
【0046】前記エステル類としては、リン酸トリフェ
ニル、リン酸トリクレジル、リン酸ブチル、リン酸オク
チル、リン酸クレジルフェニル等のリン酸エステル類;
フタル酸ジブチル、フタル酸−2−エチルヘキシル、フ
タル酸エチル、フタル酸オクチル、フタル酸ブチルベン
ジル等のフタル酸エステル;テトラヒドロフタル酸ジオ
クチル;安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸
ブチル、安息香酸イソペンチル、安息香酸ベンジル等の
安息香酸エステル;アビエチン酸エチル、アビエチン酸
ベンジル等のアビエチン酸エステル;アジピン酸ジオク
チル;コハク酸イソデシル;アゼライン酸ジオクチル;
シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチル等のシュウ酸エ
ステル;マロン酸ジエチル;マレイン酸ジメチル、マレ
イン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エ
ステル;クエン酸トリブチル;ソルビン酸メチル、ソル
ビン酸エチル、ソルビン酸ブチル等のソルビン酸エステ
ル;セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル等のセ
バシン酸エステル;ギ酸モノエステルおよびジエステ
ル、酪酸モノエステルおよびジエステル、ラウリン酸モ
ノエステルおよびジエステル、パルミチン酸モノエステ
ルおよびジエステル、ステアリン酸モノエステルおよび
ジエステル、オレイン酸モノエステルおよびジエステル
等のエチレングリコールエステル類;トリアセチン;炭
酸ジエチル;炭酸ジフェニル;炭酸エチレン;炭酸プロ
ピレン;ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリペンチル等のホ
ウ酸エステル等が挙げられる。
【0047】これらの中でも、特にリン酸トリクレジル
を単独または混合して用いた場合、乳化物の安定性が最
も良好となり好ましい。上記のオイル同士または他のオ
イルとの併用による使用も可能である。
【0048】マイクロカプセルに内包させる発色成分A
(例えば、電子供与性染料前駆体、または光分解性ジア
ゾ化合物)の前記疎水性有機溶媒に対する溶解性が劣る
場合には、溶解性の高い低沸点溶媒を補助的に併用する
こともできる。このような低沸点溶媒としては、例え
ば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチ
レンクロライド等が好ましく挙げられる。
【0049】油相あるいは水相の少なくとも一方に界面
活性剤を添加すると、更に油相を油滴状に均一かつ安定
に乳化分散させることができるので好ましい。前記界面
活性剤としては、周知の乳化用界面活性剤を使用するこ
とができる。界面活性剤の添加量は、油相の重量に対し
て0.1〜5%が好ましく、0.5〜2%がより好まし
い。前記界面活性剤としては、アニオン性またはノニオ
ン性の界面活性剤の中から、前記保護コロイドと作用し
て沈殿や凝集を起こさないものを好適に選択して使用す
ることができる。好ましい界面活性剤としては、例え
ば、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫酸
ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、
ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル)等が挙げられる。
【0050】油相の水相中における乳化分散は、前記油
相と、水溶性高分子、および所望により界面活性剤等を
含有する水相とを、高速撹拌、超音波分散等の通常の微
粒子乳化に用いられる手段、例えば、ホモジナイザー、
マントンゴーリー、超音波分散機、ディゾルバー、ケデ
ィーミル等、公知の乳化装置を用いて容易に行うことが
できる。乳化後は、カプセル化反応を促進させるため
に、乳化物を30〜70℃に加温することが好ましい。
また、カプセル化反応中は、マイクロカプセル同士の凝
集を防止するために、加水してマイクロカプセル同士の
衝突確率を下げたり、充分な攪拌を行うことが好まし
い。
【0051】また、カプセル化反応中に、さらに、凝集
防止用の分散物を添加してもよい。重合反応の進行に伴
って炭酸ガスの発生が観測され、その発生の終息をもっ
ておよそのカプセル壁形成反応の終点とみなすことがで
きる。通常、数時間反応させることにより、目的のマイ
クロカプセルを得ることができる。
【0052】(感熱記録層用塗布液の調製)前記発色成
分Aを内包するとともに、カプセル壁がフッ素化修飾さ
れたマイクロカプセルの分散液は、化合物B(例えば、
発色成分Aとして電子供与性染料前駆体、または光分解
性ジアゾ化合物を用いた場合は、電子受容性化合物、ま
たはカプラー)と混合され、感熱記録層用塗布液が調製
される。化合物Bは、例えば、水溶性高分子および有機
塩基、その他の発色助剤等と共に、サンドミル等の手段
により固体分散して用いることもできるが、予め水に難
溶性または不溶性の高沸点有機溶剤に溶解した後、これ
を界面活性剤および/または水溶性高分子を保護コロイ
ドとして含有する高分子水溶液(水相)と混合し、ホモ
ジナイザー等で乳化した乳化分散物として用いることが
より好ましい。この場合、必要に応じて、低沸点溶剤を
溶解助剤として用いることもできる。化合物Bとして、
カプラーを用いる場合、増感剤として用いる有機塩基
は、カプラーとは別に、乳化分散物を調製し、前記マイ
クロカプセル分散液と混合するのが好ましい。尚、化合
物Bの乳化分散物の好ましい乳化分散粒子径は、1μm
以下である。
【0053】化合物Bの乳化分散物の調製に使用される
高沸点有機溶剤は、例えば、特開平2−141279号
公報に記載された高沸点オイルの中から適宜選択するこ
とができる。中でもエステル類を使用することが、乳化
分散液の乳化安定性の観点がら好ましく、中でも、リン
酸トリクレジルが特に好ましい。上記のオイル同士、ま
たは他のオイルとの併用も可能である。
【0054】化合物Bの乳化分散物の調製において、水
溶性高分子を保護コロイドとして使用する場合、該水溶
性高分子としては、公知のアニオン性高分子、ノニオン
性高分子、両性高分子の中から適宜選択することがで
き、乳化しようとする温度における水に対する溶解度が
5%以上の水溶性高分子が好ましく、その具体例として
は、ポリビニルアルコールまたはその変成物、ポリアク
リル酸アミドまたはその誘導体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレ
イン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン−ア
クリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、
カルボキシメチルセルロース,メチルセルロース等のセ
ルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、ア
ラビヤゴム、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。こ
れらの中でも、ポリビニルアルコール、ゼラチン、セル
ロース誘導体が特に好ましい。
【0055】化合物Bの乳化分散物の調製において、油
相の水相に対する混合比(油相重量/水相重量)は、
0.02〜0.6が好ましく、0.1〜0.4がより好
ましい。該混合比が0.02より小さい場合には、水相
が多すぎて希薄となり製造適性に欠け、一方、該混合比
が0.6より大きい場合には、逆に液の粘度が高くな
り、取扱いの不便さや塗布液安定性の低下を生ずるため
好ましくない。
【0056】上記のように調製したマイクロカプセル分
散液と乳化分散物とを混合することにより、感熱記録層
用塗布液を調製することができる。ここで、前記マイク
ロカプセル分散液の調製の際に保護コロイドとして用い
た水溶性高分子、および前記乳化分散物の調製の際に保
護コロイドとして用いた水溶性高分子は、前記感熱記録
層におけるバインダーとして機能する。また、これら保
護コロイドとは別にバインダーを添加、混合して、感熱
記録層用塗布液を調製してもよい。前記添加されるバイ
ンダーとしては、水溶性のものが一般的であり、ポリビ
ニルアルコ−ル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、エピクロルヒドリン変性ポリ
アミド、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン
−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイ
ンサリチル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル
酸アミド、メチロール変性ポリアクリルアミド、デンプ
ン誘導体、カゼイン、ゼラチン等が挙げられる。また、
これらのバインダーに耐水性を付与する目的で耐水化剤
を加えたり、疎水性ポリマーのエマルジョン、具体的に
は、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリル樹
脂エマルジョン等を添加することもできる。
【0057】前記感熱記録層用塗布液を支持体上に塗布
する際、水系または有機溶剤系の塗布液に用いる公知の
塗布手段が用いられるが、この場合、感熱記録層用塗布
液を安全かつ均一に塗布するとともに、塗膜の強度を保
持するため、本発明の感熱記録材料においては、メチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、澱粉類、ゼラチン、ポリビニルアル
コール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ポリア
クリルアミド、ポリスチレンまたはその共重合体、ポリ
エステルまたはその共重合体、ポリエチレンまたはその
共重合体、エポキシ樹脂、アクリレート系樹脂またはそ
の共重合体、メタアクリレート系樹脂またはその共重合
体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂等を使用することができる。
【0058】(その他の成分)以下に、感熱記録層に用
いることのできるその他の成分について述べる。前記そ
の他の成分としては、特に限定はなく、目的に応じて適
宜選択することができるが、例えば、公知の熱可融性物
質、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。
【0059】前記熱可融性物質は、熱応答性の向上を図
る目的で感熱記録層に含有させることができる。前記熱
可融性物質としては、芳香族エーテル、チオエーテル、
エステル、脂肪族アミド、ウレイド等が挙げられる。こ
れらの例は、特開昭58−57989号、同58−87
094号、同61−58789号、同62−10968
1号、同62−132674号、同63−151478
号、同63−235961号、特開平2−184489
号、同2−215585号の各公報等に記載されてい
る。
【0060】前記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノ
ン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系
紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線
吸収剤等が好適に挙げられる。これらの例は、特開昭4
7−10537号、同58−111942号、同58−
212844号、同59−19945号、同59−46
646号、同59−109055号、同63−5354
4号、特公昭36−10466号、同42−26187
号、同48−30492号、同48−31255号、同
48−41572号、同48−54965号、同50−
10726号の各公報、米国特許2,719,086
号、同3,707,375号、同3,754,919
号、同4,220,711号の各明細書等に記載されて
いる。
【0061】前記酸化防止剤としては、ヒンダードアミ
ン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、
アニリン系酸化防止剤、キノリン系酸化防止剤等が好適
に挙げられる。これらの例は、特開昭59−15509
0号、同60−107383号、同60−107384
号、同61−137770号、同61−139481
号、同61−160287号の各公報等に記載されてい
る。
【0062】前記その他の成分の塗布量としては、0.
05〜1.0g/m2程度が好ましく、0.1〜0.4
g/m2がより好ましい。なお、前記その他の成分は、
前記マイクロカプセル内に添加してもよいし、前記マイ
クロカプセル外に添加してもよい。
【0063】前記感熱記録層は、サーマルヘッドの僅か
な熱伝導の差異等から生ずる濃度ムラ等を抑え高画質な
画像を得るため、飽和透過濃度(DTmax)を得るのに
必要なエネルギー量幅、即ち、ダイナミックレンジが広
い感熱記録層であることが好ましい。本発明の感熱記録
材料は上記のような感熱記録層を有し、90〜150m
J/mm2の範囲の熱エネルギー量で、透過濃度DT3.
0を得ることができる特性を有する感熱記録層であるこ
とが好ましい。
【0064】前記感熱記録層は、塗布、乾燥後の乾燥塗
布量が1〜25g/m2になるように塗布されること、
および該層の厚みが1〜25μmになるように塗布され
ることが好ましい。
【0065】[支持体]本発明の感熱記録材料では、透
明な感熱記録材料を得る関係上、透明支持体を用いる。
透明支持体としては、ポリエチレンテレフタレートやポ
リブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、
三酢酸セルロースフィルム、ポリプロピレンやポリエチ
レン等のポリオレフィンフィルム等の合成高分子フィル
ムが挙げられ、これらを単独で、或いは貼り合わせて使
用することができる。上記合成高分子フィルムの厚み
は、25〜250μmが好ましく、50〜200μmが
より好ましい。
【0066】また、上記の合成高分子フィルムは任意の
色相に着色されていてもよい。高分子フィルムを着色す
る方法としては、樹脂フィルムを成形する前に樹脂に染
料を混練してフィルムを成形する方法、染料を適当な溶
剤に溶かした塗布液を調製し、これを無色透明な樹脂フ
ィルム上に公知の塗布方法、例えば、グラビアコート
法、ローラーコート法、ワイヤーコート法等により塗布
する方法等が挙げられる。中でも、青色染料を混練した
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレー
ト等のポリエステル樹脂をフィルムに成形し、これに耐
熱処理、延伸処理、帯電防止処理を施したものが好まし
い。
【0067】特に、本発明の透明な感熱記録材料をシャ
ーカステン上で支持体側から観察した場合、透明な非画
像部分を透過するシャーカステン光により幻惑が生じ見
ずらい画像になることがある。これを避けるため、透明
支持体としては、JIS−Z8701記載の方法により
規定された色度座標上の、A(x=0.2805,y=
0.3005)、B(x=0.2820,y=0.29
70)、C(x=0.2885,y=0.3015)、
D(x=0.2870,y=0.3040)の4点で形
成される四角形の領域内に青く着色された合成高分子フ
ィルムを用いることが特に好ましい。
【0068】[その他の層]本発明の感熱記録材料は、
前記支持体上に、その他の層として、中間層、保護層、
下塗り層、紫外線フィルター層、光反射防止層等を設け
ることができる。
【0069】(中間層)前記中間層は、前記感熱記録層
上に形成されることが好ましい。前記中間層は、層の混
合防止や画像保存性に対して有害なガス(酸素等)の遮
断のために設けられる。使用するバインダーは特に制限
はなく、系に応じて、ポリビニルアルコール、ゼラチ
ン、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体等を用い
ることができる。また、塗布適性付与のため、種々の界
面活性剤を添加してもよい。また、ガスバリヤー性をよ
り高めるため、雲母等の無機微粒子を前記バインダーに
対して2〜20重量%、より好ましくは5〜10重量%
添加してもよい。
【0070】(保護層)前記保護層は、前記感熱記録層
上に、または、前記中間層を前記感熱記録層上に設ける
場合には、前記中間層上に形成されることが好ましい。
前記保護層には、少なくとも顔料とバインダーが含有さ
れることが好ましい。前記保護層は、単層構造であって
もよいし、2層以上の積層構造であってもよい。また、
前記顔料は、通常、サーマルヘッドによる記録を好適な
ものとする、即ち、スティッキングや異音等の発生を抑
える目的で用いられるが、有機および/または無機の顔
料がバインダーと共に用いられることが好ましい。
【0071】前記保護層に用いられる顔料としては、そ
の平均粒径、詳しくは、レーザ回折法で測定した50%
体積平均粒径(レーザー回折粒度分布測定装置LA70
0((株)堀場製作所製)により測定した、顔料中の5
0%体積に相当する顔料粒子の平均粒径。以下、単に、
「平均粒径」ということがある。)が、0.300μm
以下の顔料を用いることが好ましく、特に、サーマルヘ
ッドにより記録する際のヘッドと感熱記録材料との間に
おけるスティッキングや異音等の発生を防止する観点か
ら、上記50%体積平均粒径が0.200〜0.300
μmの範囲にあることがより好ましい。この50%体積
平均粒径が0.300μmを超える場合には、サーマル
ヘッドに対する摩耗の低減効果が小さいため好ましくな
く、また、0.200未満では顔料添加による効果、即
ち、サーマルヘッドと保護層中のバインダーとの間の溶
着を防止する効果が低下し、その結果、印画時にサーマ
ルヘッドと感熱記録材料の保護層とが接着する、いわゆ
るスティッキングを起こす原因となるため好ましくな
い。
【0072】また、前記保護層に用いられる顔料は、上
記範囲の粒径を有するものであることのみならず、用い
た顔料の粒径分布において、全粒子に占める粒径1μm
以上の粒子の含有率が3%以下である顔料を用いること
が好ましい。前記のように、顔料中の50%体積に相当
する顔料粒子の平均粒径を本発明に規定する範囲まで小
さくするに伴って、更に顔料中に存在する大粒径の粒子
成分の含有率をも、本発明で規定する含有率まで減らす
ことが、サーマルヘッドの摩耗を低減し、かつ画質の高
画質化を図るのに有効である。この全粒子に占める粒径
1μm以上の粒子の含有率が3%を超える場合、たとえ
顔料粒子の前記50%体積平均粒径が0.300μm以
下であり、サーマルヘッドの摩耗低減の点で効果を有す
るものであっても、顔料成分を多量に添加した場合のよ
うに、感熱記録材料自体の透明性が低下したり、形成し
た画像がボケたりする等の問題が発生し好ましくない。
【0073】前記保護層中に使用される顔料としては、
特に限定されるものではなく、公知の有機、無機の顔料
を挙げることができるが、特に、炭酸カルシウム、酸化
チタン、カオリン、水酸化アルミニウム、非晶質シリ
カ、酸化亜鉛等の無機顔料、尿素ホルマリン樹脂、エポ
キシ樹脂等の有機顔料が好ましい。中でも、カオリン、
水酸化アルミニウム、非晶質シリカがより好ましい。こ
れらの顔料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用
して用いてもよい。また、これらの顔料の粒子表面に高
級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エス
テルまたは高級脂肪族炭化水素等で表面処理を施したも
のを使用してもよい。これらの顔料は、例えば、ヘキサ
メタリン酸ソーダ、部分ケン化または完全ケン化変性ポ
リビニルアルコール、ポリアクリル酸共重合体、各種界
面活性剤等の分散助剤、好ましくは、部分ケン化または
完全ケン化変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸
共重合体アンモニウム塩の共存下でディゾルバー、サン
ドミル、ボールミル等の既知の分散機で、上述した平均
粒径にまで分散して使用されることが好ましい。即ち、
顔料の50%体積平均粒径が0.200〜0.300μ
mの範囲の粒径になるまで分散してから使用されること
が好ましい。
【0074】更に、塗布乾燥後の保護層表面の全周波数
域における表面粗さのうち、2〜10μmの範囲の周波
数成分における表面粗さの中心線値Raが、0.3μm
以下である保護層であることが好ましい。該保護層の表
面粗さの中心線値Raは、特に、0.1〜0.3μmの
範囲にあることがより好ましい。前記のように感熱記録
材料の保護層中に、50%体積平均粒径が0.300μ
m以下であり、全粒子に占める粒径1.0μm以上の粒
子含有率が3%以下である顔料を使用した感熱記録材料
であっても、上記Ra値が0.3μmを超える場合に
は、サーマルヘッドの摩耗を充分に抑制することができ
ず、画質故障を招くことがある。この場合には、塗布す
る顔料分散液または保護層塗布液が不安定であったり、
塗布乾燥時に凝集等を生じたことによるものであり好ま
しくない。上記した「全周波数域の表面粗さのうち、粗
れの周期が2〜10μmである周波数成分域における表
面粗さの中心線値Ra」とは、測定より得られた全周波
数域の表面粗さのうち、周波数カットフィルターにより
フィルター処理することにより2μm以下、および10
μm以上の周波数域をカットし、残った2〜10μmの
周波数成分域における粗さの度合の集合から求めた中心
線の位置する粒径値(=Ra)を意味し、Raが大きい
場合、層表面にはヘッドに直接衝突する凸部が存在し、
この凸部の衝突によりサーマルヘッドにかかる瞬間抵抗
が増大し、摩耗を促進させるのである。
【0075】前記保護層には透明性を良好なものとする
観点から、バインダーとして、完全鹸化ポリビニルアル
コール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、シリカ
変性ポリビニルアルコール等が好ましい。前記保護層に
は、公知の硬膜剤、金属石けん等が含有されていてもよ
い。
【0076】また、前記感熱記録層上、または前記中間
層上に均一に保護層を形成させるために、保護層形成用
塗布液に界面活性剤を添加することが好ましい。該界面
活性剤としては、スルホ琥珀酸系のアルカリ金属塩、フ
ッ素含有界面活性剤等があり、具体的には、ジ−(2−
エチルヘキシル)スルホ琥珀酸、ジ−(n−ヘキシル)
スルホ琥珀酸等のナトリウム塩またはアンモニウム塩等
が挙げられる。
【0077】更に、前記保護層中には記録ヘッドの摩耗
低減の目的でワックス、感熱記録材料の帯電防止の目的
で界面活性剤、金属酸化物微粒子、無機電解質、高分子
電解質等を添加してもよい。
【0078】前記ワックスとしては、融点が40〜10
0℃の範囲にあり、かつ、その50%体積平均粒径が
0.7μm以下であることが好ましく、0.4μm以下
のものであることがより好ましい。該平均粒径が0.7
μmを越える場合、保護層の透明性が低下したり、画像
のカスレが発生し好ましくない。また、融点が40℃未
満の場合、保護層表面が粘着性を帯びてくるため好まし
くなく、100℃を越える場合には、スティッキングが
生じ易くなり好ましくない。
【0079】融点を40〜100℃に有するワックスと
しては、例えば、パラフィンワックス;マイクロクリス
タリンワックス等の石油ワックス;ポリエチレンワック
ス等の合成ワックス;キャンデリラワックス、カルナバ
ワックス、ライスワックス等の植物系ワックス;ラノリ
ン等の動物系ワックス;モンタンワックス等の鉱物系ワ
ックスが挙げられる。これらの中でも、融点を55〜7
5℃に有するパラフィンワックスが特に好ましい。前記
ワックスの使用量は、保護層全体の0.5〜40重量%
が好ましく、1〜20重量%がより好ましい。また、こ
れらのワックスと12−ヒドロキシステアリン酸誘導
体、高級脂肪酸アミド等を併用して用いてもよい。
【0080】前記ワックスを上記した50%平均粒径に
まで分散する方法としては、ワックスを適当な保護コロ
イドや界面活性剤の共存下で、ダイノミルやサンドミル
等の公知の湿式分散機で分散する方法等が挙げられる
が、微粒子化する観点からは、一旦ワックスを加熱して
融解した後、この融点以上の温度下で、ワックスが不溶
または難溶の溶剤中で高速撹拌、超音波分散等の手段に
より乳化する方法や、ワックスを適当な溶剤に溶解した
後、ワックスが不溶または難溶の溶剤中で乳化する方法
等が挙げられる。この際、適当な界面活性剤や保護コロ
イドを併用してもよい。
【0081】前記保護層の乾燥塗布量は0.2〜7g/
2が好ましく、1〜4g/m2 がより好ましい。
【0082】(下塗り層)本発明の感熱記録材料におい
ては、支持体から感熱記録層が剥がれることを防止する
目的で、マイクロカプセル等を含有する感熱記録層や光
反射防止層等を塗布する前に、支持体上に下塗り層を設
けることができる。前記下塗り層としては、アクリル酸
エステル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、SBR、水性
ポリエステル等を用いることができ、層の厚みは0.0
5〜0.5μmが好ましい。
【0083】前記下塗り層上に感熱記録層を塗布する
際、感熱記録層用塗布液に含まれる水分により下塗り層
が膨潤して、感熱記録層に記録された画像が悪化するこ
とがあるので、下塗り層にはグルタルアルデヒド、2,
3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等のジアルデヒ
ド類およびホウ酸等の硬膜剤を用いて硬膜させることが
好ましい。これらの硬膜剤の添加量は、下塗り素材の重
量に応じて0.2〜3.0重量%の範囲で、所望の硬化
度に合わせて適宜、添加することができる。
【0084】(紫外線フィルター層)前記感熱記録層の
塗布面と反対の支持体裏面側に、画像の褪色防止の目的
で、紫外線フィルター層を設けてもよい。前記紫外線フ
ィルター層には、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノ
ン系、ヒンダードアミン系等の紫外線吸収剤が含有され
る。
【0085】(光反射防止層)前記感熱記録層の塗布面
と反対の支持体裏面側に、平均粒径が1〜20μm、好
ましくは1〜10μmの微粒子を含有する光反射防止層
を設けてもよい。この光反射防止層の塗設により、入射
光角20°で測定した光沢度を50%以下にすることが
好ましく、30%以下にすることがより好ましい。前記
光反射防止層に含有される微粒子としては、大麦、小
麦、コーン、米、豆類より得られる澱粉等の微粒子の
他、セルロースファイバー、ポリスチレン樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、ポリ
(メタ)アクリレート樹脂、ポリメチル(メタ)アクリ
レート樹脂、塩化ビニルまたは酢酸ビニル等の共重合体
樹脂、ポリオレフィン等の合成高分子の微粒子、炭酸カ
ルシウム、酸化チタン、カオリン、スメクタイト粘土、
水酸化アルミニウム、シリカ、酸化亜鉛等の無機物の微
粒子等が挙げられる。これらは、1種単独で使用しても
よく、2種以上を併用してもよい。また、感熱記録材料
の透明性を良好なものとする観点から、屈折率が1.4
5〜1.75の微粒子状物質であることが好ましい。
【0086】本発明の感熱記録材料は、支持体上に、下
塗り層、感熱記録層、中間層、保護層を順次、ブレード
塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコ
ーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、
バー塗布法等の公知の塗布方法により支持体上に塗布す
ることにより形成することができる。
【0087】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらによって何ら制限されるものでは
ない。
【0088】(実施例1) [感熱記録層用塗布液の調製]以下の様にして、マイク
ロカプセル分散液、顕色剤乳化分散物の各液を調製し
た。 (マイクロカプセル分散液の調製)発色剤として、下記
構造式(1)で表される化合物19gと、下記構造式
(2)で表される化合物4.2gと、下記構造式(3)
で表される化合物7.4gと、下記構造式(4)で表さ
れる化合物0.6gと、下記構造式(5)で表される化
合物1.9gと、下記構造式(6)で表される化合物
0.8gとを酢酸エチル36gに添加して70℃に加
熱、溶解した後、35℃まで冷却した。これに、n−ブ
タノール0.8g、カプセル壁材(「タケネートD12
7N」、武田薬品工業(株)製)26.4g、およびフ
ッ素化修飾剤であるCF3CF2CH2OHを加え、40
℃のまま40分間保温した。
【0089】
【化2】
【0090】
【化3】
【0091】この溶液を、水26gに8重量%のポリビ
ニルアルコール水溶液(「PVA217C」、(株)ク
ラレ社製、非変成、重合度1700)75gを混合した
水相中に加えた後、エースホモジナイザー(日本精機
(株)製)を用い回転数10000rpmで5分間乳化
を行った。得られた乳化液に、更に水140gおよびテ
トラエチレンペンタミン1.0gを添加した後、60℃
で3時間カプセル化反応を行い、平均粒径0.7μmの
マイクロカプセル分散液を調製した。尚、以下、分散液
中における分散粒子の平均粒径は、レーザ回折粒度分布
測定装置にて測定した値であり、以下の種々の分散粒子
の平均粒径において、同様である。
【0092】(顕色剤乳化分散物の調製)顕色剤とし
て、下記構造式(7)で表される化合物3.4gと、下
記構造式(8)で表される化合物8.3gと、下記構造
式(9)で表される化合物8.3gと、下記構造式(1
0)で表される化合物5.8gと、下記構造式(11)
で表される化合物3.9gと、下記構造式(12)で表
される化合物3.5gとをトリクレジルフォスフェート
0.8g、マレイン酸ジエチル0.4gと共に、酢酸エ
チル15gに添加し、70℃に加熱して溶解した。
【0093】
【化4】
【0094】
【化5】
【0095】この溶液を、15重量%のポリビニルアル
コール水溶液(「PVA205C」、クラレ(株)製)
40g、2.0重量%のドデシルベンゼンスルフォン酸
ナトリウム水溶液9gおよび下記構造式(13)で表さ
れる化合物の2重量%水溶液9.0gを混合した水相中
に加えた後、エースホモジナイザー(日本精機(株)
製)を用いて回転数10000rpmで平均粒径0.7
μmになるように乳化し、顕色剤乳化分散物を得た。
【0096】
【化6】
【0097】(感熱記録層用塗布液の調製)前記マイク
ロカプセル分散液(固形分濃度27重量%)14.2
g、前記顕色剤乳化分散物(固形分濃度21重量%)8
5gおよび下記構造式(14)で示される化合物の50
重量%水溶液0.4gを混合して、感熱記録層用塗布液
を調製した。
【0098】
【化7】
【0099】[中間層用塗布液の調製]15重量%のゼ
ラチン水溶液(「#750GEL」、新田社製)140
g、界面活性剤として10重量%のドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム3g、粘度調整用に5重量%のポリ
スチレンスルホン酸ナトリウム(分子量76万、三協化
学社製)7g、雲母2.5重量%分散液21gを140
gの水に溶解し、中間層用塗布液を調製した。
【0100】[保護層用塗布液の調製] (ワックス微粒子乳化分散液の調製)融点68〜70℃
の固体パラフィンワックス(関東科学(株)製)20.
0gにポリオキシエチレンステアリルエーテル系界面活
性剤(「花王エマルゲン320P」、花王(株)製)
5.0gを加え、75℃に加熱し溶融混合した。これ
を、75℃の5重量%ポリビニルアルコール水溶液
(「PVA205C」、クラレ(株)製)60gに加
え、エースホモジナイザー(日本精機(株)製)を用い
回転数15000rpmで平均粒径0.7μmになるよ
うに乳化を行った。乳化を行うに際し、乳化が常に75
℃以上の温度で行われるように上記ホモジナイザーの周
囲に温度85℃の温水を流し、保温を行った。乳化終了
後、温水8.3gを加えた後、液温を徐々に下げて常温
まで冷却し、30重量%のワックス微粒子乳化分散液を
得た。
【0101】(保護層用顔料分散液の調製)水110g
に水酸化アルミニウム(「H42S」、昭和電工
(株))30gを加え3時間撹拌した後、これに分散助
剤(「ポイズ532A」、花王(株)製)0.2g、1
0重量%ポリビニルアルコール水溶液(「PVA10
5」、クラレ(株)製)30g、10重量%ドデシルベ
ンゼンスルフォン酸Na塩水溶液1.0gを加えサンド
ミルで分散し、平均粒径0.275μmで粒径1.0μ
m以上の粒子含有率が2%の保護層用顔料分散液を得
た。
【0102】(保護層用塗布液の調製)水20gに、6
重量%ポリビニルアルコール水溶液(「PVA124
C」、クラレ(株)製)90g、20.5重量%ステア
リン酸亜鉛分散物(「F155」、中京油脂(株)製)
0.5g、1.0%ホウ酸水溶液25g、上記30重量
%ワックス微粒子乳化分散液3.0g、上記保護層用顔
料分散液60g、30重量%シリコーンオイル水分散液
(「SH490」、東レ・ダウコーニング(株)製)
5.0g、10重量%ドデシルベンゼンスルフォン酸N
a塩水溶液2.0g、下記構造式(15)で表される化
合物の2重量%水溶液15g、および40重量%グリオ
キザール水溶液1.0gを混合して保護層用塗布液を得
た。
【0103】
【化8】
【0104】[紫外線フィルター層用塗布液の調製] (紫外線フィルター層用マイクロカプセル分散液の調
製)下記構造式(16)で表される化合物1.58g
と、下記構造式(17)で表される化合物6.30g
と、下記構造式(18)で表される化合物5.20g
と、下記構造式(19)で表される化合物1.40g
と、下記構造式(20)で表される化合物7.30gと
を酢酸エチル8.2gに添加して70℃に加熱、溶解し
た後、35℃まで冷却した。これに、カプセル壁材
(「タケネートD110N」、武田薬品工業(株)製)
0.9g、カプセル壁材(「バーノックD750」、大
日本インキ(株)製)0.3gを加え、35℃のまま5
分間保温した。この溶液を、15重量%のポリビニルア
ルコール水溶液(「PVA205」、クラレ(株)製)
120gと10重量%ドデシルベンゼンスルフォン酸N
a塩水溶液8.0gを混合した水相中に加えた後、エー
スホモジナイザー(日本精機(株)製)を用いて回転数
15000rpmで15分間乳化を行い、平均粒径0.
25μmの乳化液を得た。得られた乳化液に、更に水6
0gとテトラエチレンペンタミン0.15gを添加した
後、40℃で3時間カプセル化反応を行い、平均粒径
0.25μmの紫外線フィルター層用マイクロカプセル
分散液を調製した。
【0105】
【化9】
【0106】(紫外線フィルター層用塗布液の調製)水
42.31gに10重量%シラノール変性ポリビニルア
ルコール(「R2105」、クラレ(株)製)40.0
gを混合した溶液中に、上記の紫外線フィルター層用マ
イクロカプセル分散液(固形分濃度24.2%)13.
5gを加え、更に下記構造式(21)で表される化合物
の50重量%水溶液17gおよび20重量%コロイダル
シリカ(「スノーテックスO」、日産化学(株))65
gを混合して紫外線フィルター層用塗布液を調製した。
【0107】
【化10】
【0108】[光反射防止層用塗布液の調製]水50g
に平均粒径5μmのライススターチ(松谷化学(株)
製)0.1gを加え充分に分散した後、2重量%スルフ
ォ琥珀酸ジ(2−エチル)ヘキシル水溶液2.5g、下
記構造式(22)で表される化合物の2重量%水溶液
1.5gおよび20重量%コロイダルシリカ(「スノー
テックスO」、日産化学(株))17gを混合して光反
射防止層用塗布液を調製した。
【0109】
【化11】
【0110】[透明支持体の作製]厚みが175μmで
あり、JIS−Z8701記載の方法により規定された
色度座標において、x=0.2850,y=0.299
5に着色された青色のポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルムの一方の面に、SBRラテックスを乾燥
塗布量が0.3g/m2 になるように塗布した。この上
に、5重量%ゼラチン水溶液(新田ゼラチン#810)
200g、5重量%の粒径2μmポリメチルメタクリレ
ート樹脂粒子のゼラチン分散物(ポリメチルメタクリレ
ート樹脂の含有率10重量%)0.5g、3重量%1,
2−ベンゾチアゾリン−3−オン水溶液1.0gおよび
2重量%スルフォ琥珀酸ジ(2−エチル)ヘキシル水溶
液10gを混合した溶液を、乾燥塗布量が0.1g/m
2になるように塗布した。また、他方の面にも同様にし
て塗布を行い、支持体の両面に下塗り層を形成した。
【0111】次に、紫外線フィルター層および光反射防
止層を塗設した面と反対側の支持体表面上に、前記感熱
記録層用塗布液を、乾燥塗布量が16.5g/m2にな
るように塗布、乾燥し、感熱記録層を塗設した。この感
熱記録層上に、前記中間層用塗布液、および前記保護層
用塗布液を順次、乾燥塗布量がそれぞれ1.0g/
2、および2.5g/m2になるように塗布、乾燥して
中間層および保護層を形成し、本発明の透明な感熱記録
材料を得た。
【0112】得られた感熱記録材料を、23℃、RH2
0%の環境下、および23℃、RH70%の環境下にお
いて、各々、印画し、双方の環境下における光学濃度
(OD)を測定し、その差(ΔOD)を求めた。尚、印
画は、サーマルヘッドを用い、23℃、RH45%の環
境下において、ODが1.2となる条件で行った。OD
の測定は、透過濃度計(「マクベスTD904」、マク
ベス社製、ビジュアルフィルター使用)により行った。
ΔODが小さい程、環境湿度依存性がない、良好な感熱
記録材料である。実施例1で得られた感熱記録材料は、
ΔODが0.86であり、環境湿度依存性が少ない、優
れた感熱記録材料であった。
【0113】(実施例2)実施例1において、マイクロ
カプセル分散液の調製の際に使用したフッ素化修飾剤
を、F(CF23CH2OH(ダイキンファインケミカ
ル研究所製)に代えた以外は、実施例1と同様に感熱記
録材料を作製し、同様の評価を行った。実施例2で得ら
れた感熱記録材料は、ΔODが0.75であり、環境湿
度依存性が少ない、優れた感熱記録材料であった。
【0114】(実施例3)実施例1において、マイクロ
カプセル分散液の調製の際に使用したフッ素化修飾剤
を、F(CF28CH2CH2OH(ダイキンファインケ
ミカル研究所製)に代えた以外は、実施例1と同様に感
熱記録材料を作製し、同様の評価を行った。実施例3で
得られた感熱記録材料は、ΔODが0.70であり、環
境湿度依存性が少ない、優れた感熱記録材料であった。
【0115】(実施例4)実施例1において、マイクロ
カプセル分散液の調製の際に使用したフッ素化修飾剤
を、F(CF28CH2CH2OH(ダイキンファインケ
ミカル研究所製)に代え、さらに、ポリビニルアルコー
ルを、「MP103」((株)クラレ社製、アルキル変
成、重合度300)の末端疎水化ポリビニルアルコール
に代えた外は、実施例1と同様に感熱記録材料を作製
し、同様の評価を行った。実施例4で得られた感熱記録
材料は、ΔODが0.65であり、より環境湿度依存性
が少ない、優れた感熱記録材料であった。
【0116】(比較例1)実施例1において、マイクロ
カプセル分散液の調製の際に、フッ素化修飾剤を使用し
なかった以外は、実施例1と同様に感熱記録材料を作製
し、同様の評価を行った。比較例1で得られた感熱記録
材料は、ΔODが0.93であり、前記実施例と比較し
て、環境湿度依存性が多い感熱記録材料であった。
【0117】
【発明の効果】本発明によれば、感度が印字時の環境湿
度に依存し難い感熱記録材料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H026 BB01 BB41 FF05 4G005 AA01 AB14 AB27 BA02 BB05 BB06 DB27X DC18Y DC22X DC24X DC24Y DC26Y DC27Y DC32X DC41X DC42X DC42Y DC46Y DC52W DC54X DC61Y DD04Z DD08Z DD38Z DD39Z DD57W EA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、その上に、カプセル壁がフッ
    素化修飾されているマイクロカプセルを含有する感熱記
    録層とを有する感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 カプセル壁が、フッ素含有アルコールに
    よりフッ素化修飾されていることを特徴とする請求項1
    に記載の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 フッ素含有アルコールが、1分子内にフ
    ッ素原子を5以上有することを特徴とする請求項2に記
    載の感熱記録材料。
  4. 【請求項4】 マイクロカプセルが、少なくともフッ素
    化修飾剤を含有するとともに、カプセル壁剤を乳化分散
    させた乳化分散液を、加熱して、前記カプセル壁剤を乳
    化重合してなるマイクロカプセルであることを特徴とす
    る請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の感
    熱記録材料。
  5. 【請求項5】 カプセル壁剤を乳化分散する前に、フッ
    素化修飾剤とカプセル壁剤とを混合することを特徴とす
    る請求項4に記載の感熱記録材料。
  6. 【請求項6】 カプセル壁剤を、末端疎水化ポリビニル
    アルコールを含有する液中に乳化分散させることを特徴
    とする請求項4または請求項5に記載の感熱記録材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008260260A (ja) * 2007-03-20 2008-10-30 Oji Paper Co Ltd 感熱記録体

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