JP4076676B2 - 感熱記録材料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録材料及びその製造方法に関し、詳しくは、医療用記録媒体等に適した高画質の感熱記録材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
感熱記録方法は、(1)現像が不要である、(2)支持体が紙の場合、材質が一般紙に近い、(3)取扱いが容易である、(4)発色濃度が高い、(5)記録装置が簡便で信頼性が高く、安価である、(6)記録時の騒音が無い、(7)メンテナンスが不要である、等の利点があることから近年様々な分野で発達しており、例えば、ファクシミリやプリンター等の分野、POS等のラベル分野等に用途が拡大している。
【0003】
上記感熱記録に用いる感熱記録材料としては、電子供与性無色染料と電子受容性化合物との反応を利用したもの、ジアゾ化合物とカプラーとの反応を利用したもの、等が従来から広く知られている。
【0004】
このような背景の下、近年では多色化に対応するため、或いは画像等をオーバーヘッドプロジェクターにより投影したり、画像等をライトテーブル上で直接観察したりする等のために、サーマルヘッドで直接記録することのできる透明な感熱記録材料の開発が望まれている。
【0005】
そこで、実質的に無色の発色成分Aと、該発色成分Aと反応して発色する実質的に無色の発色成分Bと、を結着剤中に微粒子状に分散して、或いは、A、Bどちらか一方をマイクロカプセル化し、その他方を乳化物の形として形成される感熱記録層を合成高分子フィルム等の透明な支持体上に設ける等により作製される感熱記録材料の提案が行われている。
【0006】
このような透明な感熱記録材料は、それ自体の透明性は良好であるが、感熱プリンター等の感熱記録装置で印画等した場合にスティッキングや異音が発生しやすいという問題があった。このようなサーマルヘッドマッチング性を改良する目的で、感熱記録材料の感熱記録層上に顔料とバインダーを主成分とする保護層を設け、更に該保護層に種々の滑り剤を添加する試みがなされている。しかしながら、高級脂肪酸誘導体のような熱融解性の滑り剤は、▲1▼融解に必要な熱エネルギー以下の領域での滑り性が不十分である、▲2▼熱記録で融解した後、再結晶化し表面が白化(ブリーディング)する、等の問題がある。一方、常温で液体の滑り剤を用いた場合、滑り剤を乳化して保護層用塗布液に添加する必要があり、送液時におけるポンプやフィルターを通過する際のシェア、あるいは超音波脱泡機により乳化物が破壊し、微小なハジキ状の塗布故障となる問題がある。このような塗布故障は医療用画像として用いた時、誤診をまねく危険性があり、改善が望まれていた。これまで、ヘッドマッチング性に優れ、かつ、塗布故障のない良好な塗布面を有する感熱記録材料は、未だ満足のいくものが得られていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、ヘッドマッチング性に優れ、塗布故障のない良好な塗布面を有する感熱記録材料を提供することを目的とする。また、本発明は、上記のような感熱記録材料の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ヘッドマッチング性の向上、及び塗布故障の改善を図るべく、保護層中に含有される滑り剤について鋭意研究した結果、特定粒径以下に分散されたシリコーンオイルの乳化物が、ヘッドマッチング性に優れ、機械的シェアや超音波等の外的刺激に対し安定性がよく、塗布故障の発生が極めて少ないことを見出し、本発明を完成するに至った。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体上に、感熱記録層及び保護層を、この順に有する感熱記録材料において、該保護層が、顔料、バインダー、及び平均粒径0.15μm以下に分散されたシリコーンオイルの乳化物を含有する保護層用塗布液を塗布してなり、該バインダーが完全鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、シリカ変性ポリビニルアルコールからなる群より選択される何れか1つであることを特徴とする感熱記録材料である。
<2> 前記支持体が透明支持体であることを特徴とする前記<1>に記載の感熱記録材料である。
<3> 90〜150mJ/mm 2 の範囲の熱エネルギー量で、透過濃度D T 3.0を得ることができることを特徴とする前記<1>または<2>に記載の感熱記録材料である。
> 前記シリコーンオイルが、前記シリコーンオイルの乳化物における平均粒径をd1、前記シリコーンオイルの乳化物を水で50倍に稀釈した後のシリコーンオイルの平均粒径をd2とした場合に、d2/d1≦1.5の関係を満たす<1>から<3>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
> 前記シリコーンオイルが、前記シリコーンオイルの乳化物における平均粒径をd1、前記シリコーンオイルの乳化物を水で50倍に稀釈し、40Hzで出力100Wの超音波を30分間照射した後のシリコーンオイルの平均粒径をd3とした場合に、d3/d1≦1.5の関係を満たす<1>から<3>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
> 前記シリコーンオイルが、前記シリコーンオイルの乳化物における平均粒径をd1、前記シリコーンオイルの乳化物を水で50倍に稀釈し、ホモジナイザーにより5000rpmで10分間撹拌した後のシリコーンオイルの平均粒径をd4とした場合に、d4/d1≦1.5の関係を満たす<1>から<3>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
> 前記シリコーンオイルが、カルボキシ変性シリコーンオイルである<1>から<>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
> 支持体上に、感熱記録層形成用塗布液を塗布して感熱記録層を形成し、該感熱記録層上に、少なくとも顔料及びバインダーを含有する保護層形成用塗布液を塗布して保護層を形成する感熱記録材料の製造方法において、前記保護層形成用塗布液に、平均粒径0.15μm以下に分散されたシリコーンオイルの乳化物を含有し、該バインダーが完全鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、シリカ変性ポリビニルアルコールからなる群より選択される何れか1つであることを特徴とする感熱記録材料の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の感熱記録材料について詳細に説明する。
本発明の感熱記録材料は、支持体上に、感熱記録層及び保護層をこの順に有し、更に必要に応じて、その他の層を有してなる。
【0010】
[保護層]
前記保護層は、前記感熱記録層上に、又は、前記その他の層として中間層を前記感熱記録層上に設ける場合には、前記中間層上に形成される。
前記保護層は、保護層用塗布液を塗布してなり、該保護層用塗布液は、少なくとも顔料及びバインダーを含有し、更に、ヘッドマッチング性を向上させ、かつ良好な塗布面を得るために、平均粒径0.15μm以下に分散されたシリコーンオイル(以下、単に「シリコーンオイル」と称することがある。)の乳化物を含有し、必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
【0011】
(シリコーンオイル)
本発明で用いられる前記シリコーンオイルは、平均粒径が0.15μm以下に分散されているが、平均粒径が0.10μm以下が好ましく、平均粒径が0.08μm以下がより好ましい。該平均粒径が0.15μmを超えると、強撹拌や超音波照射により、シリコーンオイルの乳化物が破壊し、巨大な油滴を形成し、ハジキによる塗布故障を引き起こし易い。尚、本発明において、前記シリコーンオイルの平均粒径は、COULTER社製N4型サブミクロン粒子分析装置により測定した値を指す。
【0012】
本発明で用いられる前記シリコーンオイルは、平均粒径が0.15μm以下に分散されているものであれば、特に制限されるものではなく、市販品であってもよい。また、平均粒径が0.15μmを超えるものについては、強制的に0.15μm以下になるように分散することにより、本発明に用いることができる。
前記シリコーンオイルの平均粒径を0.15μm以下に分散させるには、例えば、ポリビニルアルコールや各種界面活性剤等の分散助剤、好ましくは、ノニオン系界面活性剤、アルキルベンゼンスルフォン酸塩の共存下で、ホモジナイザー、ディゾルバー、コロイドミル、超音波乳化機等の既知の分散機で、上述した平均粒径にまで分散することができる。
【0013】
本発明に用いられる前記シリコーンオイルは、前記シリコーンオイルの乳化物における平均粒径をd1、前記シリコーンオイルの乳化物を水で50倍に稀釈した後のシリコーンオイルの平均粒径をd2とした場合に、d2/d1が1.5以下であることが好ましく、d2/d1が1.2以下であることがより好ましい。該d2/d1が1.5を超えると、塗布時にハジキ故障が発生することがある。
【0014】
また、本発明に用いられる前記シリコーンオイルは、前記シリコーンオイルの乳化物における平均粒径をd1、前記シリコーンオイルの乳化物を水で50倍に稀釈し、40Hzで出力100Wの超音波を30分間照射した後のシリコーンオイルの平均粒径をd3とした場合に、d3/d1が1.5以下であることが好ましく、d3/d1が1.2以下であることがより好ましい。該d3/d1が1.5を超えると、塗布時にハジキ故障が発生することがある。
【0015】
更に、本発明に用いられる前記シリコーンオイルは、前記シリコーンオイルの乳化物における平均粒径をd1、前記シリコーンオイルの乳化物を水で50倍に稀釈し、ホモジナイザーにより5000rpmで10分間撹拌した後のシリコーンオイルの平均粒径をd4とした場合に、d4/d1が1.5以下であることが好ましく、d4/d1が1.2以下であることがより好ましい。該d4/d1が1.5を超えると、塗布時にハジキ故障が発生することがある。
【0016】
前記シリコーンオイルとしては、通常のポリ(ジメチルシロキサン)を用いることができるが、エーテル変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、及びメルカプト変性シリコーンオイルが好ましく、エーテル変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、及びアミノ変性シリコーンオイルがより好ましい。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの変性シリコーンオイルは、側鎖で変性されていてもよく、末端で変性されていてもよい。
【0017】
本発明に用いられる前記シリコーンオイルの粘度は、400〜100000cpsが好ましく、1000〜50000cpsがより好ましい。該粘度が400cpsより小さいと、保護層の表面を指で触れた時、べとついて指紋の跡が残ることがある。一方、該粘度が100000cpsを超えると、平均粒径を0.15μm以下に乳化分散させることが困難となることがある。
【0018】
本発明で用いられる前記シリコーンオイルの添加量は、保護層の全塗布量に対して1〜15重量%が好ましく、2〜10重量%がより好ましい。該添加量が1重量%より少ないと、ヘッドに対する滑り性付与の効果が得られないことがある。一方、該添加量が15重量%を超えても、それ以上の効果は得られないばかりか、ヘッド汚れの弊害を引き起こすことがある。
【0019】
(顔料)
前記顔料は、通常、サーマルヘッドによる記録を好適なものとする、即ち、スティッキングや異音等の発生を抑える目的で用いられるが、有機及び/又は無機の顔料が用いられることが好ましい。
【0020】
前記保護層に用いられる顔料としては、その平均粒径、詳しくは、レーザー回折法で測定した50%体積平均粒径(レーザー回折粒度分布測定装置LA700((株)堀場製作所製)により測定した、顔料中の50%体積に相当する顔料粒子の平均粒径。以下、単に、「平均粒径」ということがある。)が、0.20〜1.00μmであることが好ましく、特に、サーマルヘッドにより記録する際のヘッドと感熱記録材料との間におけるスティッキングや異音等の発生を防止する観点から、上記50%体積平均粒径が0.20〜0.50μmの範囲にあることがより好ましい。
この50%体積平均粒径が1.00μmを超える場合には、サーマルヘッドに対する摩耗の低減効果が小さいため好ましくなく、また、0.20μm未満では顔料添加による効果、即ち、サーマルヘッドと保護層中のバインダーとの間の溶着を防止する効果が低下し、その結果、印画時にサーマルヘッドと感熱記録材料の保護層とが接着する、いわゆるスティッキングを起こす原因となるため好ましくない。
【0021】
前記保護層中に含有される顔料としては、特に限定されるものではなく、公知の有機、無機の顔料を挙げることができるが、特に、炭酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、水酸化アルミニウム、非晶質シリカ、酸化亜鉛等の無機顔料、尿素ホルマリン樹脂、エポキシ樹脂等の有機顔料が好ましい。中でも、カオリン、水酸化アルミニウム、非晶質シリカがより好ましい。これらの顔料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
また、これらの中でも、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、高級アルコール、及び高級脂肪酸アミドからなる群より選択される少なくとも一種により表面被覆された無機顔料が特に好ましい。
前記高級脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸等が挙げられる。
【0022】
これらの顔料は、例えば、ヘキサメタリン酸ソーダ、部分ケン化又は完全ケン化変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸共重合体、各種界面活性剤等の分散助剤、好ましくは、部分ケン化又は完全ケン化変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸共重合体アンモニウム塩の共存下で、ディゾルバー、サンドミル、ボールミル等の既知の分散機で、上述した平均粒径にまで分散して使用されることが好ましい。即ち、顔料の50%体積平均粒径が0.20〜1.00μmの範囲の粒径になるまで分散してから使用されることが好ましい。
【0023】
(バインダー)
前記保護層には透明性を良好なものとする観点から、前記バインダーとして、完全鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、またはシリカ変性ポリビニルアルコールを用いる
【0024】
(その他の成分)
前記保護層には、公知の硬膜剤、金属石けん等が含有されていてもよい。
また、前記感熱記録層上、又は前記中間層上に均一に保護層を形成させるために、保護層形成用塗布液に界面活性剤を添加することが好ましい。該界面活性剤としては、スルホ琥珀酸系のアルカリ金属塩、フッ素含有界面活性剤等があり、具体的には、ジ−(2−エチルヘキシル)スルホ琥珀酸、ジ−(n−ヘキシル)スルホ琥珀酸等のナトリウム塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。
【0025】
更に、前記保護層中には記録ヘッドの摩耗低減の目的でワックス、感熱記録材料の帯電防止の目的で界面活性剤、金属酸化物微粒子、無機電解質、高分子電解質等を添加してもよい。
【0026】
前記ワックスとしては、融点が40〜100℃の範囲にあり、かつ、その50%体積平均粒径が0.7μm以下であることが好ましく、0.4μm以下であることがより好ましい。
該平均粒径が0.7μmを超える場合、保護層の透明性が低下したり、画像のカスレが発生し好ましくない。
また、融点が40℃未満の場合、保護層表面が粘着性を帯びてくるため好ましくなく、100℃を超える場合には、スティッキングが生じ易くなり好ましくない。
【0027】
融点を40〜100℃に有するワックスとしては、例えば、パラフィンワックス;マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス;ポリエチレンワックス等の合成ワックス;キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス等の植物系ワックス;ラノリン等の動物系ワックス;モンタンワックス等の鉱物系ワックスが挙げられる。これらの中でも、融点を55〜75℃に有するパラフィンワックスが特に好ましい。
前記ワックスの使用量は、保護層全体の0.5〜40重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましい。また、これらのワックスと12−ヒドロキシステアリン酸誘導体、高級脂肪酸アミド等を併用して用いてもよい。
【0028】
前記ワックスを上記した50%体積平均粒径にまで分散する方法としては、ワックスを適当な保護コロイドや界面活性剤の共存下で、ダイノミルやサンドミル等の公知の湿式分散機で分散する方法等が挙げられるが、微粒子化する観点からは、一旦ワックスを加熱して融解した後、この融点以上の温度で、ワックスが不溶又は難溶の溶剤中で高速撹拌、超音波分散等の手段により乳化する方法や、ワックスを適当な溶剤に溶解した後、ワックスが不溶又は難溶の溶剤中で乳化する方法等が挙げられる。この際、適当な界面活性剤や保護コロイドを併用してもよい。
【0029】
前記保護層は、単層構造であってもよいし、2層以上の積層構造であってもよい。前記保護層の乾燥塗布量は0.2〜7g/m2 が好ましく、1〜4g/m2 がより好ましい。
【0030】
[感熱記録層]
前記感熱記録層は、少なくとも発色成分を含有してなり、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
【0031】
(発色成分)
前記感熱記録層は、未処理時には優れた透明性を有し、加熱により呈色する性質を有するものであれば、いかなる組成のものでも使用することができる。
このような感熱記録層としては、実質的に無色の発色成分Aと、該発色成分Aと反応して発色する実質的に無色の発色成分Bとを含有する、いわゆる二成分型感熱記録層が挙げられるが、発色成分A又は発色成分Bは、マイクロカプセルに内包されることが好ましい。この二成分型感熱記録層を構成する二成分の組合せとしては、下記(ア)〜(ス)のようなものが挙げられる。
【0032】
(ア)電子供与性染料前駆体と、電子受容性化合物との組合せ。
(イ)光分解性ジアゾ化合物と、カプラーとの組合せ。
(ウ)ベヘン酸銀、ステアリン酸銀等の有機金属塩と、プロトカテキン酸、スピロインダン、ハイドロキノン等の還元剤との組合せ。
(エ)ステアリン酸第二鉄、ミリスチン酸第二鉄等の長鎖脂肪族塩と、没食子酸、サリチル酸アンモニウム等のフェノール類との組合せ。
(オ)酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸等のニッケル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、銀等との塩等の有機酸重金属塩と、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫化カリウム等のアルカリ土類金属硫化物との組合せ、又は、前記有機酸重金属塩と、s−ジフェニルカルバジド、ジフェニルカルバゾン等の有機キレート剤との組合せ。
(カ)硫化銀、硫化鉛、硫化水銀、硫化ナトリウム等の(重)金属硫酸塩と、Na−テトラチオネート、チオ硫酸ソーダ、チオ尿素等の硫黄化合物との組合せ。
(キ)ステアリン酸第二鉄等の脂肪族第二鉄塩と、3,4−ジヒドロキシテトラフェニルメタン等の芳香族ポリヒドロキシ化合物との組合せ。
(ク)シュウ酸銀、シュウ酸水銀等の有機貴金属塩と、ポリヒドロキシアルコール、グリセリン、グリコール等の有機ポリヒドロキシ化合物との組合せ。
(ケ)ペラルゴン酸第二鉄、ラウリン酸第二鉄等の脂肪族第二鉄塩と、チオセシルカルバミドやイソチオセシルカルバミド誘導体との組合せ。
(コ)カプロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛等の有機酸鉛塩と、エチレンチオ尿素、N−ドデシルチオ尿素等のチオ尿素誘導体との組合せ。
(サ)ステアリン酸第二鉄、ステアリン酸銅等の高級脂肪酸重金属塩と、ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛との組合せ。
(シ)レゾルシンとニトロソ化合物との組合せのようなオキサジン染料を形成する物。
(ス)ホルマザン化合物と還元剤及び/又は金属塩との組合せ。
【0033】
これらの中でも、本発明の感熱記録材料においては、(ア)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組合せ、(イ)光分解性ジアゾ化合物とカプラーとの組合せ、又は(ウ)有機金属塩と還元剤との組合せを用いることが好ましく、特に上記(ア)又は(イ)の組合せであることがより好ましい。
【0034】
また、本発明の感熱記録材料は、(拡散透過率/全光透過率)×100(%)から算出されるヘイズ値を下げるように感熱記録層を構成することにより、透明性に優れた画像を得ることができる。このヘイズ値は材料の透明性を表す指数で、一般には、ヘイズメーターを使用して全光透過量、拡散透過光量、平行透過光量から算出される。
本発明において、上記ヘイズ値を下げる方法としては、例えば、感熱記録層に含まれる前記発色成分A、Bの両成分の50%体積平均粒径を1.0μm以下、好ましくは、0.6μm以下とし、かつバインダーを感熱記録層の全固形分の30〜60重量%の範囲で含有させる方法、前記発色成分A、Bのいずれか一方をマイクロカプセル化し、他方を塗布乾燥後に実質的に連続層を構成するような、例えば、乳化物のようなものとして使用する方法等が挙げられる。
また、感熱記録層に使用する成分の屈折率をなるべく一定の値に近づける方法も有効である。
【0035】
次に、前記感熱記録層に好ましく使用される、前記組成の組合せ(ア、イ、ウ)について、以下に詳細に説明する。
まず、(ア)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組合せについて説明する。
本発明において好ましく使用される電子供与性染料前駆体は、実質的に無色のものであれば特に限定されるものではないが、エレクトロンを供与して、或いは、酸等のプロトンを受容して発色する性質を有するものであり、特に、ラクトン、ラクタム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部分骨格を有しており、電子受容性化合物と接触した場合に、これらの部分骨格が開環若しくは開裂する無色の化合物であることが好ましい。
【0036】
前記電子供与性染料前駆体としては、例えば、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物、ピリジン系化合物、ピラジン系化合物等が挙げられる。
【0037】
前記フタリド類の具体例としては、米国再発行特許明細書第23,024号、米国特許明細書第3,491,111号、同第3,491,112号、同第3,491,116号、同第3,509,174号等に記載された化合物が挙げられる。
前記フルオラン類の具体例としては、米国特許明細書第3,624,107号、同第3,627,787号、同第3,641,011号、同第3,462,828号、同第3,681,390号、同第3,920,510号、同第3,959,571号等に記載された化合物が挙げられる。
前記スピロピラン類の具体例としては、米国特許明細書第3,971,808号等に記載された化合物が挙げられる。
前記ピリジン系及びピラジン系化合物類としては、米国特許明細書第3,775,424号、同第3,853,869号、同第4,246,318号等に記載された化合物が挙げられる。
前記フルオレン系化合物の具体例としては、特願昭61−240989号公報等に記載された化合物が挙げられる。
これらの中でも、特に、黒発色の2−アリールアミノ−3−〔H、ハロゲン、アルキル又はアルコキシ−6−置換アミノフルオラン〕が好ましく挙げられる。
【0038】
具体的には、例えば、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノフルオラン、2−p−クロロアニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジオクチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−ドデシルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メトキシ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−o−クロロアニリノ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−p−クロロアニリノ−3−エチル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−o−クロロアニリノ−6−p−ブチルアニリノフルオラン、2−アニリノ−3−ペンタデシル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−エチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−o−トルイジノ−3−メチル−6−ジイソプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−イソブチル−N−エチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−プロポキシプロピルアミノフルオラン等が挙げられる。
【0039】
前記電子供与性染料前駆体と作用する電子受容性化合物としては、フェノール化合物、有機酸若しくはその金属塩、オキシ安息香酸エステル等の酸性物質が挙げられ、例えば、特開昭61−291183号公報等に記載されている化合物が挙げられる。
具体的には、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン(一般名:ビスフェノールA)、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−エチル−ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,4−ビス(p−ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、1,3−ビス(p−ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル等のビスフェノール類;
【0040】
3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸、3−α−α−ジメチルベンジルサリチル酸、4−(β−p−メトキシフェノキシエトキシ)サリチル酸等のサリチル酸誘導体;
【0041】
又は、その多価金属塩(特に、亜鉛、アルミニウムが好ましい);p−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエルテル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシルエステル、β−レゾルシン酸−(2−フェノキシエチル)エステル等のオキシ安息香酸エステル類;p−フェニルフェノール、3,5−ジフェニルフェノール、クミルフェノール、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシ−ジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−フェノキシ−ジフェニルスルフォン等のフェノール類が挙げられる。
中でも、良好な発色特性を得る観点からビスフェノール類が特に好ましい。
また、上記の電子受容性化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0042】
次に、(イ)光分解性ジアゾ化合物とカプラーとの組合せについて説明する。
前記光分解性ジアゾ化合物とは、後述するカップリング成分であるカプラーとカップリング反応して所望の色相に発色するものであり、反応前に特定波長域の光を受けると分解し、もはやカップリング成分が存在しても発色能力を持たなくなる光分解性のジアゾ化合物である。
この発色系における色相は、ジアゾ化合物とカプラーとが反応して生成するジアゾ色素により決定される。従って、ジアゾ化合物、或いは、カプラーの化学構造を変えることにより、容易に発色色相を変えることができ、その組み合わせ次第で、任意の発色色相を得ることができる。
【0043】
本発明において好ましく使用される光分解性ジアゾ化合物としては、芳香族系ジアゾ化合物が挙げられ、具体的には、芳香族ジアゾニウム塩、ジアゾスルフォネート化合物、ジアゾアミノ化合物等が挙げられる。
前記芳香族ジアゾニウム塩としては、以下の一般式で表される化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、前記芳香族ジアゾニウム塩は、光定着性に優れ、定着後の着色ステインの発生の少なく、発色部の安定なものが好ましく用いられる。
Ar−N2 + -
上記式中、Arは置換基を有する、或いは無置換の芳香族炭化水素環基を表し、N2 + はジアゾニウム基を、X- は酸アニオンを表す。
【0044】
前記ジアゾスルフォネート化合物としては、近年多数のものが知られており、各々のジアゾニウム塩を亜硫酸塩で処理することにより得られ、本発明の感熱記録材料に好適に用いることができる。
【0045】
前記ジアゾアミノ化合物としては、ジアゾ基を、ジシアンジアミド、サルコシン、メチルタウリン、N−エチルアントラニックアシッド−5−スルフォニックアシッド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、グアニジン等でカップリングさせることにより得ることができ、本発明の感熱記録材料に好適に用いることができる。
これらのジアゾ化合物の詳細については、例えば、特開平2−136286号公報等に詳細に記載されている。
【0046】
一方、上述のジアゾ化合物とカップリング反応するカプラーとしては、例えば、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリドの他、レゾルシンをはじめ、特開昭62−146678号公報等に記載されているものが挙げられる。
【0047】
前記感熱記録層において、ジアゾ化合物とカプラーとの組合せによるものを用いる場合、これらのカップリング反応は塩基性雰囲気下で行うことによりその反応をより促進させることができる観点から、増感剤として、塩基性物質を添加してもよい。
前記塩基性物質としては、水不溶性又は難溶性の塩基性物質や加熱によりアルカリを発生する物質が挙げられ、例えば、無機又は有機アンモニウム塩、有機アミン、アミド、尿素やチオ尿素又はそれらの誘導体、チアゾール類、ピロール類、ピリミジン類、ピペラジン類、グアニジン類、インドール類、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール類、モルフォリン類、ピペリジン類、アミジン類、フォリムアジン類又はピリジン類等の含窒素化合物が挙げられる。
これらの具体例としては、例えば、特開昭61−291183号公報等に記載されたものが挙げられる。
【0048】
次に、(ウ)有機金属塩と還元剤との組合せについて説明する。
前記有機金属塩としては、具体的には、ラウリン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀、アラキン酸銀又はベヘン酸銀等の長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩;ベンゾトリアゾール銀塩、ベンズイミダゾール銀塩、カルバゾール銀塩又はフタラジノン銀塩等のイミノ基を有する有機化合物の銀塩;s−アルキルチオグリコレート等の硫黄含有化合物の銀塩;安息香酸銀、フタル酸銀等の芳香族カルボン酸の銀塩;エタンスルホン酸銀等のスルホン酸の銀塩;o−トルエンスルフィン酸銀等のスルフィン酸の銀塩;フェニルリン酸銀等のリン酸の銀塩;バルビツール酸銀、サッカリン酸銀、サリチルアスドキシムの銀塩又はこれらの任意の混合物が挙げられる。
これらの内、長鎖脂肪族カルボン酸銀塩が好ましく、中でもベヘン酸銀がより好ましい。また、ベヘン酸をベヘン酸銀と共に使用してもよい。
【0049】
前記還元剤としては、特開昭53−1020号公報第227頁左下欄第14行目〜第229頁右上欄第11行目の記載に基づいて適宜使用することができる。中でも、モノ、ビス、トリス又はテトラキスフェノール類、モノ又はビスナフトール類、ジ又はポリヒドロキシナフタレン類、ジ又はポリヒドロキシベンゼン類、ヒドロキシモノエーテル類、アスコルビン酸類、3−ピラゾリドン類、ピラゾリン類、ピラゾロン類、還元性糖類、フェニレンジアミン類、ヒドロキシルアミン類、レダクトン類、ヒドロオキサミン酸類、ヒドラジド類、アミドオキシム類、N−ヒドロキシ尿素類等を使用することが好ましい。
上記のうち、ポリフェノール類、スルホンアミドフェノール類又はナフトール類等の芳香族有機還元剤が特に好ましい。
【0050】
感熱記録材料の充分な透明性を確保するためには、前記感熱記録層に(ア)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組合せ、又は(イ)光分解性ジアゾ化合物とカプラーとの組合せを用いることが好ましい。また、本発明では、前記発色成分Aと発色成分Bのいずれか一方を、マイクロカプセル化して使用することが好ましく、前記電子供与性染料前駆体、又は光分解性ジアゾ化合物をマイクロカプセル化して使用することがより好ましい。
【0051】
(マイクロカプセル)
以下に、マイクロカプセルの製造方法について詳述する。
マイクロカプセルの製造には、界面重合法、内部重合法、外部重合法等があり、いずれの方法も採用することができる。
上記の通り、本発明の感熱記録材料は、電子供与性染料前駆体、又は光分解性ジアゾ化合物をマイクロカプセル化することが好ましく、特に、カプセルの芯となる電子供与性染料前駆体、又は光分解性ジアゾ化合物を疎水性の有機溶媒に溶解又は分散させ調製した油相を、水溶性高分子を溶解した水相中に混合し、ホモジナイザー等の手段により乳化分散した後、加温することによりその油滴界面で高分子形成反応を起こし、高分子物質のマイクロカプセル壁を形成させる界面重合法を採用することが好ましい。
【0052】
前記高分子物質を形成するリアクタントは、油滴内部及び/又は油滴外部に添加される。前記高分子物質の具体例としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレンメタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートが好ましく、ポリウレタン、ポリウレアが特に好ましい。
【0053】
例えば、ポリウレアをカプセル壁材として用いる場合には、ジイソシアナート,トリイソシアナート,テトライソシアナート,ポリイソシアナートプレポリマー等のポリイソシアナートと、ジアミン,トリアミン,テトラアミン等のポリアミン、2以上のアミノ基を有するプレポリマー、ピペラジン若しくはその誘導体又はポリオール等と、を上記水相中で界面重合法によって反応させることにより容易にマイクロカプセル壁を形成させることができる。
【0054】
また、例えば、ポリウレアとポリアミドからなる複合壁若しくはポリウレタンとポリアミドからなる複合壁は、例えば、ポリイソシアナート及びそれと反応してカプセル壁を形成する第2物質(例えば、酸クロライド若しくはポリアミン、ポリオール)を水溶性高分子水溶液(水相)又はカプセル化すべき油性媒体(油相)中に混合し、これらを乳化分散した後、加温することにより調製することができる。このポリウレアとポリアミドからなる複合壁の製造方法の詳細については、特開昭58−66948号公報に記載されている。
【0055】
前記ポリイソシアナート化合物としては、3官能以上のイソシアナート基を有する化合物が好ましいが、2官能のイソシアナート化合物を併用してもよい。
具体的には、キシレンジイソシアナート及びその水添物、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート及びその水添物、イソホロンジイソシアナート等のジイソシアナートを主原料とし、これらの2量体あるいは3量体(ビューレットあるいはイソシアヌレート)の他、トリメチロールプロパン等のポリオールとキシリレンジイソシアナート等の2官能イソシアナートとのアダクト体として多官能としたもの、トリメチロールプロパン等のポリオールとキシリレンジイソシアナート等の2官能イソシアナートとのアダクト体にポリエチレンオキシド等の活性水素を有するポリエーテル等の高分子量化合物を導入した化合物、ベンゼンイソシアナートのホルマリン縮合物等が挙げられる。
特開昭62−212190号公報、特開平4−26189号公報、特開平5−317694号公報、特願平8−268721号公報等に記載の化合物が好ましい。
【0056】
前記ポリイソシアナートは、マイクロカプセルの平均粒径が0.3〜12μmで、カプセル壁の厚みが0.01〜0.3μmとなるように添加されることが好ましい。分散粒子径は0.2〜10μm程度が一般的である。
【0057】
ポリイソシアナートと反応してマイクロカプセル壁の構成成分の一つとして水相中及び/又は油相中に添加するポリオール又は/及びポリアミンの具体例としては、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ソルビトール、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。ポリオールを添加した場合には、ポリウレタン壁が形成される。上記反応において、反応温度を高く保ち、あるいは適当な重合触媒を添加することが反応速度を速める点で好ましい。
ポリイソシアナート、ポリオール、反応触媒、あるいは、壁剤の一部を形成させるためのポリアミン等については成書に詳しい(岩田敬治編 ポリウレタンハンドブック 日刊工業新聞社(1987))。
【0058】
また、前記マイクロカプセル壁には、必要に応じて金属含有染料、ニグロシン等の荷電調節剤、或いは、その他任意の添加物質を加えることができる。これらの添加剤は壁形成時又は任意の時点でカプセルの壁に含有させることができる。また、必要に応じてカプセル壁表面の帯電性を調節するために、ビニルモノマー等のモノマーをグラフト重合させてもよい。
【0059】
更に、マイクロカプセル壁をより低温な状況下でも物質透過性に優れ、発色性に富む壁質とするため、壁材として用いるポリマーに適合した可塑剤を用いることが好ましい。該可塑剤は、その融点が50℃以上のものが好ましく、更に該融点が120℃以下のものがより好ましい。このうち、常温下で固体状のものを好適に選択して用いることができる。
例えば、壁材がポリウレア、ポリウレタンからなる場合、ヒドロキシ化合物、カルバミン酸エステル化合物、芳香族アルコキシ化合物、有機スルホンアミド化合物、脂肪族アミド化合物、アリールアミド化合物等が好適に用いられる。
【0060】
前記の油相の調製に際し、電子供与性染料前駆体、又は光分解性ジアゾ化合物を溶解し、マイクロカプセルの芯を形成するときに用いられる疎水性有機溶媒としては、沸点100〜300℃の有機溶媒が好ましい。
具体的には、エステル類の他、ジメチルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン、ジメチルビフェニル、ジイソプロピルビフェニル、ジイソブチルビフェニル、1−メチル−1−ジメチルフェニル−2−フェニルメタン、1−エチル−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、1−プロピル−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、トリアリルメタン(例えば、トリトルイルメタン、トルイルジフェニルメタン)、ターフェニル化合物(例えば、ターフェニル)、アルキル化合物、アルキル化ジフェニルエーテル(例えば、プロピルジフェニルエーテル)、水添ターフェニル(例えば、ヘキサヒドロターフェニル)、ジフェニルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、エステル類を使用することが乳化分散物の乳化安定性の観点から特に好ましい。
【0061】
前記エステル類としては、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸ブチル、リン酸オクチル、リン酸クレジルフェニル等のリン酸エステル類;フタル酸ジブチル、フタル酸−2−エチルヘキシル、フタル酸エチル、フタル酸オクチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル;テトラヒドロフタル酸ジオクチル;安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸イソペンチル、安息香酸ベンジル等の安息香酸エステル;アビエチン酸エチル、アビエチン酸ベンジル等のアビエチン酸エステル;アジピン酸ジオクチル;コハク酸イソデシル;アゼライン酸ジオクチル;シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチル等のシュウ酸エステル;マロン酸ジエチル;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル;クエン酸トリブチル;ソルビン酸メチル、ソルビン酸エチル、ソルビン酸ブチル等のソルビン酸エステル;セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル等のセバシン酸エステル;ギ酸モノエステル及びジエステル、酪酸モノエステル及びジエステル、ラウリン酸モノエステル及びジエステル、パルミチン酸モノエステル及びジエステル、ステアリン酸モノエステル及びジエステル、オレイン酸モノエステル及びジエステル等のエチレングリコールエステル類;トリアセチン;炭酸ジエチル;炭酸ジフェニル;炭酸エチレン;炭酸プロピレン;ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリペンチル等のホウ酸エステル等が挙げられる。
【0062】
これらの中でも、特にリン酸トリクレジルを単独又は混合して用いた場合、乳化物の安定性が最も良好となり好ましい。上記のオイル同士又は他のオイルとの併用による使用も可能である。
【0063】
カプセル化しようとする電子供与性染料前駆体、又は光分解性ジアゾ化合物の前記疎水性有機溶媒に対する溶解性が劣る場合には、溶解性の高い低沸点溶媒を補助的に併用することもできる。このような低沸点溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチレンクロライド等が好ましく挙げられる。
【0064】
前記電子供与性染料前駆体、又は光分解性ジアゾ化合物を感熱記録材料の感熱記録層に用いる場合、該電子供与性染料前駆体の含有量は、0.1〜5.0g/m2 が好ましく、1.0〜3.5g/m2 がより好ましい。
また、光分解性ジアゾ化合物の含有量は、0.02〜5.0g/m2 が好ましく、発色濃度の点から0.10〜4.0g/m2 がより好ましい。
【0065】
前記電子供与性染料前駆体の含有量が0.1g/m2 未満、或いは、前記光分解性ジアゾ化合物の含有量が0.02g/m2 未満の場合には、充分な発色濃度が得られないことがあり、また、両者の含有量が5.0g/m2 を超える場合には、感熱記録層の透明性が低下することがある。
【0066】
一方、用いる水相には保護コロイドとして水溶性高分子を溶解した水溶液を使用し、これに前記油相を投入後、ホモジナイザー等の手段により乳化分散を行うが、前記水溶性高分子は、分散を均一に、かつ容易にするとともに、乳化分散した水溶液を安定化させる分散媒として作用する。ここで、更に均一に乳化分散し安定化させるためには、油相あるいは水相の少なくとも一方に界面活性剤を添加してもよい。前記界面活性剤としては、周知の乳化用界面活性剤を使用することができる。界面活性剤の添加量は、油相の重量に対して0.1〜5%が好ましく、0.5〜2%がより好ましい。
【0067】
水相に含有させる界面活性剤は、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、前記保護コロイドと作用して沈殿や凝集を起こさないものを好適に選択して使用することができる。
好ましい界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等が挙げられる。
【0068】
乳化は、上記成分を含有した油相と保護コロイド及び界面活性剤を含有する水相とを、高速撹拌、超音波分散等の通常の微粒子乳化に用いられる手段、例えば、ホモジナイザー、マントンゴーリー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミル等、公知の乳化装置を用いて容易に行うことができる。乳化後は、カプセル壁形成反応を促進させるために、乳化物を30〜70℃に加温することが好ましい。また、反応中はカプセル同士の凝集を防止するために、加水してカプセル同士の衝突確率を下げたり、充分な攪拌を行うことが好ましい。
【0069】
また、反応中に改めて凝集防止用の分散物を添加してもよい。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの発生が観測され、その発生の終息をもっておよそのカプセル壁形成反応の終点とみなすことができる。通常、数時間反応させることにより、目的のマイクロカプセルを得ることができる。
【0070】
(乳化分散物)
電子供与性染料前駆体、又は光分解性ジアゾ化合物を芯物質としてカプセル化した場合には、用いる電子受容性化合物、又はカプラーは、例えば、水溶性高分子及び有機塩基、その他の発色助剤等と共に、サンドミル等の手段により固体分散して用いることもできるが、予め水に難溶性又は不溶性の高沸点有機溶剤に溶解した後、これを界面活性剤及び/又は水溶性高分子を保護コロイドとして含有する高分子水溶液(水相)と混合し、ホモジナイザー等で乳化した乳化分散物として用いることがより好ましい。この場合、必要に応じて、低沸点溶剤を溶解助剤として用いることもできる。
更に、カプラー、有機塩基は別々に乳化分散することも、混合してから高沸点有機溶剤に溶解し、乳化分散することもできる。好ましい乳化分散粒子径は1μm以下である。
【0071】
この場合に使用される高沸点有機溶剤は、例えば、特開平2−141279号公報に記載された高沸点オイルの中から適宜選択することができる。
中でもエステル類を使用することが、乳化分散液の乳化安定性の観点がら好ましく、中でも、リン酸トリクレジルが特に好ましい。上記のオイル同士、又は他のオイルとの併用も可能である。
【0072】
上記の保護コロイドとして含有される水溶性高分子としては、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中から適宜選択することができ、乳化しようとする温度における水に対する溶解度が5%以上の水溶性高分子が好ましく、その具体例としては、ポリビニルアルコールまたはその変成物、ポリアクリル酸アミドまたはその誘導体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エチレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、カルボキシメチルセルロース,メチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、アラビヤゴム、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
これらの中でも、ポリビニルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体が特に好ましい。
【0073】
また、油相の水相に対する混合比(油相重量/水相重量)は、0.02〜0.6が好ましく、0.1〜0.4がより好ましい。該混合比が0.02より小さい場合には、水相が多すぎて希薄となり製造適性に欠け、一方、該混合比が0.6より大きい場合には、逆に液の粘度が高くなり、取扱いの不便さや塗布液安定性の低下を生ずるため好ましくない。
【0074】
本発明の感熱記録材料において電子受容性化合物を用いる場合、該電子受容性化合物は、前記電子供与性染料前駆体1重量部に対して、0.5〜30重量部が好ましく、1.0〜10重量部がより好ましい。
また、本発明の感熱記録材料においてカプラーを用いる場合、該カプラーは、前記ジアゾ化合物1重量部に対して、0.1〜30重量部が好ましい。
【0075】
(感熱記録層用塗布液)
感熱記録層用塗布液は、例えば、上記のように調製したマイクロカプセル液と乳化分散物とを混合することにより、調製することができる。ここで、前記マイクロカプセル液の調製の際に保護コロイドとして用いた水溶性高分子、並びに前記乳化分散物の調製の際に保護コロイドとして用いた水溶性高分子は、前記感熱記録層におけるバインダーとして機能する。また、これら保護コロイドとは別にバインダーを添加、混合して、感熱記録層用塗布液を調製してもよい。
前記添加されるバインダーとしては、水溶性のものが一般的であり、ポリビニルアルコ−ル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エピクロルヒドリン変性ポリアミド、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレインサリチル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アミド、メチロール変性ポリアクリルアミド、デンプン誘導体、カゼイン、ゼラチン等が挙げられる。
また、これらのバインダーに耐水性を付与する目的で耐水化剤を加えたり、疎水性ポリマーのエマルジョン、具体的には、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリル樹脂エマルジョン等を添加することもできる。
【0076】
前記感熱記録層用塗布液を支持体上に塗布する際、水系又は有機溶剤系の塗布液に用いる公知の塗布手段が用いられるが、この場合、感熱記録層用塗布液を安全かつ均一に塗布するとともに、塗膜の強度を保持するため、本発明の感熱記録材料においては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉類、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリスチレン又はその共重合体、ポリエステル又はその共重合体、ポリエチレン又はその共重合体、エポキシ樹脂、アクリレート系樹脂又はその共重合体、メタアクリレート系樹脂又はその共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等を使用することができる。
【0077】
(その他の成分)
以下に、感熱記録層に用いることのできるその他の成分について述べる。
前記その他の成分としては、特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、公知の熱可融性物質、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。
【0078】
前記熱可融性物質は、熱応答性の向上を図る目的で感熱記録層に含有させることができる。
前記熱可融性物質としては、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル、脂肪族アミド、ウレイド等が挙げられる。
これらの例は、特開昭58−57989号、同58−87094号、同61−58789号、同62−109681号、同62−132674号、同63−151478号、同63−235961号、特開平2−184489号、同2−215585号の各公報等に記載されている。
【0079】
前記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤等が好適に挙げられる。これらの例は、特開昭47−10537号、同58−111942号、同58−212844号、同59−19945号、同59−46646号、同59−109055号、同63−53544号、特公昭36−10466号、同42−26187号、同48−30492号、同48−31255号、同48−41572号、同48−54965号、同50−10726号の各公報、米国特許2,719,086号、同3,707,375号、同3,754,919号、同4,220,711号の各明細書等に記載されている。
【0080】
前記酸化防止剤としては、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アニリン系酸化防止剤、キノリン系酸化防止剤等が好適に挙げられる。これらの例は、特開昭59−155090号、同60−107383号、同60−107384号、同61−137770号、同61−139481号、同61−160287号の各公報等に記載されている。
【0081】
前記その他の成分の塗布量としては、0.05〜1.0g/m2 程度が好ましく、0.1〜0.4g/m2 がより好ましい。なお、前記その他の成分は、前記マイクロカプセル内に添加してもよいし、前記マイクロカプセル外に添加してもよい。
【0082】
前記感熱記録層は、サーマルヘッドの僅かな熱伝導の差異等から生ずる濃度ムラ等を抑え高画質な画像を得るため、飽和透過濃度(DT-max )を得るのに必要なエネルギー量幅、即ち、ダイナミックレンジが広い感熱記録層であることが好ましい。本発明の感熱記録材料は上記のような感熱記録層を有し、90〜150mJ/mm2 の範囲の熱エネルギー量で、透過濃度DT 3.0を得ることができる特性を有する感熱記録層であることが好ましい。
【0083】
前記感熱記録層は、塗布、乾燥後の乾燥塗布量が1〜25g/m2 になるように塗布されること、及び該層の厚みが1〜25μmになるように塗布されることが好ましい。
【0084】
[支持体]
本発明の感熱記録材料では、透明な感熱記録材料を得るために、透明支持体を用いることが好ましい。透明支持体としては、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等の合成高分子フィルムが挙げられ、これらを単独で、或いは貼り合わせて使用することができる。
上記合成高分子フィルムの厚みは、25〜250μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。
【0085】
また、上記の合成高分子フィルムは任意の色相に着色されていてもよい。高分子フィルムを着色する方法としては、樹脂フィルムを成形する前に樹脂に染料を混練してフィルムを成形する方法、染料を適当な溶剤に溶かした塗布液を調製し、これを無色透明な樹脂フィルム上に公知の塗布方法、例えば、グラビアコート法、ローラーコート法、ワイヤーコート法等により塗布する方法等が挙げられる。中でも、青色染料を混練したポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂をフィルムに成形し、これに耐熱処理、延伸処理、帯電防止処理を施したものが好ましい。
【0086】
特に、本発明の透明な感熱記録材料をシャーカステン上で支持体側から観察した場合、透明な非画像部分を透過するシャーカステン光により幻惑が生じ見ずらい画像になることがある。
これを避けるため、透明支持体としては、JIS−Z8701記載の方法により規定された色度座標上の、A(x=0.2805,y=0.3005)、B(x=0.2820,y=0.2970)、C(x=0.2885,y=0.3015)、D(x=0.2870,y=0.3040)の4点で形成される四角形の領域内に青く着色された合成高分子フィルムを用いることが特に好ましい。
【0087】
[その他の層]
本発明の感熱記録材料は、前記支持体上に、その他の層として、中間層、下塗り層、紫外線フィルター層、光反射防止層等を設けることができる。
【0088】
(中間層)
前記中間層は、前記感熱記録層上に形成されることが好ましい。
前記中間層は、層の混合防止や画像保存性に対して有害なガス(酸素等)の遮断のために設けられる。使用するバインダーは特に制限はなく、系に応じて、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体等を用いることができる。また、塗布適性付与のため、種々の界面活性剤を添加してもよい。また、ガスバリヤー性をより高めるため、雲母等の無機微粒子を前記バインダーに対して2〜20重量%、より好ましくは5〜10重量%添加してもよい。
【0089】
(下塗り層)
本発明の感熱記録材料においては、支持体から感熱記録層が剥がれることを防止する目的で、マイクロカプセル等を含有する感熱記録層や光反射防止層等を塗布する前に、支持体上に下塗り層を設けることができる。
前記下塗り層としては、アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、SBR、水性ポリエステル等を用いることができ、層の厚みは0.05〜0.5μmが好ましい。
【0090】
前記下塗り層上に感熱記録層を塗布する際、感熱記録層用塗布液に含まれる水分により下塗り層が膨潤して、感熱記録層に記録された画像が悪化することがあるので、下塗り層にはグルタルアルデヒド、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等のジアルデヒド類及びホウ酸等の硬膜剤を用いて硬膜させることが好ましい。これらの硬膜剤の添加量は、下塗り素材の重量に応じて0.2〜3.0重量%の範囲で、所望の硬化度に合わせて適宜、添加することができる。
【0091】
(紫外線フィルター層)
前記感熱記録層の塗布面と反対の支持体裏面側に、画像の褪色防止の目的で、紫外線フィルター層を設けてもよい。前記紫外線フィルター層には、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等の紫外線吸収剤が含有される。
【0092】
(光反射防止層)
前記感熱記録層の塗布面と反対の支持体裏面側に、平均粒径が1〜20μm、好ましくは1〜10μmの微粒子を含有する光反射防止層を設けてもよい。
この光反射防止層の塗設により、入射光角20°で測定した光沢度を50%以下にすることが好ましく、30%以下にすることがより好ましい。
前記光反射防止層に含有される微粒子としては、大麦、小麦、コーン、米、豆類より得られる澱粉等の微粒子の他、セルロースファイバー、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート樹脂、塩化ビニル又は酢酸ビニル等の共重合体樹脂、ポリオレフィン等の合成高分子の微粒子、炭酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、スメクタイト粘土、水酸化アルミニウム、シリカ、酸化亜鉛等の無機物の微粒子等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、感熱記録材料の透明性を良好なものとする観点から、屈折率が1.45〜1.75の微粒子状物質であることが好ましい。
【0093】
本発明の感熱記録材料は、以下に説明する本発明の感熱記録材料の製造方法によって好適に製造することができるが、これに限定されるものではなく、他の製造方法によって製造することもできる。
本発明の感熱記録材料は、保護層用塗布液に、平均粒径0.15μm以下に分散されたシリコーンオイルの乳化物を含有するため、ヘッドマッチング性に優れ、塗布故障のない良好な塗布面を有し、特に、医療用記録媒体等の高画質が要求される分野に好適に用いられる。
【0094】
以下、本発明の感熱記録材料の製造方法について説明する。
本発明の感熱記録材料の製造方法は、支持体上に、感熱記録層形成用塗布液を塗布して感熱記録層を形成し、該感熱記録層上に、少なくとも顔料及びバインダーを含有する保護層形成用塗布液を塗布して保護層を形成し、更に必要に応じて、その他の層を形成してなる。
ここで、前記感熱記録層及び保護層を同時に形成してもよく、その場合、前記感熱記録層形成用塗布液と前記保護層形成用塗布液とを前記支持体上に同時に重層塗布することにより、前記感熱記録層及びその上に前記保護層を同時に形成することができる。
【0095】
本発明の感熱記録材料の製造方法は、前記保護層形成用塗布液に、平均粒径0.15μm以下に分散されたシリコーンオイルの乳化物を含有させるため、送液時におけるポンプやフィルターを通過する際のシェア、あるいは超音波脱泡機によって、乳化物が破壊することがなく、よって巨大な油滴を形成してハジキ状の塗布故障を生じることがなく、製造安定性に優れる。
【0096】
ここで使用される支持体は、本発明の感熱記録材料に使用される既に説明した支持体を用いることができる。また、前記感熱記録層形成用塗布液としては、前述した前記感熱記録層用塗布液を用いることができ、更に、前記保護層形成用塗布液も、前述した顔料及びバインダーを含有する保護層用塗布液を用いることができる。
また、前記その他の層としては、前述した中間層や下塗り層等のその他の層が挙げられる。
本発明の感熱記録材料の製造方法では、支持体上に、下塗り層、感熱記録層、中間層、保護層等を順次形成するために、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法等の公知の塗布方法が用いられる。
本発明の感熱記録材料の製造方法によれば、前述した本発明の感熱記録材料を製造することができる。
【0097】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
【0098】
(実施例1)
[保護層用塗布液の調製]
(保護層用顔料分散液の調製)
水110gに、顔料としてステアリン酸処理水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH42S,昭和電工(株)製)30gを加え3時間撹拌した後、これに分散助剤(商品名:ポイズ532A,花王(株)製)0.2g、10重量%ポリビニルアルコール水溶液(商品名:PVA105,(株)クラレ製)30g、10重量%ドデシルベンゼンスルフォン酸Na塩水溶液1.0gを加えサンドミルで分散し、平均粒径0.30μmの保護層用顔料分散液を得た。
尚、「平均粒径」は、用いる顔料を分散助剤共存下で分散し、その分散直後の顔料分散物に水を加えて0.5重量%に希釈した被検液を、40℃の温水中に投入し光透過率が75±1.0%になるように調整した後、30秒間超音波処理しレーザー回折粒度分布測定装置(商品名:LA700,(株)堀場製作所製)により測定した、全顔料の50%体積に相当する顔料粒子の平均粒径を使用し、以下に記載の「平均粒径」は全て同様の方法により測定した平均粒径を表す。
【0099】
(ワックス微粒子乳化分散液の調製)
融点68〜70℃の固体パラフィンワックス(関東科学(株)製)20.0gにポリオキシエチレンステアリルエーテル系界面活性剤(商品名:花王エマルゲン320P,花王(株)製)5.0gを加え、75℃に加熱し溶融混合した。これを、75℃の5重量%ポリビニルアルコール水溶液(商品名:PVA205C,(株)クラレ製)60gに加え、エースホモジナイザー(日本精機(株)製)を用い回転数15000rpmで平均粒径0.7μmになるように乳化を行った。
乳化を行うに際し、乳化が常に75℃以上の温度で行われるように上記ホモジナイザーの周囲に温度85℃の温水を流し、保温を行った。乳化終了後、温水8.3gを加えた後、液温を徐々に下げて常温まで冷却し、30重量%のワックス微粒子乳化分散液を得た。
【0100】
(保護層用塗布液の調製)
水20gに、6重量%ポリビニルアルコール水溶液(商品名:PVA124C,(株)クラレ製)90g、20.5重量%ステアリン酸亜鉛分散物(商品名:F155,中京油脂(株)製)0.5g、1.0%ホウ酸水溶液25g、上記30重量%ワックス微粒子乳化分散液3.0g、上記保護層用顔料分散液150g、30重量%シリコーンオイル水分散液(ポリジメチルシロキサン,商品名:BY22−840,東レ・ダウコーニング(株)製,平均粒径:0.04μm,粘度:2000cps)5.0g、10重量%ドデシルベンゼンスルフォン酸Na塩水溶液2.0g、下記構造式(1)で表される化合物の2重量%水溶液15g
【0101】
【化1】
Figure 0004076676
【0102】
及び40重量%グリオキザール水溶液1.0gを混合して保護層用塗布液を得た。
【0103】
[感熱記録層用塗布液の調製]
以下のように、マイクロカプセル塗布液、顕色剤乳化分散物の各液を調製した。
(マイクロカプセル塗布液の調製)
発色剤として、下記構造式(2)で表される化合物19gと、
【0104】
【化2】
Figure 0004076676
【0105】
下記構造式(3)で表される化合物4.2gと、
【0106】
【化3】
Figure 0004076676
【0107】
下記構造式(4)で表される化合物7.4gと、
【0108】
【化4】
Figure 0004076676
【0109】
下記構造式(5)で表される化合物0.6gと、
【0110】
【化5】
Figure 0004076676
【0111】
下記構造式(6)で表される化合物1.9gと、
【0112】
【化6】
Figure 0004076676
【0113】
下記構造式(7)で表される化合物0.8gと、
【0114】
【化7】
Figure 0004076676
【0115】
を酢酸エチル36gに添加して70℃に加熱、溶解した後、35℃まで冷却した。これに、n−ブタノール0.8g、カプセル壁材(商品名:タケネートD127N,武田薬品工業(株)製)26.4gを加え、35℃のまま40分間保温した。
【0116】
この溶液を、水26gに8重量%のポリビニルアルコール水溶液(商品名:PVA217E,(株)クラレ製)75gを混合した水相中に加えた後、エースホモジナイザー(日本精機(株)製)を用い回転数10000rpmで5分間乳化を行った。得られた乳化液に、更に水140g及びテトラエチレンペンタミン1.0gを添加した後、60℃で3時間カプセル化反応を行い、平均粒径0.7μmのマイクロカプセル塗布液を調製した。
【0117】
(顕色剤乳化分散物の調製)
顕色剤として、下記構造式(8)で表される化合物3.4gと、
【0118】
【化8】
Figure 0004076676
【0119】
下記構造式(9)で表される化合物8.3gと、
【0120】
【化9】
Figure 0004076676
【0121】
下記構造式(10)で表される化合物8.3gと、
【0122】
【化10】
Figure 0004076676
【0123】
下記構造式(11)で表される化合物5.8gと、
【0124】
【化11】
Figure 0004076676
【0125】
下記構造式(12)で表される化合物3.9gと、
【0126】
【化12】
Figure 0004076676
【0127】
下記構造式(13)で表される化合物3.5gと、
【0128】
【化13】
Figure 0004076676
【0129】
をトリクレジルフォスフェート0.8g、マレイン酸ジエチル0.4gと共に、酢酸エチル15gに添加し、70℃に加熱して溶解した。
この溶液を、15重量%のポリビニルアルコール水溶液(商品名:PVA205C,(株)クラレ製)40g、2.0重量%のドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム水溶液9g及び下記構造式(14)で表される化合物の2重量%水溶液9.0gを混合した水相中に加えた後、
【0130】
【化14】
Figure 0004076676
【0131】
エースホモジナイザー(日本精機(株)製)を用いて回転数10000rpmで平均粒径0.7μmになるように乳化し、顕色剤乳化分散物を得た。
【0132】
(感熱記録層用塗布液の調製)
前記マイクロカプセル塗布液(固形分濃度27重量%)14.2g、前記顕色剤乳化分散物(固形分濃度21重量%)85g及び下記構造式(15)で示される化合物の50重量%水溶液0.4gを混合して、感熱記録層用塗布液を調製した。
【0133】
【化15】
Figure 0004076676
【0134】
[中間層用塗布液の調製]
15重量%のゼラチン水溶液(商品名:#750GEL、新田製)140g、界面活性剤として10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3g、粘度調整用に5重量%のポリスチレンスルホン酸ナトリウム(分子量76万、三協化学製)7g、雲母2.5重量%分散液21gを140gの水に溶解し、中間層用塗布液を調製した。
【0135】
[紫外線フィルター層用塗布液の調製]
(紫外線フィルター層用マイクロカプセル液の調製)
下記構造式(16)で表される化合物1.58gと、
【0136】
【化16】
Figure 0004076676
【0137】
下記構造式(17)で表される化合物6.30gと、
【0138】
【化17】
Figure 0004076676
【0139】
下記構造式(18)で表される化合物5.20gと、
【0140】
【化18】
Figure 0004076676
【0141】
下記構造式(19)で表される化合物1.40gと、
【0142】
【化19】
Figure 0004076676
【0143】
下記構造式(20)で表される化合物7.30gと、
【0144】
【化20】
Figure 0004076676
【0145】
を酢酸エチル8.2gに添加して70℃に加熱、溶解した後、35℃まで冷却した。これに、カプセル壁材(商品名:タケネートD110N,武田薬品工業(株)製)0.9g、カプセル壁材(商品名:バーノックD750,大日本インキ(株)製)0.3gを加え、35℃のまま5分間保温した。この溶液を、15重量%のポリビニルアルコール水溶液(商品名:PVA205,(株)クラレ製)120gと10重量%ドデシルベンゼンスルフォン酸Na塩水溶液8.0gを混合した水相中に加えた後、エースホモジナイザー(日本精機(株)製)を用いて回転数15000rpmで15分間乳化を行い、平均粒径0.25μmの乳化液を得た。
得られた乳化液に、更に水60gとテトラエチレンペンタミン0.15gを添加した後、40℃で3時間カプセル化反応を行い、平均粒径0.25μmの紫外線フィルター層用マイクロカプセル液を調製した。
【0146】
(紫外線フィルター層用塗布液の調製)
水42.31gに10重量%シラノール変性ポリビニルアルコール(商品名:R2105,(株)クラレ製)40.0gを混合した溶液中に、上記の紫外線フィルター層用マイクロカプセル液(固形分濃度24.2%)13.5gを加え、更に下記構造式(21)で表される化合物の50重量%水溶液17g
【0147】
【化21】
Figure 0004076676
【0148】
及び20重量%コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO,日産化学(株))65gを混合して紫外線フィルター層用塗布液を調製した。
【0149】
[光反射防止層用塗布液の調製]
水50gに平均粒径5μmのライススターチ(松谷化学(株)製)0.1gを加え充分に分散した後、2重量%スルフォ琥珀酸ジ(2−エチル)ヘキシル水溶液2.5g、下記構造式(22)で表される化合物の2重量%水溶液1.5g
【0150】
【化22】
Figure 0004076676
【0151】
及び20重量%コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO,日産化学(株))17gを混合して光反射防止層用塗布液を調製した。
【0152】
[透明支持体の作製]
厚みが175μmであり、JIS−Z8701記載の方法により規定された色度座標において、x=0.2850,y=0.2995に着色された青色のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の面に、SBRラテックスを乾燥塗布量が0.3g/m2 になるように塗布した。この上に、5重量%ゼラチン水溶液(新田ゼラチン#810)200g、5重量%の粒径2μmポリメチルメタクリレート樹脂粒子のゼラチン分散物(ポリメチルメタクリレート樹脂の含有率10重量%)0.5g、3重量%1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン水溶液1.0g及び2重量%スルフォ琥珀酸ジ(2−エチル)ヘキシル水溶液10gを混合した溶液を、乾燥塗布量が0.1g/m2 になるように塗布した。
また、他方の面にも同様にして塗布を行い、支持体の両面に下塗り層を形成した。
【0153】
[感熱記録材料の作製]
上記の両面下塗り層を塗設した支持体の一方の表面に、前記紫外線フィルター層用塗布液を乾燥塗布量が1.8g/m2 になるように塗布、乾燥し、紫外線フィルター層を形成した。
更に、この紫外線フィルター層上に前記光反射防止層用塗布液を乾燥塗布量が2.2g/m2 になるように塗布、乾燥し、前記紫外線フィルター層上に光反射防止層を形成した。
【0154】
次に、紫外線フィルター層及び光反射防止層を塗設した面と反対側の支持体表面上に、前記感熱記録層用塗布液を、乾燥塗布量が16.5g/m2 になるように塗布、乾燥し、感熱記録層を塗設した。
この感熱記録層上に、前記中間層用塗布液、及び前記保護層用塗布液を順次、乾燥塗布量がそれぞれ1.0g/m2 、及び2.5g/m2 になるように塗布、乾燥して中間層及び保護層を形成し、本発明の透明な感熱記録材料を得た。
【0155】
<塗布故障の評価>
得られた感熱記録材料について、ハジキによる塗布故障の有無を目視により評価した。塗布故障は、保護層表面1m2あたりのハジキの個数により評価した。結果を表1に示す。
【0156】
<ヘッドマッチング性の評価>
得られた感熱記録材料を、サーマルヘッド(商品名:KGT,260−12MPH8,京セラ(株)製)により、ヘッド圧10kg/cm2、記録エネルギー120mJ/mm2で記録し、印画時にサーマルヘッドと感熱記録材料の保護層とが接着する、スティッキングを起こすか否かを目視により評価した。スティッキングが発生しなかったものを○、スティッキングが発生したものを×、と評価した。結果を表1に示す。
また、上記記録後のサーマルヘッドの汚れの有無を目視により評価した。ヘッド発熱体上に、汚れが全くなかったものを○、汚れがあったものを×、と評価した。結果を表1に示す。
【0157】
<d2の測定>
前記保護層用塗布液の調製の際に使用した、30重量%シリコーンオイル水分散液(ポリジメチルシロキサン,商品名:BY22−840,東レ・ダウコーニング(株)製,平均粒径:0.04μm,粘度:2000cps)を、水で50倍に稀釈した後のシリコーンオイルの平均粒径d2を測定した。
【0158】
<d3の測定>
前記保護層用塗布液の調製の際に使用した、30重量%シリコーンオイル水分散液(ポリジメチルシロキサン,商品名:BY22−840,東レ・ダウコーニング(株)製,平均粒径:0.04μm,粘度:2000cps)を、水で50倍に稀釈し、40Hzで出力100Wの超音波を30分間照射した後のシリコーンオイルの平均粒径d3を測定した。
【0159】
<d4の測定>
前記保護層用塗布液の調製の際に使用した、30重量%シリコーンオイル水分散液(ポリジメチルシロキサン,商品名:BY22−840,東レ・ダウコーニング(株)製,平均粒径:0.04μm,粘度:2000cps)を、水で50倍に稀釈し、エースホモジナイザー(日本精機(株)製)により5000rpmで10分間撹拌した後のシリコーンオイルの平均粒径d4を測定した。
【0160】
(実施例2)
実施例1において、保護層用塗布液の調製の際に使用した30重量%シリコーンオイル水分散液(ポリジメチルシロキサン,商品名:BY22−840,東レ・ダウコーニング(株)製,平均粒径:0.04μm,粘度:2000cps)を、30重量%シリコーンオイル水分散液(カルボキシ変性ポリジメチルシロキサン,商品名:BY22−835,東レ・ダウコーニング(株)製,平均粒径:0.05μm,粘度:40000cps)に代えた外は、実施例1と同様に感熱記録材料を作製し、実施例1と同様の評価を行った。また、上記のシリコーンオイル水分散液を用いて、実施例1と同様に、d2、d3、及びd4を測定した。結果を表1に示す。
【0161】
(比較例1)
実施例1において、保護層用塗布液の調製の際に使用した30重量%シリコーンオイル水分散液(ポリジメチルシロキサン,商品名:BY22−840,東レ・ダウコーニング(株)製,平均粒径:0.04μm,粘度:2000cps)を、30重量%シリコーンオイル水分散液(ポリジメチルシロキサン,商品名:KM788,信越シリコーン(株)製,平均粒径:0.38μm,粘度:10000cps)に代えた外は、実施例1と同様に感熱記録材料を作製し、実施例1と同様の評価を行った。また、上記のシリコーンオイル水分散液を用いて、実施例1と同様に、d2、d3、及びd4を測定した。結果を表1に示す。
【0162】
(比較例2)
実施例1において、保護層用塗布液の調製の際に使用した30重量%シリコーンオイル水分散液(ポリジメチルシロキサン,商品名:BY22−840,東レ・ダウコーニング(株)製,平均粒径:0.04μm,粘度:2000cps)を、30重量%シリコーンオイル水分散液(ポリジメチルシロキサン,商品名:SH490,東レ・ダウコーニング(株)製,平均粒径:0.35μm,粘度:100000cps)に代えた外は、実施例1と同様に感熱記録材料を作製し、実施例1と同様の評価を行った。また、上記のシリコーンオイル水分散液を用いて、実施例1と同様に、d2、d3、及びd4を測定した。結果を表1に示す。
【0163】
【表1】
Figure 0004076676
【0164】
表1の結果から、実施例1及び2では、ヘッドマッチング性に優れ、塗布故障のない良好な塗布面を有する感熱記録材料が得られたが、比較例1及び2では、ハジキによる塗布故障が発生した。また、実施例1及び2で用いたシリコーンオイル水分散液は、強撹拌や超音波照射によっても、乳化物の破壊が生じなく、安定であるのに対し、比較例1及び2で用いたシリコーンオイル水分散液は、強撹拌や超音波照射によって、乳化物の破壊が生じ、巨大な油滴を形成していることがわかる。このような巨大な油滴は、ハジキによる塗布故障の原因となる。
【0165】
【発明の効果】
本発明によれば、ヘッドマッチング性に優れ、塗布故障のない良好な塗布面を有する感熱記録材料を提供することができる。また、本発明によれば、上記のような優れた感熱記録材料の製造方法を提供することができる。

Claims (8)

  1. 支持体上に、感熱記録層及び保護層を、この順に有する感熱記録材料において、該保護層が、顔料、バインダー、及び平均粒径0.15μm以下に分散されたシリコーンオイルの乳化物を含有する保護層用塗布液を塗布してなり、該バインダーが完全鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、シリカ変性ポリビニルアルコールからなる群より選択される何れか1つであることを特徴とする感熱記録材料。
  2. 前記支持体が透明支持体であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 90〜150mJ/mm 2 の範囲の熱エネルギー量で、透過濃度D T 3.0を得ることができることを特徴とする請求項1または2に記載の感熱記録材料。
  4. 前記シリコーンオイルが、前記シリコーンオイルの乳化物における平均粒径をd1、前記シリコーンオイルの乳化物を水で50倍に稀釈した後のシリコーンオイルの平均粒径をd2とした場合に、d2/d1≦1.5の関係を満たす請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録材料。
  5. 前記シリコーンオイルが、前記シリコーンオイルの乳化物における平均粒径をd1、前記シリコーンオイルの乳化物を水で50倍に稀釈し、40Hzで出力100Wの超音波を30分間照射した後のシリコーンオイルの平均粒径をd3とした場合に、d3/d1≦1.5の関係を満たす請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録材料。
  6. 前記シリコーンオイルが、前記シリコーンオイルの乳化物における平均粒径をd1、前記シリコーンオイルの乳化物を水で50倍に稀釈し、ホモジナイザーにより5000rpmで10分間撹拌した後のシリコーンオイルの平均粒径をd4とした場合に、d4/d1≦1.5の関係を満たす請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録材料。
  7. 前記シリコーンオイルが、カルボキシ変性シリコーンオイルである請求項1からのいずれかに記載の感熱記録材料。
  8. 支持体上に、感熱記録層形成用塗布液を塗布して感熱記録層を形成し、該感熱記録層上に、少なくとも顔料及びバインダーを含有する保護層形成用塗布液を塗布して保護層を形成する感熱記録材料の製造方法において、前記保護層形成用塗布液に、平均粒径0.15μm以下に分散されたシリコーンオイルの乳化物を含有し、該バインダーが完全鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、シリカ変性ポリビニルアルコールからなる群より選択される何れか1つであることを特徴とする感熱記録材料の製造方法。
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