JP2005199561A - 感熱記録材料 - Google Patents
感熱記録材料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005199561A JP2005199561A JP2004008254A JP2004008254A JP2005199561A JP 2005199561 A JP2005199561 A JP 2005199561A JP 2004008254 A JP2004008254 A JP 2004008254A JP 2004008254 A JP2004008254 A JP 2004008254A JP 2005199561 A JP2005199561 A JP 2005199561A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat
- recording material
- sensitive recording
- layer
- general formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
Abstract
Description
また、耐薬品性および耐スティッキング性や帯電防止効果の改善を目的としたものとしては、アルキルスルホコハク酸塩およびフッ素系界面活性剤を特定量含有する水溶性樹脂層を保護層として設けた感熱記録材料が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、かかる電子受容性化合物は、透明性に優れるものの、塗布液に含有した場合、均一に塗布することが難しいといった問題がある。
即ち、本発明は、塗布面状の均一性に優れ、耐薬品性を有し、かつ実機走行性に優れ、濃度ムラのない高品位な画像形成が可能な感熱記録材料を提供することを目的とする。
<1> 支持体上に少なくとも1層の感熱記録層を有する感熱記録材料であって、
下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする感熱記録材料。
<3> 更に、前記感熱記録層上に少なくとも1層の保護層を有し、前記一般式(1)で表される化合物が、前記保護層に含有されることを特徴とする<1>又は<2>に記載の感熱記録材料。
<5> 前記感熱記録層が、電子供与性染料前駆体と、該電子供与性染料前駆体を発色させる顕色剤とを含有することを特徴とする<1>〜<4>の何れか1つに記載の感熱記録材料。
<7> 前記感熱記録層が、前記電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルと前記顕色剤とを水に難溶若しくは不溶の有機溶媒に溶解し、乳化した乳化物を含む塗布液を前記支持体上に塗布・乾燥することで形成されることを特徴とする請求項<5>に記載の感熱記録材料。
本発明の感熱記録材料は、支持体上に少なくとも1層の感熱記録層を有し、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする。
前記一般式(1)で表される化合物が含有される部位は、支持体上の感熱記録層が設けられた側に形成される層であれば特に限定されず、例えば、保護層のみに含有させることでも本発明の効果を発揮することができる。しかしながら、本発明の効果を十分に発揮させるためには、前記一般式(1)で表される化合物を感熱記録層に含有させることが好ましく、感熱記録層およびこれに隣接する層に含有させることが更に好ましく、感熱記録層および感熱記録層に隣接する保護層に含有させるのが特に好ましい。
上述の通り、前記一般式(1)で表される化合物(界面活性剤)が含まれる部位は、支持体の感熱記録層が設けられる側に形成される層であれば特に限定されない。但し、本発明の効果を十分に発揮するためには、本発明における界面活性剤が感熱記録層に含まれることが好ましい。また、感熱記録層上に保護層が設けられる場合には、該保護層に本発明における界面活性剤を含有させるのが好ましい。
一般式(1)中、Rf及びRf’は、それぞれ独立に炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を表し、好ましくは炭素数2〜8のパーフルオロアルキル基である。m及びnは、それぞれ独立に0〜2の整数を表し、好ましくは0である。Mは、1価のイオンを表し、Na、K、Li、NH4の各イオンが好ましく、Naイオンがより好ましい。
以下に前記一般式(1)で表される化合物の具体例(例示化合物:A〜L)をが挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明における感熱記録層は、発色成分として少なくとも電子供与性染料前駆体と該電子供与性染料前駆体を発色させる顕色剤とを含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してもよい。
本発明において用いられる電子供与性染料前駆体は、実質的に無色のものであれば特に限定されるものではなく、エレクトロンを供与して、または、酸等のプロトンを受容して発色する性質を有するものであればよい。前記電子供与性染料前駆体としては、特に、ラクトン、ラクタム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部分骨格を有し、顕色剤と接触した場合に、これらの部分骨格が開環若しくは開裂する無色の化合物であることが好ましい。
前記フルオラン系化合物の具体例としては、米国特許第3,624,107号明細書、同第3,627,787号明細書、同第3,641,011号明細書、同第3,462,828号明細書、同第3,681,390号明細書、同第3,920,510号明細書、同第3,959,571号明細書等に記載された化合物が挙げられる。
前記ピリジン系およびピラジン系化合物類としては、米国特許第3,775,424号明細書、同第3,853,869号明細書、同第4,246,318号明細書等に記載された化合物が挙げられる。
前記フルオレン系化合物の具体例としては、特開昭63−094878号公報等に記載された化合物が挙げられる。
これらの中でも、特に、黒発色の2−アリールアミノ−3−〔H、ハロゲン、アルキルまたはアルコキシ−6−置換アミノフルオラン〕が好ましく挙げられる。
前記電子供与性無色染料を発色させる顕色剤としては、公知の顕色剤を適宜選定して用いることができるが、感熱記録材料に透明性を与える観点からは、下記一般式(2)で表される顕色剤が好ましい。
また、本発明においては、R2及びR3の何れもが、炭素数1〜20のアルキル基を表すときに改良効果がより顕著となる。
前記公知の顕色剤としては、例えば、フェノール化合物、有機酸若しくはその金属塩、オキシ安息香酸エステル等の酸性物質が挙げられ、例えば、特開昭61−291183号公報等に記載されている化合物が挙げられる。
前記公知の顕色剤として具体的には、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン(一般名:ビスフェノールA)、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−エチル−ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,4−ビス(p−ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、1,3−ビス(p−ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル等のビスフェノール類;
また、前記一般式(2)で表される顕色剤と他の公知の顕色剤とを併用する場合、全顕色剤に対する前記一般式(2)で表される顕色剤の含有量は、5質量%以上が好ましく、10質量%が更に好ましい。
前記電子供与性染料前駆体はマイクロカプセルに内包されるのが好ましい。以下に、マイクロカプセルの製造方法について詳述する。
マイクロカプセルの製造には、界面重合法や内部重合法、外部重合法等があり、いずれの方法も採用することができる。
前記マイクロカプセルの製造方法としては、カプセルの芯となる電子供与性染料前駆体を疎水性の有機溶媒に溶解または分散させて調製した油相を、水溶性高分子を溶解した水相中に投入し、ホモジナイザー等の攪拌手段により乳化分散した後、加温することによりその油滴界面で起こる高分子形成反応によって、高分子物質からなるマイクロカプセル壁を形成させる界面重合法を採用することが好ましい。
具体的には、キシレンジイソシアナートおよびその水添物、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナートおよびその水添物、イソホロンジイソシアナート等のジイソシアナートを主原料とし、これらの2量体または3量体(ビューレットまたはイソシアヌレート)の他、トリメチロールプロパン等のポリオールとキシリレンジイソシアナート等の2官能イソシアナートとのアダクト体として多官能としたもの、トリメチロールプロパン等のポリオールとキシリレンジイソシアナート等の2官能イソシアナートとのアダクト体にポリエチレンオキシド等の活性水素を有するポリエーテル等の高分子量化合物を導入した化合物、ベンゼンイソシアナートのホルマリン縮合物等が挙げられる。
前記ポリイソシアナートとしては、特開昭62−212190号公報、特開平4−26189号公報、特開平5−317694号公報、特開平10−114153号公報等に記載の化合物が好ましい。
ポリイソシアナート、ポリオール、反応触媒、あるいは、壁剤の一部を形成させるためのポリアミン等については成書に詳しい(岩田敬治編 ポリウレタンハンドブック 日刊工業新聞社(1987))。
例えば、壁材がポリウレア、ポリウレタンからなる場合、ヒドロキシ化合物、カルバミン酸エステル化合物、芳香族アルコキシ化合物、有機スルホンアミド化合物、脂肪族アミド化合物、アリールアミド化合物等が好適に用いられる。
具体的には、エステル類の他、ジメチルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン、ジメチルビフェニル、ジイソプロピルビフェニル、ジイソブチルビフェニル、1−メチル−1−ジメチルフェニル−2−フェニルメタン、1−エチル−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、1−プロピル−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、トリアリルメタン(例えば、トリトルイルメタン、トルイルジフェニルメタン)、ターフェニル化合物(例えば、ターフェニル)、アルキル化合物、アルキル化ジフェニルエーテル(例えば、プロピルジフェニルエーテル)、水添ターフェニル(例えば、ヘキサヒドロターフェニル)、ジフェニルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、エステル類を使用することが乳化物の乳化安定性の観点から特に好ましい。
好ましい界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等が挙げられる。
電子供与性染料前駆体を芯物質としてカプセル化した場合には、前記顕色剤は、例えば、水溶性高分子および有機塩基、その他の発色助剤等と共に、サンドミル等の手段により固体分散して用いることができる。特に前記電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルと、前記顕色剤とを、予め水に難溶性または不溶性の有機溶媒(高沸点有機溶剤)に溶解した後、これを界面活性剤および/または水溶性高分子を保護コロイドとして含有する高分子水溶液(水相)と混合し、ホモジナイザー等で乳化した乳化物として用いることがより好ましい。この場合、必要に応じて、低沸点溶剤を溶解助剤として用いることもできる。この際、乳化分散粒子径は1μm以下が好ましい。
尚、前記「水に難溶性または不溶性の有機溶媒」とは、25℃・1気圧下において、水100mlに対する溶解度が1g以下のものを意味する。
このような有機溶剤としては、例えば、特開平2−141279号公報に記載された高沸点オイルの中から適宜選択することができ、具体的には、リン酸トリクレジル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、コハク酸ジエチル、マレイン酸ジエチル等が挙げられ、中でもエステル類を使用することが、乳化分散液の乳化安定性の観点から好ましく、中でも、リン酸トリクレジル、マレイン酸ジエチルが特に好ましい。また前記有機溶媒は、他のオイル等と併用してもよい。
これらの中でも、ポリビニルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体が特に好ましい。
本発明の感熱記録材料が2層以上の感熱記録層を設けることができる。本発明の感熱記録材料は、前記電子供与性染料前駆体と顕色剤とを含有する感熱記録層(本発明における感熱記録層)以外の感熱記録層として、実質的に無色の発色成分Aと、該発色成分Aと反応して発色する実質的に無色の発色成分Bとを含有する、いわゆる2成分型感熱記録層を有することができる。前記発色成分Aまたは前記発色成分Bは、マイクロカプセルに内包されることが好ましい。この2成分型の感熱記録層を構成する2成分の組合せとしては、下記(a)〜(m)の様なものが挙げられる。
本発明に係る感熱記録層に適用し得る発色成分の組合せとしては、下記(a)〜(m)の組み合わせが挙げられる。
(b)光分解性ジアゾ化合物と、カプラーとの組合せ。
(c)ベヘン酸銀、ステアリン酸銀等の有機金属塩と、プロトカテキン酸、スピロインダン、ハイドロキノン等の還元剤との組合せ。
(d)ステアリン酸第二鉄、ミリスチン酸第二鉄等の長鎖脂肪族塩と、没食子酸、サリチル酸アンモニウム等のフェノール類との組合せ。
(e)酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸等のニッケル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、銀等との塩等の有機酸重金属塩と、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫化カリウム等のアルカリ土類金属硫化物との組合せ、または、前記有機酸重金属塩と、s−ジフェニルカルバジド、ジフェニルカルバゾン等の有機キレート剤との組合せ。
(f)硫化銀、硫化鉛、硫化水銀、硫化ナトリウム等の(重)金属硫酸塩と、Na−テトラチオネート、チオ硫酸ナトリウム、チオ尿素等の硫黄化合物との組合せ。(g)ステアリン酸第二鉄等の脂肪族第二鉄塩と、3,4−ジヒドロキシテトラフェニルメタン等の芳香族ポリヒドロキシ化合物との組合せ。
(h)シュウ酸銀、シュウ酸水銀等の有機貴金属塩と、ポリヒドロキシアルコール、グリセリン、グリコール等の有機ポリヒドロキシ化合物との組合せ。
(i)ペラルゴン酸第二鉄、ラウリン酸第二鉄等の脂肪族第二鉄塩と、チオセシルカルバミドやイソチオセシルカルバミド誘導体との組合せ。
(j)カプロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛等の有機酸鉛塩と、エチレンチオ尿素、N−ドデシルチオ尿素等のチオ尿素誘導体との組合せ。
(k)ステアリン酸第二鉄、ステアリン酸銅等の高級脂肪酸重金属塩と、ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛との組合せ。
(l)レゾルシンとニトロソ化合物との組合せのようなオキサジン染料を形成する物。
(m)ホルマザン化合物と還元剤および/または金属塩との組合せ。
電子供与性染料前駆体と顕色剤との組み合わせとしては、上述の前記電子供与性染料前駆体と顕色剤との組み合わせの他、上述の他の公知の顕色剤と前記電子供与性染料前駆体との組み合わせが挙げられる。
前記光分解性ジアゾ化合物とは、後述するカップリング成分であるカプラーとカップリング反応して所望の色相に発色するものであり、反応前に特定波長域の光を受けると分解し、もはやカップリング成分が存在しても発色能力を持たなくなる光分解性のジアゾ化合物である。
この発色系における色相は、ジアゾ化合物とカプラーとが反応して生成するジアゾ色素により決定される。従って、ジアゾ化合物、或いは、カプラーの化学構造を変えることにより、容易に発色色相を変えることができ、その組み合わせ次第で、任意の発色色相を得ることができる。
前記芳香族ジアゾニウム塩としては、以下の式で表される化合物が挙げられる。また、前記芳香族ジアゾニウム塩は、光定着性に優れ、定着後の着色ステインの発生が少なく、発色部の安定なものが好ましく用いられる。
Ar−N2 +X-
前記式中、Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素環基を表し、N2 +はジアゾニウム基を表し、X-は酸アニオンを表す。
これらのジアゾ化合物の詳細については、例えば、特開平2−136286号公報等に詳細に記載されている。
前記塩基性物質としては、水不溶性または難溶性の塩基性物質や加熱によりアルカリを発生する物質が挙げられ、例えば、無機または有機アンモニウム塩、有機アミン、アミド、尿素やチオ尿素またはそれらの誘導体、チアゾール類、ピロール類、ピリミジン類、ピペラジン類、グアニジン類、インドール類、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール類、モルフォリン類、ピペリジン類、アミジン類、フォリムアジン類またはピリジン類等の含窒素化合物が挙げられる。
これらの具体例としては、例えば、特開昭61−291183号公報等に記載されたものが挙げられる。
次に、前記有機金属塩と還元剤との組合せについて説明する。
前記有機金属塩としては、具体的には、ラウリン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀、アラキン酸銀またはベヘン酸銀等の長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩;ベンゾトリアゾール銀塩、ベンズイミダゾール銀塩、カルバゾール銀塩またはフタラジノン銀塩等のイミノ基を有する有機化合物の銀塩;s−アルキルチオグリコレート等の硫黄含有化合物の銀塩;安息香酸銀、フタル酸銀等の芳香族カルボン酸の銀塩;エタンスルホン酸銀等のスルホン酸の銀塩;o−トルエンスルフィン酸銀等のスルフィン酸の銀塩;フェニルリン酸銀等のリン酸の銀塩;バルビツール酸銀、サッカリン酸銀、サリチルアスドキシムの銀塩またはこれらの任意の混合物が挙げられる。
これらの内、長鎖脂肪族カルボン酸銀塩が好ましく、中でもベヘン酸銀がより好ましい。また、ベヘン酸をベヘン酸銀と共に使用してもよい。
前記のうち、ポリフェノール類、スルホンアミドフェノール類またはナフトール類等の芳香族有機還元剤が特に好ましい。
前記顕色剤を含有する感熱記録層は、前記のように調製したマイクロカプセル液と乳化物とを混合した感熱記録層用の塗布液を調製し、該塗布液を支持体上に塗布することにより、形成することができる。ここで、前記マイクロカプセル液の調製の際に保護コロイドとして用いた水溶性高分子、並びに前記乳化物の調製の際に保護コロイドとして用いた水溶性高分子は、前記感熱記録層におけるバインダーとして機能する。また、これら保護コロイドとは別にバインダーを添加、混合して、感熱記録層用塗布液を調製してもよい。
上述の通り、前記塗布液には、前記一般式(1)で表される化合物を添加することができる。また、上述の通り、前記一般式(1)で表される化合物は、前記塗布液に添加して、塗布性を向上させることができ、更に、後述する保護層に含ませることもできる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で下記のノニオン系界面活性剤やアニオン系界面活性剤を併用することができる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、下記一般式(3)で表される化合物を用いることができる。
具体的には、オクチルフェノキシ基、デシルフェノキシ基、ラウリルフェノキシ基、などが挙げられる。前記R4は、さらに置換基を有していてもよい。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、等のアニオン系界面活性剤が挙げられる。
前記バインダーとしては、水溶性のものを用いることができる。水溶性のバインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコ−ル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エピクロルヒドリン変性ポリアミド、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレインサリチル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アミド、メチロール変性ポリアクリルアミド、デンプン誘導体、カゼイン、ゼラチン等が挙げられる。
また、これらのバインダーに耐水性を付与する目的で耐水化剤を加えたり、疎水性ポリマーのエマルジョン、具体的には、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリル樹脂エマルジョン等を添加することもできる。
以下に、感熱記録層に用いることのできる他の成分について述べる。
感熱記録層に適され得る他の成分としては、特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、公知の熱可融性物質、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。
前記熱可融性物質としては、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル、脂肪族アミド、ウレイド等が挙げられる。これらの例は、特開昭58−57989号、同58−87094号、同61−58789号、同62−109681号、同62−132674号、同63−151478号、同63−235961号、特開平2−184489号、同2−215585号の各公報等に記載されている。
本発明において、前記ヘイズ値を下げる方法としては、例えば、感熱記録層に含まれる前記発色成分A、Bの両成分の50%体積平均粒径を1.0μm以下、好ましくは、0.6μm以下とし、かつバインダーを感熱記録層の全固形分の30〜60質量%の範囲で含有させる方法、前記発色成分A、Bのいずれか一方をマイクロカプセル化し、他方を塗布乾燥後に実質的に連続層を構成するような、例えば、乳化物のようなもの(乳化物など)として使用する方法等が挙げられる。また、感熱記録層に使用する成分の屈折率をなるべく一定の値に近づける方法も有効である。
本発明の感熱記録材料は、感熱記録層上に少なくとも1層の保護層を設けることができる。また感熱記録層と保護層との間には中間層を設けてもよい。また、上述の通り前記保護層には、前記一般式(1)で表される化合物を含有させるのが好ましい。
保護層に含まれるその他の成分について説明する。
保護層には、通常、バインダー、顔料、潤滑剤、分散剤、蛍光増白剤、金属石鹸、硬膜剤、紫外線吸収剤、架橋剤、等を含有する。
保護層に用いることのできるバインダーとしては、水溶性樹脂が好ましく、公知の水溶性樹脂の中から適宜選択して用いることができる。水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、でんぷんおよびその誘導体、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、スチレンマレイン酸重合体塩、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、等が挙げられる。
前記顔料は、通常サーマルヘッドによる記録の際、スティッキングや異音等の発生を抑える目的で添加され、有機および/または無機の顔料が用いられる。
前記顔料の種類に特に制限はないが、公知の有機、無機の顔料を挙げることができるが、特に炭酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、水酸化アルミニウム、非晶質シリカ、酸化亜鉛等の無機顔料、尿素ホルマリン樹脂、エポキシ樹脂等の有機顔料が好ましい。なかでもカオリン、水酸化アルミニウム、非晶質シリカがより好ましい。これらの顔料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。またこれらのなかでも高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、高級アルコールからなる群より選択される少なくとも1種または2種以上により表面被覆されていてもよい。前記高級脂肪酸としてはステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸等が挙げられる。
また、保護層には潤滑剤を添加することが好ましい。該潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸アミド(融点100℃)、メチロールステアリン酸アミド(融点101℃)、ポリエチレンワックス(融点110℃以下)、融点50〜90℃のパラフィンワックス、グリセリン−12−ヒドロキシステアラート(融点88℃)、オレイン酸アミド(融点73℃)、オレイン酸亜鉛(融点75℃)、ラウリン酸アミド(融点84℃)、ステアリン酸アルミニウム(融点102℃)、ステアリン酸マンガン(融点112℃)、ステアリン酸亜鉛(融点125℃)、ステアリン酸カルシウム(融点160℃)、エチレンビスステアロアミド(融点140℃)、ステアリン酸マグネシウム(融点132℃)、パルミチン酸マグネシウム(融点122℃)、ミリスチン酸マグネシウム(融点131℃)、等を挙げることができる。前記潤滑剤は単独でも用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
特に、塗布性が向上する、或いは画像品質や耐薬品性が向上する点で、保護層がポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル脂肪酸エステル等の他の界面活性剤を含有していることが、好ましく、これらの他の界面活性剤を前記一般式(1)で表される化合物と共に含有していることがより好ましい。
本発明においては、他の界面活性剤として特にポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸が好ましい。
本発明においては、目的または用途に応じて透明支持体、紙等の不透明支持体の双方を用いることができる。本発明においては、透明支持体を用いることが好ましい。
前記透明支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等の合成高分子フィルムが挙げられ、これらを単独で、或いは貼り合わせて使用することができる。
本発明の感熱記録材料は、支持体上にその他の層として、中間層、下塗り層、紫外線フィルター層、バック層等を設けることができる。
前記中間層は、層の混合防止や画像保存性に対して有害なガス(酸素等)の遮断のために設けられる層である。前記中間層は感熱記録層上に形成することが好ましい。
前記中間層中に、本発明における界面活性剤が含有される場合の総含有量としては、0.001〜0.5g/m2が好ましく、0.01〜0.1g/m2がより好ましい。
本発明の感熱記録材料においては、支持体から感熱記録層が剥がれることを防止する目的で、マイクロカプセル等を含有する感熱記録層や光反射防止層を塗布する前に、支持体上に下塗り層を設けることができる。下塗り層としては、アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、SBR、水性ポリエステル等を用いることができ、層の厚みは0.05〜0.5μmが好ましい。
前記下塗り層の上に感熱記録層を塗布する際、感熱記録層用塗布液に含まれる水により下塗り層が膨潤して感熱記録層に記録された画像が悪化することがあるので、下塗り層にはグルタルアルデヒド、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等のジアルデヒド類および硼酸等の硬膜剤を用いて硬膜させることが好ましい。これらの硬膜剤の添加量は下塗り素材の質量に応じて、0.2〜3.0質量%の範囲で、所望の硬化度に合わせて、適宜、添加することができる。
下塗り層に関しては、例えば、特開昭51−11420号公報、同51−123139号公報、同52−65422号公報に記載のものが利用できる。
本発明の感熱記録材料においては、画像の光による褪色および地肌かぶり防止のために紫外線フィルター層を設けてもよい。前記紫外線フィルター層は結合剤中に紫外線吸収剤を均一に分散させたものであり、この均一に分散した紫外線吸収剤が有効に紫外光を吸収することにより、紫外光によって地肌が変色したり、画像部が変色または褪色することを防止する。前記紫外線フィルター層の作製方法および用いる化合物等については、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等の紫外線吸収剤のほか、特開平4−197778号公報に記載されているものが利用できる。
本発明における感熱記録材料は支持体の一面にマイクロカプセルを含む感熱記録層を有し、他方の面にバック層を有する片面感材であることが好ましい。バック層には搬送性付与および光反射防止の目的でマット剤を添加することが好ましい。マット剤の添加により、入射光角20°で測定した光沢度を50%以下にすることが好ましく、30%以下にすることがより好ましい。
前記マット剤としては、大麦、小麦、コーン、米、豆類等より得られる澱粉等の微粒子の他、セルロースファイバー、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート樹脂、塩化ビニルまたは酢酸ビニル等の共重合体樹脂、ポリオレフィン等の合成高分子の微粒子、炭酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、スメクタイト粘度、水酸化アルミニウム、シリカ、酸化亜鉛等の無機物の微粒子等が挙げられる。該マット剤の平均粒径は0.5〜20μm、好ましくは0.5〜10μmの範囲が好ましい。前記マット材は1種単独でも、2種以上併用してもよい。
また、感熱記録材料の透明性を良好なものとする観点から、屈折率が1.4〜1.8の範囲にあることが好ましい。バック層には、色相改良の観点から、各種染料(例えば、C.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue 64、C.I.Pigment Blue 15:6)を用いることができる。またバック層には硬膜剤を用いてもよい。該硬膜剤の例としては、T.H.James著「THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCES 4th EDITION」(77頁〜87頁)に記載のある各方法があり、ビニルスルフォン系化合物が好ましい。
以下、本発明の感熱記録材料の製造方法について説明する。
本発明の感熱記録材料を構成する各層は、前述した感熱記録層、中間層、保護層、等を含む複数の層を形成するための塗布液を調整し、該塗布液を支持体上に、順次あるいは同時に重層塗布し、乾燥することにより形成することができる。
本発明の感熱記録材料は、重層塗布により各層が形成された場合においても、均一性に優れた塗布面状が得られ、延いては耐薬品性、高品位な画像形成性等の優れた特性を発揮することができる。従って、本発明の感熱記録材料の製造方法には重層塗布を好適に用いることができる。
乾燥は、乾球温度20〜65℃、好ましくは25〜55℃、湿球温度10〜30℃、好ましくは15〜25℃の乾燥風でにより行われる。
<電子供与性染料前駆体分散液の調製>
3−N,N−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部を、5%部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA−205、鹸化度88%、(株)クラレ製)水溶液80部に添加し、サンドミル(シンマエルエンタープライズ社製)を用いて粉砕し、平均粒径0.6μmの電子供与性染料前駆体分散液を調製した。
1−ベンジルオキシナフタレン20部を、5%部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA−205、鹸化度88%、(株)クラレ製)水溶液70部に添加し、サンドミル(シンマエルエンタープライズ社製)を用いて粉砕し、平均粒径0.6μmの増感剤分散液を調製した。
4−[[4−(1−メチルエトキシ)フェニル]スルホニル]フェノール(商品名:D−8、日本曹達(株)製)20部を、5%部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA−205、鹸化度88%、(株)クラレ製)水溶液70部に添加し、サンドミル(シンマエルエンタープライズ社製)を用いて粉砕し、平均粒径0.6μmの顕色剤分散液を調製した。
水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH42、昭和電工(株)製)40部、水60部、及び、10%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液0.4部を、サンドミル(シンマエルエンタープライズ社製)を用いて粉砕し、平均粒径0.6μmの顔料分散液を調製した。
前記電子供与性無色染料分散液3部、前記増感剤分散液3部、前記顕色剤分散液3部、前記顔料分散液7部、2%の前記一般式(1)で表される化合物(前記例示化合物(C))の水溶液2.0部、および、水9部を混合して感熱記録層用塗布液を得た。
濃度5%のポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、(株)クラレ製)50部、濃度31%の「ハイドリンZ−7」(中京油脂(株)製)0.8部、濃度31%の「ハイドリンD337」(中京油脂(株)製)0.8部、水30部を混合して保護層用塗布液を得た。
紙支持体(秤量76g)上に乾燥後の感熱記録層質量が4g/m2、保護層が0.8g/m2となるように、ワイヤーバーを用いて、前記感熱記録層用塗布液および前記保護層用塗布液を順次塗布し、60℃のオーブンで乾燥した。乾燥後、ベック法で平滑度300秒となるようにキャレンダー処理を施し、本発明の感熱記録材料を作製した。
<電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液の調製>
電子供与性染料前駆体として2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−sec−ブチルアミノフルオラン14g、紫外線吸収剤としてチヌビンP(チバガイギ社製)0.6g、およびカプセル壁剤としてタケネートD−110N(武田薬品(株)製)10gと、スミジュールN3200(住友化学(株)製)10gと、を酢酸エチル20gに溶解した。この溶液を5%のポリビニルアルコール(商品名:PVA217C、(株)クラレ社製)水溶液112gに混合し、エースホモジナイザー(日本精機(株)製)を用いて8000rpmで5分間乳化した。更に水142gを加え55℃で3時間反応させてカプセルサイズ0.7μmの電子供与性染料前駆体含有マイクロカプセル液を調整した。
下記の構造式で表される顕色剤(a)7gと、顕色剤(b)7gと、顕色剤(c)16gと、顕色剤(d)11gと、りん酸トリクレジル1.7gと、マレイン酸ジエチル0.8gとを酢酸エチル38gに溶解した。得られた顕色剤の溶液を、8%のポリビニルアルコール(商品名:PVA−205C:(株)クラレ製))水溶液100gと水150gとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5gとを含む水溶液に混合し、エースホモジナイザー(日本精機(株)製)を用いて、10,000rpm常温で5分間乳化し、平均粒子径1.0μmの顕色剤乳化物Aを得た。
(下塗り層の形成)
SnO2粉末10部と10%ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA−105)50部と水100部からなる微粒子分散物を作製した。厚さ75μmの透明なポリエチレンテレフタレート支持体の片面に下記の組成になるように導電層を0.5g/m2、その上にゼラチン層を0.5g/m2となるように塗布し乾燥して下塗り層を設けた。
スチレン−マレイン酸共重合体(荒川化学社製:ポリマロン385) 1.0部
前記SnO2微粒子分散物 0.5部
前記電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液5.0g、顕色剤乳化物A 10.0g、水5.0g、2%の前記一般式(1)で表される化合物(前記例示化合物(G))の水溶液0.05g、を撹拌混合して感熱記録層用塗布液を調製した。次いで、前記下塗り層上に、固形分が10g/m2になるように前記感熱記録層用塗布液Aを塗布し、乾燥して支持体上に感熱記録層を形成した。
水60g、10%のポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA−205)5g、2%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの2gにステアリン酸処理水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製ハイジライトH42S)15gを添加し、平均粒径が0.7ミクロンになるように分散し、顔料分散液を得た。感熱記録層の上に、下記の固形分組成で固形分が2.5g/m2となるように塗布し乾燥して保護層を形成し、本発明の感熱記録材料を作製した。
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA124) 7部
前記顔料分散液 12部
パラフィンワックスのエマルジョン(中京油脂(株)製セロゾール428)0.9部
ステアリン酸亜鉛エマルジョン(中京油脂(株)製ハイミクロンF115)0.2部
一般式(1)で表される化合物(例示化合物:(G)) 0.025部
ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル
(東邦化学工業(株)製 ネオスコアCM−57,54%水溶液でアルキ
ルスルホン酸ナトリウムも含有。右記0.025部はポリオキシエチレン
アルキルエーテル燐酸エステルの固形分量である。以下同様。) 0.025部
<感熱記録材料の作製>
実施例2の電子供与性無色染料前駆体内包マイクロカプセル液5.0g、顕色剤乳化物A 10.0g、及び水5.0gを撹拌混合して塗液を調製し、それを実施例2で作製した支持体の下塗り層上に、固形分が6g/m2になるように塗布し乾燥して感熱記録層を形成した。
水60g、10%のポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA205)5g、2%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの2gにカオグロス(白石工業製)15gを添加し、平均粒径が0.8ミクロンになるように分散し、顔料分散液を得た。感熱記録層の上に、下記の固形分組成となるように塗布乾燥して、保護層を2.5g/m2形成し、本発明の感熱記録材料を作製した。
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製R2105) 7部
コロイダルシリカ(日産化学 (株)製 スノーテックスO) 7部
前記顔料分散液 12部
ステアリン酸亜鉛エマルジョン(中京油脂(株)製ハイミクロンF115)
0.2部
一般式(1)で表される化合物(例示化合物:(B)) 0.025部
ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル
(東邦化学工業(株)製 ネオスコアCM−57) 0.025部
実施例3において、保護層で用いた一般式(1)で表される化合物(例示化合物:(B))、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル(東邦化学工業(株)製 ネオスコアCM−57)を、一般式(1)で表される化合物(例示化合物:(E))0.05部に変更した以外は実施例3と同様にして本発明の感熱記録材料を作製した。
実施例2において、感熱記録層で用いた一般式(1)で表される化合物(例示化合物:(G))0.05gを一般式(1)で表される化合物(例示化合物:(H))0.04gとポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル(東邦化学工業(株)製 ネオスコアCM−57)0.04gに変更した以外は実施例2と同様にして本発明の感熱記録材料を作製した。
実施例3において、保護層で用いた一般式(1)で表される化合物(例示化合物:(B))を、一般式(1)で表される化合物(例示化合物:(D))に変更し、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル(東邦化学工業(株)製 ネオスコアCM−57)を直鎖ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム(花王社製 ネオペレックスG15)に変更した以外は実施例3と同様にして本発明の感熱記録材料を作製した。
実施例3において、保護層で用いた一般式(1)で表される化合物(例示化合物:(B))を、一般式(1)で表される化合物(例示化合物:(E))に変更し、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル(東邦化学工業(株)製 ネオスコアCM−57)をポリエチレングリコールドデシルエーテル(花王社製 エマルゲン109P)に変更した以外は実施例3と同様にして本発明の感熱記録材料を作製した。
実施例3において、保護層で用いた一般式(1)で表される化合物(例示化合物:(B))を、一般式(1)で表される化合物(例示化合物:(I))に変更した以外は実施例3と同様にして本発明の感熱記録材料を作製した。
実施例1において、感熱記録層で用いた一般式(1)で表される化合物(例示化合物:(C))を、スルホコハク酸2エチルヘキシルエステルナトリウム塩(商品名:ラピゾールB−90,日本油脂(株)製)に変えた以外は実施例1と同様にして比較の感熱記録材料を作製した。
実施例2において、一般式(1)で表される化合物(例示化合物:(G))を、パーフルオロアルキルベタイン(旭硝子社製:サーフロンS131)に変えた以外は実施例2と同様にして比較の感熱記録材料を作製した。
実施例3において、保護層で用いた一般式(1)で表される化合物(例示化合物:(B))を、ブチルナフタレンスルフォン酸ナトリウム塩(花王社製:ペレックスNB−L)に変えた以外は実施例3と同様にして比較の感熱記録材料を作製した。
実施例3において、保護層で用いた一般式(1)で表される化合物(例示化合物:(B))とポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル(東邦化学工業(株)製 ネオスコアCM−57)を、スルホコハク酸iso−ヘキシルエステルナトリウム塩(アメリカンシアナミド社製 エアロゾールMA−80)0.05部に変えた以外は実施例3と同様にして感熱記録材料を作製した。
以上のようにして作製した各感熱記録材料の塗布面状(塗布ムラ、ハジキ)と、感熱プロッターFP715(グラフテック社製)で印字した印字後の画像を目視で観察し、下記の基準に従って画像品質を評価した。また、下記の基準に従って耐薬品性を評価した。一方、サーマルイメージャーFTI1000(富士写真フイルム(株)製)を用いて各感熱記録材料を印字し、印字中の走行性を評価した。その結果を表1に示す。
作製後の感熱記録材料を目視で観察し、下記の基準に従って塗布ムラを評価した。
〔基準〕
◎:塗布ムラが全く観察されなかった。
○:塗布ムラが殆ど観察されなかった。
△:若干の塗布ムラが観察された。
×:塗布ムラがひどく、均一に塗布ができていなかった。
作製後の感熱記録材料を目視で観察し、下記の基準に従ってハジキを評価した。
〔基準〕
○:ハジキが全く観察されなかった。
△:若干のハジキが観察された。
×:全面にハジキが発生していた。
〔基準〕
◎:濃度ムラが全く観察されなかった。
○:濃度ムラが殆ど観察されなかった。
△:若干の濃度ムラが観察された。
×:ハジキによる画像抜けがあった。
エタノールを染み込ませた綿棒で、試料表面にエタノールを塗布後、地肌部の変色具合を目視で観察し、以下の基準により評価した。
◎:地肌部に変色が無く綺麗であった。
○:地肌部に変色が殆どなかった。
△:地肌部にモヤムラが観察された。
×:地肌部にカブリが発生していた。
◎:スティキングが全くなく、印字音も静かだった。
○:スティキングが全くないが、印字音がやや大きくなった。
△:スティキングが僅かに発生し、印字音が大きくなった。
×:スティキングが発生し、印字音が大きくなった。
これに対し、本発明における界面活性剤を用いなかった比較例の感熱記録材料は、塗布ムラやハジキの発生が十分に抑制されておらず、画像品質および耐薬品性に劣っていた。
Claims (8)
- 前記一般式(1)で表される化合物が、前記感熱記録層に含有されることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
- 更に、前記感熱記録層上に少なくとも1層の保護層を有し、前記一般式(1)で表される化合物が、前記保護層に含有されることを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
- 更に、前記保護層が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の感熱記録材料。
- 前記感熱記録層が、電子供与性染料前駆体と、該電子供与性染料前駆体を発色させる顕色剤とを含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の感熱記録材料。
- 前記電子供与性染料前駆体が、マイクロカプセルに内包されていることを特徴とする請求項5に記載の感熱記録材料。
- 前記感熱記録層が、前記電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルと前記顕色剤とを水に難溶若しくは不溶の有機溶媒に溶解し、乳化した乳化物を含む塗布液を前記支持体上に塗布・乾燥することで形成されることを特徴とする請求項5に記載の感熱記録材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004008254A JP2005199561A (ja) | 2004-01-15 | 2004-01-15 | 感熱記録材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004008254A JP2005199561A (ja) | 2004-01-15 | 2004-01-15 | 感熱記録材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005199561A true JP2005199561A (ja) | 2005-07-28 |
Family
ID=34821675
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004008254A Pending JP2005199561A (ja) | 2004-01-15 | 2004-01-15 | 感熱記録材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005199561A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007237617A (ja) * | 2006-03-09 | 2007-09-20 | Fujifilm Corp | 感熱転写受像シートおよび画像形成方法 |
JP2014510021A (ja) * | 2010-12-21 | 2014-04-24 | メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 界面活性剤としてのパーフルオロアルコキシスルホスクシナートの誘導体 |
JP2015030264A (ja) * | 2013-08-07 | 2015-02-16 | 王子ホールディングス株式会社 | 感熱記録体 |
-
2004
- 2004-01-15 JP JP2004008254A patent/JP2005199561A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007237617A (ja) * | 2006-03-09 | 2007-09-20 | Fujifilm Corp | 感熱転写受像シートおよび画像形成方法 |
JP4531709B2 (ja) * | 2006-03-09 | 2010-08-25 | 富士フイルム株式会社 | 感熱転写受像シートおよび画像形成方法 |
JP2014510021A (ja) * | 2010-12-21 | 2014-04-24 | メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 界面活性剤としてのパーフルオロアルコキシスルホスクシナートの誘導体 |
JP2015030264A (ja) * | 2013-08-07 | 2015-02-16 | 王子ホールディングス株式会社 | 感熱記録体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2007152686A (ja) | 記録方法 | |
US7153812B2 (en) | Heat-sensitive recording material | |
JP3776810B2 (ja) | 感熱記録材料及び感熱記録方法 | |
JP2006150826A (ja) | 感熱記録材料及びその製造方法 | |
JP2003094826A (ja) | 感熱記録材料およびその製造方法 | |
JP4076676B2 (ja) | 感熱記録材料及びその製造方法 | |
JP2005199561A (ja) | 感熱記録材料 | |
JP2005040989A (ja) | 感熱記録材料 | |
JP2005238794A (ja) | 感熱記録材料 | |
JP2005161524A (ja) | 画像記録材料 | |
JP2005047251A (ja) | 感熱記録材料 | |
JP2005035030A (ja) | 感熱記録材料 | |
JP2002331752A (ja) | 感熱記録材料 | |
JP2006240102A (ja) | 感熱記録材料 | |
JP3990071B2 (ja) | 感熱記録材料 | |
JP2005035268A (ja) | 感熱記録材料 | |
JP2005271283A (ja) | 感熱記録材料の製造方法及び感熱記録材料 | |
JP2006035594A (ja) | 感熱記録材料及び画像記録方法 | |
JP2004130580A (ja) | 感熱記録材料及びその製造方法 | |
JP2008055642A (ja) | 感熱記録材料及びその製造方法 | |
JP2006150897A (ja) | 感熱記録材料及び画像形成方法 | |
JP2005224774A (ja) | 記録材料の製造方法及び記録材料 | |
JP2005254567A (ja) | 感熱記録材料及びその製造方法 | |
JP2006088668A (ja) | 感熱記録材料、感熱記録材料の製造方法及び画像記録方法 | |
JP2003094827A (ja) | 感熱記録材料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060511 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20070112 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081009 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081021 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090317 |