JP2004314613A - 感熱記録材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 支持体上に、少なくとも感熱記録層及び保護層をこの順に有する感熱記録材料において、前記保護層が、下記一般式(1)で表されるアセチレングリコール誘導体を保護層の固形分に対し2質量%以上含有し、かつ非水溶性分散物を保護層の固形分に対し5質量%以上含有し、更に非水溶性有機素材を乳化物として保護層の固形分に対し5質量%以上含有することを特徴とする感熱記録材料。
【化1】
(式中、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜8の分岐、直鎖又は環状の無置換又は置換アルキル基、炭素数6〜10の無置換又は置換アリール基を表し、R5〜R8は水素原子又はメチル基を表し、n及びmはそれぞれ独立に0〜50の整数を表す。)
【選択図】 なし
Description
上記重層塗布する方法は、下層の影響を受けずハジキが発生しない点で好ましいが、製造効率を高めるために塗布速度を上げると、乾燥面にムラが生じ、面状が悪化する傾向にある。
特に、透明な感熱記録材料を用いて、医療用診断画像を作製する場合、細部まで明瞭な画像が形成されなければ正確な診断ができないが、感熱記録材料の面状悪化は形成画像に悪影響を与えることとなる。
感熱記録材料、特に医療用診断に応用される感熱記録材料は、更に面状故障を削減され、高品位な画像形成が可能であることが望まれている。
<1> 支持体上に、少なくとも感熱記録層及び保護層をこの順に有する感熱記録材料において、
前記保護層が下記一般式(1)で表されるアセチレングリコール誘導体を保護層の固形分に対し2質量%以上含有し、
かつ非水溶性分散物を保護層の固形分に対し5質量%以上含有し、
更に非水溶性有機素材を乳化物として保護層の固形分に対し5質量%以上含有することを特徴とする感熱記録材料。
<3> 全層が押出しダイ方式により同時に重層塗布されることにより、形成されていることを特徴とする<1>または<2>に記載の感熱記録材料。
<4> 前記重層塗布における塗布速度が、100m/min以上であることを特徴とする<3>に記載の感熱記録材料。
本発明の感熱記録材料は、支持体上に、少なくとも感熱記録層及び保護層をこの順に有し、前記保護層が下記一般式(1)で表されるアセチレングリコール誘導体を保護層の固形分に対し2質量%以上含有し、かつ非水溶性分散物を保護層の固形分に対し5質量%以上含有し、更に非水溶性有機素材を乳化物として保護層の固形分に対し5質量%以上含有することを特徴とし、更に必要に応じて、その他の層を有する。
まず、保護層について詳しく説明する。前記保護層は、前記感熱記録層上に、又は、前記その他の層として中間層を前記感熱記録層上に設ける場合には、前記中間層上に形成される。
前記保護層は、保護層用塗布液を塗布することにより形成され、前記一般式(1)で表されるアセチレングリコール誘導体を保護層の固形分に対し2質量%以上含有し、かつ非水溶性分散物を保護層の固形分に対し5質量%以上含有し、更に非水溶性有機素材を乳化物として保護層の固形分に対し5質量%以上含有する。
前記一般式(1)で表されるアセチレングリコール誘導体について説明する。
一般式(1)において、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜8の分岐、直鎖又は環状の無置換又は置換アルキル基、炭素数6〜10の無置換又は置換アリール基を表し、R5〜R8は水素原子又はメチル基を表し、n及びmはそれぞれ独立に0〜50の整数を表す。
また、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜8の分岐、直鎖又は環状の無置換又は置換アルキル基、炭素数6〜10の無置換又は置換アリール基を表す。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。また、置換基の例としては、エーテル基、エステル基等が挙げられる。
これらの中で、R2及びR3はメチル基であり、R1及びR4はイソブチル基であり、n及びmが0であることが好ましい。
また、本発明における保護層は、ヘッドガス付着防止、或いはスティッキング(融着)防止の為に添加される無機顔料、表面光沢調整剤、マット剤等の非水溶性の粒子を分散物(以下、単に「非水溶性分散物」という場合がある。)として含有する。
尚、前記スティッキング防止とは、感熱記録の際にサーマルヘッドが感熱記録材料に融着(スティッキング)したり、サーマルヘッドに記録カスが付着したり、異音が発生することを防止することをいう。
この50%体積平均粒径が0.10〜5.00μmの範囲にあると、サーマルヘッドに対する摩耗の低減効果が大きく、サーマルヘッドと保護層中のバインダーとの間の溶着を防止する効果が大きく、その結果、印画時にサーマルヘッドと感熱記録材料の保護層とが接着する、いわゆるスティッキングを効果的に防止すことができる。
また、前記顔料を、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、及び高級アルコールからなる群より選択される少なくとも一種により表面被覆してもよい。
前記高級脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸等が挙げられ、中でもステアリン酸で表面被覆処理を施すことが特に好ましい。
前記保護層中に含有されるマット剤としては、例えば、大麦、小麦、コーン、米、豆類より得られる澱粉等の微粒子の他、セルロースファイバー、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート樹脂、塩化ビニルまたは酢酸ビニル等の共重合体樹脂、ポリオレフィン等の合成高分子の微粒子、炭酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、スメクタイト粘土、水酸化アルミニウム、シリカ、酸化亜鉛等の無機物の微粒子等が挙げられる。また、感熱記録材料の透明性を良好なものとする観点から、屈折率が1.45〜1.75の微粒子状物質が好ましく、平均粒径としては、1〜20μm(特に1〜10μm)が好ましい。
これらは、前記無機顔料と同様に分散物として用いられる。
さらに、本発明における保護層は、広い印画エネルギー領域にわたり良好なヘッドマッチング性を維持するため、離型剤、潤滑剤及び滑り剤等の非水溶性有機素材を乳化物として含有する。
この中でも特にステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド、ステアリン酸、グリセリントリ−12−ヒドロキシステアラート、下記一般式(A)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩を適宜組み合わせたものが、搬送トルク、記録音、スティッキング等の観点で好ましい。
常温で液体の潤滑剤としては、シリコンオイル、流動パラフィン、ラノリンなどが挙げられる。この中では特にシリコンオイルが好ましい。シリコンオイルとしては常温での粘度200〜10万cpsのものが好ましい。また、該シリコンオイルはカルボキシル基、ポリオキシエチレン基、アミノ基などで変性されていてもよい。
これらのうち、特に構造式(1)、構造式(3)で表される化合物が好ましく、R11、R13とR14は炭素数が12〜20の飽和又は不飽和のアルキル基が好ましい。アルキル基は、分岐してもよく、構造中にヒドロキシ基を有していてもよい。p+qは、h=0の場合、0〜4、特に2が好ましく、h=1の場合、0〜2が好ましい。
また、常温で液体の素材をそのまま自己乳化させた乳化分散物、溶剤を使用して乳化後に脱溶剤処理を行なった乳化分散物、高温高圧乳化法により有機素材溶解時に有機溶剤を含有しない乳化分散物等、乳化分散法については特に限定されない。
前記乳化物の好ましい平均粒子径は0.1〜5.0μmで、0.1〜2μmが更に好ましい。ここでいう平均粒子径は、ホリバ製作所 レーザー回折粒度分布測定装置 LA700で透過率75%±1%で測定した50%平均粒子径をさす。
前記非水溶性有機素材の保護層の固形分に対する含有量が5質量%未満であると、ヘッドガス付着防止、或いはスティッキング(融着)防止という効果が発揮されない。
また、前記感熱記録層(あるいは中間層)上に保護層を均一に形成するため、保護層用塗布液には界面活性剤を添加することが好ましい。該界面活性剤としては、スルホ琥珀酸系のアルカリ金属塩、フッ素含有界面活性剤等が挙げられ、具体的には、ジ−(2−エチルヘキシル)スルホ琥珀酸、ジ−(n−ヘキシル)スルホ琥珀酸等のナトリウム塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。
更に、前記保護層中には、感熱記録材料の帯電防止の目的で界面活性剤、金属酸化物微粒子、無機電解質、高分子電解質等を添加してもよい。
前記感熱記録層は、少なくとも発色成分を含有してなり、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
前記感熱記録層は、未処理時には優れた透明性を有し、加熱により呈色する性質を有するものであれば、いかなる組成のものでも使用することができる。
このような感熱記録層としては、実質的に無色の発色成分Aと、該発色成分Aと反応して発色する実質的に無色の発色成分Bとを含有する、いわゆる二成分型感熱記録層が挙げられるが、発色成分A又は発色成分Bは、マイクロカプセルに内包されることが好ましい。この二成分型感熱記録層を構成する二成分の組合せとしては、下記(a)〜(m)のようなものが挙げられる。
(b)光分解性ジアゾ化合物と、カプラーとの組合せ。
(c)ベヘン酸銀、ステアリン酸銀等の有機金属塩と、プロトカテキン酸、スピロインダン、ハイドロキノン等の還元剤との組合せ。
(d)ステアリン酸第二鉄、ミリスチン酸第二鉄等の長鎖脂肪族塩と、没食子酸、サリチル酸アンモニウム等のフェノール類との組合せ。
(e)酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸等のニッケル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、銀等との塩等の有機酸重金属塩と、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫化カリウム等のアルカリ土類金属硫化物との組合せ、又は、前記有機酸重金属塩と、s−ジフェニルカルバジド、ジフェニルカルバゾン等の有機キレート剤との組合せ。
(f)硫化銀、硫化鉛、硫化水銀、硫化ナトリウム等の(重)金属硫酸塩と、Na−テトラチオネート、チオ硫酸ソーダ、チオ尿素等の硫黄化合物との組合せ。(g)ステアリン酸第二鉄等の脂肪族第二鉄塩と、3,4−ジヒドロキシテトラフェニルメタン等の芳香族ポリヒドロキシ化合物との組合せ。
(h)シュウ酸銀、シュウ酸水銀等の有機貴金属塩と、ポリヒドロキシアルコール、グリセリン、グリコール等の有機ポリヒドロキシ化合物との組合せ。
(i)ペラルゴン酸第二鉄、ラウリン酸第二鉄等の脂肪族第二鉄塩と、チオセチルカルバミドやイソチオセチルカルバミド誘導体との組合せ。
(j)カプロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛等の有機酸鉛塩と、エチレンチオ尿素、N−ドデシルチオ尿素等のチオ尿素誘導体との組合せ。
(k)ステアリン酸第二鉄、ステアリン酸銅等の高級脂肪酸重金属塩と、ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛との組合せ。
(l)レゾルシンとニトロソ化合物との組合せのようなオキサジン染料を形成する物。
(m)ホルマザン化合物と還元剤及び/又は金属塩との組合せ。
尚、前記50%体積平均粒径とは、レーザ回折粒度分布測定装置LA700((株)堀場製作所製)により測定した、顔料中の50%体積に相当する顔料粒子の平均粒径(以下、単に「平均粒径」という。)をいう。以下同様とする。
−(a)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組合せ−
本発明において好ましく使用される電子供与性染料前駆体は、実質的に無色のものであれば特に限定されるものではないが、エレクトロンを供与して、或いは、酸等のプロトンを受容して発色する性質を有するものであり、特に、ラクトン、ラクタム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部分骨格を有しており、電子受容性化合物と接触した場合に、これらの部分骨格が開環若しくは開裂する無色の化合物であることが好ましい。
前記フルオラン類の具体例としては、米国特許明細書第3,624,107号、同第3,627,787号、同第3,641,011号、同第3,462,828号、同第3,681,390号、同第3,920,510号、同第3,959,571号等に記載された化合物が挙げられる。
前記スピロピラン類の具体例としては、米国特許明細書第3,971,808号等に記載された化合物が挙げられる。
前記ピリジン系及びピラジン系化合物類としては、米国特許明細書第3,775,424号、同第3,853,869号、同第4,246,318号等に記載された化合物が挙げられる。
前記フルオレン系化合物の具体例としては、特願昭61−240989号公報等に記載された化合物が挙げられる。
これらの中でも、特に、黒発色の2−アリールアミノ−3−〔H、ハロゲン、アルキル又はアルコキシ−6−置換アミノフルオラン〕が好ましく挙げられる。
具体的には、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン(一般名:ビスフェノールA)、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−エチル−ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,4−ビス(p−ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、1,3−ビス(p−ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル等のビスフェノール類;
中でも、良好な発色特性を得る観点からビスフェノール類が特に好ましい。
また、上記の電子受容性化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記光分解性ジアゾ化合物とは、後述するカップリング成分であるカプラーとカップリング反応して所望の色相に発色するものであり、反応前に特定波長域の光を受けると分解し、もはやカップリング成分が存在しても発色能力を持たなくなる光分解性のジアゾ化合物である。
この発色系における色相は、ジアゾ化合物とカプラーとが反応して生成するジアゾ色素により決定される。従って、ジアゾ化合物、或いは、カプラーの化学構造を変えることにより、容易に発色色相を変えることができ、その組み合わせ次第で、任意の発色色相を得ることができる。
前記芳香族ジアゾニウム塩としては、下記式で表される化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、前記芳香族ジアゾニウム塩は、光定着性に優れ、定着後の着色ステインの発生の少なく、発色部の安定なものが好ましく用いられる。
Ar−N2 + ・ X-
前記式中、Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素環基を表し、N2 +はジアゾニウム基を表し、X-は酸アニオンを表す。
これらのジアゾ化合物の詳細については、例えば、特開平2−136286号公報等に詳細に記載されている。
前記塩基性物質としては、水不溶性又は難溶性の塩基性物質や加熱によりアルカリを発生する物質が挙げられ、例えば、無機又は有機アンモニウム塩、有機アミン、アミド、尿素やチオ尿素又はそれらの誘導体、チアゾール類、ピロール類、ピリミジン類、ピペラジン類、グアニジン類、インドール類、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール類、モルフォリン類、ピペリジン類、アミジン類、フォルムアジン類又はピリジン類等の含窒素化合物が挙げられる。
これらの具体例としては、例えば、特開昭61−291183号公報等に記載されたものが挙げられる。
前記有機金属塩としては、具体的には、ラウリン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀、アラキン酸銀又はベヘン酸銀等の長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩;ベンゾトリアゾール銀塩、ベンズイミダゾール銀塩、カルバゾール銀塩又はフタラジノン銀塩等のイミノ基を有する有機化合物の銀塩;s−アルキルチオグリコレート等の硫黄含有化合物の銀塩;安息香酸銀、フタル酸銀等の芳香族カルボン酸の銀塩;エタンスルホン酸銀等のスルホン酸の銀塩;o−トルエンスルフィン酸銀等のスルフィン酸の銀塩;フェニルリン酸銀等のリン酸の銀塩;バルビツール酸銀、サッカリン酸銀、サリチルアスドキシムの銀塩又はこれらの任意の混合物が挙げられる。
これらの内、長鎖脂肪族カルボン酸銀塩が好ましく、中でもベヘン酸銀がより好ましい。また、ベヘン酸をベヘン酸銀と共に使用してもよい。
上記のうち、ポリフェノール類、スルホンアミドフェノール類又はナフトール類等の芳香族有機還元剤が特に好ましい。
以下に、マイクロカプセルの製造方法について詳述する。
マイクロカプセルの製造には、界面重合法、内部重合法、外部重合法等があり、いずれの方法も採用することができる。
上記の通り、本発明の感熱記録材料は、電子供与性染料前駆体、又は光分解性ジアゾ化合物をマイクロカプセル化することが好ましく、特に、カプセルの芯となる電子供与性染料前駆体、又は光分解性ジアゾ化合物を疎水性の有機溶媒に溶解又は分散させ調製した油相を、水溶性高分子を溶解した水相中に混合し、ホモジナイザー等の手段により乳化分散した後、加温することによりその油滴界面で高分子形成反応を起こし、高分子物質のマイクロカプセル壁を形成させる界面重合法を採用することが好ましい。
具体的には、キシレンジイソシアナート及びその水添物、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート及びその水添物、イソホロンジイソシアナート等のジイソシアナートを主原料とし、これらの2量体あるいは3量体(ビューレットあるいはイソシアヌレート)の他、トリメチロールプロパン等のポリオールとキシリレンジイソシアナート等の2官能イソシアナートとのアダクト体として多官能としたもの、トリメチロールプロパン等のポリオールとキシリレンジイソシアナート等の2官能イソシアナートとのアダクト体にポリエチレンオキシド等の活性水素を有するポリエーテル等の高分子量化合物を導入した化合物、ベンゼンイソシアナートのホルマリン縮合物等が挙げられる。
特開昭62−212190号公報、特開平4−26189号公報、特開平5−317694号公報、特願平8−268721号公報等に記載の化合物が好ましい。
ポリイソシアナート、ポリオール、反応触媒、あるいは、壁剤の一部を形成させるためのポリアミン等については成書に詳しい(岩田敬治編 ポリウレタンハンドブック 日刊工業新聞社(1987))。
例えば、壁材がポリウレア、ポリウレタンからなる場合、ヒドロキシ化合物、カルバミン酸エステル化合物、芳香族アルコキシ化合物、有機スルホンアミド化合物、脂肪族アミド化合物、アリールアミド化合物等が好適に用いられる。
具体的には、エステル類の他、ジメチルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン、ジメチルビフェニル、ジイソプロピルビフェニル、ジイソブチルビフェニル、1−メチル−1−ジメチルフェニル−2−フェニルメタン、1−エチル−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、1−プロピル−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、トリアリルメタン(例えば、トリトルイルメタン、トルイルジフェニルメタン)、ターフェニル化合物(例えば、ターフェニル)、アルキル化合物、アルキル化ジフェニルエーテル(例えば、プロピルジフェニルエーテル)、水添ターフェニル(例えば、ヘキサヒドロターフェニル)、ジフェニルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、エステル類を使用することが乳化分散物の乳化安定性の観点から特に好ましい。
前記電子供与性染料前駆体の含有量が上記範囲にあると、十分な発色濃度が得られ、また、両者の含有量が5.0g/m2以内であると、十分な発色濃度が保持され、かつ、感熱記録層の透明性を保持することができる。
好ましい界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等が挙げられる。
電子供与性染料前駆体、又は光分解性ジアゾ化合物を芯物質としてカプセル化した場合には、用いる電子受容性化合物、又はカプラーは、例えば、水溶性高分子及び有機塩基、その他の発色助剤等と共に、サンドミル等の手段により固体分散して用いることもできるが、予め水に難溶性又は不溶性の高沸点有機溶剤に溶解した後、これを界面活性剤及び/又は水溶性高分子を保護コロイドとして含有する高分子水溶液(水相)と混合し、ホモジナイザー等で乳化した乳化分散物として用いることがより好ましい。この場合、必要に応じて、低沸点溶剤を溶解助剤として用いることもできる。
更に、カプラー、有機塩基は別々に乳化分散することも、混合してから高沸点有機溶剤に溶解し、乳化分散することもできる。好ましい乳化分散粒子径は1μm以下である。
中でもエステル類を使用することが、乳化分散液の乳化安定性の観点がら好ましく、中でも、リン酸トリクレジルが特に好ましい。上記のオイル同士、又は他のオイルとの併用も可能である。
これらの中でも、ポリビニルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体が特に好ましい。
また、本発明の感熱記録材料においてカプラーを用いる場合、該カプラーは、前記ジアゾ化合物1質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。
感熱記録層用塗布液は、例えば、上記のように調製したマイクロカプセル液と乳化分散物とを混合することにより、調製することができる。ここで、前記マイクロカプセル液の調製の際に保護コロイドとして用いた水溶性高分子、並びに前記乳化分散物の調製の際に保護コロイドとして用いた水溶性高分子は、前記感熱記録層におけるバインダーとして機能する。また、これら保護コロイドとは別にバインダーを添加、混合して、感熱記録層用塗布液を調製してもよい。
また、これらのバインダーに耐水性を付与する目的で耐水化剤を加えたり、疎水性ポリマーのエマルジョン、具体的には、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリル樹脂エマルジョン等を添加することもできる。
以下に、感熱記録層に用いることのできる他の成分について述べる。
前記他の成分としては、特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、公知の熱可融性物質、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。
他の成分の塗布量としては、0.05〜1.0g/m2程度が好ましく、0.1〜0.4g/m2がより好ましい。尚、他の成分は、前記マイクロカプセル内に添加してもよいし、前記マイクロカプセル外に添加してもよい。
前記熱可融性物質としては、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル、脂肪族アミド、ウレイド等が挙げられる。これらの例は、特開昭58−57989号、同58−87094号、同61−58789号、同62−109681号、同62−132674号、同63−151478号、同63−235961号、特開平2−184489号、同2−215585号の各公報等に記載されている。
本発明の感熱記録材料は、前記支持体の感熱記録層及び保護層を有する側に、その他の層として、中間層、下塗り層等を設けることができる。
−中間層−
前記感熱記録層上には、中間層が形成されることが好ましい。
前記中間層は、層の混合防止や画像保存性に対して有害なガス(酸素等)の遮断のために設けられる。使用するバインダーは特に制限はなく、系に応じて、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体等を用いることができる。また、塗布適性付与のため、種々の界面活性剤を添加してもよい。また、ガスバリヤー性をより高めるため、雲母等の無機微粒子を前記バインダーに対して2〜20質量%、より好ましくは5〜10質量%添加してもよい。
また、支持体から感熱記録層が剥がれることを防止する目的で、前記感熱記録層や保護層等を塗布する前に支持体上に予め下塗り層を形成しておいてもよい。
前記下塗り層は、アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、SBR、水性ポリエステル等を用いてなり、該層の厚みとしては、0.05〜0.5μmが好ましい。
本発明の感熱記録材料では、透明な感熱記録材料を得るために、透明支持体を用いることが好ましい。透明支持体としては、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等の高分子フィルムが好ましく、これらを単独で、或いは貼り合わせて使用することができる。
上記合成高分子フィルムの厚みは、25〜250μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。
これを避けるため、透明支持体としては、JIS−Z8701記載の方法により規定された色度座標上の、A(x=0.2805,y=0.3005)、B(x=0.2820,y=0.2970)、C(x=0.2885,y=0.3015)、D(x=0.2870,y=0.3040)の4点で形成される四角形の領域内に青く着色された合成高分子フィルムを用いることが特に好ましい。
〈バック層〉
前記バック層は、少なくとも水溶性バインダーを含有してなり、特に水溶性バインダーを多く含む層に構成される。バック層は、単一で構成されたものであってもよいし、二層以上の複数層で構成されたものであってもよい。また、必要に応じて硬膜剤、マット剤、紫外線吸収剤、染料、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤等の他の成分を含有していてもよい。
中でも、他に支障を来すことなく、水溶性バインダーの塗布量を高めながら良好に塗布形成できる点で、二層以上の複数層で構成されることが好ましい。
前記水溶性バインダーは、一種で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。また、バック層が二層以上の複数層からなる場合には、その少なくとも二層はゼラチンを含有することが好ましく、ゼラチンと共に他の水溶性バインダーを含んでいてもよい。
前記硬膜剤としては、例えば、”THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FORTH EMOTION”(T.H.James著)のp.77〜87に記載のものが挙げられ、ビニルスルホン系化合物が好ましい。
前記マット剤としては、保護層中に含有されるマット剤と同様のマット剤を用いることができる。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロオクタンスルホン酸カリウム、N−プロピル−N−オキシエチレンパーフルオロオクタンスルホンアミドブチルスルホン酸ナトリウム、トリメチル(プロピレンアミノスルホニルパーフルオロオクタン)アンモニウムクロリド、N−プロピル−N−オキシエチレンパーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム、等が挙げられる。
また、バック層形成の塗布液、及び感熱記録材料の劣化防止の目的で、防腐剤を添加してもよい。該防腐剤としては、公知のものの中から適宜選択できる。
前記バック層を塗布形成する場合の塗布方法としては、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法等の公知の塗布方法を適用できる。前記バック層を複数層で構成する場合には、重層塗布してもよい。
前記ポリビニルアルコールのPVA層における含有量としては、該層の固形分(質量)の50〜100質量%が好ましい。
前記重層塗布における塗布速度は、生産性の観点から100m/min以上であることが好ましく、140m/min以上であることがより好ましい。一般的に塗布速度が高速なほど面状欠陥の発生頻度が多くなるが、本発明は塗布速度が高速の場合でも面状欠陥の発生頻度が少ないため、前記重層塗布における塗布速度が高速なほど、面状が改良される効果が顕著に現れる。
(実施例1)
<第一バック層用塗布液の調製>
下記組成に水を加え、全量を28.54リットルとなるよう調製し、第一バック層用塗布液(以下、「BC層用塗布液」という。)を得た。尚、本層における水溶性バインダー量は、下記石灰処理ゼラチンと「球形PMMAマット剤12%を含むゼラチン分散物」中のゼラチンとの合計量である。
・石灰処理ゼラチン(水溶性バインダー) …1000g
・球形PMMAマット剤(平均粒子径5.7μm)12%を含むゼラチン分散物 … 334g
・下記構造式[1]〜[5]で表わされる化合物を以下の含有率で含む紫外線吸収剤の乳化物 …1517g
〔乳化物1kg当たりの紫外線吸収剤含有量は、
構造式[1]で表される化合物 ・・・14.9g
構造式[2]で表される化合物 ・・・12.7g
構造式[3]で表される化合物 ・・・14.9g
構造式[4]で表される化合物 ・・・21.1g
構造式[5]で表される化合物 ・・・44.5g
である。〕
・1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン … 1.72g
・ポリ−p−ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム … 22.5g
(分子量約40万)
・下記構造式[6]で表わされる化合物 … 8.45g
・ポリエチルアクリレートのラテックス20%液 …3219ml
・N,N−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)
… 75.0g
・1,3−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)プロパン
… 25.0g
下記組成に水を加え、全量を25.00リットルとなるよう調製し、第二バック層用塗布液(以下、「BPC層用塗布液」という。)を得た。尚、本層における水溶性バインダー量は、下記石灰処理ゼラチンと「球形PMMAマット剤15%を含むゼラチン分散物」中のゼラチンとの合計量である。
・石灰処理ゼラチン(水溶性バインダー) …1000g
・球形PMMAマット剤(平均粒子径0.70μm)15%を含むゼラチン分散物 …1038g
・1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン … 2.09g
・p−t−オクチルフェノキシポリオキシエチレンエチルスルホン酸ナトリウム … 9.53g
・ポリアクリル酸ナトリウム(分子量約10万) … 57.9g
・ポリ−p−ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム(分子量約40万)
… 22.5g
・N−プロピル−N−ポリオキシエチレン−パーフルオロオクタンスルホン酸アミドブチルスルホン酸ナトリウム … 0.37g
・ヘキサデシルオキシ−ノニル(エチレンオキシ)−エタノール
… 8.97g
・1N水酸化ナトリウム水溶液 … 28.1g
・N,N−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)
… 18.0g
・1,3−(ビニルスルホニルアセトアミド)プロパン … 6.0g
JIS−Z8701に記載の方法により規定された色度座標でx=0.2850、y=0.2995に青色染色した透明PET支持体(厚さ180μm)を用意し、上記より得たBC層用塗布液及びBPC層用塗布液を、該透明PET支持体上に、支持体に近い側からBC層用塗布液、BPC層用塗布液の順でそれぞれの塗布量が47.4ml/m2、13.4ml/m2となるように、スライドビード方式により同時重層塗布、乾燥した。塗布、乾燥条件は以下の通りである。
引き続き、チリングゾーンにおいて、乾球温度10〜20℃の風で塗布液を冷却した後、無接触で搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置により、乾球温度23〜45℃、湿球温度15〜21℃の乾燥風で乾燥させた。
以上のようにして、透明PET支持体の一方の側に、二層からなるバック層を形成した。二層のバック層に含まれる水溶性バインダーの総塗布量は2.20g/m2である。
−保護層用顔料分散液の調製−
水110gに、顔料としてステアリン酸処理水酸化アルミニウム(ハイジライトH42S,昭和電工(株)製)30gを加え3時間撹拌した後、これに分散助剤(ポイズ532A,花王(株)製)0.8g、10%ポリビニルアルコール水溶液(PVA105,(株)クラレ製)30g、及び2%に調整した下記構造式[100]で表される化合物の水溶液10gを加えてサンドミルで分散し、平均粒径0.30μmの保護層用顔料分散液を得た。
水65gに、下記組成の化合物を混合して保護層用塗布液を得た。
・8%ポリビニルアルコール水溶液 …90g
(PVA124C,(株)クラレ製)
・20.5%ステアリン酸亜鉛乳化分散液 … 5.5g
(F−115,中京油脂(株)製)
・21.5%ステアリン酸アミド乳化分散液 … 3.8g
(G−270,中京油脂(株)製)
・18.0%ステアリン酸乳化分散液 … 2.8g
(セロゾール920,中京油脂(株)製)
・4%ホウ酸水溶液 …10g
・前記保護層用顔料分散液(18%) …70g
・35%シリコーンオイル水乳化分散液 … 4.7g
(商品名:BY22−840,東レ・ダウコーニング(株)製)
・10%ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム塩水溶液 … 6.5g
・6%スチレン−マレイン酸共重合体アンモニウム塩 …17.5g
水溶液(商品名:ポリマロン385,荒川化学(株)製)
・20%コロイダルシリカ …14g
(商品名:スノーテックス,日産化学(株)製)
・10%サーフロンS131S(旭ガラス(株)製) …16g
・プライサーフA217(第一工業製薬(株)製) … 1.1g
・2%酢酸 … 8g
・サーフィノール104E(日信化学工業(株)製) …15.58g
5%メタノール溶液
以下のように、マイクロカプセル液、顕色剤乳化分散物の各液を調製した。
−マイクロカプセル液Aの調製−
酢酸エチル24.3gに、発色剤として、
下記構造式[201]で表される化合物 …11.7g
下記構造式[202]で表される化合物 … 1.5g
下記構造式[203]で表される化合物 … 2.2g
下記構造式[204]で表される化合物 … 5.65g
下記構造式[205]で表される化合物 … 1.2g
下記構造式[206]で表される化合物 … 1.1g
下記構造式[207]で表される化合物 … 0.57g
酢酸エチル21gに、
前記構造式[201]で表される化合物 …12.2g
前記構造式[202]で表される化合物 … 1.6g
前記構造式[203]で表される化合物 … 2.4g
前記構造式[204]で表される化合物 … 3.3g
前記構造式[205]が表される化合物 … 1.5g
前記構造式[206]で表される化合物 … 0.2g
前記構造式[207]が表される化合物 … 0.5g
を添加し、70℃に加熱、溶解した後、35℃に冷却した。これにn−ブタノール0.5g、タケネートD127N(武田薬品工業(株)製)14.1g、及びタケネートD110N(武田薬品工業(株)製)2.5gを加え、35℃のまま40分間保温した。
顕色剤として、
下記構造式[301]で表される化合物 …6.7g
下記構造式[302]で表される化合物 …8.0g
下記構造式[303]で表される化合物 …5.8g
下記構造式[304]で表される化合物 …1.5g
下記構造式[305]で表される化合物 …2.2g
下記構造式[306]で表される化合物 …0.8g
下記構造式[307]で表される化合物 …4.3g
前記マイクロカプセル液A12g、前記マイクロカプセル液B2.5g、前記顕色剤乳化分散液50g、下記構造式[403]で表される化合物の50%水溶液0.7g、及びコロイダルシリカ(スノーテックス、日産化学(株)製)1.8gを混合して、感熱記録層用塗布液Aを調製した。
下記組成の化合物を混合し、感熱記録層用塗布液Bを調製した。
・前記マイクロカプセル液A … 2.3g
・前記マイクロカプセル液B … 6.6g
・前記顕色剤乳化分散液 …33g
・コロイダルシリカ(スノーテックス、日産科学(株)製) … 1.5g
・前記構造式[403]で表される化合物の50%水溶液 … 0.4g
6%のPVA水溶液(PVA124C、(株)クラレ製)35g、下記構造式[404]で表される化合物の2%水溶液2g、及び前記マイクロカプセル液A0.5gを水5gに溶解し、感熱記録層用塗布液Cを調製した。
石灰処理ゼラチン1000gに水7848gを加え溶解した後、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸Na塩(ニッサンラピゾールB90、日本油脂(株)製)の5%溶解液(水/メタノール1:1体積混合溶媒)を137g加え、中間層用塗布液を調製した。
前記透明PET支持体(厚み175μm)のBC層及びBPC層が塗設された側と逆側の表面に、支持体に近い側から前記感熱記録層用塗布液A、前記感熱記録層用塗布液B、前記中間層用塗液、前記感熱記録層用塗布液C、及び前記保護層用塗布液の順で、それぞれの塗布量が50ml/m2、20ml/m2、18.2ml/m2、25ml/m2、25ml/m2になるように、スライドビード方式により同時重層塗布・乾燥し、支持体側から感熱記録層A、感熱記録層B、中間層A、感熱記録層C及び保護層を有する、本発明の感熱記録材料(1)を得た。
尚、塗布、乾燥条件は以下の通りである。
引き続き、第1乾燥ゾーンにおいて、乾球温度40〜60℃、露点0℃、膜面風速5m/sec以下の風をあてて初期乾燥を行った後、無接触で搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置により、乾球温度23〜45℃、相対湿度20〜70%RH、膜面風速15〜25m/secの乾燥風で、膜面温度を18〜23℃に調節して乾燥した。
保護層の固形分中、前記一般式(1)で表されるアセチレングリコール誘導体の含有量は2.4%である。
実施例1における保護層用塗布液の調整において、サーフィノール104Eの5%メタノール溶液を、オルフィンE1004(日信化学工業(株)製)の5%メタノール溶液に代えたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料(2)を作製した。
実施例1における保護層用塗布液の調整において、サーフィノール104Eの5%メタノール溶液を、オルフィンE1010(日信化学工業(株)製)の5%メタノール溶液に代えたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料(3)を作製した。
実施例1における保護層用塗布液の調整において、サーフィノール104Eの5%メタノール溶液を、サーフィノール485(日信化学工業(株)製)の5%メタノール溶液に代えたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料(4)を作製した。
実施例4における保護層用塗布液の調整において、サーフィノール485の5%メタノール溶液の添加量を15.58gから46.74gに代えたこと以外、実施例4と同様にして、本発明の感熱記録材料(5)を作製した。
実施例4における感熱記録材料の作製において、塗布スピードを160m/minから70m/minに代えたこと以外、実施例4と同様にして、本発明の感熱記録材料(6)を作製した。
実施例1における保護層用塗布液の調整において、サーフィノール104Eの5%メタノール溶液を15.58g添加する代わりに、2−エチルヘキシルスルホコハク酸のアンモニウム塩を0.78g添加したこと以外、実施例1と同様にして、比較の感熱記録材料(7)を作製した。
実施例1における保護層用塗布液の調整において、サーフィノール104Eの5%メタノール溶液を添加しなかったこと以外、実施例1と同様にして、比較の感熱記録材料(8)を作製した。
比較例1における感熱記録材料の作製において、塗布スピードを160m/minから70m/minに代えたこと以外、比較例1と同様にして、比較の感熱記録材料(9)を作製した。
比較例2における感熱記録材料の作製において、塗布スピードを160m/minから70m/minに代えたこと以外、比較例2と同様にして、比較の感熱記録材料(10)を作製した。
(1)面状の評価
得られた感熱記録材料(1)〜(10)における保護層表面の欠陥及び故障の様子を反射で目視観察し、下記の基準に従い面状を評価した。その結果を表1に示す。
◎:欠陥又は故障が見られない。
○:わずかに欠陥又は故障が見られるが、サイズが小さく実用上の問題なし。
△:目視で欠陥又は故障が容易にわかるが、非常に薄いレベルである。
×:欠陥又は故障が多数見られ、実用上問題となるレベルである。
得られた感熱記録材料(1)〜(10)に、透過濃度が1.2〜1.6の範囲になるように加熱処理し、B4サイズ面積当りの0.5〜2mmの大きさの増感スポット故障を故障数としてカウントした。その結果を表1に示す。
Claims (4)
- 前記支持体が高分子フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
- 全層が押出しダイ方式により同時に重層塗布されることにより、形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の感熱記録材料。
- 前記重層塗布における塗布速度が、100m/min以上であることを特徴とする請求項3に記載の感熱記録材料。
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