JP2006240199A - 透明感熱記録媒体 - Google Patents

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真治 岡田
Hideo Aihara
秀夫 相原
Yuichi Watari
裕一 渡
Hiroshi Higashimatsu
宏 東松
Yutaka Kuga
ゆたか 久我
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Abstract

【課題】電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応等を利用した透明感熱記録媒体に関するものであり、透明性に優れ、更に帯電、平滑性による密着性がなく画像安定性が良好な、特に医療用途に好適な透過型の感熱記録媒体を提供すること。
【解決手段】支持体上に結着剤としてのバインダー樹脂と、該バインダー樹脂中に溶解した無色又は淡色のロイコ染料及び該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤を主成分とする感熱記録層を設けてなる感熱記録媒体において、前記顕色剤が、特定の一般式(1)で表される化合物であり、且つ感熱記録層上に少なくとも脂肪酸アミドを含有する保護層を設け、且つ支持体の裏面側に帯電防止層を設けた事を特徴とする透明感熱記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応等を利用した感熱記録媒体に関するものであり、特にX線、MRIやCT等の画像をシャウカステンによって診断し及び参照することを目的とした、銀塩フィルムと同レベルの高い画質、濃度および画像保存性が得られる、特に医療用画像形成シートとして好適な、感熱記録媒体である。
古くから医療分野において、X線、MRIやCT等でみられる体内の状況を銀塩フィルムに顕像化し、その画像をシャウカステン法によるバックライトによって目視診断し及び参照することが行われてきた。しかしながら、銀塩フィルムの湿式プロセスは、廃液処理の問題があり、さらに近年の画像デジタル化の流れから、それに代わるドライプロセスの出現が求められ、光露光熱定着システム 熱転写システム 感熱記録システムの3種類が既に商品化されている。このうち、感熱記録システムに用いられる記録材料は、ロイコ染料と顕色剤とが反応して発色体を形成し画像を得ると言う意味で、従来からあるロイコ型感熱記録媒体が応用されたものである。
従来からあるロイコ型感熱記録媒体は、一般的に紙の上に無色又は淡色のロイコ染料及び顕色剤を含む記録層を設けたものを基本構成とするものであり、サーマルヘッド等の加熱手段によって記録層を画像様に加熱して、ロイコ染料と顕色剤とが反応して発色体を形成し画像を得るものである。このロイコ型感熱記録媒体は、現像、定着等の頻雑な処理を施す必要がなく、比較的簡単な構造でコンパクトな装置で短時間に記録できること、騒音の発生が少ないこと、さらにコストが安いこと等の利点があるため、電子計算機、ファクシミリ、券売機、ラベルプリンター、レコーダー等の種々の用途に広く使用されているが、記録の対象は主に文字情報である。
一方、一般に医療用の感熱記録媒体には、記録材料全体の透光性が非常に低いあるいは全くなく、形成した画像を光の反射で観る反射型と、記録材料全体の透光性があってその透光性を利用する透過型があるが、後者に要求される画像特性レベルは、透過型であるがために、前者よりはるかに高いものである。この感熱記録媒体の用途には、形成した画像をシャウカステン法によるバックライトによって診る医療以外に、画像が形成された感熱記録媒体を版下にした平版印刷用の製版の作成用にあるいは画像が形成された感熱記録媒体をOHP用として用いることができる。特に透光性が高くほぼ透明な感熱記録媒体を用いた、画像をシャウカステン法によるバックライトによって診る医療用途においては、診断用であるため、記録の対象は人体の内蔵とか骨のような形状情報が主体であり、バックライトで認識される画像は、濃淡とかコントラスト等の点で優れ、かつ元の形状情報が精確に映りだされることが重要であり、しかも高温高湿な環境下に置かれてもその画像が10年以上保持されるよう期待されるものである。従って、感熱記録媒体、中でも特に医療用途においては、従来のロイコ型感熱記録媒体に比してはるかにレベルの高い性能が要求されるため、特許文献1(特開2002−219872)、特許文献2(特開2002−160451)、特許文献3(特開2003−154762)、特許文献4(特開2003−034077)、特許文献5(特開2003−034083)、特許文献6(特開2004−314405)、特許文献7(特開2004−276517)等で透明性、耐光性、純黒化を達成するために一般式(1)の顕色剤が有効である事が提案されている。
しかし、これらの顕色剤を使用した場合、印画搬送時に帯電しやすく、貼り付くという問題があった。
また帯電を防止する事については特許文献8(特公平03−057880)、特許文献9(特公平07−041742)、特許文献10(登録第3563876)、特許文献11(登録第3106626)、特許文献12(特開2000−263935)、特許文献13(特開2002−160457)、特許文献14(特開2002−326460)、特許文献15(特開2002−356061)等で裏面に帯電防止層を設ける事が提案されている。しかし、これらも帯電量を下げる効果は見られるが、十分ではなく、また貼り付くという問題が残っている。
特開2002−219872 特開2002−160451 特開2003−154762 特開2003−034077 特開2003−034083 特開2004−314405 特開2004−276517 特公平03−057880 特公平07−041742 登録第3563876 登録第3106626 特開2000−263935 特開2002−160457 特開2002−326460 特開2002−356061
本発明は、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応等を利用した透明感熱記録媒体に関するものであり、透明性に優れ、更に帯電、平滑性による密着性がなく画像安定性が良好な、特に医療用途に好適な透過型の感熱記録媒体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、感熱記録層に脂肪酸アミドを含有させ、顕色剤として特定の化合物を使用することが有効であることを知見し、さらに検討を重ねて本発明に至った。
すなわち、本発明は、
[1]支持体上に結着剤としてのバインダー樹脂と、該バインダー樹脂中に溶解した無色又は淡色のロイコ染料及び該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤を主成分とする感熱記録層を設けてなる感熱記録媒体において、前記顕色剤が、下記一般式(1)で表される化合物であり、且つ感熱記録層上に少なくとも脂肪酸アミドを含有する保護層を設け、且つ支持体の裏面側に帯電防止層を設けた事を特徴とする透明感熱記録媒体。
Figure 2006240199
(式中、R1は炭素数4〜16の直鎖のアルキル基又はアルキルアミノ基を表す。)
[2]前記記載の脂肪酸アミドの含有量が保護層の2〜30重量%であること事を特徴とする[1]の透明感熱記録媒体。
[3]前記記載の脂肪酸アミドの融点が110℃〜180℃である事を特徴とする[1]の透明感熱記録媒体。
[4]前記記載の脂肪酸アミドがビスアミドである事を特徴とする[3]の透明感熱記録媒体。
[5]前記記載の保護層に脂肪酸アミドを含み且つ固形滑剤を含むことを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の透明感熱記録媒体。
[6]前記記載の保護層にバインダーとしてアクリル系、ポリエステル系樹脂を含有する事を特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の透明感熱記録媒体。
[7]前記記載の保護層が架橋剤で架橋されている事を特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の透明感熱記録媒体。
[8]前記記載の保護層の樹脂に水酸基価20以上のアクリルポリオール、ポリエステルポリオール系を含み且つイソシアネート架橋する事を特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の透明感熱記録媒体。
[9]前記記載のバック層の表面抵抗値が20℃10%Rhで1010Ω・cm以下である事を特徴とする[1]〜[8]のいずれかに記載の透明感熱記録媒体。
[10]前記記載のバック層に帯電防止剤として金属酸化物を含む事を特徴とする[9]の透明感熱記録媒体。
[11]前記記載のバック層に帯電防止剤として導電性ポリマーを含む事を特徴とする[9]の透明感熱記録媒体。
[12]前記記載のバック層にフィラーを含むことを特徴とする[1]〜[11]のいずれかに記載の透明感熱記録媒体。
[13]前記記載のバック層のフィラーが6〜20μmの球状フィラーであることを特徴とする[12]の透明感熱記録媒体。
[14]前記記載のバック層のフィラーがポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂である事を特徴とする[13]の透明感熱記録媒体。
[15]前記記載のバック層の6〜20μmの球形ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂フィラーがバック層に5〜500個/m2含まれる事を特徴とする[14]の透明感熱記録媒体。
に関する。
本発明の透明感熱記録材料は支持体上に結着剤としてのバインダー樹脂と、該バインダー樹脂中に溶解した無色又は淡色のロイコ染料及び該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤を主成分とする感熱記録層を設けてなる感熱記録媒体において、前記顕色剤が、下記一般式(1)で表される化合物であり、且つ感熱記録層上に少なくとも脂肪酸アミドを含有し、且つ支持体の裏面側に帯電防止層を設けるとにより、サーマルヘッドの記録時の帯電を低下させ、フィルムの張り付きを防止し、さらに透明性に優れまた画像の保存性に優れた実用的な透明感熱記録材料が提供される。
帯電及び印画搬送の帯電、貼り付きを防止には表、裏の帯電防止機能が必要である事が分かった。これらの手段として、バック層に公知の帯電防止剤を含有させる事は従来から提案されているとおりである。
これに対し、特に感熱記録媒体をサーマルヘッドで加熱記録する際に、保護層面とサーマルヘッド面との摩擦抵抗により帯電しやすく、帯電したフィルム同士がはりついてしまう事を見出した。これらを解決する手段として公知のワックス類、金属石鹸類等の固形滑剤、シリコーン系、フッ素系等の液状滑剤、またそれらを重合した樹脂等の滑性効果のみでは十分ではなかった。この問題に対し保護層に脂肪酸アミドを含有させる事により滑性及び、加熱時の溶融により表面抵抗値を低下させる機能を発揮し、特に加熱記録時の帯電防止機能に優れている事を見出した。
これらの脂肪酸アミドに関しては保護層に対し、1〜50%wt%程度の添加で効果を発揮するが、好ましくは2〜30wt%がよい。すなわち3wt%以下では表面抵抗値させる機能及び滑性機能が十分でなく、また30wt%を越えると、溶融物によるヘッドカスによる画像不良が発生しやすい。
また、脂肪酸アミドの融点は110℃〜180℃が好ましく、融点が110℃未満では保護層塗工後の乾燥後、或いはサーマルヘッドの加熱記録後に感熱記録媒体の表面に該脂肪酸アミドがブリードしやすく、表面に白い粉のような析出物が発生しやすくなってしまう。また融点が180℃を越えた物はこれらの白粉の析出は発生しにくいが、サーマルヘッドの加熱記録により、溶融し難い為、帯電防止効果も少ないという問題がある。
また更に、これらの白粉の発生を抑え、帯電防止機能に優れる物として、脂肪酸ビスアミド類がより好ましい。
次にサーマルヘッドの加熱による搬送の抵抗を抑える為には、これらの脂肪酸アミドと公知の滑剤を併用することで、さらに帯電が抑えられる。これらに使用する滑剤としてはこれまで一般的に使用されているものでよく、樹脂と充填剤の比を調節する、等により摩擦係数を調節することができる。ここで用いることができる固形滑剤としてはパラフィンワックス類、ポリエチレンワックス類、カルナウバワックス類、酸化パラフィン類等のワックス類、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類等が挙げられるがこれらに限定する物ではなく、公知の固形滑剤は使用できる。また公知としては脂肪酸アミドも知られているが、本発明においては脂肪酸アミドは滑剤機能ではなく、帯電防止機能として分類して使用する。
これらの固形滑剤は保護層の1〜30wt%がよく、より好ましくは2〜20wt%がよい。これらの滑剤は加熱時の溶融により、滑性、離型性の効果を示すが、表面抵抗値を低下させる機能はない為、単独で用いても、帯電防止機能は殆ど見られないが、前記脂肪酸アミドと併用する事で、より大きな帯電防止機能をしめす。
また、滑剤としては一般的なシリコーンオイル、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、シランカップリング剤等も併用して用いることができる。
更に本発明の保護層で用いられる樹脂としては、感熱記録層のバインダー樹脂として用いられるものと同様の水溶性樹脂の他、水性エマルジョン、疎水性樹脂及び紫外線、電子線硬化樹脂等を用いることができ、これらを必要に応じて併用することも可能である。透明性の観点から記録層と保護層の樹脂の屈折率は支持体の屈折率との比で0.8〜1.2の範囲に入る材料を用いることが好ましい。樹脂の具体例としてはポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等が挙げられるがこれらに限定する物ではなく、一般に使用できる樹脂は使用できる。
更にこれらの樹脂の中で、特にアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂が表面抵抗が低い傾向があり、サーマルヘッドでの熱記録時の帯電が抑えられる。
また、樹脂とともに架橋剤を用いることができ、樹脂を架橋剤で架橋する事で、サーマルヘッドでの熱記録時の樹脂の加熱変形が少なくでき、搬送による抵抗が低減できる。その為、これらの架橋剤を組み合わせることで、サーマルヘッドでの記録、搬送における帯電を低減させる効果を示す。該架橋剤としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物等、従来から公知の化合物を使用することができる。イソシアネート化合物の具体例としては、トルイレンジイソシアネート、その2量体、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネート及びこれらの誘導体等、分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物が挙げられる。
またエポキシ化合物の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシアクリレート等が挙げられる。
上記架橋剤は樹脂との反応によって架橋をするものであるが、自己架橋する物もある。架橋剤を用いる場合は、架橋剤との反応するに好ましい樹脂としてポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、アクリルポリオール樹脂を使用する必要が好ましいが、架橋剤と反応する樹脂であれば特に限定されない。更にこれらの中で好ましくは水酸基価が10以上である、ポリエステルポリール、アクリルポリオールが反応性に優れ、表面抵抗値が低い傾向であるため、保護層自体の耐熱性が向上すると共に、また樹脂自体の帯電し難いため、サーマルヘッドでの熱記録時の搬送による抵抗が低減でき、帯電防止機能性が優れる為、ヘッドマッチング性、帯電防止性能に優れる。
本発明においては保護層は、透明性の観点から考えると樹脂単独の層を設けるのが理想的であるが、樹脂のみの保護層では平滑性が高すぎて、スティッキング、ゴミの引きずりによる印字欠陥の面で充分な性能が得にくい。特に支持体としてプラスチックフィルムを用いた場合は、紙を支持体とした場合に比較して、平滑になりやすいことからヘッドマッチングが低下し、ゴミを引きずりやすくなる傾向がある。また、一般的な熱可塑性樹脂の場合、ガラス転移点がサーマルヘッドによる加熱よりも低いため、樹脂単独の保護層では表面の変質や記録層の露出等が起きてしまう場合がある。このような印字不良、欠陥は医療画像を出力する材料としては致命的である。
このスティッキング、ゴミの引きずり等に対する性能向上の手段としては保護層中にフィラーを含有させるのが一般的である。しかし、透明感熱記録媒体の場合、保護層に従来の反射記録材料に使用されるようなフィラーを含有させると透明性が低下する場合が多い。フィラーを添加して透明性を維持するためには小粒径フィラーにより表面を細かく粗らす方法、大粒径フィラーを少量添加して表面を部分的に粗らす方法等の方法がある。本発明においては必要に応じて上記の2つの方法を組み合わせて保護層を形成させることも可能である。小粒径フィラーにより表面を細かく粗らす場合は透明性と粗さを考慮すると、粒径は0.05〜0.5μmの範囲が好ましい。0.5μmを越えると、透明性を損ないやすい。また大粒径フィラーを少量添加して表面を部分的に粗らす場合は1〜10μmの範囲が好ましい。10μmを越えると表面の凸部がおおきくなり、印画による熱伝達を損ないやすく白抜けとなってしまう。また1μm未満の粒子を少量添加してもスティッキンク゛、ゴミを取り去る効果が少なくなってしまう。更にこれらの大粒径のフィラーを添加する場合、できる限り粒子径がそろった材料を使用することで少量で効率的な効果を出すことができる。保護層表面の摩擦係数としてはヘッドマッチング(滑性を上げる方向)とプラスチックフィルムで発生しやすいゴミの引きずり防止(滑性を下げる方向)の両面から見て0.07〜0.14の範囲が好ましい。
また、フィラーの例としてはホスフェートファイバー、チタン酸カリウム、針状水酸化マグネシウム、ウィスカー、タルク、マイカ、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、板状炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、板状水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、焼成クレー、カオリン、ハイドロタルサイト等の無機フィラー、及び架橋ポリスチレン樹脂粒子、尿素−ホルマリン共重合体粒子、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂粒子、グアナミン−ホルムアルデヒド共重合体粒子、メラミン−ホルムアルデヒド共重合体粒子の有機フィラーが挙げられる。本発明においては、ヘッド摩耗の観点から有機フィラーでは架橋ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂粒子、メラミン−ホルムアルデヒド共重合体粒子が、無機フィラーとしては炭酸カルシウム、カオリン、タルク、水酸化アルミニウムが好ましい。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、また数々の特性を付与するために複数のフィラーを同時に用いても良い。
保護層の塗工方法は、特に制限はなく、従来公知の方法で塗工することができる。好ましい保護層厚は0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜10μmである。保護層厚が薄すぎると、記録材料の保存性やヘッドマッチング等の保護層としての機能が不充分であり、厚すぎると記録材料の熱感度が低下するのに加え、コスト的にも不利である。
次に本発明で用いられる顕色剤は電子受容性の化合物であり、従来公知の種々の電子受容性顕色剤を用いることができるが、本発明で特に好ましい顕色剤は下記一般式(1)で表わされるサリチル酸誘導体である。
Figure 2006240199
式中、R1は炭素数4〜16の直鎖のアルキル基又はアルキルアミノ基を表す。)
上記一般式(1)で表される化合物の具体例としては、4−(n−ペンタノイルアミノ)サリチル酸、4−(n−ヘキサノイルアミノ)サリチル酸、4−(n−オクタノイルアミノ)サリチル酸、4−(ヘキサデカノイルアミノ)サリチル酸、4−(N’−n−ブチルカルバモイルアミノ)サリチル酸、4−(N’−n−ヘキシルカルバモイルアミノ)サリチル酸、4−(N’−n−オクチルカルバモイルアミノ)サリチル酸、4−(N’−ヘキサデシルカルバモイルアミノ)サリチル酸等が挙げられる。
特に、顕色剤として下記一般式(2)で示される化合物を用いると、地肌カブリの発生が少なく、保存性が優れた透過型感熱記録材料が得られる。
Figure 2006240199
(式中、R2は炭素数6〜12の直鎖アルキル基を表す。)
これらの化合物は単独、あるいは2種以上混合して用いることができる。また、さらなる効果向上を狙って、種々公知の顕色剤を混合することもできる。
本発明で用いられるロイコ染料は電子供与性を示す化合物であり、単独または2種以上混合して適用されるが、それ自体無色あるいは淡色の染料前駆体であり、特に限定されず従来公知のもの、例えば、トリフェニルメタンフタリド系、トリアリルメタン系、フルオラン系、フェノチジアン系、チオフルオラン系、キサンテン系、インドフタリル系、スピロピラン系、アザフタリド系、クロメノピラゾール系、メチン系、ローダミンアニリノラクタム系、ローダミンラクタム系、キナゾリン系、ジアザキサンテン系、ビスラクトン系等のロイコ化合物が好ましく用いられる。特に好ましくはフルオラン系およびフタリド系のロイコ染料であり、このような化合物の例としては、例えば以下に示すようなものが挙げられるが、勿論これらに限られるものではない。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−N−p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、1,3−ジメチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、10−ジエチルアミノ−2−エチルベンゾ[1,4]チアジノ[3,2−b]フルオラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−[2,2−ビス(1−エチル−2−メチル−3−インドリル)ビニル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−[1,1−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)エチレン−2−イル]−6−ジメチルアミノフタリド等。
特に、医療用の透過型感熱記録媒体の場合、ロイコ染料を3種類以上併用することが、特に単一色調を得るために好ましい。
本発明においては、感熱記録層中の該顕色剤の重量は、ロイコ染料の総重量に対して0.5〜2.5の範囲が好ましく、特に1.0〜2.0の範囲が好ましい。該顕色剤の重量がこの範囲内であると、この顕色剤ではハーフトーンの画像保存性が特に向上する。またこの時、発色効率が上がるため、薄膜で最高濃度を出すことができる。階調メディアにおける薄膜化することの利点は塗工時の膜厚制御や乾燥工程における残留水分、残留溶剤の低減にあり、さらには塗布量低減からコスト低減にもつながる。
また、有機溶剤を用いて塗工する場合には分散成分は顕色剤のみになるため、顕色剤含有量が少ない方が塗布層の光透過性に対しても有利となり、透過型感熱記録媒体ではコントラスト向上や画像認識性の改善の効果がある。前記一般式(1)で表される顕色剤を使用したときには、水素結合を介して形成されている顕色剤のネットワークにロイコ染料が入り込むことによって発色画像に堅牢性が付与されるが、顕色剤が上記の範囲よりも過剰に存在するときにはこのネットワークの結合が強いために、その中にロイコ染料が入り込みにくくなる。逆に染料の方が過剰である場合、適正なネットワークを構築することができないために発色が弱くなると考えられる。
低濃度から高濃度の全域で単一の黒色画像を得るためには、下記一般式(3)で表されるロイコ染料を、前記一般式(1)で表される顕色剤と組み合わせて用いることが第一の条件として必要である。
Figure 2006240199
(3)
(式中、R4は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基を、R5は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
前記一般式(3)の具体例としては2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トリルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トリルアミノ)フルオランが挙げられる。この一般式(3)で表されるロイコ染料と、前記一般式(1)で表される顕色剤との反応によって得られる発色色調は、反射型感熱記録材料の場合であれば低濃度部が緑黒で高濃度部が黒に見えるが、透過型感熱記録材料とした場合には、低濃度部から高濃度部の全域で緑に見える。
そのため、透過型感熱記録材料に対して必要な第二の条件として、前記一般式(3)で表されるロイコ染料に加えて、ロイコ染料として赤発色染料及び/又は橙発色染料さらに近赤外発色染料を、それぞれ1種以上混合して用いる必要がある。すなわち、トータルとしてロイコ染料を最低でも3種以上混合し、必要であれば4〜6種類混合することが必要である。なお、赤発色染料、橙発色染料または近赤外発色染料とは、加熱して発色する色調が、それぞれの吸収波長領域を示すものを言う。赤発色又は橙発色、近赤外発色染料を加える理由は、可視域において前記一般式(3)で表されるロイコ染料を用いて得られる発色体には、2つの吸収帯がみられるが、450〜600nm付近と650〜700nm付近にみられる谷部分を埋めて、可視域の吸収を銀塩のようにフラットにするためである。
画像の黒色化の目安として、吸収スペクトルの430〜650nm部分における吸光度の最小値/最大値比率でおおよそ表すことが可能であり、この比率が0.65以上であると、少なくともシャウカステン上での実用的な黒色を満足することができる。また、0.75以上であれば、昼光色や昼白色等のシャウカステンに装着する蛍光灯の種類による影響も減らすことが可能であり好ましい。これら染料の混合比率としては、高濃度、色調調整、保存性の観点から吸収の大きい黒発色ロイコ染料を多くすることが好ましく、前記一般式(3)で表されるロイコ染料の含有量が全ロイコ染料含有量の40〜80重量%の範囲で赤発色又は橙発色染料及び近赤外発色染料がそれぞれ10〜30重量%となることが好ましい。
該一般式(3)で表されるロイコ染料が上記範囲より多いと画像部の黒色化が難しくなり、少ないと最高濃度が確保することが難しい。
本発明における該一般式(3)で表される黒発色ロイコ染料と混合して使用される赤又は橙染料の例としては、以下に示すものが挙げられる。ローダミン−Bオルトクロロアニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4’−ニトロ)アニリノラクタム、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、1,3−ジメチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−クロロ−6−N−シクロヘキシルアミノフルオラン、6−ジエチルアミノベンゾ[α]フルオラン、6−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)ベンゾ[α]フルオラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、スピロ{クロメノ[2,3C]ピラゾール−4(H)−1’−フタラン}−7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−フェニル−3’−オン等。
この中で、本発明で用いる上記一般式(3)で表されるロイコ染料を用いるについて、吸収スペクトルを調節するのに好適な橙発色染料としては、下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。この染料は450〜600nm付近の谷間を埋めるのにちょうど良い吸収を有しており、好ましいものである。該一般式(4)で表される化合物の具体例としては、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、1,3−ジメチル−6−ジブチルアミノフルオランが挙げられる。
Figure 2006240199
(4)
(式中、R6、R7は各々炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、トリル基、シクロヘキシル基又はエトシキプロピル基から選ばれる一つを表す。)
また、近赤外発色染料の例としては、以下に示すものが挙げられる。6−ジエチルアミノ−2−エチルベンゾ[1,4]チアジノ[3,2−b]フルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフダリド、3−[2,2−ビス(1−エチル−2−メチル−3−インドリル)ビニル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−{1,1−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド等。
この中で、前述のように、吸収スペクトルを調節するのに好適な近赤外発色染料としては、下記構造式(5)で表される3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフダリドが挙げられる。この染料は650〜700nmに吸収を有するため、前記一般式(3)で表されるロイコ染料の足りない吸収部分を補うのに好適である。
Figure 2006240199
(5)
本発明においては、上記一般式(3)、(4)及び構造式(5)で表される各ロイコ染料を組み合わせることにより、極めて優れた銀塩ライクなフラットなスペクトルを形成することが可能となる。本発明において前記一般式(1)で表される顕色剤と、前記一般式(3)で表されるロイコ染料の代わりに、通常よく用いられる一般式(3)の6位のアミノ基がアルキル置換アミノ基のロイコ染料及び他色の染料とを組み合わせると、低濃度部でこのロイコ染料が優先的に発色するため、低濃度部を黒色にすることができない。このように一般式(1)で表される顕色剤を用いた場合に、一般式(3)で表される骨格のロイコ染料を用いた場合のみ、特異的に画像部の黒色化が達成できる。このようになる理由は定かではないが、染料と本発明で用いる特定のサリチル酸誘導体顕色剤との親和性に起因しているものと考えられる。
本発明において、下記のような6位のアミノ基がアルキル置換アミノ基のロイコ染料も色調調整に影響のない範囲であれば、少量混合することも可能である。2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
また、従来公知のもの、例えば、トリフェニルメタンフタリド系、トリアリルメタン系、フルオラン系、フェノチジアン系、チオフルオラン系、キサンテン系、インドフタリル系、スピロピラン系、アザフタリド系、クロメノピラゾール系、メチン系、ローダミンアニリノラクタム系、ローダミンラクタム系、キナゾリン系、ジアザキサンテン系、ビスラクトン系等の染料を混合することも可能である。
本発明で使用するバインダー樹脂としては公知の種々の樹脂を使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸及びそのエステル、ポリメタクリル酸及びそのエステル類、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、スチレン共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリビニルアルコール、デンプン、ゼラチン等を使用できる。これら樹脂は単独もしくは二種以上混合して使用することができる。特にポリビニルブチラール、ポリビニルアセタールは、保存性が良好である。
本発明で使用する支持体としては、従来のロイコ型感熱記録媒体に用いられるものが適用可能であるが、透過型の感熱記録媒体に場合には、透明支持体を用いることが必要である。透明支持体の具体例としては、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリスチレンあるいはこれらを貼り合わせたフィルム等が挙げられ、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルであるが、これらに限られるものではない。これらの内、透明性が高いシートを得るためには、支持体単独の曇り度(JISK7105で規定される曇り度、ヘーズ)が10%以下であるポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。また、感熱記録層塗布液の塗布層の接着性向上のために、少なくとも片面をコロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理等による表面改質をすることができる。
この透過型感熱記録媒体は、防眩効果あるいは画像認識性向上を目的として青色に着色して用いることもできる。青み付けの方法としては支持体に青顔料を混練する方法、塗工層のいずれか1層以上に青染料、青顔料を添加する方法等が採用され、青み付けの濃度レベルとしては透過濃度で0.15〜0.25の範囲が、色調としてはCIE−LAB表色系のa*=−4〜−15、b*=−5〜−15(測定条件;d/0、10度視野、光源D65にて10nmごとに吸光度測定して算出)に囲まれる範囲の色が好ましい。用いることのできる青顔料、青染料は特に限定されず、種々公知の材料を使用することができる。
更に本発明においては記録層,保護層と反対側の面に帯電防止層を設ける必要がある。本発明での保護層でのバック層側に帯電防止層を設ける事で帯電防止機能をしめすものであり、これらの帯電防止層がない場合は、十分な帯電防止機能は示さず、帯電量が高く、フィルム同士の貼り付く問題は発生してしまう。これらに対し記録層、保護層の反対側の面の密着防止層中に、一般に用いられる導電性材料を含む帯電防止層を設ける事で解決できる。
本発明での課題のである帯電防止剤に関しては、現在様々な帯電防止剤が様々な用途で使用されている。帯電防止機能としては、表面抵抗値1010Ωcm以下程度が必要である。
その程度の導電性を持たせられる帯電防止剤として、大きく分けると界面活性剤を用いるものと、導電性金属酸化物を用いるもの、導電性ポリマーを用いるものに分けられる。まず、前者の界面活性剤を用いるものは現在の帯電防止剤の大半を占めている。これら界面活性剤はアニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性の4種類に分けられるが、帯電防止剤としてはカチオン系、あるいは両性の界面活性剤が制電性、耐久性の点で優れている。これらの界面活性剤タイプのものは比較的安価であり、種類も豊富でまた性能的にも良いものがあるが、界面活性剤自体の水分の吸着によって導電性を実現しているものが多いため、湿度の影響を受けやすく、低湿下での制電性は低下する傾向にある。
また、導電性ポリマーに関しては近年開発が進んできた材料であり有機高分子中に電子供与体をドーピングした材料等がこれに挙げられる。これらに用いられる有機高分子としてはポリアセチレン等に代表される脂肪族系、ポリパラフェニレンなどの芳香族、ポリピロール等の複素環、ポリアニリンなどの芳香族アミン類等共役系高分子、また、主鎖が共役系でなくとも、側鎖に環状π共役基などがあげられ、これらの高分子材料に電子供与体をドーピングさせる。これらの材料も導電性金属酸化物などと同様に水分による、導電性機能ではない為、低湿化でも導電性機能を示す。また、高分子、電子供与体によっても違うが、導電機能が非常に高くする事が可能で、薄い膜でも帯電防止には十分な機能を持たすことができる。
一方、導電性金属酸化物を用いたものは、前者の界面活性剤タイプと比べると種類が少なく、また高価である。しかし金属酸化物自体が導電性を持っているため導電率が高く、低付着量でも優れた導電性を示すため高い透明性を保つことができる。また、湿度の影響を受けず低湿下においても制電性は優れている。導電性金属酸化物としては例えばSnO、In、ZnO、TiO、MgO、Al、BaO、MoO等が単独、あるいはP、Sb、Sn、Zn等と混合した複合酸化物などが挙げられるが、これらに限ったものではない。これらの金属酸化物は着色している物が多く、また透明性を損なう為、できる限り少ない事が好ましい。
その為に導電性金属酸化物と界面活性剤あるいは導電性ポリマー等との2種或いは3種以上の帯電防止剤を併用しても良い。
また微粉末はなるべく細かい方がよく、細かいほど優れた透明性及び帯電防止効果を示す。本発明では帯電防止剤の平均粒径を0.2μm以下とすることで優れた透明性を実現している。
帯電防止剤は密着防止層の1重量部中の0.05〜0.9重量部程度がよく、好ましくは0.1〜0.5重量部がよい。0.05部より少ない場合は、十分な帯電防止機能を待たない。また0.9重量部より多い場合、支持体と接着させる機能が十分でない場合がある。
また更に本発明で密着防止効果を持たせる為に、上記帯電防止層にフィラーを添加する事が有効である。フィラーの例としてはホスフェートファイバー、チタン酸カリウム、針状水酸化マグネシウム、ウィスカー、タルク、マイカ、ガラスビーズフレーク、炭酸カルシウム、板状炭カル、水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、カオリン、焼成クレー、ハイドロタルイサイト等の球状の無機フィラーやポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、シリコーン樹脂、ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエステル、ポリカーボネートなどの縮合ポリマー等の球状の有機フィラーが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
これらのフィラーに関しては、密着性を防止するために特に平均6〜25μmがよく、更には球状のフィラーが効率的に表面に凸部を構成できる為に好ましい。これらの球状の粒子としてはホスフェートファイバー、チタン酸カリウム、針状水酸化マグネシウム、ウィスカー、タルク、マイカ、ガラスビーズフレーク、炭酸カルシウム、板状炭カル、水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、ハイドロタルイサイト等の球状の無機フィラーやポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、シリコーン樹脂、ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエステル、ポリカーボネートなどの縮合ポリマー等の球状の有機フィラーが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
更にこれらの中で、一般的粒度コントロールが容易で均一な粒子をえられ易く、更には透明性に優れた物としてはポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂
また密着防止層中の粒子の個数は重ね合わせた媒体との密着防止ができれば良い為、多く存在させる必要は無く、5〜500個/mm 好ましくは10〜100個/mm程度あれば密着を防止できる。
この時5個/mm未満では密着防止機能が十分ではなく、500個/mmを越えると、無駄に透明性を低下させてしまう。
本発明の透過型の感熱記録媒体の製造直後は、通常長尺状物であるが、商品としての形態は、ロール状に巻き固められたものと、所定の大きさに裁断し所定の枚数を袋に入れたものとがある。双方とも商品の性質上通常遮光性の包装材料に包んで保管および流通することがより好ましい。使用時に開封し袋から取り出した透過型の感熱記録媒体を画像形成装置に搭載する。
本発明の透過型の感熱記録媒体を用いて画像を形成する方法は、文字および/又は形状情報に基づいて画像様に加熱手段によって該感熱記録媒体を加熱して行われる。該加熱手段として用いられるものは、使用目的によって熱ペン、サーマルヘッド、レーザー加熱等、特に限定されないが、本発明の透過型の感熱記録媒体が、特に医療画像等の高精細かつ高階調な画像を印画するのに適しており、また装置のコスト、出力スピード、コンパクト化の観点からもサーマルヘッドを用いることが最も好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これら実施例によって、本発明はなんら制限されるものではない。なお、以下における部及び%はいずれも重量基準である。
実施例1
下記組成物をボールミルで体積平均粒径0.5μm以下になるまで粉砕、分散し、顕色剤分散液[A’液]を調製した。粒径は、堀場製作所社製レーザー回折式粒径測定装置LA−700により測定した。
[A’液]
MEK 40部
トルエン 40部
4−(N‘−n−ヘキサンウレイド)サリチル酸 10部
ポリビニルアセビニルアセタタール 10部
(積水化学社製エスレックKS−1)
次に、下記組成で調合した[A液]を充分に攪拌し、記録層塗布液を調製した。
[A液 感熱記録層液]
[A’液]分散液 80部
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−p−トルイジノ)フルオラン 4部
MEK 16部
[B液 保護層液]
MEK 80部
ポリビニルアセタール(積水化学社製エスレックKS−1) 10部
炭酸カルシウム(白石工業製P−1) 10部
ステアリン酸アミド(日本化成製 ダイヤミットAP−1 融点101℃)
・ 3部
上記組成物をボールミルで体積平均粒径0.5μm以下になるまで粉砕、分散し保護層液[B液]を調製した。粒径は、堀場製作所社製レーザー回折式粒径測定装置LA−700により測定した。
[C液 保護層液]
MEK 80部
ポリビニルアセタール(積水化学社製エスレックKS−1)
10部
炭酸カルシウム(白石工業製P−1) 10部
上記組成物をボールミルで体積平均粒径0.5μm以下になるまで粉砕、分散し保護層液[C液]を調製した。粒径は、堀場製作所社製レーザー回折式粒径測定装置LA−700により測定した。
[D液 バック層液]
α−エチル(トリメチルアンモニウム)アルカノイルエステル
(日本純薬製SAT−5) 40部
メタノール 60部
このようにして調製した記録層塗布液[A液]を、厚さ175μmのポリエステルフィルム上にワイヤーバーを用いて塗工し、充分乾燥して厚さ、15μmの感熱記録層を形成した。次に感熱記録上に[B液]を、ワイヤーバーを用いて塗工し、十分乾燥して、厚さ5μmの保護層を形成した。
更に、感熱記録層と反対側のポリエステルフィルムの裏面に[D液]をワイヤーバーを用いて塗工し、十分乾燥して、厚さ3μmの層を形成した。
比較例1
実施例1と同様に感熱記録層と保護層を塗布乾燥し、サンプルとした。
比較例2
[C液 保護層液]
MEK 80部
ポリビニルアセタール(積水化学社製エスレックKS−1) 10部
炭酸カルシウム(白石工業製 P−1) 10部
ステアリン酸亜鉛(堺化学製 ステアリン酸亜鉛) 0.4部
上記組成物をボールミルで体積平均粒径0.5μm以下になるまで粉砕、分散し保護層液[C液]を調製した。
保護層としてC液を塗工する以外は実施例1と同様に感熱記録層、保護層、バック層を塗布乾燥し、サンプルとした。
実施例2
[E液 保護層液]
MEK 80部
ポリビニルアセタール(積水化学社製エスレックKS−1) 9部
炭酸カルシウム(白石工業製 P−1) 9部
ステアリン酸アミド(日本化成製 ダイヤミットAP−1 融点101℃)
2部
上記組成物をボールミルで体積平均粒径0.5μm以下になるまで粉砕、分散し保護層液[E液]を調製した。
保護層としてE液を塗工する以外は実施例1と同様に感熱記録層、保護層、バック層を塗布乾燥し、サンプルとした。
実施例3
[F液 保護層液]
MEK 80部
ポリビニルアセタール(積水化学社製 エスレックKS−1) 9部
炭酸カルシウム(白石工業製P−1) 9部
ベヘン酸アミド(日本化成製 ダイヤミットBH 融点110℃)
2部
上記組成物をボールミルで体積平均粒径0.5μm以下になるまで粉砕、分散し保護層液[F液]を調製した。
保護層としてF液を塗工する以外は実施例1と同様に感熱記録層、保護層、バック層を塗布乾燥し、サンプルとした。
実施例4
[G液 保護層液]
MEK 80部
ポリビニルアセタール(積水化学社製エスレックKS−1) 9部
炭酸カルシウム(白石工業製P−1) 9部
エチレンビスベヘン酸アミド(日本化成製 スリパックスB 融点142℃)
2部
上記組成物をボールミルで体積平均粒径0.5μm以下になるまで粉砕、分散し保護層液[G液]を調製した
保護層としてG液を塗工する以外は実施例1と同様に感熱記録層、保護層、バック層を塗布乾燥し、サンプルとした。
実施例5
[H液 保護層液]
MEK 80部
ポリビニルアセタール(積水化学社製エスレックKS−1) 9部
炭酸カルシウム(白石工業製 P−1) 9部
エチレンビスベヘン酸アミド(日本化成製 スリパックスB 融点142℃)
1部
ステアリン酸亜鉛(堺化学製) 1部
上記組成物をボールミルで体積平均粒径0.5μm以下になるまで粉砕、分散し保護層液[H液]を調製した。
保護層としてH液を塗工する以外は実施例1と同様に感熱記録層、保護層、バック層を塗布乾燥し、サンプルとした。
実施例6
[I液 保護層液]
MEK 80部
アクリル樹脂(三菱レイヨン製 BR77) 9部
炭酸カルシウム(白石工業製 P−1) 9部
エチレンビスベヘン酸アミド(日本化成製 スリパックスB 融点142℃)
1部
ステアリン酸亜鉛(堺化学製) 1部
上記組成物をボールミルで体積平均粒径0.5μm以下になるまで粉砕、分散し保護層液[I液]を調製した。
保護層としてI液を塗工する以外は実施例1と同様に感熱記録層、保護層、バック層を塗布乾燥し、サンプルとした。
実施例7
[J‘液]
MEK 80部
ポリビニルアセタール(積水化学社製エスレックKS−1) 6部
炭酸カルシウム(白石工業製 P−1) 9部
エチレンビスベヘン酸アミド(日本化成製 スリパックスB 融点142℃)
1部
ステアリン酸亜鉛(堺化学製) 1部
上記組成物をボールミルで体積平均粒径0.5μm以下になるまで粉砕、分散し保護層一次液[J’液]を調製した。
[J液 保護層液]
J’液 96部
キシレンジイソシアネート(武田薬品製 タケネートD120N) 4部
保護層としてJ液を塗工する以外は実施例1と同様に感熱記録層、保護層、バック層を塗布乾燥した後、80℃環境下で2hキュアした後、サンプルとした。
実施例8
[K‘液]
MEK 80部
アクリルポリオール(三菱レイヨン製LR286 水酸基価70%) 12部
炭酸カルシウム(白石工業製 P−1) 9部
エチレンビスベヘン酸アミド(日本化成製 スリパックスB 融点142℃)
1部
ステアリン酸亜鉛(堺化学製) 1部
上記組成物をボールミルで体積平均粒径0.5μm以下になるまで粉砕、分散し保護層一次液[K‘液]を調製した。

[K液 保護層液]
K‘液 96部
キシレンジイソシアネート(武田薬品製 タケネートD120N)
4部
保護層としてK液を塗工する以外は実施例1と同様に感熱記録層、保護層、バック層を塗布乾燥したの後、80℃環境化で2hキュアした後、サンプルとした。
実施例9
[L液 バック層液]
アクリルポリマー4級アンモニウム塩(綜研化学製PQ−50B) 40部
メタノール 60部
バック層としてL液を塗工する以外は実施例1と同様に感熱記録層、保護層、バック層を塗布乾燥し、サンプルとした。
実施例10
[M液 バック層液]
SnO−Sb微粉末(触媒科学製 TL21 ) 20部
ポリエステル樹脂(東洋紡バイロン製GK110 Tg50℃) 10部
メチルエチルケトン 70部
上記サンプルをボールミルにて分散し、平均粒径0.15μmとした。
バック層としてM液を膜厚0.5μm塗工する以外は実施例1と同様に感熱記録層、保護層、バック層を塗布乾燥し、サンプルとした
実施例11
[N液 バック層液]
導電性ポリマーポリチオフェン(バイエル製 Bytoron P ET−V2) 10部
水 90部
上記サンプルをボールミルにて分散し、平均粒径0.15μmとした。
バック層としてN液を膜厚0.2μm塗工する以外は実施例1と同様に感熱記録層、保護層、バック層を塗布乾燥し、サンプルとした
実施例12
[O液 バック層液]
α−エチル(トリメチルアンモニウム)アルカノイルエステル
(日本純薬製SAT−5) 39部
メタノール 60部
タルク(富士タルク製LMS−300平均粒径0.5μm) 1部
バック層としてO液を塗工する以外は実施例1と同様に感熱記録層、保護層、バック層を塗布乾燥し、サンプルとした。
実施例13
[P液 バック層液]
α−エチル(トリメチルアンモニウム)アルカノイルエステル
(日本純薬製SAT−5) 39部
メタノール 60部
架橋ポリスチレン粒子(綜研化学製 SGP50C平均粒径10μm) 1部
バック層としてP液を塗工する以外は実施例1と同様に感熱記録層、保護層、バック層を塗布乾燥し、サンプルとした。
実施例14
[Q液 バック層液]
α−エチル(トリメチルアンモニウム)アルカノイルエステル
(日本純薬製SAT−5) 37部
メタノール 60部
架橋PMMA粒子(綜研化学製 MX1000 平均粒径10μm) 3部
バック層としてQ液を塗工する以外は実施例1と同様に感熱記録層、保護層、バック層を塗布乾燥し、サンプルとした。
この時バック層に存在するフィラーの数は約700個/mであった。
実施例15
[R液 バック層液]
α−エチル(トリメチルアンモニウム)アルカノイルエステル
(日本純薬製SAT−5) 38.5部
メタノール 60部
架橋PMMA粒子(綜研化学製 MX1000 平均粒径10μm)0.5部
バック層としてR液を塗工する以外は実施例1と同様に感熱記録層、保護層、バック層を塗布乾燥し、サンプルとした。
この時バック層に存在するフィラーの数は約125個/mであった。
評価方法
(表面抵抗値)10cm×10cmの透明感熱記録媒体を試験片とし表面抵抗測定器(HEWLETT PACKARD 4329A HIGH RESISTANCE METER)で、測定環境25℃60%RHと20℃、10%RH、10V印加後1分値の電流値から表面抵抗値とした。
(帯電量測定) 作成したサンプルをA4サイズにカットしてSonyビデオプリンター70XRにて測定環境25℃60%RHと10℃、テストパターンを3枚連続印画し、印画中の帯電量をイソプローブ帯電電位計モデル224(モンロー社、測定プロ−ブはモデル1017を用いて測定した。
(フィルムの貼り付き)
作成したサンプルをA4サイズにカットしてSonyビデオプリンター70XRにて測定環境25℃60%RHと20℃、10%RH、、テストパターンを3枚連続印画し、印画後ストックされたフィルムの貼り付き具合を評価した。
◎:全く張り付きがない。
○:やや密着感を感じるが、張り付きはない。
△:3枚とも貼り付き、持ち上げると離れる。
×:3枚とも強く貼り付き、持ち上げてもくっついたまま。
(フィルム白粉)
作成したサンプルをA4サイズにカットしてSonyビデオプリンター70XRにて測定環境25℃60%RHとテストパターンを3枚連続印画したフィルムを40℃1W保管した後に、表面の白粉の析出を評価した。
○:全く白粉の析出がない。
△:表面に少々析出がみられ、布で擦ると拭き取り跡が残る。
×:目視で容易に確認できる白粉が析出している。
(フィルム搬送不良)
作成したサンプルをA4サイズにカットしてSonyビデオプリンター70XRにて測定環境25℃60%RHとテストパターンを3枚連続印画し、印画搬送中に重ねたフィルムが密着して、重送を評価した。
○:3枚とも正常に搬送し、重送がない。
△:3枚中1枚が重送した。
×:3枚中2枚以上が重送した。
(ヘイズ)
50mm×50mmの透明感熱記録媒体を試験片とし、東洋精機製直読ヘイズメーターでヘイズ(曇率)を測定する。ヘイズ値は低いほど透明性がよいと判断する。
◎:ヘイズ25%以下
○:ヘイズ25〜30%
△:ヘイズ30〜35%
×:ヘイズ35%より高い。
評価結果を表1に示す。
Figure 2006240199

Claims (15)

  1. 支持体上に結着剤としてのバインダー樹脂と、該バインダー樹脂中に溶解した無色又は淡色のロイコ染料及び該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤を主成分とする感熱記録層を設けてなる感熱記録媒体において、前記顕色剤が、下記一般式(1)で表される化合物であり、且つ感熱記録層上に少なくとも脂肪酸アミドを含有する保護層を設け、且つ支持体の裏面側に帯電防止層を設けた事を特徴とする透明感熱記録媒体。
    Figure 2006240199
    (式中、R1は炭素数4〜16の直鎖のアルキル基又はアルキルアミノ基を表す。)
  2. 前記記載の脂肪酸アミドの含有量が保護層の2〜30重量%である事を特徴とする請求項1の透明感熱記録媒体。
  3. 前記記載の脂肪酸アミドの融点が110℃〜180℃である事を特徴とする請求項1の透明感熱記録媒体。
  4. 前記記載の脂肪酸アミドがビスアミドである事を特徴とする請求項3の透明感熱記録媒体。
  5. 前記記載の保護層に脂肪酸アミドを含み且つ固形滑剤を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明感熱記録媒体。
  6. 前記記載の保護層にバインダーとしてアクリル系、ポリエステル系樹脂を含有する事を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の透明感熱記録媒体。
  7. 前記記載の保護層が架橋剤で架橋されている事を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の透明感熱記録媒体。
  8. 前記記載の保護層の樹脂に水酸基価20以上のアクリルポリオール、ポリエステルポリオール系を含み且つイソシアネート架橋する事を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の透明感熱記録媒体。
  9. 前記記載のバック層の表面抵抗値が20℃10%Rhで1010Ω・cm以下である事を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の透明感熱記録媒体。
  10. 前記記載のバック層に帯電防止剤として金属酸化物を含む事を特徴とする請求項9の透明感熱記録媒体。
  11. 前記記載のバック層に帯電防止剤として導電性ポリマーを含む事を特徴とする請求項9の透明感熱記録媒体。
  12. 前記記載のバック層にフィラーを含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の透明感熱記録媒体。
  13. 前記記載のバック層のフィラーが6〜20μmの球状フィラーであることを特徴とする請求項12の透明感熱記録媒体。
  14. 前記記載のバック層のフィラーがポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂である事を特徴とする請求項13の透明感熱記録媒体。
  15. 前記記載のバック層の6〜20μmの球形ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂フィラーがバック層に5〜500個/m2含まれる事を特徴とする請求項14の透明感熱記録媒体。
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