JP3847613B2 - 透明感熱記録材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応などを利用した感熱記録材料(ビデオプリンター用フィルムなどの透明感熱シート)に関するものであり、特にMRIやCT等の画像のシャウカステンでの診断及び参照を目的とした、銀塩フィルムライクで高画質、高濃度、画像の高保存性の医療用画像形成シートとして好適な透明感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
感熱発色プロセスを利用した記録材料は種々提案されている。この感熱記録材料は、一般的には紙の上に前記した無色又は淡色のロイコ染料及び顕色剤が溶解または分散された塗布液を塗布して製造される。
特に近年医療分野を中心に、銀塩X線フィルムの湿式プロセスに起因する廃液処理問題及び画像のデジタル化の流れから、簡易にアウトプットできる透明なドライフィルムのシステムが求められている。現在の医療用のドライプロセスとしては▲1▼光露光熱定着システム、▲2▼熱転写システム、▲3▼直接感熱記録システムの3つが挙げられる。
そのうちの1つである感熱記録材料は、従来より電子計算機、ファクシミリ、券売機、ラベルプリンター、レコーダー等の種々の記録材料として使用されており、現像、定着等の頻雑な処理を施す必要がなく、比較的簡単な構造でコンパクトな装置で短時間に記録できること、騒音の発生が少ないこと、さらにコストが安いこと等の利点により、近年急速に市場が拡大しつつある。
【0003】
ところが、感熱記録方式はロイコ染料の可逆的な開環反応による呈色を基本技術としているために、画像の保持という点で他の方式よりも環境に左右されやすく、その改善のために様々な検討がなされてきた。特に医療用途を目的とした場合、通常の感熱記録材料よりも長期の画像保存性を求められているため、技術的な難度が高い。
従来の感熱記録材料においても保存性を向上させる方法が種々報告されているが、それらでは十分ではない。例えば添加剤を加えたり、特開昭63−95979号公報などにおいては新規の顕色剤を用いる方法等も開発されているが、ファクシミリやPOSラベルのような2値メディアでは問題にならないレベルであったとしても、医療メディアのような長期に渡る保存性、特に階調性確保のためにハーフトーン(中間調)部の発色濃度保持が重要なメディアに求められる性能としては不十分である。
【0004】
また、医療用途に使用するメディアはシャウカステンを利用して診断を行うため、透明性を確保することが必要である。透明性が低い場合、光線が拡散されるために画像認識性が低下する。透明性を高めるために、記録層や保護層などに添加される粒子状の材料を微粒子化したり、あるいは接着剤の割合を増加したりする方法があるが、それだけでは透明性が充分ではない。また、有機物においては分散物の表面電荷が無機化合物と比較して低いために、特に有機溶剤を主剤とする分散液においては安定に微粒子を存在させることが困難である。また、塗布液の乾燥中に凝集しやすくなることが透明性が下がる原因にもなっており、分散粒径と透明性が必ずしも相関しないこともある。従って、高い透明性と分散性という要求も同時に満たす材料が必要となってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、顕色剤の高い分散性を有し、また画像の高い保存性と高い透明性を有し、しかも高濃度、高画質の画像を形成しうる、特に医療用途に好適な透明感熱記録材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討した結果、顕色剤として前記一般式(1)で示される電子受容性化合物Aと、直鎖アルキル基の鎖長が電子受容性化合物Aの直鎖アルキル基よりも炭素数で2〜6個異なり、直鎖アルキル基以外の部分の構造が同一である電子受容性化合物Bの混合物を用いることより、保存性と透明性等に優れた透明感熱記録材料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明によれば、支持体上に、無色又は淡色のロイコ染料と、該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤及び結着剤としてのバインダー樹脂を主成分とする感熱記録層を設けてなる感熱記録材料において、該顕色剤が下記一般式(1)で示される電子受容性化合物Aと、直鎖アルキル基の鎖長が電子受容性化合物Aの直鎖アルキル基よりも炭素数で2〜6個異なり、該直鎖アルキル基以外の部分の構造が同一である電子受容性化合物Bの混合物であることを特徴とする透明感熱記録材料が提供される。
【化4】
Figure 0003847613
(式中、Rは炭素数〜16の直鎖のアルキル基又はアルキルアミノ基を表す。)
また、本発明によれば、前記電子受容性化合物Aが、下記一般式(2)で示される化合物であることを特徴とする上記に記載の透明感熱記録材料が提供される。
【化5】
Figure 0003847613
(式中、Rは炭素数6〜12である直鎖アルキル基を表す。)
また、本発明によれば、前記電子受容性化合物Aと前記電子受容性化合物Bの重量比[A/B]が、1/1〜10/1であることを特徴とする上記のいずれかに記載の透明感熱記録材料が提供される。
また、本発明によれば、前記感熱記録層内の顕色剤の体積平均粒径が、0.5μm以下であることを特徴とする上記のいずれかに記載の透明感熱記録材料が提供される。
また、本発明によれば、前記バインダー樹脂が、下記一般式(3)で示される化合物であることを特徴とする上記のいずれかに記載の透明感熱記録材料が提供される。
【化6】
Figure 0003847613
(式中、Rは炭素数1〜3の直鎖アルキル基を表し、l、m、nはモル%で、l+m+n=100%である。)
また、本発明によれば、前記感熱記録材料の非画像部のJIS K7105にて規定される曇り度が、30%以下であることを特徴とする上記のいずれかに記載の透明感熱記録材料が提供される。
さらに、本発明によれば、前記一般式で示される電子受容性化合物Aと、直鎖アルキル基の鎖長が電子受容性化合物Aの直鎖アルキル基よりも炭素数で2〜6個異なり、直鎖アルキル基以外の部分の構造が同一である電子受容性化合物Bを、同一反応液内での化学反応によって同時に合成することによっ顕色剤混合物製造することができる。
さらにまた、本発明によれば、前記一般式で示される電子受容性化合物Aと、直鎖アルキル基の鎖長が電子受容性化合物Aの直鎖アルキル基よりも炭素数で2〜6個異なり、直鎖アルキル基以外の部分の構造が同一である電子受容性化合物Bを、各々別に合成した後に混合し、一旦これを有機溶剤に溶解させた後に再結晶化を行うことによって顕色剤混合物製造することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明においては、ロイコ染料と顕色剤及びバインダー樹脂を主成分とする感熱記録層を有する感熱記録材料において、該顕色剤として、前記一般式(1)で示される電子受容性化合物Aと、直鎖アルキル基の鎖長が電子受容性化合物Aの直鎖アルキル基よりも炭素数で2〜6個異なり、該直鎖アルキル基以外の部分の構造が同一である電子受容性化合物Bとの混合物を用いることを特徴とする。
【0009】
電子受容性化合物Aと、類似の構造を持つ電子受容性化合物Bを混合すると、特に画像保存性において著しい効果が見られる。この特性が向上する理由は定かではないが、類似の骨格を有することによって、もともとの発色剤同士の親和性が保たれる一方で、加熱溶融した段階での発色成分の結晶性が低下するので、単独では保存性に劣る化合物でも発色の堅牢性の高いアモルファス状態を形成しやすいためであると推測される。
また、この混合物は分散効率、分散性に優れる。これについても機構は解明されていないが、アルキル鎖長の差によって微妙に構造の異なる化合物が、例えば有機溶剤中であると両者が微量に溶解しているのだが、分散物表面への吸着性に差が出ることが影響して分散過程における再凝集を防止しているのではないかと思われる。
さらに、直鎖アルキル基の長さが異なるものを用いることによって発色感度や最大濃度を調整することもできる。あまり長さが異なるものを混合すると保存性や地肌カブリと言った特性に影響が出るため、長さの差としては炭素数2〜6の増減が好ましい。
【0010】
これらの化合物は、化合物Aを基準として炭素数が多いもの、少ないもののどちらを混合しても良い。混合比率としては化合物Aと化合物Bの重量比[A/B]で1/1〜10/1となるのが好ましい。10/1よりも化合物Bの比率が低下すると効果が小さい。また、種々公知の顕色剤を混合することもできる。
【0011】
この混合物の製造方法として、原料の段階でアルキル鎖長の異なるものを混合し、同一反応液内で一斉に反応させることによって混合物を作製すると、収率の高い反応であれば比率の変動は無視できる範囲内であり、コスト的に有利になるし、顕色剤の分子単位での混合をしやすくなるためか分散性も向上する。アルキル鎖の長さが著しく異なるものを混合すると、溶解度や単独での収率に大きな差が生じるために、反応後の化合物A、化合物Bの存在比を制御することが困難である。
また、別の製造方法として、各々を合成した後にそれを混合、溶解させた後に再結晶する手順を採っても、同様に分散性の面で有利になる。
【0012】
電子受容性化合物Aとしては、(a)地肌濃度や濃度低下の抑制に効果のあるアルキル基、(b)発色性や保存性に寄与する分子間水素結合能を有する接合基、(c)顕色能基として高い性能を有する電子受容性の酸性基、の3つの部分から構成され、(a)としては炭素数4〜16の直鎖アルキル基、(b)としてはアミド、尿素、(c)としてはサリチル酸であって、これら(a)(b)(c)を組み合わせたものであり、医療画像出力メディアに求められる品質を達成するのに極めて優れている。(a)については、炭素数が4よりも短い場合は保存性が高いレベルで維持される代わりに地肌カブリが甚だしく、逆に炭素数が16より大きいと発色性や保存性が低下する。
【0013】
該電子受容性化合物Aとしては、特に、直鎖アルキル基とサリチル酸を−NHCO−基で接合した下記一般式(1)の化合物が用いられ、保存性に優れる。
【化7】
Figure 0003847613
(式中、Rは炭素数4〜16の直鎖のアルキル基又はアルキルアミノ基を表す。)
【0014】
前記一般式(1)で示される化合物の具体例としては、4−(n−ペンタノイルアミノ)サリチル酸、4−(n−ヘキサノイルアミノ)サリチル酸、4−(n−オクタノイルアミノ)サリチル酸、4−(N’−n−ブチルカルバモイルアミノ)サリチル酸、4−(N’−n−ヘキシルカルバモイルアミノ)サリチル酸、4−(N’−n−オクチルカルバモイルアミノ)サリチル酸等が挙げられる。
【0015】
更に、顕色剤として下記一般式(2)で示される化合物が地肌カブリ、保存性等において優れる。
【化8】
Figure 0003847613
(式中、R2は炭素数6〜12である直鎖アルキル基を表す。)
【0016】
ここで、電子受容性化合物A、Bの製造方法としては、例えば、アルキルイソシアネートとアミノサリチル酸、あるいは脂肪酸クロリドとアミノサリチル酸を反応させる方法等が挙げられる。
また、電子受容性化合物A及びBを各々別に合成し、これらを混合し、有機溶剤に溶解させ、再結晶化を行う際の有機溶剤としては、種々公知のものを使用でき、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン等の炭化水素類、クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン(以下、MEK)、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等が挙げられる。
これらのうち、溶解度の関係からアセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルに溶解させるのが特に好ましい。
【0017】
本発明で用いられるロイコ染料は電子供与性を示す化合物であり、単独または2種以上混合して適用されるが、それ自体無色あるいは淡色の染料前駆体であり、特に限定されず従来公知のもの、例えば、トリフェニルメタンフタリド系、トリアリルメタン系、フルオラン系、フェノチジアン系、チオフルオラン系、キサンテン系、インドフタリル系、スピロピラン系、アザフタリド系、クロメノピラゾール系、メチン系、ローダミンアニリノラクタム系、ローダミンラクタム系、キナゾリン系、ジアザキサンテン系、ビスラクトン系等のロイコ化合物が好ましく用いられる。特に好ましくはフルオラン系およびフタリド系のロイコ染料であり、このような化合物の例としては、例えば以下に示すようなものが挙げられるが、勿論これらに限られるものではない。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、
1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,3−ジメチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
10−ジエチルアミノ−2−エチルベンゾ[1,4]チアジノ[3,2−b]フルオラン、
3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、
3−[2,2−ビス(1−エチル−2−メチル−3−インドリル)ビニル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、
3−[1,1−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)エチレン−2−イル]−6−ジメチルアミノフタリド等。
【0018】
本発明で使用するバインダー樹脂としては公知の種々の樹脂を使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸及びそのエステル、ポリメタクリル酸及びそのエステル類、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、スチレン共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリビニルアルコール、デンプン、ゼラチン等がある。樹脂は単独もしくは二種以上混合して適用することができる。
【0019】
これらの樹脂の中でも、下記一般式(3)で示される化合物が好ましい。
【化9】
Figure 0003847613
(式中、R3は炭素数1〜3の直鎖のアルキル基を表し、l、m、nはモル%で、l+m+n=100%である。)
【0020】
この一般式(3)で示されるバインダー樹脂としてはポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラールなどが挙げられる。この種類の樹脂は、酢酸ビニルを鹸化してポリビニルアルコールとし、引き続いてさらにブチラール化/アセタール化して得られるが、完全な反応は困難であり、ポリビニルアルコール由来の水酸基がどうしても残る。この水酸基は、微粒子の分散という点では有用であるが、同時にロイコ染料に作用して非画像部のカブリを誘発するためにあまり多くても好ましくない。一般式(3)で示されるn(ポリビニルアルコール成分)が30%以下であると、カブリの少ない記録シートが得られる。市販の樹脂ではポリビニルアセトアセタールでは積水化学社のKS−1(ポリビニルアルコール成分30%)、ポリビニルブチラールでは積水化学社のBL−S(同26%)などが挙げられる。
このl、m、nの割合に関してはJIS K6728によって規定される、ポリビニルブチラール樹脂中のポリビニルアルコール成分のモル比率の測定法に従って測定される。
【0021】
感熱記録層におけるバインダー樹脂の使用量としては特に限定するものではないが、塗工液の全固形量に対して0.5〜90重量%、好ましくは1〜60重量%の範囲で調節するのが望ましい。
【0022】
本発明において感熱記録層を形成するには、有機溶剤を使用し、ロイコ染料等を溶解させた塗布液を調製して支持体に塗布すると特に良い。かかる有機溶剤としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン等の炭化水素類、クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、1,3−ジオキソラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン(以下、MEK)、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類が、単独あるいは混合有機溶剤として使用される。このうちトルエン、MEK、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルが好ましく、特にトルエン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチルから選ばれる溶剤を有機溶剤系塗布液中の溶剤成分のうちの50%以上に含有させた混合溶剤にすると、地肌カブリに優れる感熱シートが得られる。
【0023】
本発明で使用する透明支持体の具体例としては、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルムあるいはこれらを貼り合わせたフィルム等があり、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムであるが、これに限るものではない。透明性が高いシートを得るために、支持体単独の曇り度(JIS K7105で規定される曇り度、ヘーズ)が10%以下であるポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
この透明感熱記録材料は、防眩効果あるいは画像認識性向上を目的として青色に着色して用いることもできる。青み付けの方法としては支持体に青顔料を混練する、塗工層のいずれか1層以上に青染料、青顔料を添加する等が考えられ、青み付けの濃度レベルとしては透過濃度で0.15〜0.25の範囲が、色調としてはa*=−4〜−15、b*=−5〜−15(測定条件;d/0、10度視野、光源D65にて10nmごとに吸光度測定して算出)に囲まれる範囲の色が好ましい。用いることのできる青顔料、青染料は特に限定されず、種々公知の材料を使用することができる。
塗布層の接着性向上のために、少なくとも片面をコロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理等による表面改質をすることができる。
【0024】
以上、本発明の感熱記録材料の主成分であるロイコ染料、顕色剤、バインダー樹脂等の具体例を挙げたがこれらに限るものではない。また、必要に応じ公知のフィラー、顔料、界面活性剤、熱可融性物質を添加することができる。
【0025】
本発明の感熱記録層は、ロイコ染料および顕色剤などをバインダー樹脂とともに均一に分散もしくは溶解しこれを支持体上に塗布、乾燥して作製するが、ロイコ染料およびバインダー樹脂を有機溶剤に溶解せしめ、有機溶剤に分散させた顕色剤と混合した後、塗布、乾燥して形成させる方法が好ましい。塗工方式はダイファウンテン方式、ワイヤーバー方式、グラビア方式、エアーナイフ方式等、特に限定されない。これらのうち、塗工層の均一性を得ることができるものとして、支持体に接触することなく塗布することが可能なダイ方式が好ましい。
記録層液において、分散物の粒径が記録材料全体の透明性、あるいは保護層の表面粗さ、ひいては印字時のドット再現性に大きく関与するので、粒径は1.0μm以下、特に本材料においては屈折率の影響から0.5μm以下にすると透明性が著しく向上する。記録層の膜厚は、記録層の組成や感熱記録材料の用途にもよるが1〜50μm程度、好ましくは3〜20μm程度である。また、記録層塗布液には、必要に応じて、塗工性の向上あるいは記録特性の向上を目的に界面活性剤等種々の添加剤を加えることもできる。
【0026】
本発明においては、感熱記録層上に、耐薬品性、耐水性、耐摩擦性、耐光性及びサーマルヘッドに対するヘッドマッチング性の向上のために保護層を設けることが好ましい。感熱記録材料の保護層は透明性の観点から考えると樹脂単独の層を設けるのが理想的であるが、樹脂のみの保護層では平滑性が高すぎて、スティッキング、ゴミの引きずりによる印字欠陥の面で充分な性能が得にくい。特に支持体としてプラスチックフィルムを用いた場合は紙を支持体とした場合と比較して平滑になりやすいことからヘッドマッチングが低下し、ゴミを引きずりやすくなる傾向が顕著である。また、一般的な熱可塑性樹脂の場合、ガラス転移点がサーマルヘッドによる加熱よりも低いため、樹脂単独の保護層では表面の変質や記録層の露出などが起きてしまう。このような印字不良、欠陥は医療画像を出力する材料としては致命的である。このスティッキング、ゴミの引きずり等に対する性能向上の手段としてはフィラーを含有させるのが一般的である。しかし、透明感熱記録材料の場合、保護層に従来の反射記録材料に使用されるようなフィラーを含有させると透明性が低下する場合が多い。フィラーを添加して透明性を維持するためには小粒径フィラーにより表面を細かく粗らす、大粒径フィラーを少量添加して表面を部分的に粗らす等の方法がある。本発明においては必要に応じて上記の2つの方法を組み合わせて保護層を形成させることも可能である。保護層表面の摩擦係数としてはヘッドマッチング(滑性を上げる方向)とプラスチックフィルムで発生しやすいゴミの引きずり防止(滑性を下げる方向)の両面から見て0.07〜0.14の範囲が好ましい。
【0027】
フィラーの例としてはホスフェートファイバー、チタン酸カリウム、針状水酸化マグネシウム、ウィスカー、タルク、マイカ、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、板状炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、板状水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、焼成クレー、カオリン、ハイドロタルサイト等の無機フィラーや架橋ポリスチレン樹脂粒子、尿素−ホルマリン共重合体粒子、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂粒子、グアナミン−ホルムアルデヒド共重合体粒子、メラミン−ホルムアルデヒド共重合体粒子の有機フィラーが挙げられる。本発明においてはヘッド摩耗の観点から有機フィラーではメラミン−ホルムアルデヒド共重合体粒子が、無機フィラーとしてはカオリン、タルク、水酸化アルミニウムが好ましい。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、また数々の特性を付与するために複数のフィラーを同時に用いても良い。
【0028】
本発明において保護層に用いられる樹脂としては、記録層同様水溶性樹脂の他、水性エマルジョン、疎水性樹脂及び紫外線、電子線硬化樹脂等を必要に応じて併用することも可能である。透明性の観点から記録層と保護層の樹脂の屈折率は支持体の屈折率との比で0.8〜1.2の範囲に入る材料を用いることが好ましい。
樹脂の具体例としてはポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレン−アクリレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等がある。
また、樹脂とともに架橋剤を用いることができ、該架橋剤としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物等、従来から公知の化合物を使用することができる。イソシアネート化合物の具体例としては、トルイレンジイソシアネート、その2量体、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネート及びこれらの誘導体等、分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物があげられる。またエポキシ化合物の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシアクリレート等があげられる。
【0029】
さらにヘッドマッチング性を向上させるために保護層にワックス、オイル類を添加したり、バインダー樹脂としてシリコーンで変成された樹脂を混合して用いる、樹脂と充填剤の比を調節する、などにより摩擦係数を調節することができる。ここで用いることができるワックス類としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド、エチレンビスステアリルアミド、メチレンビスステアリルアミド、メチロールステアリルアミド、パラフィンワックス、ポリエチレン、カルナウバワックス、酸化パラフィン、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。オイルとしては一般的なシリコーンオイル等を用いることができる。
【0030】
保護層の塗工方式は、特に制限はなく、従来公知の方法で塗工することができる。
好ましい保護層厚は0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜10μmである。保護層厚が薄すぎると、記録媒体の保存性やヘッドマッチング等の保護層としての機能が不充分であり、厚すぎると記録媒体の熱感度が低下するのに加え、コスト的にも不利である。
【0031】
医療用途における透過画像診断の観点から考えると、本発明の透明感熱記録材料の曇り度は50%以下が好ましく、望ましくは30%以下である。50%を超えるとシャウカステン装着時の画像の鮮明さに欠ける。
【0032】
本発明の感熱記録材料の記録方法は仕様目的によって熱ペン、サーマルヘッド、レーザー加熱等、特に限定されないが、この感熱記録材料は医療画像などの高精細かつ高階調な画像を印画するのに適しており、また装置のコスト、出力スピード、コンパクト化の観点からもサーマルヘッドを用いて印画するのが最も好ましい。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、以下における部及び%はいずれも重量基準である。
【0034】
下記組成物をボールミルで体積平均粒径0.5μm以下になるまで粉砕、分散し、顕色剤分散液[A液]を調製した。粒径は堀場製作所社製レーザー回折式粒径測定装置LA−700で測定した。
[A液](顕色剤分散液)
MEK 2部
トルエン 66部
顕色剤X 15部
15%ポリビニルアセトアセタール樹脂溶液 17部
(積水化学社製エスレックKS−1、溶媒:MEK)
ここで、顕色剤Xについては、下記表1に示すものである。
【0035】
【表1】
Figure 0003847613
上記混合物4は、反応以前にオクチルイソシアネート(炭素数8)とドデシルイソシアネート(炭素数12)をあらかじめ反応後に所定の重量比となるように、例えば化合物A/化合物B=2/1とする場合は1.74/1の重量比で混合し、その混合原液を4−アミノサリチル酸と反応させることにより作製したものである。
【0036】
次に、下記組成で調合した[B液]を充分に攪拌し、記録層塗布液を調製した。
[B液](記録層塗布液)
[A液] 55部
ロイコ染料 3部
(山田化学工業社製ETAC:2−アニリノ−3−
メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン)
15%ポリビニルアセトアセタール樹脂溶液 40部
(積水化学社製エスレックKS−1、溶媒:MEK)
MEK 2部
同様に、下記組成物をボールミルで体積平均粒径0.3μmまで粉砕・分散しフィラー分散液[C液]を作製した。
[C液](フィラー分散液)
カオリン 23部
(エンゲルハ−ド社製、ウルトラホワイト90)
10%ポリビニルアセトアセタール樹脂溶液 70部
(積水化学社製エスレックKS−1、溶媒:MEK)
MEK 20部
次に、下記組成で調合した[E液]を充分に攪拌し、保護層塗布液を調製した。
[D液](保護層塗布液)
[C液] 37部
10%ポリビニルアセトアセタール樹脂溶液 31部
(積水化学社製エスレックKS−1、溶媒:MEK)
MEK 48部
【0037】
実施例1
顕色剤Xとして混合物1(化合物A/化合物B=2/1)を用いた記録層塗布液[B液]、保護層塗布液[D液]を、厚さ175μmの透明ポリエステルフィルム(曇り度3%)上にワイヤーバーを用いて順次塗工し、充分乾燥して厚さ12μmの感熱記録層、2μmの保護層を形成し、感熱記録シートを作製した。
【0038】
実施例2
顕色剤Xとして混合物2(化合物A/化合物B=2/1)を用いた記録層塗布液[B液]、保護層塗布液[D液]を、厚さ175μmの透明ポリエステルフィルム(曇り度3%)上にワイヤーバーを用いて順次塗工し、充分乾燥して厚さ12μmの感熱記録層、2μmの保護層を形成し、感熱記録シートを作製した。
【0039】
実施例3
顕色剤Xとして混合物3(化合物A/化合物B=2/1)を用いた記録層塗布液[B液]、保護層塗布液[D液]を、厚さ175μmの透明ポリエステルフィルム(曇り度3%)上にワイヤーバーを用いて順次塗工し、充分乾燥して厚さ12μmの感熱記録層、2μmの保護層を形成し、感熱記録シートを作製した。
【0040】
実施例4
顕色剤Xとして混合物4(化合物A/化合物B=2/1、HPLCにて確認)を用いた記録層塗布液[B液]、保護層塗布液[D液]を、厚さ175μmの透明ポリエステルフィルム(曇り度3%)上にワイヤーバーを用いて順次塗工し、充分乾燥して厚さ12μmの感熱記録層、2μmの保護層を形成し、感熱記録シートを作製した。
【0041】
実施例5
顕色剤Xとして混合物5(化合物A/化合物B=2/1)を用いた記録層塗布液[B液]、保護層塗布液[D液]を、厚さ175μmの透明ポリエステルフィルム(曇り度3%)上にワイヤーバーを用いて順次塗工し、充分乾燥して厚さ12μmの感熱記録層、2μmの保護層を形成し、熱記録シートを作製した。
【0042】
実施例6
顕色剤Xとして混合物3(化合物A/化合物B=15/1)を用いた記録層塗布液[B液]、保護層塗布液[D液]を、厚さ175μmの透明ポリエステルフィルム(曇り度3%)上にワイヤーバーを用いて順次塗工し、充分乾燥して厚さ12μmの感熱記録層、2μmの保護層を形成し、感熱記録シートを作製した。
【0043】
実施例7
顕色剤Xとして平均粒径0.7μmとした混合物3(化合物A/化合物B=2/1、実施例5の分散液を途中で採取)を用いた記録層塗布液[B液]、保護層塗布液[D液]を、厚さ175μmの透明ポリエステルフィルム(曇り度3%)上にワイヤーバーを用いて順次塗工し、充分乾燥して厚さ12μmの感熱記録層、2μmの保護層を形成し、感熱記録シートを作製した。
【0044】
比較例1
顕色剤Xとして単独1を用いた記録層塗布液[B液]、保護層塗布液[D液]を、厚さ175μmの透明ポリエステルフィルム(曇り度3%)上にワイヤーバーを用いて順次塗工し、充分乾燥して厚さ12μmの感熱記録層、2μmの保護層を形成し、感熱記録シートを作製した。
【0045】
比較例2
顕色剤Xとして単独2を用いた記録層塗布液[B液]、保護層塗布液[D液]を、厚さ175μmの透明ポリエステルフィルム(曇り度3%)上にワイヤーバーを用いて順次塗工し、充分乾燥して厚さ12μmの感熱記録層、2μmの保護層を形成し、感熱記録シートを作製した。
【0046】
比較例3
顕色剤Xとして混合物6(化合物A/化合物B=2/1)を用いた記録層塗布液[B液]、保護層塗布液[D液]を、厚さ175μmの透明ポリエステルフィルム(曇り度3%)上にワイヤーバーを用いて順次塗工し、充分乾燥して厚さ12μmの感熱記録層、2μmの保護層を形成し、感熱記録シートを作製した。
【0047】
比較例4
顕色剤Xとして混合物7(化合物A/化合物B=2/1)を用いた記録層塗布液[B液]、保護層塗布液[D液]を、厚さ175μmの透明ポリエステルフィルム(曇り度3%)上にワイヤーバーを用いて順次塗工し、充分乾燥して厚さ12μmの感熱記録層、2μmの保護層を形成し、感熱記録シートを作製した。
【0048】
比較例5
顕色剤Xとして混合物8(化合物A/化合物B=2/1)を用いた記録層塗布液[B液]、保護層塗布液[D液]を、厚さ175μmの透明ポリエステルフィルム(曇り度3%)上にワイヤーバーを用いて順次塗工し、充分乾燥して厚さ12μmの感熱記録層、2μmの保護層を形成し、感熱記録シートを作製した。
【0049】
以上のようにして作製された感熱記録シートに対し、ソニー社製ビデオプリンターUP−D70XRを用いて17階調の画像を印画した。非画像部の曇り度は、スガ試験機社製直読ヘーズコンピューターHGM−2DP型により測定した。透過濃度はGretagMacbeth社製透過濃度計TD−904を用いて測定した。保存性試験は40℃、湿度90%の環境に設定された高温高湿保管庫内に100時間放置した。各性能の評価方法、評価基準を下記に示す。評価結果を表2に示す。
【0050】
・分散効率
シンマルエンタープライゼス社ダイノーミルKDL−A型で混合液[A液]100mlを分散(150mlバッチ、0.65mmジルコニアビーズ使用)したときに、平均粒径が0.5μm以下になるまでの時間。
◎:1時間未満
○:1時間以上、5時間未満
×:5時間以上
・曇り度
JIS K7105に従って測定した。シャウカステン装着時、50%以下であれば透明性を感じ、30%以下になると曇りを感じにくい。
◎:ヘーズ20%未満
○:ヘーズ20%以上、30%未満
△:ヘーズ30%以上、50%未満
×:ヘーズ50%以上
・保存性
「変化率=(保存後の透過濃度−初期濃度)÷初期濃度×100」で算出される値(%)。
本発明の実施例における濃度保存性は消色傾向が見られたため、保存性の程度の比較は負の方向で判別した。各階調の中で最も大きな変化の部分から保存性を判断した。
◎:変化率=−10%以内。ほとんど変化に気づかない。
○:変化率=−10%より変化が大きく、−30%以内。あまり変化に気づかない。
×:変化率=−30%より変化が大きい。実用に耐えない。
【0051】
【表2】
Figure 0003847613
表2より、本発明によって、前記特定の顕色剤混合物を用いることにより、品質のばらつきのない高保存性で透明性に優れた透明感熱記録材料を提供することができることが分かる。
【0052】
【発明の効果】
本発明は、ロイコ染料と顕色剤及びバインダー樹脂を主成分とする感熱記録層を有する感熱記録材料において、顕色剤として前記特定の顕色剤混合物を用いることにより、顕色剤の分散性に優れ、また画像の保存性、透明性に優れ、しかも高濃度、高画質の画像を形成しうる、特に医療用途に好適な透明感熱記録材料を提供することができる。

Claims (6)

  1. 支持体上に、無色又は淡色のロイコ染料と、該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤及び結着剤としてのバインダー樹脂を主成分とする感熱記録層を設けてなる感熱記録材料において、該顕色剤が下記一般式(1)で示される電子受容性化合物Aと、直鎖アルキル基の鎖長が電子受容性化合物Aの直鎖アルキル基よりも炭素数で2〜6個異なり、該直鎖アルキル基以外の部分の構造が同一である電子受容性化合物Bの混合物であることを特徴とする透明感熱記録材料。
    Figure 0003847613
    (式中、R は炭素数4〜16の直鎖のアルキル基又はアルキルアミノ基を表す。)
  2. 前記電子受容性化合物Aが、下記一般式(2)で示される化合物であることを特徴とする請求項に記載の透明感熱記録材料。
    Figure 0003847613
    (式中、Rは炭素数6〜12である直鎖アルキル基を表す。)
  3. 前記電子受容性化合物Aと前記電子受容性化合物Bの重量比[A/B]が、1/1〜10/1であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明感熱記録材料。
  4. 前記感熱記録層内の顕色剤の体積平均粒径が、0.5μm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の透明感熱記録材料。
  5. 前記バインダー樹脂が、下記一般式(3)で示される化合物であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の透明感熱記録材料。
    Figure 0003847613
    (式中、Rは炭素数1〜3の直鎖アルキル基を表し、l、m、nはモル%で、l+m+n=100%である。)
  6. 前記感熱記録材料の非画像部のJIS K7105にて規定される曇り度が、30%以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の透明感熱記録材料。
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