JP2003034077A - 透明感熱記録フィルム、その製造方法および記録方法 - Google Patents

透明感熱記録フィルム、その製造方法および記録方法

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JP2003034077A
JP2003034077A JP2001221877A JP2001221877A JP2003034077A JP 2003034077 A JP2003034077 A JP 2003034077A JP 2001221877 A JP2001221877 A JP 2001221877A JP 2001221877 A JP2001221877 A JP 2001221877A JP 2003034077 A JP2003034077 A JP 2003034077A
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transparent thermosensitive
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Takehito Yamaguchi
岳人 山口
Morio Yamada
盛雄 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サリチル酸誘導体を顕色剤として使用した場
合の透明性を改善し、医療用途に好適な透明感熱記録フ
ィルムを得る。 【解決手段】 透明支持体上に無色又は淡色のロイコ染
料と、該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤及びバイ
ンダー樹脂を主成分とする感熱記録層を設けてなる感熱
記録フィルムにおいて、顕色剤として特定のサリチル酸
誘導体とバインダー樹脂として特定の高分子化合物を含
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子供与性呈色性化
合物と電子受容性化合物との間の発色反応などを利用し
たビデオプリンター用フィルムなどに使用される感熱記
録フィルムに関し、特にMRIやCT等の画像のシャウ
カステンでの診断及び参照を目的とした銀塩フィルムラ
イクで高画質、高濃度、高保存性の医療用フィルムとし
て好適な透明感熱記録フィルムに関する。また、本発明
は透明感熱記録フィルムの製造方法およびその記録方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療分野等で、高解像度、高階調
でデジタル画像処理が可能で、高速記録のできる感熱記
録フィルムの需要が年々増大している。特開平04−0
91983号公報、特開平05−104859号公報、
特開平10−278431号公報等において透明感熱記
録フィルムが提案されているが、これら透明感熱記録フ
ィルムは、画像保存性が十分ではない。
【0003】一方、従来の反射タイプの感熱記録材料に
おいては、発色濃度や保存性等を向上させる方法が種々
報告されており、例えば、特開昭63−95979号公
報には、サリチル酸誘導体を記録層に使うことが提案さ
れているが、医療用途の透明感熱記録フィルムに使用す
ると透明性が不十分であるといった問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑み、サリチル酸誘導体を顕色剤として使用した場合の
透明性を改善し、医療用途に好適な透明感熱記録フィル
ムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は下記
の手段により達成される。すなわち、本発明によれば、
第一に、請求項1では、透明支持体上に無色又は淡色の
ロイコ染料と、該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤
及びバインダー樹脂を主成分とする感熱記録層を設けて
なる感熱記録フィルムにおいて、顕色剤として下記一般
式(1)で表されるサリチル酸誘導体とバインダー樹脂
として下記一般式(2)で表される高分子化合物を含有
することを特徴とする透明感熱記録フィルムが提供され
る。
【化3】 (式中、Rは置換アミノ基を、Xは水素原子、アルキル
基、フェニル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表
す。)
【化4】 (式中、RはCH3またはC37を表わす。l、m、n
はmol%で示すと、l+m+n=100である。)
【0006】第二に、請求項2では、上記請求項1記載
の透明感熱記録フィルムにおいて、一般式(2)で表わ
される化合物の水酸基数nが22mol%以下であるこ
とを特徴とする透明感熱記録フィルムが提供される。
【0007】第三に、請求項3では、上記請求項1また
は2記載の透明感熱記録フィルムにおいて、一般式
(2)で表わされるバインダー樹脂の重合度が500乃
至800であることを特徴とする透明感熱記録フィルム
が提供される。
【0008】第四に、請求項4では、上記請求項1乃至
3のいずれか1項記載の透明感熱記録フィルムの製造方
法であって、顕色剤粒子の粒径が体積平均粒径で0.3
μm以下に分散された分散液により製造されることを特
徴とする透明感熱記録フィルムの製造方法が提供され
る。
【0009】第五に、請求項5では、上記請求項1乃至
4のいずれか1項記載の透明感熱記録フィルムにおい
て、透明感熱記録フィルムを構成する少なくとも1層に
青色染料または青色顔料が含有されていることを特徴と
する透明感熱記録フィルムが提供される。
【0010】第六に、請求項6では、上記請求項1乃至
5のいずれか1項記載の透明感熱記録フィルムにおい
て、記録層上にバインダー樹脂とフィラーからなる保護
層を形成したことを特徴とする透明感熱記録フィルムが
提供される。
【0011】第七に、請求項7では、上記請求項1乃至
6のいずれか1項記載の透明感熱記録フィルムの製造方
法であって、有機溶剤中に一般式(2)で表わされるバ
インダー樹脂を溶解し、これと一般式(1)で表わされ
る顕色剤を分散させた分散液と無色又は淡色のロイコ染
料を混合した記録層塗布液を透明支持体上に塗布・乾燥
することを特徴とする透明感熱記録フィルムの製造方法
が提供される。
【0012】第八に、請求項8では、上記請求項7記載
の透明感熱記録フィルムの製造方法において、一般式
(1)で表される顕色剤(A)と一般式(2)で表され
るバインダー樹脂(B)の重量比((A)/(B))が
5/1から1/1で分散された分散液から製造されるこ
とを特徴とする透明感熱記録フィルムの製造方法が提供
される。
【0013】第九に、請求項9では、上記請求項1乃至
6のいずれか1項記載の透明感熱記録フィルムにおい
て、透明感熱記録フィルムの非画像部がJIS K71
05にて規定される曇り度が35%以下であることを特
徴とする透明感熱記録フィルムが提供される。
【0014】第十に、請求項10では、上記請求項1乃
至6のいずれか1項記載の透明感熱記録フィルムをサー
マルヘッドで印字することを特徴とする記録方法が提供
される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のサリチル酸誘導体
からなる顕色剤を用いた透明感熱記録フィルムについて
説明する。本発明で使用される顕色剤としては、下記一
般式(1)のサリチル酸誘導体からなる顕色剤粒子が用
いられる。
【化5】 (式中、RはCH3またはC37を表わす。l、m、n
はmol%で示すと、l+m+n=100である。) ここで、Rは置換アミノ基を、Xは水素原子、アルキル
基、フェニル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表
す。上式中Rで表される置換アミノ基のうち炭素原子数
2〜18のアシルアミノ基、アリールスルホニルアミノ
基、アルキルアミノカルボニルアミノ基、ジアルキルア
ミノ基、アルキルアリールアミノ基が好ましい。Xで表
される置換基のうち、水素原子、炭素原子数1〜18の
アルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、フェ
ニル基、塩素原子およびフッ素原子が好ましい。
【0016】次に本発明に係わるサリチル酸誘導体の具
体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。4−ミリストイルアミノサリチル酸、4−デカノイ
ルアミノサリチル酸、4−フェニルアセチルアミノサリ
チル酸、4−フェノキシアセチルアミノサリチル酸、4
−ベンゾイルアミノサリチル酸、4−トルオイルアミノ
サリチル酸、4−N−ステアリルカルバモイルアミノサ
リチル酸、4−N−フェニルカルバモイルアミノサリチ
ル酸、4−p−トルエンスルホニルアミノサリチル酸、
4−ジベンジルアミノサリチル酸、5−ミリストイルア
ミノサリチル酸、4−フェニルアセチルアミノサリチル
酸、4−ベンゾイルアミノサリチル酸、4−(n−ブタ
ノイルアミノ)サリチル酸、4−(n−ヘキサノイルア
ミノ)サリチル酸、4−(n−オクタノイルアミノ)サ
リチル酸、4−(オクタデカノイルアミノ)サリチル
酸、4−(N’−n−ブチルカルバモイルアミノ)サリ
チル酸、4−(N’−n−ヘキシルカルバモイルアミ
ノ)サリチル酸、4−(N’−n−オクチルカルバモイ
ルアミノ)サリチル酸、4−(N’−オクタデシルカル
バモイルアミノ)サリチル酸等が挙げられ、これらは単
独または混合して用いられる。
【0017】透明感熱記録フィルムの記録層の製造方法
については、有機溶剤中に下記一般式(2)の樹脂を溶
解し、一般式(1)のサリチル酸誘導体からなる顕色剤
粒子を加え分散した分散液に無色又は淡色のロイコ染料
を混合し、透明感熱記録フィルム記録層塗布液とする。
もしくは、分散液に無色又は淡色のロイコ染料および樹
脂溶解液を混合し透明感熱記録フィルム記録層塗布液と
する。
【化6】 (式中、RはCH3またはC37を表わす。l、m、n
はmol%で示すと、l+m+n=100である。) 一般式(2)の樹脂としては、ポリビニルアセタール、
ポリビニルブチラールなどが挙げられる。この種類の樹
脂は、酢酸ビニルを鹸化してポリビニルアルコールと
し、引き続いてさらにブチラール化/アセタール化して
得られる。このl、m、nの割合に関してはJIS K
6728によって規定される、ポリビニルブチラール樹
脂中のポリビニルアルコール成分のモル比率の測定法に
従って測定される。
【0018】分散に使用する有機溶剤としては、一般式
(2)の樹脂および無色又は淡色のロイコ染料を溶解す
るものが用いられる。これら溶剤の例としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、
メチルシクロヘキサン、シクロペンタン等の炭化水素
類、クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼン、ジ
クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール等のアルコール類、エチルエーテル、イソプロ
ピルエーテル、1,3−ジオキソラン等のエーテル類、
アセトン、メチルエチルケトン(以下、MEK)、ジエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル
等のエステル類が挙げられる。これら溶剤は、単独ある
いは混合有機溶剤として使用してもよい。
【0019】一般式(2)の樹脂中の水酸基の数は、2
2mol%以下で顕色剤粒子を分散することが望まし
く、これより水酸基数が多いと安定した微細粒子が得ら
れず感熱記録層液にした場合、液の粘度の増加がおこり
分散が進みにくいことや分散された顕色剤粒子の再凝集
が起こり透明感熱記録フィルムにした場合に透明性の低
下が問題となる。
【0020】また、一般式(2)の樹脂の重合度は50
0〜800の範囲のものが望ましい。これより重合度が
低いと、透明感熱記録フィルムを作製した時に支持体と
の接着性が悪くなり、これより重合度が高いと分散時の
液の粘度が高くなり、分散液の循環が遅く分散効率が悪
くなる。
【0021】また、分散時の顕色剤と樹脂の重量比(一
般式(1)で表される化合物/一般式(2)で表される
化合物)は、5/1から1/1で分散させると、分散効
率および分散液の安定性の面で好ましい。顕色剤の分散
方法としては、ボールミル、サンドミル、横型サンドミ
ル、アトライタ、コロイドミル等の従来公知の方法で分
散させることができる。
【0022】顕色剤粒子の分散の目安としては、粒径が
体積平均粒径0.3μm以下になった時点であることが
望ましい。0.3μm以下に分散されていれば、記録層
および保護層形成後の曇り度(JIS K7105にて
規定)が35%以下であり、透明性に優れた透明感熱記
録フィルムとなる。
【0023】本発明の透明感熱記録フィルム記録層塗布
液は、上記分散液に無色もしくは淡色のロイコ染料また
は無色もしくは淡色のロイコ染料および樹脂溶解液を加
えて作製される。
【0024】ロイコ染料は電子供与性を示す化合物であ
り、単独または2種以上混合して適用されるが、それ自
体無色あるいは淡色の染料前駆体であり、特に限定され
ず従来公知のもの、例えば、トリフェニルメタンフタリ
ド系、トリアリルメタン系、フルオラン系、フェノチジ
アン系、チオフェルオラン系、キサンテン系、インドフ
タリル系、スピロピラン系、アザフタリド系、クロメノ
ピラゾール系、メチン系、ローダミンアニリノラクタム
系、ローダミンラクタム系、キナゾリン系、ジアザキサ
ンテン系、ビスラクトン系等のロイコ化合物が好ましく
用いられる。特に好ましくはフルオラン系およびフタリ
ド系のロイコ染料であり、このような化合物の例として
は、例えば以下に示すようなものが挙げられるが、勿論
これらに限られるものではない。2−アニリノ−3−メ
チル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピ
ル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−ア
ニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチ
ルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−(N−sec−ブチル−N−エチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル
−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキ
シル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−エチル−N−p−トルイジノ)
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メ
チル−N−p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチル
アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、1,3−ジメチル
−6−ジエチルアミノフルオラン、1,3−ジメチル−
6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル
−7−クロロフルオラン、10−ジエチルアミノ−2−
エチルベンゾ[1,4]チアジノ[3,2−b]フルオ
ラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(4−ジエ
チルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリ
ド、3−[2,2−ビス(1−エチル−2−メチル−3
−インドリル)ビニル]−3−(4−ジエチルアミノフ
ェニル)フタリド、3−[1,1−ビス(4−ジエチル
アミノフェニル)エチレン−2−イル]−6−ジメチル
アミノフタリド等。
【0025】感熱記録フィルムの記録層塗布液作製時に
分散液に後添加される樹脂としては、前記分散液樹脂と
同じ樹脂溶解液もしくは、透明性および基材接着性を低
下させない為に重合度500以上の一般式(2)で表さ
れる高分子化合物の樹脂溶解液が望ましい。また、基材
接着性、画像の階調性等を改善する目的で従来公知のバ
インダー樹脂溶解液を必要に応じて添加することができ
る。これらの樹脂溶解液としては、例えば、ポリアクリ
ルアミド、マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリメタクリル酸エステル類、塩化ビニル/酢酸ビ
ニル共重合体、スチレン共重合体、ポリエステル、ポリ
ウレタン、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、
ポリビニルアセタール、ポリビニルアセトアセタール、
ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリアミド等の樹脂
溶解液が挙げられるが、透明性を低下させない為に前記
分散液樹脂と相溶性に優れる樹脂を選択して使用するの
が好ましい。また、感熱発色層中のバインダー樹脂の含
有量についても透明性の観点から感熱発色層の全固形分
の15%以上であることが好ましく、基材接着性、発色
性等を考慮したより好ましい範囲としては25〜40%
の範囲である。
【0026】上記透明感熱記録フィルム記録層塗布液か
ら医療用透明感熱記録フィルムを作製する場合、防眩効
果あるいは画像認識性向上を目的として青色に着色する
こともできる。青み付けの方法としては支持体に青顔料
を混練する、塗工層のいずれか1層以上に青染料、青顔
料を添加する等が挙げられ、青み付けの濃度レベルとし
ては透過濃度で0.25〜0.35の範囲で、色調とし
てはa*=−4〜−15、b*=−5〜−15(測定条
件;d/0、10度視野、光源D65にて10nmごと
に吸光度測定して算出)に囲まれる範囲の色が好まし
い。着色に使用される青染料としては、特に限定がない
が、一般に青色または、青紫色に着色されたレントゲン
フィルム支持体に使用される染料が好ましい。このよう
な染料としては、特公昭47−8734号公報、特公昭
47−30294号公報、特公昭51−25335号公
報等に記載の染料を挙げることができる。染料は単独あ
るいは混合して使用することができる。
【0027】本発明の透明感熱記録フィルムの記録層
は、透明支持体上に塗布・乾燥して形成される。透明支
持体の具体例としては、三酢酸セルロース等のセルロー
ス誘導体フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等の
ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルムあるい
はこれらを貼り合わせたフィルム等があり、好ましくは
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィ
ルムであるが、これに限るものではない。塗布層の接着
性向上のために、少なくとも片面をコロナ放電処理、酸
化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理等による表
面改質をすることができる。透明性が高いフィルムを得
るために、支持体単独の曇り度(JIS K7105で
規定される曇り度、ヘイズ)が10%以下であるポリエ
チレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
【0028】記録層の塗工方式はダイファウンテン方
式、ワイヤーバー方式、グラビア方式、エアーナイフ方
式等、特に限定されない。これらのうち、塗工層の均一
性を得ることができるものとして、支持体に接触するこ
となく塗布することが可能なダイ方式が好ましい。記録
層液において、分散物の粒径が記録材料全体の透明性、
あるいは保護層の表面粗さ、ひいては印字時のドット再
現性に大きく関与するので、粒径は0.5μm以下、特
に0.3μm以下にすると透明性が著しく向上する。記
録層の膜厚は、記録層の組成や感熱記録材料の用途にも
よるが1〜50μm程度、好ましくは3〜20μm程度
である。また、記録層塗布液には、必要に応じて、塗工
性の向上あるいは記録特性の向上を目的に界面活性剤等
種々の添加剤を加えることもできる。
【0029】本発明においては、感熱発色層上に、耐薬
品性、耐水性、耐摩擦性、耐光性及びサーマルヘッドに
対するヘッドマッチング性の向上のために保護層が設け
られる。感熱記録材料の保護層は透明性の観点から考え
ると樹脂単独の層を設けるのが理想的であるが、樹脂の
みの保護層では平滑性が高すぎて、スティッキング、ゴ
ミの引きずりによる印字欠陥の面で充分な性能が得にく
い。特に支持体としてプラスチックフィルムを用いた場
合は紙を支持体とした場合と比較して平滑になりやすい
ことからヘッドマッチングが低下し、ゴミを引きずりや
すくなる傾向が顕著である。また、一般的な熱可塑性樹
脂の場合、ガラス転移点がサーマルヘッドによる加熱よ
りも低いため、樹脂単独の保護層では表面の変質や記録
層の露出などが起きてしまう。このような印字不良、欠
陥は医療画像を出力する材料としては致命的である。こ
のスティッキング、ゴミの引きずり等に対する性能向上
の手段としてはフィラーを含有させるのが一般的であ
る。しかし、透明感熱記録材料の場合、保護層に従来の
反射記録材料に使用されるようなフィラーを含有させる
と透明性が低下する場合が多い。フィラーを添加して透
明性を維持するためには小粒径フィラーにより表面を細
かく粗らす、大粒径フィラーを少量添加して表面を部分
的に粗らす等の方法がある。本発明においては必要に応
じて上記の2つの方法を組み合わせて保護層を形成させ
ることも可能である。保護層表面の摩擦係数としてはヘ
ッドマッチング(滑性を上げる方向)とプラスチックフ
ィルムで発生しやすいゴミの引きずり防止(滑性を下げ
る方向)の両面から見て0.07〜0.14の範囲が好
ましい。
【0030】フィラーの例としてはホスフェートファイ
バー、チタン酸カリウム、針状水酸化マグネシウム、ウ
ィスカー、タルク、マイカ、ガラスフレーク、炭酸カル
シウム、板状炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、板
状水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、焼成クレー、
カオリン、ハイドロタルサイト等の無機フィラーや架橋
ポリスチレン樹脂粒子、尿素−ホルマリン共重合体粒
子、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリメタクリル酸メチル
アクリレート樹脂粒子、グアナミン−ホルムアルデヒド
共重合体粒子、メラミン−ホルムアルデヒド共重合体粒
子の有機フィラーが挙げられる。本発明においてはヘッ
ド摩耗の観点から有機フィラーではメラミン−ホルムア
ルデヒド共重合体粒子が、無機フィラーとしてはカオリ
ン、タルク、水酸化アルミニウムが好ましい。ただし、
本発明はこれに限定されるものではなく、また数々の特
性を付与するために複数のフィラーを同時に用いても良
い。
【0031】本発明において保護層に用いられる樹脂と
しては、記録層同様水溶性樹脂の他、水性エマルジョ
ン、疎水性樹脂及び紫外線、電子線硬化樹脂等を必要に
応じて併用することも可能である。透明性の観点から記
録層と保護層の樹脂の屈折率は支持体の屈折率との比で
0.8〜1.2の範囲に入る材料を用いることが好まし
い。樹脂の具体例としてはポリアクリル酸エステル樹
脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチ
レンアクリレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリル
アミド樹脂等がある。また、樹脂とともに用いる架橋剤
としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物等、
従来から公知の化合物を使用することができる。イソシ
アネート化合物の具体例としては、トルイレンジイソシ
アネート、その2量体、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、ポリイソシアネート及び
これらの誘導体等分子中にイソシアネート基を2個以上
有する化合物があげられる。またエポキシ化合物の具体
例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ブチルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、エポキシアクリレート等があ
げられる。
【0032】さらにヘッドマッチング性を向上させるた
めに保護層にワックス、オイル類を添加したり、バイン
ダー樹脂としてシリコーンで変成された樹脂を混合して
用いる、樹脂と充填剤の比を調節する、などにより摩擦
係数を調節することができる。ここで用いることができ
るワックス類としては、ステアリン酸アミド、パルミチ
ン酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド、エ
チレンビスステアリルアミド、メチレンビスステアリル
アミド、メチロールステアリルアミド、パラフィンワッ
クス、ポリエチレン、カルナウバワックス、酸化パラフ
ィン、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。オイルとして
は一般的なシリコーンオイル等を用いることができる。
【0033】保護層の塗工方式は、特に制限はなく、従
来公知の方法で塗工することができる。好ましい保護層
厚は0.1〜10μm、より好ましくは0.5〜5μm
である。保護層厚が薄すぎると、記録媒体の保存性やヘ
ッドマッチング等の保護層としての機能が不充分であ
り、厚すぎると記録媒体の熱感度が低下するのに加え、
コスト的にも不利である。
【0034】医療用途における透過画像診断の観点から
考えると、本発明の透明感熱記録フィルムの曇り度は3
5%以下が好ましく、これ以上であるとシャウカステン
装着時の画像の鮮明さに欠ける。
【0035】本発明の透明感熱記録フィルムの記録方法
は仕様目的によって熱ペン、サーマルヘッド、レーザー
加熱等、特に限定されないが、この感熱記録フィルムは
医療画像などの高精細かつ高階調な画像を印画するのに
適しており、また装置のコスト、出力スピード、コンパ
クト化の観点からもサーマルヘッドを用いて印画するの
が最も好ましい。
【0036】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限定
されるものではない。なお、実施例中、部及び%はすべ
て重量部を表わす。
【0037】実施例1 下記組成物をサンドミル(シンマルエンタープライゼス
社DYNOMILLtype KDL−A)で粉砕、分
散し、顕色剤分散液[A液]を調製した。なお分散は、
分散液の粒径を堀場製作所社製レーザー回折式粒径測定
装置LA−700で測定し粒径変化がなくなった時点ま
で分散を行った。 [A液] MEK 13部 トルエン 52部 顕色剤4−(N’−n−オクチルカルバモイルアミノ)サリチル酸 85部 10%ポリビニルブチラール樹脂溶解液 (トルエン/MEK=8/2)(商品名:デンカ ブチラール#3000−K、重合度=800、水酸基n=11.5) 850部 この分散液の粒径は、体積平均粒径0.24μmであっ
た。次に、下記組成で調合した[B液]を充分に攪拌
し、透明感熱記録フィルム記録層塗布液を調製した。 [B液] 〔A液〕 75部 化合物(A) 3.3部
【化7】 化合物(B) 0.3部
【化8】 化合物(C) 0.6部
【化9】 化合物(D) 0.9部
【化10】 MEK 20部 次に、帝人製PETフィルム(幅:903mm、厚さ:
175μmのPET、商品名:HPF)に[B液]をワ
イヤーバーで塗布し、120℃のオーブンで乾燥し15
μmの透明感熱記録フィルム記録層を得た。記録層状態
の透明度(ヘイズ値)をスガ試験機 HGH−2DPで
測定したところ、23%であった。
【0038】次に、下記組成物をボールミルで体積平均
粒径0.6μmまで粉砕・分散しフィラー分散液[C
液]、[D液]を作製した。 [C液] カオリナイト (エンゲル ハ−ド社製、ウルトラ ホワイト90) 23部 10%ポリビニルアセタール溶解液 積水化学社製、エスレックKS−1、溶媒:MEK) 70部 MEK 20部 [D液] ステアリン酸亜鉛粒子 11部 12.5%シリコーン変成ポリビニルブチラール溶解液 (日本油脂製) 9部 MEK(大日精化社製SP712、溶媒:MEK) 87部 次に、下記組成で調合した[E液]を充分に攪拌し、透
明感熱記録フィルム保護層塗布液を調製した。 [E液] [C液] 37部 [D液] 7部 10%ポリビニルアセタール溶解液 (積水化学社製、エスレックKS−1、溶媒:MEK) 31部 1,3−ジフェニルグアニジン (大内新興化学社製、ノクセラーD) 0.5部 MEK 48部 上記保護層塗工液をワイヤーバーで上記透明感熱記録フ
ィルム記録層上に塗布し70℃で乾燥し厚さ3μmの保
護層を形成した。作製した透明感熱記録フィルムの透明
度(ヘイズ値)をスガ試験機 HGH−2DPで測定し
たところ、29%であった。次に、この透明感熱記録フ
ィルムをA4サイズに裁断し、SONY社製感熱印字プ
リンターUP−D70XRで医療画像を印字しシャウカ
ステン上で画像評価を行った。また、裁断時に発生する
切りカスにより、支持体と記録層の接着性の評価を行っ
た。評価結果を表1に示した。
【0039】実施例2 実施例1の[A液]、[B液]を下記組成に代えた以外
は実施例1と同様に分散調合し、サンプル作製評価を行
った。結果を表1に示した。 [A液] MEK 64部 トルエン 256部 顕色剤4−(N’−n− オクチルカルバモイルアミノ)サリチル酸 113部 10%ポリビニルブチラール樹脂溶解液(トルエン /MEK=8/2)(商品名:デンカブチラール #3000−K、重合度=800、水酸基n=11.5) 567部 [B液] 〔A液〕 57部 化合物(A) 3.3部 化合物(B) 0.3部 化合物(C) 0.6部 化合物(D) 0.9部 10%ポリビニルブチラール樹脂溶解液 (商品名:デンカブチラール#3000−K、 重合度=800、水酸基n=11.5) 32部 MEK 6部
【0040】実施例3 実施例1の[A液]、[B液]を下記組成に代えた以外
は実施例1と同様に分散調合し、サンプル作製評価を行
った。結果を表1に示した。 [A液] MEK 110部 トルエン 440部 顕色剤4−(N’−n− オクチルカルバモイルアミノ)サリチル酸 150部 10%ポリビニルブチラール樹脂溶解液(トルエン /MEK=8/2)(商品名:デンカブチラール# 3000−K、重合度=800、水酸基n=11.5) 300部 [B液] 〔A液〕 42部 化合物(A) 3.3部 化合物(B) 0.3部 化合物(C) 0.6部 化合物(D) 0.9部 10%ポリビニルブチラール樹脂溶解液(トルエン /MEK=8/2)(商品名:デンカブチラール #3000−K、重合度=800、水酸基n=11.5) 51部 MEK 1部
【0041】実施例4 実施例1の[A液]、[B液]を下記組成以外に代えた
以外は実施例1と同様に分散調合し、サンプル作製評価
を行った。結果を表1に示した。 [A液] MEK 137部 トルエン 548部 顕色剤4−(N’−n− オクチルカルバモイルアミノ)サリチル酸 187部 10%ポリビニルブチラール樹脂溶解液(トルエン /MEK=8/2)(商品名:デンカブチラール# 3000−K、重合度=800、水酸基n=11.5) 127部 [B液] 〔A液〕 34部 化合物(A) 3.3部 化合物(B) 0.3部 化合物(C) 0.6部 化合物(D) 0.9部 10%ポリビニルブチラール樹脂溶解液(トルエン /MEK=8/2)(商品名:デンカブチラール# 3000−K、重合度=800、水酸基n=11.5) 59部 MEK 1部
【0042】実施例5 実施例1の〔A液〕の分散を体積平均粒径0.30μm
で分散を終了した以外は実施例1と同様に分散調合し、
サンプル作製評価を行った。
【0043】実施例6 実施例1の〔A液〕の10%ポリビニルブチラール樹脂
溶解液(トルエン/MEK=8/2)(商品名:デンカ
ブチラール#3000−K、重合度=800、水酸基n
=11.5)を10%ポリビニルブチラール樹脂溶解液
(トルエン/MEK=8/2)(商品名:soluti
a Butvar B76、重合度=800、水酸基n
=12)に代えた以外は実施例1と同様に分散調合し、
サンプル作製評価を行った。結果を表1に示した。
【0044】実施例7 実施例1の〔A液〕の10%ポリビニルブチラール樹脂
溶解液(トルエン/MEK=8/2)(商品名:デンカ
ブチラール#3000−K、重合度=800、水酸基n
=11.5)を10%ポリビニルブチラール樹脂溶解液
(トルエン/MEK=8/2)(商品名:soluti
a Butvar B79、重合度=500、水酸基n
=12)に代えた以外は実施例1と分散調合し、サンプ
ル作製評価を行った。結果を表1に示した。
【0045】実施例8 実施例1の〔A液〕の10%ポリビニルブチラール樹脂
溶解液(トルエン/MEK=8/2)(商品名:デンカ
ブチラール#3000−K、重合度=800、水酸基n
=9〜13)を10%ポリビニルブチラール樹脂溶解液
(トルエン/MEK=8/2)(商品名:デンカブチラ
ール#3000−2、重合度=700、水酸基n=2
0)に代えた以外は実施例1と同様に分散調合し、サン
プル作製評価を行った。結果を表1に示した。
【0046】実施例9 実施例1の〔A液〕の10%ポリビニルブチラール樹脂
溶解液(トルエン/MEK=8/2)(商品名:デンカ
ブチラール#3000−K、重合度=800、水酸基n
=11.5)を10%ポリビニルブチラール樹脂溶解液
(トルエン/MEK=8/2)(商品名:積水化学エス
レックBL−S、重合度=350、水酸基n=26)に
代えた以外は実施例1と同様に分散調合し、サンプル作
製評価を行った。結果を表1に示した。
【0047】実施例10 実施例1の〔A液〕の10%ポリビニルブチラール樹脂
溶解液(トルエン/MEK=8/2)(商品名:デンカ
ブチラール#3000−K、重合度=800、水酸基n
=11.5)を10%ポリビニルアセタール樹脂溶解液
(トルエン/MEK=8/2)(商品名:積水化学エス
レックKS−1、重合度=500、水酸基n=23)に
代えた以外は実施例1と同様に分散調合し、サンプル作
製評価を行った。結果を表1に示した。
【0048】実施例11 実施例1の〔A液〕の10%ポリビニルブチラール樹脂
溶解液(トルエン/MEK=8/2)(商品名:デンカ
ブチラール#3000−K、重合度=800、水酸基n
=11.5)を10%ポリビニルアセタール樹脂溶解液
(トルエン/MEK=8/2)(商品名:デンカブチラ
ール#2000−L、重合度=300、水酸基n=2
2)に代えた以外は実施例1と同様に分散調合し、サン
プル作製評価を行った。結果を表1に示した。
【0049】比較例1 実施例1の〔A液〕の10%ポリビニルアセタール樹脂
溶解液(トルエン/MEK=8/2)(商品名:デンカ
ブチラール#3000−K、重合度=800、水酸基n
=11.5)を10%セルロースアセテート樹脂溶解液
(トルエン/MEK=8/2)(商品名:イーストマン
ケミカルCAB−381−0.1、重合度=63、水酸
基n=1.3)に代えた以外は実施例1と同様に分散調
合し、サンプル作製評価を行った。結果を表1に示し
た。
【0050】比較例2 実施例1の〔A液〕の10%ポリビニルアセタール樹脂
溶解液(トルエン/MEK=8/2)(商品名:デンカ
ブチラール#3000−K、重合度=800、水酸基n
=11.5)を10%セルロースアセテート樹脂溶解液
(トルエン/MEK=8/2)(商品名:イーストマン
ケミマルCAP−482−20、重合度=63、水酸基
n=1.8)に代えた以外は実施例1と同様に分散調合
した。分散液が凝集し記録層液を作製できなかった。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】以上のように、請求項1の透明感熱記録
フィルムによれば、顕色剤として一般式(1)で表され
るサリチル酸誘導体とバインダー樹脂として一般式
(2)で表される高分子化合物を含有することから、透
明性の高い感熱記録フィルムを得ることができる。
【0054】請求項2の透明感熱記録フィルムによれ
ば、上記一般式(2)で表わされる化合物の水酸基数n
が22mol%以下であることから、安定した微細粒子
が得られ記録層塗布液の分散が進み透明感熱記録フィル
ムの透明性を低下させない。
【0055】請求項3の透明感熱記録フィルムによれ
ば、上記一般式(2)で表わされるバインダー樹脂の重
合度が500乃至800であることから、支持体との接
着性が良好で、かつ、分散液の分散効率を悪化させな
い。
【0056】請求項4の透明感熱記録フィルムによれ
ば、透明感熱記録フィルムを構成する少なくとも1層に
青色染料または青色顔料が含有されていることから、シ
ャウカステンの幻影を防止した透明感熱記録フィルムが
得られる。
【0057】請求項5の透明感熱記録フィルムによれ
ば、上記記録層上にバインダー樹脂とフィラーからなる
保護層を形成したことから、ヘッドマッチング性とゴミ
の引きずり防止性の良好な透明感熱記録フィルムを得る
ことができる。
【0058】請求項6の透明感熱記録フィルムによれ
ば、透明感熱記録フィルムの非画像部がJIS K71
05にて規定される曇り度が35%以下であることか
ら、透明性に優れた透明感熱記録フィルムとなる。
【0059】請求項7の透明感熱記録フィルムの製造方
法によれば、有機溶剤中に一般式(2)で表わされるバ
インダー樹脂を溶解し、これに一般式(1)のサリチル
酸誘導体からなる顕色剤粒子を加え分散した分散液にロ
イコ染料を混合して記録層塗布液を調製することから、
記録層塗布液の分散安定性が優れ、得られる感熱記録フ
ィルムの透明性を向上させる。
【0060】請求項8の透明感熱記録フィルムの製造方
法によれば、一般式(1)で表される顕色剤(A)と一
般式(2)で表されるバインダー樹脂(B)の重量比
((A)/(B))が5/1から1/1で分散された分
散液から製造されることから、分散効率および分散液の
安定性が優れる。
【0061】請求項9の透明感熱記録フィルムの製造方
法によれば、顕色剤粒子の粒径が体積平均粒径で0.3
μm以下に分散された分散液により製造されることか
ら、記録層および保護層形成後の曇り度(JIS K7
105にて規定)が35%以下であり、透明性に優れた
透明感熱記録フィルムとなる。
【0062】請求項10の記録方法によれば、上記透明
感熱記録フィルムをサーマルヘッドで印字することか
ら、医療画像などの高精細かつ高階調な画像の印画にお
いて優れた記録画像を形成することができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に無色又は淡色のロイコ染
    料と、該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤及びバイ
    ンダー樹脂を主成分とする感熱記録層を設けてなる感熱
    記録フィルムにおいて、顕色剤として下記一般式(1)
    で表されるサリチル酸誘導体とバインダー樹脂として下
    記一般式(2)で表される高分子化合物を含有すること
    を特徴とする透明感熱記録フィルム。 【化1】 (式中、Rは置換アミノ基を、Xは水素原子、アルキル
    基、フェニル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表
    す。) 【化2】 (式中、RはCH3またはC37を表わす。l、m、n
    はmol%で示すと、l+m+n=100である。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の透明感熱記録フィルムに
    おいて、一般式(2)で表わされる化合物の水酸基数n
    が22mol%以下であることを特徴とする透明感熱記
    録フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の透明感熱記録フ
    ィルムにおいて、一般式(2)で表わされるバインダー
    樹脂の重合度が500乃至800であることを特徴とす
    る透明感熱記録フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項記載の透
    明感熱記録フィルムにおいて、透明感熱記録フィルムを
    構成する少なくとも1層に青色染料または青色顔料が含
    有されていることを特徴とする透明感熱記録フィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項記載の透
    明感熱記録フィルムにおいて、記録層上にバインダー樹
    脂とフィラーからなる保護層を形成したことを特徴とす
    る透明感熱記録フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項記載の透
    明感熱記録フィルムにおいて、透明感熱記録フィルムの
    非画像部がJIS K7105にて規定される曇り度が
    35%以下であることを特徴とする透明感熱記録フィル
    ム。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項記載の透
    明感熱記録フィルムの製造方法であって、有機溶剤中に
    一般式(2)で表わされるバインダー樹脂を溶解し、こ
    れと一般式(1)で表わされる顕色剤を分散させた分散
    液と無色又は淡色のロイコ染料を混合した記録層塗布液
    を透明支持体上に塗布・乾燥することを特徴とする透明
    感熱記録フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の透明感熱記録フィルムの
    製造方法において、一般式(1)で表される顕色剤
    (A)と一般式(2)で表されるバインダー樹脂(B)
    の重量比((A)/(B))が5/1から1/1で分散
    された分散液から製造されることを特徴とする透明感熱
    記録フィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至6のいずれか1項記載の透
    明感熱記録フィルムの製造方法であって、顕色剤粒子の
    粒径が体積平均粒径で0.3μm以下に分散された分散
    液により製造されることを特徴とする透明感熱記録フィ
    ルムの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至6のいずれか1項記載の
    透明感熱記録フィルムをサーマルヘッドで印字すること
    を特徴とする記録方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015205484A (ja) * 2014-04-23 2015-11-19 三菱製紙株式会社 感熱記録材料
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CN115926339A (zh) * 2022-12-02 2023-04-07 百尔罗赫新材料科技有限公司 一种有机锌化物改性的高透明度pvc薄膜及其制备方法

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