JP2004276334A - 感熱記録材料 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応等を利用した、特に透過画像形成シートとして好適な感熱記録材料に関するものであって、とりわけMRI(磁気共鳴映像法)やCT(コンピュータ断層撮影)等のシャウカステンでの診断及び参照を目的とした、銀塩フィルムライクで高画質、高濃度、高保存性の医療用画像形成シートとして好適な感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感熱発色プロセスを利用した記録材料は、従来より電子計算機、ファクシミリ、券売機、ラベルプリンター、レコーダー等の種々の記録材料として使用されており、現像、定着等の頻雑な処理を施す必要がなく、比較的簡単な構造でコンパクトな装置で短時間に記録できること、騒音の発生が少ないこと、さらにコストが安いこと等の利点により、近年急速に市場が拡大しつつある。特に近年は医療分野を中心に、銀塩X線フィルムの湿式プロセスに起因する廃液処理問題及び画像のデジタル化の流れから、簡易にアウトプットできる透明なドライフィルムのシステムが求められている。
【0003】
現在の医療用のドライプロセスとしては、▲1▼光露光熱定着システム、▲2▼熱転写システム、▲3▼直接感熱記録システムの3つが挙げられるが、上記理由により▲3▼の感熱記録材料の使用が多くなっている。
医療診断用途を目的とした場合、感熱記録材料には様々な特性が求められる。例えば、高い階調性を確保するために透過濃度で3.0以上の濃度を確保することが望まれる。これに適した化合物として本発明者らが鋭意検討した結果、下記一般式(1)で表わされるような物質を顕色剤として用いることが好ましいことが分かった[特開2002−160451号公報(特許文献1)、特開2002−219872号公報(特許文献2)]。
【0004】
【化3】
(ここで、R1は炭素数4〜16の直鎖のアルキル基又はアルキルアミノ基を表す)
【0005】
感熱記録材料は支持体上に、主として無色又は淡色のロイコ染料、該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤、及び結着剤としてのバインダー樹脂を主成分とする感熱記録層を設けてなるが、ロイコ染料や顕色剤は分散物という形で感熱記録層中に存在することが多い。分散物の粒径が大きいと発色濃度や感度の低下、ドット再現性の点で好ましくなく、特に透明感熱記録材料の場合には透明性が損なわれて画像認識性が著しく低下するため、1μm、好ましくは0.5μm以下にまで平均粒子径を細かくしなければ好ましい感熱記録材料が得られない。この粒径を実現するために様々な検討が行われている。
【0006】
分散物の平均粒子径を細かくするために、一般的には湿式分散工程における分散時間を長くしたり、助剤として界面活性剤を加える等の対策が行われている。しかし、通常の粉体は一次粒子が数十から数百μmの大きさを持っているため目標粒径に至るのに非常に効率が悪いし、また粒子が細かくなるに従って分散効率が低下するので、長時間の剪断による熱的な作用や表面積の増大による表面エネルギー増大に影響されて分散液が増粘したりするなど、厳密な条件で分散を行わないとその後の塗布工程において好ましくない特性を有する塗布液ができあがってしまう。また、分散機を長時間占有することによって工程全体のリードタイムが長くなると言う弊害もある。特に有機溶媒に分散したものの場合、有機物の分散物を長期間溶剤に触れさせておくことによる品質の悪化が懸念される。従って、湿式分散にあまり時間をかけず、効率良く分散する方法が望まれていた。
【0007】
また、単に粒径を細かくするだけでは感熱記録材料の透明性が得られないことが分かっている。分散物を含有する塗布液を塗工するフィルムの場合、塗布層の透明性は媒質間の屈折率の差や層中の空隙の量等にも影響されるが、特に上記一般式(1)で表わされるような結晶が配向性の強い性質を持つ場合、すなわちその物質を再結晶した時に針状晶や板状晶になるような化合物の場合、結晶中の分子同士の結着力は長軸方向の隣り合った分子とのものが最も強いため、湿式粉砕を行っても、一方向に長いという性質が保持される。
酸化チタン微粒子で知られるように、アスペクト比の大きな微粒子は光の遮蔽性が高く、紫外線遮蔽材料としては有用であるが、逆に透過型画像記録材料においては透明性を低下させる原因となるために好ましくない。従って、塗布後の粒子の形としてはアスペクト比の小さい、例えば球状、円盤状といった形状であることが望まれる。
【0008】
特開昭63−125388号公報(特許文献3)によれば、ジェットミルなどの乾式粉砕法によって高感度を実現しているが、乾式法では粉塵の発生に伴い粉塵爆発の可能性がある。特に配向性を持つ結晶を乾式法で予備粉砕しても、透明性という点では全く向上しない。また、乾式による粉砕や摩砕では大きな衝突エネルギーが熱に変わるために、化合物によっては品質劣化が起こることがある。また、特開平6−210953号公報(特許文献4)では湿式の分散機において固体微粒子同士を衝突させて粉砕するという方法を採っているが、こちらにおいても同様に透明性には効果がない。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−160451号公報
【特許文献2】
特開2002−219872号公報
【特許文献3】
特開昭63−125388号公報
【特許文献4】
特開平6−210953号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は高い発色性と分散効率、透明性、および画像の抜けや鮮明さといった画像認識性を同時に実現した感熱記録材料を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく本発明者らが鋭意検討したところ、原料(ロイコ染料、顕色剤等の固形分散を行うもの、特に顕色剤において有効である)をそのまま湿式分散に使用するのではなく、湿式分散の前の段階において、あらかじめ一旦溶媒に溶解させた原料の溶液を条件の異なる別の溶媒(貧溶媒)と混合して析出させる工程を経て一次粒子径を平均粒子径2μm以下にし、その後得られた粉体を使用すれば上記の問題が解決されることを発見した。
【0012】
ここにいう工程では、精製されて粉体として存在する原料を溶解させたものから製造しても、例えば原料の合成を行った反応液をそのまま用いるなど、一度粉体として取り出されていないものを用いて行うこともできる。また、この操作によって得た微小粒子を濾過と乾燥によって粉体に戻しても、懸濁液をそのまま塗布液へと調製しても良い。
このような粉体処理を行うことにより、湿式分散においては結晶を粉砕するのではなく、非常に細かくなっている一次粒子の凝集体をほぐすという側面を持つために、分散エネルギーをそれほど必要とせず、従来よりもはるかに短時間で目的の粒径の分散を得やすくなる。また、結晶の配向性が著しく低下することにより、同じ粒子径であっても透明性が向上することが分かった。逆に言えば、目的の透明性が得られれば分散をそれ以上進める必要がないことから、こちらも分散時間の縮小に貢献する。両者の相乗効果により、分散時間は格段に改善される。本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
【0013】
すなわち、本発明によれば、支持体上に無色又は淡色のロイコ染料、該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤、及び結着剤としてのバインダー樹脂を主成分とする感熱記録層を設けてなる感熱記録材料において、該顕色剤は溶媒に溶解された原料の溶液を条件の異なる別の溶媒(貧溶媒)と混合して結晶を析出させる工程を経て、一次粒子を平均粒子径2μm以下にした下記一般式(1)で示される化合物であることを特徴とする感熱記録材料が提供される。
【化4】
(ここで、R1は炭素数4〜16の直鎖のアルキル基又はアルキルアミノ基を表す。)
【0014】
本発明の感熱記録材料にいては、下記(1)〜(9)の態様を採用することによって、より好ましい感熱記録材料とすることができる。
(1)該顕色剤として下記一般式(2)で示される化合物を用いる。
【化5】
(ここで、R2は炭素数6乃至12である直鎖アルキル基を表わす)
【0015】
(2)原料溶液を貧溶媒内に投入して結晶を析出させて得る。
(3)原料溶液と、貧溶媒との混合前の温度差を20℃以上とする。
(4)該原料溶液の濃度を10〜50%とする。
(5)原料溶液の濃度を飽和濃度よりも1〜10%低い濃度とする。
(6)塗布液中の分散物の体積平均粒径を1.0μm以下とする。
(7)支持体として、JIS K 7105にて規定される曇り度が10%以下であるポリエチレンテレフタレートフイルムを用いる。
(8)感熱記録材料の非画像部のJIS K 7105にて規定される曇り度が50%以下である。
(9)感熱記録材料が青色に着色されている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明においては、前記一般式(1)で表される化合物を原料として良溶媒に溶解して原料溶媒とし、これを条件の異なる溶媒(貧溶媒)とを混合して結晶(一般式(1)で表される化合物の結晶)を析出させて一次粒子を平均粒子径2μm以下にすることによって、所望の顕色剤が得られる。
【0017】
すなわち、原料溶液と、それと条件の異なる溶媒との速やかな混合により、本来の結晶の長軸方向への成長を妨げ、方位性の少ない一次粒子が得られる。ここで「条件の異なる」というのは、溶媒種、混合物の有無、温度の何れかが原料溶液と異なるものを指す。従って、例えば温度によって溶解度が大きく変わるものの場合は、同じ溶媒を異なる温度で良溶媒と貧溶媒として使用できる。操作方法は、原料溶液を貧溶媒中に投入してもその逆でも良いが、前者の方がより好ましい晶析物が得られる。良溶媒と貧溶媒の選択は原料の溶解度とお互いの溶媒の混ざり易さにも依存する。
【0018】
良溶媒としては原料を10%以上の濃度に溶解させるものが好ましい。濃度は飽和濃度に近く、高くなればなるほど好ましいが、あまり高くなりすぎると原料溶液の粘度が高くなりすぎ、貧溶媒に溶け込むのに時間がかかり、品質が向上しにくいため、50%までが好ましい。一方で薄すぎると処理量が多くなりすぎるので、生産効率や環境配慮の点から好ましくない。また、貧溶媒については原料の溶解性が1%以下であり、事実上溶解しないレベルであると好ましい。
【0019】
処理後の粉体の品質は、一般的には原料溶液と貧溶媒の環境の差が大きい方が良い。従って、溶解度の差以外に温度差も品質に影響する。温度差は、特に溶液側を加熱している際には重要であり、20℃以上の差が付いていることが望ましい。最も好ましいのは原料溶液を良溶媒の沸点で還流させ、融点近くにまで冷却した貧溶媒中に投入する組み合わせである。しかし、原料溶液が飽和濃度である場合、原料溶液の搬送中、あるいは配管での移送中に冷却されて結晶が析出してしまい、これも粉体の品質が向上しにくいし、配管の詰まりなどの工程トラブルの一因になりかねない。従って、原料溶液の濃度は飽和点よりも1〜10%低めに設定するのが好ましい。
【0020】
良溶媒と貧溶媒の混合比(容量比)としては、混合前後の原料が存在する液の環境の差が大きいほど、品質の良いものが得られる傾向にあるため、1:1〜1:10が好ましく、1:2〜1:4が最も良い。
【0021】
かかる良溶媒や貧溶媒としては一般的なものが用いられ、例えば有機溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン等の炭化水素類、クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が、単独あるいは混合有機溶剤として使用される。無機物としては水が挙げられる。結晶成長を妨げるためにこれに原料の類似物質や無機塩等の添加物を加えても良い。
【0022】
本発明に用いられる顕色剤は電子受容性の化合物であり、炭素数4〜16の直鎖のアルキル基と、アミド、ウレタン、尿素から選ばれる分子間水素結合性の接合基とを有する電子受容性化合物が好ましい。特に、直鎖アルキル基とサリチル酸を−NHCO−で接合した下記一般式(1)の化合物は発色性や保存性に優れ、好ましく用いられる。
【化6】
(ここで、R1は炭素数4〜16の直鎖のアルキル基又はアルキルアミノ基を表す)
【0023】
顕色剤として、上記一般式(1)で表されるサリチル酸誘導体が好ましい理由としては、(a)顕色能基として発色に関する高い性能を有するサリチル酸骨格、(b)発色性や保存性に寄与する接合基部分、(c)地肌濃度や濃度低下の抑制に効果のあるアルキル基部分、の3つの要因によって、医療画像出力メディアに求められる品質を高いレベルで実現するためであると考えられる。(a)について、サリチル酸骨格を有するものの代わりに一般的な顕色剤に見られるフェノール基を有するものを用いると濃度が低く、また保存性に難がある。(b)については、例えば−NHと−C=Oを逆にして電子求引性の基を用いると保存性が著しく低下するし、他の接合基では顕色剤分子の会合性が悪いことが原因であると思われる。(c)については、炭素数が4よりも小さい場合は水や有機溶剤への溶解性が上がるために地肌カブリが甚だしく、逆に炭素数が16より大きいと保存性が低下する。従って、上記(a)(b)(c)の組み合わせが重要であり、一般式(1)で表される化合物は、顕色剤として医療画像出力メディアに求められる品質を達成するのに極めて優れている。
【0024】
しかし、この化合物は感熱記録材料における発色性に優れるが、それまでの方法で湿式分散すると充分な透明性が得られなかった。ところが、本発明の結晶を析出させる手段を用いることにより、好ましい透明性を得ることができた。
【0025】
一般式(1)で示される化合物の具体例としては、4−(n−ブタノイルアミノ)サリチル酸、4−(n−ヘキサノイルアミノ)サリチル酸、4−(n−オクタノイルアミノ)サリチル酸、4−(オクタデカノイルアミノ)サリチル酸、4−(N’−n−ブチルカルバモイルアミノ)サリチル酸、4−(N’−n−ヘキシルカルバモイルアミノ)サリチル酸、4−(N’−n−オクチルカルバモイルアミノ)サリチル酸、4−(N’−オクタデシルカルバモイルアミノ)サリチル酸等が挙げられる。
【0026】
更に、顕色剤として下記一般式(2)で示される化合物が地肌カブリ、保存性等において優れる。
【化7】
(ここで、R2は炭素数6〜12の直鎖アルキル基を表す。)
【0027】
本発明で用いられるロイコ染料は電子供与性を示す化合物であり、単独または2種以上混合して適用されるが、それ自体無色あるいは淡色の染料前駆体であり、特に限定されず従来公知のもの、例えば、トリフェニルメタンフタリド系、トリアリルメタン系、フルオラン系、フェノチジアン系、チオフェルオラン系、キサンテン系、インドフタリル系、スピロピラン系、アザフタリド系、クロメノピラゾール系、メチン系、ローダミンアニリノラクタム系、ローダミンラクタム系、キナゾリン系、ジアザキサンテン系、ビスラクトン系等のロイコ化合物が好ましく用いられる。特に好ましくはフルオラン系およびフタリド系のロイコ染料であり、このような化合物の例としては、例えば以下に示すようなものが挙げられるが、勿論これらに限られるものではない。
【0028】
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、
1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,3−ジメチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
10−ジエチルアミノ−2−エチルベンゾ[1,4]チアジノ[3,2−b]フルオラン、
3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、
3−[2,2−ビス(1−エチル−2−メチル−3−インドリル)ビニル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、
3−[1,1−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)エチレン−2−イル]−6−ジメチルアミノフタリド等。
【0029】
本発明で使用するバインダー樹脂としては公知の種々の樹脂を使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸及びそのエステル、ポリメタクリル酸及びそのエステル類、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、スチレン共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリビニルアルコール、デンプン、ゼラチン等がある。樹脂は単独もしくは二種以上混合して適用することができる。
【0030】
記録層におけるバインダー樹脂の使用量としては特に限定するものではないが、塗工液の全固形量に対して0.5〜90重量%、好ましくは1〜60重量%の範囲で調節するのが望ましい。
【0031】
本発明において記録層を形成するには、有機溶剤を使用し、ロイコ染料を溶解させた塗布液を調製して支持体に塗布すると特に良い。かかる有機溶剤としては一般的な溶剤を使用でき、単独あるいは混合有機溶剤として使用される。中でもトルエン、MEK、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルが好ましく、特にトルエン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチルから選ばれる溶剤を有機溶剤系塗布液中の溶剤成分のうちの50%以上に含有させた混合溶剤にすると、地肌カブリに優れる感熱シートが得られる。
【0032】
本発明で使用する支持体の具体例としては、上質紙、中性紙、酸性紙、再生紙、コート紙、ポリオレフィン樹脂ラミネート紙、合成紙、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルムあるいはこれらを貼り合わせたフィルム等が挙げられ、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムであるが、これらに限られるものではない。これらの内、透明性が高いシートを得るためには、支持体単独の曇り度(JIS K7105で規定される曇り度、ヘーズ)が10%以下であるポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
【0033】
また、感熱記録層塗布液の塗布層の接着性向上のために、少なくとも片面をコロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理等による表面改質をすることができる。
【0034】
以上、本発明の感熱記録材料の主成分であるロイコ染料、顕色剤、バインダー樹脂等の具体例を挙げたがこれらに限るものではない。また、必要に応じ公知のフィラー、顔料、界面活性剤、熱可融性物質を添加することができる。
【0035】
本発明の感熱記録層はロイコ染料および顕色剤などをバインダー樹脂とともに均一に分散もしくは溶解しこれを支持体上に塗布、乾燥して作製するが、塗工方式はダイファウンテン方式、ワイヤーバー方式、グラビア方式、エアーナイフ方式等、特に限定されない。これらのうち、塗工層の均一性を得ることができるものとして、支持体に接触することなく塗布することが可能なダイ方式が好ましい。
【0036】
記録層塗布液において、分散物の粒径が記録材料全体の透明性、あるいは保護層の表面粗さ、ひいては印字時のドット再現性に大きく関与するので、体積平均粒径は1.0μm以下、特に本材料においては屈折率の影響から0.5μm以下にすると透明性が著しく向上する。また、記録層塗布液には、必要に応じて、塗工性の向上あるいは記録特性の向上を目的に界面活性剤等種々の添加剤を加えることもできる。
記録層の膜厚は、記録層の組成や感熱記録材料の用途にもよるが1〜50μm程度、好ましくは3〜20μm程度である。
【0037】
本発明においては、感熱発色層上に、耐薬品性、耐水性、耐摩擦性、耐光性及びサーマルヘッドに対するヘッドマッチング性の向上のために保護層を設けることが好ましい。
感熱記録材料の保護層は透明性の観点から考えると樹脂単独の層を設けるのが理想的であるが、樹脂のみの保護層では平滑性が高すぎて、スティッキング、ゴミの引きずりによる印字欠陥の面で充分な性能が得にくい。特に支持体としてプラスチックフィルムを用いた場合は紙を支持体とした場合と比較して平滑になりやすいことからヘッドマッチングが低下し、ゴミを引きずりやすくなる傾向が顕著である。また、一般的な熱可塑性樹脂の場合、ガラス転移点がサーマルヘッドによる加熱よりも低いため、樹脂単独の保護層では表面の変質や記録層の露出などが起きてしまう。このような印字不良、欠陥は医療画像を出力する材料としては致命的である。このスティッキング、ゴミの引きずり等に対する性能向上の手段としてはフィラーを含有させるのが一般的である。しかし、透明感熱記録材料の場合、保護層に従来の感熱記録材料に使用されるようなフィラーを含有させると透明性が低下する場合が多い。
【0038】
フィラーを添加して透明性を維持するためには小粒径フィラーにより表面を細かく粗らす、大粒径フィラーを少量添加して表面を部分的に粗らす等の方法がある。本発明においては必要に応じて上記の2つの方法を組み合わせて保護層を形成させることも可能である。保護層表面の摩擦係数としてはヘッドマッチング(滑性を上げる方向)とプラスチックフィルムで発生しやすいゴミの引きずり防止(滑性を下げる方向)の両面から見て0.07〜0.14の範囲が好ましい。
【0039】
フィラーの例としてはホスフェートファイバー、チタン酸カリウム、針状水酸化マグネシウム、ウィスカー、タルク、マイカ、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、板状炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、板状水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、焼成クレー、カオリン、ハイドロタルサイト等の無機フィラーや架橋ポリスチレン樹脂粒子、尿素−ホルマリン共重合体粒子、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂粒子、グアナミン−ホルムアルデヒド共重合体粒子、メラミン−ホルムアルデヒド共重合体粒子の有機フィラーが挙げられる。
本発明においてはヘッド摩耗の観点から有機フィラーではメラミン−ホルムアルデヒド共重合体粒子が、無機フィラーとしてはカオリン、タルク、水酸化アルミニウムが好ましい。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、また数々の特性を付与するために複数のフィラーを同時に用いても良い。
【0040】
本発明において保護層に用いられる樹脂としては、記録層と同様、水溶性樹脂の他、水性エマルジョン、疎水性樹脂及び紫外線、電子線硬化樹脂等を必要に応じて併用することも可能である。透明性の観点から記録層と保護層の樹脂の屈折率は支持体の屈折率との比で0.8〜1.2の範囲に入る材料を用いることが好ましい。
【0041】
樹脂の具体例としてはポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等がある。また、樹脂とともに用いる架橋剤としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物等、従来から公知の化合物を使用することができる。
【0042】
イソシアネート化合物の具体例としては、トルイレンジイソシアネート、その2量体、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリイソシアネート及びこれらの誘導体等分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物があげられる。またエポキシ化合物の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシアクリレート等があげられる。
【0043】
さらにヘッドマッチング性を向上させるために保護層にワックス、オイル類を添加したり、バインダー樹脂としてシリコーンで変成された樹脂を混合して用いる、樹脂と充填剤の比を調節する、などにより摩擦係数を調節することができる。
【0044】
ここで用いることができるワックス類としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド、エチレンビスステアリルアミド、メチレンビスステアリルアミド、メチロールステアリルアミド、パラフィンワックス、ポリエチレン、カルナウバワックス、酸化パラフィン、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。オイルとしては一般的なシリコーンオイル等を用いることができる。
【0045】
本発明の保護層塗布液に使用できる溶剤は特に限定されず、例えば水をはじめとして、前記した記録層塗布液に好適な有機溶剤などを、単独あるいは混合溶剤として使用される。これらのうち、特に溶解能が高い溶剤を用いると保護層液塗布時に感熱記録層からのロイコ染料の溶出があるために記録層内の染料含有量が低下し、保存性への悪影響が見られる。溶解能が低い溶剤を用いると低分子が保護層中に拡散しないために保護層の強度低下もないし、記録層塗布後の地肌カブリを溶剤のみで低減することもできる。また高沸点溶剤を用いると溶剤が層中に残りやすく、こちらも保存性には好ましくない。
従って、ロイコ染料の溶解性が低く沸点も低いという点から、酢酸エチルを主成分(70重量%以上)とした保護層塗布液を用いるのが特に好ましい。
【0046】
保護層の塗工方式は、特に制限はなく、従来公知の方法で塗工することができる。好ましい保護層厚は0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜10μmである。保護層厚が薄すぎると、記録媒体の保存性やヘッドマッチング等の保護層としての機能が不充分であり、厚すぎると記録媒体の熱感度が低下するのに加え、コスト的にも不利である。
【0047】
本発明では、感熱記録層や保護層は、各層の塗布液を塗布し、引き続き乾燥ボックスに搬送し乾燥して形成するが、この乾燥に供される気体の温度は80℃以上であると好ましい。乾燥温度が80℃未満であっても塗膜は形成されるが、乾燥工程終了直後では塗液に使用されている溶剤が充分に除去されず、保存性に影響が出る。また製品の性能の安定化のために30〜60℃の環境下で数日〜数週間に渡ってキュアが行われることがしばしばあるが、この工程でのブロッキングの懸念があるし、キュアに掛ける時間が延びるために生産管理上好ましくない。乾燥温度は高い程良いが、あまり高くなると塗膜のムラにつながるし、地肌カブリ等の品質にも影響する。地肌カブリは、ある程度のレベルまでは保護層塗布によって低減されるため、特に好ましい乾燥温度範囲は80〜150℃である。
【0048】
本発明の感熱記録材料の非画像部のJIS K7105にて規定される曇り度は、医療用途における透過画像診断の観点から考えると、50%以下が好ましく、より好ましくは30%以下である。50%を超えるとシャウカステン装着時の画像の鮮明さに欠ける。
【0049】
この感熱記録材料は、防眩効果あるいは画像認識性向上を目的として青色に着色して用いることもできる。青み付けの方法としては支持体に青顔料を混練する方法、塗工層のいずれか1層以上に青染料、青顔料を添加する方法等が採用され、青み付けの濃度レベルとしては透過濃度で0.15〜0.25の範囲が、色調としてはa*=−4〜−15、b*=−5〜−15(測定条件;d/0、10度視野、光源D65にて10nmごとに吸光度測定して算出)に囲まれる範囲の色が好ましい。用いることのできる青顔料、青染料は特に限定されず、種々公知の材料を使用することができる。
【0050】
なお、本発明においては、支持体と感熱記録層との間、保護層と感熱記録層の間に接着性、平滑性の向上などの必要に応じて中間層として顔料、バインダー、熱可融性物質などを含有する層を設けることが出来る。
本発明の感熱記録材料において合成紙やプラスチックフィルムを用いた場合、帯電等によるゴミ付着の可能性が非常に高くなる。また、静電気により搬送性が低下する場合もある。これに対して帯電防止材料を含有させるなどにより帯電防止能を有するバック層を設けて帯電防止を行うことが好ましい。帯電防止材料としては電子伝導型、イオン伝導型等の公知の材料が挙げられ、表面抵抗値としてゴミ付着に対して効果が見られる1×1010オーム/m2以下とすることが好ましい。
【0051】
また、本発明の感熱記録材料においてはカール調整、搬送性調整のためのバック層、銀塩フィルムライクにマット剤を含んだバック層も設けることが可能であり、これについても前記した記録層、保護層の材料等、種々の公知の材料を使用することが出来る。マット剤の粒径としては0.3〜10μm程度が好ましく、バック層の厚みとしては0.1〜10μmの範囲が好ましい。
【0052】
本発明の感熱記録材料は、医療用途のプリンターに対して平板、またはロールの形態で供給されるが、平板の場合は銀塩フィルムと同等となるように感熱記録材料の全厚を170〜250μmとすることが好ましい。ロールの場合は巻き長さ、巻き癖カール等の点から感熱記録材料の全厚を50〜140μm程度とすることが好ましい。特にプラスチックフイルムを支持体として用いた場合は、ロールの流れ方向のガーレー剛度を190〜250mgfとすることが好ましい。
【0053】
本発明の感熱記録材料の記録方法は仕様目的によって熱ペン、サーマルヘッド、レーザー加熱等、特に限定されないが、この感熱記録材料は医療診断画像などの高精細かつ高階調な画像を印画するのに適しており、また装置のコスト、出力スピード、コンパクト化の観点からもサーマルヘッドを用いて印画するのが最も好ましい。
【0054】
【実施例】
以下本発明を実施例によって説明する。なお、以下における部及び%はいずれも重量基準である。
【0055】
(原料粉体の処理)
表1に従って粉体を作製した。表中の良溶媒と貧溶媒の比は、常温における体積比を示す。
【0056】
【表1】
【0057】
《粉体1〜2、4〜11、14》
図1に示すように、三角フラスコ11内に原料粉体と、表1で対応する濃度になるように良溶媒を入れ、ウォーターバス12中で指定温度まで加温した。原料粉体が完全に溶解したのを確認してからウォーターバス12から外し、図2のように指定温度になっている貧溶媒26(ビーカー22内でマグネチックスターラー25を用いて激しく撹拌)の中に3秒以内に全量を投入した。析出させてできた懸濁液はすぐさま減圧濾過で濾別し、引き続き送風乾燥機にて乾燥減量1%以下になるまで乾燥させた。
【0058】
(薬品使用量例)粉体1
4−(N’−オクチルカルバモイルアミノ)サリチル酸 100g
テトラヒドロフラン(比重0.89) 567g(637ml)
水(比重1.00) 2548g(2548ml)
4−(N’−オクチルカルバモイルアミノ)サリチル酸の飽和濃度は、メタノールでは20℃に1.3%、65℃(還流時)に16.3%、THFでは20℃に12%、66℃(還流時)に35%、DMFでは80℃に63%、水では20℃に不溶である。オクタデシルホスホン酸と4−(N−オクタノイル)サリチル酸の飽和濃度は、THF還流時にそれぞれ30%、42%である。
粉体8を作製時、ウォーターバスから外してビーカー内に投入する間に結晶が少しずつ析出してきてしまっていた。走査型電子顕微鏡で粉体を観察すると、微小な鱗片状の結晶の中に柱状の結晶が混合されていた。
【0059】
《粉体3》
三角フラスコ内に原料粉体と、表1で対応する濃度になるように良溶媒を入れ、ウォーターバス中で指定温度まで加温した。原料粉体が完全に溶解したのを確認してから指定温度に維持してある貧溶媒を3秒以内に全量を加えた。析出させてできた懸濁液はすぐさま減圧濾過で濾別し、引き続き送風乾燥機にて乾燥減量1%以下になるまで乾燥させた。
【0060】
《粉体12、15〜16》
原料粉体をそのまま用いた。
【0061】
《粉体13》
原料粉体をガラス製乳鉢で充分に擂潰した後に用いた。
【0062】
(実施例1)
下記組成物をボールミルで100時間分散し、顕色剤分散液[A液]を調製し、この[A液]とロイコ染料を用いて感熱記録層塗布液を調整した。粒径は堀場製作所社製レーザー回折式粒径測定装置LA−700で測定した。
[A液]
MEK 2部
トルエン 66部
粉体1 15部
15%ポリビニルブチラール樹脂溶液 17部
(ソルーシア社製ButvarB79、溶媒:MEK)
[B液]
[A液] 55部
ロイコ染料 3部
(山田化学工業社製ETAC:2−アニリノ−3−
メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン)
15%ポリビニルブチラール樹脂溶液 40部
(ソルーシア社製ButvarB79、溶媒:MEK)
MEK 2部
【0063】
同様に、下記組成物をボールミルで体積平均粒径0.3μmまで粉砕・分散しフィラー分散液[C液]を調製し、さらに下記組成で調合した[D液]を充分に攪拌し、保護層塗布液を調製した。
[C液]
カオリン(エンゲルハ−ド社製、ウルトラホワイト90) 23部
10%ポリビニルアセトアセタール樹脂溶液 70部
(積水化学社製エスレックKS−1、溶媒:MEK)
MEK 20部
[D液]
[C液] 37部
10%ポリビニルアセトアセタール溶解液 31部
(積水化学社製エスレックKS−1、溶媒:MEK)
MEK 48部
【0064】
調製した記録層塗布液[B液]、保護層塗布液[D液]を、厚さ175μmの透明ポリエステルフィルム(曇り度3%)上にワイヤーバーを用いて順次塗工し、充分乾燥して厚さ15μmの感熱記録層、2μmの保護層を形成し、感熱記録シートを作製した。
【0065】
(実施例2)
[A液]における粉体1を粉体2に変更した以外は実施例1と同様に感熱記録シートを作製した。
【0066】
(実施例3)
[A液]における粉体1を粉体3に変更した以外は実施例1と同様に感熱記録シートを作製した。
【0067】
(実施例4)
[A液]における粉体1を粉体4に変更した以外は実施例1と同様に感熱記録シートを作製した。
【0068】
(実施例5)
[A液]における粉体1を粉体5に変更した以外は実施例1と同様に感熱記録シートを作製した。
【0069】
(実施例6)
[A液]における粉体1を粉体6に変更した以外は実施例1と同様に感熱記録シートを作製した。
【0070】
(実施例7)
[A液]における粉体1を粉体7に変更した以外は実施例1と同様に感熱記録シートを作製した。
【0071】
(実施例8)
[A液]における粉体1を粉体8に変更した以外は実施例1と同様に感熱記録シートを作製した。
【0072】
(実施例9)
[A液]における粉体1を粉体9に変更した以外は実施例1と同様に感熱記録シートを作製した。
【0073】
(実施例10)
[A液]における粉体1を粉体10に変更した以外は実施例1と同様に感熱記録シートを作製した。
【0074】
(実施例11)
[A液]における粉体1を粉体11に変更した以外は実施例1と同様に感熱記録シートを作製した。
【0075】
(比較例1)
[A液]における粉体1を粉体12に変更した以外は実施例1と同様に感熱記録シートを作製した。
【0076】
(比較例2)
[A液]における粉体1を粉体13に変更した以外は実施例1と同様に感熱記録シートを作製した。
【0077】
(比較例3)
[A液]における粉体1を粉体14に変更した以外は実施例1と同様に感熱記録シートを作製した。
【0078】
(比較例4)
[A液]における粉体1を粉体15に変更した以外は実施例1と同様に感熱記録シートを作製した。
【0079】
(比較例5)
[A液]における粉体1を粉体16に変更した以外は実施例1と同様に感熱記録シートを作製した。
【0080】
以上のようにして作製された感熱記録シートに対し、ソニー社製ビデオプリンターUP−D70XRを用いて17階調の画像を印画した。曇り度(JIS K7105による)は、スガ試験機社製直読ヘーズコンピューターHGM−2DP型により測定した。透過濃度はGretag Macbeth社製透過濃度計TD−904を用いて測定した。分散前粒子径は走査型電子顕微鏡にて代表する形状の10個を任意抽出して観察し、最も長い部分を粒径とした。
粉体の評価結果を表2に示す。
【0081】
【表2】
【0082】
(分散効率の評価)
また、シンマルエンタープライゼス社ダイノーミルKDL−A型で混合液[A液]100mlを分散(150mlバッチ、0.65mmジルコニアビーズ使用)した。分散液の体積平均粒径の推移を表3に示す(単位:μm)。表3の結果から、本発明の手法を用いることにより、物質は同じでも分散効率が向上していることが分かる。
【0083】
【表3】
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、高密度で透明度に優れ、特にMRIやCT等の医療用画像形成シートとして好適な感熱記録材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】原料粉体を良溶媒に溶解した状態を説明するための図である。
【図2】原料溶媒を貧溶媒に加える様子を説明するための図である。
【符号の説明】
11 三角フラスコ
12 ウォーターバス
13 還流塔
14 攪拌子
15 マグネットスタラー
16 原料溶媒
21 恒温器
22 ビーカー
24 攪拌子
25 マグネチックスタラー
26 貧溶媒
Claims (10)
- 顕色剤が原料溶液を貧溶媒内に投入して結晶を析出させて得たことを特徴とする請求項1または2記載の感熱記録材料。
- 原料溶液と、貧溶媒との混合前の温度差が、20℃以上あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 原料溶液の濃度が10〜50%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 原料溶液の濃度が飽和濃度よりも1〜10%低い濃度であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 感熱記録層の塗布液中の分散物の体積平均粒径が1.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 支持体として、JIS K 7105にて規定される曇り度が10%以下であるポリエチレンテレフタレートフイルムを用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 感熱記録材料の非画像部のJIS K 7105にて規定される曇り度が50%以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 青色に着色されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の感熱記録材料。
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2003
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