JP2006082309A - 透明感熱記録媒体 - Google Patents

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真治 岡田
Hideo Aihara
秀夫 相原
Hiroshi Higashimatsu
宏 東松
Yutaka Kuga
ゆたか 久我
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Abstract

【課題】本発明の目的はカールが少なく、また重ね時の密着が小さく、更に静電気によるゴミ、ホコリの付着の少ない透明感熱記録材料を提供することにある。
【解決手段】透明支持体上に少なくとも無色又は淡色のロイコ染料と、該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤及び結着剤としてのバインダー樹脂を主成分とする感熱記録層、更にその上に樹脂を含む保護層を設けてなる感熱記録材料において、感熱記録層と反対側の支持体に近い側に、少なくともバインダーを含むカール防止層を設け、更にその上に少なくともフィラー及びバインダーを含有する密着防止層を設け、更にその上に少なくとも帯電防止剤を含有する帯電防止層を設けた事を特徴とする透明感熱記録媒体。
【選択図】なし

Description

本発明は電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した透明感熱記録媒体に関し、透明性が高く、且つカール、ゴミ付着の少ない透明感熱記録材料に関するものである。
無色もしくは淡色のロイコ染料と接触時発色させる顕色剤との間の、熱・圧力などによる発色反応を利用した記録材料は種々提案されている。その一つの感熱記録材料は、現像、定着等の煩雑な処理を施す必要がなく、比較的簡単な装置で短時間に記録できること、騒音の発生が少ないこと、更にコストが安いこと等の利点により、電子計算機、ファクシミリ、券売機、ラベルプリンター、レコーダー等の種々の記録材料として有用である。
これら感熱記録材料は、一般的には紙の上に前記した発色性染料及び顕色剤が塗布され製造される。近年医療分野を中心に銀塩X線フィルムの湿式プロセスに起因する廃液処理問題及び画像のデジタル化の流れから、簡易にアウトプットできる透明なドライフィルムのシステムが求められている。そのような流れの中で感熱プロセスにおいてもそのプロセスの簡便さから透明な感熱記録フィルムが求められている。
しかしシート状で取りあつかうにあたっては積み重ねしたシート同士の密着、あるいは静電気はりつき等の原因によりフィルム搬出時の重走という問題も有していた。また透明支持体に用いられるプラスチックフィルムは、電気絶縁性であり表面抵抗が高く表面にゴミやホコリが付着しやすい。感熱プロセスでよく用いられているサーマルヘッドは記録シートとヘッドとの直接接触プロセスであるため、プラスチックフィルムのような平滑性の高い支持体を用いた場合、塗布表面が平滑になり易いことから、そのようなゴミやホコリが印字走行中に感熱記録材料とサーマルヘッドの間にはさまり、その部分及びその近傍において画像がスジ状に抜ける現象(以下白スジという)が発生しやすいという問題があった。これらの問題に対し、記録面と反対側の面(以下バック層とする)に帯電防止層を設けた透明感熱記録媒体としては特許文献1、特許文献2等で様々なものが提案されている。また帯電防止をしつつ、更にバック層をマット化し搬送性を解決した感熱記録媒体に関しては特許文献3、特許文献4、特許文献5等で提案されている。
また、透明感熱記録材料は表面の感熱記録層および保護層中に透明性、濃度階調(γ特性)、結着性やバリア性の機能を付加させるため、一般の感熱記録材料に比較して多量の樹脂を含むために、塗布乾燥後の層中樹脂の収縮により、塗膜の内部応力の上昇による歪みが発生するため表面側へのカールが起こり、従ってシャーカステンへの装着等の取扱性が悪く、印字の際には走行不良を起こすという欠点があった。又、水溶性樹脂のバック層への塗布は樹脂の吸湿性の高さから、湿度変化により伸縮が起こり、カールに対する効果は環境に依存しやすく効果が一定ではない。これらカールに対し、記録面と反対側の面(以下バック層とする)にカール防止層を持たせる感熱記録媒体として特許文献6、特許文献7、特許文献8等、更にカール防止と共に帯電防止機能を持たせる感熱記録媒体として特許文献9、特許文献10等が提案されている。
しかし、これらの密着搬送性、帯電防止、カール防止等はそれぞれ単独の材料での提案であり、全てを取り入れた場合、他の効果が十分でなくなる、また透明性、地肌濃度が低下するという問題が残っている。
特公平07−041742号公報 特許第2673260号公報 特開平10−193796号公報 特開平07−25167号公報 特開2002−219872号公報 特開平08−282112号公報 特開2001−246855号公報 特開2002−37827号公報 特開平10−175373号公報 特開2002−144727号公報
本発明の目的はカールが少なく、また重ね時の密着が小さく、更に静電気によるゴミ、ホコリの付着の少ない透明感熱記録材料を提供することにある。
本発明によれば、透明支持体上に無色又は淡色のロイコ染料と、該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤及び結着剤としてのバインダー樹脂を主成分とする感熱記録層、更にその上に樹脂を含む保護層を設けてなる感熱記録材料において、該支持体の裏面に有機溶剤に溶解したTgが55℃以上である非水溶性ポリエステル樹脂のバック層を設けたことを特徴とした透明感熱記録材料が提供される。本発明の透明感熱記録材料の詳細について説明する。
まず鋭意検討した結果、記録媒体の層構成として、導電性を高める為には、最外層での表面抵抗値が低い事が必要である事を発見した。その為、本発明のように、帯電防止を機能する材料は最外層にある必要がある。しかし、これら帯電防止機能を記録面の方に持たせることを考慮するとこれらの帯電防止層を形成するには、一般に用いられる導電性材料が使用できるがこれらの導電性材料は最表面で更に水平方向に分布している事により、導電機能を持つ。その為導電性材料と一般的なバインダーあるいは、フィラーのような絶縁性の材料と混在させた時、導電機能が弱まってしまう。その為、導電性材料は層内での多く比率をしめる必要がある。
一方、カールを防止するためにはバインダー自体の収縮により効果を示す為、カール防止材料であるバインダーがカール防止層の多くの比率を占める必要がある。カール防止層に関しては記録層面と反対側の面に設けることが好ましい。また、シートを重ねた場合の密着性を解決するには、フィラー添加等によって、表面をあらす事で効果を示す。粗さに関しては粗ければ粗い方が効果が大きい。しかし、記録面を粗した場合には、サーマルヘッドの密着性が悪くなり熱の伝達を妨げる為、感度の低下、記録部の白抜け等の問題があるため、この機能も記録面と反対側の面にもたせることが好ましい。この時、粗さ自体は最外層部分において必要ではあるが、添加するフィラー自体は最外層に存在する必要はなく、最外層の下の層に存在させ、積層する層で下層の粗さを残すようにすればよい。
その為これら3つの機能を全てバック面側に持たせることを考慮すると、まず帯電防止層はバック面の最外層にある必要があり、帯電防止層は少なくとも導電性材料及びそれを保持できるバインダーがあればよく、この2つの材料のみで構成させる事が好ましい。また導電性材料は着色するものが多く、目的とする効果を示すできるだけ少ない量にする事が好ましく、2μm以下程度に薄膜化することが好ましい。
次にカール防止層はバック側で帯電防止層と別の層である事が必要となり、少なくとも可撓性が少なく硬いバインダーを含有した膜厚3μm以上の層を、最外層の帯電防止層の下層に構成させる事でカール防止と、帯電防止の機能を効率的に持たせることができる。
そして、密着防止層としては最外層に粗さを持たせればよい為、バック面に平均粒径3μm以上、好ましくは、平均粒径5μm以上の大きいフィラーを入れる事で目的を達成できる。しかし、最外層の帯電防止層へこれらフィラーを添加した場合、導電性を阻害する要因となると共に、前記したとおり、帯電防止層は薄膜化する必要があるのに対し、フィラーの粒径が大きい為、フィラーを保持する機能が十分でなく、添加したフィラーが製造工程、取り扱いの中で欠落するという問題がある。
これらの事から、密着防止としてのフィラー添加は最外層の帯電防止層とは別に膜厚2μm以上の層に添加することが必要となる。
これらの理由から層の構成を考慮するとまず、支持体上に少なくとも無色又は淡色のロイコ染料と、該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤及び結着剤としてのバインダー樹脂を主成分とする感熱記録層、更にその上に樹脂を含む保護層を設けて、またバック側に少なくとも可撓性が少なく硬いバインダー及び少なくとも平均粒径3μm以上のフィラーを含有した膜厚3μm以上の層、更にその上に少なくとも導電性材料及びそれを保持できるバインダーを含有した膜厚2μm以下の層を構成させる事で、これらの課題を解決できる事を見出した。この時カール防止バインダーと密着防止フィラーを含む層は別々の層でもよく、フィラーを含む層は最外層に粗さを付与する事から、最外層の下に設ける事が好ましい。
本発明での課題の一つである帯電防止剤に関しては、現在様々な帯電防止剤が様々な用途で使用されている。帯電防止機能としては、表面抵抗値1010Ωcm以下程度が必要である。
その程度の導電性を持たせられる帯電防止剤として、大きく分けると界面活性剤を用いるものと、導電性金属酸化物を用いるもの、導電性ポリマーを用いるものに分けられる。まず、前者の界面活性剤を用いるものは現在の帯電防止剤の大半を占めている。これら界面活性剤はアニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性の4種類に分けられるが、帯電防止剤としてはカチオン系、あるいは両性の界面活性剤が制電性、耐久性の点で優れている。これらの界面活性剤タイプのものは比較的安価であり、種類も豊富でまた性能的にも良いものがあるが、界面活性剤自体の水分の吸着によって導電性を実現しているものが多いため、湿度の影響を受けやすく、低湿下での制電性は低下する傾向にある。
一方、導電性金属酸化物を用いたものは、前者の界面活性剤タイプと比べると種類が少なく、また高価である。しかし金属酸化物自体が導電性を持っているため導電率が高く、低付着量でも優れた導電性を示すため高い透明性を保つことができる。また、湿度の影響を受けず低湿下においても制電性は優れている。導電性金属酸化物としては例えばSnO2、In23、ZnO、TiO2、MgO、Al23、BaO、MoO3等が単独、あるいはP、Sb、Sn、Zn等と混合した複合酸化物などが挙げられるが、これらに限ったものではない。これらの金属酸化物の微粉末はなるべく細かい方がよく、細かいほど優れた透明性を示す。本発明では帯電防止剤の平均粒径を0.2μm以下とすることで優れた透明性を実現している。またこれらの金属酸化物は着色しているものが多いため、記録媒体の透過率を低下させてしまう、または色調を変えてしまい、目的に応じた色調への対応ができなくなってしまう、等の問題から使用量が少ない方が好ましい。またこれらと混合して使用されるバインダーとしては例えば、水溶性樹脂、水性エマルジョン、疎水性樹脂及び紫外線硬化樹脂、さらに電子線硬化樹脂が包含される。
水溶性樹脂としては例えば、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、スチレン−無水マレイン酸、カルボキシ変性ポリエチレン樹脂などが挙げられる。水性エマルジョン、疎水性樹脂としては例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリブチルアクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、エチレン/酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。またこれらは単独もしくは混合して使用され、さらに必要に応じて硬化剤を添加して樹脂を硬化させてもよい。紫外線硬化樹脂は紫外線によって重合反応を起こして硬化してなるモノマー、オリゴマーあるいはプレポリマーであればその種類は特に限定されず、公知のものが使用できる。電子線硬化樹脂も特に種類は限定されないが、特に好ましい電子線硬化樹脂としては、ポリエステルを骨格とする5官能以上の分枝状分子構造を有する電子硬化樹脂を主成分としたものである。
金属酸化物とバインダーの比は、バインダー1重量部に対して金属酸化物の添加量は0.05〜2重量部程度がよく、好ましくは0.2〜1.5重量部程度がよい。以下、本発明の感熱記録媒体の詳細について説明する。
また、導電性ポリマーに関しては近年開発が進んできた材料であり有機高分子中に電子供与体をドーピングした材料等がこれに挙げられ、これらに用いられる有機高分子としてはポリアセチレン等に代表される脂肪族系、ポリパラフェニレンなどの芳香族、ポリピロール等の複素環、ポリアニリンなどの芳香族アミン類等共役系高分子、また、主鎖が共役系でなくとも、側鎖に環状π共役基などがあげられ、これらの高分子材料に電子供与体をドーピングさせる。これらの材料も導電性金属酸化物などと同様に水分による、導電性機能ではない為、低湿化でも導電性機能を示す。また、高分子、電子供与体によっても違うが、導電機能が非常に高くする事が可能で、薄い膜でも帯電防止には十分な機能を持たすことができる。
カールとは先に述べたとおり、感熱記録層、保護層の表面塗布層中の樹脂が乾燥後に収縮するため、塗膜の内部応力の上昇による歪みが発生するために表面側にカールが起こるものである。そのため表面と同量カールするように支持体の一方の側にバック層を塗布して、表面と裏面のカールバランスをとることが肝要である。樹脂のTg(ガラス転移点)とは、ガラス状態に固化する温度であり、その比容積、比熱、熱膨張係数等の物性が急激な変化をきたし、分子のミクロブラウン運動がおこり、堅さが増すが脆くなり、またの名を脆化点ともいう。
そのためTgは樹脂の堅さ、柔らかさの目安であり、高Tgの樹脂を堅く脆い樹脂、低Tgの樹脂は柔らかく可撓性の樹脂と示される。従ってTgが60℃以上のポリエステル樹脂のバック層を設けることにより、樹脂が堅さから収縮により、バック側へカールすることによりカールバランスをとれることを見出した。このとき60℃以下の樹脂であると、可撓性が高いためカールはせず、また乾燥後にベトツキが発生して表面と裏面の間にブロッキングを起こす。使用される樹脂は非水溶性のため、有機溶剤に溶解塗布されるが、非水溶性のため吸湿性がなく、湿度変化による環境変動によってもカールへの効果は影響をうけないものになる。これらのカール防止機能を持たせるためのバインダーは特に限定されないが、一般的な樹脂として水溶性樹脂の他、水性エマルジョン、疎水性樹脂及び紫外線、電子線硬化樹脂等が挙げられる。樹脂の具体例としてはアクリル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、エチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等がある。又、必要に応じて架橋剤を添加することもできる。このような樹脂とともに用いる架橋剤としては、従来から公知の化合物を使用することができる。又、透明性の観点から本発明における保護層樹脂は透明支持体との屈折率の比が0.8〜1.2の間である樹脂を使用するのが好ましい。
これらの樹脂の中でカール防止としてはアクリル系樹脂がより少ない量で効果を示しやすい。またこれらの樹脂と支持体との接着性が悪い場合、必要に応じて支持体への接着処理、あるいは接着層を設けてもよい。
本発明で密着防止に使用するフィラーとしては透明性を落とさないで、且つ本発明の保護層表面を形成できれば前記粒径よりも大きな充填剤を少量添加するが好ましい。フィラーの例としてはホスフェートファイバー、チタン酸カリウム、針状水酸化マグネシウム、ウィスカー、タルク、マイカ、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、板状炭カル、水酸化アルミニウム、板状水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、ハイドロタルイサイト等の無機フィラーや架橋ポリスチレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、シリコーン樹脂、架橋ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂等の有機フィラーが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
これらのフィラーに関しては前記述べたように、密着性を防止するために平均3μm以上がよく、更に好ましくは平均粒子径5μm以上が好ましい。また本発明の目的である、透明性を低下させない為には少ない量のフィラーを効果的に使用することが望ましく、その理由から球形のフィラーが好ましい。更に球形で粒径分布をそろえることが望ましく、有機フィラーが目的に適している。
本発明で使用する透明支持体は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム或いはこれらを貼り合わせたフィルムである。支持体の透明性はひいてはシート全体の透明性にも影響を及ぼすことから本発明においては支持体のHaze度は10%以下、好ましくは5%以下の支持体を使用することが好ましい。
本発明で用いられるロイコ染料は電子供与性を示す化合物であり、単独または2種以上混合して適用されるが、それ自体無色或いは淡色の染料前駆体であり、特に限定されず従来公知のもの、例えばトリフェニルメタンフタリド系、トリアリルメタン系、フルオラン系、フェノチジアン系、チオフルオラン系、キサンテン系、インドフタリル系、スピロピラン系、アザフタリド系、クロメノピラゾール系、メチン系、ローダミンアニリノラクタム系、ローダミンラクタム系、キナゾリン系、ジアザキサンテン系、ビスラクトン系等のロイコ化合物が好ましく用いられる。このような化合物の代表的な例としては、以下に示すようなものが挙げられる。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−メチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−ブロモアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロルアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(o−フロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、ジ−ジエチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−クロルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−クロルアニリノ)フルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロル−6−ジプロピルアミノフルオラン、3−クロル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−クロル−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−クロル−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリル−3−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロルアニリノ)−3−クロル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロルアニリノ)−3−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−トルイジノ)フルオラン等。
次に本発明で用いられる顕色剤は電子受容性の化合物であり、従来公知の種々の電子受容性顕色剤を用いることができるが、本発明でより好ましいのは、特願平3−355078等で示した長鎖アルキル基を分子内に含む電子受容性顕色剤である。例えば炭素数12以上の脂肪族基を持つ有機リン酸化合物や脂肪族カルボン酸化合物やフェノール化合物、又は炭素数10〜18の脂肪族基を持つメルカプト酢酸の金属塩、或いは炭素数5〜8のアルキル基を持つカフェー酸のアルキルエステルや炭素数16以上の脂肪族基を持つ酸性リン酸エステル等である。脂肪族基には直鎖状または分岐状のアルキル基、アルケニル基が包含され、ハロゲン、アルコキシ基、エステル等の置換基を持っていても良い。以下にその顕色剤について具体例を例示する。
(a)有機リン酸化合物
下記一般式(1)で表されるものが好ましく用いられる。
Figure 2006082309
(R1は炭素数12〜24の直鎖状アルキル基を表す)
一般式(1)で表される有機リン酸化合物の具体例としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、ヘキサコシルホスホン酸、オクタコシルホスホン酸等。
有機リン酸化合物としては、下記一般式(2)で表されるα−ヒドロキシアルキルホスホン酸も好ましく使用される。
Figure 2006082309
(ただし、R2は炭素数11〜29の脂肪族基である。)
一般式(2)で表されるα−ヒドロキシアルキルホスホン酸を具体的に示すと、α−ヒドロキシドデシルホスホン酸、α−ヒドロキシテトラデシルホスホン酸、α−ヒドロキシヘキサデシルホスホン酸、α−ヒドロキシオクタデシルホスホン酸、α−ヒドロキシエイコシルホスホン酸、α−ヒドロキシドコシルホスホン酸、α−ヒドロキシテトラコシルホスホン酸等が挙げられる。有機リン酸化合物としては、下記一般式(3)で表される酸性有機リン酸エステルも使用される。
Figure 2006082309
(式中、R3は炭素数16以上の脂肪族基を、R4は水素原子または炭素数1以上の脂肪族基を表している。)
一般式(3)で表される酸性有機リン酸エステルを具体的に示すと、ジヘキサデシルホスフェート、ジオクタデシルホスフェート、ジエイコシルホスフェート、ジドコシルホスフェート、モノヘキサデシルホスフェート、モノオクタデシルホスフェート、モノエイコシルホスフェート、モノドコシルホスフェート、メチルヘキサデシルホスフェート、メチルオクタデシルホスフェート、メチルエイコシルホスフェート、メチルドコシルホスフェート、アミルヘキサデシルホスフェート、オクチルヘキサデシルホスフェート、ラウリルヘキサデシルホスフェート等が挙げられる。
(b)脂肪族カルボン酸化合物
下記一般式(4)で表されるα−ヒドロキシ脂肪酸類が好ましく用いられる。
−CH(OH)−COOH (4)
(ただし、Rは炭素数12以上の脂肪族基を表す)
一般式(4)で表されるα−ヒドロキシ脂肪族カルボン酸化合物としては、例えば以下のものが挙げられる。
α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシテトラデカン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロキシオクタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘキサコサン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等。
脂肪族カルボン酸化合物としては、ハロゲン元素で置換された炭素数12以上の脂肪族基を持つ脂肪族カルボン酸化合物で、その少なくともα位またはβ位の炭素にハロゲン元素を持つものも好ましく用いられる。このような化合物の具体例としては、例えば以下のものを挙げることができる。
2−ブロモヘキサデカン酸、2−ブロモヘプタデカン酸、2−ブロモオクタデカン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブロモドコサン酸、2−ブロモテトラコサン酸、3−ブロモオクタデカン酸、3−ブロモエイコサン酸、2,3−ジブロモオクタデカン酸、2−フルオロドデカン酸、2−フルオロテトラデカン酸、2−フルオロヘキサデカン酸、2−フルオロオクタデカン酸、2−フルオロエイコサン酸、2−フルオロドコサン酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオクタデカン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨードオクタデカン酸、パーフルオロオクタデカン酸等。脂肪族カルボン酸としては、炭素中にオキソ基を持つ炭素数12以上の脂肪族基を有する脂肪族カルボン酸化合物で、その少なくともα位、β位またはγ位の炭素がオキソ基となっているものが好ましく用いられる。このような化合物の具体例としては、例えば以下のようなものを挙げることができる。
2−オキソドデカン酸、2−オキソテトラデカン酸、2−オキソヘキサデカン酸、2−オキソオクタデカン酸、2−オキソエイコサン酸、2−オキソテトラコサン酸、3−オキソドデカン酸、3−オキソテトラデカン酸、3−オキソヘキサデカン酸、3−オキソオクタデカン酸、3−オキソエイコサン酸、3−オキソテトラコサン酸、4−オキソヘキサデカン酸、4−オキソオクタデカン酸、4−オキソドコサン酸等。脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一般式(5)で表される二塩基酸も好ましく用いられる。
Figure 2006082309
(ただし、Rは炭素数12以上の脂肪族基を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、nは1又は2を表す。)
一般式(5)で表される二塩基酸の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
ドデシルリンゴ酸、テトラデシルリンゴ酸、ヘキサデシルリンゴ酸、オクタデシルリンゴ酸、エイコシルリンゴ酸、ドコシルリンゴ酸、テトラコシルリンゴ酸、ドデシルチオリンゴ酸、テトラデシルチオリンゴ酸、ヘキサデシルチオリンゴ酸、オクタデシルチオリンゴ酸、エイコシルチオリンゴ酸、ドコシルチオリンゴ酸、テトラコシルチオリンゴ酸、ドデシルジチオリンゴ酸、テトラデシルジチオリンゴ酸、エイコシルジチオリンゴ酸、ドコシルジチオリンゴ酸、テトラコシルジチオリンゴ酸等。脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一般式(6)で表される二塩基酸も好ましく用いられる。
Figure 2006082309
(ただし、R,R,Rは水素又は脂肪族基を表し、このうち少なくとも一つは炭素数12以上の脂肪族基である。)
一般式(6)で表される二塩基酸の具体例としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
ドデシルブタン二酸、トリデシルブタン二酸、テトラデシルブタン二酸、ペンタデシルブタン二酸、オクタデシルブタン二酸、エイコシルブタン二酸、ドコシルブタン二酸、2,3−ジヘキサデシルブタン二酸、2,3−ジオクタデシルブタン二酸、2−メチル−3−ドデシルブタン二酸、2−メチル−3−テトラデシルブタン二酸、2−メチル−3−ヘキサデシルブタン二酸、2−エチル−3−ドデシルブタン二酸、2−プロピル−3−ドデシルブタン二酸、2−オクチル−3−ヘキサデシルブタン二酸、2−テトラデシル−3−オクタデシルブタン二酸等、脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一般式(7)で表される二塩基酸も好ましく用いられる。
Figure 2006082309
(ただし、R10,R11は水素または脂肪族基を表し、このうち少なくとも一つは炭素数12以上の脂肪族基である。)
一般式(7)で表される二塩基酸の具体例としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
ドデシルマロン酸、テトラデシルマロン酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロン酸、テトラコシルマロン酸、ジドテシルマロン酸、ジテトラデシルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオクタデシルマロン酸、ジエイコシルマロン酸、ジドコシルマロン酸、メチルオクタデシルマロン酸、メチルドコシルマロン酸、メチルテトラコシルマロン酸、エチルオクタデシルマロン酸、エチルエイコシルマロン酸、エチルドコシルマロン酸、エチルテトラコシルマロン酸等。脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一般式(8)で表される二塩基酸も好ましく用いられる。
Figure 2006082309
(ただし、R12は炭素数12以上の脂肪族基を表し、nは0または1を表し、mは1,2または3を表し、nが0の場合、mは2又は3であり、nが1の場合はmは1または2を表す)
一般式(8)で表される二塩基酸の具体例としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
2−ドデシル−ペンタン二酸、2−ヘキサデシル−ペンタン二酸、2−オクタデシルペンタン二酸、2−エイコシル−ペンタン二酸、2−ドコシル−ペンタン二酸、2−ドデシル−ヘキサン二酸、2−ペンタデシル−ヘキサン二酸、2−オクタデシル−ヘキサン二酸、2−エイコシル−ヘキサン二酸、2−ドコシル−ヘキサン二酸等。脂肪族カルボン酸化合物としては、長鎖脂肪酸によりアシル化されたクエン酸などの三塩基酸も好ましく用いられる。
(c)フェノール化合物
下記一般式(9)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2006082309
(ただし、Yは−S−,−O−,−CONH−または−COO−を表し、R13は炭素数12以上の脂肪族基を表し、nは1,2または3の整数である。)
一般式(9)で表されるフェノール化合物の具体例としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
p−(ドデシルチオ)フェノール、p−(テトラデシルチオ)フェノール、p−(ヘキサデシルチオ)フェノール、p−(オクタデシルチオ)フェノール、p−(エイコシルチオ)フェノール、p−(ドコシルチオ)フェノール、p−(テトラコシルチオ)フェノール、p−(ドデシルオキシ)フェノール、p−(テトラデシルオキシ)フェノール、p−(ヘキサデシルオキシ)フェノール、p−(オクタデシルオキシ)フェノール、p−(エイコシルオキシ)フェノール、p−(ドコシルオキシ)フェノール、p−(テトラコシルオキシ)フェノール、p−ドデシルカルバモイルフェノール、p−テトラデシルカルバモイルフェノール、p−ヘキサデシルカルバモイルフェノール、p−オクタデシルカルバモイルフェノール、p−エイコシルカルバモイルフェノール、p−ドコシルカルバモイルフェノール、p−テトラコシルカルバモイルフェノール、没食子酸ヘキサデシルエステル、没食子酸オクタデシルエステル、没食子酸エイコシルエステル、没食子酸ドコシルエステル、没食子酸テトラコシルエステル等。フェノール化合物としては、下記一般式(10)で表されるカフェー酸アルキルエステルを使用することもできる。
Figure 2006082309
(ただし、R14は炭素数5〜8のアルキル基である。)
一般式(10)で表されるカフェー酸アルキルエステルの具体例を示すと、カフェー酸−n−ペンチル、カフェー酸−n−ヘキシル、カフェー酸−n−オクチル等が挙げられる。
(d)メルカプト酢酸の金属塩
一般式(11)で表されるアルキルまたはアルケニルメルカプト酢酸の金属塩を好ましく用いることができる。
(R15−S−CH−COO)M (11)
(ただし、R15は炭素数10〜18の脂肪族基を表し、Mはスズ、マグネシウム、亜鉛又は銅を表す。)
一般式(11)で表されるメルカプト酢酸金属塩の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
デシルメルカプト酢酸スズ塩、ドデシルメルカプト酢酸スズ塩、テトラデシルメルカプト酢酸スズ塩、ヘキサデシルメルカプト酢酸スズ塩、オクタデシルメルカプト酢酸スズ塩、デシルメルカプト酢酸マグネシウム塩、ドデシルメルカプト酢酸マグネシウム塩、テトラデシルメルカプト酢酸マグネシウム塩、ヘキサデシルメルカプト酢酸マグネシウム塩、オクタデシルメルカプト酢酸マグネシウム塩、デシルメルカプト酢酸亜鉛塩、ドデシルメルカプト酢酸亜鉛塩、テトラデシルメルカプト酢酸亜鉛塩、ヘキサデシルメルカプト酢酸亜鉛塩、オクタデシルメルカプト酢酸亜鉛塩、デシルメルカプト酢酸銅塩、ドデシルメルカプト酢酸銅塩、テトラデシルメルカプト酢酸銅塩、ヘキサデシルメルカプト酢酸銅塩、オクタデシルメルカプト酢酸銅塩等。
更に本発明で特に好ましい顕色剤は、下記一般式(12)で表わされるサリチル酸誘導体である。
Figure 2006082309


(式中、Rは炭素数4〜16の直鎖のアルキル基又はアルキルアミノ基を表わす)
上記一般式(12)で表わされる化合物の具体例としては、4−(n−ペンタノイルアミノ)サリチル酸、4−(n−ヘキサノイルアミノ)サリチル酸、4−(n−オクタノイルアミノ)サリチル酸、4−(ヘキサデカノイルアミノ)サリチル酸、4−(N’−nーブチルカルバモイルアミノ)サリチル酸、4−(N’−nーヘキシルカルバモイルアミノ)サリチル酸、4−(N’−nーオクチルカルバモイルアミノ)サリチル酸、4−(N’−ヘキサデシルカルバモイルアミノ)サリチル酸等が挙げられる。
特に顕色剤として下記一般式(13)で示される化合物を用いると、地肌カブリの発生が少なく、保存性が優れた透過型感熱記録材料が得られる。
Figure 2006082309


(式中、Rは炭素数6〜12の直鎖アルキル基を表わす。)
これらの化合物は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。又、さらなる効果向上を狙って種々公知の顕色剤を混合することもできる。
又、本発明においては、顕色剤として上記に記載した化合物に限られるものではなく、その他の電子受容性の種々の化合物を使用することができる。本発明の感熱記録媒体において顕色剤は発色剤1部に対して1〜20部、好ましくは2〜10部である。顕色剤は単独もしくは二種以上混合して適用することができ、発色剤についても同様に単独もしくは二種以上混合して適用することができる。
次に本発明で用いられる感熱発色層中のバインダー樹脂としては公知の種々の樹脂を使用でき、例えばポリアクリルアミド、マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル類、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、スチレン共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセトアセタール、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリアミド等がある。樹脂の屈折率と支持体の屈折率の比が0.8〜1.2の間であるものを使用するのが透明性の観点から好ましい。
本発明において保護層に用いられる樹脂としては、水溶性樹脂の他、水性エマルジョン、疎水性樹脂及び紫外線、電子線硬化樹脂等が挙げられる。樹脂の具体例としてはポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、エチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等がある。又、必要に応じて架橋剤を添加することもできる。このような樹脂とともに用いる架橋剤としては、従来から公知の化合物を使用することができる。又、透明性の観点から本発明における保護層樹脂は透明支持体との屈折率の比が0.8〜1.2の間である樹脂を使用するのが好ましい。
本発明において保護層の充填剤としては小粒径の方が細かい表面を形成しやすく、透明性に優れる。このとき平均粒径が1.0μm以下のものを使用することが好ましい。しかし、小粒径の充填剤を用いるだけでなく樹脂と充填剤の混合比や層中での分散性を適宜調整したり、塗工液に超音波処理を施す等の必要がある。又、本発明においては透明性を落とさないで、且つ本発明の保護層表面を形成できれば前記粒径よりも大きな充填剤を少量添加することも可能である。充填剤の例としてはホスフェートファイバー、チタン酸カリウム、針状水酸化マグネシウム、ウィスカー、タルク、マイカ、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、板状炭カル、水酸化アルミニウム、板状水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、ハイドロタルイサイト等の無機フィラーや架橋ポリスチレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、シリコーン樹脂、架橋ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂等の有機フィラーが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
さらにヘッドマッチング性を向上させるために保護層にワックス、オイル類を添加したり、バインダー樹脂としてシリコンで変成された樹脂を単独もしくは混合して用いる、樹脂とフィラーの比を調節する、有機顔料の種類を変えるなどにより動摩擦係数を上げ下げして調節することができる。ここで用いることができるワックス類としては、ステアリン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、オレイン酸アマイド、ラウリン酸アマイド、エチレンビスステアロアマイド、メチレンビスステアロアマイド、メチロールステアロアマイド、パラフィンワックス、ポリエチレン、カルナバワックス、酸化パラフィン、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。オイルとしては一般的なシリコンオイル等を用いることができる。
本発明の保護層に用いる樹脂の中で有機溶媒(トルエン、メチルエチルケトン、アルコール類等)に溶解して用いるものは、これを感熱発色層上に塗布すると、一般的にはロイコ染料、顕色剤が溶解、接触することにより塗布直後に発色してしまう。この発色を防ぐため、用いる溶媒に不溶、もしくは微溶のロイコ染料、及びまたは顕色剤を選択して用いる、ロイコ染料及び又は顕色剤をマイクロカプセルにより被覆し、染料と顕色剤が接触しにくくする、感熱発色層上に、樹脂層を設け、染料と顕色剤が接触しにくくする、等の方法をとることが望ましい。この中で顕色剤として、前記一般式(1)で表される有機リン酸化合物を用いることが、溶媒によるカブリ、発色感度、発色濃度の点で好ましい。この化合物を顕色剤として用いる場合には前記の感熱記録層に用いる樹脂の中で水酸基を持っているものが発色性、保存性の面から見て好ましい。具体的にはポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタールが挙げられる。
本発明の感熱記録層は発色層は発色剤及び顕色剤をバインダー樹脂とともに水もしくは有機溶剤中に均一に分散もしくは溶解、またはマイクロカプセル化し、これを支持体上に塗布、乾燥して作製するが、塗工方式は特に限定されない。記録層塗布液に顕色剤を分散、もしくはマイクロカプセル化した液を用いた場合、顕色剤もしくはマイクロカプセルの粒径が保護層の表面粗さ、透明性ひいては印字時のドット再現性に大きく関与するので、粒径は1.0μm以下が好ましい。記録層の膜厚は記録層の組成や感熱記録媒体の用途にもよるが1〜50μm程度、好ましくは3〜20μm程度である。又、記録層塗布液には必要に応じて、塗工性の向上或いは記録特性の向上を目的に界面活性剤等種々の添加剤を加えることもできる。
本発明の透明感熱記録材料は該支持体の裏面にTg60℃以上であるアクリル樹脂及び3μm以上の球形の有機フィラーを含有する、カール、密着防止層を設け、更にその上に金属酸化物を含有する帯電防止層を設けることにより、カールが少なく、また密着しにくく、帯電しにくい、実用的な透明感熱記録材料が提供される。
次に本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、以下における部及び%はいずれも重量基準である。
比較例1
下記組成物をボールミルで平均粒径0.3μmまで粉砕・分散し記録層塗布液を作製した。
〔A液〕
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン 4部
オクタデシルホスホン酸 12部
ポリビニルブチラール(電気化学工業社製、デンカブチラール
#3000−2) 6部
トルエン 57部
メチルエチルケトン 57部
以上のようにして調製した塗布液を厚さ175μmのポリエステルフィルム(ユニチカ製T−175Haze度3%)上に〔A液〕を塗布した後、70℃1分乾燥して厚さ11μmの感熱記録層を形成した。次に下記組成物を混合し(B液)を作製した。
〔B液〕
グアナミン−ホルムアルデヒド共重合体粒子(日本触媒製、エポ
スターS、平均粒径0.3μm) 1部
シリコン変成ポリビニルブチラール樹脂(大日精化製、SP−
712、固形分、12.5%) 80部
ポリビニルアセトアセタール樹脂溶解液(積水化学製,KS−1,
10%MEK溶解液) 10部
メチルエチルケトン 119部
以上のようにして調製した保護層塗布液〔B液〕を、超音波処理を15分行った後、先に得られた感熱記録層上に塗布、70℃1分乾燥して、厚さ2.5μmの保護層を設けた。
〔C液〕
SnO−Sb微粉末(触媒科学TL21) 3.5部
ポリエステル樹脂(東洋紡バイロンGK110 Tg50℃) 5部
タルク(富士タクル製LMS-300平均粒径0.5μm) 1.5部
メチルエチルケトン 40部
以上のように調製した塗布液(C液)を前記得られた支持体裏面上に厚さ6μmとなるようにバック層を塗布、70℃1分乾燥して6μmのバック層を形成して、得られたサンプルを40℃の恒温槽中で1晩エージングさせて、本発明の透明感熱記録材料を得た。
実施例1
〔D液、カール防止層〕
ポリエステル樹脂(東洋紡バイロンGK110 Tg50℃) 10部
メチルエチルケトン 90部
〔E液 密着防止層〕
ポリエステル樹脂(東洋紡バイロンGK880 Tg84℃) 8.5部
タルク(富士タクル製LMS−300平均粒径0.5μm) 1.5部
メチルエチルケトン 90部
〔F液 帯電防止層〕
α−エチル(トリメチルアンモニウム)アルカノイルエステル
(日本純薬SAT−5) 10部
メタノール 90部
上記〔D、E、F液〕を前記得られた支持体裏面上に厚さそれぞれ、2.5μm、1μm、2μmとなるようにバック層を3層塗布乾燥後、得られたサンプルを40℃の恒温槽中で1晩エージングさせて、本発明の透明感熱記録材料を得た。
実施例2
〔G液 カール、密着防止層〕
ポリエステル樹脂(東洋紡バイロンGK110 Tg50℃) 8.5部
タルク(富士タクル製LMS−300平均粒径0.5μm) 1.5部
メチルエチルケトン 90部
上記〔G、F液〕を前記得られた支持体裏面上に厚さそれぞれ、2.5μm、2μmとなるようにバック層を2層塗布乾燥後、得られたサンプルを40℃の恒温槽中で1晩エージングさせて、本発明の透明感熱記録材料を得た。
実施例3
〔H液 カール、密着防止層〕
ポリエステル樹脂(東洋紡バイロンGK880 Tg84℃) 8.5部
タルク(富士タクル製LMS−300平均粒径0.5μm) 1.5部
メチルエチルケトン 90部
上記〔H、F液〕を前記得られた支持体裏面上に厚さそれぞれ、2.5μm、2μmとなるようにバック層を2層塗布乾燥後、得られたサンプルを40℃の恒温槽中で1晩エージングさせて、本発明の透明感熱記録材料を得た。
実施例4
〔I液 カール、密着防止層〕
アクリル樹脂(三菱レイヨンBR80 Tg105℃) 8.5部
タルク(富士タクル製LMS−300平均粒径0.5μm) 1.5部
メチルエチルケトン 90部
上記〔I、F液〕を前記得られた支持体裏面上に厚さそれぞれ、2.5μm、2μmとなるようにバック層を2層塗布乾燥後、得られたサンプルを40℃の恒温槽中で1晩エージングさせて、本発明の透明感熱記録材料を得た。
実施例5
上記〔I、F液〕を前記得られた支持体裏面上に厚さそれぞれ、5μm、2μmとなるようにバック層を2層塗布乾燥後、得られたサンプルを40℃の恒温槽中で1晩エージングさせて、本発明の透明感熱記録材料を得た。
実施例6
〔J液 カール、密着防止層〕
アクリル樹脂(三菱レイヨンBR80 Tg105℃) 8.5部
シリカ(水澤化学製P−527 平均粒径7μm) 1.5部
メチルエチルケトン 90部
上記〔J、F液〕を前記得られた支持体裏面上に厚さそれぞれ、5μm、2μmとなるようにバック層を2層塗布乾燥後、得られたサンプルを40℃の恒温槽中で1晩エージングさせて、本発明の透明感熱記録材料を得た。
実施例7
〔K液 カール、密着防止層〕
アクリル樹脂(三菱レイヨンBR80 Tg105℃) 8.5部
球形ガラスビーズ(ホ゜ッタース゛ハ゛ロティーニ製EMB−10 平均粒径6μm) 1.5部
メチルエチルケトン 90部
上記〔K、F液〕を前記得られた支持体裏面上に厚さそれぞれ、5μm、2μmとなるようにバック層を2層塗布乾燥後、得られたサンプルを40℃の恒温槽中で1晩エージングさせて、本発明の透明感熱記録材料を得た。
実施例8
〔L液 カール、密着防止層〕
アクリル樹脂(三菱レイヨンBR80 Tg105℃) 8.5部
球形PMMAフィラー(総研化学製 平均粒径12μm) 1.5部
メチルエチルケトン 90部
上記〔L、F液〕を前記得られた支持体裏面上に厚さそれぞれ、5μm、2μmとなるようにバック層を2層塗布乾燥後、得られたサンプルを40℃の恒温槽中で1晩エージングさせて、本発明の透明感熱記録材料を得た。
実施例9
〔M液 カール、密着防止層〕
アクリル樹脂(三菱レイヨンBR80 Tg105℃) 9.8部
球形PMMAフィラー(総研化学製 平均粒径12μm) 0.2部
メチルエチルケトン 90部
上記〔M、F液〕を前記得られた支持体裏面上に厚さそれぞれ、5μm、2μmとなるようにバック層を2層塗布乾燥後、得られたサンプルを40℃の恒温槽中で1晩エージングさせて、本発明の透明感熱記録材料を得た。
比較例2
上記〔M、F液〕を前記得られた支持体裏面上に厚さそれぞれ、2.5μm、2μmとなるようにバック層を2層塗布乾燥後、得られたサンプルを40℃の恒温槽中で1晩エージングさせて、本発明の透明感熱記録材料を得た。
実施例10
〔N液 帯電防止層〕
SnO−Sb微粉末(触媒科学TL21 ) 5部
アクリル樹脂(三菱レイヨンBR80 Tg105℃) 5部
メチルエチルケトン 90部
上記サンプルをボールミルにて分散し、平均粒径0.5μmとした。
上記〔M、N液〕を前記得られた支持体裏面上に厚さそれぞれ、5μm、1.5μmとなるようにバック層を2層塗布乾燥後、得られたサンプルを40℃の恒温槽中で1晩エージングさせて、本発明の透明感熱記録材料を得た。
実施例11
上記〔M、N液〕を前記得られた支持体裏面上に厚さそれぞれ、5μm、0.5μmとなるようにバック層を2層塗布乾燥後、得られたサンプルを40℃の恒温槽中で1晩エージングさせて、本発明の透明感熱記録材料を得た。
実施例12
〔O液 帯電防止層〕
SnO−SbMEk分散液(石原産業製SNS−10M 固形分30%平均粒径0.1μm以下)
15部
アクリル樹脂(三菱レイヨンBR80 Tg105℃) 5部
メチルエチルケトン 80部
上記〔M、O液〕を前記得られた支持体裏面上に厚さそれぞれ、5μm、0.4μmとなるようにバック層を2層塗布乾燥後、得られたサンプルを40℃の恒温槽中で1晩エージングさせて、本発明の透明感熱記録材料を得た。
以上のようにして得られた実施例、比較例の透明感熱記録材料を、以下に示すような試験法に従って評価した。
(表面抵抗値)10cm×10cmの透明感熱記録媒体を試験片とし表面抵抗測定器(HEWLETT PACKARD 4329A HIGH RESISTANCE METER)で、測定環境5℃、30%RH、10V印加後1分値の電流値から表面抵抗値とした。表面抵抗値は低ければ低い方が帯電しにくい。
(密着力)
東洋精機製の摩擦角試験機を用い、69mm×88mmのサイズにカットした表面と裏面をそれぞれ重ね合わせ、1kgの荷重をかけて、サンプルが動き出す摩擦角を測定し、摩擦係数に換算した。摩擦係数は低い方が密着し難いと判断する。
(カール)
210mm×297mmのサイズ12dot/mmのサーマルヘッドを使用した印字装置で0.147W/dot、印加パルス幅2msで全ベタを印字後のサンプルのカール量を金尺を用いて測定し、4片の値を平均してカール値とした。カール値は記録層面側を+、バック面側を―値として表示し、0に近いほどよいと判断する。
(ヘイズ)
50mm×50mmの透明感熱記録媒体を試験片とし、東洋精機製直読ヘイズメーターでヘイズ(曇率)を測定する。ヘイス゛値は低いほど透明性がよいと判断する。
(地肌濃度)
作成したサンプルの地肌部分の透過濃度をXーrite301(Xrite社製)を用いて測定する。透過濃度は低いほど透過性がよいと判断する。
(フィラー欠落)
密着防止層塗布後のサンプルを爪で軽く擦り、フィラーの欠落を目視で観察する。
○:欠落なし △:欠落が少し発生 ×:欠落が多い。
Figure 2006082309

この表より本発明の透明感熱記録材料は密着性が低く、表面抵抗値が低く、更にカールが少ないため取り扱い性や印字走行性が良好であり表面抵抗が低いことからゴミ、ホコリ等の付着が少なく、さらに曇り度、地肌濃度が低く、透明性等の副作用がないことが確認された。

Claims (13)

  1. 透明支持体上に少なくとも無色又は淡色のロイコ染料と、該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤及び結着剤としてのバインダー樹脂を主成分とする感熱記録層、更にその上に樹脂を含む保護層を設けてなる感熱記録材料において、感熱記録層と反対側の支持体に近い側に、少なくともバインダーを含むカール防止層を設け、更にその上に少なくともフィラー及びバインダーを含有する密着防止層を設け、更にその上に少なくとも帯電防止剤を含有する帯電防止層を設けた事を特徴とする透明感熱記録媒体。
  2. 透明支持体上に少なくとも無色又は淡色のロイコ染料と、該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤及び結着剤としてのバインダー樹脂を主成分とする感熱記録層、更にその上に樹脂を含む保護層を設けてなる感熱記録材料において、感熱記録層と反対側の支持体に近い側に、少なくともバインダー及びフィラーを含むカール、密着防止層を設け、更にその上に少なくとも帯電防止剤を含有する帯電防止層を設けた事を特徴とする透明感熱記録媒体。
  3. 前記カール防止層のアクリル系樹脂のTgが60℃以上である事を特徴とする請求項1または2に記載透明感熱記録媒体。
  4. 前記カール防止層のバインダーが少なくともアクリル系樹脂を含有する事を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載透明感熱記録媒体。
  5. 前記カール防止層の膜厚が3μm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明感熱記録媒体。
  6. 前記密着防止層に含有するフィラーの平均粒径が3μm以上である事を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明感熱記録媒体。
  7. 前記フィラーが球形の粒子である事を特徴とする請求項6記載の透明感熱記録媒体。
  8. 前記球形フィラーが有機系材料である事を特徴とする請求項6または7に記載の透明感熱記録媒体。
  9. 前記フィラーが含有する層内中に0.1〜10wt%含有する事を特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の透明感熱記録媒体。
  10. 前記密着防止層の膜厚が3μm以上である事を特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の透明感熱記録媒体。
  11. 前記帯電防止層が金属酸化物とバインダーを含有した事を特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の透明感熱記録媒体。
  12. 帯電防止層が膜厚が1μm以下である事を特徴とする請求項11記載の透明感熱記録媒体。
  13. 帯電防止層の金属酸化物の平均粒径が0.2μm以下である事を特徴とする請求項11または12記載の透明感熱記録媒体。
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