JP2005288979A - 感熱記録材料用樹脂組成物 - Google Patents

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信二郎 桜井
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Abstract

【解決手段】
支持体上に熱により発色する感熱記録層を設け、その上に中間層、更に光沢保護層を順次積層した感熱記録シートにおいて、該光沢保護層中の樹脂エマルション(E)が、(a)平均粒子径が1000nm以下のポリオレフィン樹脂エマルションと(b)シリコンマクロマー共重合樹脂エマルションとからなり、(b)がシリコンマクロマー共重合樹脂エマルション中の固形成分100重量部に対してシリコンマクロマーが5〜15重量%の量で含有されていることを特徴とする感熱記録材料用樹脂組成物である。
【効果】
本発明によれば、高い光沢感と透明性のある保護層を有し、印刷適性と同時にサーマルヘッド適性(耐熱性)、耐水性、印刷適性を向上させた感熱記録材料用樹脂を提供することできる。
【選択図】 なし

Description

本発明は感熱記録材料に関するものである。特に高い光沢感と透明性のある保護層を有し、同時にサーマルヘッド適性(耐熱性)、耐水性、印刷適性をも向上させた感熱記録材料用樹脂組成物に関するものである。
通常、無色ないし淡色で電子供与性の塩基性染料と有機又は無機の電子受容性物質を主成分とし、これに結合剤、充填剤、増感剤、滑剤等を配した記録層を支持体上に設けた記録材料は、熱による機能単体同士の溶融接触による呈色反応を利用した感熱記録材料としてよく知られている。このような感熱記録材料は、記録機能が予め支持体(紙、合成紙、合成樹脂フィルム等)上に施されているため、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で、単に印加熱するだけで画像が得られるなど、煩雑な現像工程が不要であり、しかも出力機器の構造が比較的簡単でありコンパクトですみ、更に保守も容易なため、ファクシミリ、工業用計測端末、医療用端末、ハンディーターミナル、POSシステム、発券システムなどを含めた各種プリンターの出力シートとして広く使用されている。
しかしながら、上記感熱記録材料は近年益々用途範囲の拡大に伴い、様々の環境下で使用されることから、日常の取り扱いにおいて、以下の課題を有していた。即ち、水に濡れたときの感熱層の脱落、溶剤に触れた時の発色、油脂や可塑剤による消退色など保存安定性を充分に満足できるものではなかった。このような課題を解決する手段として、感熱層の上及び/又は下に保護コート層を設けて感熱層を物理的に保護し、記録部の耐久性、安定性、保存性を向上させる方法が採られ実用に供されている。
一方、近年においては保護層に上記のような保護機能と同時に感熱記録材料の新たな機能担持層としての機能が求められるようなってきている。特にラベル類や医療計測用及びビデオプリンターの画像出力シートに代表される例として、記録面の高光沢感や感熱記録材料そのものの透明性が求められており、前者においては意匠性を目的とした高級感のあるラベルであり、後者は平滑な樹脂シート上に感熱記録層を設けた所謂銀塩フィルムの代替を目指すものである。
保護コート層は直接サーマルヘッドに接触するため、用いられる樹脂には高い耐熱性が求められる。しかし、樹脂単品での対応は難しく、上記の保護コート層には他に架橋剤、充填材(無機及びまたは有機微粒子)、更には滑材などを配し耐熱性をカバーしているのが実情である。しかし、近年のニーズである保護コート層に高い光沢感や高精彩な画像を求める場合には、保護コート層の表面をより平滑にするため、サーマルヘッドとの接触が蜜になり記録時の走行安定性に支障を来たす問題があった。前記の構成成分のうち充填材、滑材はこれらに対して有用に作用するものの、逆に光沢性、透明性に対しては不利となっていた。
これらを解決する手段として、例えば保護層にシリコン含有ポリマーを用いる方法が幾つか知られているがこれらはシリコンが塗膜中に固定化されていないため、保護層表面にブリードする問題がある。これを解消する方法として、反応基を有する水性シリコンオイルを用い、主材である水性樹脂と反応させ固定化させる方法やビニル基を片末端に持つ共重合性シリコンマクロマーを比較的多量に用い、他のビニル単量体と共重合させる方法などがある。しかし、反応基を有する水性シリコンオイルは感熱記録材料の特性上、製造工程時に充分反応し得る程の熱を加えることができないことから、塗工後に長時間エイジングしなければならないという生産性上の問題がある。また、共重合性シリコンマクロマーを用いる方法では、効果を発現させるためには比較的多量に使用する必要があるため、材料が高価になることや、印刷適性(UV印刷)が低下するなどの問題点があった。
特開平11−314456号公報 特開平2000−355164号公報
本発明の課題は、高い光沢感と透明性のある保護層を有し、印刷適性と同時にサーマルヘッド適性(耐熱性)、耐水性、印刷適性を向上させた感熱記録材料用樹脂を提供することである。
本発明者等は、前述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の組成、構成からなる水性の樹脂エマルションを感熱記録材料の保護層に用いることで課題を解決することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、 支持体上に熱により発色する感熱記録層を設け、その上に中間層、更に光沢保護層を順次積層した感熱記録シートにおいて、該光沢保護層中の樹脂エマルション(E)が、(a)平均粒子径が1000nm以下のポリオレフィン樹脂エマルションと、(b)シリコンマクロマー共重合樹脂エマルションとからなり、(b)がシリコンマクロマー共重合樹脂エマルション中の固形成分100重量部に対してシリコンマクロマーが5〜15重量%の量で含有されていることを特徴とする感熱記録材料用樹脂組成物である。また、樹脂エマルション(E)において、(a)と(b)の固形分重量比が
(a)/(b)=1/99〜10/90であることを特徴とする感熱記録材料用樹脂組成物である。
本発明によれば、特定の粒子径範囲からなる(a)ポリオレフィン樹脂エマルションと特定の(b)シリコンマクロマー共重合樹脂エマルションとを特定の割合で均一混合された樹脂エマルション(E)を感熱記録材料の保護層に用いることで、従来から求められている保護機能の他に、更に光沢性、透明性、印刷適性をも兼備された感熱記録材料が実現できる。
以下、本発明に係る感熱記録材料用樹脂組成物について具体的に説明する。
樹脂エマルション(E)
本発明における樹脂エマルション(E)は、感熱記録材料の保護層に要求される基本特性、即ち、保存安定性(耐水性、耐可塑剤性、耐用剤性)、走行安定性(耐熱性)、更に印刷適性を、充填材を用いないで発現するため、2種の樹脂エマルションから構成される。即ち、(a)平均粒子径が1000nm以下のポリオレフィン樹脂エマルションと、(b)シリコンマクロマー共重合樹脂エマルションとからなり、b)がシリコンマクロマー共重合樹脂エマルション中の固形成分100重量部に対してシリコンマクロマーが5〜15重量%の量で含有されている共重合樹脂エマルションとの均一混合体である。
樹脂エマルション(E)の固形成分濃度は、通常5〜25重量%、好ましくは10〜25重量%、更に好ましくは15〜20重量%である。
この内、(a)ポリオレフィン樹脂エマルションは樹脂エマルション(E)中に均一にかつ、独立して分散して樹脂エマルション(E)を構成し、(b)シリコンマクロマー共重合樹脂エマルションとの相乗効果により、保護層に必要な走行安定性、および耐熱性を著しく高める効果がある。
樹脂エマルション(E)を構成する(a)ポリオレフィン樹脂エマルションと(b)シリコンマクロマー共重合樹脂エマルションの比率は通常(a)/(b)=1/99〜10/90の範囲であり、好ましくは2/98〜7/93、より好ましくは3/97〜5/95である。(a)ポリオレフィン樹脂エマルションと(b)シリコンマクロマー共重合樹脂エマルションの比率がこの範囲にあると、印字時に充分な走行安定性、光沢発現性を付与し、また、サーマルヘッドの汚染が防止できる。
(a)平均粒子径が1000nm以下のポリオレフィン樹脂エマルション
平均粒子径は、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下である。平均粒子径が大きいと樹脂エマルション(E)中で上層に分離し、均一分散性に欠けるため保護層が不均質になり、特に本発明の目的である高い光沢性が発現しないことがある。平均粒子径が1000nm以下であれば安定、且つ均一に系中に独立して存在させることができ、光沢感を損なうこともない。尚、本発明で述べる平均粒子径は、動的光散乱法を利用したもので、大塚電子(株)型式LPA−3100で測定されたものである。
ポリオレフィン樹脂エマルションの例としてはエチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等のα−オレフィンの単独および又は2種以上の共重合体が挙げられるが、中でもエチレン、プロピレン、1−ブテンが好ましく用いられる。
(b)シリコンマクロマー共重合樹脂エマルション
本発明の(b)シリコンマクロマー共重合樹脂エマルションは片末端にメタクリロキシ基を有するシリコン含有ラジカル重合成分を用い、b)シリコンマクロマー共重合樹脂エマルション中の固形成分100重量部に対してシリコンマクロマーが5〜15重量%の量で含有され、本発明の保護コート層の主たる成分である。シリコンマクロマーの含有量がこの範囲にあると走行安定性、印刷適性、感熱記録材料のデザイン性や美装性で好ましい。
シリコンマクロマーの重量平均分子量は特に制限はなが、走行安定性を効果的に発現するには、1000〜10000の範囲が好ましい。尚、本発明で述べる重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー)によって測定されたポルスチレン換算重量平均分子量である。(b)シリコンマクロマー共重合樹脂エマルションの示差走査熱量測定(DSC)によるTgは特に制限はないが、通常0〜70℃、好ましくは5〜50℃である。Tgがこの範囲にあると、走行安定性、保護層の基本的な目的である感熱記録部の保存安定性が良好である。
シリコンマクロマーと共重合可能なその他のビニル単量体の例としては後記するカルボキシル基を有するビニル単量体の他、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸2−(N−メチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル単量体類、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のN−置換不飽和カルボン酸アミド類、ビニルピロリドンの如き複素還式ビニル化合物、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン化合物、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類、ブタジエンの如きジエン類が挙げられ、一種あるいは二種以上組み合わせて用いられる。中でも(メタ)アクリロニトリル、メタアクリル酸メチル、スチレン、(メタ)アクリルアミド等のTg点が比較的高いビニル単量体との組み合わせで、前記のTg範囲に調整することが好ましい。
シリコンマクロマーと共重合可能なその他の単量体の内、カルボキシル基を有するビニル単量体の含有量は、(b)シリコンマクロマー共重合樹脂エマルションの固形成分100重量部に対して、通常10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%である。カルボキシル基を有するビニル単量体の含有量がこの範囲にあると、重合完結後、中和して水を加え、乳化分散する際、樹脂が析出せず安定となる。さらに、シリコンマクロマーとの相溶性が良好で、塗膜の光沢性及び透明性のある感熱記録材料の保護層としての機能を保つことができる。
(b)シリコンマクロマー共重合樹脂エマルションは公知の製造方法に従えばよい。この際に使用する重合開始剤としては公知の有機ハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル等の油溶性が挙げられ、全ビニル単量体100重量部に対して0.1〜10重量%の範囲、好ましくは1〜5重量%で用いられるが特に制限されるものではない。これらはシリコンマクロマーを含む全ビニル単量体に予め溶解してもよく、あるいは以下に示す溶媒中に予め溶解してから重合を開始させてもよい。
製造の際に用いられる溶媒としてはエチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ターシャリーブチルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルなどの水溶性の溶媒が用いられ、中でも比較的低沸点で蒸発速度の速い炭素数が3以下の低級アルコールが好適に用いられる。
重合完結後に乳化分散する際は、攪拌下の共重合体溶液に中和剤を加えた後、水を加えてもよく、共重合体溶液を別に採り、中和剤を含む水に攪拌下に共重合体溶液を加えてもよい。この際の中和剤としてはアンモニア又はアンモニア水が用いられる。中和剤の例としては他に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムや各種のアミンが挙げられるが、保護層の耐水性、熱ヘッドの損傷、あるいは熱発色時の減感が生じる場合がある。アンモニア又はアンモニア水であれば、これらの負作用が無い上、比較的低温で離脱し易いので保護層形成後の耐水性が短時間で発現できる。
本発明において、通常透明性が要求される場合は、充填剤を使用しないが、必要に応じて充填剤を用いることもできる。その添加量は特に制限はないが、本発明を損なわない範囲で、適宜その種類と量を選択することができる。充填剤としては炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、クレー、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、コロイダルシリカ等の無機充填剤、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン微粉末等の有機微粒子が挙げられ、一種あるいは二種以上の組み合わせで用いられる。充填剤の他に必要に応じて用いられる成分は、耐水化剤(架橋剤)、走行安定性をより向上させるための高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸アミド等の滑剤の他、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、濡れ剤、粘度調整剤、その他の助剤、添加剤が挙げられる。
中でも耐水化剤(架橋剤)は保護層をより堅牢化し、感熱層及び記録画像の耐久性を一段と向上させると同時に、熱ヘッド適性(走行安定性、スティッキング性)をより高めることができるので好適に用いられる。その場合の架橋剤としては、樹脂エマルション(E)中に含まれるカルボキシル基やその他の共重合可能なビニル単量体から導入される各種の官能基(水酸基、メチロール基、アミノ基、アセトアセチル基、グリシジル基等)と反応しうる材料から適宜選択する必要があり、例えばグリオキザール、ジメチロール尿素、多価アルコールのグリシジルエーテル、ケテンダイマー、ジアルデヒド化澱粉、ポリアミド・アミンのエピクロルヒドリン変性物、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム、硼酸などが挙げられる。
本発明における保護層の構成樹脂成分として、本発明の樹脂エマルション(E)の他、必要により他の公知の水性樹脂を本発明を損なわない範囲で併用することもできる。このような樹脂の例としては、天然樹脂(例えば、アルギン酸ソーダ、澱粉、カゼイン、セルロース類)や合成樹脂(ポリビニルアルコール、各種合成ゴムラテックス、ポリウレタン、エポキシ、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)が挙げられる。このうち、ポリビニルアルコールの変性物が好ましく、例えばそれらの変性物として、カルボキシル変性、エポキシ変性、シラノール変性、アセトアセチル変性、アミノ変性、オレフィン変性、アミド変性、ニトリル変性等が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。本発明の樹脂エマルション(E)を適用する部位は、感熱記録層の上、支持体の裏に限られず、保護層としての機能を求められる部位に適宜適用することができる。
また、本発明における感熱記録層部の発色システムも特に限定するものではない。因みに、これら発色システムとしては、ロイコ染料とフェノール性物質に代表される酸性物質を利用したもの、イミノ化合物とイソシアネート化合物を利用したもの、ジアゾ化合物とカップラーを利用したものなどがある。本発明における保護層は、通常支持体として紙、合成紙、フィルム上などに設けられた公知の感熱記録層上、及び/又は支持体の裏面、支持体と感熱記録層の間に、エアナイフコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、カーテンフローコーター等により、乾燥重量で1〜10g/m2塗布されることで本発明の目的が達せられるが、保護層表面に必要により高い光沢感及び透明性を付与する場合は、保護層の構成成分の内から充填剤を除くことで対応できる。
以下、実施例により本発明を具体的説明するが、本発明はこれら諸例により限定されるものではない。なお、諸例中の部数、および%は特に指定のない場合は、重量部及び重量%を表す。
《シリコンマクロマー共重合樹脂エマルション(b)の製造》
[製造例(b)−1]
攪拌機、還流冷却器付きのセパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール200部を仕込み、窒素ガスで置換した後75℃に昇温した。昇温後、アゾビスイソブチロニトリルを4部加えてから、下記組成のビニル単量体の混合物を3時間かけて連続添加した後、80℃に昇温して、そのまま2時間保持して重合を完結させた。その後、アンモニアを含む脱イオン水1000部を添加して、冷却、中和乳化、希釈を同時に行い、更に室温まで冷却することで、PHが約8で固形成分約25%のシリコンマクロマー共重合樹脂エマルション(b)−1を得た。
ビニル単量体の混合物
メタクリル酸メチル 80部
アクリル酸n−ブチル 80部
スチレン 40部
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 40部
メタクリル酸 120部
シリコンマクロマー 40部
(サイラプレーンFM025;東亜合成(株)製)
[製造例(b)−2、−3、−4、−5、]
シリコンマクロマーを含むビニル単量体を変更した以外は製造例(b)−1と同様にして、(b)−2〜5を製造した。組成及び結果を表1にまとめて記す。
《樹脂エマルション(E)の製造》
[樹脂エマルション(E)−1]
製造例(b)で得た(b)−1シリコンマクロマー共重合樹脂エマルション、1000gに42%固形分濃度のポリオレフィン樹脂エマルション(三井化学製:粒子径200nm、ケミパールW386−5を12g加えた後、充分攪拌混合し、樹脂エマルション(E)−1を得た。
[樹脂エマルション(E)−2〜6]
シリコンマクロマー共重合樹脂エマルションとポリオレフィン樹脂エマルションの組み合わせ、及び又は比率を替えた以外は樹脂エマルション(E)−1を得る操作と同様にして、樹脂エマルション(E)−2〜6を得た。
調整した樹脂エマルション(E)の構成を表2にまとめて示す。
[実施例1]
市販の表面無処理感熱ワープロ用紙にアクリル系樹脂エマルション(三井化学製;バリアスター、B1000 固形分20%)を乾燥重量で2g/mになるようバーコーターにて塗布後、乾燥(60℃で30秒強制乾燥)させ中間層を設けた。次に製造例で得た樹脂エマルション(E)−1を100g採り、更にそれに耐水化剤(架橋剤)としてポリアミドアミンのエピクロルヒドリン変性体(三井化学製:ユーラミンP5600)8.3gを加え充分攪拌混合後、中間層の上に乾燥重量で2gになるように塗布乾燥(23℃/60%RHの雰囲気下で7日間養生)させ、感熱記録材料用樹脂を得た。
[実施例2]
実施例1の樹脂エマルション(E)−1を、(E)−2に替えた以外は実施例1と同様にして感熱記記録材料用樹脂を得た。
[実施例3]
実施例1の樹脂エマルション(E)−1を、(E)−3に替えた以外は実施例1と同様にして感熱記録材料用樹脂を得た。
[比較例1、2、3、]
実施例1の樹脂エマルション(E)−1を、それぞれ(E)−4、(E)−5、(E)−6、に替えた以外は実施例1と同様にして感熱記録材料用樹脂を得た。
実施例、比較例の構成を表3に示す。
以上、実施例1〜3、比較例1〜3で得られた感熱記録材料用樹脂を以下の方法で評価した。評価結果を表4に示す。
・走行安定性
感熱印字装置(大倉電気製、TH−PMD)を使用して、以下の条件によってベタ黒記録のパターン画像を作成し、その時の音の程度とヘッド汚れ、保護層の表面状態等を総合的に評価した。
条件) 印加電圧 :24V
パルス幅 :1.74ms
印加エネルギー :0.34mj/ドット
○:音がせず、ヘッド汚れもなく、保護層の表面状態が良好。紙送りもスムース
△:若干音がするが、ヘッド汚れもなく、保護層の表面状態も良好。紙送りもスムース
×:音がする。ヘッド汚れが見られ、保護層の表面が粗れている。紙送りにも支障あり
(2)発色濃度
ベタ黒記録パターン部の濃度をマクベス濃度計(サカタインクス(株))で測定した。数値が高いと、濃度が高い。
(3)ヘッド汚れ
ベタ黒記録パターン印刷後に、サーマルヘッドをアセトンに含浸させたガーゼで拭き、ガーゼに付着した汚染体量を総合的に判断した。
○:汚染体の付着がなし
△:汚染体の付着が若干あり
×:汚染体の付着が著しい
・耐水性
未発色部および140℃の熱ブロックを1秒間あて、発色した感熱記録面を学振型摩擦試験機(但し、無加重 テスター産業(株))を用いて、水を含ませたガーゼにて20往復こすり、状態を観察した。
○:変化なし
△:擦った痕が認められる
×:感熱記録層(部)が欠落する
(5)耐可塑剤性
上記と同様条件にて画像を作成し、画像部に透明タイプの電気絶縁用ポリ塩化ビニル粘着テープ(日東電工製)を貼り付け、40℃で24時間放置後に剥がして、非テープ貼り付け部とテープ貼り付け部の濃度をマクベス濃度計にて測定し、濃度保持率を次式にて算出した(値が高い程良好)。
濃度保持率(%)=(テープ貼り付け部の濃度)÷(非テープ貼り付け部の濃度)×100
(6)透明性
実施例、比較例の保護コート用塗料を厚さ0.8mmの透明ガラス板に乾燥膜厚で約10ミクロンになるよう塗布乾燥させた後、可視分光光度度計(東京光電製:ANA−700WP)で光線透過率を測定した。但し、ガラス板の透過率を100%とする。
○:透過率90%以上
△:透過率70%以上、90%未満
×:透過率70%未満
・刷適性
UV硬化インキ(東洋インキ製:FDS赤色インキ)をアプリケータにて約5ミクロンになるよう塗布し、ラインスピード:10m/分、距離:10cm、照射量:500mJ/cmにて硬化させた後、硬化インク表面を爪で擦り、付着性を観察した。
○:インクは充分に付着している
△:インクが若干取れる
×:インクが簡単に取れる
(8)光沢度
JIS:P8142に準じて測定した。
Figure 2005288979
Figure 2005288979
Figure 2005288979
Figure 2005288979

Claims (2)

  1. 支持体上に熱により発色する感熱記録層を設け、その上に中間層、更に光沢保護層を順次積層した感熱記録シートにおいて、該光沢保護層中の樹脂エマルション(E)が、(a)平均粒子径が1000nm以下のポリオレフィン樹脂エマルションと(b)シリコンマクロマー共重合樹脂エマルションとからなり、(b)がシリコンマクロマー共重合樹脂エマルション中の固形成分100重量部に対してシリコンマクロマーが5〜15重量%の量で含有されていることを特徴とする感熱記録材料用樹脂組成物。
  2. 前記樹脂エマルション(E)において、(a)と(b)の固形分重量比が(a)/(b)=1/99〜10/90であることを特徴とする請求項1記載の感熱記録材料用樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010089497A (ja) * 2008-09-10 2010-04-22 Mitsui Chemicals Inc 感熱記録材料
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