JP4666375B2 - 感熱記録体の製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、感熱記録層に含まれる電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤は、各種溶剤に容易に溶解するため、この感熱記録体は、水性インキペンや油性インキペン等のインキ、接着剤等に触れると白紙部が容易に発色したり、可塑剤などの薬品が記録画像に付着した場合に退色する問題がある。この様な欠点を防止するため、従来から感熱記録層上に保護層を設けることが行なわれている。更に、水酸化アルミニウムを含有した保護層をカーテン塗工によって形成させることにより、耐薬品性(画像保存性)、耐スティッキング性が向上することが行なわれている(特許文献1、2)。
また近年においては、各種チケット用、レシート用、ラベル用、銀行のATM用、ガスや電気の検針用、車馬券などの金券用などにも感熱記録体の用途が拡大してきており、優れた画質とより高い印刷光沢が求められている。
そこで、本発明は、感熱記録層及びその上にカオリンなどのアスペクト比の高い顔料を含有する保護層を形成させ、かつ発色感度、画質、印刷光沢に優れた感熱記録体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明において、アスペクト比が20以上、より好ましくは30以上のカオリン(以下、高アスペクト比カオリンという。)を含有させた保護層をカーテン塗工によって形成することによって、発色感度、画質、画像保存性、印刷光沢に優れた感熱記録体を得ることができる。
本発明の保護層に含有される高アスペクト比カオリンは、従来の感熱記録層の保護層に含有されていた顔料と比較して、非常に扁平な形状である。このため、低圧のスーパーカレンダーなどの処理で、目標とする平滑性が得られ、その結果、良好な発色感度及び画質を得ることができる。また、少ない塗工量で感熱記録層を十分に被覆できるため、画像部及び白紙部の保存安定性が向上するとともに、感熱記録層への熱伝導率の低下を抑えることができるため、良好な発色感度及び画質を得ることができる。
本発明の感熱記録体の保護層に含有される高アスペクト比カオリンの製造方法は特に限定されるものではないく、一例として、特殊粉砕することによりデラミネーションしたカオリンを分級することによって得ることができる。
本発明において、高アスペクト比カオリンは、その特異的な形状により効果を発揮するため単独で使用するのが好ましいが、顔料の総配合部数100重量部に対して高アスペクト比カオリンが50重量部以上、より好ましくは80重量部以上であれば、シリカ、炭酸カルシウム、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウム、アスペクト比が20未満のカオリンなどと併用することができる。
これらのカーテン塗工は、いずれも非接触方式の輪郭塗工であるため、均一な厚さの保護層が得られる。一方、バー塗工、エアナイフ塗工などの接触方式の塗工では、支持体の表面性(凹凸)の影響を受けるため、保護層厚が不均一となる。このため、同一塗工量では、カーテン塗工で形成された保護層の方が良好な画質を得ることができる上、画像の保存性も向上する。バー塗工、エアナイフ塗工などで、画像保存性が良好な保護層を得るためには、塗工量を増やすことで対応可能であるが、感熱記録層への熱伝導性が低下するため、発色感度が低下する。
本発明において、高アスペクト比カオリンを含有する保護層用塗料の破断時間が0.03秒以上、より好ましくは0.1秒以上であることが望ましい。破断時間が0.03秒未満であると、カーテン膜が不均一な状態となるため、塗工欠陥が発生する。なお、保護層用塗料の破断時間は、塗料の濃度各種バインダーの種類、ポリカルボン酸ナトリウムなどの増粘剤、アセチレングリコール、エチレングリコールなどの界面活性剤を適宜選択し、添加することで調整することができる。
本発明における塗料の破断時間は、伸張粘度計(例えば、機器名:CaBER1、Thermo Haake社製)によって測定する、塗料の伸びやすさ(洩糸性)を表す値であり、その値が大きい方が洩糸性の高い塗料である。
カルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基とエピクロロヒドリン系樹脂のアミンあるいはアミド部分が架橋反応を引き起こす(第一の耐水化)。次に、変性ポリアミン/アミド系樹脂の親水性部位とカルボキシル基含有樹脂とエピクロロヒドリン系樹脂で形成された親水性のある架橋部位が引き合うため、この架橋部位は変性ポリアミン/アミド系樹脂の疎水基を外側にして包まれた状態、つまり親水性のある架橋部位が疎水性基で水から保護された状態となる(第二の耐水化)。このため、従来技術より良好な耐水性が得られると推測される。特にカルボキシル基含有樹脂がカルボキシ変性ポリビニルアルコールである場合、変性ポリアミン/ポリアミド系樹脂の親水性部位がカルボキシ変性ポリビニルアルコールの水酸基に引き付けられ、カルボキシ変性ポリビニルアルコールが変性ポリアミン/アミド系樹脂の疎水基を外側にして包まれた状態になるとともに、変性ポリアミン/アミド系樹脂のカチオン性部位がカルボキシ変性ポリビニルアルコールのカルボキシル基と一種の架橋反応するため、さらに高い耐水性が発現していると考えられる。
このように、保護層に使用している樹脂と架橋剤との反応部位に、より高い疎水性効果を付与することで、塗工層中のバインダーなどが水分や湿気によって溶出することを防止することができ、耐水性(耐ブロッキング性、耐ウェットラブ性)が改善できる。
さらに、本発明に使用されるカルボキシ変性ポリビニルアルコールは、ハーキュレス粘度が低い、すなわち回転力(シェア)がかかっている状態での流動性が高く、シェアの低いところでは不動化しやすい。そのため、塗工時には塗液が滑らかに延び、塗工後はすぐに固化し均質で凹凸のない塗工層が形成される結果、印字される画像の画質および感度が向上するものと考えられる。また、カルボキシ変性ポリビニルアルコールは保水性が高いことから、支持体へのバインダーの浸透を抑えることができ、この効果によっても凹凸のない塗工層が形成されるため、画質および感度が向上するものと推測される。
本発明に使用されるカルボキシ変性ポリビニルアルコールの重合度および鹸化度は、特に制限されるものではなく、適宜選択して使用することが望ましい。
また、保護層塗液のpHは6.0以上が好ましい。特にエピクロロヒドリン系樹脂はアルカリ硬化型であるため、この範囲で良好な架橋反応が行なわれ、pHをこの範囲より低く調整すると、架橋反応を阻害してしまうため好ましくない。
また、本発明の感熱記録体の感熱記録層にエピクロロヒドリン系樹脂を含有することが望ましい。保護層に含有される成分と同じエピクロロヒドリン系樹脂を含有させることによって、感熱記録層と保護層の接着性が良好となり、浸漬耐水性が向上する。なお、エピクロロヒドリン系樹脂は感熱記録層に0.2〜2.0重量部添加することが望ましい。エピクロロヒドリン系樹脂の添加量が多くなると、塗料の安定性が低下する。
ル、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体並びにエチルセルロース、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、カゼイン、アラビヤゴム、酸化澱粉、エーテル化澱粉、ジアルデヒド澱粉、エステル化澱粉、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリスチロースおよびそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロ樹脂などを例示することができる。これらの
高分子物質は水、アルコール、ケトン類、エステル類、炭化水素などの溶剤に溶かして使用するほか、水又は他の媒体中に乳化又はペースト状に分散した状態で使用し、要求品質に応じて併用することも出来る。
本発明で使用する顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機または有機充填剤などが挙げられる。保護層中に用いる顔料としてはサーマルヘッドの摩耗性などを考慮した場合、水酸化アルミニウムやカオリンが好ましい。
本発明で使用する滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ワックス類、シリコーン樹脂類などが挙げられる。
このほかにベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔c〕フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2,4−ジメチル−6−〔(4−ジメチルアミノ)アニリノ〕−フルオラン
3,6,6'−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3'−フタリド〕、3,6,6'−トリス(ジエチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3'−フタリド〕、
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3'−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4'−ニトロ)アニリノラクタム、1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン、1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン、1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジアセチルエタン、ビス−〔2,2,2',2'−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
電子供与性ロイコ染料、電子受容性顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダーおよび目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。塗布する手段は特に限定されるものではなく、周知慣用技術に従って塗布することができ、例えばエアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ベントブレードコーター、ベベルブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーターなど各種コーターを備えたオフマシン塗工機やオンマシン塗工機が適宜選択され使用される。また、カップル型カーテンコーター、ツイン型カーテンコーター、スライド型カーテンコーターなどを用いて、保護層と感熱記録層をそれぞれが湿潤状態で形成させることもできる。感熱記録層の塗布量は特に限定されず、通常乾燥重量で2〜12g/m2の範囲である。また、感熱記録層上に設ける保護層の塗布量は特に限定されず、通常1〜5g/m2の範囲である。
実施例1
下記配合からなる配合物を攪拌分散して、アンダーコート層塗料を調製した。
1.アンダーコート層塗料
・焼成カオリン(エンゲルハード社製、商品名:アンシレックス90、吸油量:90
cc/100g) 100部
・スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(固形分48%) 40部
・ポリビニルアルコール 10%水溶液 30部
・水 146部
2.感熱記録層塗料
下記配合の顕色剤分散液(A液)、ロイコ染料分散液(B液)、及び増感剤分散液(C液)を、それぞれ別々にサンドグラインダーで平均粒子径0.5ミクロンになるまで湿式磨砕を行なった。
A液(顕色剤分散液)
・4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン 6.0部
・ポリビニルアルコール 10%水溶液 18.8部
・水 11.2部
B液(ロイコ染料分散液)
・3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(ODB−2)
2.0部
・ポリビニルアルコール 10%水溶液 4.6部
・水 2.6部
C液(増感剤分散液)
・シュウ酸ジベンジル 6.0部
・ポリビニルアルコール 10%水溶液 18.8部
・水 11.2部
3.感熱記録層塗料
・A液(顕色剤分散液) 36.0部
・B液(ロイコ染料分散液) 13.8部
・C液(増感剤分散液) 36.0部
・カルボキシ変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:KL118、ケン化
度:95〜98モル%、重合度:約1700)10%水溶液 25.0部
・界面活性剤(日信化学社製、商品名:サーフィノール104、固形分:50%)
0.6部
・増粘剤(サンノプコ社製、商品名:SNシックナー929S、固形分:12%)
4.2部
・ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC社製、商品名:WS4020、固形分:25%、カチオン化度2.7meq/g、分子量:220万、4級アミン)
2.0部
4.保護層塗料
・50%カオリン分散液(イメリス社製、商品名:コンツァ1500、アスペクト比
:60、平均粒子径:2.5μm、吸油量:45ml/100g) 6.0部
・カルボキシ変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:KL118)
10%水溶液 30部
・ステアリン酸亜鉛(商品名:ハイドリンZ−7−30、固形分30%、粒径5.5
ミクロン、中京油脂) 1.7部
・ポリアミドエピクロロヒドリン(WS−4200) 1.9部
・変性ポリアミン系樹脂(住友化学社製、商品名:スミレッズSPI102A、固形
分45%) 1.1部
・界面活性剤(商品名:サーフィノール104) 0.6部
・増粘剤(商品名:SNシックナー929S) 4.2部
塗工速度:650m/min
感熱層塗料:5.0g/m2
保護層塗料:2.5g/m2
塗工速度を400m/minとした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
塗工速度を200m/minとした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
塗工方式をツイン型へ変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1の保護層塗料のカオリンを、下記のカオリンに変更した以外、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
イメリス社製、商品名:ASTLA plate、アスペクト比:34、平均粒子径:2.0μm、吸油量:45ml/100g
実施例1の保護層塗料の変性ポリアミン系樹脂を無配合にした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例7
実施例1の保護層塗料に配合した変性ポリアミン系樹脂を、ポリエチレンイミン(星光PMC社製、商品名:CP8994、固形分:25%)2.0部に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例8
実施例1の保護層塗料の界面活性剤を無配合した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例9
実施例1の感熱記録層塗料をエアナイフコーターで塗工(300m/min)・乾燥後、実施例1の保護層塗料をカーテンコーターで塗工(650m/min)した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作成した。
実施例1の保護層塗料に配合した50%カオリン分散液を50%水酸化アルミニウム分散液(マーティンベルグ社製、アスペクト比:5、平均粒子径:3.5μm、吸油量:50ml/100g)に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1の保護層塗料のカオリンを、下記のカオリンに変更した以外、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
DBK社製、商品名:DB PLATE、アスペクト比:10、平均粒子径:2.8μm、吸油量:45ml/100g
比較例3
保護層の塗工方式をバー塗工(650m/min)にした以外は実施例9と同様にして感熱記録体を得た。
比較例4
保護層の塗工方式をエアナイフ塗工(400m/min)にした以外は実施例9と同様にして感熱記録体を得た。
1.塗料の破断時間
伸張粘度計(CaBER1、Thermo Haake社)を用いて下記条件で、保護層塗料の破断時間(秒)を測定した。
流体のひずみ速度:1×10-5<ε<10
せん断粘度範囲:10〜106mPa・s
プレート径:6mm
測定温度:20℃
2.印字濃度
大倉電機社製のTH−PMDを使用し、作成した感熱記録体に印加エネルギー0.34mJ/dotで印字を行なった。印字後の画像濃度はマクベス濃度計(アンバーフィルター使用)で測定した。
大倉電機社製のTH−PMDを使用し、作成した感熱記録体に印加エネルギー0.34mJ/dotでべた印字を行なった。印字後の画質を下記の基準で評価した。
◎:全くムラが見られない。
○:僅かにムラが見られる。
△:若干、ムラが見られる。
×:ムラがはっきりと見られる。
4.印刷光沢度
UVインクで感熱記録体の表面にRI印刷を行った際の、印刷光沢度を評価した。
感熱記録体の記録面に水を10μl垂らし、記録面が内側になるように二つ折りにし、水滴を滴下した記録体の上に100g/cm2の重荷をかけ、40℃90%RHの環境下で24時間放置し、その後記録面を剥がしブロッキングの評価を行なった。評価基準については下記に示す。
○:全くブロッキングがない
△:僅かに剥離音はするが、ブロッキングがない
×:若干のブロッキングが見られる、又はブロッキングが生じ記録層の一部が剥がれる
6.塗工欠陥
作成した感熱記録体200枚(A4サイズ)を送風乾燥器(105℃、10分)処理し、塗工欠陥数(白抜け数)を下記の基準で判断した。
○:200枚中の塗工欠陥数が5個以下である。
△:200枚中の塗工欠陥数が5〜10個である。
Claims (4)
- 支持体の一面に、順次、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料と電子受容性顕色剤とを含有する感熱記録層、及びアスペクト比が20以上のカオリンを含有する保護層を設けた感熱記録体の製造方法であって、少なくとも該保護層をカーテン塗工することによって形成することを特徴とする感熱記録体の製造方法。
- 前記カーテン塗工の塗工速度が300m/min以上である請求項1に記載の製造方法。
- 前記カーテン塗工に用いる塗料の破断時間が、伸張粘度計を用いて下記条件で測定したときに、0.03秒以上である請求項1又は2に記載の製造方法。
流体のひずみ速度:1×10 -5 <ε<10
せん断粘度範囲:10〜10 6 mPa・s
プレート径:6mm
測定温度:20℃
- 前記保護層が、カルボキシル基含有樹脂、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/アミド系樹脂を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
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