JP2010214833A - 感熱記録体用塗料、感熱記録体の製造方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】連続走行するウェブ上に予め計量された塗料を塗布する前計量式の塗布法のための塗料において、塗布する感熱記録体用塗料を塗料容器内壁面に薄膜状に引き延ばして泡の沸出を促進すると共に、泡中に内包される気体の圧力で泡を破壊する真空薄膜法により、該感熱記録体用塗料50g中の泡径と泡数の関係が
「φ1mm以上=0個」かつ「φ1mm未満=30個以下」とされたことを特徴とする感熱記録体用塗料。
【選択図】なし
Description
カーテン塗布方法は、写真フィルム等の写真感光材料等の製造によく用いられている塗布方法であり、塗布液をノズルスリットから吐出し、該吐出された塗布液をカーテン状に案内するカーテンエッジガイドで自由落下させ、連続走行するウェブ上に衝突させながら塗布膜を形成させる方法や塗布液をスリットから吐出し、該吐出された塗布液をスライド面上を移動させ、その塗布液をカーテン状に案内するカーテンエッジガイドで自由落下させ、連続走行するウェブ上に衝突させながら塗布膜を形成させる方法がある。
また、ウェブ上に塗布された泡が破泡し、破泡痕として残り、均一な塗膜ができずに欠陥となる。
前記特許公報で開示されている技術では、溶存酸素量を規定しているが、しかしながら、液中の泡と溶存酸素量の相関は、塗工液の組成や粘度に拘わらず、常に取れるものとは言えないため、溶存酸素量を規定しただけはその技術的意義は明確とはいえない。また、単に攪拌のみによる脱泡は、時間がかかり、攪拌を激しくすれば、塗料中の液体成分の気化を促し、新たな起泡を生じかねない。
「φ1mm以上=0個」かつ「φ1mm未満=30個以下」とされたことを特徴とする感熱記録体用塗料」、
(2)「容器内圧力−90kPa以下の環境下で液体を薄膜状に引き伸ばして脱泡処理されたものであることを特徴とする前記第(1)項に記載の感熱記録体用塗料」により達成される。
また、上記課題は、本発明の(3)「前記第(1)項または第(2)項に記載された感熱記録体塗料を用いて、カーテン塗工方式にて塗布することを特徴とする感熱記録体の製造方法」により達成される。
また、上記課題は、本発明の(4)「少なくとも1層以上の塗布液をスリットから吐出・積層させてウェブ上に塗布することを特徴とする前記第(3)項に記載の感熱記録体の製造方法」により達成される。
また、上記課題は、本発明の(5)「前記第(1)項または第(2)項に記載された感熱記録体塗料製造装置、及びその塗料を用いてカーテン塗工方式にて塗布することを特徴とする感熱記録体の製造装置」により達成される。
特に、カーテン塗工方式にて感熱記録体用塗料をウェブ上に塗工する際に非常に有用なものである。
本発明の感熱記録体用塗料は、感熱記録体を構成する、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層、感熱記録層上に設けられる保護層、感熱記録層と保護層の間に設けられる中間層に用いることができる。
つまり、本発明において、感熱記録体用塗料とは、感熱記録層用塗料、保護層用塗料、中間層用塗料の何れかの塗料である。
また、本発明の感熱記録体用塗料とは、感熱記録体を構成している感熱記録層、保護層、中間層の何れかの層が、該感熱記録体用塗料をタンク内壁面に薄膜状に引き延ばして泡の沸出を促進すると共に、泡中に内包される気体の圧力で泡を破壊する真空薄膜法により、塗料50g中の泡数「φ1mm以上=0個」かつ「φ1mm未満=30個以下」とした塗料を用いて形成されたものである。
ここでいう白抜けとは、感熱記録層用塗料の付着量が少ないために起こる発色不良部をいい、外観は破泡痕を核とした長さ1mm以上の塗工欠陥をいう。
本発明で用いられるロイコ染料は電子供与性を示す化合物であり、単独で又は2種以上混合して適用されるが、それ自体無色或いは淡色の染料前駆体であり、従来公知のもの、例えば、トリフェニルメタンフタリド系、トリアリルメタン系、フルオラン系、フェノチジアン系、チオフェルオラン系、キサンテン系、インドフタリル系、スピロピラン系、アザフタリド系、クロメノピラゾール系、メチン系、ローダミンアニリノラクタム系、ローダミンラクタム系、キナゾリン系、ジアザキサンテン系、ビスラクトン系等のロイコ化合物を用いることができる。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ペンチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−メチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−ブロモアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロルアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(o−フロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)
フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、ベンゾロイコメチレンブルー、2−[3,6−ビス(ジエチルアミノ)]−6−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム、2−[3,6−ビス(ジエチルアミノ)]−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロルフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロルフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメトキシアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロルフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)フタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3′)−6′−ジメチルアミノフタリド、6′−クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6′−ブロモ−2′−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピランなど。
感熱発色層におけるロイコ染料の含有量は5〜20重量%が好ましく、10〜15重量%がより好ましい。
ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、4,4′−イソプロピリデンジフェノール、1,1′−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、4,4′−イソプロピリンビス(2,6−ジブロモフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2,6−ジクロロフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2−メチルフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)、4,4′−sec−ブチリデンジフェノール、4,4′−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4′−シクロヘキシリデンビス(2−メチルフェノール)、4−tert−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、α−ナフトール、β−ナフトール、3,5−キシレノール、チモール、メチル−4−ヒドエロキシベンゾエート、4−ヒドロキシアセトフェノン、ノボラック型フェノール樹脂、2,2′−チオビス(4,6−ジクロロフェノール)、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロール、フロログリシン、フロログリシンカルボン酸、4−tert−オクチルカテコール、2,2′−メチレンビス(4−クロロフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−ジヒドロキシジフェニル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−p−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−o−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−p−メチルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−n−オクチル、安息香酸、サリチル酸亜鉛、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸亜鉛、4−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−クロロジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、2−ヒドロキシ−p−トルイル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸亜鉛、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸スズ、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸、4−ヒドロキシフタル酸、ホウ酸、チオ尿素誘導体、4−ヒドロキシチオフェノール誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸エチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸−n−プロピル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸−n−ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸フェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸フェネチル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸−n−プロピル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)3−オキサペンタン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ−4′−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−sec−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−tert−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−フェノキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−(m−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−(p−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−(o−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−(p−クロロベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−オキシアリルジフェニルスルホンなど。
感熱発色層には、上記ロイコ染料と顕色剤の他に、結着剤、フィラー、熱可融性物質、架橋剤、顔料、界面活性剤、蛍光増白剤、滑剤等の、感熱記録材料を構成するのに慣用的に用いられる各種材料を適宜併用することができる。
結着剤は、層の塗工性、結着性の向上のため必要に応じて用いられる。その具体例としては、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビヤゴム、ポリビニルアルコール、ジイソブチレン/無水マレイン酸共重合体塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体塩、エチレン/アクリル酸共重合体塩、スチレン/アクリル共重合体塩、スチレン/ブタジエン共重合体塩エマルジョンなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
感熱発色層の厚みは、感熱発色層の組成や感熱発色材料の用途等により異なり一概には規定できないが、1〜50μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。
第一保護層に用いる水溶性樹脂(結着樹脂)及び架橋剤としては、第二保護層で使用するのと同じ水溶性樹脂及び架橋剤が使用できる。中でも、水溶性樹脂としてはジアセトン変成ポリビニルアルコールが好ましい。
トリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−N−P−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びこれらのメチルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、メチルアイオダイド若しくはエチルアイオダイドによる4級化物、又はそれらのアニオンを置換したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩若しくはアルキルカルボン酸塩、ジアリルアミン、ジアリルメチルアミン、ジアリルエチルアミン及びこれらの塩(例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルジメチルアンモニウム塩(該塩の対アニオンとしてはクロライド、酢酸イオン、硫酸イオンなど)、更にはビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール及びこれらの塩が挙げられる。
顔料としては、例えば水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカなどの無機系微粉末を用いることができる。特に、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムは、長期にわたって印字を行なった際のサーマルヘッドに対する耐磨耗性が良好である。
水溶性樹脂(結着樹脂)としては、ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子などが挙げられるが、熱溶解及び軟化しにくい耐熱性の高い樹脂がスティッキング改善には有利であり、その観点から、反応性カルボニル基を含むポリビニルアルコールが好ましい。中でも本発明では、ジアセトン変成ポリビニルアルコールを必ず用いる。
ジアセトン変成ポリビニルアルコールは、ビニルモノマーを共重合したものであってもよい。共重合可能なビニルモノマーとしては、例えばアクリル酸エステル、ブタジエン、エチレン、プロピレン、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。
ジアセトン変成ポリビニルアルコール中のジアセトン基の含有量は、ポリマー全体に対して0.5〜20モル%程度とするが、耐水化を考えると2〜10モル%の範囲が好ましい。2%より少ないと実用上耐水性が不十分であり、10モル%を超えても耐水化の向上が見られず経済的に高価となる。
ジアセトン変成ポリビニルアルコールの重合度は、300〜3000が好ましく、500〜2200の範囲が特に好ましい。また、鹸化度は80%以上が好ましい。
また、他の公知の架橋剤と組み合わせてもよい。
第二保護層に含まれるアクリル樹脂としては、エチレン/アクリル酸共重合物水溶性塩、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルを共重合成分、あるいはこれら共重合成分にメタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトル、酢酸ビニル等を共重合成分とする水溶性アクリル樹脂が挙げられる。また、マレイン酸系共重合樹脂としては、ジイソブチレン/無水マレイン酸共重合物水溶性塩、スチレン/無水マレイン酸共重合物水溶性塩等が挙げられる。これらの中でも、特にジイソブチレン/無水マレイン酸共重合物水溶性塩が好ましい。
また、上記アクリル樹脂、マレイン酸系共重合樹脂は水溶性タイプとエマルションタイプのどちらでも同等の印刷画像の耐水性効果が得られるが、エマルションタイプを使用した場合、耐可塑剤性、耐油性等のバリア性品質が低下するという背反作用があるため、水溶性タイプの方が好ましい。
また、第二保護層は塩基性フィラーとしての水酸化アルミニウム及び/又は炭酸カルシウムや、シリコーンレジン粒子を含有していてもよい。塩基性フィラーとしての、水酸化アルミニウム及び炭酸カルシウムは、粒子状であり、平均粒子径としては、特に制限はないが、ヘッドマッチング特性の発現の程度や発色特性を踏まえて、0.1〜2ミクロン程度が望ましい。
ウェブの材料も目的に応じて適宜選択することができ、種々の無機材料や有機材料を用いることができる。
無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、SiO2、金属等が挙げられる。有機材料としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、合成紙等の紙;三酢酸セルロース等のセルロース誘導体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる高分子フィルムなどが挙げられる。中でも、上質紙、アート紙、コート紙、高分子フィルムが好ましい。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ウェブは、塗布層の接着性を向上させる目的で、コロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理、易接着処理、帯電防止処理等により表面改質することが好ましい。また、支持体には、酸化チタン等の白色顔料などを添加して白色にすることが好ましい。
ウェブの厚みは、目的に応じて適宜選択することができるが、50〜2,000μmが好ましく、100〜1,000μmがより好ましい。
バック層には、更に、フィラー、滑剤等の他の成分を含有させてもよい。
結着樹脂としては、水分散性樹脂及び水溶性樹脂の何れかが用いられ、具体的には、従来公知の水溶性高分子、水性高分子エマルジョンなどが挙げられる。
水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
水性高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル酸エステル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックスや酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のエマルジョン等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤としては、前述した第二保護層の場合と同様のものを用いることができる。
フィラーとしては、無機フィラー又は有機フィラーを用いることができる。
無機フィラーとしては、例えば、炭酸塩、ケイ酸塩、金属酸化物、硫酸化合物等が挙げられる。有機フィラーとしては、例えば、シリコーン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ホルムアルデヒド系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等が挙げられる。
塗布方法も目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ニーダーコート法、カーテンコート法、ブレードコート法などを用いることができる。
バック層の厚みは、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。
粘着剤層の材料は、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
感熱粘着剤層は、熱可塑性樹脂及び熱溶融性物質を含有し、更に必要に応じて粘着付与剤を含有する。熱可塑性樹脂は粘着力及び接着力を付与するものである。熱溶融性物質は常温では固体であるため樹脂に可塑性は与えないが、加熱により溶融して樹脂を膨潤乃至軟化させて粘着性を発現させるものである。また、粘着付与剤は粘着性を向上させる働きを有するものである。
感熱記録材料の他の使用形態である感熱記録磁気紙は、感熱記録材料のウェブの裏面又はバック層面に、磁気記録層を有し、更に必要に応じてその他の構成を有する。
磁気記録層は、例えば、酸化鉄やバリウムフェライト等と、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ナイロン系樹脂等を用い、支持体上に塗工形成するか、又は樹脂を用いずに、蒸着、スパッタリング等の方法で形成する。
磁気記録層は、ウェブにおける感熱発色層とは反対側の面に設けることが好ましいが、ウェブと感熱発色層との間、或いは感熱発色層上の一部に設けてもよい。
塗料の脱泡方法には、従来公知の静置法、減圧法、静置減圧法や、減圧タンク内に高速回転する円盤を設けてその円盤から脱泡する液体の液滴を射出し、タンクの壁面に衝突させて泡を破壊する方式のもの(分散板式脱泡法)や、減圧された円筒状チャンバー内でチャンバー中心を軸として高速回転するローターの遠心力により液体をチャンバー内壁面へ薄膜上に引き延ばして泡の湧出を促進させるとともに、泡が内包する気体の圧力で泡を破壊する方法(真空薄膜法)、減圧タンク内で液体中の泡を膨張、浮上させた後に浮上した泡に向けて圧力空気を噴射して泡を破壊する方法のものなどがあるが、但し、本発明の「感熱記録体用塗料50g中の泡径と泡数の関係を、「φ1mm以上=0個」かつ「φ1mm未満=30個以下」にするためにかかる処理時間を短縮する有効な手段としては、容器内の真空値を−90Kpa以下とし、液体を薄膜状に引き伸ばす方式(前記真空薄膜法)を用いる。
塗料50g中の泡径と泡数の関係が、前記条件より悪くなると、塗布した際に塗料中の泡部分の液付着量が少なくなるため、この泡の影響で発色濃度に問題が生じ、印字の読み取り不良も生じやすくなる。この現象は特に、カーテンコーターで塗工した場合に顕著に現れる。
[A液]
・プラスチック球状微小中空粒子(塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体(塩化ビニリデン/アクリロニトリルのモル比=6/4)、固形分濃度27.5%、平均粒径3μm、中空率90%) 36部
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(製品名:スマーテックスPA−9159(日本エイアンドエル社製)、固形分濃度47.5%) 31部
・水 97部
次に、原紙支持体(坪量約60g/m2の上質紙)に下塗り層塗布液[A液]を乾燥後の付着量が2.0g/m2となるようにロッドバー塗工で塗工乾燥し下塗り層塗工紙を得た。
[B液]
・2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン 20部
・イタコン酸変性ポリビニルアルコール(変性率1モル%)の10%水溶液 20部
・水 60部
[C液]
・4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン 20部
・イタコン酸変性ポリビニルアルコール(変性率1モル%)の10%水溶液 20部
・シリカ 10部
・水 50部
上記組成からなる[B液]、[C液]を、それぞれ平均粒径が1.0μm以下になるようにサンドミルを用いて分散し、染料分散液[B液]、顕色剤分散液[C液]を調製した。
続いて、[B液]と[C液]を1:7の割合で混合し、固形分濃度を30%に調整し、攪拌して、感熱発色層塗布液[D液]を調製した。
[E液]
・ジアセトン変性ポリビニルアルコール(変性率4モル%)の10%水溶液
120部
・アジピン酸ジヒドラジドの10%水溶液 10部
上記組成の材料を混合し攪拌して第一保護層塗布液[E液]を調製した。(B型粘度300mPas)
[F液]
・水酸化アルミニウム
(平均粒径0.6μm、昭和電工社製:ハイジライトH−43M) 20部
・イタコン酸変性ポリビニルアルコール(変性率1モル%)の18%水溶液 11部
・水 35部
上記組成の材料を、サンドミルを用いて24時間分散し、[D液]を調製した。
[G液]
・上記[F液] 150部
・ジアセトン変性ポリビニルアルコール(変性率4モル%)の18%水溶液 60部
・アジピン酸ジヒドラジドの10%水溶液 10部
・水 10部
上記組成の材料を混合し攪拌して第二保護層塗布液[G液]を調製した。(B型粘度330mPas)
上記下塗り層塗工紙上に、感熱発色層塗布液[C液]を3.0g/m2(乾燥後付着量)になるようにカーテン塗工・乾燥した後、第一保護層塗布液[D液]を1.0g/m2(乾燥後付着量)になるように塗工・乾燥した後、第二保護層塗布液[F液]を1.0g/m2になるように塗工・乾燥し感熱記録体を作製した。
「φ1mm以上=0個」かつ「φ1mm未満=21個」
脱泡処理条件:真空値 −90Kpa、薄膜法、5分
「φ1mm以上=0個」かつ「φ1mm未満=37個」であった。
脱泡処理:真空値 −85Kpa、薄膜法、5分
感熱記録層塗料の脱泡条件を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして、比較例1の感熱記録体を作製した。なお、感熱記録層塗料の50g中の泡径と泡数は
「φ1mm以上=6個」かつ「φ1mm未満=59個」であった。
脱泡処理:真空値 −90Kpa、分散板式脱泡法、5分
感熱記録層塗料の脱泡条件を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして、比較例2の感熱記録体を作製した。なお、感熱記録層塗料の50g中の泡径と泡数は
「φ1mm以上=9個」かつ「φ1mm未満=82個」であった。
脱泡処理:真空値 −90Kpa、静置法、5分
感熱記録層塗料の脱泡処理を 行なわなかった以外は実施例1と同様にして、比較例3の感熱記録体を作製した。なお、感熱記録層塗料の50g中の泡径と泡数は
「φ1mm以上=24個」かつ「φ1mm未満=133個」であった。
5m2分の塗工紙をスタンプリントにてべた焼き処理(150℃)し、塗工欠陥数(白抜け数)を下記の基準で判定した。
これに対し、脱泡処理が不充分である実施例3,比較例1、2また脱泡処理を行なっていない比較例3の塗料をカーテン塗工に用いた場合は、塗料中の泡に由来する塗工欠陥が生じており、バーコード読み取り不良も発生している。
Claims (5)
- 連続走行するウェブ上に 予め計量された塗料を塗布する前計量式の塗布法のための塗料において、塗布する感熱記録体用塗料を塗料容器内壁面に薄膜状に引き延ばして泡の沸出を促進すると共に、泡中に内包される気体の圧力で泡を破壊する真空薄膜法により、該感熱記録体用塗料50g中の泡径と泡数の関係が
「φ1mm以上=0個」かつ「φ1mm未満=30個以下」とされたことを特徴とする感熱記録体用塗料。 - 容器内圧力−90kPa以下の環境下で液体を薄膜状に引き伸ばして脱泡処理されたものであることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録体用塗料。
- 請求項1または2に記載された感熱記録体塗料を用いて、カーテン塗工方式にて塗布することを特徴とする感熱記録体の製造方法。
- 少なくとも1層以上の塗布液をスリットから吐出・積層させてウェブ上に塗布することを特徴とする請求項3に記載の感熱記録体の製造方法。
- 請求項1または2に記載された感熱記録体塗料製造装置、及びその塗料を用いてカーテン塗工方式にて塗布することを特徴とする感熱記録体の製造装置。
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