JP6060629B2 - 感熱記録ラベル - Google Patents
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Description
従来、ラベルの情報記録面とは反対面に、粘着剤層と剥離紙を積層した構成の一般的な粘着シートが、貼り合わせ時に剥離紙を剥がし加圧のみで簡便に貼り合わせることのできるため広く使用されている。
しかし、一般的な構成の粘着シートは、剥離紙を剥離して使用するが、剥離された剥離紙は回収されて再利用され難く、ほとんどの場合廃棄処分されている。
したがって、適正に印字が可能であり、且つ、適正に粘着剤層と剥離層が剥離できる感熱記録ライナーレスラベルが要望されている。
しかし、サーマルヘッドとのマッチング性は充分とは言えず、更に、ステアリン酸亜鉛を含有するため、シリコン樹脂が硬化しにくくなり、剥離性が低下してしまうという問題が生じる。
しかし、剥離層を形成する樹脂は、紫外線硬化型シリコーン樹脂であり、紫外線硬化時に体積収縮が生じ、剥離層と保護層との結着性が低下することがある。
しかし、紫外線硬化時の体積収縮は防止できず、スティッキングの低下を招いてしまう。
しかし、無溶剤型シリコーン樹脂は、溶剤型のシリコン樹脂に比し分子量が小さく、硬化結合が不十分になり易いものであり、放射線硬化では架橋反応が速く、数秒で硬化被膜が形成されるため、≡SiH基が残存しやすく架橋密度が低下してスティッキングが生じることがある。
しかし、スティッキング防止及びバリア層との結着性を向上させるものではない。
しかし、該保護層は最表面層であり、最表面無溶剤型シリコン樹脂からなる剥離層との相性を開示するものではない。
すなわち、支持体の一方の面上に、少なくともアンダー層、感熱発色層、バリア層、剥離層を順次積層され、支持体の他方の面上に、粘着剤層が設けられた感熱記録ライナーレスラベルにおいて、該剥離層が、無溶剤型シリコン樹脂を架橋硬化させたものであり、且つ、バリア層が水溶性樹脂、架橋剤及びフィラーからなる構成にすることで、剥離層を形成する際、シリコン樹脂を熱硬化させる際の熱量を下げても高い硬化性を示し、更に、無溶剤型シリコン樹脂は体積収縮が少なく、シリコン樹脂の熱硬化後の剥離層とバリア層との結着性が向上することで、ロール状態にした際の剥離層と粘着剤層の剥離性が向上し、また、剥離層とバリア層との結着性向上により、サーマルヘッドでの印字に対しても、高温高湿環境条件下での搬送性及び低温低湿環境条件下でのスティッキング性が良好になることを知見した。
(1)「支持体の一方の面上に、少なくともアンダー層、感熱発色層、バリア層、剥離層を順次積層され、支持体の他方の面上に、粘着剤層が設けられた感熱記録ラベルであって、前記剥離層が、無溶剤型シリコン樹脂を架橋硬化させたものであり、且つ、前記バリア層が水溶性樹脂、架橋剤及びフィラーを含むことを特徴とする感熱記録ラベル」、
(2)「前記剥離層の無溶剤型シリコン樹脂が、ヘキセニル基を有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを含有する無溶剤型の熱硬化型シリコン樹脂からなることを特徴とする前記(1)項に記載の感熱記録ラベル」、(3)「前記バリア層の水溶性樹脂がイタコン酸変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする前記(1)項または(2)項に記載の感熱記録ラベル」、
(4)「前記バリア層のフィラーが、水酸化アルミニウム粒子であることを特徴とする前記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載の感熱記録ラベル」、
(5)「前記バリア層に、さらにシリコーンレジン粒子を含有することを特徴とする前記(1)項乃至(4)項のいずれかに記載の感熱記録ラベル」、
(6)「前記アンダー層中の顔料が、熱可塑性中空樹脂粒子からなる前記(1)項乃至(5)項のいずれかに記載の感熱記録ラベル」。
本発明の感熱記録ラベルは、支持体の一方の面上に、少なくともアンダー層、感熱発色層、バリア層、剥離層が順次積層され、支持体の他方の面上に、粘着剤層が設けられた感熱記録ラベルである。
剥離層は、無溶剤型シリコン樹脂を架橋硬化させたものである。前記無溶剤型シリコン樹脂は、付加反応型シリコーンと、分子の主鎖末端又は側鎖の末端に≡SiHを持ったオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを熱硬化させることで得ることができる。
紫外線照射による硬化では、硬化速度が速いため、分子間の結合歪が生じやすく、均等に硬化し難い。そして一部の硬化が不十分であると、初期には良好であっても、時間が経過するにしたがって、剥離が重くなってしまうことがある。
触媒は樹脂100部に対し2.5〜4重量部であることが好ましい。2.5重量部未満では充分硬化させることができない場合がある。
バリア層は、水溶性樹脂、架橋剤、フィラーを含有するものである。
前記水溶性樹脂(結着樹脂)としては、ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子などが挙げられるが、熱溶解及び軟化し難く、耐熱性に優れ、耐スティッキング製に優れることから反応性カルボニル基を含むポリビニルアルコールであることが好ましい。
前記反応性カルボニル基を含むポリビニルアルコールとしては、ジアセトン変性ポリビニルアルコール及びイタコン酸変性ポリビニルアルコールを好ましく用いることができる。
ジアセトン変性ポリビニルアルコールの重合度は、300〜3000が好ましく、500〜2200の範囲が特に好ましい。また、鹸化度は80%以上が好ましい。
また、他の公知の架橋剤と組み合わせてもよい。
フィラーの平均粒子径としては、特に制限はないが、感度特性を踏まえて、0.1〜2μmであることが好ましい。
シリコーンレジン粒子は、シリコン樹脂を微細な粉末状に分散硬化したものであり、球状微粒子のものと不定型粉体があるが、球状であることが好ましい。
本発明に使用されるシリコーンレジン粒子のシリコン樹脂は、シロキサン結合を主鎖に持った三次元網目構造状のポリマーを使用でき、側鎖にメチル基を有するものの他、フェニル基、カルボキシル基、ビニル基、ニトリル基、アルコキシ基、塩素原子等を有したものが広く適用できる。シロキサン結合を主鎖に持った三次元網目構造状のポリマーを使用した硬化物粉末は、分散性及び耐熱性に優れ、有機溶剤に膨張、溶解しない。
アンダー層は、結着樹脂とプラスチック中空粒子とを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してもよい。
プラスチック中空粒子は、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気その他の気体を含有するもので、既に発泡状態となっている微小中空粒子であり、平均粒子径(粒子外径)は、0.2〜20μmが好ましく、特に2〜5μmのものが好ましい。平均粒子径が0.2μmより小さいものは、技術的に中空にするのが難しいし、アンダー層の役割が不十分となる。一方、20μmより大きいと、塗布乾燥後の表面の平滑性が低下するため感熱記録層の塗布が不均一になり、均一にするために必要量以上の感熱記録層用塗布液を塗布しなければならない。
したがって、平均粒子径が上記範囲にあると同時に、バラツキの少ない分布ピークの均一なものが望ましい。
更に、上記微小中空粒子は、中空率が30〜95%のものが好ましく、特に80〜95%のものが好ましい。中空率が30%未満のものは断熱性が不充分なため、サーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通じて感熱記録材料の外へ放出され、感度向上効果が不充分となる。なお、ここで言う中空率とは中空粒子の外径と内径(中空部の直径)の比であり、下記式で表わされるものである。
中空率=(中空粒子の内径/中空粒子の外径)×100
リエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。また、熱可塑性物質としては、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂類、尿素−ホルムアルデヒド樹脂類、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂類、フラン樹脂類等や付加重合によって生成する不飽和ポリエステル樹脂や架橋MMA樹脂等が挙げられる。このうち、スチレン−アクリル樹脂や、塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂が、中空率が高くかつ粒子径のバラツキが小さくなることからブレード塗工に適している。
プラスティック中空粒子の塗布量は、感度及び塗布均一性を保つために、支持体1m2当り1〜3g必要となる。1g/m2未満では充分な感度が得られず、また、3g/m2を超えると層の結着性の低下が発生する。
感熱発色層は、ロイコ染料及び顕色剤を含有する。
本発明で用いられるロイコ染料は電子供与性を示す化合物であり、単独で又は2種以上混合して適用されるが、それ自体無色或いは淡色の染料前駆体であり、従来公知のもの、例えば、トリフェニルメタンフタリド系、トリアリルメタン系、フルオラン系、フェノチジアン系、チオフェルオラン系、キサンテン系、インドフタリル系、スピロピラン系、アザフタリド系、クロメノピラゾール系、メチン系、ローダミンアニリノラクタム系、ローダミンラクタム系、キナゾリン系、ジアザキサンテン系、ビスラクトン系等のロイコ化合物を用いることができる。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ペンチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−メチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−ブロモアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロルアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(o−フロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、ベンゾロイコメチレンブルー、2−[3,6−ビス(ジエチルアミノ)]−6−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム、2−[3,6−ビス(ジエチルアミノ)]−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロルフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロルフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメトキシアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロルフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)フタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3′)−6′−ジメチルアミノフタリド、6′−クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6′−ブロモ−2′−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピランなど。
ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、4,4′−イソプロピリデンジフェノール、1,1′−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、4,4′−イソプロピリンビス(2,6−ジブロモフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2,6−ジクロロフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2−メチルフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)、4,4′−sec−ブチリデンジフェノール、4,4′−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4′−シクロヘキシリデンビス(2−メチルフェノール)、4−tert−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、α−ナフトール、β−ナフトール、3,5−キシレノール、チモール、メチル−4−ヒドエロキシベンゾエート、4−ヒドロキシアセトフェノン、ノボラック型フェノール樹脂、2,2′−チオビス(4,6−ジクロロフェノール)、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロール、フロログリシン、フロログリシンカルボン酸、4−tert−オクチルカテコール、2,2′−メチレンビス(4−クロロフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−ジヒドロキシジフェニル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−p−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−o−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−p−メチルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−n−オクチル、安息香酸、サリチル酸亜鉛、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸亜鉛、4−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−クロロジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、2−ヒドロキシ−p−トルイル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸亜鉛、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸スズ、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸、4−ヒドロキシフタル酸、ホウ酸、チオ尿素誘導体、4−ヒドロキシチオフェノール誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸エチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸−n−プロピル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸−n−ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸フェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸フェネチル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸−n−プロピル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)3−オキサペンタン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ−4′−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−sec−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−tert−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−フェノキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−(m−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−(p−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−(o−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−(p−クロロベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−オキシアリルジフェニルスルホンなど。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
更に、感熱発色層にジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有させると、バリア層又は、感熱発色層とバリア層に架橋剤としてN−アミノポリアクリルアミドを含有させた場合に、架橋反応が起こりやすくなり、発色阻害となる他の架橋剤を添加することなく耐水性を向上させることができるため好ましい。
感熱記録層の厚みは、感熱記録層の組成や感熱記録材料の用途等により異なり一概には規定できないが、1〜50μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。
支持体の形状、構造、大きさ等は、目的に応じて適宜選択することができる。支持体の形状としては、例えば平板状などが挙げられ、構造としては、単層構造でも積層構造でもよく、大きさとしては、感熱記録材料の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
支持体の材料も目的に応じて適宜選択することができ、種々の無機材料や有機材料を用いることができる。
無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、SiO2、金属等が挙げられる。有機材料としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、合成紙等の紙;三酢酸セルロース等のセルロース誘導体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる高分子フィルムなどが挙げられる。中でも、上質紙、アート紙、コート紙、高分子フィルムが好ましい。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
支持体は、塗布層の接着性を向上させる目的で、コロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理、易接着処理、帯電防止処理等により表面改質することが好ましい。また、支持体には、酸化チタン等の白色顔料などを添加して白色にすることが好ましい。
バック層には、更に、フィラー、滑剤等の他の成分を含有させてもよい。
結着樹脂としては、水分散性樹脂及び水溶性樹脂の何れかが用いられ、具体的には、従来公知の水溶性高分子、水性高分子エマルジョンなどが挙げられる。
無機フィラーとしては、例えば、炭酸塩、ケイ酸塩、金属酸化物、硫酸化合物等が挙げられる。有機フィラーとしては、例えば、シリコーン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ホルムアルデヒド系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等が挙げられる。
バック層の厚みは、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。
感圧性粘着剤層に用いる粘着剤としては、安全面、品質面、コスト面から広範囲に使われているアクリル系エマルジョンを用いることが最も好ましく、この場合、粘着剤の液粘度調整に用いる増粘剤としては粘着特性を阻害しない同系種のポリアクリル酸を用いることが望ましい。しかしながら、ポリアクリル酸は、粘着剤と比較して分子量が小さく移動しやすいため、ポリアクリル酸の官能基である−COOHが粘着剤層界面に配向しやすく、架橋不足によって剥離層表面に残存しているオルガノハイドロジェンポリシロキサン内の≡SiHと結合し、剥離力を増加させることになる。
また、感圧性粘着剤の付着量が10〜25g/m2であれば、ラベルを貼る被着体の表面形状に拘わらず、安定した粘着力を得ることができるので、ダンボール等の被着体へ粘着ラベルを貼り合わせた場合のラベル浮きを改善できる。付着量が10g/m2を下回ると、ダンボールのような祖面においては、ダンボール表面を粘着剤で覆うことができなくなるため、粘着力が極端に低下してしまい、また、付着量が25g/m2を超えると、コスト面はもちろんのこと、最終形態であるロール形状にした場合に、糊のはみ出しの問題が発生するため、好ましくない。
(1)アンダー層塗布液の調製
[A液]
焼成カオリン 36部
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス 10部
(製品名:スマーテックスPA−9159(日本エイアンドエル社製)、固形分濃度47.5%)
水 54部
[B液]
2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン 20部
イタコン酸変性ポリビニルアルコール(変性率1モル%)の10%水溶液 20部
水 60部
4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン 20部
イタコン酸変性ポリビニルアルコール(変性率1モル%)の10%水溶液 20部
シリカ 10部
水 50部
上記組成からなる[B液]、[C液]を、それぞれ平均粒径が1.0μm以下になるようにサンドミルを用いて分散し、染料分散液[B液]、顕色剤分散液[C液]を調製した。
続いて、[B液]と[C液]を1:7の割合で混合し、固形分を25%に調整し、攪拌して、感熱発色層塗布液[D液]を調製した。
[E−1液]
焼成カオリン 20部
イタコン酸変性ポリビニルアルコール(クラレ製 Kポリマー KL-318 変性率1モル%)の10%水溶液 20部
水 60部
上記組成の材料を、サンドミルを用いて24時間分散し、[E−1液]を調製した。
上記[E−1液] 75部
ジアセトン変性ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール株式会社製 DM-17 変性率4モル%)の10%水溶液 100部
アジピン酸ジヒドラジドの10%水溶液 10部
水 90部
上記組成の材料を混合し攪拌して、バリア層塗布液[F−1液]を調製した。
[G液]
ビニル基含有無溶剤型シリコン樹脂(東レダウコーニング社製BY24-468C) 100部
硬化触媒 (東レダウコーニング社製 白金系触媒 SRX212) 3.0部
上記組成の材料を混合し、[G液]を調製した。
次に、前記アンダー層上に、感熱発色層塗布液[D液]、バリア層塗布液[F−1液]を、乾燥後の付着量がそれぞれ5.0g/m2、1.0g/m2、1.0g/m2となるように、順次積層塗布し乾燥し、感熱発色層、及びバリア層を形成した。
その後、キャレンダー掛けにより、表面の王研式平滑度が約2,000秒になるように処理した。
次に、前記バリア層上に前記剥離層塗工液[G液]を乾燥後重量が1.0g/m2となるように塗工し、その後、ドライヤーボックス(ETAC社製、乾燥機EHT−6025)を用いて、感熱発色層が発色しないような温度と時間で加熱することにより、剥離層液の硬化を行い、剥離層を設けた感熱記録材料を得た。
なお、剥離層を指で擦り、液状でなく硬化したことを確認した。
次に、アクリル系粘着剤(日本エヌエスシー製;SC=54%)を、上記剥離層を設けた感熱記録材料の剥離層の表面に、乾燥後の重量が20g/m2となるように塗布乾燥し、ロール状に巻き取ることで、感熱記録材の裏面と貼り合わせることで、参考例1の感熱記録ライナーレスラベルを得た。
参考例1におけるアンダー層塗布液[A液]中の焼成カリオンを塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体粒子(塩化ビニリデン/アクリロニトリルのモル比=6/4)、固形分濃度27.5%、平均粒径3μm、中空率90%に変えた点以外は、参考例1と同様にして、参考例2の感熱記録ライナーレスラベルを作製した。
参考例2における剥離層塗布液[G液]中のビニル基含有無溶剤型シリコン樹脂(東レダウコーニング社製BY24-468C)を、ヘキセニル基を有する無溶剤型シリコン樹脂(東レダウコーニング社製LTC1056L)に変えた点以外は、参考例2と同様にして、実施例3の感熱記録ライナーレスラベルを作製した。
実施例3におけるバリア液[F−1液]を、下記[F−2液]に変えた点以外は、実施例3と同様にして、実施例4の感熱記録ライナーレスラベルを作製した。
[F−2液]
上記[E−1液] 75部
イタコン酸変性ポリビニルアルコール(変性率1モル%)の10%水溶液 100部
アジピン酸ジヒドラジドの10%水溶液 10部
水 90部
上記組成の材料を混合し攪拌して、バリア層塗布液[F−2液]を調製した。
実施例4における[E−1液]を、下記[E−2液]に変えた点以外は、実施例4と同様にして、実施例5の感熱記録ライナーレスラベルを作製した。
[E−2液]
水酸化アルミニウム 20部
イタコン酸変性ポリビニルアルコール(変性率1モル%)の10%水溶液 20部
ポリアミドエピクロヒドリン樹脂の10%水溶液 10部
水 60部
上記組成の材料を、サンドミルを用いて24時間分散し、[E−2液]を調製した。
実施例5におけるバリア液[F−2液]を、下記[F−3液]に変えた点以外は、実施例5と同様にして、実施例6の感熱記録ライナーレスラベルを作製した。
[H液]
球状シリコン樹脂粒子(体積平均粒子径2.0μm、KMP−590:信越化学社製) 30部
アルキルスルホコハク酸塩の10%水溶液 10部
水 60部
上記組成の材料を、スターラーを用いて1時間攪拌し、[H液]を調製した。
[F−3液]
上記[E−1液] 75部
上記[H液] 5部
イタコン酸変性ポリビニルアルコール(変性率1モル%)の10%水溶液 100部
ポリアミドエピクロヒドリン樹脂の10%水溶液 10部
水 90部
上記組成の材料を混合し攪拌して、バリア層塗布液[F−3液]を調製した。
参考例1におけるバリア液[F−1液]を、下記[F−4液]に変えた点以外は、参考例1と同様にして、比較例1の感熱記録ライナーレスラベルを作製した。
[F−4液]
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス 21部
(製品名:スマーテックスPA−9159(日本エイアンドエル社製)、固形分濃度47.5%)
水 79部
上記組成の材料を混合し攪拌して、バリア層塗布液[F−4液]を調製した。
比較例1におけるバリア液[F−4液]を、下記[F−5液]に変えた点以外は、比較例1と同様にして、比較例2の感熱記録ライナーレスラベルを作製した。
[F−5液]
イタコン酸変性ポリビニルアルコール(変性率1モル%)の10%水溶液 50部
ポリアミドエピクロヒドリン樹脂の10%水溶液 5部
水 45部
上記組成の材料を混合し攪拌して、バリア層塗布液[F−5液]を調製した。
<感熱記録ライナーレスラベルの作製>
参考例2における[G液]を下記[G―2液]に変え、該[G―2液]の乾燥後重量が1.0g/m2となるように塗工し、その後、下記の条件で紫外線照射することにより、剥離層液の硬化を行い、剥離層を設けた感熱記録材料を得た。
[G−2液]
・紫外線硬化型シリコン樹脂 ・・・100部
(1.5モル%のメルカプト基含有オルガノポリシロキサン30部と1.5モル%ビニル基含有オルガノポリシロキサン70部の混合組成物(信越化学社製))
・硬化触媒(アセトフェノン)・・・3.0部
[紫外線照射条件]
・紫外線照射装置 : 東芝電材株式会社製、TOSURE 2000(形式名:KUV-20261-1X)
・紫外線照射条件 : 全光状態(電流計で10〜12アンペア)で、照射速度5m/minで2回照射。
感熱記録ライナーレスラベルを2枚重ねた状態で、4×20cmにカットして、上の一枚と下の一枚を90°の引張り角度で剥離させた時の剥離性を手剥しにより評価した。
評価は、サンプル作成直後(初期)及び3ヶ月放置後(経時)に行なった。結果を表2の「剥離性」の項に示す。
(評価基準)
◎:剥離が軽く、剥離に問題なし
○:剥離が若干重いが、剥離に問題なし
△:剥離が重い
×:剥離が非常に重い
各感熱記録ライナーレスラベルに対して、感圧性粘着剤層の形成前の剥離層の塗工、加熱硬化後、約1分後に指で10回強く擦り、剥離層の剥がれ具合の評価を行った。剥離層の剥がれ試験の評価基準は次の通りである。
(評価基準)
◎:全く剥がれなし。
○:擦った箇所が、若干光沢が低下したレベル
△:擦った箇所に、ごく一部、剥離層の剥がれが確認されるレベル
×:剥がれ発生
各感熱記録ライナーレスラベル及びプリンタ(L’esprit R−12、サトー株式会社製)を5℃、30%RHの低温低湿環境下に1時間放置して調湿した後、印字し、スティッキング性を評価した。
スティッキング性が優れている場合は、印字パターンが正確に印字される。一方、スティッキング性が劣る場合は、感熱記録ライナーレスラベルの同一部分に重複して印字されるため、印字パターンが正確に印字されない。印字画像を目視にて確認し、下記の基準によりスティッキング性の評価を行った。
なお、スティッキング現象は、サーマルヘッドで加熱発色させる際、熱で軟化した感熱記録材料の表面が冷えて硬化し、サーマルヘッドに貼り付くことで生じる。
ラベルとサーマルヘッドとの温度差が大きい低温環境下の方が、常温〜高温環境下よりもスティッキングが発生しやすいため、低温環境下で評価した。
〔スティッキング性の目視によるランク(5水準)〕
◎:スティッキングは発生しない
○:若干スティッキングは発生するが、品質には問題ない程度である
△:スティッキングが発生し、品質にも問題がある程度である
×:完全に搬送されず、スティッキングが発生する
××:全く搬送されない
各感熱記録ライナーレスラベルを、松下電器部品社製の薄膜ヘッドを有する感熱印字実験装置により、ヘッド電力0.45W/ドット、1ライン記録時間20msec/L、走査密度8×385ドット/mmの条件下で、0.1msec毎にパルス巾0.2〜1.2msecに印字し、印字濃度をマクベス濃度計RD−914で測定し、濃度が1.0となるパルス巾を計算した。
比較例1を基準として次の式で感度倍率を計算した。値が大きいほど感度(熱応答性)が良好である。
感度倍率=(比較例1のパルス巾)/(測定したサンプルのパルス巾)
Claims (5)
- 支持体の一方の面上に、少なくともアンダー層、感熱発色層、バリア層、及び剥離層が順次積層され、支持体の他方の面上に、粘着剤層が設けられ、剥離紙を有しない感熱記録ラベルであって、
前記剥離層が、無溶剤型のシリコーン樹脂の架橋硬化物であり、
前記無溶剤型のシリコーン樹脂が、ヘキセニル基を有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを含有する無溶剤型の熱硬化型シリコーン樹脂からなり、
且つ、前記バリア層が水溶性樹脂、架橋剤及びフィラーを含むことを特徴とする感熱記録ラベル。 - 前記バリア層の水溶性樹脂がイタコン酸変性ポリビニルアルコールである請求項1に記載の感熱記録ラベル。
- 前記バリア層のフィラーが、水酸化アルミニウム粒子である請求項1から2のいずれかに記載の感熱記録ラベル。
- 前記バリア層が、さらにシリコーン樹脂粒子を含有する請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録ラベル。
- 前記アンダー層中の顔料が、熱可塑性中空樹脂粒子からなる請求項1から4のいずれかに記載の感熱記録ラベル。
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