JP3568682B2 - 発色型可逆感熱記録材料 - Google Patents

発色型可逆感熱記録材料 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、加熱により画像形成及び消去が可能な発色型可逆感熱記録材料に関し、発色が良好で、印字/消去の繰り返し耐久性が優れた発色型可逆感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感熱記録材料は、一般に電子供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体と電子受容性の顕色剤とを主成分とする感熱記録層を支持体上に設けたものであり、熱ヘッド、熱ペン、及びレーザー光等で加熱することにより、染料前駆体と顕色剤とが瞬時反応し記録画像が得られるもので、特公昭43−4160号公報及び特公昭45−14039号公報等に開示されている。
【0003】
一般にこの様な感熱記録材料は、一度画像を形成するとその部分を消去して再び画像形成前の状態に戻すことは不可能であるため、さらに情報を記録する場合には画像が未形成の部分に追記するしかなかった。このため、感熱記録部分の面積が限られている場合には、記録可能な情報が制限されて必要な情報を全て記録できないという問題があった。
【0004】
近年、この様な問題に対処するため、画像形成/画像消去が繰り返して可能な可逆感熱記録材料が提案されている。例えば、特開昭54−119377号公報、特開昭63−39377号公報、及び特開昭63−41186号公報には、樹脂母材とこの樹脂母材中に分散された有機低分子から構成された可逆感熱記録材料が記載されている。しかしこれらの材料は、熱エネルギーによって可逆感熱記録材料の透明度を可逆的変化させるものであるため、画像形成部と画像未形成部のコントラストが不十分である。
【0005】
一方、発色状態及び消色状態を可逆的に繰り返して行う発色/消色型の可逆感熱記録材料が提案されている。特開平2−188293号公報、特開平2−188294号公報、及び国際公開番号WO90/11898号には、電子供与性染料前駆体と加熱によりこの電子供与性染料前駆体を発色及び消色させる顕減色剤から構成される可逆感熱記録媒体が記載されている。
【0006】
また、特開昭63−173684号公報及び特開平4−247985号公報には、それぞれ電子供与性染料前駆体とアスコルビン酸誘導体、電子供与性染料前駆体と有機ホスホン酸化合物等の組合せからなる可逆感熱記録媒体が記載されている。
【0007】
本発明者らは、上記の発色・消色型可逆感熱記録材料に比べ発色・消色のコントラストが良好な可逆感熱記録材料を、特開平6−210954号公報等で提案した。
【0008】
これらの発色型可逆感熱記録材料は、印字/消去を繰り返して行うため、従来の可逆性を有さない感熱記録材料に比べ、印字/消去の繰り返しに対しより高い耐久性が要求され、可逆感熱記録層の上に耐熱性の保護層を形成する等の方法により耐久性の向上が図られている。また、耐熱性の保護層の材料としては種々のものが知られているが、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂が、印字/消去繰り返しに対する耐久性能、製造の容易さ等の点で特に優れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
発色型可逆感熱記録材料に紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂の保護層を設ける場合、可逆感熱記録層上に直接保護層を設けることはいくつかの問題を生じる。すなわち、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を可逆感熱記録層に塗布/硬化時に、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂と染料前駆体が相互作用し、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂の硬化不良を起こしたり、黄色の変色を生じやすくなる。また、硬化不良に伴い可逆感熱記録層中に未硬化の樹脂が残留し、発色不良や発色画像の安定性が低下する問題がある。これらの問題に対しては、可逆感熱記録層と保護層との間に中間層を設けることにより解決できる。
【0010】
中間層の材料としては、未硬化の紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂をバリアする能力が高いものが好ましく、また、可逆感熱特性を損なわないものが好ましい。この様な樹脂としてはポリビニルアルコール、ゼラチン等の水溶性樹脂が挙げられる。しかし、これら水溶性樹脂は耐熱性が低く、印字/消去の繰り返しに伴い中間層が破壊され、更に保護層まで破壊されてしまう問題があった。一方、中間層の材料として合成樹脂エマルジョンや有機溶剤に溶解した樹脂を使用ると、未硬化の紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂をバリアする能力が非常に低く、十分なバリア性を得るには非常に中間層を厚くする必要から、発色濃度が低下したり、印字/消去の繰り返しに対する耐久性が低下する問題があった。
【0011】
本発明は上記の様な課題を解決し、発色が良好で、且つ印字/消去の繰り返し耐久性が良好な発色型可逆感熱記録材料を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは本課題を解決するため鋭意研究した結果、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と、該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆顕色剤とを主として含有する可逆感熱記録層を支持体上に設けてなる発色型可逆感熱記録材料において、該可逆熱記録層上にポリシロキサンを主成分とする中間層を設け、更に該中間層上に直接または易接着層を介して、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を主成分とする保護層を設けたことを特徴とする発色型可逆感熱記録材料、及び、該可逆熱記録層上に有機溶剤に可溶なセルロース変性物と該セルロース変性物の架橋剤を主成分とする中間層を設け、更に該中間層上に紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を主成分とする保護層を設けたことを特徴とする発色型可逆感熱記録材料により解決した。
【0013】
以下に、本発明の発色型可逆感熱記録材料の構成要素を説明する。本発明に係わるポリシロキサンを主成分とする中間層は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン及びこれらのオリゴマーなど重合によりポリシロキサンを生成するポリシロキサン前駆体を主成分とする塗液を可逆感熱記録層上に塗布し、中間層の塗液中に含まれる溶剤を乾燥後、更に加熱し中間層の塗液中に含まれるポリシロキサン前駆体を重合させることにより得られる。ポリシロキサンを主成分とする中間層は、未硬化の紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂をバリアする能力が非常に高く、かつ耐熱性が良好である。また、可逆感熱記録層の発色を阻害しにくいため、良い発色を得ることができる。ポリシロキサンを主成分とする中間層は、ポリシロキサンのみで構成されていても良い。中間層の特性を変える目的でポリシロキサン以外のポリマーなどを添加することもできる。この場合、ポリシロキサンの中間層における含有率は60重量%以上が好ましく、70重量%以上が特に好ましい。ポリシロキサンの含有率が60重量%未満であると未硬化の紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂をバリアする能力や耐熱性が悪化する。
【0014】
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン及びこれらのオリゴマーなど重合によりポリシロキサンを生成するポリシロキサン前駆体を主成分とする中間層の塗液を可逆感熱記録層上に塗布する方法は任意の方法を用いることができ、特に限定されない。中間層に含有させる成分を溶解する溶剤は、中間層の塗液を塗布後、乾燥できる溶剤なら特に限定されない。また、可逆感熱記録層中への中間層の塗液の染み込みを調節する目的で、溶剤を選択することができる。可逆感熱記録層中への中間層の塗液の染み込みが大きい場合には、良好な印字/消去の繰り返し耐久性を得ることができるが、発色濃度が低下する場合がある。また、染み込みが小さい場合には、発色濃度が大きくなるが、印字/消去の繰り返し耐久性が悪化する場合があるので、必要な特性に合わせて溶剤を選択する。
【0015】
一般にポリシロキサン表面に対する他の物質の接着性が低い。そのためポリシロキサンを主成分とする中間層に紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を直接塗布した場合には、十分な接着性が得られない場合がある。この場合、ポリシロキサンを主成分とする中間層中に、有機または無機微粒子を含有させることにより中間層と紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を主成分とする保護層の接着性を向上することができる。ポリシロキサンを主成分とする中間層中に含有させる有機または無機微粒子は、ポリシロキサンを主成分とする中間層中に分散された状態で含有させることができ、紫外線硬化樹脂及び電子線硬化樹脂が接着するものならばその組成は限定されない。ポリシロキサンを主成分とする中間層中に含有させる有機または無機微粒子の具体例としては、シリコーン微粒子、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、珪酸、アルミナ、水酸化アルミニウム等の無機顔料、メラミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、各種穀物デンプン等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの顔料は2種以上併用してもよい。
【0016】
また、ポリシロキサンを主成分とする中間層中に含有させる有機または無機微粒子は、ポリシロキサン、紫外線硬化樹脂及び電子線硬化樹脂との接着性を向上させる目的で、表面処理を行っても良い。表面処理の具体的な方法としては、シランカップリング剤を用いる方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
これらポリシロキサンを主成分とする中間層中に含有させる有機または無機微粒子の大きさは、0.1〜10μmが好ましく、0.2〜7μmが特に好ましい。これらポリシロキサンを主成分とする中間層中に含有させる有機または無機微粒子の大きさが0.1μmより小さいと、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を主成分とする保護層と、ポリシロキサンを主成分とする中間層の接着が不十分となる。また、これらポリシロキサンを主成分とする中間層中に含有させる有機または無機微粒子の大きさが10μmより大きいと、発色感度が低下する。
【0018】
ポリシロキサンを主成分とする中間層に含有させる有機または無機微粒子は、ポリシロキサンを主成分とする中間層に含有される有機または無機微粒子以外の成分に対し、3〜30重量%含有させるのが好ましく、5〜20重量%含有させるのが特に好ましい。ポリシロキサンを主成分とする中間層に含有される有機または無機微粒子以外の成分に対する有機または無機微粒子の含有量が3重量%より小さいと、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を主成分とする保護層と、ポリシロキサンを主成分とする中間層の接着が不十分となる。また、ポリシロキサンを主成分とする中間層に含有される有機または無機微粒子以外の成分に対する有機または無機微粒子の含有量が30重量%より大きいと発色感度が低下する。
【0019】
これらポリシロキサンを主成分とする中間層中に含有させる有機または無機微粒子のうち、シリコーン微粒子が印字/消去の繰り返し耐久性の点で特に優れている。シリコーン微粒子とは、ケイ素原子に1つまたは、2つのアルキル基が結合したオルガノポリシロキサンの微粒子を示し、形状は特に限定されない。
【0020】
ポリシロキサンを主成分とする中間層にシリコーン微粒子を含有させる方法は、シリコーン微粒子をポリシロキサンを主成分とする中間層の塗液に含有させて可逆感熱記録層上に塗布することにより得られる。
【0021】
また、中間層と紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を主成分とする保護層の接着性を向上する目的で、ポリシロキサンを主成分とする中間層上に、シランカップリング剤を主成分とする易接着層を介して、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を主成分とする保護層を設けることもできる。シランカップリング剤の具体例としては、ビニルクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
ポリシロキサンを主成分とする中間層上に、シランカップリング剤を主成分とする易接着層を設ける方法は、ポリシロキサンを主成分とする中間層上に、シランカップリング剤を主成分とする易接着層塗液を塗布することにより得られる。ポリシロキサンを主成分とする中間層上に、シランカップリング剤を主成分とする易接着層塗液を塗布する方法は任意の方法を用いることができ、特に限定されない。
【0023】
次に、本発明に係わる有機溶剤に可溶なセルロース変性物と該セルロース変性物の架橋剤を主成分とする中間層について説明する。有機溶剤に可溶なセルロース変性物とは、セルロースの水酸基の一部または全部が変性されたセルロースで、有機溶剤に可溶なものを示す。具体例としては、アセチルセルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、ニトロセルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロース、トリチルセルロース、シアンエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、アミノエチルセルロース、オキシエチルセルロースなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
有機溶剤に可溶なセルロース変性物の架橋剤は、有機溶剤に可溶なセルロース変性物を架橋することができればその種類を問わない。架橋点は、セルロース変性物の残存水酸基、あるいは変性基の何れでも良い。架橋剤の具体例としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
有機溶剤に可溶なセルロース変性物と該セルロース変性物の架橋剤を主成分とする中間層は、中間層に含有させる成分を有機溶剤に溶解した塗液を、可逆感熱記録層上に塗布することにより得られる。塗布方法は任意の方法を用いることができ、特に限定されない。中間層に含有させる成分を溶解する溶剤は、中間層の塗液を塗布後、溶剤を乾燥除去できる有機溶剤なら特に限定されない。また、可逆感熱記録層中への中間層の塗液の染み込みを調節する目的で、有機溶剤を選択することができる。可逆感熱記録層中への中間層の塗液の染み込みが大きい場合には、良好な印字/消去の繰り返し耐久性を得ることができるが、発色濃度が低下する場合がある。また、染み込みが小さい場合には、発色濃度が大きくなるが、印字/消去の繰り返し耐久性が悪化する場合があるので、必要な特性に合わせて溶媒を選択する。中間層に含有させる成分を溶解する溶剤に、水を使用することはできない。水を使用すると、可逆感熱記録層中への中間層の塗液の染み込みが非常に小さくなるため、印字/消去繰り返し耐久性が非常に悪くなる。
【0026】
本発明に用いられる可逆顕色剤としては電子受容性化合物が好ましく、例えば、特開平2−188293号公報、特開平2−188294号公報、国際公開番号WO90/11898号に記載のロイコ染料を発色させる酸性基と消色させる塩基性基を有する顕減色剤や、特開平5−124360号公報記載の有機ホスホン酸化合物、α−ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、脂肪酸ジカルボン酸及び炭素数12以上の脂肪族基を有するアルキルチオフェノール、アルキルオキシフェノール、アルキルカルバモイルフェノール、没食子酸アルキルエステル等を挙げることができるが、可逆的な色調変化を生じせしめる顕色剤であれば特に限定されるものではない。さらに、発色濃度や消色性の点で下記一般式化1で表されるものが特に好ましく用いられるが、下記一般式化1の化合物と同様の特性であればこれらの範囲外の化合物も本発明に用いる事が出来る。尚、式化1の化合物の合成方法は本出願人による特開平6−210954号公報、特願平5−160547号、特願平5−256825号、特願平5−317555号、特願平5−328101号及び特願平6−10310号に記載している。
【0027】
【化1】
Figure 0003568682
【0028】
式化1中、nは1から3の整数、i、j及びkは各々0または1を表す。但し、iが1の場合、jは1を示す。R及びRは炭素数1から18の二価の炭化水素基、Rは炭素数1から24の炭化水素基を表す。Xは−CONH−結合を少なくとも1つ以上持つ二価の基を表し、 Xは−CONH−結合を少なくとも1つ以上持つ二価の基、酸素原子或いは硫黄原子を表す。
【0029】
上記式化1で表される化合物中、R及びRは炭素数1から18の二価の炭化水素基であるが、基中に芳香環を含んでもよく、また芳香環のみであってもよい。X及びXで示される−CONH−結合を少なくとも一つ以上持つ二価の基とは、具体例にはアミド(−CONH−、−NHCO−)、尿素(−NHCONH−)、ウレタン(−NHCOO−、−OCONH−)、ジアシルアミン(−CONHCO−)、ジアシルヒドラジド(−CONHNHCO−)、しゅう酸ジアミド(−NHCOCONH−)、アシル尿素(−CONHCONH−、−NHCONHCO−)、3−アシルカルバジド酸エステル(−CONHNHCOO−)、セミカルバジド(−NHCONHNH−、−NHNHCONH−)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−)、ジアシルアミノメタン(−CONHCHNHCO−)、 1−アシルアミノ−1−ウレイドメタン(−CONHCHNHCONH−、−NHCONHCHNHCO−)、マロンアミド(−NHCOCHCONH−)等の基である。
【0030】
一般式化1で表される化合物は電子受容性化合物であり、ロイコ染料を発色させる能力を持つにも係わらず、特異的に消色効果すなわち可逆効果も持ち合わせている。なお、通常の感熱記録材料に用いている電子受容性化合物、即ち、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル等ではこの様な可逆効果は全く見られない。以下に、一般式化1で示される電子受容性化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0031】
例えば、式化1中、i=0/j=0/k=0である化合物としては、4′−ヒドロキシヘキサデカンアニリド、N−オクタデシル−4−ヒドロキシベンズアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N´−オクタデシル尿素、N−(4−ヒドロキシベンゾ)−N´−オクタデカノヒドラジド、N−(3,4−ジヒドロキシフェニル−N´−オクタデシルオキサミド等、
【0032】
式化1中、i=0/j=1/k=0である化合物としては、N−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−N´−オクタデシル尿素、N−〔3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオノ〕−N´−オクタデカノヒドラジド、N−〔3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオノ〕−N´−ドコサノヒドラジド、1−〔3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕アミノ−1−オクタデカノイルアミノメタン、1−(4−ヒドロキシフェニルアセチル)−4−オクタデシルセミカルバジド等、
【0033】
式化1中、i=1/j=1/k=0である化合物としては、N−ヘキサデシル−(4−ヒドロキシフェニルチオ)アセトアミド、N−〔2−(4−ヒドロキシフェニルチオ)エチル〕−N´−オクタデシル尿素、N−(4−ヒドロキシフェニルチオ)アセト−N´−ドコサノヒドラジド、N−〔11−(4−ヒドロキシフェニルチオ)ウンデカノ〕−N´−デカノヒドラジド、N−〔2−4−ヒドロキシフェニルチオ)エチル〕−N´−オクタデシルオキサミド、N−〔4−(4−ヒドロキシフェニルチオ)フェニル〕−N´−オクタデシルオキサミド、N−〔4−(4−ヒドロキシフェニルチオメチル)ベンゾ〕−N´−ドコサノヒドラジド等、
【0034】
式化1中、i=0/j=0/k=1である化合物としては、N−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ドデシルチオプロパンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N´−3−オクタデシルチオプロピル尿素、4−ヒドロキシ−4´−オクタデシルオキシベンズアニリド、4−ヒドロキシ−4´−ドデシルチオベンズアニリド、2−(4−オクタデカノイルアミノフェニル)−4´−ヒドロキシアセトアニリド、2−〔4−(N´−オクタデシルウレイド)フェニル〕−4´−ヒドロキシアセトアニリド等、
【0035】
式化1中、i=0/j=1/k=1である化合物としては、N−〔3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオノ〕−N´−(3−ドデシルチオプロピオノ)ヒドラジド、N−〔3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオノ〕−N´−(11−デシルチオウンデカノ)ヒドラジド等、
【0036】
式化1中、i=1/j=1/k=1である化合物としては、N−〔3−(4−ヒドロキシフェニルチオ)プロピオノ〕−N´−(3−オクタデシルチオプロピオノ)ヒドラジド、N−〔11−(3,4,5−トリヒドロキシフェニルチオ)ウンデカノ〕−N´−(11−オクタデシルチオウンデカノ)ヒドラジド等が挙げられる。
【0037】
これらの可逆顕色剤はそれぞれ1種または2種以上を混合して使用してもよく、染料前駆体に対する可逆顕色剤の使用量は、5〜5000重量%、好ましくは10〜3000重量%である。
【0038】
本発明に用いられる通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体としては一般に感圧記録紙や感熱記録紙等に用いられる公知の化合物を使用することができるが、特に制限されるものではない。具体的な例としては、例えば下記に挙げるものなどがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0039】
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等のトリアリールメタン系化合物、
【0040】
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等のジフェニルメタン系化合物、
【0041】
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、
【0042】
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等のキサンテン系化合物、
【0043】
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等のチアジン系化合物、
【0044】
3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等のスピロ系化合物等が挙げられる。
【0045】
前記通常無色ないし淡色の染料前駆体はそれぞれ1種または2種以上を併用して使用してもよい。
【0046】
また、本発明による可逆感熱記録層には、発色感度及び消色温度を調節するための添加剤として、熱可融性物質を含有させることができる。本発明に用いる熱可融性物質は、60℃〜200℃に融点を有するものが好ましく、特に80℃〜180℃に融点を有するものが良い。これらの化合物としては、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等のワックス類、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(p−メチルベンジル)エステル等の炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体等が挙げられ、これらは2種以上併用して添加することもできる。
【0047】
本発明による可逆感熱記録層を設ける支持体は透明、半透明、及び不透明のいずれであってもよく、紙、各種不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、セラミック紙、ガラス板等、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
本発明の可逆感熱記録材料においては、可逆感熱記録層と支持体の間の層及び/または可逆感熱記録層が設けられている面または、反対側の面に、電気的、磁気的、または光学的に情報が記録可能な材料を含む層を設けても良い。また、可逆感熱記録層が設けられている面と反対側の面にカール防止や帯電防止などを目的としてバックコート層を設けても良く、更に粘着加工などを行ってもよい。また、各層ごとにUVインキ等による印刷等を行ってもよい。
【0049】
また、可逆感熱記録層は、発色色相の異なる可逆感熱記録層を積層し、多層構造としてもよい。
【0050】
可逆感熱記録層、中間層及び保護層には、必要に応じて、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂等の無機及び有機顔料、その他に、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類を、また、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤、さらに界面活性剤、及び蛍光染料等を含有させることもできる。
【0051】
また、耐候性を向上する目的で酸化防止剤、紫外線吸収剤を添加することができる。酸化防止剤の例としては、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、及びスルフィド系酸化防止剤等が挙げられるが特に限定されない。また、紫外線吸収剤の例としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等の有機系紫外線吸収剤、及び酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の無機系紫外線吸収剤が挙げられるが特に限定されない。
【0052】
本発明の発色型可逆感熱記録材料において、発色記録画像を形成するためには加熱に引き続き急速な冷却が起こればよく、記録画像の消色を行うためには加熱後の冷却速度が遅ければよい。例えば、適当な方法で加熱した後、低温の金属ブロック等を押し当てる等して急速に冷却したり、サーマルヘッドやレーザー光等を用いて極めて短い時間だけ加熱すると、加熱終了後に直ちに冷却するため、発色状態を保持させることができる。一方、適当な熱源(サーマルヘッド、レーザー光、熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、電熱ヒーター、及びタングステンランプやハロゲンランプ等の光源等からの輻射熱や熱風等)で比較的長い時間加熱すると、可逆感熱記録層だけでなく支持体等も加熱されるため、熱源を除いても冷却する速度が遅いため消色状態になる。従って、同じ加熱温度及び/または同じ熱源を用いても、冷却速度を制御することにより発色状態及び消色状態を任意に発現させることができる。
【0053】
【実施例】
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明する。
【0054】
実施例1
(A)可逆感熱塗液の作製
染料前駆体である3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン40部を3.5%ポリビニルアルコール水溶液160部と共にボールミルで24時間粉砕し、染料前駆体分散液を得た。次いで可逆顕色剤であるN−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−オクタデシル尿素100部を3.5%ポリビニルアルコール水溶液400部と共にボールミルで24時間粉砕し、可逆顕色剤分散液を得た。上記2種の分散液を混合し可逆感熱塗液を作製した。
【0055】
(B)可逆感熱記録層の形成
(A)で調製した可逆感熱塗液を厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートに、固形分塗抹量3g/mとなる様に塗抹し、100℃のオーブンで乾燥して可逆感熱記録層を得た。
【0056】
(C)中間層の形成
ポリシロキサン前駆体であるテトラメトキシシラン30部、エタノール24部、水6部、4%塩酸0.1部を混合し、ポリシロキサンを主成分とする中間層の塗液を作製し、(B)で形成した可逆感熱記録層上に、固形分塗抹量4g/mとなる様に塗抹し、100℃のオーブンで30分加熱してポリシロキサンを主成分とする中間層を形成した。
【0057】
(D)保護層の形成
(C)で得た中間層の上に、濃度50%の紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学工業社製RC−9020HV)のキシレン溶液を、固形分塗抹量4g/mとなる様に塗抹し、100℃のオーブンで乾燥してキシレンを蒸発させた。このシートに200mW/cmの強度で2秒間紫外線を照射し硬化させ、発色型可逆感熱記録材料を得た。
【0058】
実施例2
実施例1(C)で、テトラメトキシシランを用いる代わりに、テトラエトキシシランを用いた他は、実施例1と同様にして発色型可逆感熱記録材料を得た。
【0059】
実施例3
実施例1(C)で、テトラメトキシシラン30部、エタノール24部、水6部、4%塩酸0.1部を混合したポリシロキサンを主成分とする中間層の塗液を用いる代わりに、ポリシロキサン系コート剤(大八化学工業社製Siコート2)を用いた他は、実施例1と同様にして発色型可逆感熱記録材料を得た。
【0060】
実施例4
実施例1(C)で、テトラメトキシシラン30部、エタノール24部、水6部、4%塩酸0.1部を混合したポリシロキサンを主成分とする中間層の塗液を用いる代わりに、エチルセルロース(ハーキュレス社製N−4)10部、2−ブタノン90部、イソシアネート化合物(武田薬品工業社製タケネートD−170)2部を混合した有機溶剤に可溶なセルロース変性物と該セルロース変性物の架橋剤を主成分とする中間層の塗液を用いた他は、実施例1と同様にして発色型可逆感熱記録材料を得た。
【0061】
実施例5
実施例1(C)で、テトラメトキシシラン30部、エタノール24部、水6部、4%塩酸0.1部を混合したポリシロキサンを主成分とする中間層の塗液を用いる代わりに、エチルセルロース(ハーキュレス社製N−100)10部、2−ブタノン90部、イソシアネート化合物(武田薬品工業社製タケネートD−170)2部を混合した有機溶剤に可溶なセルロース変性物と該セルロース変性物の架橋剤を主成分とする中間層の塗液を用いた他は、実施例1と同様にして発色型可逆感熱記録材料を得た。
【0062】
実施例6
実施例1(C)で、テトラメトキシシラン30部、エタノール24部、水6部、4%塩酸0.1部を混合したポリシロキサンを主成分とする中間層の塗液を用いる代わりに、テトラメトキシシラン30部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製ハイジライトH43)3部、エタノール24部、水6部、4%塩酸0.1部を混合したポリシロキサンを主成分とする中間層の塗液を用いた他は、実施例1と同様にして発色型可逆感熱記録材料を得た。
【0063】
実施例7
実施例1(C)で、テトラメトキシシラン30部、エタノール24部、水6部、4%塩酸0.1部を混合したポリシロキサンを主成分とする中間層の塗液を用いる代わりに、テトラメトキシシラン30部、メラミン微粒子(日本触媒社製エポスターS6)3部、エタノール24部、水6部、4%塩酸0.1部を混合したポリシロキサンを主成分とする中間層の塗液を用いた他は、実施例1と同様にして発色型可逆感熱記録材料を得た。
【0064】
実施例8
実施例1(C)で、テトラメトキシシラン30部、エタノール24部、水6部、4%塩酸0.1部を混合したポリシロキサンを主成分とする中間層の塗液を用いる代わりに、テトラメトキシシラン30部、シリコーン微粒子(東芝シリコーン社製トスパール105)3部、エタノール24部、水6部、4%塩酸0.1部を混合したポリシロキサンを主成分とする中間層の塗液を用いた他は、実施例1と同様にして発色型可逆感熱記録材料を得た。
【0065】
実施例9
(E)易接着層の形成
実施例1において(D)の保護層の形成以外は全く同様に行い、(C)で得た中間層の上に、シランカップリング剤であるγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを、塗抹量0.5g/mとなる様に塗抹し、100℃のオーブンで30分加熱してシランカップリング剤を主成分とする易接着層を形成した。
【0066】
(F)保護層の形成
(E)で得た易接着層の上に、濃度50%の紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学工業社製RC−9020HV)のキシレン溶液を、固形分塗抹量4g/mとなる様に塗抹し、100℃のオーブンで乾燥してキシレンを蒸発させた。このシートに紫外線を照射し硬化させ、発色型可逆感熱記録材料を得た。
【0067】
比較例1
実施例1(C)で、テトラメトキシシラン30部、エタノール24部、水6部、4%塩酸0.1部を混合したポリシロキサンを主成分とする中間層の塗液を用いる代わりに、5%ポリビニルアルコール水溶液を用いた他は、実施例1と同様にして発色型可逆感熱記録材料を得た。
【0068】
比較例2
実施例1(C)で、テトラメトキシシラン30部、エタノール24部、水6部、4%塩酸0.1部を混合したポリシロキサンを主成分とする中間層の塗液を用いる代わりに、5%ゼラチン水溶液を用いた他は、実施例1と同様にして発色型可逆感熱記録材料を得た。
【0069】
比較例3
実施例1(C)で、テトラメトキシシラン30部、エタノール24部、水6部、4%塩酸0.1部を混合したポリシロキサンを主成分とする中間層の塗液を用いる代わりに、メチルセルロース(第一工業製薬社製セスカMC−25)の5%水溶液を用いた他は、実施例1と同様にして発色型可逆感熱記録材料を得た。
【0070】
比較例4
実施例1(C)で、テトラメトキシシラン30部、エタノール24部、水6部、4%塩酸0.1部を混合したポリシロキサンを主成分とする中間層の塗液を用いる代わりに、ポリエステル樹脂(東洋紡社製バイロン200)の5%2−ブタノン溶液を用いた他は、実施例1と同様にして発色型可逆感熱記録材料を得た。
【0071】
比較例5
実施例1(C)で、テトラメトキシシラン30部、エタノール24部、水6部、4%塩酸0.1部を混合したポリシロキサンを主成分とする中間層の塗液を用いる代わりに、塩化ビニル樹脂(住友化学工業社製スミリットSX−11FA)の5%シクロペンタノン溶液を用いた他は、実施例1と同様にして発色型可逆感熱記録材料を得た。
【0072】
比較例6
実施例1(C)で、テトラメトキシシラン30部、エタノール24部、水6部、4%塩酸0.1部を混合したポリシロキサンを主成分とする中間層の塗液を用いる代わりに、スチレンブタジエンラテックス(日本ゼオン社製LX407C4F)を用いた他は、実施例1と同様にして発色型可逆感熱記録材料を得た。
【0073】
試験1(印字/消去の繰り返し性)
実施例1〜9及び比較例1〜6で得た発色型可逆感熱記録材料を、京セラ製印字ヘッド(KJT−256−8MGF1)付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機(TH−PMD)を用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字し、得られた発色画像の濃度を濃度計(マクベスRD918)を用いて測定した。次に、印字部を熱スタンプを用いて120℃で1秒間加熱し消去した。消去部の濃度を同様にして測定した。更に同じ部分に印字/消去を繰り返し、それぞれ濃度を測定した。1、100、500回目の印字部、消去部の濃度を表1、2に示した。
【0074】
試験2(500回印字/消去を繰り返した発色型可逆感熱記録材料の観察)
試験1で500回印字/消去を繰り返した発色型可逆感熱記録材料の印字/消去を繰り返した部分の表面状態を目視により観察した。結果を表3、4に示した。
【0075】
試験3(発色型可逆感熱記録材料の各層間の接着性の試験)
実施例1〜9及び比較例1〜6で得た発色型可逆感熱記録材料の保護層の表面に、セロファン粘着テープを張り付けた。次に、セロファン粘着テープをひきはがし、中間層と保護層の間が剥離するか試験した。結果を表5、6に示した。
【0076】
【表1】
Figure 0003568682
【0077】
【表2】
Figure 0003568682
【0078】
【表3】
Figure 0003568682
【0079】
【表4】
Figure 0003568682
【0080】
【表5】
Figure 0003568682
【0081】
【表6】
Figure 0003568682
【0082】
【発明の効果】
表1〜4に示した様に、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と、該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆顕色剤とを主として含有する可逆感熱記録層を支持体上に設けてなる発色型可逆感熱記録材料において、該可逆熱記録層上にポリシロキサンを主成分とする中間層を設け、更に該中間層上に直接または易接着層を介して、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を主成分とする保護層を設けたことを特徴とする発色型可逆感熱記録材料、及び、該可逆熱記録層上に有機溶剤に可溶なセルロース変性物と該セルロース変性物の架橋剤を主成分とする中間層を設け、更に該中間層上に紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を主成分とする保護層を設けたことを特徴とする発色型可逆感熱記録材料により発色が良好で、且つ印字/消去の繰り返し耐久性が良好な発色型可逆感熱記録材料を得ることが出来た。また、表5、6に示した様に、ポリシロキサンを主成分とする中間層中に、有機または無機微粒子を含有させ、更に中間層上に直接または易接着層を介して、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を主成分とする保護層を設けたことを特徴とする発色型可逆感熱記録材料、及びポリシロキサンを主成分とする中間層上に、シランカップリング剤を主成分とする易接着層を介して、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を主成分とする保護層を設けたことを特徴とする発色型可逆感熱記録材料により、中間層と紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を主成分とする保護層の接着性が高い発色型可逆感熱記録材料を得ることが出来た。

Claims (5)

  1. 通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と、該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆顕色剤とを主として含有する可逆感熱記録層を支持体上に設けてなる発色型可逆感熱記録材料において、該可逆熱記録層上にポリシロキサンを主成分とする中間層を設け、更に該中間層上に直接または易接着層を介して、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を主成分とする保護層を設けたことを特徴とする発色型可逆感熱記録材料。
  2. 通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と、該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆顕色剤とを主として含有する可逆感熱記録層を支持体上に設けてなる発色型可逆感熱記録材料において、該可逆熱記録層上に有機溶剤に可溶なセルロース変性物と該セルロース変性物の架橋剤を主成分とする中間層を設け、更に該中間層上に紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を主成分とする保護層を設けたことを特徴とする発色型可逆感熱記録材料。
  3. ポリシロキサンを主成分とする中間層中に、有機または無機微粒子を含有することを特徴とする請求項1記載の可逆感熱記録材料。
  4. 有機または無機微粒子がシリコーン微粒子であることを特徴とする請求項3記載の可逆感熱記録材料。
  5. ポリシロキサンを主成分とする中間層上に、シランカップリング剤を主成分とする易接着層を介して、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を主成分とする保護層を設けたことを特徴とする請求項1記載の可逆感熱記録材料。
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