JPH06340171A - 発消色可逆性感熱記録材料 - Google Patents

発消色可逆性感熱記録材料

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JPH06340171A
JPH06340171A JP5130832A JP13083293A JPH06340171A JP H06340171 A JPH06340171 A JP H06340171A JP 5130832 A JP5130832 A JP 5130832A JP 13083293 A JP13083293 A JP 13083293A JP H06340171 A JPH06340171 A JP H06340171A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 支持体上へ少くも発消色可逆性感熱記録層を
設けた、熱エネルギーの制御のみでロイコ染料/顕色剤
系の発消色を実現するタイプの発消色可逆性感熱記録材
料の、繰り返し耐用回数を顕著に向上させること。 【構成】 該可逆性感熱記録層の中もしくは下層へ、有
意の粒径の、実質的に球状の粒子を存在させて、塗層表
面に微細なる凹凸を現出させる。好ましくは更に、凹凸
を保持しつつ上塗り(オーバーコート)層を設ける。 【効果】 実質的に球状の粒子の存在による塗層表面の
微細なる凹凸の現出により、繰り返し耐用回数の顕著な
向上がもたらされた。更に、凹凸を保持しつつ上塗り
(オーバーコート)層を設けることにより、一層の向上
が達成された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発消色可逆性感熱記録材
料に関し、更に詳しくは可逆発消色特性、特に繰り返し
耐久性を大幅に改善した、ロイコ染料/顕色剤系よりな
る発消色可逆性感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録材料としては従来種々の方式が
知られており、全てについて述べることは省くが、現今
ではいわゆる染料発色型感熱記録材料が主流を成してい
て、著しい普及を見せている。この方式は無色または淡
色のロイコ染料と固体状有機酸(顕色剤)をそれぞれ粉
末となし、結着剤(バインダー)を用いて支持体上に層
状に塗設した感熱記録材料であり、これへ熱的パターン
を与えて加熱部位での発色反応により可視画像を得るも
のである。
【0003】かかる感熱記録材料は、一度画像を形成さ
せると最早その部分を消去して再び画像形成前の状態に
戻すことは不可能であるため、さらに情報を記録する場
合には、非画像部分に追記するしかなかった。したがっ
て、不要の画像情報を消去して新たな情報を画像化する
ことはできなかった。
【0004】近年、かかる問題に対処するために、画像
形成・消去が繰り返して可能な可逆性感熱記録材料が幾
つか提案されており、文献(シーエムシー社発行「機能
材料」1993年4月号14頁)にもある通り、高分子
/低分子複合タイプ、高分子タイプ(液晶高分子、ポリ
マーブレンド、相変化型の3種あり)およびロイコ染料
タイプの3つに大別されるが、前二者は透明状態と白濁
状態が可逆的に変化するものであって、ロイコ染料タイ
プのように各種の色を選択することは不可能である。
【0005】本発明は上記のロイコ染料タイプに分類さ
れる可逆性感熱記録材料に関わるが、特に、“Japa
n Hardcopy´90”論文集147頁(199
0年6月)で提案されているような、熱エネルギーの制
御のみでロイコ染料/顕色剤系の発消色を実現するタイ
プのものに関わり、とりわけ本出願人が既に提案してい
る(特願平4−347032)、新規な顕色剤(電子受
容性化合物)を使用することによってもたらされた、熱
発色画像を急冷すると発色状態が固定され徐冷すると消
色する点に新しい特徴のある、良好なコントラストで画
像の形成・消去が可能で、日常生活の環境下で経時的に
安定な画像を保持可能な、公知のものより優れた可逆性
感熱記録材料に関わる。
【0006】このタイプの可逆性感熱記録材料の発消色
特性は、第一に使用するロイコ染料/顕色剤系の素材、
とりわけ顕色剤の化学構造に大きく依存するが、その後
の試験により、特に繰り返し発消色可能な回数は、原理
的には発消色反応に関与しない筈の、該記録材料の物理
的構造を工夫することによって劇的に改善できることが
見出だされ、本発明に至った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱エ
ネルギーの制御のみでロイコ染料/顕色剤系の発消色を
実現するタイプの可逆性感熱記録材料の、繰り返し発消
色可能な回数を従来より格段に大きくすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、支持体
上へロイコ染料/顕色剤系よりなる発消色可逆性感熱記
録層を設けた可逆性感熱記録材料において、発消色可逆
性感熱記録層中もしくは該層の下へ、、実質的に球状も
しくは球状に近い形状の粒子を存在させて、層表面へ微
細な凹凸を作ることによって解決された。更に、最上層
へ、層表面の凹凸を保ちつつ上塗り層を積層塗設するこ
とによって、一層の改善が見られた。
【0009】即ち、該記録材料用の支持体としては紙や
プラスチックフィルムなどが一般的であり、発消色可逆
性感熱記録層用塗液をそれらへ直接塗設する場合もある
が、支持体への接着性、断熱性、塗液の染み込み、塗層
表面の平滑性等の改善の目的で一旦下塗り(アンカーコ
ート)を施して、その上へ該記録層用塗液を塗設するこ
ともよく行われる。このとき、該記録層表面が微細な凹
凸を示すように、記録層中もしくは記録層の下(すなわ
ち、下塗り層中)へ球状もしくは球状に近い形状の粒子
を存在させるのである。
【0010】したがって、存在させるべき粒子のサイズ
は、記録層中へ入れる場合は記録層の乾燥後の厚さの
1.1倍以上、下塗り層中へ入れる場合は下塗り層と記
録層の乾燥後の合計の厚さの1.1倍以上であることが
好ましい。かくして製造した本発明の表面凹凸顕著な発
消色可逆性感熱記録層の上へ、さらに上塗り層を塗設す
ると、表面の凹凸は保持され、繰り返し発消色可能な回
数が一層大きくなるのである。
【0011】本発明に用いられる通常無色ないし淡色の
ロイコ染料としては、一般に感圧記録紙や感熱記録紙に
用いられるものであれば特に制限されない。具体的な例
としては、例えば下記に挙げるものなどがあるが、本発
明はこれに限定されるものではない。
【0012】(1)トリアリールメタン系化合物 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド(通称クリスタルバイオレットラ
クトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−
3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリ
ド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−
メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドー
ル−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメ
チルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタ
リド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3
−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス
(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチル
アミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドー
ル−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p
−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール
−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、等。
【0013】(2)ジフェニルメタン系化合物 4,4´−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒド
リルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオー
ラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオ
ーラミン、等。
【0014】(3)キサンテン系化合物 ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−ク
ロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベ
ンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オ
クチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フ
ェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチ
ルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジ
クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N
−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)ア
ミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラ
ン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチ
ル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシ
ル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−(N−エチル−N−テトラヒドロフリル)アミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、等。
【0015】(4)スピロピラン系化合物 3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジ
ナフトピラン、3,3−ジクロロスピロジナフトピラ
ン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナ
フト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロ
ピルスピロベンゾピラン、等。
【0016】上記のロイコ染料は、それぞれ1種、また
は2種以上を混合して、使用される。
【0017】本発明において、ロイコ染料に可逆的な発
消色を生ぜしめる顕色剤(中には、顕減色剤と呼ばれる
ものも含まれるが、本発明においては全て顕色剤と称す
ることとする)の具体例としては、下記にあげるものな
どがあるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0018】(1)有機酸の有機アミン塩 ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸のラウリルアミン
塩、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酪酸のス
テアリルアミン塩、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢
酸のパルミチルアミン塩、没食子酸のラウリルアミン
塩、没食子酸のステアリルアミン塩、没食子酸のパルミ
チルアミン塩、等。
【0019】(2)アスコルビン酸−6−O−アシル誘
導体 L−アスコルビン酸−6−O−ブチリル、L−アスコル
ビン酸−6−O−ラウリル、L−アスコルビン酸−6−
O−パルミチル、L−アスコルビン酸−6−O−ミリス
チル、L−アスコルビン酸−6−O−ステアリル、等。
【0020】(3)N−ヒドロキシフェニル−N´−ア
ルキル尿素 N−(4−ヒドロキシフェニル)−N´−n−ヘキシル
尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N´−n−ド
デシル尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N´−
n−ヘキサデシル尿素、N−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−N´−(9−オクタデセニル)尿素、N−(4−
ヒドロキシフェニル)−N´−n−ドコシル尿素、等。
【0021】本発明においては、上記のような顕色剤の
1種もしくは2種以上を混合して用いてもよく、ロイコ
染料に対する使用量は5〜5000%、好ましくは10
〜3000%である。
【0022】可逆性感熱記録層の機械的強度を高めるな
どの目的で、結着剤(バインダー)を該記録層へ加える
のが普通である。その具体例としては、可溶性澱粉類、
ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、ポリビニールアルコール、変
性ポリビニールアルコール、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、ア
クリルアミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸3元
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカ
リ塩、エチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ
塩、等の水溶性高分子、もしくはポリ酢酸ビニール、ポ
リウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、エチレン−酢酸ビニール共重合体、等のラテックス
などが挙げられる。
【0023】また、発色感度や消色温度を調節するため
の添加剤として、N−ヒドロキシメチルステアリン酸ア
ミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、等の
ワックス類、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフト
ール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキ
シビフェニル、等のビフェニル誘導体、1,2−ビス
(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2´−ビス(4
−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−
メトキシフェニル)エーテル、等のポリエーテル化合
物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビ
ス(p−メチルベンジル)エステル、等の炭酸またはシ
ュウ酸ジエステル、等を、単独または併用して加えるこ
とができる。
【0024】本発明において使用するに適した球状もし
くは球状に近い形状の粒子としては、具体的には炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、カオリ
ン、焼成カオリン、クレー、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、二酸
化チタン、シリカ、シリカアルミナ、ガラス、タルク等
の無機粒子、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マ
グネシウム、シリコン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグア
ナミン樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等の合成高分子ミクロスフェア類、各種澱粉粒子、
結晶性セルロース微粉末等が挙げられるが、特に非水溶
性の耐熱性のある粒子が好ましい。存在させるべき量
は、他の使用素材や使用目的によって異なるが、概ね
0.5〜5g/m2 の範囲が好ましい。
【0025】そして、何故このような粒子を存在させて
塗層表面を凹凸にすると、繰り返し発消色可能な回数が
劇的に大きくなるのかは全く説明が付かず、意外な事実
であった。
【0026】上塗り層には、上記の結着剤(バインダ
ー)で挙げた水溶性高分子から選んで用いることができ
る。また、上塗り層へは有機もしくは無機の顔料を加え
てもよい。
【0027】本発明の可逆性感熱記録材料に用いられる
支持体としては、紙、不織布、織布、プラスチックフィ
ルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属板、ガラス
板や、これらを組み合わせた複合シートなどが挙げら
れ、目的に応じて任意に選択される。
【0028】本発明に関わる可逆性感熱記録材料は、各
発色成分を微粉砕して得られる各々の分散液を混合し、
支持体上に塗布・乾燥したり、各発色成分を溶媒に溶解
して得られる各々の溶液を混合し、支持体上に塗布・乾
燥する方法などにより得ることができる。この場合、例
えば、各発色成分を一層づつに含有させ、多層構造とし
てもよい。また、可逆性感熱記録層は支持体上の全面に
設けてもよいし、印刷機などにより部分的に設けてもよ
い。更に、支持体の反対側の面へ、電気的、磁気的もし
くは光学的に情報記録可能な層を設けたり、カール防止
や帯電防止の目的で裏面塗布層を設けたりすることもあ
る。
【0029】該可逆性感熱記録層の乾燥後の厚さは、好
ましくは1から20μmの範囲であり、必要な画像濃度
が得られるように設定される。
【0030】かくして得られた本発明の熱発消色可逆性
感熱記録材料に画像記録を行うには、ミリ秒単位の加熱
が可能な熱(サーマル)ヘッドを具備した熱式プリンタ
ー(ラインヘッド方式やシリアルヘッド方式等がある)
を用いるのが最も適しているが、他の手段を用いてもよ
く、要は極短時間に高温加熱と急冷が可能な手段を選ぶ
のが肝要である。これらの手段で得られた発色画像を消
去するには、熱スタンプ、熱ローラー、赤外線ランプ、
電熱器、熱風等を用いて、通常100℃を多少越える温
度で0.1から10秒程度の時間、画像部分を加熱し放
冷すればよい。画像が消去された本記録材料は、再び上
記のような手段で発色画像が得られ、以後これらを繰り
返すことができるのである。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例により、更に詳細に説
明する。なお、以下に示す部および%は、断りのない限
り重量基準である。
【0032】実施例1 市販の発泡PETフィルム(厚さ188μmの不透明フ
ィルム)の片面へ先ず、ポリビニールアルコール1部と
塩基性炭酸マグネシウムのほぼ球状の粒子(平均粒径
6.0μm、徳山曹達社製)4部を含む水性塗液を塗
布、乾燥した。走査型電子顕微鏡観察によれば、ほぼ球
状の粒子はその下部の一部がポリビニールアルコール層
に埋まり、上部の大部分が露出した状態で、互いに離れ
離れにほぼ均一に散在している。
【0033】ロイコ染料である3−ジブチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン40部を2.5%ポ
リビニールアルコール水溶液90部と共にボールミルで
24時間粉砕し、ロイコ染料分散液を得た。別に、顕色
剤であるN−(4−ヒドロキシフェニル)−N´−n−
ヘキサデシル尿素100部を2.5%ポリビニールアル
コール水溶液400部と共にボールミルで24時間粉砕
し分散液を得た。これら2種の分散液を混合した後、1
0%ポリビニールアルコール水溶液200部と水400
部を添加、混合し、可逆性感熱塗液を作成した。
【0034】上で作成した球状粒子下塗りフィルム上
へ、可逆性感熱塗液を乾燥後の塗布量が4g/m2 とな
るように塗布、乾燥した。走査型電子顕微鏡観察によれ
ば、球状粒子存在箇所が突起した、表面の凹凸がはっき
り分かる塗布面となっていた。また、積層断面の顕微鏡
観察から、下塗り層の球状粒子不在部分(すなわち、ポ
リビニールアルコールのみの部分)の厚さは1μm、可
逆性感熱記録層の厚さは4μmであることが判った。
【0035】実施例2 実施例1で得た発消色可逆性感熱記録材料の塗布表面
へ、更に10%ポリビニールアルコール水溶液を上塗り
し、乾燥した。走査型電子顕微鏡観察によれば、球状粒
子存在箇所が突起した、表面の凹凸がはっきり分かる塗
布面となっていた。また、積層断面の顕微鏡観察から、
上塗り層の厚さは1.5μmであることが判った。
【0036】実施例3 坪量200g/m2 の上質紙の片面へ直接、実施例1で
作成した可逆性感熱塗液に更にうるち米澱粉粒子(平均
粒径4.9μm)43部を添加した塗液を、乾燥後の全
固形分塗布量が5g/m2 となるように塗布し、乾燥し
た。走査型電子顕微鏡観察によれば、澱粉粒子存在箇所
が突起した、表面の凹凸が明瞭な塗布面となっていた。
また、積層断面の顕微鏡観察から、澱粉粒子不在部分の
可逆性感熱記録層の厚さは4μmであることが判った。
【0037】実施例4 実施例3で得た発消色可逆性感熱記録材料の塗布表面
へ、更に10%ポリビニールアルコール水溶液を上塗り
し、乾燥した。走査型電子顕微鏡観察によれば、球状粒
子存在箇所が突起した、表面の凹凸がはっきり分かる塗
布面となっていた。また、積層断面の顕微鏡観察から、
上塗り層の厚さは1.5μmであることが判った。
【0038】比較例1 実施例1において、塩基性炭酸マグネシウムのほぼ球状
の粒子を全く加えず、その他は同様に行って比較用サン
プルを作成した。走査型電子顕微鏡観察によれば、塩基
性炭酸マグネシウムのほぼ球状の粒子を加えてないの
で、表面の凹凸のない平坦な塗布面となっていた。
【0039】比較例2 実施例2において、塩基性炭酸マグネシウムのほぼ球状
の粒子を全く加えずにその他は同様に行い、上塗り層も
同様に設け、比較用サンプルを作成した。走査型電子顕
微鏡観察によれば、塩基性炭酸マグネシウムのほぼ球状
の粒子を加えてないので、表面の凹凸のない平坦な塗布
面となっていた。
【0040】比較例3 実施例3において、うるち米澱粉粒子を全く加えず、そ
の他は同様に行って比較用サンプルを作成した。走査型
電子顕微鏡観察によれば、うるち米澱粉粒子を加えてな
いので、表面の凹凸のないほぼ平坦な塗布面となってい
た。
【0041】比較例4 実施例4において、うるち米澱粉粒子を全く加えずにそ
の他は同様に行い、上塗り層も同様に設け、比較用サン
プルを作成した。走査型電子顕微鏡観察によれば、うる
ち米澱粉粒子を加えてないので、表面の凹凸のないほぼ
平坦な塗布面となっていた。
【0042】実施例5 実施例1〜4もしくは比較例1〜4で得た可逆性感熱記
録材料を、京セラ社製熱印字ヘッドKJT−256−8
MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ熱印字試験機
TH−PMDを用いて、印加パルス1.0ミリ秒で印加
電圧26ボルトの条件で熱印字し、得られた発色画像の
反射濃度を濃度計マクベスRD918を用いて測定した
ところ、いずれも濃度1.30〜1.40を示した。こ
れらの発色画像部分を熱スタンプを用いて、120℃に
て1秒間加熱し放冷したところ、濃度0.10未満にま
で消色した。
【0043】このような、熱印字ヘッドによる発色/熱
スタンプによる消色を繰り返して行ったとき、何回可能
かを試験した。耐用回数としては、初回発色濃度×0.
8の発色濃度になる回数を採用した(繰り返し発色/消
色による本記録材料の劣化は先ず発色濃度の低下に現
れ、消色後濃度の増大はそれよりずっと後の回数で現れ
る)。
【0044】本試験によれば、実施例1または実施例3
の可逆性感熱記録材料では繰り返し回数50回でも発色
濃度の低下は認められなかった。それに対して、比較例
1または比較例3で作った球状粒子を入れなかったサン
プルでは19回で早くも発色濃度の規定以上の低下が始
まり、回数が増すにつれて更に発色濃度の低下が激しく
なった。
【0045】また、実施例2または実施例4の可逆性感
熱記録材料では繰り返し回数100回では発色濃度の低
下は認められなかった。それに対して、比較例2または
比較例4で作った、球状粒子を入れなかったサンプルで
は27回で既に発色濃度の規定以上の低下が始まり、回
数が増すにつれて発色濃度の低下がいよいよ顕著となっ
た。
【0046】このように、本発明になる発消色可逆性感
熱記録材料では、球状粒子の添加による塗布表面の凹凸
化が、繰り返し耐用回数の向上に決定的に貢献してい
る。そして、上塗り層も耐用回数の一層の向上に大きく
寄与していることが判った。
【0047】
【発明の効果】実施例から明らかなように、熱エネルギ
ーの制御のみでロイコ染料/顕色剤系の発消色を実現す
るタイプの発消色可逆性感熱記録材料では、その繰り返
し耐用回数は、該可逆性感熱記録層の中もしくはその下
へ、球状もしくは球状に近い形状の粒子を存在させて、
塗層表面に微細な凹凸を作らせることによって、上塗り
(オーバーコート)層の効果と相俟って、耐久性が劇的
に改善される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上へ少くも発消色可逆性感熱記録
    層を設けた可逆性感熱記録材料において、発消色可逆性
    感熱記録層へ該層の厚さの1.1倍以上の平均粒径の、
    実質的に球状の粒子を存在させたことを特徴とする発消
    色可逆性感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 支持体上へ下塗り層と発消色可逆性感熱
    記録層を積層して設けた可逆性感熱記録材料において、
    下塗り層へ、下塗り層と発消色可逆性感熱記録層の合計
    の厚さの1.1倍以上の平均粒径の、実質的に球状の粒
    子を存在させたことを特徴とする発消色可逆性感熱記録
    材料。
  3. 【請求項3】 発消色可逆性感熱記録層の上へ、更に上
    塗り層を設けた請求項1もしくは請求項2記載の発消色
    可逆性感熱記録材料。
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