JP3751031B2 - 可逆感熱記録材料の記録・消去方法 - Google Patents

可逆感熱記録材料の記録・消去方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、加熱により画像の記録及び消去が可能な可逆感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感熱記録材料は一般に支持体上に電子供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体と電子受容性の顕色剤とを主成分とする感熱記録層を設けたものであり、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱することにより、染料前駆体と顕色剤とが瞬時反応し記録画像が得られるもので、特公昭43−4160号、特公昭45−14039号公報等に開示されている。
【0003】
一般にこのような感熱記録材料は、一度画像を形成するとその部分を消去して再び画像形成前の状態に戻すことは不可能であるため、さらに情報を記録する場合には画像が未形成の部分に追記するしかなかった。このため感熱記録部分の面積が限られている場合には、記録可能な情報が制限され必要な情報を全て記録できないという問題が生じていた。
【0004】
近年、この様な問題に対処するため画像形成・画像消去が繰り返して可能な可逆感熱記録材料が考案されており、例えば、特開昭54−119377号公報、特開昭63−39377号公報、特開昭63−41186号公報では、樹脂母材とこの樹脂母材中に分散された有機低分子から構成された感熱記録材料が記載されている。しかしこの方法は、熱エネルギーによって感熱記録材料の透明度を可逆的変化させる物であるため、画像形成部と画像未形成部のコントラストが不十分である。
【0005】
一方、発色状態及び消色状態を可逆的に繰り返して行う発色・消色型の可逆感熱記録材料が提案されている。特開平2−188293号公報、特開平2−188294号公報、国際公開番号WO90/11898号には、ロイコ染料と加熱によりロイコ染料を発色及び消色させる顕減色剤から構成される可逆感熱記録媒体が記載されている。
【0006】
また、特開昭63−173684号公報、特開平4−247985号公報には、それぞれロイコ染料とアスコルビン酸誘導体、ロイコ染料と有機リン酸化合物等の組合せからなる可逆感熱記録媒体が記載されている。
【0007】
本発明者らは、上記の発色・消色型可逆感熱記録材料に比べ発色・消色のコントラストが良好な可逆感熱記録材料を、特願平4−158098号、特願平4−247788号、特願平4−282954号、特願平4−282955号、特願平4−282956号、特願平4−347032号等で提案した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような発色・消色型の可逆感熱記録材料の発色・消色は、通常、サーマルヘッド、熱スタンプ、熱ロール等で行われているが、発色・消色条件の最適化が難しく、十分発色しなかったり、完全に消去できなかった。
【0009】
本発明の課題は、良好なコントラストで、画像の記録/消去を完全に行うことのできる発色・消色型可逆感熱記録材料の記録・消去方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究の結果、加熱により発色・消色が繰り返してできる可逆感熱記録材料において、可逆顕色剤として上記一般式化1で表される化合物を用い、かつ加熱後の平均冷却速度を60℃/sec以上にすることにより画像の記録を行い、加熱後の平均冷却速度を20℃/sec以下にすることにより画像を消去する可逆感熱記録材料の記録・消去方法により本課題を解決した。
【0011】
本発明の記録・消去方法は、加熱後の冷却速度を制御する事で発色・消色の繰り返しを良好なコントラストで安定して行わせるものである。発色させるときの冷却速度は、60℃/sec以上で、冷却速度が大きいほど高速に濃い発色濃度の記録印字を行うことができる。この様な冷却速度を実現するには、種々の方法があるが、例えば、適当な方法で加熱後、低温の金属ブロック等を押し当てる方法、サーマルヘッド、レーザー光等により極短時間加熱する等の方法があげられる。これらの方法のうち、装置の簡便さ、印字速度等の点からサーマルヘッド、レーザー光等を用いて極短時間加熱する方法が好ましく用いられる。この場合、冷却速度を大きくするために加熱時間を短くし過ぎると、記録材料中に含まれる発色・消色成分を溶融させるのに必要な熱量を加えることができなくなり、十分な印字濃度が得られなくなることがあるため、冷却速度は60〜500℃/secの範囲が好まく、80〜300℃/secの範囲が特に好ましい。この冷却速度は、150℃から20℃に冷却する際の冷却速度であり、特に120℃から30℃に冷却する平均冷却速度として表される。
【0012】
一方、消色させるときの冷却速度は、20℃/sec以下で、冷却速度が小さいほど十分に消色を行うことができる。この様な冷却速度を実現するには、種々の方法があるが、例えば、加熱したロールの間に通す方法、加熱した金属ブロック等を押し当てる方法、サーマルヘッド、レーザー光等でより長時間加熱する方法等があげられる。しかし冷却速度を小さくし過ぎると、消去に必要な時間が長くなり実用的ではない。したがって、好ましい冷却速度は0.1〜20℃/secの範囲であり、0.5〜10℃/secの範囲が特に好ましい。
この冷却速度は、150℃から20℃に冷却する際の冷却速度であり、特に120℃から30℃に冷却する平均冷却速度として表される。
【0013】
この様な加熱後の冷却速度と発色・消色濃度の関係は、従来から行われているDSC等の熱分析方法では、全く追跡不可能であり、全く予想の出来ないものであった。本発明者らは、鋭意研究した結果、毎秒数百度の冷却速度の追跡に成功し、冷却速度をコントロールする事により発色濃度をより濃くし、消色濃度をより薄くする最適冷却速度を見いだすことができ、本発明を完成するに至った。
【0014】
次に、本発明に用いられる可逆感熱記録材料の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】
本発明における可逆感熱記録材料は、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と、加熱及びそれに引き続く冷却により該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆顕色剤とを主として含有し構成されるものであり、加熱に引き続いて生じる冷却速度の制御により可逆的に繰り返して発色状態と消色状態を安定的に発現させるものである。
【0016】
本発明に用いられる可逆顕色剤としては、上記染料前駆体の共存下、加熱後の冷却速度の違いにより保持可能な可逆的な色調変化を生じるものであれば特に制限されないで用いる事が出来るが、発色濃度や消色性の点で、本出願人による特願平4−347032号に記載の可逆顕色剤が好ましく用いられ、そのうち、本発明においては下記一般式化2で表される電子受容性化合物を用いる。
【0017】
【化2】
Figure 0003751031
【0018】
式化2中、nは1を表し、OH基はAで表される芳香環の4位に結合している。mは0を表す。Aで表される環は芳香環である。Xは、−NHCONH−で表される2価の基を表す。Rは脂肪族炭化水素基を表わす。XとRに含まれる原子のうち水素原子と芳香環を構成する原子を除いた原子の総数は14以上である。
【0020】
Xで表される2価の基のうち窒素原子を介してAで表される芳香環と結合するものの例としては、−NHCO−、−NH−、−NHCONH−、−NHCONHNH−、−N=CH−、−N=N−、−NHSO2−などが挙げられる。窒素に水素原子が結合している場合、その水素原子がメチル基やシクロヘキシル基等の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。これらの中では尿素結合が消色性や画像濃度の点でより好ましいため、本発明において、Xで表される2価の基は−NHCONH−である。
【0023】
Rで表される脂肪族炭化水素基としてはデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、シクロドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、16−メチルヘプタデシル基、オクタデシル基、9−オクタデセニル基、ノナデシル基、アイコシル基、ヘンアイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基1−アダマンチル基、コレステリル基等が挙げられる。これらが分岐状になっていてもよく、多環式になっていてもよく、不飽和結合を含んでいてもよい。しかし、XとRに含まれる原子のうち水素原子と芳香環を構成する原子を除いた原子の総数が14以上である事が消色性のため必要である。
【0024】
次に、本発明に好ましく用いられる可逆顕色剤の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0040】
N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−ドデシル尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−テトラデシル尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−ヘキサデシル尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−オクタデシル尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−アイコシル尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−シクロドデシル尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−ドコシル尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−コレステリル尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−(2−ヘプチルオクチル)尿素N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−(14−シクロヘキシルテトラデシル)尿素N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−(9−オクタデセニル)尿素などが挙げられる。
【0043】
これらはそれぞれ1種または2種以上を混合して使用してもよく、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体に対して、5〜5000重量%、好ましくは10〜3000重量%用いられる。
【0044】
本発明に用いられる通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体としては一般に感圧記録紙や感熱記録紙等に用いられるものに代表されるが特に制限されない。具体的な例としては、例えば下記に挙げるものなどがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0045】
(1)トリアリールメタン系化合物
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等、
【0046】
(2)ジフェニルメタン系化合物
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等、
【0047】
(3)キサンテン系化合物
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、
【0048】
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等、
【0049】
(4)チアジン系化合物
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等、
【0050】
(5)スピロ系化合物
3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等が挙げられる。
【0051】
これらの通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体はそれぞれ1種または2種以上を混合して使用してもよい。
【0052】
次に本発明に係る可逆性感熱記録材料の具体的製造方法について述べるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0053】
本発明に係る可逆感熱記録材料の製造方法の具体例としては、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と加熱及びそれに引き続く冷却により該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる電子受容性化合物を主成分とし、これらを支持体上に塗布して可逆感熱記録層を形成する方法が挙げられる。
【0054】
該電子供与性染料前駆体と、該電子受容性化合物を可逆感熱記録層に含有させる方法としては、各々の化合物を単独で溶媒に溶解もしくは分散媒に分散してから混合する方法、各々の化合物を混ぜ合わせてから溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法、各々の化合物を加熱溶解し均一化した後冷却し、溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法等が挙げられるが特定されるものではない。
【0055】
また、可逆感熱記録層の強度を向上する等の目的でバインダーを可逆感熱記録層中に添加する事も可能である。バインダーの具体例としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のラテックスなどがあげられるがこれらに限定されるものではない。
【0056】
また、可逆感熱記録層の発色感度及び消色温度を調節するための添加剤として、熱可融性物質を可逆感熱記録層中に含有させることができる。60℃〜200℃の融点を有するものが好ましく、特に80℃〜180℃の融点を有するものが好ましい。一般の感熱記録紙に用いられている増感剤を使用することもできる。これらの化合物としては、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどのワックス類、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(p−メチルベンジル)エステル等の炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体等があげられ、2種以上併用して添加することもできる。
【0057】
本発明に係る可逆感熱記録材料に用いられる支持体は透明、半透明、不透明のいずれであっても良く、紙、各種不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、ガラス等、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
本発明に係る可逆感熱記録材料の層構成は、可逆感熱記録層のみであっても良い。必要に応じて、可逆感熱記録層上に保護層を設けることも又、可逆感熱記録層と支持体の間に中間層を設けることもできる。この場合、保護層および/または中間層は2層ないしは3層以上の複数の層から構成されていてもよい。更に可逆感熱記録層中および/または他の層および/または可逆感熱記録層が設けられている面または反対側の面に、電気的、磁気的、光学的に情報が記録可能な材料を含んでも良い。また、可逆感熱記録層が設けられている面と反対側の面にカール防止、帯電防止を目的としてバックコート層を設けることもできる。
【0059】
可逆感熱記録層は、各発色成分を微粉砕して得られる各々の分散液を混合し、支持体上に塗布乾燥する方法、各発色成分を溶媒に溶解して得られる各々の溶液を混合し、支持体上に塗布乾燥する方法などにより得ることができる。この場合、例えば、各発色成分を一層ずつに含有させ、多層構造としてもよい。
【0060】
また、可逆感熱記録層及び/または保護層及び/または中間層には、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂等の顔料、その他に、ヘッド摩耗防止、スティッキング防止等の目的でステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類を、また、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤、さらに界面活性剤、蛍光染料などを含有させることもできる。
【0061】
【実施例】
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明する。
【0062】
実施例1
(A)可逆感熱塗液の調製
電子供与性染料前駆体である3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン40部を2.5%ポリビニルアルコール水溶液90部と共にボールミルで24時間粉砕し、染料前駆体分散液を得た。次いでN−(4−ヒドロキシフェニル)−N′オクタデシル尿素100部を2.5%ポリビニルアルコール水溶液400部と共にボールミルで24時間粉砕し分散液を得た。
上記2種の分散液を混合した後、10%ポリビニルアルコール水溶液200部、水400部を添加、よく混合し、可逆感熱塗液を調製した。
【0063】
(B)可逆感熱記録材料の作製
(A)で調製した可逆感熱塗液をポリエチレンテレフタレート(PET)シートに、固形分塗抹量4g/m2となる様に塗抹し、乾燥後、スーパーカレンダー で処理して、可逆感熱記録層を形成した。この可逆感熱記録層の表面に、5%ポリビニルアルコール水溶液を固形分塗抹量1.5g/m2になるように塗布、乾 燥し、可逆感熱記録材料を得た。
【0064】
(C)発色試験
(B)で得た可逆感熱記録材料を150℃の金属ブロックに押しつけ3秒間加熱した。加熱終了と同時に0℃の銅製のブロックに押しつけ20℃まで冷却した。この時の温度変化を可逆感熱記録材料表面に設けた極細の熱電対により測定し、120℃から30℃まで冷却する間の平均冷却速度を求めた。また、冷却後の光学濃度を濃度計マクベスRD918を用いて測定した。結果を表1に示した。
【0065】
(D)消色試験
(B)で得た可逆感熱記録材料を京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて印加パルス1.0ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字し、発色濃度1.30の発色画像を得た。この発色画像部に150℃の金属ブロックを押しつけ3秒間加熱した。加熱終了後、室温雰囲気中で自然放冷し、20℃まで冷却した。この時の温度変化を可逆感熱記録材料表面に設けた極細の熱電対により測定し、120℃から30℃まで冷却する間の平均冷却速度を求めた。また、冷却後の光学濃度を濃度計マクベスRD918を用いて測定した。結果を表1に示した。
【0066】
実施例2
実施例1の(C)で用いた0℃の銅製のブロックの代わりに0℃のステンレス鋼製のブロックを用い、(D)で加熱終了後、室温雰囲気中で自然放冷する代わりに0℃の発泡スチロール製のブロックを押し当てて冷却する他は、実施例1と同様にした。
【0067】
実施例3
実施例1の(C)で用いた0℃の銅製のブロックの代わりに0℃のガラス製のブロックを用い、(D)で加熱終了後、室温雰囲気中で自然放冷する代わりに0℃の木製のブロックを押し当てて冷却する他は、実施例1と同様にした。
【0068】
実施例4
実施例1の(C)で用いた0℃の銅製のブロックの代わりに−20℃のポリエチレン製のブロックを用い、(D)で加熱終了後、室温雰囲気中で自然放冷する代わりに20℃のポリエチレン製のブロックを押し当てて冷却する他は、実施例1と同様にした。
【0069】
比較例1
実施例1の(C)で用いた0℃の銅製のブロックの代わりに0℃の石膏製のブロックを用い、(D)で加熱終了後、室温雰囲気中で自然放冷する代わりに10℃の石膏製のブロックを押し当てて冷却する他は、実施例1と同様にした。
【0070】
比較例2
実施例1の(C)で用いた0℃の銅製のブロックの代わりに0℃のステンレス鋼製のブロックを用い、(D)で加熱終了後、室温雰囲気中で自然放冷する代わりに0℃のポリエチレン製のブロックを押し当てて冷却する他は、実施例1と同様にした。
【0071】
比較例3
実施例1の(C)で用いた0℃の銅製のブロックの代わりに20℃の木製のブロックを用い、(D)で加熱終了後、室温雰囲気中で自然放冷する代わりに10℃の銅製のブロックを押し当てて冷却する他は、実施例1と同様にした。
【0072】
比較例4
実施例1の(C)で用いた0℃の銅製のブロックのに押し当てる代わりに室温中で自然放冷し、(D)で加熱終了後、室温雰囲気中で自然放冷する代わりに10℃のアルミニウム製のブロックを押し当てて冷却する他は、実施例1と同様にした。
【0073】
【表1】
Figure 0003751031
【0074】
【発明の効果】
加熱により発色・消色ができる可逆感熱記録材料において、可逆顕色剤として一般式化1で表される化合物を用い、かつ加熱後、120〜30℃の平均冷却速度を60℃/sec以上にすることにより発色させ、再加熱後120〜30℃の平均冷却速度を20℃/sec以下にすることにより画像を消去する可逆感熱記録材料の記録・消去方法により、良好なコントラストで、高速に画像の記録/消去を行うことができる。

Claims (1)

  1. 加熱により発色と消色が繰り返してできる可逆感熱記録材料において、可逆顕色剤として下記一般式化1で表される化合物を用い、かつ加熱後の平均冷却速度を60℃/sec以上にすることにより画像の記録を行い、加熱後の平均冷却速度を20℃/sec以下にすることにより画像を消去する可逆感熱記録材料の記録・消去方法。
    Figure 0003751031
    (式化1中、nは1を表し、OH基はAで表される芳香環の4位に結合している。mは0を表す。Aで表される環は芳香環である。Xは、−NHCONH−で表される2価の基を表す。Rは脂肪族炭化水素基を表わす。XとRに含まれる原子のうち水素原子と芳香環を構成する原子を除いた原子の総数は14以上である。)
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