JP2012196856A - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】発色性、消去性に優れ、長時間の光暴露後でも良好な消去性を維持することが可能な可逆性感熱記録材料を提供する。
【解決手段】支持体上に、染料前駆体と、加熱により前記染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録層上に、カテコール化合物、没食子酸化合物から選ばれる少なくとも1つ以上を含む脱酸素剤を含有する脱酸素層、および酸素バリア層と、前記脱酸素層および酸素バリア層を保護する保護層とを積層する。
【選択図】なし

Description

本発明は、温度によって色調が可逆的に変化する可逆性感熱記録材料に関する。
温度によって色調が可逆的に変化する可逆性感熱記録材料は、画像記録・消去を複数回繰り返して行うことができるものである。磁気記録層や非接触ICチップと組み合わせて、プリペイドカード、ポイントカード、定期券、回数券、入退室管理カード、診察券、物流用タグ、製造工程管理表、ラベル等に使用されているほか、デジタルペーパー、電子掲示板等のディスプレイ材料としても使用されている。
可逆性感熱記録材料では、染料前駆体とこの染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録層が支持体上に設けられている。明瞭な画像コントラストが得られ、高濃度で画像記録が行え、ほぼ完全に消去することができ、日常生活を送る環境下では記録された画像が保持でき、百回以上の画像記録・消去が可能な可逆性顕色剤として、フェノール化合物が提案されている。
可逆性顕色剤として使用されるフェノール化合物の多くは、分子末端に脂肪族炭化水素基を持っている。この脂肪族炭化水素基が存在することにより、染料前駆体と可逆性顕色剤は相溶性が低く、凝固した状態では、殆ど溶け合わず、消色状態となる。加温して、加熱溶融状態となると、染料前駆体と可逆性顕色剤が溶け合い、発色状態となる。この発色状態から、ゆっくり冷却すると、染料前駆体と可逆性顕色剤が相分離して、殆ど溶け合わない状態に戻って固化し、消色状態となり、画像の消去を行うことができる。一方、発色状態から急速に冷却すると、染料前駆体と可逆性顕色剤が相分離する前に固化し、発色状態を保持することが可能となり、画像の記録を行うことができる。
近年では上記物流用タグ、製造工程管理表、ラベル等のほか、デジタルペーパー、電子掲示板等のディスプレイ材料への適用が多く、光に暴露される時間が長くなるため、光暴露による染料前駆体の劣化が進行し、発色性の低下、消去性の悪化といった問題が生じる場合があった。これを改善する方法として、光により活性化された状態において酸素とのラジカル反応を起こさせないように酸素バリア層を設ける耐光性向上技術が提案されている(例えば、特許文献1〜11)。より高い酸素バリア性能を有するポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体と無機層状化合物とを併用することで高湿度環境下においても酸素バリア性能をある程度維持したものが提案されている(例えば、特許文献12〜14)。
しかし、酸素バリア性能は十分とは言えず、長時間の光暴露後の消去性に関しては未だ十分な性能は得られていない。
特開平8−150784号公報 特開平8−282109号公報 特開平9−39398号公報 特開平9−175024号公報 特開平10−16398号公報 特開2004−262153号公報 特開2006−7558号公報 特開2006−88644号公報 特開2006−88645号公報 特開2010−173266号公報 特開2010−173268号公報 特開2009−28911号公報 特開2010−125839号公報 特開2010−125840号公報
本発明の課題は、発色性、消去性に優れ、長時間の光暴露後でも良好な消去性を維持することが可能な可逆性感熱記録材料を提供することである。
本発明者は、支持体上に、染料前駆体と、加熱により前記染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録層上に、カテコール化合物、没食子酸化合物から選ばれる少なくとも1つ以上を含む脱酸素剤を含有する脱酸素層、および酸素バリア層と、前記脱酸素層および酸素バリア層を保護する保護層とを積層することにより、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、発色性、消去性に優れ、長時間の光暴露後でも良好な消去性を維持した可逆性感熱記録材料を提供することができる。
可逆性感熱記録材料において、可逆性感熱記録層に用いられる染料前駆体および可逆性顕色剤は、光の影響を受けやすく、特に光により活性化された状態で酸素とのラジカル反応を起こしやすい。ラジカル反応を起こすと、発色していた可逆性感熱記録層が消色したり褪色したりし、不可逆的な発色体となって再発色や消去が不能となり、特に消去不能による消え残りが可逆性感熱記録材料として問題となる。また、消色していた可逆性感熱記録層が黄変化することがある。酸素バリア層は、可逆性感熱記録層を被覆して外気中の酸素が可逆性感熱記録層に侵入することを防ぐことにより、可逆性感熱記録材料は耐光性に優れ長期間褪色や変色することがなくなる。しかし可逆性感熱記録材料の使用期間の長期化に対応して、可逆性感熱記録層への酸素の侵入をさらに抑制させる必要がある。なお、一般に支持体は厚手のシート等であるので、酸素遮断機能は十分に備わっている。支持体に酸素遮断機能が備わっていないときには、支持体側も酸素バリア層で被覆してもよい。
本発明に用いられる支持体は、紙、各種不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、ガラス等、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができ、透明、半透明あるいは不透明のいずれであっても良い。また、内部に空洞を持たない構造、あるいは内部に空洞を含有する構造のいずれであっても良い。合成樹脂フィルムとしては、ポリエステルフィルムが耐熱性の点で好ましい。支持体の酸素バリア性が低い場合には、可逆性感熱記録層と反対面に酸素バリア層を設けることが好ましい。
本発明に用いられるポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリキシリレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等のフィルムが挙げられる。好ましいポリエステルフィルムとしては、強靱性、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性、透明性、電気絶縁性に優れるPETフィルムまたはPENフィルムが挙げられる。また、これらの樹脂フィルム内に空洞を含有しても良く、表面にコロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理、易接着処理、帯電防止処理等により易接着加工が施されていても良い。また、形状、構造、大きさ等については、特に制限はない。形状としては、例えば、平板状、ロール状等が挙げられる。構造としては、単層構造でも積層構造でもよく、大きさは、可逆性感熱記録材料の用途に応じて適宜選択することができる。
本発明に係わる支持体の厚みは、可逆性感熱記録材料の用途に応じて適宜選択することができるが、10〜2000μmが好ましく、20〜1000μmがより好ましい。
本発明に係わる可逆性感熱記録層には、染料前駆体と、加熱により前記染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを少なくとも含有する可逆性感熱記録層が用いられる。また、可逆性感熱記録層は支持体の両面に設けても良いし、発色色調の異なる可逆性感熱記録層を複数層重ねても良い。
本発明に係わる染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤は、加熱による画像形成だけでなく、記録画像の消去も考慮された顕色剤であり、可逆性顕色剤を使用した感熱記録層は繰り返し表示内容を書き換えることが可能である。可逆性顕色剤としては下記一般式1で示される化合物が好ましく使用されるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2012196856
一般式1において、XおよびXはそれぞれ同じであっても、異なっても良い酸素原子、硫黄原子または両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。Rは単結合または炭素数1から12の二価の炭化水素基を表す。Rは炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す。好ましくは炭素数1から4の二価の炭化水素基である。Rは炭素数1から50の一価の炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6から36の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数8から24の炭化水素基である。RおよびRは主として、アルキレン基またはアルケニレン基を表し、Rは主としてアルキル基またはアルケニル基を表す。Rは、炭素数が1から18の範囲内であれば芳香環を含んでいても良い。fは0から4の整数を表し、fが2以上のとき繰り返されるRおよびXは同一であっても異なっていても良い。
一般式1中のX、Xは両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を含むが、その具体例としては、ジアシルアミン(−CONHCO−)、ジアシルヒドラジン(−CONHNHCO−)、しゅう酸ジアミド(−NHCOCONH−)、アシル尿素(−CONHCONH−、−NHCONHCO−)、セミカルバジド(−NHCONHNH−、−NHNHCONH−)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−)、ジアシルアミノメタン(−CONHCHNHCO−)、1−アシルアミノ−1−ウレイドメタン(−CONHCHNHCONH−、−NHCONHCHNHCO−)、マロンアミド(−NHCOCHCONH−)、3−アシルカルバジン酸エステル(−CONHNHCOO−、−OCONHNHCO−)等の基が挙げられるが、好ましくはジアシルヒドラジン、しゅう酸ジアミド、アシルセミカルバジドである。
本発明に係わる可逆性顕色剤の具体的な例としては以下の構造式(1−1)から構造式(1−16)に挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2012196856
Figure 2012196856
可逆性顕色剤の具体例の中で、特に好ましい化合物は(1−3)、(1−4)、(1−5)、(1−6)、(1−7)、(1−9)および(1−16)である。
本発明に係わる可逆性顕色剤はそれぞれ1種または2種以上を混合して使用しても良く、通常無色ないし淡色の染料前駆体に対する使用量は、5〜5000質量%、好ましくは10〜3000質量%である。
本発明に用いられる染料前駆体は、通常無色ないし淡色の染料前駆体であることが好ましく、一般に感圧記録紙や感熱記録紙等に用いられるものを用いることができる。具体例としては、例えば下記に挙げるもの等があるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、これら染料前駆体は、それぞれ1種または2種以上を混合して使用しても良い。
(1)トリアリールメタン系化合物
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−n−ヘキシルオキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジメチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等が挙げられる。
(2)ジフェニルメタン系化合物
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等が挙げられる。
(3)キサンテン系化合物
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェノキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−メチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル)トリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)トリルアミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−メチルアニリノ)フルオラン、3−(ジ−n−ブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル)プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル)シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)テトラヒドロフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、等が挙げられる。
(4)チアジン系化合物
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等が挙げられる。
(5)スピロ系化合物
3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等が挙げられる。
本発明に係わる可逆性感熱記録層は、支持体の少なくとも一方の面に、少なくとも染料前駆体、可逆性顕色剤を含有する可逆性感熱記録層塗液を塗布・製膜することによって形成される。染料前駆体および可逆性顕色剤を可逆性感熱記録層塗液に含有させるための方法としては、各々の化合物を単独で溶媒に溶解もしくは分散媒に分散してから混合する方法、各々の化合物を混ぜ合わせてから溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法、各々の化合物を加熱溶解し均一化した後冷却し、溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。分散時には必要なら分散剤を用いてもよい。
溶媒または分散媒としては、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)、n−ブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、エチレンカーボネート等のエステル類、ジエチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコールジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、スチレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が使用できる。
本発明で用いられる可逆性感熱記録層の強度を得るためにバインダー樹脂を用いることが好ましく、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、ゼラチン、カゼイン、澱粉、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル類、ポリスチレン、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン/塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のラテックス類、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂等およびこれらの水酸基、カルボキシル基がイソシアネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ類等の硬化剤と反応し、硬化するポリウレタン等の熱硬化性樹脂が挙げられ、さらに電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などの活性エネルギー線硬化性の樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリオール樹脂をイソシアネート化合物で硬化して得られる熱硬化性樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂を適用する場合は硬化剤を含む液を塗布、製膜した後に熱により硬化させて用いる。熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、尿素樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、およびポリオール樹脂等が挙げられる。またこれらの熱硬化性樹脂に使用される硬化剤は、有機酸類、アミン類、イソシアネート類、エポキシ類、フェノール類等が挙げられるが、熱硬化性樹脂の種類により好適な反応性のものを選定すれば良い。特にこれらの中で、特開平10−230680号公報や同11−58963号公報に記載の、ポリオール化合物をイソシアネート化合物で熱硬化して得られる硬化樹脂であることが好ましい。
電子線硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂に用いられるオリゴマー・モノマーとしては、種類も多く優れた放射線硬化特性を有するアクリル系オリゴマー・モノマーの他、ポリエン−チオール系オリゴマー・モノマー、光カチオン重合型エポキシオリゴマー・モノマー等が挙げられる。アクリル系モノマーは単官能性モノマー、二官能モノマー、多官能モノマー等が挙げられるが、特に紫外線硬化の際には光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。
アクリル系オリゴマー・モノマーの例としては、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、シリコーンアクリレート、メラミンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート等が挙げられる。
可逆性感熱記録層に硬化性樹脂が含有されている場合、加熱、紫外線照射、電子線照射を行う。紫外線照射は、公知の紫外線照射装置を用いて行うことができ、例えば、光源、灯具、電源、冷却装置、搬送装置等を備えたものが挙げられる。光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムランプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプなどが挙げられる。光源の波長は、光重合開始剤および光重合促進剤の紫外線吸収波長に応じて適宜選択することができる。紫外線照射の出力や搬送速度は、紫外線硬化性樹脂を硬化するために必要な照射エネルギーに応じて決定される。
本発明に係わる可逆性感熱記録層において、好ましいバインダー樹脂であるポリオール化合物とイソシアネート化合物との硬化により形成されるバインダー樹脂について説明する。ポリオール化合物としては、ポリ(メタ)アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、アルキドポリオール、カプロラクトンポリオール、シリコーンポリオール等が挙げられる。
ポリ(メタ)アクリルポリオールとは、アクリル酸、メタアクリル酸およびそれらのエステルの共重合体であって、水酸基を含むものをいい、水酸基を含む共重合成分としては、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール等が用いられる。アクリル酸、メタアクリル酸およびそれらのエステル以外の共重合成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリルアミド、メタアクリルアミドおよびその誘導体、酢酸ビニル、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとは、多塩基酸と多価アルコールとの縮合物のうち水酸基を有するものをいい、これらに使用される多塩基酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族多塩基酸、しゅう酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルこはく酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、ダイマ酸等の脂肪族多塩基酸があり、これらの多塩基酸から得られる酸無水物も同様に用いられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジアセトングリコール、ヘキサントリオール等の低分子量ポリオールの他、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等の高分子量ポリオールも用いられる。これらから得られるポリエステルポリオールの他、ヒドロキシカルボン酸、もしくはその環状ラクトンの縮合物もしくは開環重合、例えばポリブチロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンポリオールや、前記多塩基酸と多価アルコールに加え高級脂肪酸の3種を縮合して得られるアルキドポリオール等がある。ポリエーテルポリオールとは、主鎖がエーテル結合からなる高分子であって、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリチレングリコールの他これらの分岐状エステル等がある。
ポリエーテルポリオールとしては、上記多価アルコールのエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド付加物、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。シリコーンポリオールとしては、分子中にシロキサン結合を有し、かつ末端が水酸基を有するシリコーンオイル類等が挙げられる。
その他にも、水酸基含有のフルオロオレフィンのようなフッ素含有ポリオール、ポリオール水酸基末端のポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、ポリウレタン等が利用できる。さらには、低分子量のポリオール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘキサジオール、1,4−ジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の脂肪族、脂環族、芳香族多価アルコールもしくは多価フェノールまたはこれらの縮合物を反応性希釈剤として用いられる。
本発明に係わるポリオール化合物としては、添加物分散性、塗工性、接着性、耐熱性および皮膜強度等の総合評価から、ポリ(メタ)アクリルポリオールおよびポリエステルポリオールが好ましい。本発明に係るポリオール化合物は単1種、またはポリオール部分やそれ以外の部分の構造の異なる、もしくは分子量等の異なる他の1種以上のポリオール化合物と併用してもよい。
本発明に係わるイソシアネート化合物としては、公知のものが使用できる。例えば、フェニレンジイソシアネート(PDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族脂肪族ジイソシアネート、水添TDI、水添XDI、水添MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族もしくは脂環族ジイソシアネートおよびこれらの誘導体であるポリオール付加物、ビュレット体、3量体である3官能以上のポリイソシアネートの他、イソシアネートを含む各種のオリゴマー、ポリマーが挙げられる。本発明においては、イソシアネート化合物としてキシリレンジイソシアネートやトルエンイソシアネートを用いると発色濃度の向上により好ましく、さらには、地肌の白色度の高いキシリレンジイソシアネートを使用するとより好ましい。
本発明に係わるイソシアネート化合物は、1種以上のポリオール化合物に対して、単1種または2種以上のイソシアネートと併用してもよい。イソシアネート化合物およびポリオール化合物をともに複数種用いる場合は、その組合せは任意でよい。
ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の混合物は、それぞれが液状の場合はそのままの混合物で用いてもよいが、さらにポリイソシアネート化合物と非反応性の溶媒で希釈して使用することもできる。ポリイソシアネート化合物と反応性のある活性水素を有しない有機溶媒を用いることが好ましい。また、上記ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の硬化反応は、反応温度30〜160℃、反応時間1分〜120時間で行えばよい。なお、反応温度が低い場合は長時間を要し、高温では短時間で済むことは言うまでもない。
本発明に係わる可逆性感熱記録層におけるバインダー樹脂の使用量としては、該可逆性感熱記録層全質量に対して、35〜65質量%の範囲内であることが好ましく、40〜60質量%がより好ましく、45〜55質量%が特に好ましい。65質量%より大きくなると著しく発色濃度が低下する場合がある。逆に、35質量%より小さくなると、可逆性感熱記録層の耐熱性や機械的強度の低下、層の変形、発色濃度の低下が起きる場合がある。
また、可逆性感熱記録層の発色感度および消色温度を調節するための添加剤として、熱可融性物質を可逆性感熱記録層中に含有させることができる。熱可融性物質は60〜200℃の融点を有するものが好ましく、特に80〜180℃の融点を有するものが好ましい。このような化合物としては一般の感熱記録紙に用いられている増感剤を使用することもできる。例えば、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、パルミチン酸アミド等のワックス類、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、しゅう酸ジベンジル、しゅう酸ビス(p−メチルベンジル)エステル等の炭酸またはしゅう酸ジエステル誘導体等を併用して添加することができる。
本発明に係わる可逆性感熱記録層の膜厚は0.1〜20μmの範囲が好ましく、3〜15μmがより好ましい。
可逆性感熱記録層に添加することができる顔料等としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、チタン等の炭酸塩、酸化物、水酸化物、硫酸塩等、およびゼオライト、シリカ、カオリン、焼成カオリン、タルク等の粘土類を含む無機系顔料、澱粉、スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス等が使用可能である。また、滑剤としてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩を使用することができる。
本発明に係わる可逆性感熱記録層の形成方法は、支持体上に塗工できればどのような方法でも良いが、支持体上に、可逆性感熱記録層用塗工液を塗工し、加熱乾燥する。可逆性感熱記録層用塗工液の塗工方法としては、グラビアシリンダー等を用いたロールコーティング法、ドクターナイフ法やエアーナイフ・ノズルコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法等の通常の塗工方法を用いることができ、これらの方法を組み合わせてもよい。
本発明に係わる可逆性感熱記録材料の層構成は、少なくとも支持体上の可逆性感熱記録層、脱酸素層、酸素バリア層、および保護層からなるが、必要に応じて、各層の間に中間層を設けることや、支持体と可逆性感熱記録層の間に発色感度向上等を目的に下引き層を設けたり、光反射層や空気層を設けてもよい。中間層は紫外線吸収剤を含有してもよい。下引き層は、中空粒子を含有してもよい。これらの層は、単層でも、2層または3層以上の複数の層から構成されていてもよい。また、これらの層は熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等の硬化性樹脂を含有することもできる。さらに、可逆性感熱記録層が設けられている面および/または反対側の面に、電気的、磁気的、光学的に情報が記録可能な材料を含んでも良い。また、可逆性感熱記録層が設けられている面と反対側の面にカール防止を目的としてバックコート層を設けることもできる。
可逆性感熱記録材料の記録層に対して反対面に、必要に応じて接着剤や粘着剤を用いて、ラミネートや加熱プレス等の手法により、別な基材と貼り合わせて厚手のシートやカードの形態に成型して使用することができる。このような場合は、可逆性感熱記録材料に貼り合せる基材の最表層に本発明の帯電防止層を設け、記録層に対して反対側の最表層が帯電防止層となるように成型することができる。このとき帯電防止層を設ける基材には特に制限はないが、成型品のカール防止の観点から、可逆性感熱記録層を設けた基材と同一の基材とし、双方の基材の配向を揃えて貼り合わせるのがより好ましい。
本発明に係わる脱酸素層に用いる脱酸素剤は、カテコール化合物、没食子酸化合物から選ばれる少なくとも1つ以上を含むことが必要である。
本発明におけるカテコール化合物とは、ベンゼン環上のオルト位に2つのヒドロキシ基を有する化合物、およびその誘導体であり、ベンゼン環上のオルト位の2つのヒドロキシ基をそのまま有するカテコール誘導体が特に好ましい。このような化合物としては例えば、カテコール、4−t−ブチルピロカテコール、4−(クロロアセチル)カテコール、3−メトキシカテコール、4−メチルカテコール、ピロカテコール−4−酢酸メチル、3,4−ジヒドロキシベンゾニトリル、4−ヒドロキシメチルピロカテコール、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸、4−フルオロカテコール、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸メチル、4,4′−(2,3−ジメチルテトラメチレン)ジピロカテコール、タイロン一水和物、エピカテキン、ルチン、クロロゲン酸、エラグ酸二水和物等を挙げられ、エピカテキン、ルチンがより好ましい。
本発明における没食子酸化合物とは、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、およびその誘導体であり、ベンゼン環上に位置する3つの隣り合ったヒドロキシ基をそのまま有する没食子酸誘導体が特に好ましい。このような化合物としては例えば、没食子酸、没食子酸ブチル、没食子酸ドデシル、(−)−没食子酸エピガロカテキン水和物、没食子酸エチル、没食子酸ヘキサデシル、没食子酸ステアリル、2′,3′−ジヒドロキシ−4′−メトキシアセトフェノン水和物、ピロガロール1,3−ジメチルエーテル、ガレイン、5−メチルピロガロール、プルプロガリン、シリンガ酸、2′,3′,4′−トリヒドロキシアセトフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンズアルデヒド、3,4,5−トリヒドロキシベンズアルデヒド、ピロガロール−4−カルボン酸、2,3,4−トリヒドロキシジフェニルメタン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガラート、タンニンを挙げられ、エピガロカテキン、エピガロカテキンガラート、タンニンがより好ましい。
脱酸素剤の製造方法としては、例えば、カテコール化合物および/あるいは没食子酸化合物を、必要に応じて触媒を加えて混合し、次に水を加えて主剤を溶解または分散する。次いで、必要に応じて二酸化珪素、アルミニウムシリケート、アルミナ、活性アルミナ、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、珪藻土、パーライト、ゼオライト、活性白土等の担持体を加えて混練し、さらにアルカリ剤を添加し、混練、粉体化し、さらに必要に応じて活性炭を秤量、添加、混合することで得ることができる。
また、珪酸ナトリウムまたは珪酸カリウム等の水溶性珪酸塩と、塩化カルシウム、硝酸カルシウムまたは水酸化カルシウム等の水溶性カルシウム化合物とを水性媒体中で反応させた後、150〜250℃で水熱反応させることにより、水不溶性粉末状として得られた珪酸カルシウム系化合物の担体に、カテコール化合物または/および没食子酸化合物の水溶液状、スラリー状または油状の液体にしたものを含浸させることにより得ることができる。
さらに、カテコール化合物および/あるいは没食子酸化合物とアミノ酸とを、アルカリ性を示す溶媒中、酸素分子共存下、反応時のpH値が6.5以上で反応させ、脱酸素有効成分である反応物を、上記反応液から、濃縮、ろ過、減圧乾燥法や凍結乾燥法等の公知の方法によって液体成分を除去し、固体状として得ることができる。
本発明に係わる脱酸素層は、できる限り可逆性感熱記録層への酸素の到達を防ぐため、酸素バリア層と可逆性感熱記録層との間に用いてもよいし、酸素バリア層上に用いてもよいが、酸素バリア層を通過した僅かな酸素を吸収するように、酸素バリア層と可逆感熱記録層との間に用いることが好ましい。これにより発色濃度が僅かに低下するものの、長期間の光暴露後でもとりわけ優れた消去性が維持できる。
脱酸素層には、層の強度を確保するため、可逆性感熱記録層に用いられるバインダー樹脂として挙げたバインダー樹脂のいずれかを用いることができる。
脱酸素層の厚さは、脱酸素層の酸素吸収性能や脱酸素剤の含有率によって異なるが、0.1〜10μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜5μmである。これより薄いと脱酸素性が不完全となることが多く、厚いと可逆性感熱記録材料としての加熱ヘッドなどに対する感度が低下することがあるので好ましくない。
脱酸素層における脱酸素剤の使用量としては、該脱酸素層全質量に対して、20〜80質量%の範囲内であることが好ましい。20質量%より小さくなると酸素吸収性能を維持するためには厚みを厚くする必要があり、発色濃度が低下する場合がある。80質量%より大きくなると可逆性感熱記録媒体の機械的強度の低下、層の変形や剥離が起きる場合がある。より好ましい脱酸素剤の使用量は、脱酸素層全質量に対して30〜70質量%であり、50〜70質量%であることが特に好ましい。
本発明に係わる脱酸素層の形成方法は、可逆性感熱記録層上や酸素バリア層上に塗工できればどのような方法でも良いが、可逆性感熱記録層や酸素バリア層上に、脱酸素層塗工液を塗工し、加熱乾燥する。脱酸素層塗工液の塗工方法としては、前述の可逆性感熱記録層と同様の塗工方法にて設けることができる。
本発明に係わる酸素バリア層に用いられる樹脂は、酸素透過性が小さいものが挙げられ、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン共重合体、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル共重合体、ポリメタクリロニトリル、セロハン、ポリフッ化ビニル、ナイロン−6、ナイロン−6,6等の樹脂が挙げられる。
酸素バリア層の厚さは、酸素バリア層の酸素バリア性能によって異なるが、0.1〜10μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜5μmである。これより薄いと酸素バリア性が不完全となることが多く、厚いと可逆性感熱記録材料としての加熱ヘッドなどに対する感度が低下することがあるので好ましくない。
酸素バリア層には、酸素バリア層の酸素バリア性能をさらに高めるため、無機層状化合物を添加することができる。
本発明における酸素バリア層の形成方法は、可逆性感熱記録層上や脱酸素層上に塗工できればどのような方法でも良いが、可逆性感熱記録層や脱酸素層上に、酸素バリア層塗工液を塗工し、加熱乾燥する。脱酸素層塗工液の塗工方法としては、前述の可逆性感熱記録層と同様の塗工方法にて設けることができる。
本発明に係わる保護層としては、硬化性樹脂を主成分とし、顔料等を含有していても良い。硬化性樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、水酸基やカルボキシル基等の硬化剤と反応する基を持つ樹脂、または水酸基やカルボキシル基等を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂等が挙げられる。このような熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂等が挙げられる。これらの中でも、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂が特に好ましい。この際の硬化剤としては、例えば、イソシアネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ類等が挙げられる。
電子線および紫外線硬化性樹脂に用いられるモノマーとしては、アクリル系に代表される単官能性モノマー、二官能モノマー、多官能モノマー等が挙げられるが、特に紫外線硬化の際には光重合開始剤、光重合促進剤を用いても良い。
アクリル系モノマーの例としては、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、シリコーンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート等が挙げられる。
保護層の厚みは0.5〜10μmが好ましい。これより薄いと記録画像の形成と消去を多数回にわたって繰り返すことができない場合があり、また厚いと記録感度が低下することがある。保護層は2層以上の多層構成であっても良く、その最表層を帯電防止層とすることもできる。
可逆性感熱記録層、脱酸素層、酸素バリア層、保護層、必要に応じて用いる中間層や下引き層のいずれの層においても、ブロッキング防止のために、ケイソウ土、クレー、焼成クレー、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、澱粉粒、尿素−ホルマリン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン粒子等の顔料や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類を、単独もしくは2種以上含有させることができる。また、レベリング剤、分散剤、界面活性剤、蛍光染料等を1種以上含有させることもできる。
また、支持体上に設けられた可逆性感熱記録層、脱酸素層、酸素バリア層、保護層、必要に応じて用いる中間層や下引き層のいずれの層においても各種添加剤を添加することができる。添加剤の例としては、レベリング剤、分散剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、硬膜剤、防腐剤、フィラー、着色染顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、pH調節剤、消泡剤、顔料、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のアクリレート系紫外線吸収剤、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、または2種類以上を併用しても良い。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等のフェノール系酸化防止剤、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリル−β,β′−チオジブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等の硫黄系酸化防止剤、トリフェニルフォスファイト、トリオクタデシルフォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、または2種類以上を併用しても良い。
老化防止剤としては、例えば、p,p′−ジアミノジフェニルメタン、アルドール−α−ナフチルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン化合物、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のフェノール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物、ベンゾフェノン化合物、安息香酸エステル類等が挙げられる。その他、o−フェニレンチオ尿素、2−アミノベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルチオカルバミン酸ニッケル、酸化亜鉛、パラフィン等が挙げられる。また、これらの老化防止剤構造を有するモノマーを重合の一成分として含むポリマーや、ポリマー主鎖に老化防止剤構造をグラフト化したものも用いることができる。2種類以上の老化防止剤を組み合わせて用いることもできる。
本発明の可逆性感熱記録材料を構成する前記の各層を支持体上に形成する方法は可逆性感熱記録層と同様に特に制限されるものではなく、公知の方法により形成することができる。例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアロールおよびトランスファロールコーター、ロールコーター、コンマコーター、スムージングコーター、マイクログラビアコーター、リバースロールコーター、4本あるいは5本ロールコーター、ディップコーター、ロッドコーター、キスコーター、ゲートロールコーター、スクイズコーター、スライドコーター、ダイコーター等の塗工装置や、平板、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等を用いることができる。さらにこれらの方法には乾燥工程の他、加熱エージング工程や、紫外線照射・電子線などの活性エネルギー線照射工程により各層を硬化させることもできる。これらの方法により、1層ずつあるいは多層同時に塗工、印刷することができる。
可逆性感熱記録材料の支持体を複層として、その層間にICチップを封入することもできる。このような場合は、例えば、プラスチックフィルムの層間または紙基材とプラスチックフィルムの層間に封入することができる。好ましくは、可逆性感熱記録層から離れた層間に封入することが印字品質の点で好ましい。非接触のICチップを封入する場合は、アンテナと共に封入することができる。封入する際の圧力によりICチップが破損することを防ぐ目的で、クッション層を設けることができる。クッション層の厚みとしては、10μmに満たないとクッション性が不十分であるため10μm以上が好ましい。また、ICチップとアンテナとの接合部に負荷がかかるため、クッション層の面積はICチップとアンテナ接合部を十分覆い隠せる大きさが好ましい。クッション層は、片面もしくは両面に設けることができる。両面にクッション層を設けることがより好ましい。クッション層としては、熱可塑性の樹脂が好ましく、発泡樹脂であれば、よりクッション性が良いため、ICチップの破損を防ぐことができる。
本発明の可逆性感熱記録材料において、発色記録画像を形成するためには加熱に引き続き急速な冷却が起これば良く、記録画像の消去を行うためには加熱後の冷却速度が遅ければ良い。例えば、適当な方法で加熱した後、低温の金属ブロックなどを押し当てる等して急速に冷却することにより、発色状態を発現させることができる。また、サーマルヘッド、レーザー光等を用いて極めて短い時間だけ加熱すると、加熱終了後に直ちに冷却するため、発色状態を保持させることができる。一方、適当な熱源(サーマルヘッド、レーザー光、熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、電熱ヒーター、およびタングステンランプやハロゲンランプ等の光源等からの輻射熱、熱風等)で比較的長い時間加熱すると、記録層だけでなく支持体等も加熱されるために熱源を除いても冷却する速度が遅いため消色状態になる。従って、同じ加熱温度、同じ熱源を用いても、冷却速度を制御することにより発色状態および消色状態を任意に発現させることができる。
加熱に使用するレーザーとしては、半導体レーザー、YAGレーザー、炭酸ガスレーザーを挙げることができるが、これらに限定されない。半導体レーザー、YAGレーザーによる加熱を効率よく行うためには、可逆性感熱記録層中に近赤外部に吸収を有する光熱変換材料を含有させるか、あるいは、光熱変換材料を含有する光熱変換層を可逆性感熱記録層に直接隣接して設けることが好ましい。近赤外部に吸収を有する光熱変換材料としては、例えば白金、チタン、シリコン、クロム、ニッケル、ゲルマニウム、アルミニウム等の金属または半金属の層、インモニウム化合物、金属錯体化合物、シアニン色素、スクワリリウム色素、ナフトキノン色素、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明の可逆性感熱記録材料には、オフセット印刷、グラビア印刷などの印刷;インクジェット記録層、熱転写受像層、昇華型熱転写受像層等の印字記録層を設けてもよい。これらの印刷、印字記録層は、可逆性感熱記録層と積層して設けてもよいし、可逆性感熱記録層と同一面の一部に設けてもよい。また、可逆性感熱記録層を設けた面と反対側の面の一部または全面に設けてもよい。印字記録層上に部分的にまたは全面的に硬化性樹脂を主成分とするオーバープリントニス(OPニス)層等を設けてもよい。
本発明の可逆性感熱記録材料において、可逆性感熱記録層中、他の層、可逆性感熱記録層が設けられている面や反対側の面等に、電気的、磁気的、光学的に情報が記録可能な材料が含まれていても良い。また、支持体を複層とし、その間にICチップを挟んでも良い。また、帯電防止を目的として帯電防止層を片面または両面に設けることもできる。本発明の可逆性感熱記録材料は、粘着層等を介して、または、支持体として熱融着性樹脂を用いて、他の媒体へ貼り付けることもできる。
以下、本発明を実施例で説明する。本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数および百分率は、特に断りがない場合、質量基準である。
(1)可逆性感熱記録層塗工液の調製
染料前駆体として3−(ジ−n−ブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部、可逆性顕色剤として例示化合物(1−3)を100部、熱可融性物質としてベヘン酸アミド10部、ポリエステルポリオール(商品名「タケラックU−21」、不揮発分70%、酸価<4.2、樹脂OH価350mgKOH/g、三井化学(株)製)100部、溶媒としてメチルエチルケトン950部の混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで24時間粉砕し分散液を得た。この分散液にイソシアネート化合物(商品名「タケネートD−110N」、不揮発分75%、三井化学(株)製)100部を加えてよく混合し、可逆性感熱記録層塗工液を調製した。
(2)酸素バリア層塗工液Aの調製
精製水50%、イソプロピルアルコール50%を含む混合溶剤95部に、エチレン−ビニルアルコール共重合体(商品名:ソアノールD−2908、日本合成化学工業(株)製)5部を加え、攪拌下で80℃に加温して溶解し、酸素バリア層塗工液Aを得た。
(3)脱酸素剤Aの製造
カテコール化合物としてエピカテキン100部と、水50部をガラスビーズと共にペイントシェーカーで24時間粉砕し、担持体として二酸化珪素10部を加えて24時間粉砕し、アルカリ剤として水酸化カルシウム20部を加えてさらに24時間粉砕し、ガラスビーズを除いて、脱酸素剤Aを得た。
(4)脱酸素層塗工液Aの調製
ポリビニルブチラール(商品名「エスレックBL−S」、積水化学工業(株)製)100部をメチルエチルケトン1000部に溶解し、(3)で製造した脱酸素剤A100部、ガラスビーズと共にペイントシェーカーで24時間分散し、脱酸素層塗工液Aを調製した。
(5)中間層塗工液Aの調製
紫外線吸収剤(商品名「チヌビン328」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)50部、ポリエステルポリオール(商品名「バーノック11−408」、不揮発分70%、DIC(株)製)100部、メチルエチルケトン800部の混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで5時間粉砕し分散液を得た。こうして得た分散液にイソシアネート化合物(商品名「タケネートD−110N」、不揮発分75%、三井化学(株)製)140部、メチルエチルケトン50部を加えてよく混合し、中間層塗工液Aを調製した。
(6)保護層塗工液の調製
ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂(商品名「ユニディックV−4205」、DIC(株)製)100部、平均粒子径1.2μmのシリカ粒子(商品名「ニップシールSS−50F」、東ソー・シリカ(株)製)10部、イソプロピルアルコール90部をホモジナイザーで攪拌混合し、保護層塗工液を調製した。
実施例1
可逆性感熱記録材料の作製
(1)で調製した可逆性感熱記録層塗工液を、厚さ188μmの白色ポリエチレンテレフタレート(PET)シートに、乾燥膜厚が10μmとなるように塗工し、120℃で1分乾燥後、さらに50℃にて48時間加温し、可逆性感熱記録層を形成した。可逆性感熱記録層上に、(2)で調製した酸素バリア層塗工液Aを、乾燥膜厚が1μmとなるように塗工し、120℃で10分間乾燥し、酸素バリア層を形成した。その上に(4)で調整した脱酸素層塗工液Aを乾燥膜厚が1μmとなるように塗工し、120℃で1分間乾燥し、脱酸素層を形成した。その上に(5)で調整した中間層塗工液Aを、乾燥膜厚が1μmとなるように塗工し、120℃で1分間乾燥後、さらに50℃にて48時間加温し、中間層Aを形成した。中間層上に、(6)で調製した保護層塗工液を乾燥硬化後の膜厚が3μmになるように塗工し、80℃で1分間乾燥後、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を10m/分の搬送速度で通して硬化させて保護層を設け、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
実施例2
実施例1において、脱酸素塗工液Aの調製に用いた脱酸素剤A100部を50部に変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
実施例3
実施例1において、脱酸素塗工液Aの調製に用いた脱酸素剤A100部を200部に変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
実施例4
実施例1において、乾燥後の脱酸素層の膜厚を2μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
実施例5
実施例1において、(3)で作製した脱酸素塗工液Aのカテコール化合物を、没食子酸化合物としてエピガロカテキンに変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
実施例6
実施例1において、(3)で作製した脱酸素塗工液Aのカテコール化合物を、没食子酸化合物としてタンニンに変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
実施例7
実施例1において、基材上に、可逆性感熱記録層、酸素バリア層、脱酸素層、中間層A、保護層の順で形成した代わりに、基材上に可逆性感熱記録層上に、脱酸素層、酸素バリア層、中間層A、保護層の順で塗工した以外は、実施例1と同様にして、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
実施例8
実施例1において、可逆性感熱記録層塗工液の例示化合物(1−3)の代わりに例示化合物(1−5)を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
比較例1
実施例1において、脱酸素層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録材料を得た。
(7)中間層塗工液Bの調製
ポリビニルブチラール(商品名「エスレックSL−5」、積水化学工業(株)製)100部をメチルエチルケトン1000部に溶解し、中間層塗工液Bを調製した。
比較例2
実施例7において、(3)で作製した脱酸素塗工液Aの代わりに(7)で調製した中間層塗工液Bを用いた以外は、実施例7と同様にして、可逆性感熱記録材料を得た。
評価1:可逆性感熱記録材料の印字消去試験
実施例1〜8および比較例1,2で得た可逆性感熱記録材料に対して、京セラ(株)製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気(株)製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて、これを20℃、50%RH環境下において、印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧を1ボルト刻みで電圧を変化させて印字し、最大濃度を発色濃度とした。前記最大濃度を得た印字条件にて印字し、(株)東洋精機製作所製熱傾斜試験機で温度を5℃刻みで変化させて、1秒間、98kPaの条件で消色し、最小消去濃度を消去濃度とした。この発色濃度、消去濃度および地肌部の光学濃度をマクベス濃度計RD−918により測定した。消去性は消去濃度から地肌部濃度を引いた値を消え残りとした。結果を表1に示す。
評価2:可逆性感熱記録材料の耐光性試験
実施例1〜8および比較例1,2で得た可逆性感熱記録材料に対して、評価1と同様に作製した最大濃度発色試料を、40℃、80%RH環境下、蛍光灯にて、照度2万lux、時間4320時間、光暴露を行った後、評価1と同様にマクベス濃度計にて発色部の光暴露後の濃度を測定し、光暴露後に熱傾斜試験機にて消去して消去濃度を測定し、消去濃度から地肌部濃度を引いた値を消え残りとした。結果を表1に示す。
Figure 2012196856
以上の結果から、本発明により発色性、消去性に優れ、長時間の光暴露後でも良好な消去性を維持した可逆性感熱記録材料が得られることが判る。

Claims (1)

  1. 支持体上に、染料前駆体と、加熱により前記染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録層上に、カテコール化合物、没食子酸化合物から選ばれる少なくとも1つ以上を含む脱酸素剤を含有する脱酸素層、および酸素バリア層と、前記脱酸素層および酸素バリア層を保護する保護層とを積層したことを特徴とする可逆性感熱記録材料。
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