JP2001047749A - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

可逆性感熱記録材料

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JP2001047749A
JP2001047749A JP11227314A JP22731499A JP2001047749A JP 2001047749 A JP2001047749 A JP 2001047749A JP 11227314 A JP11227314 A JP 11227314A JP 22731499 A JP22731499 A JP 22731499A JP 2001047749 A JP2001047749 A JP 2001047749A
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reversible thermosensitive
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JP11227314A
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Hidekazu Sano
秀和 佐野
Atsushi Maruyama
淳 丸山
Naotaka Hisamatsu
直貴 久松
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】明瞭なコントラストで画像の形成・消去が可能
で、日常生活の環境下で経時的に安定な画像を保持可能
な可逆性感熱記録材料を提供することである。 【解決手段】支持体上に無色ないし淡色の染料前駆体
と、加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆
的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを含有する
可逆性感熱記録材料において、該可逆性顕色剤として下
記一般式(1)で示される化合物の少なくとも1種を含
有する事を特徴とする可逆性感熱記録材料。 【化1】 (式1中、nは1以上3以下の整数を表す。X1、X2
びX3は酸素原子または硫黄原子を表し、同じでも異な
っていてもよい。R1及びR2は炭素数1から18の二価
の炭化水素基を、R3は炭素数1から24の炭化水素基
を表す。mは0または1の整数を表す。Yは−CONH
−結合を少なくとも一つ以上有する二価の基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギーの制
御により画像形成及び消去が可能な可逆性感熱記録材料
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録材料は一般に、支持体上に電子
供与性の無色ないし淡色の染料前駆体と電子受容性の顕
色剤とを主成分とする感熱記録層を設けたものであり、
熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱することによ
り、染料前駆体と顕色剤が瞬時反応し記録画像が得られ
るもので、特公昭43−4160号公報、特公昭45−
14039号公報等に開示されている。
【0003】一般にこのような感熱記録材料は、一旦画
像を形成するとその部分を消去して再び画像形成前の状
態に戻すことは不可能であるため、更に情報を記録する
場合には画像が未形成の部分に追記するしかなかった。
そのため感熱記録部分の面積が限定され必要な情報を全
て記録できないという問題が生じていた。
【0004】近年、この様な問題に対処するため画像形
成・画像消去が繰り返して可能な可逆性感熱記録材料が
考案されている。例えば、特開昭54−119377号
公報、特開昭63−39377号公報、特開昭63−4
1186号公報には、樹脂母材とこの樹脂母材中に分散
された有機低分子から構成された感熱記録材料が記載さ
れている。しかしこの方法は、熱エネルギーによって感
熱記録材料の透明度を可逆的に変化させる物であるた
め、画像形成部と画像未形成部のコントラストが十分と
はいえない。
【0005】また、特開昭50−81157号公報、特
開昭50−105555号公報に記載された方法は、形
成画像は環境温度によっても変化するものであるため、
画像形成状態と消去状態を保持する温度が異なってお
り、常温下ではこの2つの状態を任意の期間安定に保持
することが出来ない。
【0006】更に、特開昭59−120492号公報に
は、呈色成分のヒステリシス特性を利用し、記録材料を
ヒステリシス温度域に保つことにより画像形成状態・消
去状態を維持する方法が記載されている。この方法では
画像形成及び消去に加熱源と冷却源が必要な上、画像の
形成状態及び消去状態を保持できる温度領域がヒステリ
シス温度領域内に限られる欠点を有しており、日常生活
の温度環境で使用するには未だ不十分である。
【0007】一方、特開平2−188293号公報、特
開平2−188294号公報、国際公開番号WO90/
11898号には、ロイコ染料と加熱によりロイコ染料
を発色及び消色させる顕減色剤から構成される可逆性感
熱記録媒体が記載されている。顕減色剤は、ロイコ染料
を発色させる酸性基と、発色したロイコ染料を消色させ
る塩基性基を有する両性化合物で、熱エネルギーの制御
により酸性基による発色作用または塩基性基による消色
作用の一方を優先的に発生させ、発色と消色を行うもの
である。しかしこの方法では、熱エネルギーの制御のみ
で完全に発色反応と消色反応を切り換えることは不可能
で、両反応がある割合で同時に起こるため、十分な発色
濃度が得られず、また、消色も完全には行えず、十分な
コントラストが得られない。また、塩基性基の消色作用
は常温で発色部にも作用するため、経時的に発色部の濃
度が低下する現象が避けられない。更に、特開平5−1
24360号公報には加熱によりロイコ染料を発色及び
消色させる可逆性感熱記録媒体が記載されており、可逆
性顕色剤として有機ホスホン酸化合物、α−ヒドロキシ
脂肪族カルボン酸、脂肪酸ジカルボン酸及び炭素数12
以上の脂肪族基を有するアルキルチオフェノール、アル
キルオキシフェノール、アルキルカルバモイルフェノー
ル、没食子酸アルキルエステルなどの特定のフェノール
化合物が例示されている。しかし、この記録媒体でもや
はり発色濃度が低いか、または、消色が不完全というふ
たつの問題を同時に解決することはできない。更に、画
像の経時的安定性においても実用上満足すべきものでは
ない。更に、特開平5−294063号公報に於いて、
上記可逆性感熱記録媒体の消去性を改良する消色促進剤
として脂肪酸類、ワックス、高級アルコール、燐酸/安
息香酸/フタル酸またはオキシ酸の各種エステル類、シ
リコーンオイル、液晶性化合物、界面活性剤及び炭素数
10以上の脂肪酸飽和炭化水素等が開示されているが、
その効果は小さく消去時の画像濃度が高く実用的とは云
えない。
【0008】このように従来の技術では、明瞭な画像コ
ントラストを持ち、高濃度な画像の形成及び完全消去が
可能で、日常生活の環境下で経時的に安定な画像を保持
可能な実用的可逆性感熱記録材料の製造は困難であっ
た。一方、すでに特願平10−93313号明細書にて
本出願人らは、無色ないし淡色の染料前駆体に加熱によ
り可逆的な色調変化、すなわち、発色及び消色を生じせ
しめる可逆性顕色剤が存在することを見い出している
が、更に良好な画像品質及び使いやすい記録媒体を得る
ためには、消色時の画像濃度、消色開始温度及び消色温
度範囲等に改善すべき余地があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、良好
なコントラストで画像の形成・消去が可能で、日常生活
の環境下で経時的に安定な画像を保持可能な感熱記録材
料を提供することである。より具体的には、消色時の画
像濃度をより低く、消し残りが少なく、そして消去温度
に関しても、より低い温度でかつ幅広い温度領域で均一
な消去が可能な可逆性感熱記録材料を提供することを課
題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、支持体上
に無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱後の冷却速度の
差により該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめ
る可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録材料におい
て、該可逆性顕色剤として下記一般式(1)で示される
化合物を用いたり、更に、その消去性をより改良すべく
消色促進剤として下記一般式(2)または(3)で示さ
れる特定の化合物の少なくとも1種を添加することによ
ってその、幅広い温度領域で画像の消去が完全にかつ均
一に実施可能な可逆性感熱記録材料が得られる事を見い
だし本発明を完成するに至った。
【0011】
【化4】
【0012】式(1)中、nは1以上3以下の整数を表
す。X1、X2及びX3は酸素原子または硫黄原子を表
し、同じでも異なっていてもよい。R1及びR2は炭素数
1から18の二価の炭化水素基を、R3は炭素数1から
24の炭化水素基を表す。mは0または1の整数を表
す。Yは−CONH−結合を少なくとも一つ以上有する
二価の基を表す。
【0013】
【化5】
【0014】式(2)中、R4、R5及びR6は同じでも
異なっていてもよく、アルキル基、アラルキル基、アル
ケニル基及びアリール基を表し、更にこれらは置換基を
持っていても、R4とR5またはR5とR5で環状構造を形
成していてもよい。R7は炭素数6から24の炭化水素
基を表す。tは1または2の整数を表す。Aは対アニオ
ンを表し、qは分子内の電荷を0に調整するのに必要な
数を表す。
【0015】
【化6】
【0016】式(3)中、Zは複素芳香環残基を表す。
8は炭素数6から24の炭化水素基を表す。uは1ま
たは2の整数を表す。Bは対アニオンを表し、vは分子
内の電荷を0に調整するのに必要な数を表す。
【0017】一般式(1)で表される化合物中、R1
びR2は炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す
が、好ましくは炭素数1から11の二価の炭化水素基で
ある。R 3は炭素数1から24の炭化水素基を表すが、
好ましくは炭素数6から18の炭化水素基である。
1、R2及びR3は具体的には主として、各々アルキレ
ン基及びアルキル基を表すが、それぞれその基中に芳香
環を含んでもよく、特にR1の場合は芳香環のみでもよ
い。一方、Yは−CONH−結合を少なくとも一つ以上
有する二価の基を表わすが、その具体例としては、アミ
ド(−CONH−、−NHCO−)、尿素(−NHCO
NH−)、ウレタン(−NHCOO−、−OCONH
−)、ジアシルアミン(−CONHCO−)、ジアシル
ヒドラジド(−CONHNHCO−)、シュウ酸ジアミ
ド(−NHCOCONH−)、アシル尿素(−CONH
CONH−、−NHCONHCO−)、3−アシルカル
バジン酸エステル(−CONHNHCOO−)、セミカ
ルバジド(−NHCONHNH−、−NHNHCONH
−)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH
−、−NHCONHNHCO−)、ジアシルアミノメタ
ン(−CONHCH2NHCO−)、1−アシルアミノ
−1−ウレイドメタン(−CONHCH2NHCONH
−、−NHCONHCH2NHCO−)、マロンアミド
(−NHCOCH2CONH−)等の基が挙げられる。
1、X2及びX3は酸素原子または硫黄原子を表し、同
じでも異なっていてもよい。X1が酸素原子である場合
には一般的に消去性が良好であることから、R1、R2
びR3の炭化水素基は短めに、更にYで表されるアミド
結合を最小構成単位とする連結基は水素結合能力が小さ
めの方が発色性を補え、発消色バランスの良好なものと
なる傾向にある。一方、X1が硫黄原子である場合に
は、酸素原子である場合とは逆に発色性が良好であるた
めに、消去性を補うために炭化水素基は長めに、更にア
ミド結合を最小構成単位とする連結基の水素結合能力は
大きめに分子設計した方が良い結果を与えた。mは0ま
たは1の整数を表すが、mが1の場合、X3で表される
酸素原子または硫黄原子を介して成るR2、R3の炭化水
素基の炭素数は2から11が好ましい。この場合、炭素
数の和が8以上22以下である場合が特に好ましい。こ
れは、炭素数の和がこれよりも少なければ発色性は良い
ものの、消去性、画像保存性は悪くなる傾向にあり、逆
に炭素数の和がこれよりも多ければ消去性、画像保存性
は良くなるものの、発色性が悪くなる傾向にあるため、
発消色コントラストあるいは画像保存性を損なわない、
バランスのとれたものであると考えているからである。
【0018】以下に、一般式(1)で示される可逆性顕
色剤の具体例を化7〜化9に挙げるが、本発明はこれに
限定されるものではない。
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】本発明に用いられる、一般式(2)及び
(3)で表される消色促進剤は、先に本出願人が見い出
した特開平10−44607号公報、特願平11−12
2308号等の化合物であり、合成方法についても記載
している。
【0023】一般式(2)で表される化合物中、R4
5及びR6は同じであっても、異なっていてもよいアル
キル基、アラルキル基、アルケニル基及びアリール基を
表すが、好ましくは炭素数が6以下の低級アルキル基で
ある。更にこれらは互いに連結して脂環構造を形成して
もよいが、この時、酸素原子、硫黄原子あるいは窒素原
子等のヘテロ原子を鎖中に含有していてもよい。また、
7は炭素数6〜24の一価もしくは二価の炭化水素基
を表すが、好ましくは脂肪族炭化水素基であり、具体的
には炭素数8から18の一価の脂肪族炭化水素基であ
る。Aは対アニオンを表すが、これらの具体例として
は、ハロゲン、置換スルホネート、置換ボレート、置換
ホスフェート等が挙げられ、好ましくは、ハロゲン、置
換スルホネートである。
【0024】一般式(2)で表される化合物の具体例と
しては以下の化10及び化11に示す化合物が挙げられ
るが本発明はこれに限定されない。
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】一般式(3)で表される化合物中、Zは好
ましくは5及び6員環の複素芳香環であり、これらの具
体例としては、5員環のものとしてピラゾール環、イミ
ダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾ
ール環及びチアジアゾール環等、6員環のものとして、
ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環及びトリアジン
環等が挙げられる。更に上記芳香環は低級アルキル基、
アラルキル基及びアリール基等で置換されていてもよい
し、また、キノリンやベンズイミダゾール環のように縮
合環を形成していてもよい。また、R8は具体的には炭
素数6から24の一価もしくは二価の炭化水素基である
が、好ましくは炭素数8から24のアルキレン基を表
し、基中に酸素原子あるいは硫黄原子を含んでいてもよ
いが、好ましくは脂肪族炭化水素基であり、具体的には
炭素数8から18の一価の脂肪族炭化水素基である。B
は対アニオンを表すが、これらの具体例としては、ハロ
ゲン、置換スルホネート、置換ボレート、置換ホスフェ
ート等が挙げられ、好ましくは、ハロゲン、置換スルホ
ネートである。
【0028】一般式(3)で表される化合物の具体例と
しては以下の化12及び化13に示す化合物が挙げられ
るが本発明はこれに限定されない。
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】一般式(2)あるいは(3)で表される化
合物の好ましい使用量は、一般式(1)で表される可逆
性顕色剤に対し0.1重量%以上1000重量%以下で
あり、より好ましくは0.5重量%以上200重量%以
下である。更に、印字画像の耐熱保存性を考慮すれば、
1重量%以上100重量%以下が最も好ましい。また、
一般式(2)あるいは(3)で表される化合物は、単独
でも2種以上を併用し混合しても用いることができる。
【0032】本発明による可逆性顕色剤はそれぞれ1種
または2種以上を混合して使用してもよく、無色ないし
淡色の染料前駆体に対する本発明による可逆性顕色剤の
使用量は、5〜5000重量%、好ましくは10〜30
00重量%である。
【0033】本発明に用いられる無色ないし淡色の染料
前駆体としては一般に感圧記録紙や感熱記録紙等に用い
られる公知な化合物に代表されるが、特に制限されるも
のではない。具体的な例としては、例えば下記に挙げる
ものなどがあるが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
【0034】(1)トリアリールメタン系化合物 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクト
ン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フ
タリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−
(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチ
ルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−
3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−
エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルア
ミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2
−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)
−4,7−ジアザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ
−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メ
チルインドール−3−イル)−7−アザフタリド、3−
(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニル
インドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,
2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルア
ミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインド
ール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,
3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−
ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニル
インドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリ
ド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチ
ルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリ
ド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−4
−アザフタリド等。
【0035】(2)ジフェニルメタン系化合物 4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒド
リルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオー
ラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオ
ーラミン等。
【0036】(3)キサンテン系化合物 ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−ク
ロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベ
ンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オ
クチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フ
ェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェノキ
シフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロ
ロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
(2−クロロアニリノ)フルオラン、
【0037】3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)ア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペ
リジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−
フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4
−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチ
ル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−
メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラ
ヒドロフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン等。
【0038】(4)チアジン系化合物 ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイ
ルロイコメチレンブルー等。
【0039】(5)スピロ系化合物 3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジ
ナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラ
ン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナ
フト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロ
ピルスピロベンゾピラン等。
【0040】前記無色ないし淡色の染料前駆体は単独で
も、または2種以上を混合して使用してもよい。
【0041】本発明の可逆性感熱記録材料の製造方法の
具体例としては、染料前駆体と可逆性顕色剤を主成分と
し、これに本発明による化合物を添加し、支持体上に塗
布して可逆性感熱記録層を形成する方法が挙げられる。
【0042】染料前駆体と可逆性顕色剤及び本発明によ
る化合物を可逆性感熱記録層に含有させるための塗液作
製方法としては、各々の化合物を単独で溶媒に溶解もし
くは分散媒に分散してから混合する方法、各々の化合物
を混ぜ合わせてから溶媒に溶解もしくは分散媒に分散す
る方法、各々の化合物を加熱溶解し均一化した後冷却
し、溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法等が挙げ
られるが、特に限定されるものではない。分散時には必
要なら分散剤を用いてもよい。水を分散媒として使う場
合の分散剤としてはポリビニルアルコール等の水溶性高
分子や各種の界面活性剤が利用できる。水系の分散の際
は、エタノール等の水溶性有機溶媒を混合してもよい。
この他に炭化水素類に代表される有機溶媒が分散媒の場
合は、レシチンや燐酸エステル類等を分散剤に用いても
よい。
【0043】また、可逆性感熱記録層の強度を向上する
等の目的でバインダーを可逆性感熱記録層中に添加する
事も可能である。バインダーの具体例としては、デンプ
ン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイ
ン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アクリ
ル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸
エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水
マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレ
イン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高分子、ポリ酢
酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、ス
チレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタ
ジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合
体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/塩化ビ
ニル共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン/塩化ビニリ
デン共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のラテックス類が
挙げられる。これらのバインダーの役割は、組成物の各
素材が印字、消去の熱印加によって片寄ることなく均一
に分散した状態を保つことにある。したがって、バイン
ダー樹脂には耐熱性の高い樹脂を用いることが好まし
い。最近になって、プリペイドカード、ストアドカード
といった付加価値の高い可逆性感熱記録材料が用いられ
ることが多くなり、それに伴い、耐熱性、耐水性、更に
は接着性といった高耐久品が要求されるようになってき
ている。このような要求に対しては、硬化性樹脂は特に
好ましい。
【0044】硬化性樹脂としては、例えば熱硬化性樹
脂、電子線硬化樹脂、紫外線硬化樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えばフェノキシ樹脂、ポリビ
ニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネ
ート樹脂等の水酸基、カルボキシル基が架橋剤と反応
し、硬化するものが挙げられる。この際の架橋剤として
は、例えば、イソシアネート類、アミン類、フェノール
類、エポキシ類等が挙げられる。
【0045】電子線及び硬化線樹脂に用いられるモノマ
ーとしては、アクリル系に代表される単官能性モノマ
ー、二官能モノマー、多官能モノマー等が挙げられる
が、特に紫外線架橋の際には光重合開始剤、光重合促進
剤を用いる。
【0046】また、可逆性感熱記録層の発色感度を調節
するための添加剤として、熱可融性物質を可逆性感熱記
録層中に含有させることもできる。60℃〜200℃の
融点を有するものが好ましく、特に80℃〜180℃の
融点を有するものが好ましい。一般の感熱記録紙に用い
られている増感剤を使用することもできる。これらの化
合物としては、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミ
ド、ベヘン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン
酸アミドなどのワックス類、2−ベンジルオキシナフタ
レン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、
4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、
1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,
2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテ
ル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエ
ーテル化合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、
シュウ酸ビス(p−メチルベンジル)エステル等の炭酸
またはシュウ酸ジエステル誘導体等があげられ、2種以
上併用して添加することもできる。
【0047】本発明の可逆性感熱記録材料に用いられる
支持体としては、紙、各種不織布、織布、ポリエチレン
テレフタレートやポリプロピレン等の合成樹脂フィル
ム、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂をラミ
ネートした紙、合成紙、金属箔、ガラス等、あるいはこ
れらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用
いることができるが、これらに限定されるものではな
く、これらは不透明、半透明或いは透明のいずれであっ
てもよい。地肌を白色その他の特定の色に見せるため
に、白色顔料や有色染顔料や気泡を支持体中又は表面に
含有させても良い。特にフィルム類等水性塗布を行なう
場合で支持体の親水性が小さく可逆性感熱記録層の塗布
困難な場合は、コロナ放電等による表面の親水化処理や
バインダーに用いるのと同様の水溶性高分子類を、支持
体表面に塗布するなどの易接着処理してもよい。
【0048】本発明の可逆性感熱記録材料の層構成は、
可逆性感熱記録層のみであっても良い。必要に応じて、
可逆性感熱記録層上に保護層を設けることも又、可逆性
感熱記録層と支持体の間に水溶性高分子や白色ないし有
色染顔料や中空粒子のいずれか一つ以上を含む中間層を
設けることもできる。この場合、保護層及び/または中
間層は2層ないしは3層以上の複数の層から構成されて
いてもよい。可逆性感熱記録層も各成分を一層ずつに含
有させたり層別に配合比率を変化させたりして2層以上
の多層にしてもよい。更に、可逆性感熱記録層中及び/
または他の層及び/または可逆性感熱記録層が設けられ
ている面と反対側の面に、電気的、光学的、磁気的に情
報が記録可能な材料を含んでも良い。また、可逆性感熱
記録層が設けられている面と反対側の面にブロッキング
防止、カール防止、帯電防止を目的としてバックコート
層を設けることもできる。
【0049】なお、本発明における各層を支持体上に積
層し、本発明の可逆性感熱記録材料を形成する方法は特
に制限されるものではなく、従来の方法により形成する
ことができる。例えば、エアーナイフコーター、ブレー
ドコーター、バーコーター、カーテンコーター等の塗抹
装置、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリ
ーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等を用い
る事が出来る。更に通常の乾燥工程の他、UV照射・E
B照射により各層を保持させる事が出来る。
【0050】可逆性感熱記録層は、各成分を微粉砕して
得られる各々の分散液を混合し、支持体上に塗布乾燥す
る方法、各成分を溶媒に溶解して得られる各々の溶液を
混合し、支持体上に塗布乾燥する方法などにより得るこ
とができる。乾燥条件は水等の分散媒ないし溶媒によっ
ても異なる。この他に各成分を混合し加熱して可融分を
溶融し熱時塗布する方法もある。
【0051】また、可逆性感熱記録層及び/または保護
層及び/または中間層には、ケイソウ土、タルク、カオ
リン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミ
ニウム、尿素−ホルマリン樹脂等の顔料、その他に、ヘ
ッド摩耗防止、スティッキング防止等の目的でステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属
塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化
ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス
等のワックス類を、また、ジオクチルスルホコハク酸ナ
トリウム等の分散剤、更に界面活性剤、蛍光染料、紫外
線吸収剤などを含有させることもできる。
【0052】次に、本発明の可逆性感熱記録材料の発色
及び消色方法について述べる。発色を行うには、加熱に
引き続き急速な冷却が起これば良く、例えばサーマルヘ
ッド、レーザー光等による加熱により可能である。又、
加熱後ゆっくり冷却すれば消色し、例えばサーマルヘッ
ド、熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、熱風、電熱ヒ
ーター及びタングステンランプ、ハロゲンランプ等の光
源などからの輻射熱等を用いることにより行うことがで
きる。
【0053】
【作用】本発明の感熱記録材料の画像形成及び消去原理
は未だ明確ではないが、以下の様に考えられる。無色な
いし淡色の染料前駆体は、フェノール性化合物のような
可逆性顕色剤と共に加熱すると染料前駆体から可逆性顕
色剤への電子移動が起こり発色する。この時、可逆性顕
色剤分子は発色した染料分子の極めて近傍に存在してい
ると考えられる。また、発色した染料分子から可逆性顕
色剤分子を引き離すと、発色した染料分子は再び電子を
受け取り、発色前の染料前駆体の状態となる。本発明は
加熱により、可逆性顕色剤分子と染料分子との距離を変
化させ発色及び消色を行うものと考えられる。
【0054】更に詳しく述べるならば、これまでに可逆
性顕色剤の多くは、その構造の中に脂肪鎖を持つため、
染料前駆体分子及び発色した染料分子との相溶性が低
く、凝固した状態では互いに殆ど溶け合わないと考えら
れる。また、加熱溶融状態の様に染料前駆体分子と可逆
性顕色剤分子が自由に運動できる状態では、染料前駆体
分子と可逆性顕色剤分子は互いにある割合で溶け合い、
発色状態となる。それ故、発色している溶融状態の混合
物をゆっくり冷却すると、降温するに従い可逆顕色剤分
子と染料分子は互いに溶け合わなくなり相分離し、消色
する。特に、本発明に好ましく使用される一般式化9〜
14で表される可逆性顕色剤は分子内に、アミド結合等
の水素結合能力を持つ結合を含有しているため、分子間
水素結合により速やかに結晶化してしまうと考えられ
る。一方、急速に冷却を行うと、相分離する前、即ち発
色状態のままで固化するため、発色状態が固定され固化
後も発色状態が安定に保持される。
【0055】本発明に於いて用いられる一般式(2)あ
るいは(3)で表される消色促進化合物はアンモニウム
塩であり、この様な化合物は融点以上に加熱した後、室
温まで放冷した場合、再固化するのにある程度の時間を
必要とするものが多い。即ちこの特性は、降温後の染料
前駆体と可逆性顕色剤の相分離時に、消色時間ををより
助長しているものと考えられ、その結果より低温度で消
色可能となった。
【0056】次に、本発明の可逆性顕色剤の具体的製造
方法の詳細を述べるが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。
【0057】合成例1 2′−(11−ブロモウンデカノイル)−デカノヒドラ
ジドの合成。 撹拌機、冷却器及び塩化カルシウム乾燥管を付けたフラ
スコ内に、11−ブロモウンデカン酸14.6g、デカ
ン酸ヒドラジド9.3g、N,N′−ジイソプロピルカ
ルボジイミド7.6g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール1水和物9.2g及びテトラヒドロフラン200m
lを仕込み、加熱還流しながら1時間攪拌した。反応混
合物を室温まで冷却した後、析出した結晶を減圧下濾取
した。テトラヒドロフラン150mlより再結晶を行
い、目的物11.7gを得た。
【0058】合成例2 例示化合物(1−6)の合成。 撹拌機、冷却器及び塩化カルシウム乾燥管を付けたフラ
スコ内に、2′−(11−ブロモウンデカノイル)−デ
カノヒドラジド10.8g、4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルエーテル40.4g、炭酸カリウム10.3g及
びメタノール250mを仕込み、加熱還流しながら10
時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、析出
した結晶を減圧下濾取した。2−メトキシエタノール1
50mlより再結晶を行い、目的物10.0gを得た。
融点166℃。
【0059】合成例3 2′−(6−ブロモヘキサノイル)−オクタデカノヒド
ラジドの合成。 撹拌機、冷却器及び塩化カルシウム乾燥管を付けたフラ
スコ内に、6−ブロモヘキサン酸8.6g、ステアリン
酸ヒドラジド11.9g、N,N′−ジイソプロピルカ
ルボジイミド3.7g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール1水和物7.3g及びテトラヒドロフラン250m
lを仕込み、加熱還流しながら2時間攪拌した。反応混
合物を室温まで冷却した後、析出した結晶を減圧下濾取
した。テトラヒドロフラン200mlより再結晶を行
い、目的物17.7gを得た。
【0060】合成例4 例示化合物(1−8)の合成。 撹拌機、冷却器及び塩化カルシウム乾燥管を付けたフラ
スコ内に、2′−(6−ブロモヘキサノイル)−オクタ
デカノヒドラジド9.5g、4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルエーテル32.4g、炭酸カリウム8.3g及び
メタノール250mlを仕込み、加熱還流しながら10
時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、析出
した結晶を減圧下濾取した。2−メトキシエタノールと
2−プロパノールの混合溶媒400mlより再結晶を行
い、目的物5.0gを得た。融点162℃。
【0061】合成例5 2′−(11−ブロモウンデカノイル)−(3−デシル
チオ)プロピオノヒドラジドの合成。 撹拌機、冷却器及び塩化カルシウム乾燥管を付けたフラ
スコ内に、11−ブロモウンデカン酸20.7g、3−
デシルチオプロピオン酸ヒドラジド19.3g、N,
N′−ジイソプロピルカルボジイミド11.3g、1−
ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物13.7g及び
酢酸エチル250mlを仕込み、加熱還流しながら2時
間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、析出し
た結晶を減圧下濾取した。2−プロパノール400ml
より再結晶を行い、目的物29.0gを得た。
【0062】合成例6 例示化合物(1−9)の合成。 撹拌機、冷却器及び塩化カルシウム乾燥管を付けたフラ
スコ内に、2′−(11−ブロモウンデカノイル)−
(3−デシルチオ)プロピオノヒドラジド12.7g、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル40.4
g、炭酸カリウム10.4g及びメタノール300ml
を仕込み、加熱還流しながら10時間攪拌した。反応混
合物を室温まで冷却した後、析出した結晶を減圧下濾取
した。2−プロパノール1.2lより再結晶を行い、目
的物10.8gを得た。融点161℃。
【0063】合成例7 N−(3−ブロモプロピル)−N′−オクタデシルオキ
サミドの合成。 撹拌機、冷却器及び塩化カルシウム乾燥管を付けたフラ
スコ内に、N−オクタデシルオキサミド酸エチルエステ
ル11.1g、トリエチルアミン3.3g、3−ブロモプ
ロピルアミン臭化水素酸塩6.6g及びエタノール15
0mlを仕込み、室温下10時間攪拌した。析出した結
晶を減圧下濾取した。目的物6.2gを得た。
【0064】合成例8 例示化合物(1−10)の合成。 撹拌機、冷却器及び塩化カルシウム乾燥管を付けたフラ
スコ内にN−(3−ブロモプロピル)−N′−オクタデ
シルオキサミド6.2g、4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル21.7g、炭酸カリウム5.6g及びメ
タノール250mを仕込み、加熱還流しながら10時間
攪拌した。反応混合物を熱時減圧下濾取した。目的物
3.9gを得た。融点157℃。
【0065】合成例9 2′−(11−ブロモウンデカノイル)−ドデカノヒド
ラジドの合成。 撹拌機、冷却器及び塩化カルシウム乾燥管を付けたフラ
スコ内に、11−ブロモウンデカン酸7.0g、ドデカ
ン酸ヒドラジド5.4g、N,N′−ジイソプロピルカ
ルボジイミド3.5g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール1水和物4.2g及び酢酸エチル200mlを仕込
み、加熱還流しながら2時間攪拌した。反応混合物を室
温まで冷却した後、析出した結晶を減圧下濾取した。2
−プロパノール200mlより再結晶を行い、目的物
9.5gを得た。
【0066】合成例10 例示化合物(1−18)の合成。 撹拌機、冷却器及び塩化カルシウム乾燥管を付けたフラ
スコ内に、2′−(11−ブロモウンデカノイル)−ド
デカノヒドラジド3−オクタデシル6.9g、4,4′
−チオジフェノール26.2g、炭酸カリウム6.2g及
びメタノール250mlを仕込み、加熱還流しながら1
0時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、析
出した結晶を減圧下濾取した。エタノール400mlよ
り再結晶を行い、目的物6.0gを得た。融点133
℃。
【0067】
【実施例】以下の実施例によって本発明を更に詳しく説
明する。実施例中の部数や百分率は重量基準である。
【0068】実施例に使用した染料前駆体を化14に示
す。
【0069】
【化14】
【0070】実施例1 (A)可逆性感熱塗液の作製 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)
−4−アザフタリド40部と例示化合物(1−2)10
0部を8%ポリビニルアセタール(積水化学工業製、B
L−1、アセタール化度63モル%)のテトラヒドロフ
ラン(THF)溶液9100部と共にペイントコンディ
ショナーで粉砕し可逆性感熱塗液を作製した。
【0071】(B)可逆性感熱記録層の塗工 (A)で作製した可逆性感熱塗液にコロネートL(日本
ポリウレタン株式会社製)29部を加えた後、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)シートに、固形分塗抹量
4.0g/m2となる様に塗抹した。60℃で24時間乾
燥し、スーパーカレンダーで処理して可逆性感熱記録材
料を得た。
【0072】(C)保護層の塗工 (B)で作製した塗工シート上に、アロニックスM80
30(東亞合成化学工業製)90部、N−ビニル−2−
ピロリドン5部、イルガキュア500(日本チバガイギ
ー製)5部、及びニップシールE220A(日本シリカ
製)10部を加え攪拌後、保護層の塗液とし、1.0g
/m2となるように塗工した後、紫外線照射装置にて硬
化を行い、保護層を有する可逆性感熱記録材料を得た。
【0073】実施例1と同様に、本発明に好ましく用い
られる一般式(1)で表される可逆性顕色剤及び染料前
駆体の可逆性感熱塗液の組み合わせを表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】比較例に使用した可逆性顕色剤を化15に
示す。
【0076】
【化15】
【0077】比較例1 実施例1で用いた例示化合物(1−2)の代わりに例示
化合物(4−1)を使用した他は、実施例1と同様にし
て可逆性感熱記録材料を得た。
【0078】比較例2 実施例2で用いた例示化合物(1−4)の代わりに例示
化合物(4−2)を使用した他は、実施例2と同様にし
て可逆性感熱記録材料を得た。
【0079】比較例3 実施例5で用いた例示化合物(1−8)の代わりに例示
化合物(4−3)を使用した他は、実施例1と同様にし
て可逆性感熱記録材料を得た。
【0080】比較例4 実施例13で用いた例示化合物(1−24)の代わりに
例示化合物(4−4)を使用した他は、実施例13と同
様にして可逆性感熱記録材料を得た。
【0081】試験1(発色濃度=熱応答性) 実施例1〜10及び比較例1〜2で得た可逆性感熱記録
材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF
1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−P
MDを用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボ
ルトの条件で印字し、得られた発色画像の濃度を濃度計
マクベスRD918を用いて測定した。
【0082】試験2(画像の消去性) 実施例1〜10及び比較例1〜2で得た可逆性感熱記録
材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF
1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−P
MDを用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボ
ルトの条件で印字し、これを熱スタンプを用いて120
℃で1秒間加熱した後、試験1と同様にして濃度を測定
した。
【0083】試験3(消色開始温度) 実施例1〜10及び比較例1〜2で得た可逆性感熱記録
材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF
1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−P
MDを用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボ
ルトの条件で印字し、これを熱スタンプを用いて80℃
から170℃まで10℃間隔で計10箇所、各々1秒間
加熱した後、試験1と同様にしてそれぞれの濃度を測定
した。印字画像の光学濃度が0.15を下回った加熱温
度を消色開始温度とした。
【0084】試験4(発色濃度の経時変化=画像安定
性) 実施例1〜10及び比較例1〜2で得た可逆性感熱記録
材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF
1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−P
MDを用いて、印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26
ボルトの条件で印字し、温度50℃、相対湿度20%の
雰囲気下に24時間保存した後、試験1と同様にして、
発色部の濃度を測定し、下記数1により画像残存率を計
算した。
【0085】
【数1】A=(C/B)×100 A:画像残存率(%) B:試験前の画像濃度 C:試験後の画像濃度
【0086】実施例1〜15及び比較例1〜4の試験1
〜4の結果を表2に示した。
【0087】
【表2】
【0088】実施例16 (D)可逆性感熱塗液の作製 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ)−3
−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−
4−アザフタリド40部と例示化合物(1−4)100
部を8%ポリビニルアセタール(積水化学工業製、BL
−1、アセタール化度63モル%)のテトラヒドロフラ
ン(THF)溶液9100部と共にペイントコンディシ
ョナーで粉砕し可逆性顕色剤分散液(C液)を得た。更
に、例示化合物(2−2)5部をTHF20部と共にペ
イントコンディショナーで粉砕し消色促進剤分散液(D
液)を得た。これらA、及びB液の2種の分散液を混合
し、可逆性感熱塗液を作製した。
【0089】(E)可逆性感熱記録層の塗工 (D)で作製した可逆性感熱塗液にコロネートL(日本
ポリウレタン株式会社製)29部を加えた後、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)シートに、固形分塗抹量
4.0g/m2となる様に塗抹した。60℃で24時間乾
燥し、スーパーカレンダーで処理して可逆性感熱記録材
料を得た。
【0090】(F)保護層の塗工 (E)で作製した塗工シート上に、アロニックスM80
30(東亞合成化学工業製)90部、N−ビニル−2−
ピロリドン5部、イルガキュア500(日本チバガイギ
ー製)5部、及びニップシールE220A(日本シリカ
製)10部を加え攪拌後、保護層の塗液とし、1.0g
/m2となるように塗工した後、紫外線照射装置にて硬
化を行い、保護層を有する可逆性感熱記録材料を得た。
【0091】実施例16と同様に、本発明に好ましく用
いられる一般式(1)で表される可逆性顕色剤、染料前
駆体及び一般式(2)及び(3)で表される消色促進化
合物の組み合わせを表3に示す。
【0092】
【表3】
【0093】実施例16〜30で得た感熱記録材料を、
前記試験1〜4と同様の試験を行い、その結果を表4に
示した。
【0094】
【表4】
【0095】
【発明の効果】表2に示したように、無色ないし淡色の
染料前駆体と、加熱により該染料前駆体に可逆的な色調
変化を生じせしめる一般式(1)で表される可逆性顕色
剤とを含有する可逆性感熱記録材料において、明瞭なコ
ントラストで画像の形成・消去が可能で、日常生活の環
境下で経時的に、安定な画像を保持可能な可逆性感熱記
録材料を得ることができた。また、表4に示したよう
に、一般式(2)及び(3)で表される消色促進化合物
を更に含有させる事により、画像の消去温度領域を下げ
る事が可能となり、より実用性の高い可逆性感熱記録材
料を得ることができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に無色ないし淡色の染料前駆体
    と、加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆
    的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを含有する
    可逆性感熱記録材料において、該可逆性顕色剤として下
    記一般式(1)で示される化合物の少なくとも1種を含
    有する事を特徴とする可逆性感熱記録材料。 【化1】 (式1中、nは1以上3以下の整数を表す。X1、X2
    びX3は酸素原子または硫黄原子を表し、同じでも異な
    っていてもよい。R1及びR2は炭素数1から18の二価
    の炭化水素基を、R3は炭素数1から24の炭化水素基
    を表す。mは0または1の整数を表す。Yは−CONH
    −結合を少なくとも一つ以上有する二価の基を表す。)
  2. 【請求項2】 上記一般式(1)で示される化合物のR
    1、R2及びR3の各々が炭素数11以下である請求項1
    記載の可逆性感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 消色促進剤として下記一般式(2)ある
    いは(3)で示される化合物の少なくとも1種を含有す
    る事を特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の可逆
    性感熱記録材料。 【化2】 (式2中、R4、R5及びR6は同じでも異なっていても
    よく、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基及びア
    リール基を表し、更にこれらは置換基を持っていても、
    4とR5またはR5とR5で環状構造を形成していてもよ
    い。R7は炭素数6から24の炭化水素基を表す。tは
    1または2の整数を表す。Aは対アニオンを表し、qは
    分子内の電荷を0に調整するのに必要な数を表す。) 【化3】 (式3中、Zは複素芳香環残基を表す。R8は炭素数6
    から24の炭化水素基を表す。uは1または2の整数を
    表す。Bは対アニオンを表し、vは分子内の電荷を0に
    調整するのに必要な数を表す。)
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