JP3763731B2 - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱エネルギーの制御により画像形成及び消去が可能な可逆性感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感熱記録材料は一般に、支持体上に電子供与性の無色ないし淡色の染料前駆体と電子受容性の顕色剤とを主成分とする感熱記録層を設けたものであり、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱することにより、染料前駆体と顕色剤が瞬時反応し記録画像が得られるもので、特公昭43−4160号公報、特公昭45−14039号公報等に開示されている。
【0003】
一般にこのような感熱記録材料は、一旦画像を形成するとその部分を消去して再び画像形成前の状態に戻すことは不可能であるため、更に情報を記録する場合には画像が未形成の部分に追記するしかなかった。そのため感熱記録部分の面積が限定され必要な情報を全て記録できないという問題が生じていた。
【0004】
近年、この様な問題に対処するため画像形成・画像消去が繰り返して可能な可逆性感熱記録材料が考案されている。例えば、特開昭54−119377号公報、特開昭63−39377号公報、特開昭63−41186号公報には、樹脂母材とこの樹脂母材中に分散された有機低分子から構成された感熱記録材料が記載されている。しかしこの方法は、熱エネルギーによって感熱記録材料の透明度を可逆的に変化させる物であるため、画像形成部と画像未形成部のコントラストが十分とはいえない。
【0005】
また、特開昭50−81157号公報、特開昭50−105555号公報に記載された方法は、形成画像は環境温度によっても変化するものであるため、画像形成状態と消去状態を保持する温度が異なっており、常温下ではこの2つの状態を任意の期間安定に保持することが出来ない。
【0006】
更に、特開昭59−120492号公報には、呈色成分のヒステリシス特性を利用し、記録材料をヒステリシス温度域に保つことにより画像形成状態・消去状態を維持する方法が記載されている。この方法では画像形成及び消去に加熱源と冷却源が必要な上、画像の形成状態及び消去状態を保持できる温度領域がヒステリシス温度領域内に限られる欠点を有しており、日常生活の温度環境で使用するには未だ不十分である。
【0007】
一方、特開平2−188293号公報、特開平2−188294号公報、国際公開番号WO90/11898号には、ロイコ染料と加熱によりロイコ染料を発色及び消色させる顕減色剤から構成される可逆性感熱記録媒体が記載されている。顕減色剤は、ロイコ染料を発色させる酸性基と、発色したロイコ染料を消色させる塩基性基を有する両性化合物で、熱エネルギーの制御により酸性基による発色作用または塩基性基による消色作用の一方を優先的に発生させ、発色と消色を行うものである。しかしこの方法では、熱エネルギーの制御のみで完全に発色反応と消色反応を切り換えることは不可能で、両反応がある割合で同時に起こるため、十分な発色濃度が得られず、また、消色も完全には行えず、十分なコントラストが得られない。また、塩基性基の消色作用は常温で発色部にも作用するため、経時的に発色部の濃度が低下する現象が避けられない。更に、特開平5−124360号公報には加熱によりロイコ染料を発色及び消色させる可逆性感熱記録媒体が記載されており、可逆性顕色剤として有機ホスホン酸化合物、α−ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、脂肪酸ジカルボン酸及び炭素数12以上の脂肪族基を有するアルキルチオフェノール、アルキルオキシフェノール、アルキルカルバモイルフェノール、没食子酸アルキルエステルなどの特定のフェノール化合物が例示されている。しかし、この記録媒体でもやはり発色濃度が低いか、または、消色が不完全というふたつの問題を同時に解決することはできない。更に、画像の経時的安定性においても実用上満足すべきものではない。更に、特開平5−294063号公報に於いて、上記可逆性感熱記録媒体の消去性を改良する消色促進剤として脂肪酸類、ワックス、高級アルコール、燐酸/安息香酸/フタル酸またはオキシ酸の各種エステル類、シリコーンオイル、液晶性化合物、界面活性剤及び炭素数10以上の脂肪酸飽和炭化水素等が開示されているが、その効果は小さく消去時の画像濃度が高く実用的とは云えない。
【0008】
このように従来の技術では、明瞭な画像コントラストを持ち、高濃度な画像の形成及び完全消去が可能で、日常生活の環境下で経時的に安定な画像を保持可能な実用的可逆性感熱記録材料の製造は困難であった。一方、すでに特開平7−179043号公報及び同7−214907号公報にて本出願人らは、無色ないし淡色の染料前駆体に加熱により可逆的な色調変化、すなわち、発色及び消色を生じせしめる可逆性顕色剤が存在することを見い出しているが、更に良好な画像品質及び使いやすい記録媒体を得るためには、消色時の画像濃度、消色開始温度及び消色温度範囲等に改善すべき余地があった。
【0009】
その後、ヘテロ原子を含む長鎖脂肪族炭化水素化合物について、発色消色制御剤なる特定の化合物を使用した可逆性感熱記録媒体が特開平11−70731号公報等で提案されているが、依然充分なものではなく、満足する可逆性感熱記録材料は得られていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、良好なコントラストで画像の形成・消去が可能で、日常生活の環境下で経時的に安定な画像を保持可能な感熱記録材料を提供することである。より具体的には、消色時の画像濃度をより低く、消し残りが少なく、そして消去温度に関しても、より低い温度でかつ幅広い温度領域で均一な消去が可能であり、より高速での消去特性が良好な可逆性感熱記録材料を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、支持体上に無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録材料において、消色促進剤としてシアノ基及び水素結合基及び炭化水素基を分子内に持つ化合物の少なくとも1種を含有する事によって、その幅広い温度領域で画像の消去が、完全にかつ均一に実施可能であり、日常生活においても実用上問題のない画像安定性を持ち、更にはより高速での印字・消去が可能な可逆性感熱記録材料が得られる事を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明によれば下記一般式(1)または(2)で表されるシアノ基及び水素結合基を有する新規な炭化水素化合物が提供される。
【0013】
【化4】
Figure 0003763731
式1中、Xaは酸素原子、硫黄原子または両末端に炭化水素基を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。R1は炭素数1から24の一価の炭化水素基を表す。R2は炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す。nは1〜4の整数を表し、nが2以上のとき繰り返されるR2およびXaは同一であっても異なっていてもよい。
【0014】
【化5】
Figure 0003763731
式2中、Xbは酸素原子、硫黄原子または両末端に炭化水素基を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。Xcは両末端に炭化水素基を含まない−CO−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。R3は炭素数1から24の一価の炭化水素基を表す。R4、R5及びR6は炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す。mは0〜4の整数を表し、mが2以上のとき繰り返されるR4およびXbは同一であっても異なっていてもよい。
【0015】
一般式(1)で表される化合物中、R1は炭素数1から24の一価の炭化水素基を表すが、好ましくは炭素数6から20の一価の炭化水素基である。R2は炭素数1から20の二価の炭化水素基を表すが、好ましくは炭素数1から12の炭化水素基である。R1及びR2は具体的には主として、各々アルキレン基及びアルキル基を表すが、それぞれその基中に芳香環を含んでいてもよい。一方、Xaは酸素原子、硫黄原子または両末端に炭化水素基を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基(以下、HBGと呼称)を表す。HBGの具体例としては、アミド(−CONH−、−NHCO−)、尿素(−NHCONH−)、ウレタン(−NHCOO−、−OCONH−)、ジアシルアミン(−CONHCO−)、ジアシルヒドラジド(−CONHNHCO−)、シュウ酸ジアミド(−NHCOCONH−)、アシル尿素(−CONHCONH−、−NHCONHCO−)、3−アシルカルバジン酸エステル(−CONHNHCOO−)、セミカルバジド(−NHCONHNH−、−NHNHCONH−)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−)、ジアシルアミノメタン(−CONHCH2NHCO−)、1−アシルアミノ−1−ウレイドメタン(−CONHCH2NHCONH−、−NHCONHCH2NHCO−)、マロンアミド(−NHCOCH2CONH−)等の基が挙げられる。
【0016】
以下に、一般式(1)で示される消去促進剤の具体例を化7〜化8に挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】
【化6】
Figure 0003763731
【0018】
【化7】
Figure 0003763731
【0019】
一般式(2)で表される化合物中、R3は一般式(1)のR1と同義である。同様にR4、R5およびR6はR2と同義である。XbはHBGを表し、その具体例は一般式(1)に列挙した結合基と同義である。また、Xcは両末端に炭化水素基を含まない−CO−結合を最小構成単位とする二価の基を表し、その具体例としては、カルボニル(−CO−)、エステル(−OCO−)、アミド(−NHCO−)、ジアシルアミン(−CONHCO−)、ジアシルヒドラジド(−CONHNHCO−)、オキサミド(−NHCOCO−)、アシルウレア(−NHCONHCO−)等の基が挙げられる。
【0020】
以下に、一般式(2)で示される可逆性顕色剤の具体例を化9に挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0021】
【化8】
Figure 0003763731
【0022】
また、本発明には一般式(3)で表されるフェノール性化合物を可逆性顕色剤として用いられる。
【0023】
【化9】
Figure 0003763731
式(3)中、Xd及びXfは酸素原子、硫黄原子または両末端に炭化水素基を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。R8は単結合または炭素数1〜12の二価の炭化水素基を表す。R9は炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す。R10は炭素数1から24の一価の炭化水素基を表す。pは0〜4の整数を表し、pが2以上のとき繰り返されるR8およびXfは同一であっても異なっていてもよい。
【0024】
一般式(3)で表される化合物中、R9は炭素数1から24の一価の炭化水素基を表すが、好ましくは炭素数6から20の一価の炭化水素基である。R7は単結合または炭素数1から20の二価の炭化水素基を表す。R8は炭素数1から20の二価の炭化水素基を表すが、好ましくは炭素数1から12の炭化水素基である。R7、R9及びR9は具体的には主として、各々アルキレン基及びアルキル基を表すが、それぞれその基中に芳香環を含んでいてもよい。一方、Xd及びXfは酸素原子、硫黄原子またはHBGを表すが、HBGの具体例は一般式(1)に列挙した結合基と同義である。
【0025】
一般式()で表される化合物の具体例としては、以下の化10及び化11に示す化合物が挙げられるが本発明はこれに限定されない。
【0026】
【化10】
Figure 0003763731
【0027】
【化11】
Figure 0003763731
【0028】
一般式(1)あるいは(2)で表される化合物の好ましい使用量は、一般式(3)で表される可逆性顕色剤に対し0.1重量%以上1000重量%以下であり、より好ましくは0.5重量%以上200重量%以下である。更に、印字画像の耐熱保存性を考慮すれば、1重量%以上100重量%以下が最も好ましい。また、一般式(1)あるいは(2)で表される化合物は、単独でも2種以上を併用し混合しても用いることができる。
【0029】
本発明による可逆性顕色剤はそれぞれ1種または2種以上を混合して使用してもよく、無色ないし淡色の染料前駆体に対する本発明による可逆性顕色剤の使用量は、5〜5000重量%、好ましくは10〜3000重量%である。
【0030】
本発明に用いられる無色ないし淡色の染料前駆体としては一般に感圧記録紙や感熱記録紙等に用いられる公知な化合物に代表されるが、特に制限されるものではない。具体的な例としては、例えば下記に挙げるものなどがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0031】
(1)トリアリールメタン系化合物
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,7−ジアザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−7−アザフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−4−アザフタリド等。
【0032】
(2)ジフェニルメタン系化合物
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等。
【0033】
(3)キサンテン系化合物
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェノキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、
【0034】
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等。
【0035】
(4)チアジン系化合物
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等。
【0036】
(5)スピロ系化合物
3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等。
【0037】
前記無色ないし淡色の染料前駆体は単独でも、または2種以上を混合して使用してもよい。
【0038】
本発明の可逆性感熱記録材料の製造方法の具体例としては、染料前駆体と可逆性顕色剤を主成分とし、これに本発明による化合物を添加し、支持体上に塗布して可逆性感熱記録層を形成する方法が挙げられる。
【0039】
染料前駆体と可逆性顕色剤及び本発明による化合物を可逆性感熱記録層に含有させるための塗液作製方法としては、各々の化合物を単独で溶媒に溶解もしくは分散媒に分散してから混合する方法、各々の化合物を混ぜ合わせてから溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法、各々の化合物を加熱溶解し均一化した後冷却し、溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。分散時には必要なら分散剤を用いてもよい。水を分散媒として使う場合の分散剤としてはポリビニルアルコール等の水溶性高分子や各種の界面活性剤が利用できる。水系の分散の際は、エタノール等の水溶性有機溶媒を混合してもよい。この他に炭化水素類に代表される有機溶媒が分散媒の場合は、レシチンや燐酸エステル類等を分散剤に用いてもよい。
【0040】
また、可逆性感熱記録層の強度を向上する等の目的でバインダーを可逆性感熱記録層中に添加する事も可能である。バインダーの具体例としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン/塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のラテックス類が挙げられる。これらのバインダーの役割は、組成物の各素材が印字、消去の熱印加によって片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。したがって、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。最近になって、プリペイドカード、ストアドカードといった付加価値の高い可逆性感熱記録材料が用いられることが多くなり、それに伴い、耐熱性、耐水性、更には接着性といった高耐久品が要求されるようになってきている。このような要求に対しては、硬化性樹脂は特に好ましい。
【0041】
硬化性樹脂としては、例えば熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、紫外線硬化樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えばフェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂等の水酸基、カルボキシル基が架橋剤と反応し、硬化するものが挙げられる。この際の架橋剤としては、例えば、イソシアネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ類等が挙げられる。
【0042】
電子線及び硬化線樹脂に用いられるモノマーとしては、アクリル系に代表される単官能性モノマー、二官能モノマー、多官能モノマー等が挙げられるが、特に紫外線架橋の際には光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。
【0043】
また、可逆性感熱記録層の発色感度を調節するための添加剤として、熱可融性物質を可逆性感熱記録層中に含有させることもできる。60℃〜200℃の融点を有するものが好ましく、特に80℃〜180℃の融点を有するものが好ましい。一般の感熱記録紙に用いられている増感剤を使用することもできる。これらの化合物としては、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどのワックス類、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(p−メチルベンジル)エステル等の炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体等があげられ、2種以上併用して添加することもできる。
【0044】
本発明の可逆性感熱記録材料に用いられる支持体としては、紙、各種不織布、織布、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン等の合成樹脂フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂をラミネートした紙、合成紙、金属箔、ガラス等、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができるが、これらに限定されるものではなく、これらは不透明、半透明或いは透明のいずれであってもよい。地肌を白色その他の特定の色に見せるために、白色顔料や有色染顔料や気泡を支持体中又は表面に含有させても良い。特にフィルム類等水性塗布を行なう場合で支持体の親水性が小さく可逆性感熱記録層の塗布困難な場合は、コロナ放電等による表面の親水化処理やバインダーに用いるのと同様の水溶性高分子類を、支持体表面に塗布するなどの易接着処理してもよい。
【0045】
本発明の可逆性感熱記録材料の層構成は、可逆性感熱記録層のみであっても良い。必要に応じて、可逆性感熱記録層上に保護層を設けることも又、可逆性感熱記録層と支持体の間に水溶性高分子や白色ないし有色染顔料や中空粒子のいずれか一つ以上を含む中間層を設けることもできる。この場合、保護層及び/または中間層は2層ないしは3層以上の複数の層から構成されていてもよい。可逆性感熱記録層も各成分を一層ずつに含有させたり層別に配合比率を変化させたりして2層以上の多層にしてもよい。更に、可逆性感熱記録層中及び/または他の層及び/または可逆性感熱記録層が設けられている面と反対側の面に、電気的、光学的、磁気的に情報が記録可能な材料を含んでも良い。また、可逆性感熱記録層が設けられている面と反対側の面にブロッキング防止、カール防止、帯電防止を目的としてバックコート層を設けることもできる。
【0046】
なお、本発明における各層を支持体上に積層し、本発明の可逆性感熱記録材料を形成する方法は特に制限されるものではなく、従来の方法により形成することができる。例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーター等の塗抹装置、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等を用いる事が出来る。更に通常の乾燥工程の他、UV照射・EB照射により各層を保持させる事が出来る。
【0047】
可逆性感熱記録層は、各成分を微粉砕して得られる各々の分散液を混合し、支持体上に塗布乾燥する方法、各成分を溶媒に溶解して得られる各々の溶液を混合し、支持体上に塗布乾燥する方法などにより得ることができる。乾燥条件は水等の分散媒ないし溶媒によっても異なる。この他に各成分を混合し加熱して可融分を溶融し熱時塗布する方法もある。
【0048】
また、可逆性感熱記録層及び/または保護層及び/または中間層には、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂等の顔料、その他に、ヘッド摩耗防止、スティッキング防止等の目的でステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類を、また、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤、更に界面活性剤、蛍光染料、紫外線吸収剤などを含有させることもできる。
【0049】
次に、本発明の可逆性感熱記録材料の発色及び消色方法について述べる。発色を行うには、加熱に引き続き急速な冷却が起これば良く、例えばサーマルヘッド、レーザー光等による加熱により可能である。又、加熱後ゆっくり冷却すれば消色し、例えばサーマルヘッド、熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、熱風、電熱ヒーター及びタングステンランプ、ハロゲンランプ等の光源などからの輻射熱等を用いることにより行うことができる。
【0050】
【作用】
本発明の感熱記録材料の画像形成及び消去原理は未だ明確ではないが、以下の様に考えられる。無色ないし淡色の染料前駆体は、フェノール性化合物のような可逆性顕色剤と共に加熱すると染料前駆体から可逆性顕色剤への電子移動が起こり発色する。この時、可逆性顕色剤分子は発色した染料分子の極めて近傍に存在していると考えられる。また、発色した染料分子から可逆性顕色剤分子を引き離すと、発色した染料分子は再び電子を受け取り、発色前の染料前駆体の状態となる。本発明は加熱により、可逆性顕色剤分子と染料分子との距離を変化させ発色及び消色を行うものと考えられる。
【0051】
更に詳しく述べるならば、これまでに可逆性顕色剤の多くは、その構造の中に脂肪鎖を持つため、染料前駆体分子及び発色した染料分子との相溶性が低く、凝固した状態では互いに殆ど溶け合わないと考えられる。また、加熱溶融状態の様に染料前駆体分子と可逆性顕色剤分子が自由に運動できる状態では、染料前駆体分子と可逆性顕色剤分子は互いにある割合で溶け合い、発色状態となる。それ故、発色している溶融状態の混合物をゆっくり冷却すると、降温するに従い可逆性顕色剤分子と染料分子は互いに溶け合わなくなり相分離し、消色する。特に、本発明に好ましく使用される一般式(3)で表される可逆性顕色剤は分子内に、アミド結合等の水素結合能力を持つ二価の基を含有しているため、分子間水素結合により速やかに結晶化してしまうと考えられる。一方、急速に冷却を行うと、相分離する前、即ち発色状態のままで固化するため、発色状態が固定され固化後も発色状態が安定に保持される。
【0052】
本発明に於いて用いられる一般式(1)あるいは(2)で表される消色促進剤は、上記可逆性顕色剤と同様に分子内に脂肪鎖及び場合によってはアミド結合等の水素結合能力を持つ二価の基を併せ持つため、相溶性がある。一方で、本発明に用いられる消色促進剤は分子内にシアノ基を有する化合物である。このシアノ基はπ結合を有することから、結晶性が比較的悪く、結晶性化合物である本発明の消色促進剤においても、融点以上に加熱した後、室温まで放冷した場合、再固化するのにある程度の時間を必要とするものが多い。即ちこの特性は、降温後の染料前駆体と可逆性顕色剤の相分離時に、消色時間をより助長しているものと考えられ、その結果、より低温度で消色可能となった。
【0053】
次に、本発明の消色促進剤の具体的製造方法についてその一部を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0054】
合成例1
例示化合物(1−3)の合成。
撹拌機、冷却器及び塩化カルシウム乾燥管を付けたフラスコ内に、3−アミノプロピオニトリル2.9g及び2−ブタノン200mlを仕込み、室温下攪拌した。イソシアン酸オクタデシル11.8gをゆっくり滴下した。滴下終了後、1時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、析出した結晶を減圧下濾取した。2−プロパノールより再結晶を行い、目的物12.6gを得た。融点124℃。
【0055】
合成例2
例示化合物(1−7)の合成。
撹拌機、冷却器及び塩化カルシウム乾燥管を付けたフラスコ内に、6−〔N−オクタデシルカルバモイル)アミノ〕ヘキサン酸8.5g、3−アミノプロピオニトリル1.7g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物4.0g、N,N′−ジイソプロピルカルボジイミド3.3g及びテトラヒドロフラン200mlを仕込み、2時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、析出した結晶を減圧下濾取した。2−プロパノールより再結晶を行い、目的物9.0gを得た。融点153℃。
【0056】
合成例3
例示化合物(2−2)の合成。
撹拌機、冷却器及び塩化カルシウム乾燥管を付けたフラスコ内に、3,3′−イミノジプロピオニトリル3.7g及びアセトン150mlを仕込み、室温下攪拌した。この溶液にイソシアン酸オクタデシル5.9gをゆっくり滴下した。滴下終了後、1時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、析出した結晶を減圧下濾取した。アセトニトリルより再結晶を行い、目的物4.2gを得た。融点102℃。
【0057】
合成例4
例示化合物(2−8)の合成。
撹拌機、冷却器及び塩化カルシウム乾燥管を付けたフラスコ内に、6−〔N−オクタデシルカルバモイル)アミノ〕ヘキサン酸8.5g、3,3′−イミジプロピオニトリル3.0g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物4.0g、N,N′−ジイソプロピルカルボジイミド3.3g及びテトラヒドロフラン200mlを仕込み、2時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、析出した結晶を減圧下濾取した。n−プロパノールより再結晶を行い、目的物5.7gを得た。融点148℃。
【0058】
【実施例】
以下の実施例によって本発明を更に詳しく説明する。実施例中の部数や百分率は重量基準である。
【0059】
実施例に使用した染料前駆体を化13に示す。
【0060】
【化12】
Figure 0003763731
【0061】
実施例1
(A)可逆性感熱塗液の作製
例示化合物(Black−1)40部と例示化合物(3−1)100部を8%ポリビニルアセタール(積水化学工業製、BL−1、アセタール化度63モル%)のテトラヒドロフラン(THF)溶液9100部と共にペイントコンディショナーで粉砕し可逆性顕色剤分散液(A液)を得た。更に、例示化合物(1−1)20部をTHF20部と共にペイントコンディショナーで粉砕し消色促進剤分散液(B液)を得た。これらA液及びB液の2種の分散液を混合し、可逆性感熱塗液を作製した。
【0062】
(B)可逆性感熱記録層の塗工
(A)で作製した可逆性感熱塗液にコロネートL(日本ポリウレタン株式会社製)29部を加えた後、ポリエチレンテレフタレート(PET)シートに、固形分塗抹量4.0g/m2となる様に塗抹した。60℃で24時間乾燥し、スーパ ーカレンダーで処理して可逆性感熱記録材料を得た。
【0063】
(C)保護層の塗工
(B)で作製した塗工シート上に、アロニックスM8030(東亞合成化学工業製)90部、N−ビニル−2−ピロリドン5部、イルガキュア500(日本チバガイギー製)5部、及びニップシールE220A(日本シリカ製)10部を加え攪拌後、保護層の塗液とし、1.0g/m2となるように塗工した後、紫外線 照射装置にて硬化を行い、保護層を有する可逆性感熱記録材料を得た。
【0064】
実施例1と同様に、本発明に好ましく用いられる一般式(3)で表される可逆性顕色剤、染料前駆体及び一般式(1)または(2)で表される消色促進剤の組み合わせを表1に示す。
【0065】
【表1】
Figure 0003763731
【0066】
比較例に使用した消色促進剤を化14に示す。
【0067】
【化13】
Figure 0003763731
【0068】
比較例1
実施例2で用いた例示化合物(1−3)を使用しなかったた他は、実施例2と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
【0069】
比較例2
実施例1で用いた例示化合物(1−1)の代わりに例示化合物(4−1)を使用した他は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
【0070】
比較例3
実施例3で用いた例示化合物(1−6)の代わりに例示化合物(4−2)を使用した他は、実施例3と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
【0071】
比較例4
実施例5で用いた例示化合物(2−1)の代わりに例示化合物(4−3)使用した他は、実施例5と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
【0072】
比較例5
実施例8で用いた例示化合物(1−7)を使用しなかった他は、実施例8と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
【0073】
比較例6
実施例7で用いた例示化合物(1−2)の代わりに例示化合物(4−1)を使用した他は、実施例12と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
【0074】
比較例7
実施例10で用いた例示化合物(1−15)の代わりに例示化合物(4−2)を使用した他は、実施例10と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
【0075】
比較例8
実施例12で用いた例示化合物(2−6)の代わりに例示化合物(4−3)を使用した他は、実施例12と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
【0076】
試験1(発色濃度=熱応答性)
実施例1〜12及び比較例1〜8で得た可逆性感熱記録材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字し、得られた発色画像の濃度を濃度計マクベスRD918を用いて測定した。
【0077】
試験2(画像の消去性)
実施例1〜12及び比較例1〜8で得た可逆性感熱記録材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字し、これを熱スタンプを用いて120℃で1秒間加熱した後、試験1と同様にして濃度を測定した。
【0078】
試験3(消色開始温度)
実施例1〜12及び比較例1〜8で得た可逆性感熱記録材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字し、これを熱スタンプを用いて80℃から170℃まで10℃間隔で計10箇所、各々1秒間加熱した後、試験1と同様にしてそれぞれの濃度を測定した。印字画像の光学濃度が0.15を下回った加熱温度を消色開始温度とした。
【0079】
試験4(発色濃度の経時変化=画像安定性)
実施例1〜12及び比較例1〜8で得た可逆性感熱記録材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて、印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字し、温度50℃、相対湿度20%の雰囲気下に24時間保存した後、試験1と同様にして、発色部の濃度を測定し、下記数1により画像残存率を計算した。
【0080】
【数1】
A=(C/B)×100
A:画像残存率(%)
B:試験前の画像濃度
C:試験後の画像濃度
【0081】
実施例1〜12及び比較例1〜8の試験1〜4の結果を表2に示した。
【0082】
【表2】
Figure 0003763731
【0083】
【発明の効果】
表2に示したように、無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録材料において、一般式(1)または(2)で表される消色促進剤を含有させることにより、明瞭なコントラストで画像の形成・消去が可能で、日常生活の環境下で経時的に安定な画像が保持可能であり、更に画像の消去温度領域を下げる事も可能となり、より実用性の高い可逆性感熱記録材料を得ることができた。

Claims (1)

  1. 支持体上に無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる下記一般式(3)で表される可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録材料において、消色促進剤として下記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物の少なくとも1種を含有する事を特徴とする可逆性感熱記録材料。
    Figure 0003763731
    (式1中、Xaは酸素原子、硫黄原子または両末端に炭化水素基を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。R 1 は炭素数1から24の一価の炭化水素基を表す。R 2 は炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す。nは1〜4の整数を表し、nが2以上のとき繰り返されるR 2 およびXaは同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 0003763731
    (式2中、Xbは酸素原子、硫黄原子または両末端に炭化水素基を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。Xcは両末端に炭化水素基を含まない−CO−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。R 3 は炭素数1から24の一価の炭化水素基を表す。R 4 、R 5 及びR 6 は炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す。mは0〜4の整数を表し、mが2以上のとき繰り返されるR 4 およびXbは同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 0003763731
    (式3中、Xd及びXfは酸素原子、硫黄原子または両末端に炭化水素基を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。R 7 は単結合または炭素数1〜12の二価の炭化水素基を表す。R 8 は炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す。R 9 は炭素数1から24の一価の炭化水素基を表す。pは0〜4の整数を表し、pが2以上のとき繰り返されるR 8 およびXfは同一であっても異なっていてもよい。)
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