JP5790361B2 - 感熱記録体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ロイコ染料と顕色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関する。
ロイコ染料と有機または無機の顕色剤との発色反応を利用し、熱により両発色物質を接触させて記録像を得るようにした感熱記録体はよく知られている。かかる感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで、且つその保守も容易なため、ファクシミリや各種計算機等の記録媒体としてのみならず幅広い分野において使用されている。
その利用分野として、例えばPOS(point of sales)システム用のレジ用紙及びチケット用紙が挙げられるが、同システムの拡大と共にその使用環境、使用方法も多様化しており、厳しい条件下での使用が増加してきている。またプリンタの印字速度も年々増加し、更に低い印字エネルギーでも印字できることが望まれている。更に領収書として使用されるため、記録部の油や可塑剤、事務用品、ハンドクリーム等、種々の薬品に対する保存性や捺印性が良好なことも必要である。
支持体上にロイコ染料と顕色剤を主成分とする感熱記録層を設けた感熱記録体は、発色反応が可逆的であるため、発色画像が経時的に消色することが知られている。この消色は曝光、高温、高湿雰囲気下で加速され、更に可塑剤、油等の接触によって速やかに進行し、記録画像が読取り不可能なまでに消色してしまう。また、パーキングチケット用紙になると車中に放置され、特に夏場は高温の過酷な雰囲気下に置かれるため、感熱記録体の非印字部が黄変若しくは発色してしまい、印字部とのコントラストがなくなり、ひどい場合には読取りが不可能となる。これらの現象に対して、記録部の保存性を向上させるため、感熱記録層上に保護層を設ける方法、感熱記録層中にウレアウレタン化合物を添加する方法等が提案されているが、いずれも様々な保存性に対して十分な効果が得られていない。また保護層を設けた場合、飽和濃度は充分得られるが、中間調領域の記録感度が低下するという欠点を有している。また、近年、高保存性の顕色剤の開発が進み、上記問題も解決されつつあるが記録感度が低いという欠点がある。
印字保存性を向上させるため、顕色剤として4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンを感熱記録層に使用すること(特許文献1参照)が提案されているが、記録感度が低く、そのため他の顕色剤を併用して感熱記録紙に仕上げた時、地肌カブリが大きくなる欠点がある。このため、地肌カブリ対策として塩基性の強い有機窒素化合物を感熱記録層に含有すること(特許文献2参照)、着色抑制剤として塩類、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、アセト酢酸化合物等と組み合わせて感熱記録層に使用すること(特許文献3参照)、炭酸カルシウムと混合粉砕すること(特許文献4参照)が提案されているが、地肌カブリを抑制することにより、記録感度がより一層低下し、特に中間調領域の記録濃度の低下が大きいという欠点を有しており、更に改善することが要求されている。
また、プリンタの小型化や高速化に伴い、感熱記録体を高感度化し、保存性と両立させることが求められている。しかしながら、感熱記録層中に顕色剤として4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンを用いた場合、記録感度及び飽和濃度が低い欠点を有している。このため、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンを顕色剤として用いることは少なく、保存安定剤として無機化合物と組み合わせて加熱処理し、他の顕色剤とヒンダードフェノール化合物とともに含有させることが提案されている(特許文献5参照)。しかしながら、共に顕色能を有する化合物の併用は、高温保存時に地肌カブリを悪化させるため、耐熱性が求められるグレードには十分に対応できない。更に加熱処理するために記録感度が低下し、特に中間調領域の記録濃度の低下が改善されていないのが実情であり、目標とする品質を十分満足させるものは得られていない。
国際公開第2000/14058号パンフレット 特開2003−072246号公報 国際公開第2005/042263号パンフレット 特開2006−021505号公報 特開2007−125744号公報
本発明は、記録感度、耐可塑剤性及び耐油性に優れ、しかも地肌カブリが少ない感熱記録体を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、感熱記録層が4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンと酸化亜鉛を共分散した分散物を含有することにより、記録感度、耐可塑剤性及び耐油性を向上でき、しかも地肌カブリを改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の感熱記録体を提供するものである。
項1:支持体上に、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体において、前記感熱記録層が4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンと酸化亜鉛を共分散した分散物を含有することを特徴とする感熱記録体。
項2:前記分散物が40℃以上の加熱処理を経ていない分散液から得られうる、項1に記載の感熱記録体。
項3:前記顕色剤が4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンからなる、項1または2に記載の感熱記録体。
項4:前記分散物中の酸化亜鉛の含有量が、前記4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン100質量部に対して3〜30質量部である、項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項5:前記分散物の平均粒子径が0.5〜2.0μmである、項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項6:支持体上に、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層を設ける感熱記録体の製造方法において、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンと酸化亜鉛を共分散して分散液を得る工程、40℃以上の加熱処理を経ていない前記分散液から得られうる分散物を感熱記録層に含有せしめる工程を有することを特徴とする感熱記録体の製造方法。
本発明の感熱記録体は、記録感度、耐可塑剤性及び耐水性に優れており、地肌カブリが少ない。
以下、本発明について、更に詳細に説明する。
本発明では、感熱記録層が4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンと酸化亜鉛を共分散した分散物を含有することにより、記録感度を向上でき、耐可塑剤性、耐油性に優れ、しかも地肌カブリが少ない感熱記録体を得ることができる。本発明においては、他の顕色剤を併用することによって生じる地肌カブリの恐れがなく、記録感度を向上できる。
記録感度が向上する理由については、明らかでないが、芳香族カルボン酸の亜鉛塩が形成されることにより、亜鉛原子のD軌道内の電子が芳香族カルボン酸に引っ張られ、電子吸引性が高まることにより顕色能が高まり、発色効果、保存性が向上することが考えられる。すなわち、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンと酸化亜鉛を共分散して得られる分散物の芳香環に挟まれたウレアウレタン基と亜鉛原子の間に同様の効果があると考えられる。
地肌カブリに関しては、単独分散した酸化亜鉛を混合しても効果がないことから、共分散することにより亜鉛塩が形成され、水溶性が抑えられて地肌カブリが少なくなることが考えられる。一方、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンの地肌カブリ対策として用いられる無機化合物としては、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム等が挙げられるが、これらの分散組成物は、塩による多量体化により水に溶け難くなり、地肌カブリ低減効果が発現すると考えられるが、電子吸引効果はなく、逆に発色能が下がり、記録感度の低下に至ると考えられる。
また、分散組成物の分散液を40℃以上で加熱処理すると地肌カブリを抑制できるものがあるが、分散物の軟凝集を生じるため、記録感度の更なる低下に至ると考えられる。本発明では、共分散を行なうときの分散液の温度は、目標とする分散物の粒子径が得られ、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されないが、共分散後は、記録感度の向上と地肌カブリの減少を両立させる観点から、得られた分散物の軟凝集を生じさせないため、40℃以上の加熱処理を経ていない分散液を用いることが好ましい。
本発明における分散物中の酸化亜鉛の含有量としては、特に限定されないが、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン100質量部に対して、3〜30質量部が好ましく、5〜15質量部がより好ましい。3質量部以上とすることにより、記録感度、耐可塑剤性、耐油性を高めて、地肌カブリを減少できる。30質量部以下とすることにより、非発色成分としての量を抑えて記録感度を高め、可塑剤や油が感熱記録層中に浸透するのを抑えてバリア性を向上できる。
4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンと酸化亜鉛の共分散は、例えば、水を分散媒体として、分散剤として水溶性高分子化合物の水溶液を用いて、同時湿式粉砕することにより行なうことができる。分散剤としては、例えば各種ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、スチレン−無水マレイン酸誘導体等が挙げられる。
また、本発明の効果に支障のない範囲で他の顕色剤も併用できる。顕色剤としては、例えば活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4’−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン等のフェノール性化合物、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸p−クミルフェニルエステル、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸p−ベンジルオキシフェニルエステル、N−(o−トルオイル)−p−トルエンスルホアミド、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−トリル)尿素等の分子内に−SONH−結合を有するもの、p−クロロ安息香酸、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属との塩、更にはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等の有機酸性物質等を併用することができるが、特に記録感度の観点から、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、及びビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンから選ばれる少なくとも1種との併用が好ましい。ただし、耐可塑剤性、耐油性を向上する観点から、他の顕色剤を併用しないことがより好ましい。
感熱記録層中に使用されるロイコ染料と顕色剤との使用比率は、用いるロイコ染料や顕色剤の種類に応じて適宜選択されるものであり、特に限定するものではないが、一般にロイコ染料100質量部に対して100〜500質量部、好ましくは150〜300質量部程度である。他の顕色剤を併用する場合の共分散物との比率は、記録感度、耐可塑剤性または耐油性の保存性の関係から、感熱記録体を使用する用途により決めればよく、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンと酸化亜鉛の共分散物1質量部に対して、他の顕色剤を0.2〜20質量部の範囲で使用することが好ましい。
本発明における共分散の分散物、並びに他の併用できる顕色剤の平均粒子径については、好ましくは0.5〜2.0μm程度であり、より好ましくは1.0〜1.8μm程度である。0.5μm以上とすることにより、地肌カブリをより一層減少できる。2.0μm以下とすることにより、記録感度を向上できる。本発明では、地肌カブリを減らせることから、平均粒子径の下限を0.5μmと小さくすることにより、記録感度を向上できる。
感熱記録層に使用される無色乃至は淡色のロイコ染料としては、各種公知のものが使用できる。ロイコ染料としては、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、フルオラン等の青発色性染料、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン等の緑発色性染料、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン等の赤発色性染料、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(4−ジメチルアミノ)アニリノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o‐クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o‐フルオロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2,2−ビス{4−〔6’−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ〔フタリド−3,9’−キサンテン−2’−イルアミノ〕フェニル〕プロパン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−トリフルオロメチルフェニル)アミノフルオラン等の黒発色性染料、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等の近赤外領域に吸収波長を有する染料等が挙げられる。勿論、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて2種以上を併用することもできる。
本発明における感熱記録層は、増感剤を含有していてもよい。増感剤としては、例えばステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が挙げられる。これらは、支障のない範囲で2種類以上を併用することもできる。
本発明における感熱記録層は、保存安定剤を含有していてもよい。保存安定剤としては、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェイトのナトリウムまたは多価金属塩、ビス(4−エチレンイミノカルボニルアミノフェニル)メタン等が挙げられる。
増感剤の含有量は、特に限定されないが、一般に感熱記録層の全固形量100質量部に対して1〜40質量部程度、特に2〜30質量部程度である。また、保存安定剤の含有量は、一般に感熱記録層の全固形量100質量部に対して1〜40質量部程度、特に2〜25質量部程度である。
感熱記録層は、一般に水を分散媒体とし、適宜分散剤を用いて、ロイコ染料、顕色剤、必要により増感剤、保存安定剤等を、共に、あるいは別々に、ボールミル、アトライター、サンドミル等の攪拌・粉砕機により、好ましくは平均粒子径が2μm以下となるように微分散した後、必要によりバインダー、顔料、各種助剤等を添加することにより調製された感熱記録層用塗液を、支持体上に塗布及び乾燥して形成される。
バインダーとしては、例えば、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらバインダーの少なくとも1種が、感熱記録層の全固形量中5〜50質量%程度の範囲で配合される。
助剤としては、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪酸金属塩等の分散剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、消泡剤、着色染料、及び顔料等が適宜添加される。
顔料としては、例えばカオリン、クレー、炭酸カルシウム、焼成クレー、焼成カオリン、酸化チタン、水酸化アルミニウム、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活性白土等の無機顔料や、スチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生澱粉粒子等の有機顔料等が挙げられる。
本発明では、必要に応じて、支持体と感熱記録層との間に、下塗り層を設けることもできる。これにより、記録感度及び記録走行性をより一層高めることができる。下塗り層は、吸油量が70ml/100g以上、特に80〜150ml/100g程度の吸油性顔料、有機中空粒子及び熱膨張性粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種、並びに接着剤を主成分とする下塗り層用塗液を支持体上に塗布及び乾燥して形成される。ここで、吸油量は、JIS K 5101−1991の方法に従い、求められる値である。
吸油性顔料としては、各種公知のものが使用できるが、具体例としては、焼成カオリン、無定形シリカ、軽質炭酸カルシウム、タルク等の無機顔料が挙げられる。これら吸油性顔料の平均粒子径(レーザ回折式粒度分布測定装置(商品名:SALD2200、島津製作所社製)による50%値)は0.01〜5μm程度、特に0.02〜3μm程度であることが好ましい。吸油性顔料の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層全固形量中2〜95質量%、特に5〜90質量%程度であることが好ましい。
有機中空粒子としては、従来公知のもの、例えば、膜材がアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等からなる中空率が50〜99%程度の粒子が例示できる。ここで中空率は(d/D)×100で求められる値である。該式中、dは有機中空粒子の内径を示し、Dは有機中空粒子の外径を示す。有機中空粒子の平均粒子径(レーザ回折式粒度分布測定装置(商品名:SALD2200、島津製作所社製)による50%値)は0.5〜10μm程度、特に1〜3μm程度であることが好ましい。有機中空粒子の使用割合は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層全固形量中2〜90質量%、特に5〜70質量%程度であることが好ましい。
なお、吸油性顔料を有機中空粒子と併用する場合、吸油性顔料と有機中空粒子とは、前記使用割合の範囲で使用し、且つ吸油性顔料と有機中空粒子の合計量が下塗り層全固形量中5〜90質量%、特に10〜80質量%程度であるのが好ましい。
熱膨張性粒子としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、低沸点炭化水素をインサイト重合法により、塩化ビニリデン、アクリロニトリル等の共重合物でマイクロカプセル化した熱膨張性微粒子等が挙げられる。低沸点炭化水素としては、例えば、エタン、プロパン等が挙げられる。熱膨張性粒子の使用割合は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層全固形量中1〜80質量%程度、特に10〜70質量%程度であることが好ましい。
接着剤としては、感熱記録層に使用されるものの中から適宜選択できる。なかでも、澱粉−酢酸ビニルグラフト共重合体、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン系ラテックス等が好ましい。接着剤の使用割合は、広い範囲で選択できるが、一般には下塗り層全固形量中5〜30質量%程度、特に10〜20質量%程度の量で使用するのが好ましい。
本発明の感熱記録体は、感熱記録層上に保護層用塗液を塗布及び乾燥することにより保護層を設けることもできる。これにより、可塑剤や油等の薬品に対する記録像の保存性、あるいは記録適性をより一層向上できる。保護層用塗液の調製方法については、特に限定するものではなく、一般に水を分散媒体とし、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール等のバインダーとカオリン、水酸化アルミニウム、軽質炭酸カルシウム、微粒子シリカ等の顔料を混合、攪拌して調製される。
更に、保護層用塗液中には、必要に応じてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の界面活性剤(分散剤、湿潤剤)、消泡剤、カリミョウバンや酢酸アルミニウム等の水溶性多価金属塩等の各種助剤を適宜添加することもできる。また耐水性を一層向上させるためにグリオキザ−ル、硼酸、ジアルデヒド澱粉、エポキシ系化合物等の硬化剤を併用することもできる。
また、保護層中に、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の常温で液体の紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセルを保護層の全固形分量中、紫外線吸収剤が10〜40質量%となるように添加すると光暴露に対して地肌部の黄変や記録像の退色が著しく改良される。
下塗り層、感熱記録層、及び必要により設けた保護層の形成方法については特に限定されず、例えばエアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等の適当な塗布方法により、下塗り層用塗液を支持体上に塗布及び乾燥した後、感熱記録層用塗液、更に必要により保護層用塗液を塗布及び乾燥する等の方法で形成される。
支持体としては、特に限定されず、例えば、紙(古紙含有を含む)、不織布、それらの表面に顔料、ラテックス等を塗工したコーテッド紙、ポリオレフィン系樹脂から作られた複層構造の合成紙、プラスチックフィルム、あるいはこれらの複合体シート等から選ぶことができる。
各塗液の塗布量は、特に制限されないが、下塗り層用塗液の塗布量は、乾燥重量で2〜12g/m、好ましくは3〜10g/m程度であり、感熱記録層用塗液の塗布量は、乾燥重量で2〜12g/m、好ましくは3〜10g/m程度であり、保護層用塗液の塗布量は、乾燥重量で0.5〜15g/m、好ましくは1〜8g/m程度の範囲で調節される。
なお、必要に応じて感熱記録体の裏面側にも保護層を設け、一層の保存性を高めたり、また記録層表面に強光沢を持たせることも可能である。各層を形成し終えた後、また、全ての層を形成し終えた後の任意の過程でスーパーカレンダーによる平滑化処理を施すこともできる。あるいは、感熱記録体裏面に粘着剤処理を施して粘着ラベルに加工したり、磁気記録層や印刷用塗被層、更にはインクジェット記録層や熱転写記録層を設ける等、感熱記録体製造分野における各種の公知技術が必要に応じて付加し得るものである。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。なお、例中の「部」及び「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。実施例及び比較例における平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)を用いてメジアン径(D50%)を測定した。
実施例1(参考例)
・下塗り層用塗液の調製
焼成クレー(商品名:アンシレックス、吸油量110ml/100g、BASF社製)40部、平均粒子径が1.0μmの有機中空粒子(内径/外径:0.7、膜材:ポリスチレン)の40%分散液100部、ポリアクリル酸ナトリウムの40%水溶液1部、固形分濃度48%のスチレン・ブタジエン系ラテックス14部、ポリビニルアルコール(鹸化度88%、重合度1000)の10%水溶液50部、及び水40部からなる組成物を混合、攪拌して下塗り層用塗液を調製した。
・ロイコ染料分散液(A液)の調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部、ポリビニルアルコ−ル(商品名:ゴ−セランL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液5部、及び水7部からなる組成物を縦型サンドミル(アイメックス社製)にて、平均粒子径が1.0μmになるまで粉砕し、A液を得た。
・増感剤分散液(B液)の調製
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン(商品名:KS−232、三光社製)20部、ポリビニルアルコ−ル(商品名:ゴ−セランL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液5部、及び水12.5部からなる組成物を縦型サンドミル(アイメックス社製)にて、平均粒子径が1.5μmになるまで粉砕し、B液を得た。
・共分散液(C液)の調製
4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン10部、酸化亜鉛0.5部、ポリビニルアルコ−ル(商品名:ゴ−セランL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液5.25部、及び水13.1部からなる組成物を縦型サンドミル(アイメックス社製)にて、平均粒子径が1.0μmになるまで粉砕し、C液を得た。なお、C液は、感熱記録層用塗液の調製に用いる間、40℃未満の常温に置かれた。
・顕色剤分散液(D液)の調製
4−ヒドロキシー4’−イソプロキシジフェニルスルホン(商品名:D−8、日本曹達社製)10部、ポリビニルアルコ−ル(商品名:ゴ−セランL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液5部および水12.5部からなる組成物を縦型サンドミル(アイメックス社製)にて、平均粒子径が1.0μmになるまで粉砕し、D液を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液24部、B液50部、C液60部、ポリビニルアルコールの10%水溶液140部、ステアリン酸亜鉛の36%分散物(商品名:ハイドリンZ−8、中京油脂社製)33部、及び炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント15、白石工業社製)の60%分散物50部からなる組成物を混合、攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
58g/mの上質紙の片面に、下塗り層用塗液を乾燥後の塗布量が8g/mとなるように塗布及び乾燥して下塗り層を形成し、感熱記録層用塗液を下塗り層上に乾燥後の塗布量が4g/mとなるように塗布及び乾燥して感熱記録層を形成した後、スーパーカレンダー処理を行い、感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1(参考例)のC液調製において、酸化亜鉛の量を0.5部に代えて1.5部とした以外は、実施例1(参考例)と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1(参考例)のC液調製において、酸化亜鉛の量を0.5部に代えて2.5部とした以外は、実施例1(参考例)と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4(参考例)
実施例1(参考例)のC液調製において、酸化亜鉛の量を0.5部に代えて3.5部とした以外は、実施例1(参考例)と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5(参考例)
実施例1(参考例)の感熱記録層用塗液の調製において、C液の量を60部に代えて25部とし、更にD液を35部用いた以外は、実施例1(参考例)と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1(参考例)のC液調製において、酸化亜鉛を用いなかった以外は、実施例1(参考例)と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1(参考例)の感熱記録層用塗液の調製において、C液60部に代えてD液60部とした以外は、実施例1(参考例)と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1(参考例)のC液調製において、酸化亜鉛0.5部に代えて珪酸マグネシウム0.5部とした以外は、実施例1(参考例)と同様にして感熱記録体を得た。
比較例4
実施例1(参考例)のC液調製において、酸化亜鉛0.5部に代えて炭酸カルシウム0.5部とした以外は、実施例1(参考例)と同様にして感熱記録体を得た。
比較例5
比較例1の感熱記録用塗液の調製において、更に酸化亜鉛の50%分散液を4.4部用いた以外は、実施例1(参考例)と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
(記録濃度)
得られた感熱記録体について、感熱評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用いて、印加エネルギー0.35mJ/dot及び印加エネルギー0.20mJ/dotにて8mm×8mmの面積で発色させ、得られた発色部の記録濃度をマクベス濃度計(RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードにて測定した。測定値が、印加エネルギー0.35mJ/dotで1.10以上、印加エネルギー0.20mJ/dotで0.90以上、好ましくは1.00以上であると、十分判読でき、記録感度に関して、実用上問題ないレベルである。
(塗料カブリ)
感熱記録層用塗液を、35℃雰囲気中に24時間放置した後、実施例1の感熱記録体の作製と同様にして、感熱記録体を作製して、該感熱記録体の地肌部濃度をマクベス濃度計(RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードにて測定し、塗料カブリを評価した。測定値が0.10以上になると、地肌カブリに関して、実用上問題となるレベルである。
(耐可塑剤性)
印加エネルギー0.35mJ/dotで発色させた感熱記録体を塩ビパイプに塩ビラップフィルム(商品名:ハイラップSAS、三井化学社製)を3重に巻き付け、感熱記録体を挿入して、更に塩ビラップフィルム(商品名:ハイラップSAS、前出)を3重に巻き付けて、20℃の環境下に12時間放置した後の発色部の濃度をマクベス濃度計(RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードにて測定し、耐可塑剤性を評価した。残存濃度が0.40未満であると判読が困難となり、実用上問題となるレベルである。
(耐油性)
印加エネルギー0.35mJ/dotで発色させた感熱記録体をサラダオイルに浸して、室内に24時間放置した後、サラダオイルを拭き取り、発色部の濃度をマクベス濃度計(RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードにて測定し、耐油性を評価した。残存濃度が0.40未満であると判読が困難となり、実用上問題となるレベルである。
Figure 0005790361

Claims (4)

  1. 支持体上に、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体において、前記顕色剤が4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンからなり、前記感熱記録層が4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンと酸化亜鉛を共分散した分散物を含有し、前記分散物中の酸化亜鉛の含有量が、前記4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン100質量部に対して15〜30質量部であることを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記分散物が40℃以上の加熱処理を経ていない分散液から得られうる、請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記分散物の平均粒子径が0.5〜2.0μmである、請求項1または2に記載の感熱記録体。
  4. 支持体上に、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層を設ける感熱記録体の製造方法において、前記顕色剤が4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンからなり、酸化亜鉛の含有量が、前記4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン100質量部に対して15〜30質量部である4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンと酸化亜鉛を共分散して分散液を得る工程、40℃以上の加熱処理を経ていない前記分散液から得られうる分散物を感熱記録層に含有せしめる工程を有することを特徴とする感熱記録体の製造方法。
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