JP2016165835A - 感熱記録体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、記録濃度が高く、記録部の保存性に優れ、高温環境下における耐熱地肌カブリ性に優れ、支持体として中性紙を用いても経時での印字発色低下を起こさない感熱記録体を提供することを主な目的とする。【解決手段】支持体の一方の面に、少なくともロイコ染料及び呈色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体において、呈色剤として、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン及びN−[2−(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを含有することを特徴とする感熱記録体。呈色剤として、N−[2−(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドの1.0質量部に対して、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホンを0.1〜2.0質量部の範囲で含有することが好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関するものである。
無色乃至は淡色のロイコ染料と該ロイコ染料の電子受容体として作用できる呈色剤とを、熱により反応させて発色させることにより記録像を得るようにした感熱記録体がよく知られている。
その利用分野として、例えばPOS(Point of Sales)システム用のレジ用紙及びチケット用紙等が挙げられるが、同システムの拡大と共にその使用環境、使用方法も多様化しており、厳しい条件下での使用が増加してきている。更に同用途では、領収書としても使用されるため、記録部の油や可塑剤、事務用品、ハンドクリーム等、種々の薬品に対する保存性や、捺印性が良好なことも必要となる。
支持体上にロイコ染料と呈色剤を主成分とする感熱記録層を設けた感熱記録体にあっては、発色反応が可逆的であるため、発色画像が経時的に消色することが知られている。この消色反応は高温、高湿の環境下で加速され、更に油、可塑剤等の接触によって速やかに進行し、記録画像が読取り不可能なまでに消色してしまうことがある。これらに対して、記録部の保存性を向上させるため、感熱記録層中にエポキシ化合物を添加すること(特許文献1参照)等が提案されているが、油や可塑剤に対して十分な効果が得られていない。また、近年、高保存性の呈色剤の開発が進み、感熱記録層中にウレアウレタン化合物を添加すること(特許文献2参照)等が提案され、上記問題も解決されつつあるが、記録感度が低いという問題点がある。また、非印字部分の安定性(耐熱地肌カブリ性)を高めるためには、高融点の呈色剤を用いることが効果的であるが、これも記録感度が低下してしまうという問題点があり、近年の高速プリンターやバッテリー駆動のハンディーターミナルプリンターでの対応が困難である。
かかる問題に対して、呈色剤としてジフェニルスルホン架橋型化合物の少なくとも1種と特定のヒドロキシジフェニルスルホン誘導体の少なくとも1種とを併用することが提案されている(特許文献3)。しかしながら、特許文献3に記載の感熱記録体では、油や可塑剤に対する記録部の保存性は改善されるが、非印字部の安定性(耐熱地肌カブリ性)の改善は不十分である。
本発明は、記録濃度が高く、記録部の保存性に優れ、高温環境下における耐熱地肌カブリ性に優れ、支持体として中性紙を用いても経時での印字発色低下を起こさない感熱記録体を提供することを主な目的とする。
本発明者等は、上記従来技術に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、上記問題点を解決するに至った。即ち、本発明は、下記の感熱記録体に係る。
項1:支持体の一方の面に、少なくともロイコ染料及び呈色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体において、前記呈色剤として、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン及びN−[2−(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを含有することを特徴とする感熱記録体。
項2:前記呈色剤として、N−[2−(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドの1.0質量部に対して、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホンを0.1〜2.0質量部の範囲で含有する、項1に記載の感熱記録体。
項3:前記呈色剤として更に下記一般式(1)で表されるウレアウレタン化合物を含有する、項1または2に記載の感熱記録体。
項4:前記感熱記録層が増感剤として、ステアリン酸アミド、2−ナフチルベンジルエーテル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン及びジフェニルスルホンから選ばれる少なくとも1種を含有する、項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項5:前記支持体と前記感熱記録層との間にプラスチック中空粒子を含有する下塗り層を有する、項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項6:支持体が中性紙または酸性紙である、項1〜5のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項7:前記支持体と前記感熱記録層との間にブレード塗布法により形成された下塗り層を有する、項1〜6のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項8:前記支持体上に形成される少なくとも1層がカーテン塗布法により形成されたものである、項1〜7のいずれか1項に記載の感熱記録体。
本発明の感熱記録体は、記録濃度が高く、記録部の保存性に優れ、高温環境下における耐熱地肌カブリ性に優れる。また、支持体として中性紙を用いても経時での印字発色性に優れる。
本発明は、支持体の一方の面に、少なくともロイコ染料及び呈色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体を提供するものである。感熱記録体の層構成は、支持体と感熱記録層の構成だけに限るものではなく、支持体と感熱記録層の間に下塗り層を有する構成、感熱記録層の上に保護層を有する構成、支持体の感熱記録層を有する面とは反対の面に裏面層を有する構成等を包含する。
本発明における支持体としては、特に限定しないが、例えば、中性または酸性の上質紙(中性紙、酸性紙)、合成紙、透明または半透明のプラスチックフィルム、白色のプラスチックフィルム等が挙げられる。支持体の厚みは特に限定しないが、通常、20〜200μm程度である。
本発明では、支持体が中性紙または酸性紙であることが好ましい。これにより、中性紙または酸性紙のいずれにおいても、発色感度と白紙カブリに優れた効果を発揮し、地肌に耐熱性を有しながら潜在的に記録濃度の高い白紙保存性に優れた感熱記録体を得ることができる。この理由については明らかでないが、感熱記録体が記録前の白紙の状態で保存されている間に、一般に呈色剤が中性紙に含まれるアルカリ填料と塩を形成することにより、呈色剤の性能が低下するのに対し、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドは、中性紙及び酸性紙のいずれかによらず形態変化を起こさないためと推測される。
中性紙の種類、製法については特に限定されないが、パルプ繊維と、一般に填料として例えば炭酸カルシウム、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)、無水アルケニルコハク酸(ASA)等、並びに定着剤としてポリアミド、アクリルアマイド、カチオン澱粉等を含むパルプスラリーを抄紙して得ることができる。かかる中性紙としては、熱水抽出pH(JIS P 8133に基づく)が6.0〜11程度の範囲が好ましく、6.5〜10の範囲がより好ましく、7.5〜10の範囲が更に好ましい。中性紙のpHを6.0以上とすることにより白紙保存における地肌カブリを効果的に抑制できる。一方、pHを11以下とすることにより、白紙保存後の発色能低下を効果的に抑制できる。また、パルプスラリー自体の凝集を抑制することができる。更に、pHが6.0より小さくならない範囲で、必要に応じて硫酸バンドを使用して、pH調節することができ、抄紙性を向上することもできる。
酸性紙の種類、製法については特に限定されないが、パルプ繊維と、一般に填料として例えばカオリン、タルク、クロライト、サイズ剤として強化ロジン石鹸、強化ロジンエマルジョン等のロジン系サイズ剤やアルケニルコハク酸石鹸等の所謂合成サイズ剤等、並びに硫酸バンド等を含むパルプスラリーを抄紙して得ることができる。かかる酸性紙としては、熱水抽出pH(JIS P 8133に基づく)が耐地肌カブリ性を向上し、支持体の劣化を防止する観点からpH2以上が好ましく、ロジン系サイズ剤の定着性の観点から6を超えない範囲が好ましく、pH2〜5.7程度の範囲がより好ましい。
本発明で使用されるパルプ繊維の種類、製法等については特に限定されず、例えばKP、SP、AP法等によって得られる針葉樹パルプ、広葉樹パルプ等の化学パルプやSCPの他に各種高歩留りパルプ、或いは古紙パルプ等が挙げられる。
なお、パルプスラリーには、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤を紙の用途に応じて適宜添加することもできる。また、サイズプレスにおいて澱粉等を塗布することもできる。抄紙機としては、長網抄紙機、ツインワイヤー式抄紙機、円網抄紙機、ヤンキードライヤー抄紙機等を適宜使用できる。
本発明における感熱記録層には、無色乃至は淡色の各種公知のロイコ染料を含有させることができる。かかるロイコ染料の具体例としては、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、フルオラン等の青発色性染料、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン等の緑発色性染料、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン等の赤発色性染料、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2,2−ビス{4−〔6’−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ〔フタリド−3,9’−キサンテン−2’−イルアミノ〕フェニル}プロパン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−トリフルオロメチルフェニル)アミノフルオラン等の黒発色性染料、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等の近赤外領域に吸収波長を有する染料等が挙げられる。勿論、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて2種以上を併用することもできる。なかでも、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、及び3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランは発色感度、印字保存性に優れているため、好ましく用いられる。前記ロイコ染料の含有割合は、感熱記録層の全固形量のうち、5〜25質量%程度、好ましくは7〜20質量%である。5質量%以上とすることにより発色能力を高めて、印字濃度を向上できる。25質量%以下とすることにより、耐熱性を向上できる。
本発明における感熱記録層は、呈色剤として4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン及びN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを含有する。これにより、記録濃度が高く、耐熱湿での白紙カブリに優れ、しかも高温環境下における耐熱地肌カブリ性に優れた効果を発揮する。
N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドは、高温環境下での地肌カブリの少ない性質を有するが、記録濃度が劣る問題がある。しかしながら、本発明においては、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホンと併用することにより、優れた記録濃度、記録部の耐熱湿性を確保することができる。しかも、一般に呈色剤を併用すると地肌カブリが著しく悪化するのに対して、本発明における4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホンとN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドの組合せによる相乗効果は、地肌カブリを悪化させないばかりでなく、80℃という高温環境下でも地肌カブリの発生がない優れたものである。
感熱記録層における4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホンの含有量は、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド1.0質量部に対して、0.1〜2.0質量部程度が好ましく、0.2〜1.8質量部程度がより好ましく、0.2〜1.5質量部程度が特に好ましい。0.1質量部以上とすることにより、高い発色濃度が得られ、高温環境下での耐熱地肌カブリ性を向上できる。一方、2.0質量部以下とすることにより、高温環境下での印字保存性と優れた白紙保存性が得られる。
感熱記録層におけるN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドの含有量は、記録濃度と耐熱湿性を向上する観点から、ロイコ染料1.0質量部に対して、0.5〜2.0質量部が好ましく、0.6〜2.0質量部がより好ましく、0.7〜1.8質量部が更に好ましい。
感熱記録層における4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホンの含有量は、記録濃度と耐熱湿性を向上する観点から、ロイコ染料1.0質量部に対して、0.1〜1.5質量部が好ましく、0.2〜1.2質量部がより好ましく、0.2〜1.0質量部が更に好ましい。
本発明における呈色剤は、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン及びN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを使用するものであるが、必要に応じて支障のない範囲で各種公知の材料を併用することができる。具体例としては、例えば活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,4’‐ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン等のフェノール性化合物、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸p−クミルフェニルエステル、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸p−ベンジルオキシフェニルエステル、N−(o−トルオイル)−p−トルエンスルホアミド等の分子内に−SO2NH−結合を有する有機化合物、p−クロロ安息香酸、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属との塩、更にはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等の有機酸性物質、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン、1,5−(3−オキソペンチレン)−ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート、1−(4−ブトキシカルボニルフェニル)−3−トシルウレア、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−フェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−p−トリルウレア、4,4’−ビス(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルスルホン等のスルホニルウレア化合物等が挙げられる。
本発明では、呈色剤として更に下記一般式(1)で表されるウレアウレタン化合物を含有することが好ましい。これにより、記録部の耐アルコール性及び耐可塑剤性等の保存性を向上できる。かかるウレアウレタン化合物の具体例としては、例えば4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、4,4’−ビス〔(2−メチル−5−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、4−(2−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド−4’−(4−メチル−5−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイドジフェニルスルホン等のウレアウレタン化合物等が挙げられる。
感熱記録層用塗液中には通常バインダーとして、各種の樹脂が使用される。かかるバインダーとしては、例えば澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン−ブタジエン共重合体、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの少なくとも1種を、感熱記録層の全固形量のうち、好ましくは5〜50質量%程度、より好ましくは10〜40質量%程度の範囲で配合される。なお、感熱記録層用塗液の媒体が水の場合は、疎水性樹脂はラテックスの形態で使用される。
本発明の感熱記録体において、感熱記録層は、特定の呈色剤、ロイコ染料、及びバインダーに加えて、更に、保存性改良剤、増感剤、その他の各種助剤を含有していてもよい。
本発明における感熱記録層中には保存性改良剤を含有させることができる。これにより、記録部の保存性を高めることができる。保存性改良剤としては、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、トリス(2,6−ジメチル−4−ターシャリーブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェイトのナトリウム塩または多価金属塩、ビス(4−エチレンイミノカルボニルアミノフェニル)メタン等が挙げられる。保存性改良剤の含有割合は、保存性改良のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形量のうち1〜30質量%程度が好ましく、5〜20質量%程度がより好ましい。
本発明における感熱記録層中には増感剤を含有させることもできる。これにより、記録感度を高めることができる。増感剤としては、例えばステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミルド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン、ジフェニルスルホン等が挙げられる。これらは支障のない範囲で併用できる。本発明では、特定の呈色剤を組合せることにより、相乗的に耐熱地肌カブリ性に優れるため、増感効果の高いステアリン酸アミド、2−ナフチルベンジルエーテル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、ジフェニルスルホンを好ましく用いることができる。前記増感剤の含有割合は、増感のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形量のうち、2〜40質量%程度が好ましく、より好ましくは5〜25質量%程度であり、更に好ましくは8〜20質量%程度である。
助剤としては、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪酸金属塩等の分散剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、グリオキザール、硼酸、ジアルデヒドデンプン、メチロール尿素、グリオキシル酸塩、エポキシ系化合物等の耐水化剤、消泡剤、着色染料、蛍光染料、及び顔料等が挙げられる。
本発明においては、感熱記録層の白色度向上、及び画像の均一性向上のために、白色度が高く、平均粒径が10μm以下の微粒子顔料を感熱記録層に含有させることもできる。具体例としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、焼成カオリン、無定形シリカ、珪藻土、合成珪酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機顔料、並びに尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、生澱粉粒子等の有機顔料が使用できる。顔料の含有割合は、発色濃度を低下させない程の量、即ち感熱記録層の全固形量のうち、50質量%以下であることが好ましい。
感熱記録層は、例えば水を分散媒体とし、ロイコ染料、特定の呈色剤、必要により増感剤、保存性改良剤等を共に、或いは別々にボールミル、アトライター、サンドミル等の撹拌・粉砕機により平均粒子径が2μm以下となるように微分散した分散液、必要により顔料、バインダー、助剤等を混合・撹拌することにより調製された感熱記録層用塗液を、塗布量が乾燥重量で好ましくは2〜12g/m2程度、より好ましくは3〜10g/m2程度となるように、支持体上に塗布及び乾燥して形成される。
本発明では、支持体と感熱記録層の間にプラスチック中空粒子を含有する下塗り層を有することが好ましい。これにより、記録感度をより一層高めることができる。また、プラスチック中空粒子が支持体上に留まって均一な下塗り層を形成することによりバリア性が向上するため、呈色剤が可塑剤や中性紙に含まれるアルカリ填料と接触するのを妨げ、発色能の低下を抑えることができる。プラスチック中空粒子としては、従来公知のもの、例えば、膜材がアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等からなる中空率が50〜99%程度の粒子が挙げられる。ここで中空率は、次式(d/D)×100で求められる値である。該式中、dは有機中空粒子の内径を示し、Dは有機中空粒子の外径を示す。プラスチック中空粒子の平均粒子径は、0.5〜10μm程度が好ましく、1〜3μm程度がより好ましい。平均粒子径を10μm以下とすることにより、下塗り層用塗液をブレード塗布法で塗布する場合に、ストリークやスクラッチ等のトラブルの原因とならず、良好な塗布適性を得ることができる。
本発明では、下塗り層をブレード塗布法で塗布することにより、品質面では下塗り層の表面平滑性をより一層高められるため、感熱記録層用塗液の塗布均一性を高めてカーテン塗布することができ、必要により設ける保護層のバリア性を向上できる。プラスチック中空粒子の含有割合は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形量のうち、2〜90質量%程度が好ましい。発色性の改良効果とバリア性を高める観点から、下限は5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。一方、サーマルヘッドへの粕付着を抑える観点から、上限は80質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましく、60質量%以下が特に好ましく、50質量%以下が最も好ましい。
下塗り層は、サーマルヘッドへの粕付着を抑制する効果を向上する観点から、吸油量が70ml/100g以上、特に80〜150ml/100g程度の吸油性顔料を含有することが好ましい。また、熱膨張性粒子を含有することもできる。ここで、吸油量はJIS K 5101に記載の方法に従い、求められる値である。
吸油性顔料としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、焼成カオリン、無定形シリカ、軽質炭酸カルシウム、タルク等の無機顔料が挙げられる。これら吸油性顔料の一次粒子の平均粒子径は0.01〜5μm程度、特に0.02〜3μm程度であるのが好ましい。吸油性顔料の含有割合は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形量のうち、2〜95質量%程度が好ましく、5〜90質量%程度がより好ましい。
吸油性無機顔料をプラスチック中空粒子と併用する場合、吸油性無機顔料とプラスチック中空粒子とは前記の含有割合の範囲で使用し、且つ吸油性無機顔料とプラスチック中空粒子の合計量が、下塗り層の全固形量のうち、5〜90質量%程度とすることが好ましく、10〜90質量%程度とすることがより好ましく、10〜80質量%程度とすることが更に好ましい。
下塗り層は、一般に水を媒体として、プラスチック中空粒子、吸油性顔料、バインダー、助剤等を混合・攪拌することにより調製された下塗り層用塗液を、支持体上に塗布及び乾燥することにより形成される。下塗り層用塗液の塗布量は、特に限定するものではないが、乾燥重量で3〜20g/m2程度が好ましく、5〜12g/m2程度がより好ましい。
バインダーとしては、感熱記録層に使用できるものの中から適宜選択することができる。特に、塗膜強度を向上する観点から酸化澱粉、澱粉−酢酸ビニルグラフト共重合体、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン系ラテックス等が好ましい。バインダーの含有割合は、広い範囲で選択できるが、一般には下塗り層の全固形量のうち、5〜30質量%程度が好ましく、10〜20質量%程度がより好ましい。
本発明の感熱記録体は、可塑剤や油等の薬品に対する記録像の保存性、或いは記録適性を改良する目的で感熱記録層上に保護層を備えていることが好ましい。
保護層は、例えば水を分散媒体として、バインダー、耐水化剤、顔料、助剤等を混合・撹拌することにより調製された保護層用塗液を、塗布量が乾燥重量で好ましくは0.5〜15g/m2程度、より好ましくは1.0〜8g/m2程度となるように、感熱記録層上に塗布及び乾燥して形成される。
バインダーの具体例としては、例えば澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、アイオノマー型ウレタン系樹脂ラテックス等が挙げられる。
保護層中に含有される顔料としてはカオリン、水酸化アルミニウム、軽質炭酸カルシウム、微粒子シリカ等の顔料が挙げられる。なかでも、カオリン、水酸化アルミニウムは、可塑剤や油等の薬品に対するバリア性の低下が少なく、しかも記録濃度の低下も小さいため好ましく用いられる。
保護層は、顔料を使用することなく、バインダー及び各種助剤の1種以上を使用して形成してもよいし、バインダーと顔料とを併用して形成してもよい。併用する場合、バインダーの含有割合は、特に限定されず広い範囲から適宜選択できるが、一般には、保護層の全固形量のうち、1〜95質量%程度が好ましく、2〜80質量%程度がより好ましい。また、顔料の含有割合は、特に限定されず広い範囲から適宜選択できるが、一般には、保護層の全固形量のうち、1〜95質量%程度が好ましく、2〜90質量%程度がより好ましい。
保護層用塗液中には、必要に応じてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の界面活性剤(分散剤、湿潤剤)、消泡剤、カリミョウバンや酢酸アルミニウム等の水溶性多価金属塩等の各種助剤を適宜添加することもできる。また耐水性を一層向上させるためにグリオキザ−ル、硼酸、グリオキシル酸塩、ジアルデヒド澱粉、ヒドラジド化合物、エポキシ系化合物等の耐水化剤を併用することもできる。
保護層中に、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の常温で液体の紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセルを、保護層の全固形量のうち、紫外線吸収剤が好ましくは2〜40質量%程度、より好ましくは2〜35質量%質量%程度、更に好ましくは3〜30質量%程度となるように用いると光暴露に対して地肌部の黄変や記録像の退色を著しく抑えることができる。
本発明では、必要に応じて支持体の感熱記録層とは反対側の面に顔料とバインダーを主成分とする裏面層を設けることができる。これにより、保存性を一層高めたり、カール適性やプリンター走行性を高めたりすることができる。また、裏面に粘着剤処理を施して粘着ラベルに加工したり、磁気記録層や印刷用塗被層、更には熱転写記録層やインクジェット記録層を設けたりする等、感熱記録体製造分野における各種の公知技術が必要に応じて付加し得るものである。
感熱記録層、並びに必要により設ける下塗り層、保護層及び裏面層の形成方法については特に限定されず、例えばバーコーティング、エアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等の適当な塗布方法により、下塗り層用塗液を支持体上に塗布及び乾燥した後、下塗り層上に感熱記録層用塗液、更に保護層用塗液を塗布及び乾燥する等の方法で形成される。
下塗り層は、ブレード塗布法により形成された層であることが好ましい。これにより、支持体の凹凸を無くして均一な厚みの感熱記録層を形成し、記録感度を高めることができる。ブレード塗布法は、ベベルタイプやベントタイプに代表されるブレードを使用した塗布法に限らず、ロッドブレード法やビルブレード法等も含まれる。
本発明では、支持体上に形成された少なくとも1層がカーテン塗布法により形成された層であることが好ましい。これにより、均一な厚みを有する層を形成することができ、記録感度を高めたり、油、可塑剤、アルコール等に対するバリア性を高めたりすることができる。カーテン塗布法は、塗液を流下して自由落下させ、支持体に非接触で塗布する方法であり、スライドカーテン法、カップルカーテン法、ツインカーテン法等の公知のものを採用することができ、特に制限されるものではない。カーテン塗布法では、同時多層塗布することにより、より均一な厚みを有する層を形成することができる。同時多層塗布では、各塗液を積層した後、塗布し、その後、乾燥させて各層を形成してもよいし、下層を形成する塗液を塗布した後、乾燥することなく下層塗布面が湿潤状態のうちに、下層塗布面上に上層を形成する塗液を塗布し、その後、乾燥させて各層を形成してもよい。本発明では、感熱記録層と保護層を同時多層塗布する態様がバリア性を向上する観点から好ましい。
本発明では、記録感度を高めて、画像均一性を向上する観点から、各層を形成し終えた後、または全ての層を形成し終えた後の任意の過程で、スーパーカレンダーやソフトカレンダー等の既知の方法を用いて平滑化処理することが好ましい。
本発明においては、より製品の付加価値を高めるため、多色感熱記録体とすることもできる。一般に多色感熱記録体は、加熱温度の差、または熱エネルギーの差を利用する試みであり、一般に、支持体上に異なる色調に発色する高温発色層と低温発色層を順次積層して構成されたものであってこれらを大別すると消色型と加色型の2種類、マイクロカプセルを用いた方法及び有機高分子とロイコ染料からなる複合粒子を使用して多色感熱記録体を製造する方法がある。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
・下塗り層用塗液の調製
プラスチック中空粒子分散液(商品名:ローペイクSN−1055、中空率:55%、平均粒子径:1.0μm、ダウケミカル社製、固形分濃度26.5%)120部、焼成カオリン(商品名:アンシレックス、BASF社製)の50%水分散液(平均粒子径:0.6μm)110部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1571、旭化成ケミカルズ社製、固形分濃度48%)20部、酸化澱粉の10%水溶液50部、及び水20部からなる組成物を、混合・攪拌して下塗り層用塗液を得た。
・下塗り層用塗液の調製
プラスチック中空粒子分散液(商品名:ローペイクSN−1055、中空率:55%、平均粒子径:1.0μm、ダウケミカル社製、固形分濃度26.5%)120部、焼成カオリン(商品名:アンシレックス、BASF社製)の50%水分散液(平均粒子径:0.6μm)110部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1571、旭化成ケミカルズ社製、固形分濃度48%)20部、酸化澱粉の10%水溶液50部、及び水20部からなる組成物を、混合・攪拌して下塗り層用塗液を得た。
・A液(ロイコ染料分散液)の調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセネックスL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、サンノプコ社製)の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が0.5μmとなるまで粉砕してA液を得た。
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセネックスL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、サンノプコ社製)の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が0.5μmとなるまで粉砕してA液を得た。
・B液(呈色剤分散液)の調製
N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセネックスL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、サンノプコ社製)の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるまで粉砕してB液を得た。
N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセネックスL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、サンノプコ社製)の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるまで粉砕してB液を得た。
・C液(呈色剤分散液)の調製
4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン(商品名:トミラックKN、API社製)
100部、スルホン変性ポリビニルアルコ−ル(商品名:ゴーセネックスL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、サンノプコ社製)の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物(懸濁液)をサンドミルによりレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるように粉砕処理してC液を得た。
4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン(商品名:トミラックKN、API社製)
100部、スルホン変性ポリビニルアルコ−ル(商品名:ゴーセネックスL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、サンノプコ社製)の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物(懸濁液)をサンドミルによりレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるように粉砕処理してC液を得た。
・D液(増感剤分散液)の調製
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセネックスL−3266、前出)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、サンノプコ社製)の5%エマルジョン2部、及び水98部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるまで粉砕してD液を得た。
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセネックスL−3266、前出)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、サンノプコ社製)の5%エマルジョン2部、及び水98部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるまで粉砕してD液を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液23部、B液30部、C液23部、D液30部、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42、平均粒子径1.0μm、昭和電工社製)20部、微粉無定形シリカ(商品名:ミズカシルP−605、平均粒子径3.0μm、水澤化学工業社製)10部、澱粉−酢酸ビニルグラフト共重合体(商品名:ペトロコートC−8、日澱化学社製)の10%水溶液120部、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールNM−11、日本合成化学社製)の10%水溶液20部、ステアリン酸亜鉛分散液(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分濃度36%、中京油脂社製)15部、及び水20部からなる組成物を混合・攪拌して感熱記録層用塗液を調製した。
A液23部、B液30部、C液23部、D液30部、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42、平均粒子径1.0μm、昭和電工社製)20部、微粉無定形シリカ(商品名:ミズカシルP−605、平均粒子径3.0μm、水澤化学工業社製)10部、澱粉−酢酸ビニルグラフト共重合体(商品名:ペトロコートC−8、日澱化学社製)の10%水溶液120部、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールNM−11、日本合成化学社製)の10%水溶液20部、ステアリン酸亜鉛分散液(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分濃度36%、中京油脂社製)15部、及び水20部からなる組成物を混合・攪拌して感熱記録層用塗液を調製した。
・感熱記録体の作製
支持体として坪量53g/m2の上質紙(熱水抽出pH5.3の酸性紙)の一方の面に、下塗り層用塗液を乾燥後の重量が5.5g/m2となるようにブレードコーターを用いたブレード塗布法により塗布及び乾燥して下塗り層を形成し、下塗り層上に感熱記録層用塗液を乾燥後の重量が3.5g/m2となるようにスライドホッパー型カーテン塗布装置を用いたカーテン塗布法により塗布及び乾燥した後、スーパーカレンダー処理を施し、感熱記録体を得た。
支持体として坪量53g/m2の上質紙(熱水抽出pH5.3の酸性紙)の一方の面に、下塗り層用塗液を乾燥後の重量が5.5g/m2となるようにブレードコーターを用いたブレード塗布法により塗布及び乾燥して下塗り層を形成し、下塗り層上に感熱記録層用塗液を乾燥後の重量が3.5g/m2となるようにスライドホッパー型カーテン塗布装置を用いたカーテン塗布法により塗布及び乾燥した後、スーパーカレンダー処理を施し、感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を30部に代えて37部とし、C液の量を23部に代えて11部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を30部に代えて37部とし、C液の量を23部に代えて11部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を30部に代えて21部とし、C液の量を23部に代えて35部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を30部に代えて21部とし、C液の量を23部に代えて35部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
・E液(呈色剤分散液)の調製
4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン100部、スルホン変性ポリビニルアルコ−ル(商品名:ゴ−セネックスL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、サンノプコ社製)の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物をサンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるまで粉砕してE液を得た。
・E液(呈色剤分散液)の調製
4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン100部、スルホン変性ポリビニルアルコ−ル(商品名:ゴ−セネックスL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、サンノプコ社製)の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物をサンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるまで粉砕してE液を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、E液を25部追加した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5〜7
実施例1〜3の感熱記録体の作製において、それぞれ支持体を坪量53g/m2の上質紙(熱水抽出pH5.3の酸性紙)に代えて上質紙(熱水抽出pH8.8の中性紙)とした以外は、実施例1〜3と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1〜3の感熱記録体の作製において、それぞれ支持体を坪量53g/m2の上質紙(熱水抽出pH5.3の酸性紙)に代えて上質紙(熱水抽出pH8.8の中性紙)とした以外は、実施例1〜3と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1のB液調製において、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドに代えて、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン(商品名:D−8、日本曹達社製)を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1のB液調製において、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドに代えて、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン(商品名:D−8、日本曹達社製)を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1のB液調製において、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドに代えて、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア(商品名:PF−201、BASF社製)を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1のB液調製において、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドに代えて、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア(商品名:PF−201、BASF社製)を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1のB液調製において、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドに代えて、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1のB液調製において、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドに代えて、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例4
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液を使用せず、C液の量を63部とし、感熱記録体の作製において、支持体を坪量53g/m2の上質紙(熱水抽出pH5.3の酸性紙)に代えて上質紙(熱水抽出pH8.8の中性紙)とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液を使用せず、C液の量を63部とし、感熱記録体の作製において、支持体を坪量53g/m2の上質紙(熱水抽出pH5.3の酸性紙)に代えて上質紙(熱水抽出pH8.8の中性紙)とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例5
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を63部とし、C液を使用せず、感熱記録体の作製において、支持体を坪量53g/m2の上質紙(熱水抽出pH5.3の酸性紙)に代えて上質紙(熱水抽出pH8.8の中性紙)とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を63部とし、C液を使用せず、感熱記録体の作製において、支持体を坪量53g/m2の上質紙(熱水抽出pH5.3の酸性紙)に代えて上質紙(熱水抽出pH8.8の中性紙)とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例6〜8
比較例1〜3の感熱記録体の作製において、それぞれ支持体を坪量53g/m2の上質紙(熱水抽出pH5.3の酸性紙)に代えて上質紙(熱水抽出pH8.8の中性紙)とした以外は、比較例1〜3と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1〜3の感熱記録体の作製において、それぞれ支持体を坪量53g/m2の上質紙(熱水抽出pH5.3の酸性紙)に代えて上質紙(熱水抽出pH8.8の中性紙)とした以外は、比較例1〜3と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について、以下の評価を行った。その結果は、表1に示す通りであった。
(1)記録濃度
感熱記録評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用いて、印加エネルギー0.34mJ/ドットにて各感熱記録体を印字し、記録部及び未記録部(地肌部)の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。数値が大きい程、印字の濃度が濃いことを示しており、記録部については、実用上、1.20以上であることが好ましい。一方、地肌部については、数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌カブリが問題となる恐れがあるため、0.2以下が好ましい。
感熱記録評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用いて、印加エネルギー0.34mJ/ドットにて各感熱記録体を印字し、記録部及び未記録部(地肌部)の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。数値が大きい程、印字の濃度が濃いことを示しており、記録部については、実用上、1.20以上であることが好ましい。一方、地肌部については、数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌カブリが問題となる恐れがあるため、0.2以下が好ましい。
(2)耐熱性
記録前の各感熱記録体を60℃、30%RH雰囲気下で24時間放置した後の地肌部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌カブリが問題となる恐れがあるため、0.2以下が好ましい。
記録前の各感熱記録体を60℃、30%RH雰囲気下で24時間放置した後の地肌部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌カブリが問題となる恐れがあるため、0.2以下が好ましい。
(3)耐湿熱性
記録前の各感熱記録体を40℃、80%RH雰囲気下で24時間放置した後の地肌部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌カブリが問題となる恐れがあるため、0.2以下が好ましい。
記録前の各感熱記録体を40℃、80%RH雰囲気下で24時間放置した後の地肌部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌カブリが問題となる恐れがあるため、0.2以下が好ましい。
(4)耐アルコール性
記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体を30%エタノール液に24時間浸漬して処理し、乾燥後に記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。また、下記式により、記録部の保存率を求めた。処理後は、記録濃度1.0以上、保存率60%以上であることが好ましい。
保存率(%)=(処理後の記録濃度)÷(処理前の記録濃度)×100
記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体を30%エタノール液に24時間浸漬して処理し、乾燥後に記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。また、下記式により、記録部の保存率を求めた。処理後は、記録濃度1.0以上、保存率60%以上であることが好ましい。
保存率(%)=(処理後の記録濃度)÷(処理前の記録濃度)×100
(5)耐可塑剤性
ポリカーボネイトパイプ(40mmφ)上にラップフィルム(商品名:ハイラップKMA−W、三井化学社製)を3重に巻付け、その上に記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体を載せ、更にその上にラップフィルムを3重に巻き付けて40℃で24時間放置した後の記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。また、記録部の保存率を、耐アルコール性の場合と同様に、上記式に基づいて、算出した。
ポリカーボネイトパイプ(40mmφ)上にラップフィルム(商品名:ハイラップKMA−W、三井化学社製)を3重に巻付け、その上に記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体を載せ、更にその上にラップフィルムを3重に巻き付けて40℃で24時間放置した後の記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。また、記録部の保存率を、耐アルコール性の場合と同様に、上記式に基づいて、算出した。
本発明により得られた感熱記録体は、記録濃度が高く、記録部の保存性に優れ、高温保存下でも地肌カブリが問題とならず、しかも中性紙基材を用いても経時での印字発色性に優れる。このため領収書、食品用や試験管用のラベル等に適するものである。
Claims (8)
- 支持体の一方の面に、少なくともロイコ染料及び呈色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体において、前記呈色剤として、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン及びN−[2−(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを含有することを特徴とする感熱記録体。
- 前記呈色剤として、N−[2−(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドの1.0質量部に対して、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホンを0.1〜2.0質量部の範囲で含有する、請求項1に記載の感熱記録体。
- 前記感熱記録層が増感剤として、ステアリン酸アミド、2−ナフチルベンジルエーテル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン及びジフェニルスルホンから選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
- 前記支持体と前記感熱記録層との間にプラスチック中空粒子を含有する下塗り層を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録体。
- 支持体が中性紙または酸性紙である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感熱記録体。
- 前記支持体と前記感熱記録層との間にブレード塗布法により形成された下塗り層を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感熱記録体。
- 前記支持体上に形成される少なくとも1層がカーテン塗布法により形成されたものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感熱記録体。
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