JP4182625B2 - 感熱記録体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロイコ染料と顕色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ロイコ染料と顕色剤との発色反応を利用した感熱記録体は、比較的安価であり、記録機器がコンパクトで、かつその保守も容易であるため、ファクシミリ、ワードプロセッサー、各種計算機、およびその他の用途の記録媒体として、幅広い分野において使用されている。
【0003】
しかし、その利用分野が拡大することによって感熱記録体の使用環境もより過酷になりつつある。未記録部分の耐熱性、いわゆる耐地肌カブリ性、記録画像の保存安定性、高速記録等の品質を同時に満足するものが要望されているが、一般に耐地肌カブリ性を改良すると、記録画像の保存安定性、記録感度が劣化してしまい満足なものが得られていないのが現状である。
【0004】
ところで、記録部の保存性を高めるために感熱発色層中に保存性改良剤を含有させた感熱記録体は特開昭63−17081号公報、特開平3−286395号号公報、特開平3−57694号公報、特開平2−293261号公報等に記載されているが、地肌カブリが発生し易くなる欠点がある。また、記録部の耐薬品性に優れた顕色剤としてスルホニルウレア系化合物を用いた感熱記録体は5−32061号公報に記載されているが、地肌カブリが発生する恐れがある。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、記録部の保存安定性に優れ、かつ耐地肌カブリ性に優れた感熱記録体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
支持体上に、ロイコ染料、顕色剤および保存性改良剤を含有する感熱発色層を有する感熱記録体において、上記の課題を解決するための一つの手段として、顕色剤としてN−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアを用い、保存性改良剤として1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸および下記一般式(1)で示される化合物から選ばれる少なくとも一種を用いるものである。
【0007】
【化2】
【0008】
式中、nは1乃至4の整数を表す。
【0009】
更に、他の手段として、顕色剤としてN−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアを用い、保存性改良剤として一般式(1)で示される化合物と、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸および4−ベンジルオキシフェニル−4’−(2−メチル−2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニルスルホンから選ばれる少なくとも一種とを用いるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
感熱発色層中には、顕色剤としてN−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア(以下、特定の顕色剤と称す)を含有し、かつ保存性改良剤として1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸および上記一般式(1)で示される化合物から選ばれる少なくとも一種(以下、特定の保存性改良剤と称す)を含有される。
【0011】
特定の顕色剤、および特定の保存性改良剤の全使用量としては特に限定されないが、感熱発色層の全固形量に対して特定の呈色剤は20〜50重量%程度、特定の保存性改良剤の全使用量は2〜40重量%程度が好ましい。
【0012】
特定の保存性改良としては、特に一般式(1)で示される化合物と、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸および4−ベンジルオキシフェニル−4’−(2−メチル−2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニルスルホンから選ばれる少なくとも一種とを併用することにより、極めて記録感度及び記録部の経時的保存性に優れた効果が得られる。
【0013】
一般式(1)で示される化合物の使用量としては、感熱発色層の全固形量に対して1〜20重量%程度が好ましい。
【0014】
感熱発色層には、顕色剤として特定の顕色剤が使用されるが、本発明の所望の効果を損なわない限りにおいて、他の顕色剤を併用することもできる。かかる他の顕色剤の具体例としてしは、例えば4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェニル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオ尿素、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス(p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、4−{3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛等が挙げられる。
【0015】
本発明では感熱発色層中に記録部の耐熱性、耐水性、耐可塑剤性等を高めるために保存性改良剤として特定の化合物を含有させるものであるが、本発明の所望の効果を損なわない限りにおいて、他の保存性改良剤を添加することも可能である。かかる保存性改良剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン等のヒンダードフェノール性化合物、4−(2−メチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジルエーテル、4,4’−グリシジルオキシジフェニルスルホン等のエポキシ系化合物等が挙げられる。
【0016】
感熱発色層に含有されるロイコ染料としては、例えば各種公知のものが使用可能で、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン等の青色発色性染料、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン等の緑色発色性染料、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、ローダミン(o−クロロアニリノ)ラクタム、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン等の赤色発色性染料、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等の黒色発色性染料、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジュメチルアミノ)フタリド等の近赤外領域に吸収波長を有する染料等が挙げられる。
【0017】
感熱記録感度を向上させるために、感熱発色層に増感剤を含有させることができる。増感剤としては、従来から感熱記録体の増感剤として知られている化合物を使用することができる。かかる増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、パラベンジルビフェニル、ジベンジルテレフタレート、2−ナフチルベンジルエーテル、アジピン酸ジ−o−クロルベンジル、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸ジ−p−クロルベンジル、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、1,3−ビス(2−ナフトキシ)プロパン、m−ターフェニル、ジフェニルスルホン、ベンゾフェノン等があげられる。
【0018】
感熱発色層は、水を分散媒体とし、例えば平均粒子径が0.1〜3μm程度となるよう微粉砕されたロイコ染料、特定の顕色剤並びに特定の保存性改良剤、および接着剤、必要により増感剤と下記の助剤とを添加して調製された感熱発色層用塗液を支持体の一方の面に乾燥後の塗布量が3〜15g/m2程度となるように塗布乾燥して形成される。
【0019】
感熱発色層用塗液中の接着剤としては、例えば部分(完全ケン化)ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、ゼラチン、、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、ゼラチン等の水溶性接着剤、並びに酢酸ビニル系ラテックス、ウレタン系ラテックス、アクリル系ラテックス、スチレン−ブタジエン系ラテックス等が挙げられる。
【0020】
感熱発色層用塗液中に添加し得る助剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤類、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、無定形シリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレー、焼成クレー、スチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー等の顔料類、グリオキザール、ジメチロール尿素、ポリアミドエピクロルヒドリン、ホウ酸、ホウ砂等の架橋剤類、、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤類、蛍光染料類、着色顔料類および着色染料類等が挙げられる。
【0021】
感熱記録層上には、記録走行性および記録部の薬品に対する保存性高めるために成膜性に優れた有機高分子化合物を主成分とする保護層を設けるのが好ましい。
【0022】
保護層中の有機高分子化合物として、例えば上記の感熱記録層中に含有される接着剤が挙げられる。更に、保護層には上記の感熱記録層中に含有し得る助剤を添加することもできる。
【0023】
更に、表面光沢性を高めたり、あるいは耐水性をより高めるために、感熱記録層上または保護層上に、電子線または紫外線硬化性化合物を主成分とする最上層用塗液を0.5〜10g/m2となるように塗布後、電子線や紫外線を照射して硬化された最上層を設けることもできる。電子線硬化性化合物としては、特開昭58−177392号公報、特開昭58−177392号公報などに記載がある。最上層用塗液中には、非電子線硬化樹脂、顔料、および消泡剤、レベリング剤、滑剤、界面活性剤、可塑剤等の添加剤を適宜添加することもできる。特に、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどの顔料や、ワックス類、シリコンなどの滑剤を添加することは、サーマルヘッドに対するスティッキング防止に役立つため好ましい。
【0024】
本発明に用いられる支持体の材質、形状、寸法などには、格別の限定はなく、例えば上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙、ポリオレフィン系合成紙、合成繊維紙、不織布、合成樹脂フィルム等の他、各種透明支持体等も適宜選択して使用することができる。磁気乗車券用途に本発明を使用する場合は、紙を使用することが望ましいが、プリペイドカード、あるいは磁気定期券用途として本発明を使用する場合は、厚さ80〜200μm程度のポリエチレンテレフタレートからなるプラスチック基材を使用することができる。特に、発泡ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用すると感熱発色感度を向上させることに効果がある。もちろん発泡ポリエチレンテレフタレートフィルムと発泡していないポリエチレンテレフタレートフィルムとのラミネート基材などを使用することもできる。
【0025】
支持体上に上記各層を形成する方法としては、エアーナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロールコーター法、スプレー法、ディップ法、バー法、およびエクストルージョン法などの既知の塗布方法のいずれを利用してもよい。
【0026】
本発明においては、支持体の感熱発色層が設けられていない面上または支持体と感熱発色層の間に磁気記録層を設けたり、支持体と感熱発色層の間に吸油性顔料または有機中空粒子と接着剤を主成分とする下塗り層を設けたり、各層にUVインキ、フレキソインキなどで印刷を施したり、あるいは支持体の感熱発色層が設けられていない面上に粘着剤層を設けたり、各層形成後にスーパーカレンダーやソフトカレンダーなどの既知の平滑化方法を用いて平滑化処理等の各種公知の感熱記録体の製造に関する製造技術を付加することもできる。
【0027】
【実施例】
本発明を下記実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」および「%」はそれぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
【0028】
実施例1
・A液調製(ロイコ染料と増感剤との分散液)
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部、シュウ酸ジ−p−メチルベンジル20部、メチルセルロ−スの5%水溶液5部、および水65部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1μmになるまで粉砕してA液を得た。
【0029】
・B液調製(顕色剤分散液)
N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア(商品名:Pergafast201、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)30部、メチルセルロ−スの5%水溶液5部、および水65部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1μmとなるまで粉砕してB液を得た。
【0030】
・C液調製(保存性改良剤分散液)
一般式(1)で示される化合物(商品名:D−90、n数1〜4の合計含有比率約80重量%、日本曹達株式会社製)20部、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン10部、メチルセルロ−スの5%水溶液5部、および水65部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1μmとなるまで粉砕してC液を得た。
【0031】
・感熱発色層用塗液の調製
A液100部、B液100部、C液50部、ステアリン酸亜鉛の30%分散液(商品名:ハイドランZ−7、中京油脂社製)20部、ステアリン酸アミドの20%分散液(商品名:ハイミクロンG−270、中京油脂社製)30部、軽質炭酸カルシウム6部、固形分濃度50%のスチレン−ブタジエン系ラテックス20部、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの10%水溶液50部、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(架橋剤)の20%水溶液10部とからなる組成物を混合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
【0032】
・保護層用塗液の調製
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの10%水溶液500部、カオリン30部、水酸化アルミニウム17部、固形濃度30%のステアリン酸亜鉛10部、および水100部からなる組成物を混合攪拌して得られた保護層用塗液を得た。
【0033】
・下塗り層用塗液の調製
焼成カオリン(商品名:アンシレックス、吸油量90ml/100g、EC社製)64部、軽質炭酸カルシウム10部、ポリアクリル酸ソーダの40%水溶液2部および水200部とをカウレス分散機にて高速分散した後、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−110、クラレ社製)の10%水溶液80部、固形分濃度30%のステアリン酸亜鉛の水性分散液(商品名:ハイドランZ−7、中京油脂社製)、固形分濃度50%のスチレン−ブタジエン系ラテックス16部とをプロペラ攪拌機にて弱攪拌しながら添加して下塗り層用塗液を得た。
【0034】
・感熱記録体の作製
坪量64g/m2の古紙再生パルプ含有(55重量%)の中性紙の片面に、下塗り層用塗液、感熱記録層用塗液および保護層用塗液を乾燥後の塗布量が8g/m2、4g/m2、3g/m2となるように順次塗布乾燥して下塗り層、感熱記録層および保護層を設けて感熱記録体を得た。各層を設けた後に、スーパーキャレンダー処理した。保護層面側のベック平滑度は800秒であった。
【0035】
実施例2
実施例1のC液調製において、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン10部の代わりに1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン10部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0036】
実施例3
実施例1のC液調製において、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン10部の代わりに1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸10部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0037】
実施例4
実施例1のC液調製において、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン10部の代わりに4−ベンジルオキシフェニル−4’−(2−メチル−2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニルスルホン10部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0038】
実施例5
実施例1のC液調製において、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン10部の代わりに一般式(1)で示される化合物(商品名:D−90、n数1〜4の合計含有比率約80重量%、日本曹達株式会社製)10部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0039】
実施例6
実施例1のC液調製において、一般式(1)で示される化合物(商品名:D−90、n数1〜4の合計含有比率約80重量%、日本曹達株式会社製)20部の代わりに1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸20部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0040】
実施例7
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液100部及びC液50部の代わりにB液67部及び実施例6で用いたC液83部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0041】
比較例1
実施例1のC液調製において、一般式(1)で示される化合物(商品名:D−90、n数1〜4の合計含有比率約80重量%、日本曹達株式会社製)20部及び1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン10部の代わりに、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン30部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0042】
比較例2
実施例1のB液調製において、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア30部の代わりに4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン30部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0043】
かくして得られた感熱記録体について、以下の評価試験を行い、その結果を表1に記載した。
【0044】
[記録濃度]
感熱記録体評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用い、印加エネルギー0.3mj/dotにて記録させ、記録部の濃度をマクベス濃度計(RD−914型、マクベス社製)でビジュアルモードにて測定した。
【0045】
[記録部の経時的保存性および耐地肌カブリ性]
上記の記録濃度の評価で記録された感熱記録体を55℃、90%RH条件下に24時間放置後の記録部(経時的保存性)および未記録部(耐地肌カブリ性)の光学濃度をマクベス濃度計(RD−914型、マクベス社製)でビジュアルモードにて測定した。
【0046】
[耐可塑剤性]
ポリカーボネートパイプ(外径40mm)の上に、ラップフィルム(商品名:ハイラップKMA−W、三井化学社製)を三重に巻付け、その上に記録濃度の測定における記録後の感熱記録体を置き、更にその上にラップフィルムを三重に巻付け、40℃の条件下で24時間放置した後、記録部の光学濃度をマクベス濃度計で測定した。
【0047】
[耐油性]
記録濃度の測定における記録後の感熱記録体(10cm×10cm)の表面にサラダオイルを一滴垂らし、市販のティッシュペーパー(一枚)で均一に拭い20℃、65%RH条件下に24時間放置した後、記録部の光学濃度をマクベス濃度計で測定した。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】
本発明の感熱記録体は、油等の薬品に対する記録部の保存性と記録部の経時的な保存性に優れ、しかも耐地肌カブリ性に優れた効果を有するものである。
Claims (3)
- 支持体上に、ロイコ染料、顕色剤および保存性改良剤を含有する感熱発色層を有する感熱記録体において、顕色剤がN−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアであり、保存性改良剤が、請求項1に記載の一般式(1)で示される化合物と、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸および4−ベンジルオキシフェニル−4’−(2−メチル−2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニルスルホンから選ばれる少なくとも一種とからなることを特徴とする感熱記録体。
- 感熱発色層の全固形量に対して、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアが20〜50重量%であり、一般式(1)で示される化合物が1〜20重量%である請求項2記載の感熱記録体。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
JP2000171891A JP4182625B2 (ja) | 2000-06-08 | 2000-06-08 | 感熱記録体 |
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