以下、本発明の内容を具体的に説明する。本発明の感熱記録材料は、電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤を主成分とし、水酸化アルミニウムを該染料前駆体に対して400〜800質量%含有させ、必要に応じて、その他感熱記録材料分野で従来より公知の接着剤、熱溶融化合物、保存性改良剤、各種顔料などを含有させた感熱記録層を、支持体上に形成させてなるものである。
本発明において、感熱記録層中に含有する水酸化アルミニウムは、白色の無機粉体であり、例えば、商品名「ハイジライト」(昭和電工(株)社製)、商品名「B703」、「B1403」(以上、日本軽金属(株)社製)として市販されている。本発明では、水酸化アルミニウムは、染料前駆体に対して400〜800質量%、より好ましくは450〜650質量%含有して用いられる。含有量が400質量%よりも少ないと、スティッキング性能の向上効果が発現せず、逆に、含有量が800質量%よりも多いと、スティッキング性能を十分に有するものの発色感度の低下が激しい。含有量が450〜650質量%のときには、スティッキング性能と発色感度のバランスが最も優れている。
また、本発明では、水酸化アルミニウム粉体の大きさは、特に制限されるものではないが、50%累積平均粒径が0.10〜3.00μmであることが好ましく、本範囲の市販品が利用でき、例えば、「ハイジライトH42」、「ハイジライトH42M」(以上、50%累積平均粒径1.10μm)、「ハイジライトH43」、「ハイジライトH43M」(以上、50%累積平均粒径0.75μm)、「B703」(50%累積平均粒径2.00μm)、「B1403」(50%累積平均粒径1.00μm)などである。さらに、これらをサンドミル、ボールミル等の既知の粉砕装置を用いて湿式分散して微粒子化して利用することもできる。50%累積平均粒径が本範囲に入るとき、スティッキング性能と発色感度のバランス面で有利となる。
本発明における、電子供与性染料前駆体としては、一般に感圧記録材料や感熱記録材料などに用いられる化合物を使用することができ、その発色色調についても特に制限されるものではない。具体例としては、下記に挙げるものなどがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
黒系の染料前駆体としては、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−カルボメトキシフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロペンチル−N−エチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−4−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−4−トルイジノ)−6−メチル−7−(4−トルイジノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−(4−ブチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
赤系の染料前駆体としては、 3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)テトラクロロフタリド、3,3−ビス(1−n−ブチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−プロピル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(2メチルインドール−3−イル)フタリド、ローダミンB−アニリノラクタム、ローダミンB−(o−クロロアニリノ)ラクタム、ローダミンB−(p−ニトロアニリノ)ラクタム、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロ−8−ベンジルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(N−アセチル−N−メチル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルエトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−メチルフェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノベンゾ[a]フルオラン、3−ジエチルアミノベンゾ[c]フルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−4−メチルフェニル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エトキシエチル−N−エチル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エトキシエチル−N−エチル)アミノ−7−クロロフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジアリルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジアリルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ピロリジルアミノ−7−メチルフルオラン、3−エチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミルアミノ−ベンゾ[a]フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3,6−ビス(ジエチルアミノフルオラン)−γ−(4′−ニトロ)アニリノラクタム、
緑系の染料前駆体としては、3−(N−エチル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−(N−フェニル−N−メチル)アミノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−プロピル)アミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−プロピル)アミノ−6−クロロ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−4−メチルフェニル)アミノ−7−(N−メチル−N−フェニル)アミノフルオラン、3−(N−エチル−4−メチルフェニル)アミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−4−メチルフェニル)アミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−4−メチルフェニル)アミノ−6−メチル−7−(N−メチル−ベンジル)アミノフルオラン、3−(N−メチル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−プロピル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エトキシ−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ペンチル−N−アリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ペンチル−N−アリル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−クロロ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−(2−フルオロアニリノ)フルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2−クロロベンジルアニリノ)フルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチルアミノ)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(N−シクロヘキシル−N−ベンジルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(4−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エチルエトキシ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−クロルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−メチルフェニルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(N−シクロヘキシル−N−ベンジルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3−トリフルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロベンジルアニリノ)フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−クロロ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2−フルオロアニリノ)フルオラン、3−[p−(p−アニリノアニリノ)アニリノ]−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−アニリノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−アニリノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−(7−シクロヘキシルアニリノ)フルオラン、3−ジベンジルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3,7−ビス(ジベンジルアミノ)フルオラン、3−ジベンジルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、
青系の染料前駆体としては、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−アミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−エチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−プロピルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−ペンチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−ヘキシルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジヒドロキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジクロロアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジブロモアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジアリルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジヒドロキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメトキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエトキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジシクロヘキシルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメチルエトキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルエトキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルブトキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメチルシクロヘキシルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメトキシシクロヘキシルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ピロリジルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(3−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2,3−ジエトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−クロロ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(3−クロロ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ブロモ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(3−ブロモ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−n−プロピル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(3−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ニトロ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−アリル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−シアノ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−シクロヘキシルエトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチルエトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−シクロヘキシルエチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(2−エチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−クロロインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−ブロモインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−エチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−プロピルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メトキシインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−エトキシインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリド、3−(1−エチル−4,5,6,7−テトラクロロ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−ニトロ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−メトキシ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−メチルアミノ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−クロロ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−ブロモ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−n−プロピル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−ブチル−2−インドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−n−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリド、3−(1−n−ノニル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メトキシ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エトキシ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−フェニル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−n−ヘプチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−ノニル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−n−ヘキシルオキシフェニル)−4−アザフタリドなどが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して用いることができる。
また、機能性の染料前駆体として、近赤外領域に吸収を有するものがある。この染料前駆体を高温発色用の染料前駆体として単独または、他の染料前駆体と併用して用いると、高温発色画像が近赤外領域に吸収のある、近赤外ランプでの自動読み取りが可能な画像とすることが出来る。
このような、近赤外領域に吸収を有する染料としては、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3−〔1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−6−ジメチルアミノフタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチルアミノ)フタリド、3−〔p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ〕−6−メチルフルオラン、3−〔p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(p−n−ブチルアミノアニリノ)−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−〔p−(p−アニリノアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6,8,8−トリメチル−9−エチル−8,9−ジヒドロ−(3,2,e)ピリドフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6,8,8−トリメチル−8,9−ジヒドロ−(3,2,e)ピリドフルオラン、3′−フェニル−7−N−ジエチルアミノ−2,2′−スピロジ−(2H−1−ベンゾピラン)、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−p−トリスルホニルメタン、3、7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノチアジンなどが挙げられる。これらの染料前駆体は必要に応じて単独、または2種以上組み合わせて用いることもできる。
次に、本発明における、電子受容性顕色剤としては、一般に感熱記録材料に用いられる化合物を使用することができる。具体例としては、下記に挙げるものなどがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンゼンスルホニルオキシジフェニルスルホン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ジ−〔2−(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,3−ジ−〔2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,4−ジ−〔2−(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、4,4′−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4′−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステアリル、N,N′−ジフェニルチオ尿素、4,4′−ビス[3−(4−メチルフェニルスルホニル)ウレイド]ジフェニルメタン、N−(4−メチルフェニルスルホニル)−N′−フェニル尿素、サリチルアニリド、5−クロロサリチルアニリド、サリチル酸、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、4−[2′−(4−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、3−(オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸あるいはこれらサリチル酸誘導体の金属塩、N−(4−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−メチルフェニルスルホニル)−N′−[3−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニル]ウレア、ウレアウレタン系化合物、スルホニルウレア系化合物などが挙げられる。これらの電子受容性顕色剤は必要に応じて単独、または2種以上組み合わせて用いることもできる。
また、染料前駆体と電子受容性顕色剤の含有比率は、これらの種類とその組合わせによって適宜決められるものであるが、染料前駆体の総量に対して電子受容性化合物の総量を100〜500質量%、好ましくは150〜350質量%を含有して使用される。
本発明の感熱記録層には、以上の主要成分に加えて、従来より公知の接着剤、熱溶融化合物、保存性改良剤、各種顔料、界面活性剤などを添加してもよく、特に限定されないが、発色特性に与える影響がより少ないものが特に好ましい。
接着剤の具体例としては、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、シラノール基変性ポリビニルアルコール、スルホン酸基変性ポリビニルアルコール、リン酸基変性ポリビニルアルコール、ブチラール基変性ポリビニルアルコール、エポキシ変性ポリビニルアルコール、キトサン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、オキシベンゾイルポリエステル、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩またはアンモニウム塩、その他各種ポリオレフィン系樹脂などが挙げられ、これらは、単独もしくは2種以上混合して用いることができる。
熱溶融化合物は、十分な発色感度を得るための増感剤として用いられ、例えば、ステアリン酸アミド、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、N−ステアリル尿素、ベンジル−2−ナフチルエーテル、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、α、α′−ジフェノキシキシレン、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル、アジピン酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(4−クロルベンジル)エステル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、ベンジルパラベン、ベンゼンスルホン酸フェニルエステル、4,4′−ジアリルオキシジフェニルスルホン、ジフェニルスルホン、4−アセチルアセトフェノン、アセト酢酸アニリド類、脂肪酸アニリド類、サリチルアニリドなど公知の熱溶融化合物が挙げられる。これらの化合物は単独もしくは2種以上併用して使用することもできる。
保存性改良剤は、発色画像部の保存性を高めるために用いられ、例えば、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−(2,2−プロピリデン)ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(5−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−クロロ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4′−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、N,N′−ビス(2−ナフチル)−1,4−フェニレンジアミン、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ソーダ、イソシアネート化合物などを添加することができる。
本発明において、水酸化アルミニウム以外として、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、白色度向上、サーマルヘッドへの印字カス防止などの目的に応じて、各種顔料を併用することができる。例えば、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、非晶質シリカ、非晶質ケイ酸カルシウム、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト等の白色無機顔料、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等の単量体を主成分とする樹脂または、これらの単量体を主成分とする共重合樹脂等を殻とする有機中空粒子、貫通孔を有する有機顔料、開口部を有する有機顔料等公知の顔料が挙げられる。
また、従来よりスティッキング性向上のために使用されているステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、カスターワックスなどのワックス類を、耐水性を持たせるために各種の硬膜剤、架橋剤を、ジオクチルスルホこはく酸ナトリウムなどの分散剤、界面活性剤、蛍光染料、着色染料、ブルーイング剤などを含有させることができる。
その他、耐光性を向上させるために酸化防止剤、紫外線吸収剤を含有させることができる。酸化防止剤の例としては、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、及びスルフィド系酸化防止剤などが挙げられるが特に限定はされない。また、紫外線吸収剤の例としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などの有機化合物、及び酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウムなどの無機物が挙げられるが特に限定はされない。
本発明において、感熱記録層を設ける支持体は、透明、半透明、及び不透明のいずれであってもよく、紙、各種不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、セラミック紙、ガラス板など、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができる。
本発明において、感熱記録層と支持体の間に、平滑性、断熱性などを向上させるために中間層を設けても良い。中間層には、各種樹脂、有機顔料、無機顔料、各種中空粒子などを含有させることができる。
本発明では、感熱記録層の上に、画像保存性の向上、スクラッチ傷の防止、耐水性の向上、光沢性の付与などを目的として保護層を設けても良い。保護層には、各種樹脂、有機顔料、無機顔料、各種中空粒子、各種硬化剤、各種架橋剤、紫外線吸収剤などを含有させ、単層または二層以上を積層させることができる。また、感熱記録層または保護層の表面にUVインキなどによる印刷などを行ってもよい。
本発明において、感熱記録層が設けられている面と反対側の面には、カール防止や帯電防止などを目的としてバックコート層を設けても良く、さらに粘着加工などを行ってもよい。また、感熱記録層が設けられている面または、反対側の面に、電気的、磁気的、または光学的に情報が記録可能な材料を含む層やインクジェット記録層、熱転写受像層などを設けても良い。
本発明における各層の形成方式については、特に限定されることなく、周知の技術を用いて形成することができ、例えば、エアーナイフコーター、各種ブレードコーター、各種バーコーター、各種カーテンコーター等の塗布装置や、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン等の各種印刷方式等を用いることができる。さらに、表面平滑性を改良するために、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、ブラッシング等の装置を利用することができる等、感熱記録材料製造に於ける種々の公知技術を用いることができる。感熱記録層の乾燥質量としては、2〜10g/m2が好ましく、また、感熱記録層と支持体の間に設ける中間層の乾燥質量としては、4〜15g/m2が好ましい。
以下の様にして、実施例1で使用する感熱記録材料を作製し、特性評価を実施した。
(1)感熱記録層塗工液の調製
以下の通り調製した(A)〜(C)の分散液を、ダイノミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて、各々、体積平均粒径1.0μmになるまで湿式粉砕した。
(A)黒色発色性染料前駆体分散液
10質量%ポリビニルアルコール水溶液(日本合成化学工業(株)社製、商品名ゴーセランL3266) 80.0部
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 80.0部
水 70.0部
(B)電子受容性顕色剤分散液
10質量%ポリビニルアルコール水溶液(日本合成化学工業(株)社製、商品名ゴーセランL3266) 130.0部
4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン 130.0部
水 110.0部
(C)熱溶融化合物分散液
10質量%ポリビニルアルコール水溶液(日本合成化学工業(株)社製、商品名ゴーセランL3266) 100.0部
1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン 80.0部
N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド 20.0部
水 100.0部
下記成分からなる感熱記録層塗工液を調製した。このとき、水酸化アルミニウムは染料前駆体に対して600質量%含有されている。
A液 230.0部
B液 370.0部
C液 300.0部
40質量%水酸化アルミニウム分散液(昭和電工(株)社製、商品名ハイジライトH42、50%累積粒径1.10μm) 1200.0部
20質量%非晶質シリカ分散液(水澤化学工業(株)社製、商品名ミズカシルP527、50%累積粒径1.60μm) 150.0部
50質量%ステアリン酸亜鉛分散液 90.0部
10質量%ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)社製、商品名NM−11)水溶液 1100.0部
水 540.0部
(2)中間層塗工液の調製
下記成分からなる中間層塗工液を調製した。
10質量%ヘキサメタリン酸ソーダ 10.0部
焼成カオリン(エンゲルハード社製、商品名アンシレックス) 100.0部
12質量%酸化澱粉溶液 50.0部
48質量%SBRラテックス分散液 25.0部
水 79.0部
(3)中間層の形成
得られた中間層塗工液を、50g/m2の上質紙にブレードコーターにて固形分塗布量が9g/m2となるように塗布乾燥して中間層を形成した。
(4)感熱記録層の形成
(1)で調製した感熱記録層塗工液を、上記中間層上に固形分塗布量7g/m2となるように塗工、乾燥した後、この塗工紙をカレンダー処理して、ベック平滑度400〜600秒になるように仕上げ、実施例1の感熱記録材料を得た。
作製した感熱記録材料を以下の評価に供した。
評価1 [発色感度]
大倉電気(株)製印字テスト機(TH−PMD)を用いて、0.30mJ/dot、0.40mJ/dotの各々の印可エネルギーで印字を行った。そのときの印字濃度をマクベス反射濃度計RD−918型(アンバーフィルター使用)を用いて測定した。評価結果を表1に示す。
評価2 [スティッキング性]
キヤノン電子(株)製ハンディターミナルプリンタ(装置名PREA CT−1)を用いて、20℃、65%RHの常温下、及びマイナス5℃の低温下の各々でテスト印字を行い、そのときのスティッキング音及び白い横筋状の印字ヌケを確認した。スティッキング音及び印字ヌケの発生しないものを○、スティッキング音が発生するが印字ヌケの無いものを△、スティッキング音及び印字ヌケともに激しく発生するものを×として評価した。評価結果を表1に示す。
評価3 [捺印性]
シャチハタ(株)製インキ内蔵型印鑑(商品名Xスタンパー)を用いて、感熱記録面の白紙部へ捺印し、その10秒後に、(株)クレシア製拭き取り紙(商品名キムワイプ)で拭き取り、そのときの印影の明瞭さ及びインキの擦れ汚れ具合を確認した。印影が明瞭であり、インキ擦れ汚れが発生しないものを○、印影が明瞭だがインキ擦れ汚れが認められるものを△、印影が不明瞭でインキ擦れ汚れも激しく発生するものを×として評価した。評価結果を表1に示す。
評価4 [鉛筆筆記性]
三菱鉛筆(株)製2H黒鉛筆(商品名ユニ)を用いて、感熱記録面の白紙部へ筆記し、筆記の滑らかさ及び筆記文字の濃さを確認した。筆記が滑らかであり、文字が濃いものを○、筆記が滑らかだが文字が薄いものを△、筆記が滑らかではなく文字が薄いものを×として評価した。評価結果を表1に示す。
実施例1で用いた電子受容性顕色剤分散液(B液)の組成を、以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価1〜4を実施した。このとき、水酸化アルミニウムは染料前駆体に対して600質量%含有されている。評価結果を表1に示す。
10質量%ポリビニルアルコール水溶液(日本合成化学工業(株)社製、商品名ゴーセランL3266) 130.0部
2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン 130.0部
水 110.0部
比較例1
実施例1で用いた感熱塗工層記録液の組成中、40質量%水酸化アルミニウム分散液の部数を、400部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価1〜4を実施した。このとき、水酸化アルミニウムは染料前駆体に対して200質量%含有されている。評価結果を表1に示す。
比較例2
実施例1で用いた感熱塗工層記録液の組成中、40質量%水酸化アルミニウム分散液の部数を、700部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価1〜4を実施した。このとき、水酸化アルミニウムは染料前駆体に対して350質量%含有されている。評価結果を表1に示す。
比較例3
実施例1で用いた感熱塗工層記録液の組成中、40質量%水酸化アルミニウム分散液の部数を、1700部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価1〜4を実施した。このとき、水酸化アルミニウムは染料前駆体に対して850質量%含有されている。評価結果を表1に示す。
比較例4
実施例1で用いた感熱塗工層記録液の組成中、40質量%水酸化アルミニウム分散液を、700部に変更し、20質量%非晶質シリカ分散液の部数を、1150部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価1〜4を実施した。このとき、水酸化アルミニウムは染料前駆体に対して350質量%含有されている。評価結果を表1に示す。
比較例5
実施例1で用いた感熱塗工層記録液の組成中、40質量%水酸化アルミニウム分散液を、40質量%炭酸カルシウム分散液(白石工業(株)社製、商品名ブリリアント−15、50%累積粒径0.22μm)と変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価1〜4を実施した。評価結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、実施例1〜4は、本発明内容を実施しており、発色感度、スティッキング性、捺印性及び鉛筆筆記性のいずれの評価項目が優れていた。これに対し、本発明の規定よりも水酸化アルミニウムの含有量が少ない比較例1、2では、スティッキング性、捺印性及び鉛筆筆記性が悪かった。また、本発明の規定よりも水酸化アルミニウムの含有量が多い比較例3では、発色感度が低かった。また、水酸化アルミニウム、シリカを含めた総顔料の比率が染料前駆体に対して400〜800質量%であるが、水酸化アルミニウム単独での比率が本発明の規定外である比較例4は、発色感度及びスティッキング性が悪かった。また、染料前駆体に対する顔料の含有比率が400〜800質量%であるが、顔料に水酸化アルミニウムを含まない比較例5は、発色感度及びスティッキング性が悪かった。