JP7067462B2 - 感熱記録体 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱記録体に関するものである。
無色または淡色のロイコ染料と、フェノール類または有機酸との加熱発色反応を利用して発色画像を記録する感熱記録体は、広く実用化されている。このような感熱記録体は、単に加熱するだけで発色画像が形成されるため、記録装置をコンパクトにでき、記録装置の保守も容易で、騒音の発生が少ないなどの利点を有している。そのため、感熱記録体は、ファクシミリ、コンピューターの出力機、ラベルプリンターなどの発行機、自動券売機、CD・ATM、飲食店等の注文伝票出力機、科学研究用機器のデータ出力機などにおける各種情報記録材料として広範囲に使用されている。
感熱記録体が多様な用途に展開されるに伴い、感熱記録体の性能向上に対する要請も高くなってきている。すなわち、発色画像が濃く鮮明であって、白抜け(印字欠け)の発生が少ないといった品質上の要望が存在している。また、感熱記録体を低コストで製造するために、塗工性等に優れているといった製造上の要望も存在している。
そこで、このような種々の要望に対して、多くの改良技術が開発されている。例えば、感熱記録体の支持体と感熱記録層との間に設けられたアンダーコート層に中空粒子を含有させて、アンダーコート層の断熱性を高めることにより、感熱記録体の感度を向上させるという方法が知られている。このアンダーコート層に中空粒子を含有させる方法については、さらに多くの改良技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、発泡タイプのプラスチック球状中空フィラーを含有するアンダーコート層を用いる方法が開示されている。また、特許文献2には、非発泡タイプの中空粒子を用いる方法が開示されている。
特開平5-238143号公報 国際公開第2016/195076号
しかし、特許文献1に記載の方法は、中空粒子として発泡タイプの中空粒子を使用しているため、塗工層の強度が弱く、塗工性において改善の余地を有するものであった。また、特許文献2に記載の方法は、中空粒子としてスチレン-アクリル系樹脂からなる非発泡タイプの中空粒子を使用しているが、画質や記録濃度の点において改善の余地を有するものであった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、画質と記録濃度に優れ、製造時の塗工性と塗工層の強度にも優れた感熱記録体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解消するために、アンダーコート層に用いる中空粒子についての検討を進めた。その結果、高中空率であって比較的大きい粒子径を有した非発泡タイプの中空粒子を使用することにより、比較的少量の添加量であっても、高画質かつ高感度の感熱記録体とすることが可能であることを見出した。本発明はこのような知見を踏まえて完成するに至ったものである。すなわち、本発明は以下のような構成を有している。
(1)支持体上にアンダーコート層を介して感熱記録層を設けた感熱記録体であって、前記アンダーコート層は中空粒子を含有し、前記中空粒子は、アルカリ膨潤性を有するコア粒子をアルカリ膨潤性を有さないシェル層で被覆したコア-シェル構造を有する非発泡タイプの中空粒子であり、前記中空粒子の平均粒子径が2.5~8μmであり、前記中空粒子の中空率が60%以上であり、前記アンダーコート層における前記中空粒子の含有量が10~50質量%であることを特徴とする感熱記録体。
(2)前記中空粒子は、スチレン-アクリル系樹脂からなることを特徴とする前記(1)に記載の感熱記録体。
(3)前記中空粒子の平均粒子径が3μmを超え6μm以下であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の感熱記録体。
(4)前記アンダーコート層の形成量が、2~6g/mであることを特徴とする前記(1)~(3)のいずれか1項に記載の感熱記録体。
(5)前記アンダーコート層が、平均粒子径が異なる2種類以上の中空粒子を含有することを特徴とする前記(1)~(4)のいずれか1項に記載の感熱記録体。
本発明の感熱記録体は、画質と記録濃度に優れ、製造時の塗工性と塗工層の強度にも優れている。
本発明の実施形態について説明する。但し、本発明の実施形態は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態の感熱記録体は、支持体上にアンダーコート層を介して感熱記録層が設けられている。以下、感熱記録体を構成する材料について説明する。
[支持体]
支持体は、種類、形状、寸法等に格別の限定はなく、例えば、上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙、ポリオレフィン系合成紙、合成繊維紙、不織布、合成樹脂フィルム等の他、各種透明支持体等の中から適宜選択して使用することができる。支持体の厚みは特に制限されず、通常、20~200μm程度である。
[アンダーコート層]
アンダーコート層は、支持体と感熱記録層との間に設けられている。アンダーコート層は、中空粒子と結着樹脂を含有している。
(中空粒子)
有機樹脂からなる中空粒子は、アンダーコート層に含有させることによって、アンダーコート層の断熱性を高めることができ、その結果、感熱記録体としての感度を高めることができる。
有機樹脂からなる中空粒子は、その製造方法の違いによって、発泡タイプと非発泡タイプとに分けることができる。中空粒子の製造方法は、発泡タイプおよび非発泡タイプのいずれについても種々の製造方法が知られている。代表的な製造方法としては以下のようなものがある。
発泡タイプの中空粒子の製造方法は、まず樹脂の内部に揮発性液体を封じ込めた粒子を作成し、粒子を分離・乾燥させた後、加熱により樹脂を軟化させるとともに、内部の液体を気化・膨張させて、中空粒子とするものである。
非発泡タイプの中空粒子の製造方法は、溶液中でシードを重合させた後に、シードを包むように他の樹脂を重合させ、その後内部のシードを膨潤・溶解させて除去することにより、内部に空洞を形成するものである。内部のシードを膨潤・溶解させて除去するときには、アルカリ水溶液等が用いられる。
発泡タイプの中空粒子は、一般に、非発泡タイプの中空粒子より平均粒子径が大きく中空率も高い。そのため、発泡タイプの中空粒子は、非発泡タイプの中空粒子より良好な感度、画質が得られるが、塗工層の強度が弱い。
一方、非発泡タイプの中空粒子は、一般に、平均粒子径が小さく中空率も低い。そのため、良好な感度、画質を得るには、アンダーコート層における中空粒子の含有量を高くする必要がある。しかし、中空粒子の含有量を高くすると、アンダーコート塗料の保水性が低下し、塗工性が低下(スクラッチやストリークの発生)する。
そこで、本実施形態では、新たに、平均粒子径が大きい非発泡タイプの中空粒子を低含有量で用いることとした。本実施形態の中空粒子は、アルカリ膨潤性を有するコア粒子をアルカリ膨潤性を有さないシェル層で被覆したコア-シェル粒子をアルカリ膨潤処理することにより得ることができる。すなわち、本実施形態の中空粒子は、アルカリ膨潤性を有するコア粒子をアルカリ膨潤性を有さないシェル層で被覆したコア-シェル構造を有する非発泡タイプの中空粒子である。
非発泡タイプの中空粒子の製造方法に適性がある単量体としては、スチレン系、アクリル系、アクリロニトリル系等のビニル系単量体がある。スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、クロルスチレン、t?ブチルスチレン等が挙げられる。アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。アクリロニトリル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。その他のビニル系単量体としては、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、無水マレイン酸、N?メチルマレイミド、N?フェニルマレイミド等が挙げられる。
上記の種々の単量体の中でも、製造の容易さの観点から、スチレン系単量体とアクリル系単量体の組み合わせが好ましく、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステルとの組み合わせがより好ましい。すなわち、中空粒子は、スチレン-アクリル系樹脂からなることが好ましく、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂からなることがより好ましい。
非発泡タイプの中空粒子の平均粒子径は、2.5~8μmである。また、中空粒子の平均粒子径は、3μmを超え6μm以下であることが好ましく、3.5~5μmあることがより好ましく、4~5μmであることがさらに好ましい。非発泡タイプの中空粒子であって、平均粒子径が前記の比較的大きな範囲内にあると、より少ない添加量で高画質かつ高感度とすることができる。中空粒子の平均粒子径は、レーザーを用いた回折散乱法等によって測定することができる。
非発泡タイプの中空粒子は、中空率が60%以上であり、70~85%であることが好ましい。中空粒子の中空率が前記の比較的大きな範囲内にあると、より少ない添加量で断熱性の向上を図ることができる。中空粒子の中空率は、電顕写真から外径と内径を測定することにより求めることができる。
本実施形態の非発泡タイプの中空粒子は、粒子径が大きく、中空率が高いため、アンダーコート層に対する中空粒子の添加量が少なくても、画質と記録濃度に優れている。
アンダーコート層における非発泡タイプの中空粒子の含有量は、10~50質量%であり、20~45質量%であることが好ましい。10質量%より少ないと、断熱性の向上の観点から問題である。また、50質量%より多いと、アンダーコート層の保水性が低下して塗工性が問題となる。ここで、アンダーコート層における中空粒子の含有量とは、固形分として求めた数値である。
平均粒子径が2.5~8μmであって中空率が60%以上である中空粒子を第一中空粒子とする。本実施形態では、第一中空粒子以外に、平均粒子径が異なる第二中空粒子をアンダーコート層に含有させることができる。第二中空粒子は、平均粒子径が0.3~1.5μmが好ましく、0.5~1.2μmがより好ましい。また、第二中空粒子は、中空率が30~60%が好ましく、40~55%がより好ましい。
第二中空粒子は第一中空粒子よりも平均粒子径が小さいものであるため、両者を併用すると、アンダーコート層において、第一中空粒子の隙間に第二中空粒子を充填することができる。そうすると、アンダーコート層をより一層断熱性に優れたものとすることができる。第一中空粒子と第二中空粒子の混合比率は、質量比で、1/4~10/1が好ましい。
(結着樹脂)
アンダーコート層に用いられる結着樹脂としては、例えば、水溶性高分子が使用される。水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール及びその誘導体、澱粉及びその誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、カゼイン、ゼラチン及びそれらの誘導体等が挙げられる。これらの中では、カルボキシメチルセルロースが特に好ましい。本実施形態では、中空率が比較的大きな範囲内にある中空粒子を、カルボキシメチルセルロースの存在下でアンダーコート層中に含有させることによって、本発明の効果を遺憾なく発揮させることができる。
水溶性高分子以外の結着樹脂としては、例えば、アクリルアミド-アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド-アクリル酸エステル-メタアクリル酸エステル共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、イソブチレン-無水マレイン酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のエマルジョン、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン-アクリル系共重合体等が挙げられる。これらの樹脂は、水中に分散したラテックスとして使用されることが多い。結着樹脂は前記の樹脂の中から1種以上を適宜選択して用いることができる。
アンダーコート層には、シリカ、焼成カオリン等の空隙率の高い顔料を使用することにより、感熱記録層の記録感度をさらに上げることができる。これは、空隙率の高い顔料を使用すると、断熱性が高くなり感度、画質が良好となるからである。アンダーコート層には、さらに、必要に応じて、公知の架橋剤、蛍光染料等を添加することができる。
アンダーコート層は、中空粒子および結着樹脂を含有するアンダーコート層用塗工液を支持体上に塗布及び乾燥して形成される。アンダーコート層の形成量は、支持体の被覆性の観点から、1.5g/m以上が好ましく、2~6g/mがより好ましい。ここで、アンダーコート層の形成量は、固形分として求めた数値である。
[感熱記録層]
感熱記録層は、一般に、染料前駆体および顕色剤を含有している。感熱記録層は、加熱された箇所の染料前駆体と顕色剤とを融解させ、顕色剤によって染料前駆体を開環させて発色させることで、加熱された箇所に文字や図形を表示する層である。
感熱記録層は、感熱記録層用の塗工液をアンダーコート層上に塗布および乾燥させて形成される。感熱記録層用の塗工液は、例えば、水を分散媒体とし、染料前駆体および顕色剤の微粒子、バインダー、保存性改良剤、増感剤等を共に、或いは別々に分散した分散液を用いて、調製される。感熱記録層用塗工液の塗布量は、乾燥重量で好ましくは2~12g/m、より好ましくは2~8g/m、更に好ましくは2~7g/mとなるように支持体上に塗布される。
(染料前駆体)
感熱記録層に含有される代表的な染料前駆体として、無色又は淡色のロイコ染料が挙げられる。ロイコ染料には、トリフェニルメタン系、フルオラン系、ジフェニルメタン系化合物などがあり、適宜選択して使用することができる。また、ロイコ染料には、赤、朱、マゼンタ、青、シアン、黄、緑、黒等の発色色調を有する染料があり、適宜選択して使用することができる。
染料前駆体としては、例えば、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、3-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)-3-(4-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、フルオラン等の青発色性染料、3-(N-エチル-N-p-トリル)アミノ-7-N-メチルアニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-ジベンジルアミノフルオラン等の緑発色性染料、3,6-ビス(ジエチルアミノ)フルオラン-γ-アニリノラクタム、3-シクロヘキシルアミノ-6-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-クロロフルオラン等の赤発色性染料、3-(N-エチル-N-イソアミル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-メチル-N-シクロヘキシル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジ(n-ブチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジ(n-ペンチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-クロロフェニルアミノ)フルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-6-メチル-7-(p-トルイジノ)フルオラン、3-(N-エチル-N-テトラヒドロフルフリルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロロ-7-アニリノフルオラン、3-ジメチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ピペリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、2,2-ビス{4-〔6’-(N-シクロヘキシル-N-メチルアミノ)-3’-メチルスピロ〔フタリド-3,9’-キサンテン-2’-イルアミノ〕フェニル}プロパン、3-ジエチルアミノ-7-(3’-トリフルオロメチルフェニル)アミノフルオラン等の黒発色性染料、3,3-ビス〔1-(4-メトキシフェニル)-1-(4-ジメチルアミノフェニル)エチレン-2-イル〕-4,5,6,7-テトラクロロフタリド、3,3-ビス〔1-(4-メトキシフェニル)-1-(4-ピロリジノフェニル)エチレン-2-イル〕-4,5,6,7-テトラクロロフタリド、3-p-(p-ジメチルアミノアニリノ)アニリノ-6-メチル-7-クロロフルオラン、3-p-(p-クロロアニリノ)アニリノ-6-メチル-7-クロロフルオラン、3,6-ビス(ジメチルアミノ)フルオレン-9-スピロ-3’-(6’-ジメチルアミノ)フタリド等の近赤外領域に吸収波長を有する染料等が挙げられる。勿論、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて2種以上を併用することもできる。なかでも、3-ジ(n-ブチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジ(n-ペンチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、及び3-(N-エチル-N-イソアミルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオランは記録感度、印字保存性に優れているため、好ましく用いられる。
染料前駆体の含有量は、感熱記録層の全固形分に対して5~30質量%が好ましく、7~30質量%がより好ましく、7~25質量%が更に好ましい。染料前駆体の含有量を5質量%以上にすると発色濃度が向上し、染料前駆体の含有量を30質量%以下にすると耐熱性が向上する。また、感熱記録層中における染料前駆体の単位面積あたりの含有量は、好ましくは0.2~2.0g/m、より好ましくは0.4~1.5g/mである。染料前駆体の単位面積あたりの含有量は、高速液体クロマトグラフィー法等により測定することができる。
(顕色剤)
顕色剤は、加熱により染料前駆体と反応して発色する。顕色剤は、感熱記録体の感度を向上させるため、好ましくは粉砕した微粒子として使用される。
顕色剤の具体例としては、例えば、4-tert-ブチルフェノール、4-アセチルフェノール、4-tert-オクチルフェノール、4,4’-sec-ブチリデンジフェノール、4-フェニルフェノール、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’-イソプロピリデンジフェノール、4,4’-シクロヘキシリデンジフェニル、4,4’-シクロヘキシリデンジフェノール、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-エタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、4,4’-ビス(p-トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’-ビス〔4-(4-ヒドロキシフェニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’-チオビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-イソプロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-n-プロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-ベンジルオキシジフェニルスルホン、3,3’-ジアリル-4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(p-ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p-ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、ビス(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、4-ヒドロキシ-4’-メチルジフェニルスルホン、4-アリルオキシ-4’-ヒドロキシジフェニルスルホン、3,4-ジヒドロキシフェニル-4’-メチルフェニルスルホン等のフェノール性化合物等のフェノール性化合物、4-ヒドロキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシフタル酸ジメチル、4-ヒドロキシ安息香酸メチル、4-ヒドロキシ安息香酸プロピル、4-ヒドロキシ安息香酸-sec-ブチル、4-ヒドロキシ安息香酸フェニル、4-ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4-ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、4-ヒドロキシ安息香酸トリル、4-ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル等のフェノール性化合物、又は安息香酸、p-クロロ安息香酸、p-tert-ブチル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3-tert-ブチルサリチル酸、3-イソプロピルサリチル酸、3-ベンジルサリチル酸、3-(α-メチルベンジル)サリチル酸、3,5-ジ-tert-ブチルサリチル酸、4-〔2-(p-メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、4-〔3-(p-トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸、5-〔p-(2-p-メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸、4-{3-(p-トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛等の芳香族カルボン酸、及びこれらフェノール性化合物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属との塩、更にはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等の有機酸性物質、N-p-トルエンスルホニル-N’-3-(p-トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N-p-トルエンスルホニル-N’-p-ブトキシカルボニルフェニルウレア、N-p-トリルスルホニル-N’-フェニルウレア、4,4’-ビス(p-トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4,4’-ビス[(4-メチル-3-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン等のウレア化合物、N,N’-ジ-m-クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、N-(p-トルエンスルホニル)カルバモイル酸p-クミルフェニルエステル、N-(p-トルエンスルホニル)カルバモイル酸p-ベンジルオキシフェニルエステル、N-[2-(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、N-(o-トルオイル)-p-トルエンスルホアミド等の分子内に-SO2NH-結合を有する有機化合物、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質等が挙げられる。
さらに、下記一般式(1)で表される4,4’-ビス〔(4-メチル-3-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、4,4’-ビス〔(2-メチル-5-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、4-(2-メチル-3-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド-4’-(4-メチル-5-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイドジフェニルスルホン等のウレアウレタン誘導体、下記一般式(2)で表されるジフェニルスルホン誘導体等が挙げられる。もちろん、これらに制限されるものではなく、また必要に応じて2種以上の化合物を併用することもできる。
Figure 0007067462000001
Figure 0007067462000002
(式中、nは1~6の整数を表す。)
かかる顕色剤の含有量は、特に制限されず、使用されるロイコ染料に応じて調整すればよく、一般にロイコ染料1質量部に対して0.5質量部以上が好ましく、0.8質量部以上がより好ましく、1質量部以上が更に好ましく、1.2質量部以上がより一層好ましく、1.5質量部以上が特に好ましい。また、顕色剤の含有量はロイコ染料1質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、4質量部以下が更に好ましく、3.5質量部以下が特に好ましい。0.5質量部以上とすることにより、記録性能を高めることができる。一方、10質量部以下とすることにより、高温環境下での地肌カブリを効果的に抑えることができる。
本実施形態では、感熱記録層中に、主に発色像の保存性をより一層高めるために、保存性改良剤を更に含有させることができる。このような保存性改良剤としては、例えば、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、4,4’-〔1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)〕ビスフェノール、4,4’-〔1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)〕ビスフェノール等のフェノール化合物;4-ベンジルオキシフェニル-4’-(2-メチル-2,3-エポキシプロピルオキシ)フェニルスルホン、4-(2-メチル-1,2-エポキシエチル)ジフェニルスルホン、4-(2-エチル-1,2-エポキシエチル)ジフェニルスルホン等のエポキシ化合物;並びに1,3,5-トリス(2,6-ジメチルベンジル-3-ヒドロキシ-4-tert-ブチル)イソシアヌル酸等のイソシアヌル酸化合物から選ばれる少なくとも1種以上を用いることができる。もちろん、これらに制限されるものではなく、また必要に応じて2種以上の化合物を併用することもできる。
保存性改良剤を使用する場合、その使用量は、保存性改良のために有効な量とすればよく、通常は、感熱記録層の全固形分中、1~30質量%程度が好ましく、5~20質量%程度がより好ましい。
本実施形態における感熱記録層中には増感剤を含有させることもできる。これにより、記録感度を高めることができる。増感剤としては、例えば、ステアリン酸アミド、メトキシカルボニル-N-ステアリン酸ベンズアミルド、N-ベンゾイルステアリン酸アミド、N-エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N-メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、ジフェニルスルホン、p-ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸フェニル、2-ナフチルベンジルエーテル、m-ターフェニル、p-ベンジルビフェニル、シュウ酸ジ-p-クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ-p-メチルベンジルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、p-トリルビフェニルエーテル、ジ(p-メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2-ジ(3-メチルフェノキシ)エタン、1,2-ジ(4-メチルフェノキシ)エタン、1,2-ジ(4-メトキシフェノキシ)エタン、1,2-ジ(4-クロロフェノキシ)エタン、1,2-ジフェノキシエタン、1-(4-メトキシフェノキシ)-2-(3-メチルフェノキシ)エタン、p-メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4-ジ(フェニルチオ)ブタン、p-アセトトルイジド、p-アセトフェネチジド、N-アセトアセチル-p-トルイジン、1,2-ジフェノキシメチルベンゼン、ジ(β-ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p-ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1-イソプロピルフェニル-2-フェニルエタン、アジピン酸ジ-o-クロルベンジル、1,2-ビス(3,4-ジメチルフェニル)エタン、1,3-ビス(2-ナフトキシ)プロパン、ジフェニル、ベンゾフェノン等が挙げられる。これらは支障のない範囲で併用できる。増感剤の含有割合は、増感のために有効な量とすればよく、通常は、感熱記録層の全固形分中、2~40質量%程度が好ましく、5~25質量%程度がより好ましい。
感熱記録層には、バインダーを含有させることができる。バインダーとしては、前記したアンダーコート層に用いられる結着樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
感熱記録層には、バインダーを硬化させる架橋剤を含有させることができる。架橋剤としては、例えば、グリオキザール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、グリオキシル酸塩、ジメチロールウレア化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物;過硫酸アンモニウム、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、四硼酸ソーダ、四硼酸カリウム等の無機化合物;硼酸、硼酸トリエステル、硼素系ポリマー、ヒドラジド化合物、グリオキシル酸塩等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。架橋剤の使用量は、感熱記録層の全固形分100質量部に対し、1~10質量部程度の範囲が好ましい。これにより、感熱記録層の耐水性を向上することができる。
感熱記録層には、必要に応じて、発明の効果を損なわない範囲内で、公知のワックス類、金属石鹸、有色染料、有色顔料、蛍光染料、撥油剤、消泡剤、粘度調節剤等を含有させることができる。ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、ポリエチレンワックス等のワックス類;ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;高級脂肪酸エステル、及びその誘導体等を挙げることができる。金属石鹸としては、高級脂肪酸多価金属塩、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、及びオレイン酸亜鉛等を挙げることができる。また、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、感熱記録層中に、更に撥油剤、消泡剤、粘度調節剤等の各種助剤を添加することができる。
[保護層]
感熱記録層の上にはさらに、感熱層を熱や各種外的要因から保護する保護層を設けることができる。保護層は、保護層用塗工液を、乾燥質量で好ましくは0.1~15g/m、より好ましくは0.5~8g/mとなるように、感熱記録層上に塗布して形成される。保護層用塗工液は、水を分散媒体として、例えば、バインダー、顔料、架橋剤、ワックス、その他助剤等を混合することにより調製される。バインダー及び顔料としては、前記の感熱記録層で例示したような材料を使用することができる。顔料やワックスを含有させることにより、サーマルヘッドに対するカス付着、及びスティッキング防止することができる。また、架橋剤を添加することによって、保護層に耐水性を付与することが可能である。
[感熱記録体]
支持体上に上記の各層を形成する方法としては、エアナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロールコーター法、スプレー法、ディップ法、バー法、カーテン法、スロットダイ法、スライドダイ法、エクストルージョン法等の既知の塗布方法のいずれを利用してもよい。また、各塗工液は1層ずつ塗布及び乾燥して各層を形成してもよく、同一の塗工液を2層以上に分けて塗布してもよい。さらに、2つ以上の層を同時に塗布する同時多層塗布を行ってもよい。
記録感度を高めて、画像均一性を向上する観点から、各層を形成し終えた後、又は全ての層を形成し終えた後の任意の過程で、スーパーカレンダーやソフトカレンダー等の既知の方法を用いて平滑化処理することが好ましい。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例、比較例に用いた材料は以下のとおりである。
(i)中空粒子A:商品名A-380、三水社製、スチレン-アクリル系樹脂からなる非発泡タイプ中空粒子、平均粒子径3.5μm、中空率78%、固形分濃度13.0%
(ii)中空粒子B:商品名A-580、三水社製、スチレン-アクリル系樹脂からなる非発泡タイプ中空粒子、平均粒子径5.0μm、中空率81%、固形分濃度13.0%
(iii)中空粒子C:商品名ローペイクSN-1055、ダウ ケミカル社製、スチレン-アクリル系樹脂からなる非発泡タイプ中空粒子、平均粒子径1.0μm、中空率55%、固形分濃度26.5%
(iv)中空粒子D:商品名サイビノールNS-2000、サイデン化学社製、非発泡タイプ中空粒子、平均粒子径2μm、中空率80%、固形分濃度20.0%
(v)中空粒子E:松本油脂社製、発泡タイプ中空粒子、平均粒子径3.5μm、中空率84%、固形分濃度34.0%
(vi)焼成カオリン:BASF社製、商品名アンシレックス93
(vii)カルボン酸変性澱粉:日澱化学社製、商品名ペトロコートC-8
(viii)スチレン・ブタジエン系ラテックス:旭化成社製、商品名:L-1571、固形分濃度48%
(ix)カルボキシメチルセルロース:第一工業製薬社製、商品名セロゲンAGガム
(実施例1)
(1)アンダーコート層用塗工液の調製
焼成カオリン45部を水53部に分散して得られた分散物に、中空粒子A 308部、カルボン酸変性澱粉の30%水溶液17部、スチレン・ブタジエン系ラテックス21部、カルボキシメチルセルロース1.6部を混合攪拌して、アンダーコート層用塗工液を得た。
(2)ロイコ染料分散液(A液)の調製
3-ジ-(n-ブチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、サンドミル(アイメックス社製、サンドグラインダー)を用いて、レーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が0.5μmになるまで粉砕して、ロイコ染料分散液(A液)を得た。
(3)顕色剤分散液(B液)の調製
4-ベンジルオキシ-4‘-ヒドロキシジフェニルスルホン40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、サンドミル(アイメックス社製、サンドグラインダー)を用いて、レーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が0.7μmになるまで粉砕して、顕色剤分散液(B液)を得た。
(4)増感剤分散液(C液)の調製
シュウ酸ジ-p-メチルベンジルエステル(商品名:HS-3520、DIC社製)40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、サンドミル(アイメックス社製、サンドグラインダー)を用いて、レーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmになるまで粉砕して、増感剤分散液(C液)を得た。
(5)感熱記録層用塗工液の調製
A液29部、B液59部、C液45部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセネックスZ-205、日本合成化学社製)の10%水溶液45部、スチレン・ブタジエン系ラテックス9.5部、軽質炭酸カルシウム(商品名:Brilliant-15、白石工業社製)25部、パラフィンワックス(商品名:ハイドリンL-700、中京油脂社製、固形分濃度30%)12部、グリオキシル酸ナトリウム塩(商品名:SPM-01、日本合成化学社製)3部、及び水50部を混合撹拌して、感熱記録層用塗工液を得た。
(6)保護層用塗工液の調製
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセネックスZ-200、日本合成化学工業社製)の10%水溶液300部、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH-42M、昭和電工社製)63部、ポリエチレンワックス(商品名:ケミパールW-400、三井化学社製、固形分濃度40%)0.5部、及び水60部からなる組成物を混合撹拌して、保護層用塗工液を得た。
(7)感熱記録体の作製
坪量60g/mの上質紙の片面上に、アンダーコート層用塗工液、感熱記録層用塗工液、保護層用塗工液を乾燥後の塗布量がそれぞれ4.0g/m、4.0g/m、及び2.0g/mとなるように塗布・乾燥して、アンダーコート層、感熱記録層、及び保護層を順次形成した後、スーパーカレンダーで表面を平滑化して感熱記録体1を得た。
(実施例2)
実施例1のアンダーコート層用塗料の調製において、中空粒子Aの使用量を192部に変更し、さらに中空粒子Cを57部使用する以外は実施例1と同様にして、感熱記録体2を得た。
(実施例3)
実施例1のアンダーコート層用塗料の調製において、焼成カオリンの分散物として、焼成カオリン60部を水70部に分散して得られた分散物に変更し、中空粒子Aの使用量を192部に変更する以外は実施例1と同様にして、感熱記録体3を得た。
(実施例4)
実施例1のアンダーコート層用塗料の調製において、中空粒子Aの代わりに、中空粒子Bを308部使用する以外は実施例1と同様にして、感熱記録体4を得た。
(実施例5)
実施例2のアンダーコート層用塗料の調製において、中空粒子Aの代わりに、中空粒子Bを192部使用する以外は実施例2と同様にして、感熱記録体5を得た。
(実施例6)
実施例3のアンダーコート層用塗料の調製において、中空粒子Aの代わりに、中空粒子Bを192部使用する以外は実施例3と同様にして、感熱記録体6を得た。
(比較例1)
実施例1のアンダーコート層用塗料の調製において、中空粒子Aの代わりに、中空粒子Cを151部に変更する以外は実施例1と同様にして、感熱記録体7を得た。
(比較例2)
実施例1のアンダーコート層用塗料の調製において、焼成カオリンの分散物として、焼成カオリン25部を水29部に分散して得られた分散物に変更し、中空粒子Aの代わりに、中空粒子Cを226部使用する以外は実施例1と同様にして、感熱記録体8を得た。
(比較例3)
実施例1のアンダーコート層用塗料の調製において、中空粒子Aの代わりに、中空粒子Dを200部使用する以外は実施例1と同様にして感熱記録体9を得た。
(比較例4)
実施例1のアンダーコート層用塗料の調製において、焼成カオリンの分散物として、焼成カオリン25部を水29部に分散して得られた分散物に変更し、中空粒子Aの代わりに、中空粒子Dを300部使用する以外は実施例1と同様にして感熱記録体10を得た。
(比較例5)
実施例1のアンダーコート層用塗料の調製において、中空粒子Aの代わりに、中空粒子Eを117部使用する以外は実施例1と同様にして、感熱記録体11を得た。
(比較例6)
実施例1のアンダーコート層用塗料の調製において、焼成カオリンの分散物として、焼成カオリン75部を水88部に分散して得られた分散物に変更し、中空粒子Aの代わりに、中空粒子Eを29部使用する以外は実施例1と同様にして、感熱記録体12を得た。
(比較例7)
実施例1のアンダーコート層用塗料の調製において、焼成カオリンの分散物として、焼成カオリン75部を水88部に分散して得られた分散物に変更し、中空粒子Aの代わりに、中空粒子Bを77部使用する以外は実施例1と同様にして感熱記録体13を得た。
[感熱記録体の評価]
得られた感熱記録体を40℃、50%RHの条件下で72時間放置後、下記の項目について評価し、その結果を表1に示した。
(画質)
感熱記録評価機(商品名:TH-PMD、大倉電機社製)を用い、印加エネルギー:0.16mJ/dotにて各感熱記録体を記録し、得られた印字部を目視にて観察した。なお、ここで判定する画質とは、感熱記録紙の塗工欠陥のない部位における画像の濃淡ムラに関する評価であり、判定基準は以下のとおりである。
◎:印字欠けがほとんどなく、記録濃度が均一
○:わずかに印字欠けがみられる
△:印字欠けがあり、印字濃度にバラつきがあるものの実使用上問題なし
×:印字欠けが多くあり、実使用上問題あり
(記録濃度)
感熱記録評価機(商品名:TH-PMD、大倉電機社製)を用い、印加エネルギー:0.16mJ/dot、0.24mJ/dotにて各感熱記録体を記録し、得られた印字部をマクベス濃度計(RD-914、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。数値が大きい程、印字の濃度が濃いことを示している。
0.16mJ/dot:0.90以上が望ましい
0.24mJ/dot:1.30以上が望ましい
(塗工性)
坪量60g/mの上質紙の片面上に、アンダーコート層用塗工液を乾燥後の塗布量が4.0g/mとなるように塗布・乾燥して、得られたアンダーコート層の表面を観察した。判定基準は以下のとおりである。
◎:塗工欠陥がほとんどなく、均質な塗工面が得られる
○:微小なスクラッチがみられる
△:微小なスクラッチ、ストリークがみられるものの実使用上問題なし
×:スクラッチ、ストリークが多く見られ、実使用上問題あり
(塗工層強度)
各感熱記録体について、RI印刷試験機でのドライピックの発生の有無で、塗工面強度の評価を実施した。
◎:塗工層剥がれが全くみられない
○:わずかに塗工層剥がれがみられることがある
△:わずかに塗工層剥がれがみられるものの実使用上問題なし
×:塗工層剥がれが多く見られ、実使用上問題あり
Figure 0007067462000003
表1から分かるように、実施例1~6の感熱記録体は、画質、記録濃度、塗工性および塗工層強度において優れたものであった。
比較例1の感熱記録体は、非発泡タイプの中空粒子ではあるが、平均粒子径が小さく、中空率も小さい中空粒子Cを用いているため、画質と記録濃度(0.16mJ/dot)において劣るものであった。
比較例2の感熱記録体は、中空粒子の含有量が高いため、塗工性に劣るものであった。
比較例3の感熱記録体は、非発泡タイプの中空粒子ではあるが、平均粒子径が小さい中空粒子Dを用いているため、画質と記録濃度(0.16mJ/dot)において劣るものであった。
比較例4の感熱記録体は、非発泡タイプの中空粒子ではあるが、平均粒子径が小さい中空粒子Dを用い、中空粒子の含有量が高いため、画質と記録濃度だけでなく塗工性においても劣るものであった。
比較例5の感熱記録体は、発泡タイプの中空粒子Eを用いているため、記録濃度(0.24mJ/dot)、塗工性および塗工層強度においても劣るものであった。
比較例6と比較例7の感熱記録体は、中空粒子の含有量が少ないため、画質と記録濃度(0.16mJ/dot)において劣るものであった。

Claims (4)

  1. 支持体上にアンダーコート層を介して感熱記録層を設けた感熱記録体であって、
    前記アンダーコート層は中空粒子および焼成カオリンを含有し、
    前記中空粒子は、スチレン-アクリル系樹脂からなる非発泡タイプの中空粒子であり、
    前記中空粒子の平均粒子径が2.5~8μmであり、
    前記中空粒子の中空率が60%以上であり、
    前記アンダーコート層における前記中空粒子の含有量が10~50質量%であることを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記中空粒子の平均粒子径が3μmを超え6μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記アンダーコート層の形成量が、2~6g/mであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の感熱記録体。
  4. 前記アンダーコート層が、平均粒子径が異なる2種類以上の中空粒子を含有することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の感熱記録体。
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