JP2008194843A - 感熱記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】合成紙又は合成樹脂フィルムからなる支持体と感熱発色層の間に、中空粒子含有アンダーコート層を設けた感熱記録材料において、感熱記録材料を浸水した場合でもアンダーコート層の成分が水に溶出せず、機械的強度が加わった場合でも剥がれず、かつ、高感度を有する感熱記録材料を提供する。
【解決手段】合成紙又は合成樹脂フィルムからなる支持体表面に、アンダーコート層と感熱発色層と保護層とを順次設けた感熱記録材料において、該アンダーコート層中に中空率50%以上の中空粒子とオキサゾリル基を有する反応性樹脂とを含有し、かつ該感熱発色層中にスチレン−ブタジエン系共重合体とオキサゾリル基を有する反応性樹脂とを含有することを特徴とする感熱記録材料。
【選択図】なし

Description

本発明は感熱記録材料の改良に関し、耐水結着性、発色感度および発色濃度に優れた感熱記録材料に関する。
感熱記録材料は、加熱により発色する感熱発色層(感熱記録層)を、紙、合成紙、樹脂フィルムなどの支持体上に形成した構造の記録材料であって、その発色のための加熱には、熱へッドを内蔵したサーマルプリンターなどが用いられている。
この記録方法は他の方法に比べ、現像、定着などの処理を施す必要がなく、比較的簡単な装置を用いて短時間で記録することができる上に、コストが安いなどという利点があり、生鮮食料品・弁当・惣菜用のPOS分野、図書・文書などの複写分野、ファクシミリなどの通信分野、券売機・レシート・領収書などの発券分野など多方面に用いられている。
最近では記録装置の小型化、高速化が求められており、感熱記録材料もそうした記録装置の小型化、高速化に伴い印字エネルギーの低下に対応した高感度化が望まれている。
上記高感度化の要求を満足するため、特許文献1〜5では、支持体と感熱発色層との間に中空樹脂粒子含有アンダーコート層を設けた感熱記録材料が提案され、高感度化を可能としている。
ところで、感熱記録材料は、通常、紙の支持体上に加熱によって発色反応を起こし得る発色成分含有層を設けるが、記録紙としての寸法安定性、物理強度、水に不溶性などの要請から、支持体として合成紙または合成樹脂フィルムが使用されることも多い。しかし、合成紙などのフィルムベースは紙ベースに比べ液の含浸がなく、そのため、ベース基材との結着性、あるいはアンダーコート層と感熱記録層の結着性、感熱記録層と保護層の結着性が紙を支持体とした場合よりも低下し易い。この結着性不足による剥がれ、特に水に濡れたときの水溶性成分の溶出による分離、さらには、機械的外力が加わった場合には容易に剥がれが発生する。その結果、印字記録部が剥がれバーコード読み取り機での読み取り不良などの障害が発生する。
上記合成紙基材と感熱発色層との結着性を高めるために、特許文献6〜7では、感熱発色層中にスチレン−ブタジエン系共重合体を添加する感熱記録体が提案されており、結着性に優れ、浸水時での剥がれのない感熱記録材料を提供している。
また、特許文献8〜10では、感熱発色層中にオキサゾリル基を有する反応性樹脂を添加することにより、特許文献11では、感熱発色層中にスチレン−ブタジエン系共重合体とオキサゾリル基を有する反応性樹脂を添加することにより、特許文献12では、感熱発色層保護コーティング剤を添加することにより、更に耐水性に優れた感熱記録材料が得られることが報告されている。
また、特許文献13〜15では、上記合成紙基材と感熱記録層との結着性を高めるために、合成紙基材と感熱記録層との間にスチレン−ブタジエン系共重合体、アクリル系樹脂を主成分とするアンダーコート層を設けた感熱記録体が提案されており、結着性向上、浸水時での剥がれのない感熱記録材料を提供している。
当然、これら合成紙基材を用いた感熱記録材料に関しても、低エネルギーで発色する高感度な感熱記録材料が求められるようになってきた。
しかし、これら合成紙基材を用いた感熱記録材料を高感度化しようとした場合、前述の中空樹脂粒子含有アンダーコート層を用いると、低エネルギーでの高感度化は可能となるが、合成紙基材/アンダーコート層間およびアンダーコート層/感熱発色層間の結着性の低下、および浸水時に水溶性成分が溶出することにより、機械的外力が加わった場合での剥がれなどの問題がより顕著に現れる。したがって、紙基材上に塗工した場合には問題なく得られていた剥がれに対する耐水性品質が得られないという課題があった。
また、これら合成紙基材との結着性の低下、浸水時にアンダーコート層の水溶性成分の溶出による剥がれ、機械的外力が加わった場合での剥がれなどの問題を改善する為、アンダーコート層の主成分である、スチレン−ブタジエン系共重合体やアクリル樹脂系共重合体の使用量を増やすと、結着性の問題は改善されるが、逆に発色感度が低下し、結局両方の品質を両立することはできていなかった。
特開平1−113282号公報 特開平3−147888号公報 特開平4−119881号公報 特開平8−238843号公報 特開2003−080846号公報 特開平9−226246号公報 特開平8−175007号公報 特開平5−32047号公報 特開平5−238137号公報 特開平6−92023号公報 特開平6−155916号公報 特開平6−183149号公報 特開2001−138636号公報 特開平11−208119号公報 特開平9−076636号公報
本発明の目的は、合成紙又は合成樹脂フィルムからなる支持体と感熱発色層との間に、中空粒子を含有したアンダーコート層を設けた感熱記録材料において、耐水化するのに必要なキュア日数が短く、感熱記録材料を浸水して機械的外力が加わった場合でも剥がれることがなく、かつ、高い発色感度および高い発色画像濃度を有する感熱記録材料を提供することにある。
本発明者らは、合成紙支持体上の表面にアンダーコート層と感熱発色層と保護層を設けた感熱記録材料において、感熱記録材料を浸水した場合でも、機械的外力に対して剥がれることがなく、かつ高い発色感度を有する感熱記録材料を得るために鋭意検討を重ねた。その結果、アンダーコート層中に中空率50%以上の中空粒子とオキサゾリル基を有する反応性樹脂とを含有し、かつ感熱発色層中にスチレン−ブタジエン系共重合体と、オキサゾリル基を有する反応性樹脂とを含有させることによって、スチレン−ブタジエン系共重合体とオキサゾリル基を有する反応性樹脂は、耐水性を向上させるだけではなく、結着性を低下させている中空粒子とも、化学的相互作用を持ち、結着強度を発現することを見出した。本発明は、そうした知見に基づいてなされてものである。
前記課題は、次の(1)〜(15)の発明によって解決される。
(1)合成紙又は合成樹脂フィルムからなる支持体の少なくとも一方の面に、アンダーコート層と感熱発色層と保護層とを順次設けた感熱記録材料において、該アンダーコート層中に中空率50%以上の中空粒子とオキサゾリル基を有する反応性樹脂とを含有し、かつ該感熱発色層中にスチレン−ブタジエン系共重合体とオキサゾリル基を有する反応性樹脂とを含有することを特徴とする感熱記録材料。
(2)前記スチレン−ブタジエン系共重合体が、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン系共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
(3)前記スチレン−ブタジエン系共重合体が、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体であることを特徴とする前記(1)に記載の感熱記録材料。
(4)前記スチレン−ブタジエン系共重合体のガラス転移温度Tgが、20℃以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の感熱記録材料。
(5)前記オキサゾリル基を有する反応性樹脂が、水溶性であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の感熱記録材料。
(6)前記スチレン−ブタジエン系共重合体の添加量が、乾燥後重量比で前記感熱発色層の5〜20%であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の感熱記録材料。
(7)前記オキサゾリル基を有する反応性樹脂の添加量が、乾燥後重量比で前記スチレン−ブタジエン系共重合体の5〜30%であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の感熱記録材料。
(8)前記中空粒子の中空率が、75〜98%であることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の感熱記録材料。
(9)前記中空粒子の添加量が、アンダーコート層の結着性樹脂に対して重量比で50〜90%であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の感熱記録材料。
(10)前記アンダーコート層の付着量が、1〜5g/mであることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の感熱記録材料。
(11)前記保護層が、結着性樹脂としてイタコン酸変性ポリビニルアルコールを、架橋剤としてポリアミドエピクロルヒドリン樹脂を含有することを特徴とする前記(1)〜(10)いずれかに記載の感熱記録材料。
(12)前記合成紙支持体上の感熱発色層を設けた面とは逆の面に、バック層を設けたことを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記載の感熱記録材料。
(13)前記バック層が、帯電防止剤を含有することを特徴とする前記(12)に記載の感熱記録材料。
(14)前記合成紙支持体上の感熱発色層を設けた面とは逆の面に、粘着剤層及び剥離紙台紙を順次積層したことを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに記載の感熱記録材料。
(15)前記合成紙支持体上の感熱発色層を設けた面とは逆の面に、加熱によって粘着性を発現する感熱粘着層を設けたことを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに記載の感熱記録材料。
本発明の感熱記録材料は、支持体が合成紙又は合成樹脂フィルムであって、支持体と感熱発色層との間に中空樹脂粒子を含有するアンダーコート層を設けた場合でも、感熱記録材料を浸水して機械的強度が加わった場合でも剥がれることがなく、かつ、高い発色感度と高い画像濃度を有する感熱記録材料として使用が可能になる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の感熱記録材料は、合成紙又は合成樹脂フィルムを支持体とし、該支持体面上に、中空率50%以上の中空粒子とオキサゾリル基を有する反応性樹脂を含有するアンダーコート層、スチレン−ブタジエン系共重合体とオキサゾリル基を有する反応性樹脂を含有する感熱発色層、保護層をそれぞれ順次設けることによって得られる。
アンダーコート層中に用いられる中空率50%以上の中空粒子は、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気その他の気体を含有するもので、すでに発泡状態となっている微小中空粒子であり、平均粒子径は2〜10μmのものが用いられる。この平均粒子径(粒子外径)が2μm未満のものは、任意の中空率にすることが難しいなどの生産上の問題があり、逆に10μmより大きいものは、塗布乾燥後の表面の平滑性が低下するため、サーマルヘッドとの密着性が低下し、感度向上効果が低下する。従って、このような粒子分布は粒子径が前記範囲にあると同時に、バラツキの少ない分布ピークの均一なものが好ましい。
本発明において、アンダーコート層で用いられる中空粒子は断熱材として作用するとともに、弾力性を有することから、サーマルヘッドからの熱エネルギーを効率よく活用し、発色感度向上をもたらす。材料の感度の点から中空粒子は、中空率が50%以上のものが好ましく、75〜98%のものが更に好ましい。この中空率が50%未満のものは断熱性が不充分なため、サーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通して感熱記録材料の外へ放出され、感度向上効果が小さい。
ここで言う中空率とは、中空粒子に占める空隙の体積の百分率(%)で表される。中空粒子はほぼ球形とみなせるため、中空率は下記式で表わされる。
中空率={[空隙の体積]/[中空粒子の体積]}×100(%)
本発明で用いる中空粒子は、前記したように熱可塑性樹脂を殻とするものであるが、この熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエンあるいはそれらの共重合体樹脂が挙げられる。特に塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂が好ましい。
通常、中空粒子は、感熱発色層と支持体の間にアンダー層として用いることにより、高い断熱性及びヘッドとの密着性を向上させ発色感度が向上する。
また、発色感度及び結着性をよくするため、中空粒子の添加量は樹脂に対しては、重量比で50〜90%とするのが好ましい。50重量%未満では低エネルギー印字での発色感度が十分得られず、高感度の感熱記録材料とはなり得ない。また、90重量%より多くなると強度十分得られず、機械強度が加わった場合に剥がれが発生する。
支持体上にアンダー層を設けるには、前記の中空粒子を公知の水溶性高分子、水性高分子エマルジョンなどの結着性樹脂と共に水に分散し、これを支持体表面に塗布し、乾燥することによって形成される。この場合、感度、結着性の改善をさらに達成するために、アンダーコート層の乾燥付着量は1.5〜5g/mであることが好ましい。前記付着量が1.5g/m未満では、低エネルギー印字での発色濃度が充分得られない。また、5g/mより多くなると、充分な結着性が得られない。また結着性樹脂の量は、中間層を支持体に強く結合させるような量が良く、好ましくはこの結着性樹脂に対する前記中空粒子の割合が重量比で50〜90%となるような量である。
本発明において、アンダー層を形成する際に使用される結着性樹脂としては、従来公知の水溶性高分子および(又は)水溶性高分子エマルジョンから適宜選択される。その具体例としては、水溶性高分子として例えば、ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。また、水性高分子エマルジョンとしては、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体などのラテックスや酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂などのエマルジョンなどが挙げられる。
本発明では、このアンダーコート層中に更にオキサゾリル基を有する反応性樹脂を含有させる。オキサゾリル基を有する反応性樹脂は、水溶性であるものの方が、前記耐水結着性を達成することが可能であるので好ましい。
このオキサゾリル基を有する反応性樹脂の添加量としては、乾燥後の重量比で前記結着性樹脂の5〜30%となるような量が好ましい。前記添加量が5重量%未満では、結着性樹脂および中空粒子との架橋構造が十分に形成されず、感熱記録紙を浸水し、機械的外力が加わった場合にアンダーコート層が支持体から剥がれやすい。また、30重量%より多くなると、塗工液としての液安定性が悪くなる。
本発明の感熱記録材料の前記アンダーコート層には、必要に応じて従来から公知の水溶性高分子、耐水化剤、充填剤、界面活性剤、熱可塑性物質、その他の助剤を含有させることができる。
本発明において、感熱記録層で用いられるロイコ染料は単独又は2種以上混合して適用されるが、このようなロイコ染料としては、この種の感熱材料に適用されているものが任意に適用され、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フエノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系などの染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。このようなロイコ染料の具体例としては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジペンチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−[エチル(4−メチルフェニル)アミノ]フルオラン、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−(N−メチル−N−イソブチル)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3′−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−アミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6′−クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6′−ブロモ−3′−メトキシ−ベンゾインドリノ−
スピロピラン、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフェニル)フタリド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−ニトロフェニル)フタリド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフェニル)フタリド、3−(2′−メトキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−ヒドロキシ−4′−クロル−5′−メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3′)−6′−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4′−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−{N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ}−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−{N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ}−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4′,5′−ベンゾフルオラン、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4′−ジメチルアミノ−2′−メトキシ)−3−(1″−p−ジメチルアミノフェニル−1″−p−クロロフェニル−1″,3″−ブタジエン−4″−イル)ベンゾフタリド、3−(4′−ジメチルアミノ−2′−ベンジルオキシ)−3−(1″−p−ジメチルアミノフェニル−1″−フェニル−1″,3″−ブタジエン−4″−イル)ベンゾフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロ−3′(6′−ジメチルアミノ)フタリド、3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−p−トリルスルホニルメタンなど。
また、本発明の感熱記録層で用られる顕色剤としては、前記ロイコ染料を接触時発色させる電子受容性の種々の化合物、例えばフェノール性化合物、チオフェノール性化合物、チオ尿素誘導体、有機酸及びその金属塩等が好ましく適用され、その具体例としては以下に示すようなものが挙げられる。これらの顕色剤は、それぞれ単体で用いても良いし、2種類以上を併用して用いても良い。
4,4′−イソプロピリデンビスフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4′−セカンダリーブチリデンビスフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、4,4′−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4′−チオビス(6−ターシャリーブチル−2−メチルフェノール)、4,4′−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジフェノールスルホキシド、4−ヒドロキシ−4′−アリルオキシジフェニルスルホン、P−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキユ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロパン、N,N′−ジフェニルチオ尿素、N,N′−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、5−クロロ−サリチルアニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ヒドロキシナフトエ酸の亜鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸塩、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキ
シ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛、2,4′−ジフェノールスルホン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジフェノールスルホン、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエン、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、N−p−トリルスルホニル−N′−フェニルウレア、N−p−トルエンスルホニル−N′−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、下記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン誘導体、下記一般式(2)で表されるウレアウレタン化合物誘導体等。
Figure 2008194843

Figure 2008194843
本発明の感熱記録材料を製造するために、ロイコ染料及び顕色剤を支持体上に結合支持させる場合、慣用の種々の結着性樹脂を適宜用いることができる。
その具体例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
ポリビニルアルコール、各種変性ポリビニルアルコール、殿粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロ−スなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼインなどの水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体などのエマルジョンなど。
本発明においては、感熱発色層中に前記結着性樹脂に加え、スチレン−ブタジエン系共重合体と、オキサゾリル基を有する反応性樹脂とを含有させる。
前記スチレン−ブタジエン系共重合体がカルボキシ変性スチレン−ブタジエン系共重合体あるいはカルボキシ変性スチレン−ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体であることは、オキサゾリル基を有する反応性樹脂との反応が進みやすく、より強い耐水結着強度が得られることから好ましい。また、より強い結着強度を達成するため、前記スチレン−ブタジエン系共重合体のガラス転移温度(Tg)は、20℃以下であることが好ましい。
前記スチレン−ブタジエン系共重合体の添加量としては、乾燥後重量比で感熱発色層中の5〜20%であることが好ましい。この添加量が5重量%未満であると、耐水結着強度向上の効果が小さくなる。また、この添加量が20重量%よりも多くなると、発色感度あるいは発色濃度の低下を引き起こしてしまう。
また、本発明において感熱発色層中に添加するオキサゾリル基を有する反応性樹脂はアンダーコート層に添加したものと同一であっても良いし、異なっていても良い。また、2種類以上を併用して使用することもできる。オキサゾリル基を有する反応性樹脂は、水溶性であるものの方が、前記耐水結着性を達成することが可能であるので好ましい。
このオキサゾリル基を有する反応性樹脂の添加量としては、乾燥後の重量比で前記結着性樹脂の5〜30%となるような量が好ましい。前記添加量が5重量%未満では、結着性樹脂との架橋構造が十分に形成されず、感熱記録紙を浸水し、機械的外力が加わった場合にアンダーコート層が支持体から剥がれやすい。また、30重量%より多くなると、液安定性が悪くなったり、発色感度が低下したりする。
本発明の感熱発色層には、感度向上剤として種々の熱可融性物質を併用することができる。
その具体例としては以下に示すものが挙げられるが、これに限られるわけではない。
ステアリン酸、ベヘン酸などの脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルチミン酸アミドなどの脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルチミン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛などの脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、ジフェニルカーボネート、グレヤコールカーボネート、テレフタル酸ジベンシル、テレフタル酸ジメチル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジロキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ジフェノキシ−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ジフェニルチオブタン、1,4−ジフェニルチオ−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−ベンジルオキシベンジルアルコール、1,3−フェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)プロパン、1,5−ビス(4−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタンなど。
本発明の感熱発色層においては、必要に応じ、この種の感熱記録材料に慣用される補助添加成分、例えば、填料、界面活性剤、滑剤、圧力発色防止剤などを併用することができる。
この場合、填料としては、例えば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカなどの無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂などの有機系の微粉末を挙げることができる。 滑剤としては高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性、植物性、鉱物性又は石油系の各種ワックス類などが挙げられる。
本発明の感熱記録材料は、サーマルヘッド等のマッチング性向上や、記録画像保存性をより高める等の目的のため、感熱発色層の上に保護層を設ける。この場合、保護層を構成する樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、澱粉及びその誘導体、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸及びその誘導体、スチレン/アクリル酸共重合体及びその誘導体、ポリ(メタ)アクリルアミド及びそれらの誘導体、スチレン/アクリル酸/アクリルアミド共重合体、アミノ基変性ポリビニルアルコール、エポキシ変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、水性ポリエステル、水性ポリウルタン、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体及びその誘導体等の水溶性樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル酸エステル系(共)重合体、スチレン/アクリル系共重合体、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル及びこれらの共重合体が挙げられるが、中でも水溶性樹脂が好ましく、さらに耐水結着性を向上するためには、イタコン酸変性ポリビニルアルコールが好ましい。また、ヘッドマッチング性を向上させるためには、特にジアセトン変性ポリビニルアルコールが好ましい。
前記保護層には、上記の樹脂の他に、従来用いられている補助添加成分、例えばフィラー、界面活性剤、熱可融性物質(又は滑剤)、圧力発色防止剤等を併用することができ、更には耐水化剤を含有させることもできる。この場合、フィラー及び熱可融性物質の具体例としては、前記感熱保護層の開示において例示されたものと同様のものが挙げられる。
更に、本発明の感熱記録材料の層構成に関しては感熱発色層、アンダー層、保護層の他に、必要に応じて、支持体の裏面即ち感熱発色層を設けた面とは逆の面にはバック層を設けることができる。バック層は主に結着性樹脂および填料からなり、必要に応じて種々の滑剤、帯電防止剤などを含有してもよい。バック層に用いられる結着性樹脂および填料、滑剤としては前記保護層の際に挙げた種々の材料を使用することができ、特に本発明のように支持体にプラスチックフィルムおよび合成紙を用いた場合には静電気によるサーマルプリンタヘッドの破壊を防止する効果があることから、帯電防止剤を添加することが好ましい。
加えて、必要に応じて、支持体の裏面即ち感熱発色層を設けた面とは逆の面に粘着剤層および剥離台紙を順次積層することもできる。
本発明の感熱記録材料は、例えば前記した各層形成用塗液を、合成紙又は合成樹脂フィルム支持体に塗布し、乾燥することによって製造される。
特に本発明の感熱記録材料は、カレンダー処理によるサーマルヘッドとの密着性の向上が著しいので、アンダー層、感熱記録層あるいは保護層へカレンダー処理を施すことは、非常に好ましい。即ち、アンダー層、感熱記録層又は保護層へのカレンダーの圧力の大きさで表面の平滑度をコントロールすることにより、地肌かぶりが無くしかも従来よりも高精細な感熱記録材料を得ることができる。
次に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下において示す部及び%はいずれも重量基準である。
実施例1
(1)アンダーコート層塗布液の調製
下記組成からなる混合物を混合・攪拌して、乾燥後の結着性樹脂に対する中空粒子の割合が重量比で65%となるように、アンダーコート層形成液〔A液〕を調製した。
〔A液〕
非発泡性プラスチック微小中空粒子 26部
(中空率90%、平均粒径3μm、固形分濃度33%)
スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス 22部
(日本エイアンドエル製:スマーテックスPA−6005、固形分濃度50.3%)
ポリビニルアルコール 7部
(クラレ製:クラレポバールPVA-117、固形分濃度16%)
オキサゾリル基を有する化合物 4部
(日本触媒製:エポクロスWS−700、固形分濃度25%)
水 40部
(2)感熱発色層形成液の調製
下記組成の〔B液〕、〔C液〕を、サンドグラインダーを用いて平均粒径が〔B液〕:0.5μm、〔C液〕:1.5μmの程度となるように分散、調製した。
〔B液〕
2−アリニノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 40部
変性ポリビニルアルコール水溶液(固形分濃度10%) 40部
水 20部
〔C液〕
4−ヒドロキシ−4′−アリルオキシジフェニルスルホン 17部
変性ポリビニルアルコール水溶液(固形分濃度10%) 15部
シリカ(水澤化学製 ミズカシル P−527) 17部
水 50部
次いで、〔B液〕、〔C液〕および下記薬液をそれぞれ以下のように混合攪拌し、乾燥後の重量比でスチレン−ブタジエン系共重合体が感熱発色層中の約10%となり、該スチレン−ブタジエン系共重合体に対してオキサゾリル基含有化合物が約15%となるように、感熱発色層形成液〔D液〕を調製した。
〔D液〕
〔B液〕 7部
〔C液〕 48部
スチレン−ブタジエン系共重合体 5部
(日本エイアンドエル社製:スマーテックスPA‐9159、固形分濃度47.5%)
ジアセトン変性ポリビニルアルコールの水溶液 9部
(日本酢ビ・ポバール:D−700VH、固形分濃度10%)
オキサゾリル基を有する化合物 1.5部
(日本触媒製:エポクロスWS−700、固形分濃度25%)
水 30部
(3)保護層形成液の調製
下記組成から成る混合物を、サンドグラインダーを用いて約30分間粉砕分散して、〔E液〕を調製した。
〔E液〕
水酸化アルミニウム 30部
水 70部
次いで、以下のように〔E液〕と各薬液とを混合攪拌し保護層塗布液〔F液〕を調製した。
〔F液〕
〔E液〕 25部
ジアセトン変性ポリビニルアルコールの水溶液 45部
(日本酢ビ・ポバール:D−700VH、固形分濃度10%)
アジピン酸ジヒドラジド水溶液 10部
(日本ヒドラジン工業:ADH、固形分濃度10%)
水 20部
次に、厚み100μmのポリプロピレンフィルム(NanYa Plastics社製:PL−100)の表面に、上記の〔A液〕、〔D液〕、〔F液〕を用いて、アンダーコート層、感熱発色層、保護層を各々乾燥後の塗布量が3.0g/mとなる様に塗布乾燥させた。
次いで、その表面平滑度が1500〜2500秒になる様、スーパーカレンダーにより表面処理をし、高密度ポリエチレン袋の中に密閉して40℃環境下にて所定の期間キュアを実施し、本発明の感熱記録材料を得た。
実施例2
実施例1のスチレン−ブタジエン系共重合体を、乾燥後添加量が同じとなるように固形分換算をしてカルボキシ変性スチレン−ブタジエン系共重合体(日本エイアンドエル社製:PA−6005、固形分濃度53.3%)にした以外は実施例1と同様にして、実施例2の感熱記録材料を得た。
実施例3
実施例1のスチレン−ブタジエン系共重合体を、乾燥後添加量が同じとなるように固形分換算をしてカルボキシ変性スチレン−ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体(日本エイアンドエル社製:SR−140、固形分濃度48.0%)にした以外は実施例1と同様にして、実施例3の感熱記録材料を得た。
実施例4
実施例1のスチレン−ブタジエン系共重合体を、乾燥後添加量が同じとなるように固形分換算をしてカルボキシ変性スチレン−ブタジエン系共重合体(日本エイアンドエル社製:SR−143、固形分濃度48.0%、Tg35℃)にした以外は実施例1と同様にして、実施例4の感熱記録材料を得た。
実施例5
実施例1の〔D液〕を調製する際に使用したオキサゾリル基含有化合物(水溶性タイプ)を、乾燥後添加量が同じとなるように固形分換算をしてエマルジョンタイプのオキサゾリル基含有化合物(日本触媒社製:エポクロスK−2020E、固形分濃度40.0%)にした以外は実施例1と同様にして、実施例5の感熱記録材料を得た。
実施例6
実施例3のオキサゾリル基含有化合物添加量を、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体に対して5%(乾燥後重量比)にした以外は、実施例3と同様にして、実施例6の感熱記録材料を得た。
実施例7
実施例3のオキサゾリル基含有化合物添加量を、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体に対して25%(乾燥後重量比)にした以外は、実施例3と同様にして、実施例7の感熱記録材料を得た。
実施例8
実施例3のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体添加量を、感熱発色層中の割合で6%(乾燥後重量比)に変更した以外は実施例3と同様にして、実施例8の感熱記録材料を得た。
実施例9
実施例3のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体添加量を、感熱発色層中の割合で18%(乾燥後重量比)に変更した以外は実施例3と同様にして、実施例9の感熱記録材料を得た。
実施例10
実施例3の中空率90%の中空粒子を、乾燥後添加量が同じとなるように固形分換算をして中空率50%の中空粒子(ロームアンドハース社製:ローペイクHP‐91、固形分濃度27.5%)に変更した以外は、実施例3と同様にして実施例10の感熱記録材料を得た。
実施例11
実施例3のアンダーコート層乾燥後付着量を、1.5g/mに変更した以外は実施例3と同様にして、実施例11の感熱記録材料を得た。
実施例12
実施例11のアンダーコート層の付着量を5.0g/mにした以外は実施例11と同様にして、本発明の感熱記録材料を得た。
実施例13
実施例3のアンダーコート層中の中空粒子含有量を、結着性樹脂に対して50%(乾燥後重量比)とした以外は実施例3と同様にして、実施例13の感熱記録材料を得た。
実施例14
実施例3のアンダーコート層中の中空粒子含有量を、結着性樹脂に対して90%(乾燥後重量比)とした以外は実施例3と同様にして、実施例14の感熱記録材料を得た。
実施例15
実施例3において、〔F液〕のジアセトン変性ポリビニルアルコールの水溶液の代わりにイタコン酸変性ポリビニルアルコール(クラレ製;クラレKポリマーKL318、固形分濃度10%)を、アジピン酸ジヒドラジドの代わりにポリアミドエピクロルヒドリン樹脂の水溶液(固形分濃度12.5%)を使用した以外は実施例3と同様にして、実施例14の感熱記録材料を得た。
比較例1
実施例1において、アンダーコート層形成液〔A液〕中にオキサゾリル基含有化合物を添加せず、感熱発色層形成液〔D液〕にスチレン−ブタジエン系共重合体を添加しないこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の感熱記録材料を得た。
比較例2
実施例1において、感熱発色層形成液〔D液〕中のスチレン−ブタジエン系共重合体(PA−9159)の代わりに、アクリルエマルジョン樹脂(ジョンソンポリマー製:J−941、固形分濃度49.0%、Tg15℃)に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例2の感熱記録材料を得た。
比較例3
実施例3において、アンダーコート層形成液〔A液〕および感熱発色層形成液〔D液〕中にオキサゾリル基含有化合物を添加しないこと以外は実施例3と同様にして、比較例3の感熱記録材料を得た。
比較例4
実施例3において、アンダーコート層形成液〔A液〕中にオキサゾリル基含有化合物を添加せず、アンダーコート層形成液〔A液〕中に、中空粒子を添加しないこと以外は実施例3と同様にして、比較例4の感熱記録材料を得た。
以上、実施例1〜14、比較例1〜4の作製条件をまとめると、表1のようになる。
Figure 2008194843
次に前述のようにして得られた各感熱記録材料に対し、以下に示す確認及び試験を行い、評価を実施した。
(1)耐水結着性:各感熱記録材料を、室温の水中へ1時間浸漬させた後、感熱記録面を指で強く擦り、剥がれを以下の判定基準にて目視にて判定した。
◎・・・41回以上擦っても剥がれなし
○・・・10回では剥がれないが、40回以内に剥がれる
△・・・1回では剥がれないが、10回以内に剥がれる
×・・・1回擦っただけで剥がれ発生
(2)感度倍率:得られた各感熱記録材料を大倉電機社製印字シミュレーターにて、ヘッド電力0.45w/ドット、1ライン記録時間20ms/l、走査線密度8×3.85ドット/mmの条件下で、パルス巾0.2〜1.2msで印字し、印字濃度をマクベス反射濃度計RD−914にて測定した。この時、画像濃度1.0を得るために必要としたエネルギー値を算出し、そのエネルギー値から、以下の式にしたがって比較例4のサンプルを基準とした場合の感度倍率を算出した。
感度倍率=(比較例4のエネルギー値)/(測定したサンプルのエネルギー値)
この感度倍率の値が大きいほど発色感度(熱応答性)が良好である。
(3)発色濃度:得られた感熱記録材料を、東洋精機製熱傾斜試験機を用いて120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃の条件下でそれぞれ発色させたものの画像濃度をマクベス反射濃度計RD−914で測定し、最も高い濃度を記録した。
以上の確認、試験を行い、その結果を表2に示した。
Figure 2008194843
表2の結果から明らかなように、本発明の感熱記録材料は、支持体が合成紙又は合成樹脂フィルムであって、支持体と感熱発色層との間に中空樹脂粒子を含有するアンダーコート層を設けた場合でも、感熱記録材料を浸水して機械的強度が加わった場合でも剥がれることがなく、且つ、高い発色感度と高い画像濃度を有する感熱記録材料として使用が可能になる。
本発明の感熱記録材料は、浸水した場合でもアンダーコート層の成分が水に溶出せず、機械的強度が加わった場合でも剥がれず、かつ、現像・定着を施すことなく高い発色感度及び発色濃度を有しているので、生鮮食料品・弁当・惣菜用のPOS分野、図書・文書などの複写分野、ファクシミリなどの通信分野、券売機・レシート・領収書などの発券分野など多方面で用いられる。

Claims (15)

  1. 合成紙又は合成樹脂フィルムからなる支持体の少なくとも一方の面に、アンダーコート層と感熱発色層と保護層とを順次設けた感熱記録材料において、該アンダーコート層中に中空率50%以上の中空粒子とオキサゾリル基を有する反応性樹脂とを含有し、かつ該感熱発色層中にスチレン−ブタジエン系共重合体とオキサゾリル基を有する反応性樹脂とを含有することを特徴とする感熱記録材料。
  2. 前記スチレン−ブタジエン系共重合体が、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン系共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 前記スチレン−ブタジエン系共重合体が、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
  4. 前記スチレン−ブタジエン系共重合体のガラス転移温度Tgが、20℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録材料。
  5. 前記オキサゾリル基を有する反応性樹脂が、水溶性であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感熱記録材料。
  6. 前記スチレン−ブタジエン系共重合体の添加量が、乾燥後重量比で前記感熱発色層の5〜20%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感熱記録材料。
  7. 前記オキサゾリル基を有する反応性樹脂の添加量が、乾燥後重量比で前記スチレン−ブタジエン系共重合体の5〜30%であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の感熱記録材料。
  8. 前記中空粒子の中空率が、75〜98%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の感熱記録材料。
  9. 前記中空粒子の添加量が、アンダーコート層の結着性樹脂に対して重量比で50〜90%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の感熱記録材料。
  10. 前記アンダーコート層の付着量が、1〜5g/mであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の感熱記録材料。
  11. 前記保護層が、結着性樹脂としてイタコン酸変性ポリビニルアルコールを、架橋剤としてポリアミドエピクロルヒドリン樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の感熱記録材料。
  12. 前記合成紙支持体上の感熱発色層を設けた面とは逆の面に、バック層を設けたことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の感熱記録材料。
  13. 前記バック層が、帯電防止剤を含有することを特徴とする請求項12に記載の感熱記録材料。
  14. 前記合成紙支持体上の感熱発色層を設けた面とは逆の面に、粘着剤層及び剥離紙台紙を順次積層したことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の感熱記録材料。
  15. 前記合成紙支持体上の感熱発色層を設けた面とは逆の面に、加熱によって粘着性を発現する感熱粘着層を設けたことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の感熱記録材料。

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