JP3670474B2 - 感熱記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は感熱記録材料に関し、さらに詳しくは、ロイコ染料および顕色剤を主成分として含有する感熱発色層を支持体上に設けた感熱記録材料の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、情報の多様化並びに増大、省資源、無公害化等の社会の要請に伴って情報記録分野においても種々の記録材料が研究・開発され実用に供されているが、中でも感熱記録材料は、(1)単に加熱するだけで発色画像が記録され煩雑な現像工程が不要であること、(2)比較的簡単でコンパクトな装置を用いて製造できること、さらに得られた記録材料の取り扱いが容易で維持費が安価であること、(3)支持体として紙が用いられる場合が多く、この際には支持体コストが安価であるのみでなく、得られた記録材料の感触も普通紙に近いこと等の利点ゆえに、コンピューターのアウトプット、電卓等のプリンター分野、医療計測用のレコーダー分野、低並びに高速ファクシミリ分野、自動券売機分野、感熱複写分野等、POSシステムのラベル分野等において広く用いられている。
上記感熱記録材料は、通常、紙、合成紙または合成樹脂フィルム等の支持体上に、加熱によって発色反応を起こし得る発色成分(例えばロイコ染料)含有の感熱発色層液を塗布・乾燥することにより製造されており、このようにして得られた感熱記録材料は熱ペンまたは熱ヘッドで加熱することにより発色画像が記録される。
【0003】
このような感熱記録材料の従来例としては、例えば特公昭43−4160号公報または特公昭45−14039号公報開示の感熱記録材料が挙げられる。
しかし、上記のようなロイコ系の感熱記録材料の場合、記録画像の安定性が悪く、例えば、油やプラスチックフィルムの可塑剤と裏面とが接触すると、その記録画像が消色するという欠点や地肌部が変色するという欠点を有していた。このような欠点を解消するために種々のオーバーコート層を設けた感熱記録材料が提案されている。
【0004】
近年、これらの感熱記録材料は、記録材料表面に印刷が施され食品用ラベルや値札等に使用されることが多くなってきているが、この際、一般的には、UV印刷、フレキソ印刷を用いているが、インクののり、接着力等が未だ不十分である。特に、感熱記録材料の保護層を設けた場合、保護層の樹脂として、耐薬品性、結着性のため、ポリビニルアルコールが一般的に使用されるが、印刷インクの接着性が劣るという欠点が生じる。
その欠点を解消するため、保護層または感熱記録層に吸油量の大きい顔料を含有させる方法があるが、具体的に吸油量の大きい顔料は、シリカ、焼成カオリン、炭酸カルシウム等であり、サーマルヘッドを摩耗させるという問題がある。
保護層中の顔料の比率を増やし、保護層全体の吸油量を多くする方法があるが、相対的に樹脂の比率が小さくなるため、耐水性でのはがれ(即ち水との接触による剥がれ)が生じやすくなるという問題を生じる。耐水性を向上するには、感熱発色層に耐水化剤を添加する方法があるが、これによるとほとんどの場合、感熱発色層塗布液の凝集がおこり、使用できない。また、感熱発色層に非水溶性樹脂を使用することもあるが向上効果は小さい。保護層に印刷インクと接着性の良い、疎水性樹脂を含有させ印刷性を改善する方法があるが、50重量%以上の含有では、印刷時のサーマルヘッドカスの原因になり、充分ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、印刷性が良好でかつ、耐水性でのはがれ(即ち水との接触による剥がれ)がないことを満足した感熱記録材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、本発明の「支持体上の表面に、ロイコ染料と該ロイコ染料を加熱時発色せしめる顕色剤を主成分とする感熱発色層を設け、無機顔料或いはさらに有機顔料、水溶性樹脂、耐水化剤を含有した保護層を積層した感熱記録材料において、保護層全体の乾燥付着量が2.0g/m2以下、無機顔料として水酸化アルミニウム或いはさらに有機顔料からなる顔料の含有量が保護層中の水溶性樹脂に対して200〜300重量%であり、かつ、耐水化剤の含有量が該水溶性樹脂に対して60重量%以上であることを特徴とした感熱記録材料」により達成される。
さらに、疎水性樹脂量を保護層中に前記水溶性樹脂に対して、5〜20重量%とすることで印刷インクの接着性を上げることができ、20重量%を超えるとサーマルヘッドへのカスに付着があり、5重量%未満では接着性向上が十分ではない。
保護層中の顔料の30重量%以下を平均粒径2μm以上の有機顔料とすることで、印刷インクの結着性をさらに向上させることができ、発色濃度を劣化させることもない。30重量%超では、濃度低下を引き起こす。有機顔料の粒径は、2μm以上が好ましく、これ未満であると、顔料の隠蔽効果が大きく、発色画像の濃度が低下する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明をさらに詳細に説明する。
本発明で保護層形成に使用される水溶性樹脂としては、例えばポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、セルロース誘導体(メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシセルロース等)、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ジイソブチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、変性ポリアクリルアミド、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、カルボキシル変性ポリエチレン、ポリビニルアルコール/アクリルアミドブロック共重合体、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
【0008】
また、保護層の樹脂として混合できる水性エマルジョン、疎水性樹脂については、水性エマルジョンの樹脂または疎水性樹脂としては、例えばポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、エチルセルロース、エチレン/酢酸ビニル共重合体等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0009】
本発明に使用される耐水化剤として、従来公知の架橋剤を使用することができ、具体例としては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。即ちホルマリン、グリオキザール、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、ケトン−アルデヒド樹脂、ポリエチレンイミン樹脂等が挙げられる。
【0010】
本発明で使用される顔料としては、水酸化アルミニウム以外にも、例えば、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末のような他の顔料の混合も可能である。また、有機顔料として、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、架橋性ポリメタクリル酸メチル樹脂等の有機系の微粉末が挙げられる。
【0011】
本発明で、保護層中にスティッキング防止等のため、ワックスの添加も可能であり、例えばキャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油等の植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス、セレシン等の鉱物系ワックスおよびその誘導体、パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタン、ペトロラクタム等の石油系ワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックス、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油誘導体の水素化ワックス、ステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸、ラウリン酸、セバシン酸、ベヘン酸、パルミチン酸等の脂肪酸やアジピン酸、イソフタル酸等のアマイド、ビスアマイド、エステル、ケトン、金属塩およびその誘導体、アルキル変性あるいはアミド変性のシリコーン樹脂等が挙げられる。もちろん、これらの滑剤を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
本発明の感熱発色層において用いるロイコ染料は、単独または2種以上混合して適用されるが、このようなロイコ染料としては、この種の感熱材料に適用されているものが任意に適用され、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料ロイコ化合物が好ましく用いられる。このようなロイコ染料の具体例としては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、
3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、
3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、
3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
2−{N−(3’−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、
3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、
3−N−メチル−N,n−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、
ベンゾイルロイコメチレンブルー、
6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、
6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、
3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、
3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、
2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、
3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、
3−N−メチル−N−イソプロピル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、
3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−p−クロロフェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、
3−(4’−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−フェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、
3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、
3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、
ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、
ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−p−トリルスルホニルメタン、
等。
【0013】
また、本発明の感熱発色層で用いる顕色剤としては、前記ロイコ染料を接触時発色させる電子受容性の種々の化合物、または酸化剤等が適用される。このようなものは従来公知であり、その具体例としては以下に示すようなものが挙げられるがこれらに限られるわけではない。
4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、
4,4’−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、
4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェノール、
4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、
p−ニトロ安息香酸亜鉛、
1,3,5−トリス(4−ターシャリーブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、
2,2−(3,4’−ジヒドロキシジフェニル)プロパン、
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、
4−{β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、
1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、
1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−5−オキサペンタン、
フタル酸モノベンジルエステルモノカルシウム塩、
4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、
4,4’−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、
4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)ブタン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、
4,4’−チオビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、
4,4’−ジフェノールスルホン、
4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、
4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’−ジフェノールスルホキシド、
P−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、
P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、
プロトカテキユ酸ベンジル、
没食子酸ステアリル、
没食子酸ラウリル、
没食子酸オクチル、
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、
N,N’−ジフェニルチオ尿素、
N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、
サリチルアニリド、
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、
1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、
1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、
2,4’−ジフェノールスルホン、
2,2’−ジアリル−4,4’−ジフェノールスルホン、
3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルジフェニルスルホン、
1−アセチルオキシ−2−ナフトエ酸亜鉛、
2−アセチルオキシ−1−ナフトエ酸亜鉛、
2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸亜鉛、
α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエン、
チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、
テトラブロモビスフェノールA、
テトラブロモビスフェノールS、
4,4’−チオビス(2−メチルフェノール)、
4,4’−チオビス(2−クロロフェノール)、
等。
【0014】
本発明の感熱記録材料において、顕色剤は、発色剤1部に対して、1〜20部、好ましくは2〜10部である。顕色剤は、単独もしくは2種以上混合して適用することができ、発色剤についても同様に単独もしくは2種以上混合して適用することができる。
【0015】
本発明の感熱記録材料を製造するために、ロイコ染料および顕色剤を支持体上に結合支持させる場合、慣用の種々の結合剤を適宜用いることができ、その具体例としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
すなわちポリビニルアルコール、澱粉およびその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合体、
スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体のラテックス等。
【0016】
また、本発明においては、感度向上剤として種々の熱可融性物質を使用することができ、その具体例としては以下に示すものが挙げられるが、これらに限られるわけではない。
ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、ジフェニルカーボネート、グレヤコールカーボネート、テレフタル酸ジベンシル、テレフタル酸ジメチル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジロキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ジフェノキシ−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ジフェニルチオブタン、1,4−ジフェニルチオ−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−ベンジルオキシベンジルアルコール、1,3−フェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)プロパン、1,5−ビス(4−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(4−メチルベンジル)、シュウ酸ビス(4−クロロベンジル)等。
【0017】
本発明における感熱発色層は発色剤、顕色剤、結合剤等とともに水中に均一に分散もしくは溶解し、これを支持体上に塗布、乾燥して作製するが塗工方式はとくに限定されない。発色層塗布液の分散粒径は10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましい。発色層の膜厚は発色層の組成や感熱記録材料の用途にもよるが、1〜50μm程度、好ましくは3〜20μm程度である。 また、発色層塗布液には必要に応じて塗工性の向上あるいは記録特性の向上を目的に、通常の感熱記録紙に用いられている種々の添加剤を加えることもできる。
【0018】
本発明における支持体として酸性紙、中性紙のいずれも用いることができる。また、上記中性紙支持体および中性紙からなる剥離紙に関しては、カルシウム量の少ないものが好ましい。このようにカルシウム量が少ない中性紙および中性紙からなる剥離紙は、抄造に用いる古紙の割合を少なくすることによって得られる。また、通常中性紙の抄造には内添剤として炭酸カルシウムが用いられ、サイズ剤としてアルキルケテンダイマーまたは無水アルケニルコハク酸などが用いられているのに対し、内添剤をタルクやクレーに代え、中性ロジンサイズ剤と組み合わせることによって得られる。
本発明の感熱記録材料の記録方法は、使用目的によって熱ペン、サーマルヘッド、レーザー加熱等特に限定されない。
【0019】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、以下に示す部および%はいずれも重量基準である。
<コート液の調整>
下記のアンダーコート層形成液、感熱発色層形成液、オーバーコート層形成液およびバックコート層形成液を用意する。
(I)アンダーコート層形成液の調整
プラスチック球状微小中空粒子 36部
(スチレン/アクリルを主体とする共重合体樹脂、固
形分濃度27.5%、平均粒径1μm、中空率50%)
スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス 10部
(固形分濃度47.5%)
水 54部
上記混合物を撹拌分散して、アンダーコート層形成液を調整した。
【0020】
(II)感熱発色層形成液の調整
上記の混合物のそれぞれをサンドグラインダーで分散して[A液]、[B液]および[C液]を調整した。
[感熱発色層形成液]
[A液] 15部
[B液] 45部
[C液] 45部
上記混合物を撹拌して、感熱発色層形成液を調整した。
【0021】
(III)保護層形成液の調整
[D液]
水酸化アルミニウム 30部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 30部
水 40部
上記混合物をサンドグラインダーで分散して[D液]を調整した。
[保護層形成液]
[D液] (表1)
ステアリン酸亜鉛分散液(30%)
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(10%)水溶液
ポリアクリルアミドエピクロルヒドリン系架橋剤(12.5%)水溶液
水
以上のようにして調整した各層の塗布液を支持体上に付着量が3.0g/m2になるようにアンダーコート層(中間層)、およびその上に染料付着量が0.50g/m2になるように感熱発色層を塗布乾燥し、さらにその上に表1にしたがった配合比および付着量になるように保護層を塗布乾燥し(付着量はいずれも乾燥付着量である)、その後、スーパーキャレンダーにて表面処理し、実施例および比較例のサンプルを得た。以上によって得られたサンプルについて、以下に示す評価を行なった。
【0022】
【表1】
注)実施例1は参考例である。
【0023】
実施例5
実施例2にスチレン−ブタジエンラテックス(47.5%)を0.3部添加して全体量を100部にした以外は、実施例2と全く同様にして本発明の感熱記録材料を作成した。
実施例6
実施例2にスチレン−ブタジエンラテックス(47.5%)を1.3部添加して全体量を100部にした以外は、実施例2と全く同様にして本発明の感熱記録材料を作成した。
実施例7
実施例2の[D液]水酸化アルミニウム30部を、水酸化アルミニウム25.5部、架橋性ポリメタクリル酸メチル微粒子(平均粒径2μm)4.5部にした以外は、実施例2と全く同様にして本発明の感熱記録材料を作成した。
実施例8
実施例2の[D液]水酸化アルミニウム30部を、水酸化アルミニウム21部、架橋性ポリメタクリル酸メチル微粒子(平均粒径2μm)9.0部にした以外は、実施例2と全く同様にして本発明の感熱記録材料を作成した。
【0025】
以上のようにして得られた感熱記録材料について、印刷接着性、印刷濃度、耐水性はがれ、発色画像濃度およびはがれの試験を行なった。その結果を表2に示す。
(1)印刷接着性および印刷濃度
RIテスタでUV印刷インクSICPA50T(青)を使用し、セロハンテープにてはりつけ、さらに、はがす際にインクの接着性を評価した。また、その濃度をマクベス反射濃度系RD−914で測定した。
○:保護層からのインクはがれなし
△:強い力で保護層からインクがはがれる
×:弱い力で保護層からインクがはがれる
(2)耐水性はがれ
水道水1滴たらし指で10回擦り、層のはがれ状態を観察した。
○:はがれなし
×:はがれあり
(3)画像濃度
大倉電気社製 感熱印字装置TH−PMD型で、ヘッド電力:0.45W/DOT、ライン周期:4ms/l、パルス巾:1.0msの条件で印字したときの画像濃度をマクベス反射濃度系RD−914で測定した。
また、ヘッドに付いたカスを目視観察した。
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】
表1の結果を含む上記詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明の感熱記録材料は、感熱発色層上に保護層全体の乾燥付着量が2.0g/m2以下、無機顔料或いはさらに有機顔料からなる顔料の含有量が保護層中の水溶性樹脂に対して200〜300重量%であり、かつ、耐水化剤の含有量が該水溶性樹脂に対して60重量%以上にしたことで、UVインクとの接着性がよく、かつ耐水性でのはがれもないという極めて優れた効果を発揮する。
Claims (2)
- 支持体上の表面に、ロイコ染料と該ロイコ染料を加熱時発色せしめる顕色剤を主成分とする感熱発色層を設け、無機顔料或いはさらに有機顔料、水溶性樹脂、耐水化剤を含有した保護層を積層した感熱記録材料において、保護層全体の乾燥付着量が2.0g/m2以下、無機顔料として水酸化アルミニウム或いはさらに有機顔料からなる顔料の含有量が保護層中の水溶性樹脂に対して200〜300重量%であり、かつ、耐水化剤の含有量が該水溶性樹脂に対して60重量%以上であることを特徴とした感熱記録材料。
- 疎水性樹脂を保護層中に前記水溶性樹脂に対して、5〜20重量%含有したことを特徴とした請求項1記載の感熱記録材料。
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