JP5032924B2 - 感熱記録材料 - Google Patents
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Description
このため、感熱発色層上に保護層を設けた感熱記録材料が提案されている。このような保護層における結着樹脂として、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、又はこれらと耐水化剤を併用したものが使用されている。例えばジアセトン変性ポリビニルアルコールと、ヒドラジン化合物とを併用することが提案されている(特許文献1参照)。しかし、この提案の材料を保護層に使用すると、塗布状態で耐水化反応が促進して保護層塗布液が経時で増粘してしまうという問題がある。
また、保護層の結着樹脂としてジアセトン変性ポリビニルアルコールを用い、感熱発色層中にヒドラジン系化合物を含有する感熱記録材料が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この提案では、保護層の耐水性が不十分であり、また感熱発色層塗布液の増粘が生じたり、ヒドラジン系化合物により感熱発色層の発色が阻害されてしまうという問題がある。
また、ジアセトンアクリルアミドを単体として含む共重合ポリビニルアルコールと、水溶性ヒドラジン化合物と、水溶性アミンとを用いた感熱記録材料が提案されている(特許文献3参照)。しかし、この提案の材料を保護層に使用すると水溶性アミンが感熱発色層に悪影響を与え、地肌発色を起こし、pHコントロールが難しく、水性アミンの添加量によっては液増粘が促進されてしまうという問題がある。
しかし、特許文献4のような反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコールと、ヒドラジド化合物とを用いた感熱記録材料は、水性フレキソインクで印刷した画像が長時間水と接触すると、外力の作用で容易に画像が剥がれてしまうという問題があり、その解決が望まれているのが現状である。
<1> 支持体と、該支持体上に少なくともロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱発色層と、該感熱発色層上に保護層とを有してなり、該保護層が、ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂及び(メタ)アクリル樹脂を含有することを特徴とする感熱記録材料である。
<2> (メタ)アクリル樹脂が、(メタ)アクリル酸、及び(メタ)アクリル酸エステルのいずれかを重合させてなる単独重合体、並びに(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、及びこれらと共重合可能なモノマーを共重合させてなる共重合体のいずれかである前記<1>に記載の感熱記録材料である。
<3> (メタ)アクリル樹脂が、スチレン−アクリル酸共重合体である前記<1>から<2>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<4> (メタ)アクリル樹脂の保護層における含有量が、ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂100質量部に対し、1〜50質量部である前記<1>から<3>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<5> (メタ)アクリル樹脂の酸価が、100mgKOH/g以上である前記<1>から<4>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<6> 保護層がヒドラジン化合物を含有し、該ヒドラジン化合物がアジピン酸ジヒドラジドである前記<1>から<5>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<7> 支持体の感熱発色層を有する側の面の反対側の面上に、粘着剤層と、該粘着剤層表面に剥離紙を有する感熱記録ラベルである前記<1>から<6>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<8> 支持体の感熱発色層を有する側の面の反対側の面上に、加熱によって粘着性を発現する感熱粘着層を有する感熱記録ラベルである前記<1>から<6>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
ここで、前記フレキソインクには、使用溶剤のタイプによって、アルコール型と、水性型とに分けられる。前記アルコール型フレキソインクは、使用溶剤がエタノール等の低沸点物とグリコール等の遅乾燥性のアルコール系溶剤によって作製される。一方、前記水性型フレキソインクは、水あるいは微量のアルコールの併用によるインクタイプであり、溶剤を含んでいないため、省資源、及び環境衛生面において大きく貢献することができるので汎用されているものである。
前記保護層は、ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂及び(メタ)アクリル樹脂を含有してなり、架橋剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂は、水酸基がジアセトンによって変性されたポリビニルアルコールであり、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前者の場合、前記ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂は、ジアセトン基を有するビニルモノマーと、脂肪酸ビニルエステルとを共重合して得られた共重合体を鹸化する等の公知の方法により製造することができる。
前記脂肪酸ビニルエステルとしては、例えば蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられるが、これらの中でも、酢酸ビニルが特に好ましい。
前記ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂は、他の共重合可能なビニルモノマーを共重合させたものでもよい。これらの共重合可能なビニルモノマーとしては、例えばアクリル酸エステル、ブタジエン、エチレン、プロピレン、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸などが挙げられる。
前記ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂の重合度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、300〜3,000が好ましく、500〜2,000がより好ましい。
前記(メタ)アクリル樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、適宜合成したものであってよく、市販品であってもよい。
前者の場合には、前記(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸、及び(メタ)アクリル酸エステルのいずれかを重合させてなる単独重合体、並びに(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、及びこれらと共重合可能なモノマーを共重合させてなる共重合体のいずれかが好適である。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アルキル基を有するアミノ(メタ)アクリル酸エステル、グリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、アリル(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、グリシジル(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ベンジル(メタ)アクリル酸エステル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル酸エステルメチルクロライド塩、アリル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルキル基の炭素数が、短すぎると、該(メタ)アクリル樹脂の柔軟性に欠けることがあり、長すぎると、側鎖のメチレン鎖同士が規則的に並び、該(メタ)アクリル樹脂の柔軟性に欠けることがある。
前記グリコールジ(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ブチレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
前記アクリル樹脂は水溶性タイプ、及びエマルションタイプのどちらでも同等の印刷画像の耐水性効果が得られるが、エマルションタイプを使用した場合には、耐可塑剤性、耐油性等のバリア性品質が低下するという背反作用があるため、水溶性タイプの方が好ましい。
前記(メタ)アクリル樹脂の酸価は、100mgKOH/g以上が好ましく、150〜250mgKOH/gがより好ましい。前記酸価が100mgKOH/g未満であると、水性フレキソインクの印刷画像の耐水性に対し十分な効果が得られないことがある。
ここで、前記(メタ)アクリル樹脂の酸価は、例えば、JIS K0070にて定める試験法により測定することができる。
前記(メタ)アクリル樹脂の質量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000〜300,000が好ましい。
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ヒドラジド化合物が好適である。
前記ヒドラジン化合物としては、ヒドラジド基を有すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ヒドラジン、カルボヒドラジド、蓚酸ジヒドラジド、蟻酸ヒドラジド、酢酸ヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,7−ナフトエ酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐水性及び安全性の面からアジピン酸ジヒドラジドが特に好ましい。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ニーダーコート法、カーテンコート法、ブレードコート法、などが挙げられる。これらの中でも、塗布効率等の点から、スピンコート法、ディップコート法が特に好ましい。
前記塗布の後、必要に応じて乾燥させてもよく、該乾燥の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100〜250℃が好ましい。
前記保護層の乾燥塗布量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5〜5.0g/m2が好ましく、1.5〜3.5g/m2がより好ましい。前記乾燥塗布量が0.5g/m2未満であると、保護層としての充分な機能が得られず、油、可塑剤、水等の外部からの薬品などで印字画像が退色してしまうことがあり、5.0g/m2を超えると、保護層の機能として更なる向上は見られず、逆に発色感度が低下してしまうことがある。
前記感熱発色層は、ロイコ染料、顕色剤、及びバインダー樹脂を少なくとも含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記ロイコ染料としては、特に制限はなく、通常感熱記録材料に使用されているものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。
このようなロイコ染料の具体例としては、例えば、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3′−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N,n−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’クロルフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−プロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’、5’−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−イソプロピル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピベリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−N−ブチルアニリノ)フルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(−2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−p−クロロフェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−フェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3,3−ビス(2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−p−メトキシフェニル)エテニル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジプロモフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−p−トリルスルホニルメタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記顕色剤としては、前記ロイコ染料を接触時発色させる電子受容性の種々の化合物、又は酸化剤等が適用できる。
前記顕色剤の具体例としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、p−ニトロ安息香酸亜鉛、1,3,5−トリス(4−ターシャリーブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、2,2−(3,4’−ジヒドロキシジフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、4−{β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニチオ)−5−オキサペンタン、フタル酸モノベンジルエステルモノカルシウム塩、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリ−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリ−ブチル−2−メチル)フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリ−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(6−ターシャリ−ブチル−2−メチル)フェノール、4,4’−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン(4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン)、4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジフェノールスルホキシド、p−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキユ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、N,N’−ジフェニルチオ尿素、N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,4’−ジフェノールスルホン、2,2’−ジアリル−4,4’−ジフェノールスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルジフェニルスルホン、1−アセチルオキシ−2−ナフトエ酸亜鉛、2−アセチルオキシ−1−ナフトエ酸亜鉛、2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸亜鉛、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエン、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4’−チオビス(2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−クロロフェノール)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉又はその誘導体;メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョン;スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等のラテックス類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記填料としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウム、表面処理されたシリカ等の無機系微粉末;尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂等の有機系微粉末などが挙げられる。
前記感熱発色層の乾燥後の付着量は、前記感熱発色層の組成や感熱性粘着材料の用途等により異なり一概には規定できないが、1〜20g/m2が好ましく、3〜10g/m2がより好ましい。
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ、材料等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、シート状、ロール状、平板状などが挙げられる。前記構造としては、単層構造であってもいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記感熱記録材料の大きさ等に応じて適宜選択することができる。前記材料としては、例えばプラスチックフィルム、合成紙フィルム、上質紙、古紙パルプ、再生紙、片艶紙、耐油紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、微塗工紙、樹脂ラミネート紙、などが挙げられる。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、30〜2,000μmが好ましく、50〜1,000μmがより好ましい。
前記感熱記録材料としての感熱記録ラベルは、第1形態では、支持体の感熱発色層を有する側の面の反対側のうら面上に、粘着剤層と、該粘着剤層表面に剥離紙を有してなり、更に必要に応じてその他の構成を有してなる。なお、うら面上には、バック層面も含まれる。
前記粘着剤層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢ビ系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても構わない。
前記感熱粘着層は、熱可塑性樹脂及び熱溶融性物質を含有してなり、更に必要に応じて粘着付与剤を含有してなる。
前記熱可塑性樹脂は、粘着力、及び接着力を付与するものである。前記熱溶融性物質は、常温では固体であるため、樹脂に可塑性は与えないが、加熱により溶融して樹脂を膨潤乃至軟化させて粘着性を発現させるものである。また、前記粘着付与剤は粘着性を向上させる働きを有するものである。
前記感熱記録材料としての感熱記録磁気紙は、支持体の感熱発色層を有する側の面の反対側のうら面上に、磁気記録層を有してなり、更に必要に応じてその他の構成を有してなる。なお、うら面上には、バック層面も含まれる。
前記磁気記録層としては、例えば、酸化鉄、バリウムフェライト等と、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ナイロン系樹脂等とを用い支持体上に塗工形成されるか、又は蒸着、スパッタリング等の方法により樹脂を用いず形成される。
前記磁気記録層は支持体における該感熱発色層とは反対側の面に設けることが好ましいが、支持体と該感熱発色層との間、該感熱発色層上の一部に設けてもよい。
本発明の感熱記録材料は、生鮮食料品、弁当、惣菜用等のPOS分野;図書、文書等の複写分野;ファクシミリ等の通信分野;券売機、レシート、領収書等の発券分野;航空機業界のバッゲージ用タグなどの各種分野に好適に用いられ、感熱記録材料が水との接触する環境下(例えば、冷蔵庫中、スーパーの陳列棚、水周りなど)、長時間の水との接触により、感熱記録材料表面に水性フレキソインクにて印刷した画像が、容易に剥がれてしまうことがないので、このような用途において特に好適に用いることができる。
<感熱記録材料の作製>
(1)染料分散液の調製(A液)
下記の組成をサンドミルで平均粒子径が0.5μmになるまで分散して、A液を調製した。
・2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン・・・20質量部
・ポリビニルアルコールの10質量%水溶液・・・20質量部
・水・・・60質量部
下記の組成をボールミルで平均粒子径が1.5μmになるまで分散して、B液を調製した。
・水酸化アルミニウム・・・20質量部
・4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン・・・20質量部
・ポリビニルアルコールの10質量%水溶液・・・20質量部
・水・・・40質量部
下記の組成をボールミルで平均粒子径が1.5μmになるまで分散して、C液を調製した。
・水酸化アルミニウム・・・100質量部
・ポリビニルアルコールの10質量%水溶液・・・20質量部
・水・・・40質量部
下記の組成を混合して感熱発色層塗工液を調製した。
・上記A液・・・20質量部
・上記B液・・・60質量部
・樹脂水溶液(ジアセトン変性ポリビニルアルコール、固形分=10質量%)・・・30質量部
・ジオクチルスルホコハク酸水溶液(固形分=5質量%)・・・1質量部
下記の組成を混合して保護層塗工液を調製した。
・上記C液・・・60質量部
・ジアセトン変性ポリビニルアルコール水溶液(固形分=10質量%)・・・100質量部
・アクリル樹脂水溶液(酸価=600mgKOH/g、ポリアクリル酸ナトリウム、ジュリマーAC103、日本純薬株式会社製、固形分=10質量%)・・・20質量部
・アジピン酸ジヒドラジド水溶液(固形分=10質量%)・・・10質量部
・ジオクチルスルホコハク酸水溶液(固形分=5質量%)・・・1質量部
支持体(坪量60g/m2の上質紙)上に、上記感熱発色塗工液を染料付着量が0.50g/m2なるように塗布し、乾燥させて感熱発色層を形成した。該感熱発色層上に上記保護層塗工液を乾燥付着量が3.0g/m2になるように塗布し、乾燥させて保護層を形成した。その後、スーパーキャレンダーにて処理した。以上により、参考例1の感熱記録材料としての感熱記録紙を作製した。
−感熱記録材料の作製−
参考例1の保護層塗工液に用いたアクリル樹脂水溶液の代わりにスチレン−アクリル酸共重合樹脂水溶液(酸価=195mgKOH/g、ジョンクリル61J、ジョンソンポリマー株式会社製、固形分=10質量%)を20質量部用いた以外は、参考例1と同様にして、実施例2の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
参考例1の保護層塗工液に用いたアクリル樹脂水溶液の代わりにスチレン−アクリル酸共重合樹脂水溶液(酸価=195mgKOH/g、ジョンクリル61J、ジョンソンポリマー株式会社製、固形分=10質量%)を2質量部添加した以外は、参考例1と同様にして、実施例3の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
参考例1の保護層塗工液に用いたアクリル樹脂水溶液の代わりにスチレン−アクリル酸共重合樹脂水溶液(酸価=195mgKOH/g、ジョンクリル61J、ジョンソンポリマー株式会社製、固形分=10質量%)を0.5質量部添加した以外は、参考例1と同様にして、参考例4の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
参考例1の保護層塗工液に用いたアクリル樹脂水溶液の代わりにスチレン−アクリル酸共重合樹脂水溶液(酸価=195mgKOH/g、ジョンクリル61J、ジョンソンポリマー株式会社製、固形分=10質量%)を45質量部添加した以外は、参考例1と同様にして、実施例5の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
参考例1の保護層塗工液に用いたアクリル樹脂水溶液の代わりにスチレン−アクリル酸共重合樹脂水溶液(酸価=195mgKOH/g、ジョンクリル61J、ジョンソンポリマー株式会社製、固形分=10質量%)を55質量部添加した以外は、参考例1と同様にして、参考例6の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
参考例1の保護層塗工液に用いたアクリル樹脂水溶液の代わりにスチレン−アクリル共重合樹脂水溶液(酸価100mgKOH/g、ジョンクリル450、ジョンソンポリマー株式会社製、固形分=10質量%)を20質量部添加した以外は、参考例1と同様にして、実施例7の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
参考例1の保護層塗工液に用いたアクリル樹脂水溶液の代わりにスチレン−アクリル共重合樹脂水溶液(酸価=55mgKOH/g、ジョンクリル775、ジョンソンポリマー株式会社製、固形分=10質量%)を20質量部添加した以外は、参考例1と同様にして、参考例8の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
参考例1の保護層塗工液にアクリル樹脂水溶液を添加しなかった以外は、参考例1と同様にして、比較例1の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
参考例1の保護層塗工液に用いたジアセトン変性ポリビニルアルコール水溶液の代わりにカルボキシ変性ポリビニルアルコール水溶液(固形分=10質量%)を用い、アジピン酸ジヒドラジド水溶液の代わりにポリアミドエピクロルヒドリン樹脂水溶液(固形分=10質量%)を用い、アクリル樹脂水溶液(固形分=10質量%)を添加しなかった以外は、参考例1と同様にして、比較例2の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
参考例1の保護層塗工液に用いたジアセトン変性ポリビニルアルコール水溶液の代わりにカルボキシ変性ポリビニルアルコール水溶液(固形分=10質量%)を用い、更にアジピン酸ジヒドラジド水溶液の代わりにポリアミドエピクロルヒドリン樹脂水溶液(固形分=10質量%)を用いた以外は、参考例1と同様にして、比較例3の感熱記録材料を作製した。
−感熱記録材料の作製−
参考例1の保護層塗工液に用いたジアセトン変性ポリビニルアルコール水溶液の代わりにカルボキシ変性ポリビニルアルコール水溶液(固形分=10質量%)を用いた以外は、参考例1と同様にして、比較例4の感熱記録材料を作製した。
−ポリビニルアルコール樹脂−
・A−1:ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂(反応性カルボニル基の含有量=4.0モル%)
・A−2:カルボキシ変性ポリビニルアルコール樹脂
−アクリル樹脂−
・B−1:ポリアクリル酸ナトリウム(酸価=600mgKOH/g、ジュリマーAC−103、日本純薬株式会社製)
・B−2:スチレン−アクリル共重合樹脂(酸価=195mgKOH/g、ジョンクリル61J、ジョンソンポリマー株式会社製)
・B−3:スチレン−アクリル共重合樹脂(酸価=100mgKOH/g、ジョンクリル450、ジョンソンポリマー株式会社製)
・B−4:スチレン−アクリル共重合樹脂(酸価=55mgKOH/g、ジョンクリル775、ジョンソンポリマー株式会社製)
−架橋剤−
・C−1:アジピン酸ジヒドラジド
・C−2:ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂
各感熱記録材料について、25質量%に希釈した水性フレキソインク(AKZO Nobel社製、MTQ 30302−404)を線径0.10mmのワイヤーバーで塗布し、22℃、65%RHの環境下、1時間放置して乾燥させた後、印刷画像上に水を1滴滴下し、5分間後に指で1回強く擦り、印刷画像の剥がれ具合により、下記基準から耐水性の評価を行った。
〔水性フレキソ印刷の耐水剥がれ試験ランク(4水準)〕
◎:印刷部に全く剥がれなし
○:印刷部に1〜25%未満の剥がれが発生した
△:印刷部に25〜50%未満の剥がれが発生した
×:印刷部に50%以上の剥がれが発生した
キャレンダー済の各感熱記録材料について、薄膜ヘッドを有する感熱印字実験装置(松下電器部品株式会社製)を用い、ヘッド電力0.45W/ドット1ライン、記録時間20msec/L、走査密度8×385ドット/mm条件下で、1msec毎にパルス巾0.0〜0.7mmsecに印字し、印字濃度をマクベス濃度計RD−914にて測定し、濃度が1.0となるパルス巾を計算した。
比較例1を基準として、(比較例1のパルス巾)/(測定したサンプルのパルス巾)=感度倍率として計算する。値が大きいほど感度(熱応答性)が良好である。
各感熱記録材料及びプリンタ(SM−90、寺岡精工株式会社製)を40℃、90%RHの高温高湿環境下に1時間放置して調湿した後印字し、印字長より搬送性を評価した。この印字長とは、プリンタによって特定の印字パターンを印字した際の印字スタート部から印字ラスト部までの長さである。搬送性が優れている場合には、印字パターンが正確に印字され、印字パターンの印字長と実際に印字したサンプルの印字長が同一長になる。これに対し、搬送性が劣っている場合には、感熱記録材料とサーマルヘッドの貼り付きによる搬送不良、及び印字部が短縮して印字されてしまい、更に感熱記録材料の搬送の際に蛇行するなどして、印字パターンの印字長よりも短くなる。この試験では、印字長が100mmの印字パターンを使用した。
各々の感熱記録材料及びプリンタ(L’esprit R−12、サトー株式会社製)を5℃、30%RHの低温低湿環境下に1時間放置して調湿した後、印字し、スティッキング性を評価した。
スティッキング性が優れている場合は、印字パターンが正確に印字される。一方、スティッキング性が劣る場合は、感熱記録材料の同一部分に重複して印字されるため、印字パターンが正確に印字されない。印字画像を目視にて確認し、下記の基準によりスティッキング性の評価を行った。
〔スティッキング性の目視によるランク(5水準)〕
◎:スティッキングは発生しない
○:スティッキングは発生するが、品質には問題ない程度である
△:スティッキングが発生し、品質にも問題がある程度である
×:完全に搬送されず、スティッキングが発生する
××:全く搬送されない
大倉電機株式会社製の感熱記録材料の印字シミュレーターを用いてエネルギー1.00msで印字した試験片を、20℃環境下、水100ml中に24時間浸し、試験後の画像部濃度をマクベス濃度計RD−914にて測定した。なお、値が大きいほど耐水性が良好である。
これに対し、比較例1では、保護層にジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂を用いているが、アクリル樹脂を含んでいないため、水性フレキソインクによる印刷画像の耐水性が劣るものであった。
また、比較例2及び3では、保護層にカルボキシ変性ポリビニルアルコールを使用しているので、水性フレキソインクによる印刷画像の耐水性は良好であるが、スティッキング性が劣るものであった。
また、比較例4では、カルボキシ変性ポリビニルアルコールとアジピン酸ジヒドラジドは架橋反応を起こさないため、保護層としての機能を有しておらず、そのため、搬送性、スティッキング性、及び耐水性が劣るものであった。
Claims (5)
- 支持体と、該支持体上に少なくともロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱発色層と、該感熱発色層上に保護層とを有してなり、該保護層が、少なくともジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂及び酸価が100mgKOH/g以上のスチレン−アクリル酸共重合体を含有し、前記スチレン−アクリル酸共重合体の前記保護層における含有量が、前記ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂100質量部に対し1質量部〜50質量部であることを特徴とする感熱記録材料。
- スチレン−アクリル酸共重合体の酸価が、100mgKOH/g〜250mgKOH/gである請求項1に記載の感熱記録材料。
- 保護層がヒドラジン化合物を含有し、該ヒドラジン化合物がアジピン酸ジヒドラジドである請求項1から2のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 支持体の感熱発色層を有する側の面の反対側の面上に、粘着剤層と、該粘着剤層表面に剥離紙を有する感熱記録ラベルである請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 支持体の感熱発色層を有する側の面の反対側の面上に、加熱によって粘着性を発現する感熱粘着層を有する感熱記録ラベルである請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録材料。
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