JP2011056804A - 感熱記録材料 - Google Patents

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Yoshitaka Sano
嘉高 佐野
Takeshi Akimoto
猛 秋本
Noriya Koizumi
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Abstract

【課題】水性フレキソインクにて印刷した画像の耐水性に優れ、かつUV印刷インクの転移性、結着性に優れ、さらに高温高湿環境条件下での搬送性及び低温低湿環境条件下でのスティッキング性が良好であり、なおかつ高感度な感熱記録材料を提供する。
【解決手段】支持体上に、少なくともロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱発色層と、ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂と有機及び/又は無機フィラーとを主成分とする保護層とをこの順で有する感熱記録材料において、該感熱発色層に酸価が85mgKOH/g以上の(メタ)アクリル酸樹脂のアルカリ塩を含有せしめてなることを特徴とする感熱記録材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えばコンピューターのアウトプット分野、電卓等のプリンタ分野、医療計測用のレコーダー分野、低速及び高速ファクシミリ分野、自動券売機分野、ハンディターミナル分野などで好適に利用される感熱記録材料に関する。
従来より、支持体上に少なくともロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱発色層を有してなり、前記ロイコ染料と前記顕色剤の間の発色反応を利用する感熱記録材料について、数多くの提案がなされている。このような感熱記録材料は、(1)現像、定着等の煩雑な処理を施す必要がなく、比較的簡単な装置で短時間に記録できること、(2)騒音の発生が少ないこと、(3)コストが安いことなどの利点を有し、例えば図書、文書等の複写に用いられる他、電子計算機、ファクシミリ、発券機、ラベルプリンター、レコーダー、ハンディターミナル等の記録材料として幅広く使用されている。
前記感熱記録材料としては、速やかに高濃度に発色し、該発色した画像及び地肌の堅牢性の高いものが要望されている。また近年では、ラベル等の記録画像の信頼性が重視される分野でも頻繁に使用されるようになり、特に包装に使用される有機高分子材料に含まれる可塑剤や油脂類等に対する保存安定性の高いものが要望されている。
このため、感熱発色層上に保護層を設けた感熱記録材料が提案されている。このような保護層における結着樹脂として、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、又はこれらと耐水化剤を併用したものが使用されている。例えばジアセトン変性ポリビニルアルコールと、ヒドラジン化合物とを併用することが提案されている(特許文献1参照)。しかし、この提案の材料を保護層に使用すると、塗布状態で耐水化反応が促進して保護層塗布液が経時で増粘してしまうという問題がある。
また、保護層の結着樹脂としてジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂を用い、感熱発色層中にヒドラジン系化合物を含有する感熱記録材料が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この提案では、保護層の耐水性が不十分であり、また感熱発色層塗布液の増粘が生じたり、ヒドラジン系化合物により感熱発色層の発色が阻害されてしまうという問題がある。
また、ジアセトンアクリルアミドを単体として含む共重合ポリビニルアルコールと、水溶性ヒドラジン化合物と、水溶性アミンとを用いた感熱記録材料が提案されている(特許文献3参照)。しかし、この提案の材料を保護層に使用すると水溶性アミンが感熱発色層に悪影響を与え、地肌発色を起こし、pHコントロールが難しく、水性アミンの添加量によっては液増粘が促進されてしまうという問題がある。
これらの問題点を改善する方法として、特許文献4では、保護層中に反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコールと、ヒドラジド化合物と、塩基性フィラーとを含有させてなる感熱記録材料が提案されている。この提案によれば、増粘についての問題点は改善することができた。
しかし、特許文献4のような反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコールと、ヒドラジド化合物とを用いた感熱記録材料は、水性フレキソインクで印刷した画像が長時間水と接触すると、外力の作用で容易に画像が剥がれてしまうという問題があった。前記問題に対し特許文献5及び6では保護層中に(メタ)アクリル樹脂を含有させてフレキソインクの耐水性、結着性を改善する方法が提案されている。
しかしながら前記方法では添加する(メタ)アクリル樹脂のTg(ガラス転移点)が低いとロールで貯蔵された際にブロッキング発生の原因となり、Tgが高くなるとUV印刷時に版からインクの転写性が低下して転移性が悪くなり、その結果印刷濃度低下、結着性低下が発生する問題があった。
本発明は、水性フレキソインクにて印刷した画像の耐水性に優れ、かつUV印刷インクの転移性、結着性に優れ、さらに高温高湿環境条件下での搬送性及び低温低湿環境条件下でのスティッキング性が良好であり、なおかつ高感度な感熱記録材料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、支持体上に感熱発色層を有し、該感熱発色層上に保護層を有する感熱記録材料において、前記感熱発色層中に酸価が85mgKOH/g以上の(メタ)アクリル酸樹脂のアルカリ塩を含むことにより、感熱記録材料表面に水性フレキソインクにて印刷した画像が、水と接触した際の剥がれを効果的に抑えることができ、印刷画像の耐水性が向上することを知見した。また本発明者らは、当該感熱記録材料は、UV印刷インクの転移性、結着性、高温高湿環境条件下での搬送性、低温低湿環境条件下でのスティッキング性に優れ、さらに高感度であることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1>支持体上に、少なくともロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱発色層と、ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂と有機及び/又は無機フィラーとを主成分とする保護層とをこの順で有する感熱記録材料において、該感熱発色層に酸価が85mgKOH/g以上の(メタ)アクリル酸樹脂のアルカリ塩を含有せしめてなることを特徴とする感熱記録材料である。
<2>前記酸価が85mgKOH/g以上の(メタ)アクリル酸樹脂のアルカリ塩アンモニウム塩であることを特徴とする前記<1>に記載の感熱記録材料である。
<3>前記酸価が85mgKOH/g以上の(メタ)アクリル酸樹脂のアルカリ塩がスチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩であることを特徴とする前記<1>または<2>に記載の感熱記録材料である。
<4>前記酸価が85mgKOH/g以上の(メタ)アクリル酸樹脂のアルカリ塩の感熱発色層における含有量が、前記感熱発色層中のロイコ染料1質量部に対し0.05〜1質量部であることを特徴とする前記<1>から<3>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<5>前記保護層がヒドラジン化合物を含有し、該ヒドラジン化合物がアジピン酸ジヒドラジドであることを特徴とする前記<1>から<4>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<6>前記感熱記録材料が、前記支持体の感熱発色層を有する側の面の反対側の面上に、粘着剤層と、剥離紙とをこの順に設けた感熱記録ラベルであることを特徴とする前記<1>から<5>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<7>前記粘着剤層が、加熱によって粘着性を発現する感熱粘着剤層であることを特徴とする前記<6>に記載の感熱記録材料である。
<8>前記感熱記録材料が、前記支持体の感熱発色層を有する側の面の反対側の面上に、磁気記録層を設けた感熱記録磁気紙であることを特徴とする前記<1>から<5>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
本発明の感熱記録材料は、支持体上に少なくともロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱発色層と、ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂と有機及び/又は無機フィラーとを主成分とする保護層とをこの順で有する感熱記録材料において、該感熱発色層に酸価が85mgKOH/g以上の(メタ)アクリル酸樹脂のアルカリ塩を含有せしめてなる。前記感熱記録材料表面に水性フレキソインクで印刷した画像において、保護層から浸透した水性フレキソインクの樹脂が該感熱発色層内の(メタ)アクリル酸樹脂のカルボキシル基と結合して、水性フレキソインクとの結着性が強まる。その結果、水性フレキソインクにて印刷した画像は耐水性が良好になる。また(メタ)アクリル樹脂を該感熱発色層に添加しているため比較的高粘度であるUV印刷インクは保護層に結着し転移性の低下による濃度、結着性の低下が起こらない。さらに高温高湿環境条件下での搬送性及び低温低湿環境条件下でのスティッキング性などのプリンターマッチング、ロール保存時のブロッキングにおいても良好になる。ここで、前記フレキソインクには、使用溶剤のタイプによって、アルコール型と、水性型とに分けられる。前記アルコール型のフレキソインクは、使用溶剤がエタノール等の低沸点物とグリコール等の遅乾燥性のアルコール系溶剤によって作製される。一方、前記水性型のフレキソインクは、水あるいは微量のアルコールの併用によるインクタイプであり、溶剤を含んでいないため、省資源、及び環境衛生面において大きく貢献することができるので汎用されているものである。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、表面に水性フレキソインクにて印刷した画像の耐水性に優れ、UV印刷インクの転移性、結着性に優れ、さらに高温高湿環境条件下での搬送性及び低温低湿環境条件下でのスティッキング性が良好であり、なおかつ高感度な感熱記録材料を提供することができる。
本発明の感熱記録材料は、支持体上に、感熱発色層と、保護層とをこの順で有し、更に必要に応じてバック層、中間層等のその他の層を有してなる。
<保護層>
前記保護層は、ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂、架橋剤、有機及び/又は無機フィラーを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂−
前記ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂は、水酸基がジアセトンによって変性されたポリビニルアルコールであり、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前者の場合、前記ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂は、ジアセトン基を有するビニルモノマーと、脂肪酸ビニルエステルとを共重合して得られた共重合体を鹸化する等の公知の方法により製造することができる。
前記ジアセトン基を有するビニルモノマーとしては、例えばジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタアクリルアミドなどが挙げられる。
前記脂肪酸ビニルエステルとしては、例えば蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられるが、これらの中でも、酢酸ビニルが特に好ましい。
前記ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂は、他の共重合可能なビニルモノマーを共重合させたものでもよい。これらの共重合可能なビニルモノマーとしては、例えばアクリル酸エステル、ブタジエン、エチレン、プロピレン、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸などが挙げられる。
前記ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂中の反応性カルボニル基の含有量は、ポリマー中に0.5〜20モル%が好ましく、2〜10モル%がより好ましい。前記含有量が0.5モル%未満であると、耐水性が実用上不十分となることがあり、20モル%を超えると、耐水化の向上が見られなく、経済的に高価となることがある。
前記ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂の重合度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、300〜3,000が好ましく、500〜2,000がより好ましい。
−架橋剤−
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ヒドラジン化合物が好適である。
前記ヒドラジン化合物としては、ヒドラジド基を有すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ヒドラジン、カルボヒドラジド、蓚酸ジヒドラジド、蟻酸ヒドラジド、酢酸ヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,7−ナフトエ酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐水性及び安全性の面からアジピン酸ジヒドラジドが特に好ましい。
前記架橋剤の添加量は、架橋剤の官能基の変性量、種類によっても異なるが、前記ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
なお、本発明の架橋剤には、その機能を損なわない範囲で、例えば、グリオキザール、メラミン、アジリジン化合物、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、炭酸ジルコニウムアンモン、エチレンジアミン等の公知の架橋剤を組み合わせて使用してもよい。
前記保護層のフィラーとして、例えば水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウム、表面処理されたシリカ等の無機系微粉末;尿素ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂などの有機系微粉末などが挙げられる。これらの中でも、長期にわたって印字を行った際のサーマルヘッドに対する耐磨耗性が良好である点から、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムが特に好ましい。
フィラーの含有量は、ジアセトン変性ポリビニルアルコール1質量部に対して1.5〜4.0質量部が好ましい。
前記保護層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感熱発色層上に保護層塗布液を塗布して、保護層を形成する方法が好適である。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ニーダーコート法、カーテンコート法、ブレードコート法、などが挙げられる。これらの中でも、塗布効率等の点から、スピンコート法、ディップコート法が特に好ましい。
前記塗布の後、必要に応じて乾燥させてもよく、該乾燥の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100〜250℃が好ましい。
前記保護層の乾燥塗布量は0.5〜5.0g/mが好ましく、1.5〜3.0g/mがより好ましい。前記乾燥塗布量が0.5g/m未満であると、保護層としての充分な機能が得られず、油、可塑剤、水等の外部からの薬品などで印字画像が退色してしまうことがあり、5.0g/mを超えると発色感度が低下してしまうことがある。
<感熱発色層>
前記感熱発色層は、ロイコ染料、顕色剤、及び酸価が85mgKOH/g以上の(メタ)アクリル酸樹脂のアルカリ塩を少なくとも含有してなり、更に必要に応じてバインダー樹脂、その他の成分を含有してなる。
−ロイコ染料−
前記ロイコ染料としては、特に制限はなく、通常感熱記録材料に使用されているものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。
このようなロイコ染料の具体例としては、例えば、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3′−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−n−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’クロルフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−プロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’、5’−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−イソプロピル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピベリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−N−ブチルアニリノ)フルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(−2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−p−クロロフェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−フェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3,3−ビス(2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−p−メトキシフェニル)エテニル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジプロモフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−p−トリルスルホニルメタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−顕色剤−
前記顕色剤としては、前記ロイコ染料を接触時発色させる電子受容性の種々の化合物、又は酸化剤等が適用できる。
前記顕色剤の具体例としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、p−ニトロ安息香酸亜鉛、1,3,5−トリス(4−ターシャリーブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、2,2−(3,4’−ジヒドロキシジフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、4−{β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニチオ)−5−オキサペンタン、フタル酸モノベンジルエステルモノカルシウム塩、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリ−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリ−ブチル−2−メチル)フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリ−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(6−ターシャリ−ブチル−2−メチル)フェノール、4,4’−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン(4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン)、4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジフェノールスルホキシド、p−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキユ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、N,N’−ジフェニルチオ尿素、N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,4’−ジフェノールスルホン、2,2’−ジアリル−4,4’−ジフェノールスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルジフェニルスルホン、1−アセチルオキシ−2−ナフトエ酸亜鉛、2−アセチルオキシ−1−ナフトエ酸亜鉛、2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸亜鉛、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエン、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4’−チオビス(2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−クロロフェノール)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ロイコ染料の感熱層中における含有量は、5〜20質量%が好ましい。
前記顕色剤の含有量は、前記ロイコ染料1質量部に対し1〜20質量部が好ましく、2〜10質量部がより好ましい。
−酸価が85mgKOH/g以上の(メタ)アクリル酸樹脂−
前記(メタ)アクリル酸樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、適宜合成したものであってよく、市販品であってもよい。
前者の場合には、前記(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸、及び(メタ)アクリル酸エステルのいずれかを重合させてなる単独重合体、並びに(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、及びこれらと共重合可能なモノマーを共重合させてなる共重合体のいずれかが好適である。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一般に、紫外線硬化用樹脂又は電子線硬化用樹脂などに用いられるモノマー乃至オリゴマーなどが好適に挙げられる。これらの中でも、柔軟な構造を有するものが好ましく、脂肪族化合物がより好ましい。なお、芳香族化合物では鎖状構造を有するものが好ましい。また、3官能性以上の多官能性モノマーよりも単官能性モノマー乃至2官能性モノマーが好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アルキル基を有するアミノ(メタ)アクリル酸エステル、グリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、アリル(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、グリシジル(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ベンジル(メタ)アクリル酸エステル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル酸エステルメチルクロライド塩、アリル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数1〜18のものが好ましく、3〜15がより好ましく、具体的には、メチル(メタ)アクリル酸エステル、エチル(メタ)アクリル酸エステル、n−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、i−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキシル(メタ)アクリル酸エステル、2−エチルヘキシル(メタ)アクリル酸エステル、ラウリル(メタ)アクリル酸エステル、ステアリル(メタ)アクリル酸エステル、などが挙げられる。
前記アルキル基の炭素数が、短すぎると、該(メタ)アクリル樹脂の柔軟性に欠けることがあり、長すぎると、側鎖のメチレン鎖同士が規則的に並び、該(メタ)アクリル樹脂の柔軟性に欠けることがある。
前記アルキル基を有するアミノ(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数1〜5のものが好ましく、具体的には、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル酸エステルジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
前記グリコールジ(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ブチレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
前記共重合可能なモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン等のビニルアレーン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン類;塩化ビニル、臭化ビニル、クロロプレン等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル;エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソブチレン等のアルケン類;ハロゲン化アルケン類;アリルメタクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、モノエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、グリシジルメタクリレート等の多官能モノマーなどが挙げられる。
これらの(メタ)アクリル樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルを共重合成分、あるいはこれら共重合成分にメタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトル、酢酸ビニル等を共重合成分とするアクリル樹脂が好ましく、水性フレキソインク内に含有されている樹脂との結着性の点からスチレン−アクリル酸共重合体が特に好ましい。
(メタ)アクリル酸樹脂のアルカリ塩としては、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられ、中でも本発明の効果の点からアンモニウム塩が好ましい。
前記(メタ)アクリル酸樹脂のアルカリ塩の前記感熱層における含有量は、前記ロイコ染料1質量部に対し0.05〜1.0質量部が好ましく、0.1〜0.5質量部がより好ましい。前記含有量が0.05質量部未満であると、水性フレキソインクの印刷画像に対し耐水性の効果が見られないことがあり、1.0質量部を超えると、発色感度が低下する。
前記(メタ)アクリル酸樹脂のアルカリ塩の酸価は、150〜250mgKOH/gが特に好ましい。前記酸価が85mgKOH/g未満であると、水性フレキソインクの印刷画像の耐水性に対し十分な効果が得られない。
ここで前記(メタ)アクリル酸樹脂の酸価は、例えば、JIS K0070にて定める試験法により測定することができる。
前記(メタ)アクリル酸樹の質量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000〜300,000が好ましい。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉又はその誘導体;メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョン;スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等のラテックス類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感熱発色層には、感度向上剤として種々の熱可融性物質を使用することができる。該熱可融性物質としては、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類;ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類;p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルエステル、ジフェニルカーボネート、テレフタル酸ジベンジルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジルオキシナフタレン、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ビス(フェノキシ)ブタン、1,4−ビス(フェノキシ)−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ビス(フェニルチオ)ブタン、1,4−ビス(フェニルチオ)−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、1,3−ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−(ベンジルオキシ)ベンジルアルコール、1,3−ジフェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、蓚酸ジベンジルエステル、1,5−ビス(p−メトキシフェニルオキシ)−3−オキサペンタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感熱発色層には、更に必要に応じて、各種補助添加成分、例えば、界面活性剤、滑剤、填料等を併用することができる。該滑剤としては、例えば、高級脂肪酸又はその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、石油系ワックスなどが挙げられる。
前記填料としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウム、表面処理されたシリカ等の無機系微粉末;尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂等の有機系微粉末などが挙げられる。
前記感熱発色層は、特に制限はなく、一般に知られている方法により形成することができ、例えば、ロイコ染料、顕色剤を別々にバインダー樹脂、その他の成分と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機により、分散粒径が0.1〜3μmになるまで粉砕分散した後、必要に応じて填料、滑剤等と共に、一定処方で混合して感熱発色層塗布液を調製し、支持体上に塗布することによって感熱発色層を形成することができる。
前記感熱発色層の乾燥後の付着量は、前記感熱発色層の組成や感熱性粘着材料の用途等により異なり一概には規定できないが、1〜20g/mが好ましく、3〜10g/mがより好ましい。
<支持体>
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ、材料等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、シート状、ロール状、平板状などが挙げられる。前記構造としては、単層構造であってもいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記感熱記録材料の大きさ等に応じて適宜選択することができる。前記材料としては、例えばプラスチックフィルム、合成紙フィルム、上質紙、古紙パルプ、再生紙、片艶紙、耐油紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、微塗工紙、樹脂ラミネート紙、などが挙げられる。
具体的には前記支持体としては、紙、フィルム、合成紙、剥離紙などを好適に用いることができる。前記紙としては、酸性紙、中性紙のいずれも用いることができる。また、前記中性紙支持体及び中性紙からなる剥離紙に関しては、カルシウム量の少ないものが好ましい。このようにカルシウム量が少ない中性紙及び中性紙からなる剥離紙は、抄造に用いる古紙の割合を少なくすることによって得られる。また、通常内添剤として炭酸カルシウムが用いられ、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー又は無水アルケニルコハク酸などが用いられているのに対し、カルシウム量が少ない中性紙の抄造には内添剤をタルクやクレーに代えて、中性ロジンサイズ剤と組み合わせることによって得られる。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、30〜2,000μmが好ましく、50〜1,000μmがより好ましい。
本発明の感熱記録材料の層構成としては、支持体上に感熱発色層を設け、該感熱発色層上に保護層を設け、また支持体の感熱発色層を有する側の面の反対側の面(うら面)にバック層、或いは支持体と感熱発色層の間、感熱発色層と保護層間、更に支持体とバック層間に中間層(断熱層)を形成してもよい。これらの中でも、支持体と感熱発色層の間に断熱層を形成することが特に好ましく、この断熱層は中空率が80%以上の中空樹脂粒子をフィラーとして用いることが好ましい。これらの各層は単層であっても複数層であってもよい。
本発明の感熱記録材料は、キャレンダー処理によるサーマルヘッドとの密着性の向上が著しいので、感熱発色層、又は保護層にキャレンダー処理を施すことは、特に好ましい。即ち、感熱発色層、又は保護層へのキャレンダー処理の圧力の大きさで表面の平滑度をコントロールすることにより、地肌かぶりが無く、しかも従来よりも高精細な感熱記録材料を得ることができる。
<感熱記録ラベル>
前記感熱記録材料としての感熱記録ラベルは、第1形態では、支持体の感熱発色層を有する側の面の反対側のうら面上に、粘着剤層を設け、さらに該粘着剤層表面に剥離紙を設けてなり、更に必要に応じてその他の構成を有してなる。なお、うら面上には、バック層面も含まれる。
前記粘着剤層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢ビ系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても構わない。
前記感熱記録ラベルは、第2形態では、支持体の感熱発色層を有する側の面の反対側のうら面上に、加熱によって粘着性を発現する感熱粘着剤層を有してなり、更に必要に応じてその他の構成を有してなる。なお、うら面上には、バック層面も含まれる。
前記感熱粘着剤層は、熱可塑性樹脂及び熱溶融性物質を含有してなり、更に必要に応じて粘着付与剤を含有してなる。
前記熱可塑性樹脂は、粘着力、及び接着力を付与するものである。前記熱溶融性物質は、常温では固体であるため、樹脂に可塑性は与えないが、加熱により溶融して樹脂を膨潤乃至軟化させて粘着性を発現させるものである。また、前記粘着付与剤は粘着性を向上させる働きを有するものである。
<感熱記録磁気紙>
前記感熱記録材料としての感熱記録磁気紙は、支持体の感熱発色層を有する側の面の反対側のうら面上に、磁気記録層を有してなり、更に必要に応じてその他の構成を有してなる。なお、うら面上には、バック層面も含まれる。
前記磁気記録層としては、例えば、酸化鉄、バリウムフェライト等と、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ナイロン系樹脂等とを用い支持体上に塗工形成されるか、又は蒸着、スパッタリング等の方法により樹脂を用いず形成される。
前記磁気記録層は支持体における該感熱発色層とは反対側の面に設けることが好ましいが、支持体と該感熱発色層との間、該感熱発色層上の一部に設けてもよい。
本発明の感熱記録材料の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ラベル状、シート状、ロール状、などが好適に挙げられる。
本発明の感熱記録材料を用いた記録方法は、使用目的によって、熱ペン、サーマルヘッド、レーザー加熱等で行われ、特に限定されない。
本発明の感熱記録材料は、生鮮食料品、弁当、惣菜用等のPOS分野;図書、文書等の複写分野;ファクシミリ等の通信分野;券売機、レシート、領収書等の発券分野;航空機業界のバッゲージ用タグなどの各種分野に好適に用いられ、感熱記録材料が水との接触する環境下(例えば、冷蔵庫中、スーパーの陳列棚、水周りなど)、長時間の水との接触により、感熱記録材料表面に水性フレキソインクにて印刷した画像が、容易に剥がれてしまうことがないので、このような用途において特に好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<感熱記録材料の作製>
(1)染料分散液の調製(A液)
下記の組成をサンドミルで平均粒子径が0.5μmになるまで分散して、A液を調製した。
・2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン・・・20質量部
・ポリビニルアルコールの10質量%水溶液・・・20質量部
・水・・・60質量部
(2)B液の調製
下記の組成をボールミルで平均粒子径が1.5μmになるまで分散して、B液を調製した。
・水酸化アルミニウム・・・20質量部
・4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン・・・20質量部
・ポリビニルアルコールの10質量%水溶液・・・20質量部
・水・・・40質量部
(3)C液の調製
下記の組成をボールミルで平均粒子径が1.5μmになるまで分散して、C液を調製した。
・水酸化アルミニウム・・・100質量部
・ポリビニルアルコールの10質量%水溶液・・・20質量部
・水・・・40質量部
(4)保護層塗工液の調製
下記の組成を混合して保護層塗工液を調製した。
・上記C液・・・15質量部
・ジアセトン変性ポリビニルアルコール水溶液(固形分=10質量%)・・・25質量部
・アジピン酸ジヒドラジド水溶液(固形分=10質量%)・・・2.5質量部
・ジオクチルスルホコハク酸水溶液(固形分=5質量%)・・・0.2質量部
(5)感熱発色層塗工液の調製
下記の組成を混合して感熱発色層塗工液を調製した。
・上記A液・・・5質量部
・上記B液・・・15質量部
・ジアセトン変性ポリビニルアルコール(固形分=10質量%)・・・10質量部
・スチレン−アクリル酸共重合体のアンモニウム塩水溶液(固形分=34質量% 酸価200mgKOH/g、ジョンクリル62J BASFジャパン株式会社)・・・・0.9質量部(有効成分:0.31質量部)
・ジオクチルスルホコハク酸水溶液(固形分=5質量%)・・・0.2質量部
(6)感熱記録紙の作製
支持体(坪量60g/mの上質紙)上に、上記感熱発色塗工液を染料付着量が0.50g/mなるように塗布し、乾燥させて感熱発色層を形成した。該感熱発色層上に上記保護層塗工液を乾燥付着量が3.0g/mになるように塗布し、乾燥させて保護層を形成した。その後、スーパーキャレンダーにて処理した。以上により、実施例1の感熱記録材料としての感熱記録紙を作製した。
(実施例2)
−感熱記録材料の作製−
実施例1の感熱発色層塗工液に用いたスチレン−アクリル酸共重合体のアンモニウム塩水溶液のかわりにアクリル酸樹脂のアンモニウム塩水溶液(固形分=24.5質量% 酸価85KOHmg/g、ジョンクリルJDX−6500 BASFジャパン株式会社)を4.0質量部(有効成分:0.98質量部)用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の感熱記録材料を作製した。
(実施例3)
−感熱記録材料の作製−
実施例1の感熱発色層塗工液に用いたスチレン−アクリル酸共重合体のアンモニウム塩水溶液(固形分=34質量% 酸価200KOH/g、ジョンクリル62J BASFジャパン株式会社)を0.15質量部(有効成分:0.05質量部)添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の感熱記録材料を作製した。
(実施例4)
−感熱記録材料の作製−
実施例1の感熱発色層塗工液に用いたスチレン−アクリル共重合体のアンモニウム塩水溶液の代わりに物性の異なるスチレン−アクリル酸共重合樹脂水溶液(酸価=240mgKOH/g、ジョンクリルHPD−96J、BASFジャパン株式会社、固形分=34.0質量%)を0.9質量部(有効成分:0.31質量部)添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の感熱記録材料を作製した。
(実施例5)
−感熱記録材料の作製−
実施例1の感熱発色層塗工液に用いたスチレン−アクリル酸共重合体のアンモニウム塩水溶液のかわりにポリアクリル酸ナトリウム(固形分=10質量% 酸価600mgKOH/g、ジュリマーAC−103、日本純薬株式会社)を3質量部(有効成分:0.3質量部)用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例5の感熱記録材料を作製した。
(比較例1)
−感熱記録材料の作製−
実施例1の感熱発色層塗工液にスチレン−アクリル酸共重合体のアンモニウム塩水溶液を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1の感熱記録材料を作製した。
(比較例2)
−感熱記録材料の作製−
実施例1の保護層塗工液に用いたジアセトン変性ポリビニルアルコール水溶液の代わりにカルボキシ変性ポリビニルアルコール水溶液(固形分=10質量%)を用い、アジピン酸ジヒドラジド水溶液の代わりにポリアミドエピクロルヒドリン樹脂水溶液(固形分=10質量%)を用いた。さらに実施例1の感熱発色層塗工液に用いたスチレン−アクリル酸共重合体のアンモニウム塩を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例2の感熱記録材料を作製した。
(比較例3)
−感熱記録材料の作製−
実施例1の保護層塗工液にスチレン−アクリル共重合体のアンモニウム塩水溶液(固形分=34質量% 酸価200KOH/g、ジョンクリル62J BASFジャパン株式会社)0.9質量部(有効成分:0.31質量部)を添加し、感熱塗工液中のスチレン−アクリル共重合体のアンモニウム塩水溶液を除いた以外は、実施例1と同様にして、比較例3の感熱記録材料を作製した。
(比較例4)
−感熱記録材料の作製−
実施例1の感熱発色層塗工液に用いたスチレン−アクリル共重合体のアンモニウム塩水溶液の代わりにアクリル酸樹脂のアンモニウム塩水溶液(酸価=65mgKOH/g、ジョンクリルPDX−6102B、BASFジャパン株式会社、固形分=24.5質量%)を4.0質量部(有効成分:0.98質量部)添加した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の感熱記録材料を作製した。
ここで、実施例1〜5及び比較例1〜4の各感熱記録材料の保護層及び感熱発色層の構成を表1にまとめて示す。
Figure 2011056804
表1中の記号は下記の内容を表す。
ポリビニルアルコール樹脂
・A-1:ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂
・A-2:カルボキシ変性ポリビニルアルコール樹脂
架橋剤
・B-1:アジピン酸ヒドラジド
・B-2:ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂
ロイコ染料
・C-1:2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン
顕色剤
・D-4:4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン
アクリル樹脂
・E-1:スチレン−アクリル酸共重合体のアンモニウム塩水溶液(固形分=34質量% 酸価200KOH/g、ジョンクリル62J BASFジャパン株式会社)
・E-2:アクリル酸樹脂のアンモニウム塩水溶液(固形分=24.5質量% 酸価85KOH/g、ジョンクリルJDX−6500 BASFジャパン株式会社)
・E-3:スチレン−アクリル酸共重合樹脂水溶液(酸価=240mgKOH/g、ジョンクリルHPD−96J、BASFジャパン株式会社、固形分=34.0質量%)
・E-4:ポリアクリル酸ナトリウム(固形分=10質量% 酸価600mgKOH/g、ジュリマーAC−103、日本純薬株式会社)
・E-5:アクリル酸樹脂のアンモニウム塩水溶液(酸価=65mgKOH/g、ジョンクリルPDX−6102B、BASFジャパン株式会社、固形分=24.5質量%)
次に、作製した実施例1〜5及び比較例1〜4の各感熱記録材料について、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表2に示す。
<水性フレキソ印刷の耐水性評価>
各感熱記録材料について、25質量%に希釈した水性フレキソインク(AKZO Nobel社製、MTQ 30302−404)を線径0.10mmのワイヤーバーで塗布し、22℃、65%RHの環境下、1時間放置して乾燥させた後、印刷画像上に水を1滴滴下し、5分間後に指で1回強く擦り、印刷画像の剥がれ具合により、下記基準から耐水性の評価を行った。
〔水性フレキソ印刷の耐水剥がれ試験ランク(4水準)〕
◎:印刷部に全く剥がれなし
○:印刷部に1〜25%未満の剥がれが発生した
△:印刷部に25〜50%未満の剥がれが発生した
×:印刷部に50%以上の剥がれが発生した
<UV印刷インク結着性試験>
各感熱記録材料について、UV印刷インク(東華色素製ベストキュアーサーマルブルーK−2)を用い、RIテスタにて印刷を行い、紫外線照射装置にて乾燥した。22℃、65%RHの環境下で24時間放置した後セロハンテープによるインクの結着性試験を行った。
〔UVインクの剥離ランク(3水準)〕
○…インクの剥離がない
△…インクの剥離が少しあるが、使用上問題ない
×…インクが殆ど剥離してしまう
<感度倍率>
キャレンダー済の各感熱記録材料について、薄膜ヘッドを有する感熱印字実験装置(松下電器部品株式会社製)を用い、ヘッド電力0.45W/ドット1ライン、記録時間20msec/L、走査密度8×385ドット/mm条件下で、1msec毎にパルス巾0.0〜0.7mmsecに印字し、印字濃度をマクベス濃度計RD−914にて測定し、濃度が1.0となるパルス巾を計算した。
比較例1を基準として、(比較例1のパルス巾)/(測定したサンプルのパルス巾)=感度倍率として計算する。値が大きいほど感度(熱応答性)が良好である。
<高温高湿環境条件下での搬送性の評価>
各感熱記録材料及びプリンタ(SM−90、寺岡精工株式会社製)を40%、90%RHの高温高湿環境下に1時間放置して調湿した後印字し、印字長より搬送性を評価した。この印字長とは、プリンタによって特定の印字パターンを印字した際の印字スタート部から印字ラスト部までの長さである。搬送性が優れている場合には、印字パターンが正確に印字され、印字パターンの印字長と実際に印字したサンプルの印字長が同一長になる。これに対し、搬送性が劣っている場合には、感熱記録材料とサーマルヘッドの貼り付きによる搬送不良、及び印字部が短縮して印字されてしまい、更に感熱記録材料の搬送の際に蛇行するなどして、印字パターンの印字長よりも短くなる。この試験では、印字長が100mmの印字パターンを使用した。
<低温低湿環境条件下でのスティッキング性の評価>
各々の感熱記録材料及びプリンタ(L’esprit R−12、サトー株式会社製)を5℃、30%RHの低温低湿環境下に1時間放置して調湿した後、印字し、スティッキング性を評価した。
スティッキング性が優れている場合は、印字パターンが正確に印字される。一方、スティッキング性が劣る場合は、感熱記録材料の同一部分に重複して印字されるため、印字パターンが正確に印字されない。印字画像を目視にて確認し、下記の基準によりスティッキング性の評価を行った。
〔スティッキング性の目視によるランク(5水準)〕
◎:スティッキングは発生しない
○:スティッキングは発生するが、品質には問題ない程度である
△:スティッキングが発生し、品質にも問題がある程度である
×:完全に搬送されず、スティッキングが発生する
××:全く搬送されない
Figure 2011056804
表2の結果から、実施例1〜5の本発明の感熱記録材料は、高温高湿環境条件下での搬送性及び低温低湿環境条件下でのスティッキング性が良好であり、高感度を保持し、さらにUV印刷の結着性が良好なまま水性フレキソインクによる印刷画像の耐水性が向上していることが認められた。
比較例1では、感熱発色層または保護層にアクリル酸樹脂を含んでいないため、水性フレキソインクによる印刷画像の耐水性が劣るものであった。さらに
また、比較例2では、保護層にカルボキシ変性ポリビニルアルコールを使用しているので、水性フレキソインクによる印刷画像の耐水性は良好であるが、高温高湿環境条件下での搬送性、スティッキング性が劣るものであった。
また、比較例3では、保護層に(メタ)アクリル酸樹脂のアルカリ塩を含んでいるためUV印刷インクの結着性が低下していた。
比較例4ではアクリル酸樹脂の酸価が85mgKOH/g未満のため水性フレキソの耐水性の向上が認められなかった。
本発明の感熱記録材料は、水と接触する環境下(例えば、冷蔵庫中、スーパーの陳列棚、水周りなど)において、長時間の水との接触により、感熱記録材料表面の水性フレキソインクで印刷した画像が、容易に剥がれてしまうことがないので、感熱記録紙、感熱記録ラベル、感熱磁気記録紙、感熱記録フィルムなどに好適であり、例えば、図書、文書などの複写、電子計算機、ファクシミリ、発券機、ラベルプリンター、レコーダ、ハンディターミナル用などの記録材料、衣類等の表示ラベル、部品管理用ラベル、物流ラベルなどに幅広く用いられる。
特開平8−151412号公報 特開平11−314457号公報 特開平10−87936号公報 特開2002−283717号公報 特開2008−094092号公報 特開2008−260275号公報

Claims (8)

  1. 支持体上に、少なくともロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱発色層と、ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂と有機及び/又は無機フィラーとを主成分とする保護層とをこの順で有する感熱記録材料において、該感熱発色層に酸価が85mgKOH/g以上の(メタ)アクリル酸樹脂のアルカリ塩を含有せしめてなることを特徴とする感熱記録材料。
  2. 前記酸価が85mgKOH/g以上の(メタ)アクリル酸樹脂のアルカリ塩がアンモニウム塩であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 前記酸価が85mgKOH/g以上の(メタ)アクリル酸樹脂のアルカリ塩がスチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩であることを特徴とする請求項1または2に記載の感熱記録材料。
  4. 前記酸価が85mgKOH/g以上の(メタ)アクリル酸樹脂のアルカリ塩の感熱発色層における含有量が、前記感熱発色層中のロイコ染料1質量部に対し0.05〜1.0質量部であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録材料。
  5. 前記保護層がヒドラジン化合物を含有し、該ヒドラジン化合物がアジピン酸ジヒドラジドであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の感熱記録材料。
  6. 前記感熱記録材料が、前記支持体の感熱発色層を有する側の面の反対側の面上に、粘着剤層と、剥離紙とをこの順に設けた感熱記録ラベルであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の感熱記録材料。
  7. 前記粘着剤層が、加熱によって粘着性を発現する感熱粘着剤層であることを特徴とする請求項6に記載の感熱記録材料。
  8. 前記感熱記録材料が、前記支持体の感熱発色層を有する側の面の反対側の面上に、磁気記録層を設けた感熱記録磁気紙であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の感熱記録材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113547857A (zh) * 2020-04-26 2021-10-26 浙江乾景新材料有限公司 一种热敏免处理的平版印刷版用的多功能保护材料组合物及其应用

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