次に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の感熱性粘着材料は、基材上に、熱可塑性樹脂及び中空粒子を含有する中間層並びに熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び、共融化剤として、一般式(1)
で表されるシュウ酸ジベンジル系化合物を含有する感熱粘着層が順次積層されている。なお、X
1及びX
2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン基又はアルキル基であり、p及びqは、それぞれ独立に、1〜5の整数である。ハロゲン基としては、例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられる。また、アルキル基としては、特に制限は無く、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。このような共融化剤は、固体可塑剤を共融化する効果及び熱可塑性樹脂に対する相溶性が優れている。
一般式(1)で表されるシュウ酸ジベンジル系化合物としては、例えば、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)、シュウ酸ジ(p−エチルベンジル)、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)、シュウ酸ジベンジル等が挙げられる。中でも、化学構造式
で表されるシュウ酸ジ(p−メチルベンジル)は、5℃以下の低温環境下でのダンボール、ポリエチレン製の不織布(封筒等)に対する粘着性が高いため、好ましい。なお、これらの共融化剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において、共融化剤は、室温において固体であり、加熱時に溶融する化合物であるが、共融化剤の融点は、70〜150℃であることが好ましい。共融化剤の融点が70℃未満であると、通常の保存環境下で感熱粘着層の粘着性が発現する等の保存上の不具合(ブロッキング)が発生したり、感熱粘着層の塗布液を基材に塗布し、乾燥するときに粘着性が発現するという製造上の不具合が発生したりすることがある。一方、共融化剤の融点が150℃を超えると、固体可塑剤を共融化する効果が低下することがある。
共融化剤の体積平均粒子径は、2μm以下であることが好ましく、1μm以下がさらに好ましい。さらに、共融化剤の体積平均粒子径を0.5μm以下にすることにより、5℃以下の低温環境下でダンボールのような粗面に対する粘着性を向上させることができる。なお、共融化剤の粒子径が小さい程、低温粘着性が向上するが、共融化剤を分散させる分散時間が長くなったり、分散安定性が低下したりすることがある。
ここで、共融化剤の体積平均粒子径は、50%体積平均粒子径を意味し、例えば、レーザー回折/散乱法で測定することができる。具体的には、レーザー回折/散乱粒度分布測定装置LA700(堀場製作所社製)により測定される、分散物中の累積分布が50%に相当する体積平均粒子径を用いることができる。
また、本発明において、共融化剤は、単独で分散させた後、固体可塑剤の分散液と混合してもよいし、固体可塑剤と予め混合して同時に分散してもよい。
本発明において、固体可塑剤及び共融化剤の分散剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂を用いることができる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、公知の方法で製造されたポリ酢酸ビニルの鹸化物以外に、他のビニルエステルと共重合することが可能な単量体由来の構成単位を含有するものであってもよい。このような単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類及びその塩、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸及びその塩が挙げられる。中でも、スルホン酸基(−SO3 −X+)を側鎖に有する変性ポリビニルアルコールは、固体可塑剤と熱可塑性樹脂との相溶性が良く、熱溶融時の粘着特性が向上するため、好ましい。なお、X+としては、H+、Na+、K+等が挙げられる。
また、本発明において、ポリビニルアルコール系樹脂の数平均分子量は、10000〜40000であることが好ましい。数平均分子量が10000未満である場合、感熱粘着層の結着力が弱くなり、耐ブロッキング性が低下することがある。一方、数平均分子量が40000を超える場合、耐ブロッキング性は優れるものの、ダンボール、ポリエチエレン製の不織布(封筒等)のような粗面被着体に対する粘着性が低下することがある。
また、分散剤は、固体可塑剤100重量部に対して、2〜10重量部添加することが好ましい。分散剤の添加量が2重量部未満である場合、固体可塑剤の分散が不良となることがあり、10重量部を超える場合、粘着性が低下することがある。
本発明において、感熱粘着層は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、共融化剤を20〜100重量部含有することが好ましい。共融化剤の含有量が20重量部未満であると、低温での粘着性が低下することがある。また、サーマルヘッドで感熱粘着層を活性化する場合には、感度が低下したり、ヘッドカスが発生したりすることがある。一方、共融化剤の含有量が100重量部を超えると、熱源を取り除いた後に粘着性を持続することができる時間(ディレード性)が短くなることがある。
本発明において、固体可塑剤は、常温では固体であるため、熱可塑性樹脂に可塑性を与えないが、加熱により溶融すると、熱可塑性樹脂を膨潤又は軟化させて粘着性を発現することができる。また、固体可塑剤は、加熱により溶融した後、ゆっくりと結晶化するため、熱源を取り除いた後も粘着性を持続することができる。
本発明において、固体可塑剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、トリフェニルホスフィン系化合物、フタル酸エステル類、ヒンダードフェノール系化合物、芳香族ポリオールと有機酸の多価エステル類等が挙げられる。中でも、一般式(2)
で表されるベンゾトリアゾール系化合物及び一般式(3)
で表されるトリフェニルホスフィン系化合物を用いることが好ましい。このとき、必要に応じて、その他の固体可塑剤をさらに用いてもよい。なお、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜8のアルキル基又はα,α−ジメチルベンジル基であり、R
3は、水素原子又はクロロ基である。また、R
4は、水素原子又はアルキル基であり、nは、1〜5の整数である。
一般式(2)で表されるベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。また、一般式(3)で表されるトリフェニルホスフィン系化合物としては、トリス(o−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(m−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−プロポキシフェニル)ホスフィン、トリス(o−t−ブトキシフェニル)ホスフィン、トリス(o−ブトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−ブトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−t−ブトキシフェニル)ホスフィン、トリス(m−t−ブトキシフェニル)ホスフィン等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
固体可塑剤の融点は、70〜200℃であることが好ましく、80〜200℃がさらに好ましい。融点が70℃未満であると、通常の保存環境下で感熱粘着層の粘着性が発現する等の保存上の不具合が生じることがある。また、感熱粘着層の塗布液を基材に塗布、乾燥するときに、粘着性が発現する等の製造上の不具合が生じることがある。一方、融点が200℃を超えると、粘着性を発現させるために大量のエネルギーが必要となる。また、感熱記録紙を基材として用いた場合に、粘着性を発現させる際に、感熱記録層が発色して、印字画像が読み取れなくなることがある。
本発明において、固体可塑剤として、一般式(2)で表されるベンゾトリアゾール系化合物又は一般式(3)で表されるトリフェニルホスフィン系化合物を2種以上混合して用いると、熱活性化エネルギーを低くする(高感度化する)ことが可能となる。特に、構造が類似している固体可塑剤を2種以上混合して用いると、効果が向上し、ディレード性も向上するという利点がある。
固体可塑剤の体積平均粒子径は、1.2μm以下であることが好ましく、1.0μm以下がさらに好ましく、0.5μm以下が特に好ましい。これにより、動的な熱活性化の感度が向上するため、低エネルギーで熱可塑性樹脂及び粘着付与剤と相溶する感熱粘着層を形成することができる。また、固体可塑剤の体積平均粒子径を0.5μm以下にすることにより、通常の保存環境下での保存性を向上させることができる。ここで、固体可塑剤の体積平均粒子径は、共融化剤の体積平均粒子径と同様である。
本発明において、固体可塑剤は、単独で分散させた後、共融化剤と混合してもよいし、共融化剤と混合して同時に分散させてもよい。なお、分散剤は、共融化剤の場合と同様の分散剤を使用することができる。
本発明において、感熱粘着層は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、固体可塑剤を200〜1000重量部含有し、300〜600重量部含有することが好ましい。固体可塑剤の含有量が200重量部未満である場合は、通常の保存環境下で粘着性が発現する等の保存上の不具合(ブロッキング)が生じることがある。また、固体可塑剤の含有量が1000重量部を超える場合は、低温環境での粘着性が低下することがある。
本発明において、熱可塑性樹脂は、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天然ゴム、ビニル系モノマーをグラフト共重合した天然ゴム、合成ゴム、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、スチレン−アクリル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、ビニルピロリドン−スチレン共重合体、ビニルピロリドン−アクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において、感熱粘着中の熱可塑性樹脂の含有量は、10〜60重量%であることが好ましく、15〜50重量%がさらに好ましい。熱可塑性樹脂の含有量が10重量%未満及び60重量%を超えた場合、粘着性が低下することがある。
本発明において、感熱粘着層は、粘着性を向上させるために、粘着付与剤をさらに含有することができる。粘着付与剤としては、ロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジン及びそれらのグリセリン、ペンタエリスリトール等とのエステル、樹脂酸ダイマー等)、テルペン系樹脂(テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂)、石油系樹脂、フェノール系樹脂及びキシレン系樹脂が挙げられる。中でも、ロジン誘導体及びテルペン系樹脂が好ましい。粘着付与剤は、熱可塑性樹脂及び固体可塑剤と相溶することにより、粘着性を向上させることができる。
また、粘着付与剤の融点又は軟化点は、80℃以上であることが好ましく、80〜200℃がさらに好ましい。粘着付与剤の融点及び軟化点が80℃未満になると、通常の保存環境下で保存上の不具合(ブロッキング)が生じることがある。
本発明において、感熱粘着層中の粘着付与剤の含有量は、5〜30重量%であることが好ましく、5〜20重量%がさらに好ましい。粘着付与剤の含有量が5重量%未満であると、粘着性が低下することがあり、30重量%を超えると、通常の保存環境下で保存上の不具合(ブロッキング)が生じることがある。
本発明において、感熱粘着層は、ブロッキングを抑制するために、酸化チタン、アルミナ、コロイダルシリカ、カオリン、タルク等の無機物や、ステアリン酸金属塩、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス、天然油脂、ポリスチレン粉末等の有機物を含有してもよく、さらに、必要に応じて、分散剤、消泡剤、増粘剤等を含有してもよい。
本発明において、中間層は、熱可塑性樹脂及び中空粒子を含有する。これにより、後述する感熱記録層の熱感度が向上すると共に、熱活性化時における感熱記録層の地肌発色を抑制することができ、さらに、熱エネルギーを効率よく活用することができる。
中空粒子は、熱可塑性樹脂を殼とし、中空度が30〜95%であることが好ましく、50〜95%がさらに好ましい。このような中空粒子は、内部に空気等の気体を含有し、既に発泡状態となっている。中空度が30%未満であると、熱エネルギーが基材を通じて外へ放出され、熱活性化時の熱の効率が低下することがある。なお、中空度とは、中空粒子の外径基準の体積に対する内径基準の体積の比である。
また、中空粒子の数平均粒子径(粒子外径)は、0.2〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmがさらに好ましい。数平均粒子径が0.2μmより小さいと、技術的に中空にするのが難しいことに加え、断熱性が不十分となることがある。また、数平均粒子径が20μmより大きいと、塗布乾燥後の表面平滑性が低下するため、感熱性粘着層の塗布が不均一になることがある。したがって、中空粒子は、粒子径のバラツキが少ないことが望ましい。
中空粒子の殻に用いられる熱可塑性樹脂は、少なくとも塩化ビニリデンとアクリロニトリルを共重合することにより得られる樹脂であることが好ましい。
本発明において、中間層は、中空粒子100重量部に対して、熱可塑性樹脂を100〜800重量部含有し、200〜500重量部含有することが好ましい。熱可塑性樹脂の含有量が100重量部未満である場合は、低温環境での粘着性が低下することがある。また、熱可塑性樹脂の含有量が800重量部を超える場合は、通常の保存環境下で粘着性が発現する等の保存上の不具合(ブロッキング)が生じることがある。
なお、中間層は、必要に応じて、フィラー、熱可融性物質(増感剤)、界面活性剤等をさらに含有することができる。フィラーとしては、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン等の有機系の微粉末が挙げられる。また、熱可融性物質(増感剤)としては、高級脂肪酸又はそのエステル、アミド若しくは金属塩、各種ワックス類、芳香族カルボン酸とアミンとの縮合物、安息香酸フェニル、高級直鎖グリコール、3,4−エポキシヘキサヒドロフタル酸ジアルキル、高級ケトン、p−ベンジルビフェニル等の融点が50〜200℃である熱可融性有機化合物等が挙げられる。
このような構成とすることにより、本発明の感熱性粘着材料は、塩化ビニルラップやポリオレフィンラップ、特に、ダンボールに対する粘着性及び耐ブロッキング性を向上させることができる。
基材上に感熱粘着層を塗工又は印刷する際の乾燥条件は、共融化剤及び固体可塑剤が融解しない温度範囲であることが好ましい。乾燥手段としては、熱風の他に、赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を使用することができる。
本発明において、感熱粘着層の乾燥塗工量は、通常、2〜20g/m2であり、7〜15g/m2が好ましい。感熱粘着層の乾燥塗工量が2g/m2未満であると、加熱による接着を行う際に接着性が不十分となることがあり、20g/m2を超えると、耐ブロッキング性は向上するが、低温環境での粘着性が不十分となることがある。
また、中間層の乾燥塗工量は、通常、1〜15g/m2であり、6〜12g/m2が好ましい。中間層の乾燥塗工量が1g/m2未満であると、加熱による接着を行う際に接着性が不十分となることがあり、15g/m2を超えると、耐ブロッキング性が低下することがある。
本発明の感熱粘着材料は、基材の感熱粘着層を有する側とは反対側に記録層を有することができる。記録層としては、感熱記録層、インクジェット記録層、熱転写用インク受容層、電子写真記録層等が挙げられる。
本発明において、感熱記録層は、ロイコ染料及び顕色剤を含有することが好ましい。
ロイコ染料としては、一般にこの種のロイコ系記録材料において知られているロイコ染料、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が用いられる。ロイコ染料の具体例としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロロフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3’−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−アミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシベンゾインドリノピリロスピラン、6’−ブロモ−3’−メトキシベンゾインドリノピリロスピラン、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロロフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロロ−5’−メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−N−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−N−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(N,N−ジ−p−クロロフェニル−N−メチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−p−クロロフェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−フェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリドフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオランスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−(N−メチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン等が挙げられる。
また、顕色剤としては、電子受容性の種々の化合物、例えば、フェノール性化合物、チオフェノール性化合物、チオ尿素誘導体、有機酸及びその金属塩等が用いられる。顕色剤の具体例としては、4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、3,4’−イソプロピリデンビスフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4’−s−ブチリデンビスフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(o−t−ブチルフェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−2−メチル)フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−2−メチル)フェノール、4,4’−ジフェノールスルホン、4,2’−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジフェノールスルホキシド、p−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキュ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサヘプタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロパン、N,N’−ジフェニルチオ尿素、N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、5−クロロ−サリチルアニリド、サリチル−o−クロロアニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸の亜鉛塩、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ヒドロキシナフトエ酸の亜鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、4−{β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,4’−ジフェノールスルホン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジフェノールスルホン、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエンチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4’−チオビス(2−メチルフェノール)、3,4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4,4’−チオビス(2−クロロフェノール)等が挙げられる。
本発明において、基材上に感熱記録層を形成するためには、ロイコ染料及び顕色剤を、結合剤により結合支持させればよい。結合剤としては、慣用の種々の結合剤を適宜用いることができるが、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸ブチル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等のラテックス類等が挙げられる。
本発明において、感熱記録層は、填料として、種々の熱可融性物質を含有することができる。填料の具体例としては、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、炭酸ジフェニル、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジルオキシナフタレン、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ジフェノキシブタン、1,4−ジフェノキシ−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ビス(フェニルチオ)ブタン、1,4−ビス(フェニルチオ)−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、1,3−ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−(ベンジルオキシ)ベンジルアルコール、1,3−ジフェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、シュウ酸ジベンジル、1,5−ビス(p−メトキシフェニルオキシ)−3−オキサペンタン等が挙げられる。
また、感熱記録層は、この種の感熱記録層に慣用される補助添加成分、例えば、界面活性剤、滑剤等を含有することができる。滑剤としては、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性、植物性、鉱物性又は石油系の各種ワックス類等が挙げられる。
なお、本発明においては、必要に応じて、基材と感熱記録層の間にアンダーコート層を設けたり、感熱記録層の上に画像信頼性を向上させる目的等で、例えば、水溶性樹脂を含有する保護層を設けたりすることもできる。この場合、これらの層を構成する成分としては、上記の填料、結合剤、熱可融性物質、界面活性剤等を用いることができる。
さらに、保護層上又は保護層を設けない場合は直接感熱記録層の上に、印刷画像を形成することができ、印刷画像を形成するインクとしては、例えば、UV硬化性インクが用いられる。
本発明において、感熱記録層は、一般に知られている方法により形成することができる。例えば、先ず、ロイコ染料及び顕色剤を別々に結合剤水溶液と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機を用いて、数平均粒子径が1〜3μmになるまで粉砕分散した後、必要に応じて、填料、熱可融性物質(増感剤)分散液等と共に、一定処方で混合することにより、感熱記録層の塗布液を調製する。次に、基材上に、感熱記録層の塗布液を塗布することにより、感熱記録層を形成することができる。
本発明において、基材は、特に限定されず、上質紙、アート紙、コート紙等、紙以外でもポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、これらを貼り合わせたフィルム等を使用することができる。
上記塗工層を設ける塗工方法としては、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本又は5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法等の公知の塗工方法が挙げられる。
本発明の感熱性粘着材料は、感熱性粘着層の熱活性化時(加熱時)の前又は後でカットして使用することができ、この場合、感熱性粘着材料に、予め切れ目が形成されていてもよい。このようにして、感熱性粘着材料を、ラベル、タグ等の様々な用途に用いることができる。
本発明の感熱性粘着材料の形状は、特に制限はなく、ラベル状、シート状、ロール状等が挙げられる。
本発明の感熱性粘着材料が貼付される被着体は、特に制限はなく、目的に応じて、その大きさ、形状、構造、材質等を適宜選択することができる。材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂板、SUS、アルミニウム等の金属板、封筒、ダンボール等の紙製品、ポリオレフィン製のラップ類、ポリ塩化ビニル製のラップ類、ポリエチレン製の不織布(封筒等)等が挙げられる。中でも、ダンボールは、一般に感熱性粘着材料を貼付することが難しいが、本発明の感熱性粘着材料の場合、長期間に亘り、粘着性を発現することができるため、ダンボールであっても強固に貼付することができる。
本発明の感熱粘着材料を熱活性化する手段としては、特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができるが、例えば、熱風、熱ロール、サーマルヘッド等が挙げられる。中でも、サーマルヘッドによる熱活性化方法が好ましく、以下の熱活性化方法が特に好ましい。この場合、既存の感熱記録プリンタ装置を用いて、感熱性粘着材料の両面を加熱することにより、感熱記録層への記録と、感熱粘着層の熱活性化とを行うことができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下に示す部及び%は、いずれも重量基準である。
(実施例1)
化学構造式
で表されるベンゾトリアゾール系化合物30.0部、20%ポリビニルアルコール水溶液7.5部、1%界面活性剤水溶液15.0部及び水47.5部からなる混合物を、平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散することにより、固体可塑剤の分散液(A−1液)を調製した。
化学構造式
で表される共融化剤(シュウ酸ジ(p−クロロベンジル))30.0部、20%ポリビニルアルコール水溶液7.5部、1%界面活性剤水溶液15.0部及び水47.5部からなる混合物を、平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散することにより、共融化剤の分散液(B−1液)を調製した。
熱可塑性樹脂の分散液(C液)として、ガラス転移温度が−65℃の熱可塑性樹脂のエマルジョン(不揮発分30%)を用いた。
粘着付与剤の分散液(D液)として、軟化点が145℃の重合ロジンのエマルジョン(不揮発分30%)を用いた。
平均粒子径が3.6μm、中空度が90%のアクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体の分散液(不揮発分40%)50部、10%界面活性剤水溶液4部及び水14部からなる混合物を混合攪拌することにより、プラスチック球状中空粒子の分散液(E液)を調製した。
E液100部及びC液700部からなる混合物を混合攪拌することにより、中間層の塗布液(U−1液)を調製した。
A−1液250部、B−1液60部、C液100部及びD液30部からなる混合物を混合攪拌することにより、感熱性粘着層の塗布液(HA−1液)を調製した。
次に、80g/m2の片面コート紙の裏面に、乾燥重量が10g/m2となるように、U−1液を塗布、乾燥することにより、中間層を形成した。さらに、中間層の上に、乾燥重量が10g/m2となるように、HA−1液を塗布、乾燥することにより、感熱性粘着シートを得た。
(実施例2)
HA−1液の調製において、B−1液の添加量を18部に変更した以外は、実施例1と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(実施例3)
HA−1液の調製において、B−1液の添加量を102部に変更した以外は、実施例1と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(実施例4)
HA−1液の調製において、B−1液の添加量を25部に変更した以外は、実施例1と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(実施例5)
HA−1液の調製において、B−1液の添加量を95部に変更した以外は、実施例1と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(実施例6)
A−1液及びB−1液の調製において、20%ポリビニルアルコール水溶液を、スルホン酸基(−SO3 −Na+)を側鎖に有する変性ポリビニルアルコールの20%水溶液に変更した以外は、実施例1と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(実施例7)
シュウ酸ジベンジル30.0部、20%ポリビニルアルコール水溶液7.5部、1%界面活性剤水溶液15.0部及び水47.5部からなる混合物を、平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散することにより、共融化剤の分散液(B−2液)を調製した。
B−1液をB−2液に変更した以外は、実施例6と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(実施例8)
シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)30.0部、20%ポリビニルアルコール水溶液7.5部、1%界面活性剤水溶液15.0部及び水47.5部からなる混合物を、平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散することにより、共融化剤の分散液(B−3液)を調製した。
B−1液をB−3液に変更した以外は、実施例6と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(実施例9)
A−1液950部、B−3液60部、C液100部及びD液30部からなる混合物を混合攪拌することにより、感熱性粘着層の塗布液(HA−2液)を調製した。
HA−1液をHA−2液に変更した以外は、実施例8と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(実施例10)
E液100部及びC液105部からなる混合物を混合攪拌することにより、中間層の塗布液(U−2液)を調製した。
U−1液をU−2液に変更した以外は、実施例9と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(実施例11)
U−1液をU−2液に変更した以外は、実施例8と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(実施例12)
E液100部及びC液495部からなる混合物を混合攪拌することにより、中間層の塗布液(U−3液)を調製した。
A−1液305部、B−1液60部、C液100部及びD液30部からなる混合物を混合攪拌することにより、感熱性粘着層の塗布液(HA−3液)を調製した。
U−1液及びHA−1液を、それぞれU−3液及びHA−3液に変更した以外は、実施例8と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(実施例13)
A−1液595部、B−3液60部、C液100部及びD液30部からなる混合物を混合攪拌することにより、感熱性粘着層の塗布液(HA−4液)を調製した。
HA−3液をHA−4液に変更した以外は、実施例12と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(実施例14)
E液100部及びC液205部からなる混合物を混合攪拌することにより、中間層の塗布液(U−4液)を調製した。
U−3液をU−4液に変更した以外は、実施例13と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(実施例15)
U−3液をU−4液に変更した以外は、実施例12と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(実施例16)
固体可塑剤を化学構造式
で表されるホスフィン化合物に変更した以外は、実施例8と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(実施例17)
HA−1液の調製において、D液を添加しなかった以外は、実施例8と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(実施例18)
数平均粒子径(粒子外径)が3.0μm、中空度が92%の塩化ビニリデン及びアクリロニトリルを主体とする共重合体の分散液(不揮発分32%)30部、ガラス転移温度4℃のスチレン−ブタジエン共重合体のラテックス10部及び水60部からなる混合物を混合攪拌することにより、断熱層の塗布液(G液)を調製した。
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部、10%ポリビニルアルコール水溶液10部及び水70部からなる混合物を平均粒径が1.5μm程度となるようにサンドミルを用いて分散することにより、発色剤分散液(H液)を調製した。
4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン10部、10%ポリビニルアルコール水溶液25部、炭酸カルシウム15部及び水50部からなる混合物を平均粒径が1.5μm程度となるようにサンドミルを用いて分散することにより、顕色剤分散液(I液)を調製した。
次に、H液:I液=1:8(体積比)である混合物を混合攪拌することにより、感熱記録層の塗布液(J液)を調製した。
水酸化アルミニウム20部、10%ポリビニルアルコール水溶液20部及び水40部からなる混合物を平均粒径が1μm以下になるように縦型サンドミルを用いて分散することにより、保護層一次分散液(K液)を調製した。
保護層一次分散液10部、10%ポリビニルアルコール水溶液20部、12.5%エピクロロヒドリン水溶液5部及び30%ステアリン酸亜鉛分散液2部からなる混合物を混合攪拌することにより、保護層の塗布液(L液)を調製した。
基材の表面に、乾燥重量が4g/m2となるように、G液を塗布、乾燥することにより、断熱層を形成した。次に、断熱層の上に、乾燥重量が5g/m2となるように、J液を塗布、乾燥することにより、感熱記録層を形成した。さらに、感熱記録層の上に、乾燥重量が3g/m2となるように、L液を塗布、乾燥し、さらに、王研式平滑度が2000秒になるようにスーパーキャレンダー処理することにより、感熱記録紙を得た。
80g/m2の片面コート紙を感熱記録紙に変更した以外は、実施例12と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(比較例1)
A−1液の調製において、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)をフタル酸ジメチルに変更した以外は、実施例8と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(比較例2)
E液100部及びC液850部からなる混合物を混合攪拌することにより、中間層の塗布液(U−5液)を調製した。
A−1液150部、B−1液60部、C液100部及びD液30部からなる混合物を混合攪拌することにより、感熱性粘着層の塗布液(HA−5液)を調製した。
U−1液及びHA−1液を、それぞれU−5液及びHA−5液に変更した以外は、実施例8と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(比較例3)
A−1液1050部、B−1液60部、C液100部及びD液30部からなる混合物を混合攪拌することにより、感熱性粘着層の塗布液(HA−6液)を調製した。
U−1液及びHA−1液を、それぞれU−5液及びHA−6液に変更した以外は、実施例8と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(比較例4)
E液100部及びC液50部からなる混合物を混合攪拌することにより、中間層の塗布液(U−6液)を調製した。
U−1液及びHA−1液を、それぞれU−6液及びHA−6液に変更した以外は、実施例8と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(比較例5)
U−1液及びHA−1液を、それぞれU−6液及びHA−5液に変更した以外は、実施例8と同様にして、感熱性粘着シートを得た。
(評価方法及び評価結果)
<ダンボールに対する粘着性>
感熱性粘着シートを40mm×150mmの長方形にカットすることにより、感熱性粘着ラベルを得た。感熱印字装置TH−PMD(大倉電気社製)を用いて、ヘッド条件は、各エネルギーを0.5mJ/dotとし、印字スピードを4×10−3秒/line、プラテン圧を6kgf/lineとする条件で、感熱性粘着ラベルを熱活性化した。次に、加圧2kgのゴムローラーで感熱性粘着ラベルをダンボールの長手方向に貼り付けて、2分後に剥離角度180度、剥離速度300mm/分の条件で剥離させた。その時の粘着力をフォースゲージで測定し、0.1秒間隔でデータを読み取り、平均化した数値を表1に示した。
なお、単位は、gf/40mmである。また、粘着力ランクは、1000gf/40mm以上を◎、500gf/40mm以上1000gf/40mm未満を○、100gf/40mm以上500gf/40mm未満を△、100gf/40mm未満を×とした。この試験を低温環境(0℃、35%RH)、常温環境(22℃、65%RH)及び高温環境(40℃、65%RH)で実施した。
<耐ブロッキング性>
感熱性粘着シートの表面と感熱粘着層を有する側の面を接触させ、200g/cm
2で加圧した状態で、60℃、乾燥環境下で24時間試験した後、室温で放置した。このようにして得られたサンプルを剥がすことにより、耐ブロッキング性を評価し、表2に示すランクで判定した。
表1より、実施例の感熱性粘着材料は、ダンボールに対する粘着性と耐ブロッキング性に優れることがわかる。