JP5069487B2 - 感熱性粘着材料 - Google Patents

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Description

本発明は、常温では非粘着性であるが加熱により粘着性が発現し、しかも粘着性発現後も粘着性が持続する感熱性粘着剤層を有し、特にダンボール等の粗面被着体に対する低温(0℃)から高温(40℃)までの幅広い温度環境下での粘着力に優れた感熱性粘着材料に関する。
近年、粘着ラベルシートは、価格表示用ラベル、商品表示(バーコード)用ラベル、品質表示用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣伝用ラベル(ステッカー)等の用途への使用が増加している。また、ラベルの記録方式についても、インクジェット記録方式、感熱記録方式、感圧記録方式等の様々な方式が開発されている。
このような粘着ラベルシートとしては、ラベルの情報記録面と反対側の面に粘着剤層と剥離紙を積層した構成が一般的であり、貼り合わせ時に剥離紙を剥がして加圧のみで簡便に貼り合わせることができるため幅広く使用されている。一般的に、粘着ラベルシートは剥離紙を剥離させて使用するが、剥離された剥離紙は回収して再利用することが難しく、殆どの場合、廃棄されている。そこで、最近、常温では粘着性を示さず、加熱により粘着性が発現し、剥離紙を必要としない感熱性粘着剤層を有する感熱性粘着材料を用いた感熱性粘着ラベルシートが注目されている(特許文献1参照)。
このような感熱性粘着ラベルシートにおける感熱性粘着剤層は、少なくとも熱可塑性樹脂及び熱溶融物質、更に必要に応じて粘着付与剤を含有する(非特許文献1参照)。しかし、該感熱性粘着ラベルシートにおける感熱性粘着剤層は、粘着性を発現した後、その粘着力が経時的に低下する。また、熱活性化する際に高い熱エネルギーを付与する必要がある。
この点を改良するため、例えば、支持体と感熱性粘着剤層の間にプラスチック中空粒子及び水溶性結着剤を含有する断熱層を設けることによって、熱活性化する際に熱エネルギーを低減化(即ち、高感度化)することが提案されている(特許文献2〜3参照)。
しかし、これらの提案の感熱性粘着ラベルシートは、感熱性粘着剤層を熱活性化する際の熱エネルギーの低減化には有効であるが、常温で粘着性を示さない水溶性結着剤を用いているため、ダンボール等の粗面被着体に対する粘着力が実用レベルに達していない。
更に、粘着性を発現した後の粘着力が経時的に低下してしまうという問題も解決されていない。
最近、本発明者らは、特許文献4において、ガラス転移温度(Tg)が−70〜0℃である熱可塑性樹脂及びフィラーを含有する粘着アンダー層を有する感熱性粘着ラベルシートを提案している。この感熱性粘着ラベルシートは、常温常湿環境(23℃、65%)下、サーマルヘッド加熱でもダンボール等の粗面被着体に対して良好な粘着力が得られるものである。しかし、この感熱性粘着ラベルシートは、0〜10℃の低温環境下では、ダンボールのような粗面に対する粘着力が不十分であり、低温環境下での粘着力を上げるために粘着アンダー層の樹脂を多くすると、ブロッキング品質が低下するという問題がある。
また、特許文献5〜13では、感熱性粘着剤層における熱溶融物質(「固体可塑剤」と称することもある)として、トリフェニルホスフィン等のリン化合物を含有する感熱性粘着材料が提案されている。しかし、これらの提案では、熱活性化する際に熱エネルギーが多く必要であり、サーマルヘッドでの熱活性化では、十分な粘着力を得ることができない。更に、耐ブロッキング性の向上効果についても不十分であり、実用化には多くの問題があるのが現状である。
上記の問題を解決するため、本発明者らは、先願(特願2006−207472)において、支持体と、該支持体の一方の面上に少なくともアンダー層及び感熱性粘着剤層をこの順に有し、前記アンダー層が、ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃である熱可塑性樹脂及び中空フィラーを含有し、かつ該熱可塑性樹脂がスチレン−ブタジエン共重合体及びその変性物から選択される何れかを含有し、前記感熱性粘着剤層が、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、及び熱溶融物質を含有し、かつ該熱溶融物質が少なくともトリフェニルホスフィンを含有することを特徴とする感熱性粘着材料を提案している。
この感熱性粘着材料は、低温(0℃)〜室温(23℃)でのダンボール等の粗面被着体に対するの粘着力が強く、また経時的な粘着力低下も少ないが、23〜40℃の温度範囲で貼り付けた直後から2分以内の粘着力がやや弱いという問題がある。
実開平6−25869号公報 特許第2683733号公報 特開平10−152660号公報 特開2006−111865号公報 特開2000−103969号公報 特開2000−191920号公報 特開2000−191922号公報 特開2000−212527号公報 特開2001−64401号公報 特開2001−262117号公報 特開2002−88678号公報 特開2002−338935号公報 特開2004−117941号公報 「接着便覧」第12版、第131〜135頁、昭和55年、高分子刊行会発行
本発明は、特にダンボール等の粗面被着体に対して、低温(0℃)から高温(40℃)までの広い温度範囲における粘着力が強く、また、経時的な粘着力低下も少なく、サーマルヘッドによる低エネルギーでの熱活性化が可能であり、かつ耐ブロッキング性も良好な感熱性粘着材料を提供することを目的とする。
上記課題は、次の<1>〜<>の発明によって解決される。
<1> 支持体の一方の面上に、少なくともアンダー層及び感熱性粘着剤層をこの順に有し、該アンダー層が、ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃の熱可塑性樹脂及び中空フィラーを含有し、かつ該熱可塑性樹脂がスチレン−ブタジエン共重合体又はカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体を含有し、前記感熱性粘着剤層が、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、熱溶融物質及びシリコーン樹脂粒子を含有し、かつ該熱溶融物質がトリフェニルホスフィンと下記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物であることを特徴とする感熱性粘着材料。
Figure 0005069487
(式中、R、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数が1〜8のアルキル基、α,α−ジメチルベンジル基の何れかを表し、Rは、水素原子又は塩素原子を表す。)
<2> 熱溶融物質中のトリフェニルホスフィンの含有量が80〜90重量%である<1>記載の感熱性粘着材料
> 中空フィラーが、体積平均粒子径2.0〜5.0μmの球状中空粒子であり、かつ該球状中空粒子の中空率が70%以上である<1>又は<2>記載の感熱性粘着材料。
> 球状中空粒子の材料が、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体、及びアクリロニトリル−メタクリロニトリル−イソボニルメタクリレート共重合体の何れかである<3>記載の感熱性粘着材料。
> アンダー層における熱可塑性樹脂と中空フィラーの混合割合が、熱可塑性樹脂1重量部に対し中空フィラー0.1〜2重量部である<1>〜<4>の何れかに記載の感熱性粘着材料。
アンダー層に隣接する感熱性粘着剤層の乾燥付着量が10〜20g/mである<1>〜<>の何れかに記載の感熱性粘着材料。
> 支持体の感熱性粘着剤層を有しない側の面上に少なくとも感熱記録層を有し、かつ該感熱記録層が少なくともロイコ染料及び顕色剤を含有する<1>〜<>の何れかに記載の感熱性粘着材料。
> その形状が、ラベル状、シート状、ラベルシート状、及びロール状の何れかである<1>〜<>の何れかに記載の感熱性粘着材料。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明の感熱性粘着材料は、支持体と、該支持体の一方の面上に少なくともアンダー層及び感熱性粘着剤層をこの順に有し、該アンダー層が、ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃である熱可塑性樹脂及び中空フィラーを含有し、かつ該熱可塑性樹脂がスチレン−ブタジエン共重合体又はカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体を含有し、前記感熱性粘着剤層が、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、熱溶融物質及びシリコーン樹脂粒子を含有し、かつ該熱溶融物質がトリフェニルホスフィンと前記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物を含有する。
これにより、ダンボール等の粗面被着体に対する低温(0℃)から高温(40℃)までの幅広い温度環境下での粘着力が強く、経時的な粘着力低下も少なく、サーマルヘッドによる低エネルギーでの熱活性化が可能であり、かつ耐ブロッキング性も良好な感熱性粘着材料が得られる。
本発明の感熱性粘着材料は、上記支持体、アンダー層及び感熱性粘着剤層の他に、必要に応じてその他の層を有してもよい。なお、支持体のアンダー層及び感熱性粘着剤層を有しない他方の面上には、少なくとも感熱記録層を有することが好ましい。
次に、上記感熱性粘着材料を構成する各要素について順に説明する。
<支持体>
支持体の形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、形状としては、例えば平板状などが挙げられ、構造としては、単層構造であっても積層構造であってもよく、大きさとしては、感熱性粘着材料の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
支持体の材料には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、SiO、金属などが挙げられる。有機材料としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、合成紙等の紙;三酢酸セルロース等のセルロース誘導体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなどが挙げられる。これらの中でも、上質紙、コート紙、プラスチックフィルム、合成紙が特に好ましい。
支持体には、塗布層の接着性を向上させる目的で、コロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理、易接着処理、帯電防止処理等の表面改質を行うことが好ましい。また、支持体には、酸化チタン等の白色顔料を添加することが好ましい。
支持体の厚みには特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50〜2,000μmが好ましく、100〜1,000μmがより好ましい。
<アンダー層>
アンダー層は、少なくとも熱可塑性樹脂及び中空フィラーを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−熱可塑性樹脂−
熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は−35〜25℃とし、好ましくは−35〜5℃とする。Tgが25℃を超えると、中空フィラーの結着力や層間結着力が弱まって被着体に対する粘着力も弱くなってしまうことがあり、−35℃未満では、耐ブロッキング性が低下することがある。
熱可塑性樹脂としては、Tgが−35〜25℃のスチレン−ブタジエン共重合体又はカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体を用いる。
−中空フィラー−
中空フィラーとしては、体積平均粒子径が2.0〜5.0μmで中空率が70%以上である球状プラスチック中空粒子が好ましく、該中空粒子の最大粒子径が10.0μm以下であると共に、体積平均粒子径が2.0〜5.0μmで中空率が70%以上の球状中空粒子がより好ましい。中空率は85〜95%が更に好ましい。
中空率が70%未満では、断熱効果が不充分であるためにサーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通じて外へ放出され、高感度の熱活性化効果が得られないことがある。また、体積平均粒子径が5.0μmを超えると、このような中空フィラーを用いたアンダー層上に感熱性粘着剤層を設けた場合、大きな粒子のために感熱性粘着剤層が形成されない部分が生じて、熱活性化した場合に粘着力が低下しやすくなることがあり、2.0μm未満では、中空率70%以上を確保することが困難になり、高感度の熱活性化効果が得られないことがある。
なお、プラスチック球状中空粒子とは、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気その他の気体を含有し、既に発泡状態となっている中空粒子を意味する。また、ここでいう中空率とは、中空粒子の全体の体積に対する内部空隙部の体積の比率である。
球状中空粒子の材料には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル−メタクリロニトリル−イソボニルメタクリレート共重合体などが好ましい。
アンダー層における、Tgが−35〜25℃の熱可塑性樹脂と中空フィラーの混合割合は、熱可塑性樹脂1重量部に対し中空フィラー0.1〜2重量部が好ましく、0.3〜1重量部がより好ましい。中空フィラーが0.1重量部未満では高感度の熱活性化効果が得られないことがあり、2重量部を超えるとアンダー層の結着力が劣って粘着力が弱くなることがある。
アンダー層は、公知の方法に従って形成できるが、例えば、上記成分を配合したアンダー層塗布液を用いて塗布法により形成する。
塗布法の例としては、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアーナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本又は5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法等が挙げられる。
アンダー層塗布液の塗布量は、乾燥塗布量で1〜35g/mが好ましく、2〜25g/mがより好ましい。塗布量が1g/m未満では、加熱による接着を行う際に十分な接着力が得られず、また断熱効果が劣ることがあり、35g/mを超えると、接着力や断熱効果が飽和してしまうことがある。
<感熱性粘着剤層>
感熱性粘着剤層は、少なくとも熱可塑性樹脂、粘着付与剤、熱溶融物質及びシリコーン樹脂粒子を含有するが、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。
−熱溶融物質−
熱溶融物質は、常温で固体であるため樹脂に可塑性は与えないが、加熱により溶融して樹脂を膨潤又は軟化させて粘着性を発現し、加熱により溶融した後、ゆっくりと結晶化するため、熱源を取り除いた後も粘着性を長時間持続することができる物質である。
熱溶融物質としては、トリフェニルホスフィンと前記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物を必ず含有する必要がある。
トリフェニルホスフィンは、下記構造式で表される有機リン化合物であり、TPPと略称されることもある。空気に対しても比較的安定で、室温では結晶性の固体であり、ベンゼンなどの非極性有機溶媒に可溶である。分子量は262.3、融点は79〜81℃である。
Figure 0005069487
前記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物の例としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−s−ブチル−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記熱溶融物質の体積平均粒子径を0.5μm以下にすることにより、動的な熱感度が上がり低エネルギーで熱可塑性樹脂及び粘着付与剤と相溶して熱活性粘着剤となると共に、通常の保存環境下温度での保存性が向上(耐ブロッキング性が向上)する。
感熱性粘着剤層におけるトリフェニルホスフィンと前記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物の合計含有量は、25〜80重量%が好ましく、35〜70重量%がより好ましい。合計含有量が25重量%未満では、熱可塑性樹脂と組合せた場合に、通常の保存環境下温度で粘着力が発現するなどの保存上の不具合(ブロッキング)が生じたり、粘着力の低下を来たすことがあり、80重量%を超えると、粘着力の低下が生じることがある。
熱溶融物質中におけるトリフェニルホスフィンの含有量は、80〜90重量%が好ましい。トリフェニルホスフィンの含有量が80重量%未満では、23〜40℃の貼り付け直後の粘着力が弱いことがあり、90重量%を超えると、ディレード性が低下し粘着力が低下することがある。
−熱可塑性樹脂−
熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粘着アンダー層に用いられる熱可塑性樹脂と同類の樹脂を用いると、両層の樹脂同士の相溶性がよくなることから、ダンボール等の粗面被着体に対する粘着力が向上するので好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ビニル系モノマーをグラフト共重合した天然ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
感熱性粘着剤層における熱可塑性樹脂の含有量は、10〜60重量%が好ましく、15〜50重量%がより好ましい。含有量が10重量%未満及び60重量%を超えた場合には、何れも粘着力が低下するので好ましくない。また、Tgが低い樹脂の含有率が60重量%を超えると、通常の保存環境下温度で粘着力が発現するなど保存上の不具合(ブロッキング)が生じることがある。
−粘着付与剤−
粘着付与剤は、感熱性粘着剤層の粘着力を向上させるために添加されるもので、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えばロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジンなど)、テルペン系樹脂(テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂など)、石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂などが挙げられる。これらの粘着付与剤は熱可塑性樹脂及び熱溶融物質と相溶して、感熱性粘着剤層の粘着力を著しく向上させることができる。
粘着付与剤の融点(又は軟化点)は、80℃以上が好ましく、80〜200℃がより好ましい。融点(又は軟化点)が80℃未満では、通常の保存環境下温度で保存上の不具合(耐ブロッキング性が低下)が生じることがある。
感熱性粘着剤層における粘着付与剤の含有量は、1〜30重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましい。含有量が1重量%未満では、著しく粘着力が低下することがあり、30重量%を超えると、通常の保存環境下温度で保存上の不具合(耐ブロッキング性の低下)や低温環境下での初期粘着力の低下が生じることがある。
感熱性粘着剤層にシリコーン樹脂粒子を含有させると、耐ブロッキング性が向上する。
シリコーン樹脂粒子としては、例えば、シリコーンゴム、シリコーンレジンの粒子、シリコーンゴムとシリコーンレジンの複合粒子などの有機フィラーが好ましい。これらの樹脂粒子は、素材自身が耐ブロッキング性における離型性に優れるだけでなく、球状構造であることもその効果を高めていると考えられる。また、サーマルヘッドによる粘着性発現(活性化)を考えた場合、サーマルヘッドへのダメージが小さく、ヘッドマッチング性に優れるという特性を有している。
感熱性粘着剤層におけるシリコーン樹脂粒子の含有量は、熱可塑性樹脂1重量部に対して0.5〜2.0重量部が好ましく、0.7〜1.2重量部がより好ましい。0.5重量部未満では、耐ブロッキング性の向上効果が十分発揮されないことがあり、2.0重量部を超えると粘着性が低下することがある。
感熱性粘着剤層には、更に必要に応じて、共融化剤、分散剤、消泡剤、増粘剤等のその他の成分を添加することができる。
粘着アンダー層の形成方法には特に制限はなく、塗布法、印刷法などの公知の方法によって形成することができる。
塗布法の例としては、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本又は5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法等が挙げられる。
なお、塗布又は印刷の際の乾燥条件としては、使用する熱溶融物質が融解しない温度範囲としなければならない。乾燥の手段としては、熱風乾燥の他に、赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用した乾燥方法が使用できる。
感熱性粘着剤層塗布液の乾燥塗布量(感熱性粘着剤層の乾燥付着量)は、10〜20g/mが好ましい。塗布量が10g/m未満では、低温で貼り付ける際に十分な接着力が得られないことがあり、20g/mを超えると、アンダー層の断熱効果が薄れたり、経済性が劣ることになるため好ましくない。
本発明の感熱性粘着材料は、上記構成を備えることにより、各種被着体、特にダンボール等の粗面被着体に対して、0℃〜10℃の低温環境下でも粘着力が強く、低エネルギー熱活性化が可能であり、かつ耐ブロッキング性も良好である。
次に、本発明の感熱性粘着材料は、支持体の感熱性粘着剤層を有しない側の面上に少なくとも感熱記録層を有することが好ましく、保護層、中間層、更に必要に応じてその他の層を有する。
感熱記録層は、少なくともロイコ染料、顕色剤、及びバインダー樹脂を含み、更に必要に応じて填料などのその他の成分を含む。
前記ロイコ染料としては特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリフェニルメタン系染料、フルオラン系染料、フェノチアジン系染料、オーラミン系染料、スピロピラン系染料、インドリノフタリド系染料などが挙げられる。
ロイコ染料の具体例としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3′−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6′−クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、6′−ブロモ−3′−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフェニル)フタリド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−ニトロフェニル)フタリド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフェニル)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(2′−メトキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−ヒドロキシ−4′−クロル−5′−メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4′−o−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4′,5′−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4′−ジメチルアミノ−2′−メトキシ)−3−(1″−p−ジメチルアミノフェニル−1″−p−クロロフェニル−1″,3″−ブタジエン−4″−イル)ベンゾフタリド、3−(4′−ジメチルアミノ−2′−ベンジルオキシ)−3−(1″−p−ジメチルアミノフェニル−1″−フェニル−1″,3″−ブタジエン−4″−イル)ベンゾフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチルアミノ)フタリド、3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリドフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオランスピロ(9,3′)−6′−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4′,5′−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオランなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記顕色剤としては特に制限はなく、公知の電子受容性の化合物の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール性化合物、チオフェノール性化合物、チオ尿素誘導体、有機酸又はその金属塩等が挙げられる。
顕色剤の具体例としては、4,4′−イソプロピリデンビスフェノール、3,4′−イソプロピリデンビスフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4′−s−ブチリデンビスフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(o−t−ブチルフェノール)、4,4′−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−t−ブチル−2−メチル)フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4′−チオビス(6−t−ブチル−2−メチル)フェノール、4,4′−ジフェノールスルホン、4,2′−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ベンジロキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジフェノールスルホキシド、P−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキュ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサヘプタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロパン、N,N′−ジフェニルチオ尿素、N,N′−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、5−クロロ−サリチルアニリド、サリチル−o−クロロアニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸の亜鉛塩、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ヒドロキシナフトエ酸の亜鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、4−{β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,4′−ジフェノールスルホン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジフェノールスルホン、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエンチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4′−チオビス(2−メチルフェノール)、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチル−ジフェニルスルホン、4,4′−チオビス(2−クロロフェノール)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
感熱記録層における顕色剤の添加量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ロイコ染料1重量部に対し1〜20重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉又はその誘導体;メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョン;スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等のラテックス類などが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
感熱記録層には、填料として種々の熱可融性物質を使用することができる。
熱可融性物質の具体例としては、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類;ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類;p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルエステル、ジフェニルカーボネート、テレフタル酸ジベンジルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジルオキシナフタレン、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ビス(フェノキシ)ブタン、1,4−ビス(フェノキシ)−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ビス(フェニルチオ)ブタン、1,4−ビス(フェニルチオ)−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、1,3−ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−(ベンジルオキシ)ベンジルアルコール、1,3−ジフェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、蓚酸ジベンジルエステル、1,5−ビス(p−メトキシフェニルオキシ)−3−オキサペンタンなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
感熱記録層には、更に必要に応じて、その他の成分として各種補助添加成分、例えば、界面活性剤、滑剤等を併用することができる。滑剤としては、例えば、高級脂肪酸又はその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、石油系ワックス等が挙げられる。
感熱記録層の形成方法には特に制限はなく、一般に知られている方法を採用することができ、例えば、ロイコ染料、顕色剤を別々に、バインダー樹脂やその他の成分と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機により、分散粒子径が1〜3μmになるまで粉砕分散した後、必要に応じて填料、熱可融性物質(増感剤)分散液等と共に、一定処方で混合して感熱記録層塗布液を調製し、支持体上に塗布すればよい。
感熱記録層の厚みは、感熱記録層の組成や感熱性粘着材料の用途等により異なり一概には規定できないが、1〜50μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。
−保護層−
保護層には、反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコール(PVAα)とヒドラジド化合物とを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する材料が好ましい。
PVAαと架橋剤としてのヒドラジド化合物を含有する保護層は、耐熱性、耐水性が極めて高く、圧力、温度、湿度の付加による影響を受け難いので、耐ブロッキング性を大きく向上させることができる。
PVAαは、反応性カルボニル基を有するビニルモノマーと脂肪酸ビニルエステルとを共重合して得た重合体を鹸化する等の公知の方法により製造することができる。
反応性カルボニル基を有するビニルモノマーとしては、エステル残基を有する基、アセトン基を有する基が挙げられるが、ジアセトン基を有するビニルモノマーが好ましく、具体例としてはジアセトンアクリルアミドやメタジアセトンアクリルアミドが挙げられる。脂肪酸ビニルエステルとしては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられるが、これらの中でも、酢酸ビニルが特に好ましい。
PVAαは、共重合可能な他のビニルモノマーを共重合したものであってもよい。これらの共重合可能なビニルモノマーの例としては、アクリル酸エステル、ブタジエン、エチレン、プロピレン、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸などが挙げられる。
PVAα中の反応性カルボニル基の含有量は、ポリマー全体の0.5〜20モル%が好ましく、耐水化を考慮すると2〜10モル%の範囲がより好ましい。含有量が2モル%よりも少ないと実用上の耐水性が不十分となり、10モル%を超えてもそれ以上耐水化の向上が見られず高価になるだけなので経済的でない。
PVAαの重合度は300〜3,000が好ましく、500〜2,200がより好ましい。また、PVAαの鹸化度は80%以上が好ましい。
前記ヒドラジド化合物は、ヒドラジド基を持つものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボヒドラジド、蓚酸ジヒドラジド、蟻酸ヒドラジド、酢酸ヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,7−ナフトエ酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジドなどが挙げられる。これらの中でも、耐水性や安全性の面からアジピン酸ジヒドラジドが特に好ましい。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ヒドラジド化合物の含有量は、PVAα100重量部に対し、5〜40重量部が好ましく、15〜25重量部がより好ましい。
保護層にはフィラーを含有することが好ましい。
フィラーとしては特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、シリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、アルミナ、クレー、アルカリ性の珪酸類等の無機顔料、又は公知の有機顔料などが挙げられる。
中でも、サーマルヘッドとのマッチング(カス付着)等を考慮すると、塩基性フィラーである水酸化アルミニウムと炭酸カルシウムが好ましい。更に、適度な水溶性によるpHコントロールを考慮すると水酸化アルミニウムが特に好ましい。
また、耐水性(耐水剥がれ性)を考慮すると酸性顔料(水溶液中で酸性を示すもの)であるシリカ、カオリン、アルミナが好ましく、発色濃度の点からシリカが特に好ましい。
保護層の形成方法には特に制限はなく、一般に知られている方法を採用でき、例えば、常法により保護層塗布液を調製し、感熱記録層上に塗布すればよい。
保護層の厚みは特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0〜7.0μmが好ましい。
支持体と感熱記録層との間には、必要に応じて更に中間層を設けることもできる。
この中間層を構成する成分としては、前述した填料、バインダー樹脂、熱可融性物質、界面活性剤等を用いることができる。
本発明の感熱性粘着材料は、その感熱性粘着剤層の熱活性化時(加熱時)の前又は後でカットして使用できるようにしてもよい。そのために、感熱性粘着材料に、予め切れ目を形成しておけば、感熱性粘着材料を、ラベル、タグ等の様々な用途に好適に用いることができるので好ましい。
本発明の感熱性粘着材料の形状には特に制限はなく、ラベル状、シート状、ラベルシート状、ロール状などが挙げられる。これらの中でも、利便性、保管場所、取り扱い性の点から円筒状の芯材に巻き取ったロール状が特に好ましい。
本発明の感熱性粘着材料が貼付される被着体には特に制限はなく、目的に応じて大きさ、形状、構造、材質等を適宜選択することができるが、材質としては、例えば、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等)、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂板;SUS、アルミニウム等の金属板;封筒、ダンボール等の紙製品;ポリオレフィン製のラップ類;ポリ塩化ビニル製のラップ類、ポリエチエレン製不織布(封筒等)などが挙げられる。
特に本発明の感熱性粘着材料は、従来のものに比べてダンボール等の粗面被着体に対する粘着力が強い点に大きな特徴があり、強固に貼付することができるので、ダンボール等に対して用いると有利である。
本発明の感熱性粘着材料の感熱性粘着剤層を熱活性化する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、熱風による活性化方法、熱ロールによる活性化方法、サーマルヘッドによる活性化方法などが挙げられる。これらの中でも、サーマルヘッドによる活性化方法が、既存の感熱記録プリンタ装置を用いて感熱性粘着材料の両面を加熱することにより、感熱記録層への記録と、感熱性粘着剤層の熱活性化を同時に行うことができる点から特に好ましい。
本発明によると、特にダンボール等の粗面被着体に対して低温(0℃)から高温(40℃)までの幅広い温度環境下での粘着力が強く、また、経時的な粘着力低下も少なく、サーマルヘッドによる低エネルギーでの熱活性化が可能であり、かつ耐ブロッキング性も良好な感熱性粘着材料を提供できる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、何れも「重量部」及び「重量%」である。
(調製例1−1)
−アンダー層塗布液〔A−1液〕の調製−
下記組成の混合物を攪拌し分散させて、アンダー層塗布液〔A−1液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合
樹脂、固形分濃度32%、体積平均粒子径3.0μm、中空率92%)…15部
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(Tg4℃、日本エイアンドエル社製
スマーテックス PA−9159)…10部
・水…60部
(調製例1−2)
−アンダー層塗布液〔A−2液〕の調製−
下記組成の混合物を攪拌し分散させて、アンダー層塗布液〔A−2液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合
樹脂、固形分濃度32%、体積平均粒子径3.0μm、中空率92%)…15部
・カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(Tg−34℃、日本エイ
アンドエル社製 ナルスター SR−111)…10部
・水…60部
(調製例1−3)
−アンダー層塗布液〔A−3液〕の調製−
下記組成の混合物を攪拌し分散させて、アンダー層塗布液〔A−3液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合
樹脂、固形分濃度32%、体積平均粒子径3.0μm、中空率92%)…15部
・カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(Tg25℃、日本エイ
アンドエル社製 ナルスター SR−100)…10部
・水…60部
(調製例1−4)
−アンダー層塗布液〔A−4液〕の調製−
下記組成の混合物を攪拌し分散させて、アンダー層塗布液〔A−4液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合
樹脂、固形分濃度32%、体積平均粒子径3.0μm、中空率92%)…15部
・カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(Tg35℃、日本エイ
アンドエル社製 ナルスター SR−143)…10部
・水…60部
(調製例1−5)
−アンダー層塗布液〔A−5液〕の調製−
下記組成の混合物を攪拌し分散させて、アンダー層塗布液〔A−5液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合
樹脂、固形分濃度32%、体積平均粒子径3.0μm、中空率92%)…15部
・カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(Tg−42℃、日本エイ
アンドエル社製 ナルスター SR−112)…10部
・水…60部
(調製例1−6)
−アンダー層塗布液〔A−6液〕の調製−
下記組成の混合物を攪拌し分散させて、アンダー層塗布液〔A−6液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体、固形分濃度41%、体積平均粒子径3.2μm、中空率70%)…11部
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(Tg4℃、日本エイアンドエル社製
スマーテックス PA−9159)…10部
・水…60部
(調製例1−7)
−アンダー層塗布液〔A−7液〕の調製−
下記組成の混合物を攪拌し分散させて、アンダー層塗布液〔A−7液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体、固形分濃度40%、体積平均粒子径1.5μm、中空率50%)…15部
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(Tg4℃、日本エイアンドエル社製
スマーテックス PA−9159)…10部
・水…60部
(調製例1−8)
−アンダー層塗布液〔A−8液〕の調製−
下記組成の混合物を攪拌し分散させて、アンダー層塗布液〔A−8液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(アクリロニトリル−メタクリロニトリル−イソボニルメタクリレート共重合体、固形分濃度33%、体積平均粒子径6.0μm、中空率91%)
…13.7部
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(Tg4℃、日本エイアンドエル社製
スマーテックス PA−9159)…10部
・水…60部
(調製例1−9)
−アンダー層塗布液〔A−9液〕の調製−
下記組成の混合物を攪拌し分散させて、アンダー層塗布液〔A−9液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合
樹脂、固形分濃度32%、体積平均粒子径3.0μm、中空率92%)…3.1部
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(Tg4℃、日本エイアンドエル社製
スマーテックス PA−9159)…11部
・水…60部
(調製例1−10)
−アンダー層塗布液〔A−10液〕の調製−
下記組成の混合物を攪拌し分散させて、アンダー層塗布液〔A−10液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合
樹脂、固形分濃度32%、体積平均粒子径3.0μm、中空率92%)…34.3部
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(Tg4℃、日本エイアンドエル社製
スマーテックス PA−9159)…10部
・水…60部
(調製例1−11)
−アンダー層塗布液〔A−11液〕の調製−
下記組成の混合物を攪拌し分散させて、アンダー層塗布液〔A−11液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合
樹脂、固形分濃度32%、体積平均粒子径3.0μm、中空率92%)…34.3部
・アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(Tg−65℃、固形分濃度55%、
昭和高分子社製、ポリゾール PSA SE−4040)…16.3部
・水…60部
(調製例2−1)
−熱溶融物質分散液〔B−1液〕の調製−
下記組成の混合物を、体積平均粒子径が1.0μmとなるようにサンドミルで分散させて、熱溶融物質分散液〔B−1液〕を調製した。
・トリフェニルホスフィン…30.0部
・ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、ゴーセランL−3266、
10%水溶液)…15部
・界面活性剤(日本乳化剤社製、Newcol 290M、10%水溶液)…1.5部
・水…53.5部
(調製例2−2−1)
−熱溶融物質分散液〔C−1−1液〕の調製−
下記組成の混合物を、体積平均粒子径が1.0μmとなるようにサンドミルで分散させて、熱溶融物質分散液〔C−1−1液〕を調製した。
・2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロ
ベンゾトリアゾール(融点138℃)…30.0部
・ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、ゴーセランL−3266、
10%水溶液)…15部
・界面活性剤(日本乳化剤社製、Newcol 290M、10%水溶液)…1.5部
・水…53.5部
(調製例2−2−2)
−熱溶融物質分散液〔C−1−2液〕の調製−
下記組成の混合物を、体積平均粒子径が1.0μmとなるようにサンドミルで分散させて、熱溶融物質分散液〔C−1−2液〕を調製した。
・2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール(融点152℃)…30.0部
・ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、ゴーセランL−3266、
10%水溶液)…15部
・界面活性剤(日本乳化剤社製、Newcol 290M、10%水溶液…1.5部
・水…53.5部
(調製例2−2−3)
−熱溶融物質分散液〔C−1−3液〕の調製−
下記組成の混合物を、体積平均粒子径が1.0μmとなるようにサンドミルで分散させて、熱溶融物質分散液〔C−1−3液〕を調製した。
・2−〔2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕
ベンゾトリアゾール(融点140℃)…30.0部
・ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、ゴーセランL−3266、
10%水溶液)…15部
・界面活性剤(日本乳化剤社製、Newcol 290M、10%水溶液)…1.5部
・水…53.5部
(調製例2−2−4)
−熱溶融物質分散液〔C−1−4液〕の調製−
下記組成の混合物を、体積平均粒子径が1.0μmとなるようにサンドミルで分散させて、熱溶融物質分散液〔C−1−4液〕を調製した。
・2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール
(融点102℃)…30.0部
・ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、ゴーセランL−3266、
10%水溶液)…15部
・界面活性剤(日本乳化剤社製、Newcol 290M、10%水溶液)
…1.5部
・水…53.5部
(調製例2−3)
−シリコーン樹脂分散液〔D−1液〕の調整−
下記組成の混合物を、体積平均粒子径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して分散液〔D−1液〕を得た。
・シリコ−ンレジン樹脂粒子(信越化学社製、KMP−590)…30.0部
・ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、ゴーセランL−3266、
30%水溶液)…5.0部
・界面活性剤(日本乳化剤社製、Newcol 290M、10%水溶液)…1.5部
・水…64.85部
(調製例3−1−1)
−感熱性粘着剤塗布液〔E−1−1液〕の調製−
下記組成の混合物を均一に混合して感熱性粘着剤塗布液〔E−1−1液〕を調製した。
・アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(Tg−65℃、固形分濃度55%、
昭和高分子社製、ポリゾール PSA SE−4040)…9.2部
・粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学社製、E−100、固形分濃度
50%、軟化点150℃)…6.6部
・熱溶融物質分散液〔B−1液〕…71.7部
・熱溶融物質分散液〔C−1−1液〕…12.6部
・シリコーン樹脂分散液〔D−1液〕…3.8部
(調製例3−1−2)
−感熱性粘着剤塗布液〔E−1−2液〕の調製−
下記組成の混合物を均一に混合して感熱性粘着剤塗布液〔E−1−2液〕を調製した。
・アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(Tg−65℃、固形分濃度55%、
昭和高分子社製、ポリゾール PSA SE−4040)…9.2部
・粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学社製、E−100、固形分濃度
50%、軟化点150℃)…6.6部
・熱溶融物質分散液〔B−1液〕…63.2部
・熱溶融物質分散液〔C−1−2液〕…21.1部
・シリコーン樹脂分散液〔D−1液〕…3.8部
(調製例3−1−3)
−感熱性粘着剤塗布液〔E−1−3液〕の調製−
下記組成の混合物を均一に混合して感熱性粘着剤塗布液〔E−1−3液〕を調製した。
・アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(Tg−65℃、固形分濃度55%、
昭和高分子社製、ポリゾール PSA SE−4040)…9.2部
・粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学社製、E−100、固形分濃度
50%、軟化点150℃)…6.6部
・熱溶融物質分散液〔B−1液〕…63.2部
・熱溶融物質分散液〔C−1−3液〕…21.1部
・シリコーン樹脂分散液〔D−1液〕…3.8部
(調製例3−2)
−感熱性粘着剤塗布液〔E−2液〕の調製−
下記組成の混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔E−2液〕を調製した。
・アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(Tg−65℃、固形分濃度55%、
昭和高分子社製、ポリゾール PSA SE−4040)…9.2部
・粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学社製、E−100、固形分濃度
50%、軟化点150℃)…6.6部
・熱溶融物質分散液〔B−1液〕…63.2部
・熱溶融物質分散液〔C−1−1液〕…21.1部
・シリコーン樹脂分散液〔D−1液〕…3.8部
(調製例3−3)
−感熱性粘着剤塗布液〔E−3液〕の調製−
下記組成の混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔E−3液〕を調製した。
・アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(Tg−65℃、固形分濃度55%、
昭和高分子社製、ポリゾール PSA SE−4040)…9.2部
・粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学社製、E−100、固形分濃度
50%、軟化点150℃)…6.6部
・熱溶融物質分散液〔B−1液〕…67.44部
・熱溶融物質分散液〔C−1−1液〕…16.86部
・シリコーン樹脂分散液〔D−1液〕…3.8部
(調製例3−4)
−感熱性粘着剤塗布液〔E−4液〕の調製−
下記組成の混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔E−4液〕を調製した。
・アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(Tg−65℃、固形分濃度55%、
昭和高分子社製、ポリゾール PSA SE−4040)…9.2部
・粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学社製、E−100、固形分濃度
50%、軟化点150℃)…6.6部
・熱溶融物質分散液〔B−1液〕…75.87部
・熱溶融物質分散液〔C−1−1液〕…8.43部
・シリコーン樹脂分散液〔D−1液〕…3.8部
(調製例3−5)
−感熱性粘着剤塗布液〔E−5液〕の調製−
下記組成の混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔E−5液〕を調製した。
・アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(Tg−65℃、固形分濃度55%、
昭和高分子社製、ポリゾール PSA SE−4040)…9.2部
・粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学社製、E−100、固形分濃度
50%、軟化点150℃)…6.6部
・熱溶融物質分散液〔B−1液〕…80.08部
・熱溶融物質分散液〔C−1−1液〕…4.22部
・シリコーン樹脂分散液〔D−1液〕…3.8部
(調製例3−6)
−感熱性粘着剤塗布液〔E−6液〕の調製−
下記組成の混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔E−6液〕を調製した。
・アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(Tg−65℃、固形分濃度55%、
昭和高分子社製、ポリゾール PSA SE−4040)…9.2部
・粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学社製、E−100、固形分濃度
50%、軟化点150℃)…6.6部
・熱溶融物質分散液〔B−1液〕…80.08部
・熱溶融物質分散液〔C−1−1液〕…4.22部
(調製例3−7)
−感熱性粘着剤塗布液〔E−7液〕の調製−
下記組成の混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔E−7液〕を調製した。
・アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(Tg−65℃、固形分濃度55%、
昭和高分子社製,ポリゾール PSA SE−4040)…9.2部
・粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学社製、E−100、固形分濃度
50%、軟化点150℃)…6.6部
・熱溶融物質分散液〔B−1液〕…84.2部
(調製例3−8)
−感熱性粘着剤塗布液〔E−8液〕の調製−
下記組成の混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔E−8液〕を調製した。
・アクリル酸エステル共重合体水性エマルジョン(Tg−65℃、固形分濃度55%、
昭和高分子社製,ポリゾール PSA SE−4040)…9.2部
・粘着付与剤(テルペンフェノール主成分、荒川化学社製、E−100、固形分濃度
50%、軟化点150℃)…6.6部
・熱溶融物質分散液〔C−1−1液〕…84.2部
(実施例1−1)
−感熱性粘着材料の作製−
支持体としての坪量80g/mの片面コート紙(OKアドニスラフ、王子製紙社製)のコート層を有しない側の面に、アンダー層塗布液〔A−1〕を乾燥付着量が5g/mとなるように塗布し乾燥させて、アンダー層を形成した。
得られたアンダー層上に、感熱性粘着層塗布液〔E−1−1液〕を、乾燥付着量が10g/mとなるように塗布し乾燥させて、感熱性粘着層を形成した。
以上により、実施例1−1の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例1−2)
−感熱性粘着材料の作製−
感熱性粘着層塗布液〔E−1−1液〕を、感熱性粘着層塗布液〔E−1−2液〕に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−2の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例1−3)
−感熱性粘着材料の作製−
感熱性粘着層塗布液〔E−1−1液〕を、感熱性粘着層塗布液〔E−1−3液〕に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−3の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例2)
−感熱性粘着材料の作製−
アンダー層塗布液〔A−1液〕を、アンダー層塗布液〔A−2液〕に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例2の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例3)
−感熱性粘着材料の作製−
アンダー層塗布液〔A−1液〕を、アンダー層塗布液〔A−3液〕に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例3の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例4)
−感熱性粘着材料の作製−
アンダー層塗布液〔A−1液〕を、アンダー層塗布液〔A−6液〕に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例4の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例5)
−感熱性粘着材料の作製−
アンダー層塗布液〔A−1液〕を、アンダー層塗布液〔A−7液〕に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例5の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例6)
−感熱性粘着材料の作製−
アンダー層塗布液〔A−1液〕を、アンダー層塗布液〔A−8液〕に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例6の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例7)
−感熱性粘着材料の作製−
アンダー層塗布液〔A−1液〕を、アンダー層塗布液〔A−9液〕に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例7の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例8)
−感熱性粘着材料の作製−
アンダー層塗布液〔A−1液〕を、アンダー層塗布液〔A−10液〕に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例8の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例9)
−感熱性粘着材料の作製−
感熱性粘着剤層塗布液〔E−1−1〕を乾燥付着量が8g/mとなるように塗布し乾燥させて感熱性粘着剤層を形成した点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例9の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例10)
−感熱性粘着材料の作製−
感熱性粘着剤層塗布液〔E−1−1液〕を乾燥付着量が20g/mとなるように塗布し乾燥させて感熱性粘着剤層を形成した点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例10の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例11)
−感熱性粘着材料の作製−
感熱性粘着剤層塗布液〔E−1−1液〕を乾燥付着量が25g/mとなるように塗布し乾燥させて感熱性粘着剤層を形成した点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例11の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例12)
−感熱性粘着材料の作製−
感熱性粘着剤層塗布液〔E−1−1液〕を、感熱性粘着剤層塗布液〔E−2液〕に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例12の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例13)
−感熱性粘着材料の作製−
感熱性粘着剤層塗布液〔E−1−1液〕を、感熱性粘着剤層塗布液〔E−3液〕に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例13の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例14)
−感熱性粘着材料の作製−
感熱性粘着剤層塗布液〔E−1−1液〕を、感熱性粘着剤層塗布液〔E−4液〕に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例14の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例15)
−感熱性粘着材料の作製−
感熱性粘着剤層塗布液〔E−1−1液〕を、感熱性粘着剤層塗布液〔E−5液〕に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、実施例15の感熱性粘着材料を作製した。
(実施例16)
<感熱記録層の形成>
−非発泡性断熱層形成塗布液[F液]の調製−
下記組成の混合物を攪拌し分散させて非発泡性断熱層形成塗布液[F液]を調製した。
・微小中空粒子分散体(塩化ビニリデン−アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度32%、体積平均粒子径3.6μm、中空率92%)…30部
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(Tg4℃、日本エイアンドエル社製 スマーテックス PA−9159)…10部
・界面活性剤(エレメンティスジャパン社製、ダプロW−77)…0.1部
・水…60部
−発色剤分散液[G液]の調製−
下記組成の混合物を攪拌し分散させて発色剤分散液[G液]を調製した。
・3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン…20部
・ポリビニルアルコ−ル(日本合成化学工業社製、ゴーセランL−3266、
10%水溶液)…10部
・水…70部
−顕色剤分散液[H液]の調製−
下記組成の混合物を、それぞれ体積平均粒子径が1.5μmとなるようにサンドミルで分散させて、顕色剤分散液[H液]を調製した。
・4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン…10部
・ポリビニルアルコ−ル(日本合成化学工業社製、ゴーセランL−3266、
10%水溶液)…25部
・炭酸カルシウム(白石工業社製、CALSHITEC Brilliant−15
…15部
・水…50部
次に、発色剤分散液[G液]:顕色剤分散液[H液]=1:8(重量比)となるように混合し、攪拌させて感熱発色層塗布液[I液]を調製した。
次に、非発泡性断熱層形成塗布液[F液]を、平均坪量80g/mの片面コート紙(OKアドニスラフ、王子製紙株式会社製)の表面に、乾燥後重量が4g/mとなるように塗布し乾燥させて、非発泡性断熱層を設けた。
次に、非発泡性断熱層上に発色剤分散液[G液]を乾燥後重量が5g/mとなるように塗布し乾燥させて、感熱記録層を設けた。その後、王研式平滑度が2,000秒となるようにスーパーキャレンダー処理して、感熱記録層を有する感熱記録紙を作製した。
次に、得られた感熱記録紙の感熱記録層を有しない側の支持体面上に、アンダー層塗布液〔A−1〕を乾燥付着量が5g/mとなるように塗布し乾燥させてアンダー層を形成し、アンダー層上に感熱性粘着剤層塗布液〔E−1−1液〕を乾燥付着量が10g/mとなるように塗布し乾燥させて感熱性粘着剤層を形成した。
以上により、実施例16の感熱性粘着材料を作製した。
(比較例1)
−感熱性粘着材料の作製−
支持体としての坪量80g/mの片面コート紙(OKアドニスラフ、王子製紙社製)のコート層を有しない側の面に、アンダー層塗布液〔A−11液〕を、乾燥付着量が5g/mとなるように塗布し乾燥させて、アンダー層を形成した。
このアンダー層上に、感熱性粘着剤層塗布液〔E−7液〕を、乾燥付着量が10g/mとなるように塗布し乾燥させて、感熱性粘着剤層を形成した。
(比較例2)
−感熱性粘着材料の作製−
支持体としての坪量80g/mの片面コート紙(OKアドニスラフ、王子製紙社製)のコート層を有しない側の面に、アンダー層塗布液〔A−11液〕を、乾燥付着量が5g/m2となるように塗布し乾燥させて、アンダー層を形成した。このアンダー層上に感熱性粘着剤層塗布液〔E−8液〕を、乾燥付着量が10g/mとなるように塗布し乾燥させて感熱性粘着剤層を形成した。
以上により、比較例2の感熱性粘着材料を作製した。
(比較例3)
−感熱性粘着材料の作製−
アンダー層塗布液〔A−4液〕を、乾燥付着量が5g/mとなるように塗布し乾燥させて、感熱性粘着剤層を形成した点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例3の感熱性粘着材料を作製した。
(比較例4)
−感熱性粘着材料の作製−
アンダー層塗布液〔A−5液〕を、乾燥付着量が5g/mとなるように塗布し乾燥させて、感熱性粘着剤層を形成した点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例4の感熱性粘着材料を作製した。
(比較例5)
−感熱性粘着材料の作製−
アンダー層を形成しない点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例5の感熱性粘着材料を作製した。
(比較例6)
−感熱性粘着材料の作製−
アンダー層塗布液〔A−1液〕を、アンダー層塗布液〔A−11液〕に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例6の感熱性粘着材料を作製した。
(比較例7)
−感熱性粘着材料の作製−
感熱性粘着剤層塗布液〔E−1−1液〕を、感熱性粘着剤層塗布液〔E−8液〕に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例7の感熱性粘着材料を作製した。
(比較例8)
−感熱性粘着材料の作製−
感熱性粘着剤層塗布液〔E−1−1液〕を、感熱性粘着剤層塗布液〔E−6液〕に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、比較例8の感熱性粘着材料を作製した。
比較例9
感熱性粘着剤層塗布液〔E−1−1液〕を、感熱性粘着剤層塗布液〔E−7液〕に変えた点を除き、実施例1−1と同様にして、比較例9の感熱性粘着材料を作製した。
次に、得られた実施例1−1〜17及び比較例1〜7の感熱性粘着材料について、次のようにして粘着力と耐ブロッキング性の評価を行った。結果を表2に示す。
<粘着力測定>
各感熱性粘着材料を25mm×150mmの長方形にカットし、感熱印字装置(大倉電気社製、TH−PMD)を用いて、ヘッド条件:エネルギー0.5mJ/dot、印字スピード:4ms/line、プラテン圧:6kgf/lineの条件で熱活性化させた。次いで、被着体(ダンボール)に加圧2kgのゴムローラーで長手方向に貼り付け、2分後と1日後に、剥離角度180度、剥離速度300mm/minの条件で剥離させた。
その時の粘着力をフォースゲージ(MODEL DPS−5、IMADA社製)で測定し、0.1秒間隔でデータを読み取り平均化した数値を示した。なお、単位はgf/25mmである。この試験は、低温環境下(0℃)、常温常湿環境下(23℃、65%RH)、及び高温環境下(40℃、60%RH)で実施した。
〔ダンボールに対する粘着力の評価基準〕
表2に示した粘着力の評価基準は次のとおりである。
◎:700gf/25mm以上
○:500gf/25mm以上、700gf/25mm未満
△:300gf/25mm以上、500gf/25mm未満
×:300gf/25mm未満
<耐ブロッキング性の評価>
各感熱性粘着材料の感熱性粘着剤層面と反対側の面(感熱記録層)を接触させ、200gf/cmの圧力を掛け、50℃、Dry条件下で24時間放置した。次いで、室温で放置した後、サンプルを剥がし、その時の耐ブロッキング性を下記表1に示す基準で評価した。10段階のランクに分け、ランク10、9を「◎」、ランク8、7を「○」、ランク6、5、4を「△」、ランク3、2、1を「×」とした。ランク7以上が実用可能なレベルである。評価結果を表2に示す。
なお、「剥離時の抵抗感」「剥離音」「点状転写」「ハガレ」の順に、ブロッキングの程度が重くなった状態を指しており、「剥離時の抵抗感」とは、粘着性を持たせていないときにも軽くくっつくことを指し、その中の「自重」とは、軽くくっついた場合でも、2枚重ねて上の紙だけを持ったら自然に剥がれ落ちる程度の状態を指す。また、「剥離音」とは、くっついた状態から剥がそうとしたときに音が出ることを指し、「点状転写」とは、感熱性粘着剤層が裏面に点状に転写している状態を指し、「ハガレ」とは、感熱性粘着剤層が裏面と貼り付いてしまって、感熱性粘着剤層が剥れてしまうか、又は、裏面の紙が剥れてしまう(破れる)現象のことを指す。
Figure 0005069487
Figure 0005069487
表2の結果から、実施例1−1〜17は、比較例1〜7に比べて、ダンボールに対する低温(0℃)〜高温(40℃)環境下での粘着力が強く、経時的な粘着力低下も少なく、サーマルヘッドによる低エネルギーでの熱活性化が可能であり、かつ耐ブロッキング性も良好であることが認められた。
また、実施例7は、アンダー層における中空フィラーに比べて熱可塑性樹脂がリッチであるため、ブロッキング性がやや低下した。
実施例8は、アンダー層における熱可塑性樹脂に比べて中空フィラーがリッチであるため、アンダー層の結着力が弱くなり、低温及び常温での粘着力がやや低下した。
実施例9は、感熱性粘着剤層の乾燥付着量が好ましい範囲の下限値を外れているので、低温(0℃)〜高温(40℃)での粘着力がやや弱くなった。
実施例11は、感熱性粘着剤層の乾燥付着量が好ましい範囲の上限値を外れているので、アンダー層の断熱効果が弱くなり粘着力がやや低下した。
実施例12は、熱溶融物質中のトリフェニルホスフィンの含有量が好ましい範囲の下限値を外れているので、23℃〜40℃で貼り付け直後の粘着力がやや低下した。
実施例15は、熱溶融物質中のトリフェニルホスフィンの含有量が好ましい範囲の上限値を外れているので、粘着力、耐ブロッキング性がやや低下した。
実施例1−1〜6、10、13〜14は、熱溶融物質中のトリフェニルホスフィンの含有量が80〜90%であるため、0℃〜40℃の粘着力が初期と経時の何れにおいても高く、耐ブロッキング性も優れていた。
比較例1は、感熱性粘着剤層の熱溶融物質としてトリフェニルホスフィンのみを用い、アンダー層の熱可塑性樹脂としてスチレン−ブタジエン共重合体又はカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体を用いていないので、粘着力が極端に弱く、ブロッキング性も極めて劣るものであった。
比較例2は、感熱性粘着剤層の熱溶融物質としてベンゾトリアゾールのみを用い、アンダー層の熱可塑性樹脂としてスチレン−ブタジエン共重合体又はカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体を用いていないので、低温での粘着力が極めて劣るものであった。
比較例3は、アンダー層における熱可塑性樹脂のガラス転移温度が35℃であるため、低温での粘着力が極めて劣るものであった。
比較例4は、アンダー層における熱可塑性樹脂のガラス転移温度が−42℃であるため、ブロッキング性が劣るものであった。
比較例5は、アンダー層を有していないため低温での粘着力が極めて劣るものであった。
比較例6は、アンダー層の熱可塑性樹脂としてスチレン−ブタジエン共重合体又はカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体を用いていないので、ブロッキング性が劣るものであった。
比較例7は、感熱性粘着剤層の熱溶融物質としてベンゾトリアゾールのみを用いているので、低温での粘着力が極めて劣るものであった。
比較例8は、シリコーン樹脂を含有しないため、耐ブロッキング性がやや劣るものであった。
比較例9は、感熱性粘着剤層の熱溶融物質としてトリフェニルホスフィンのみを用い、アンダー層の熱可塑性樹脂としてスチレン−ブタジエン共重合体を用いたが、粘着力が弱く、耐ブロッキング性もやや劣るものであった。
本発明の感熱性粘着材料は、低温(0℃)〜高温(40℃)環境下での粘着力が強く、経時的な粘着力低下も少ない。また、トリフェニルホスフィンとベンゾトリアゾールの配合によって貼り付け直後でも粘着力が強く、サーマルヘッドによる低エネルギーでの熱活性化が可能であり、耐ブロッキング性も良好であるので、例えばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂板;SUS、アルミニウム等の金属板;封筒、ダンボール等の紙製品;ポリオレフィン製のラップ類;ポリ塩化ビニル製のラップ類、ポリエチエレン製不織布(封筒等)などに適用でき、特に、ダンボール等の粗面被着体に対する粘着力が強く、強固に貼付することができる。

Claims (8)

  1. 支持体の一方の面上に、少なくともアンダー層及び感熱性粘着剤層をこの順に有し、該アンダー層が、ガラス転移温度(Tg)が−35〜25℃の熱可塑性樹脂及び中空フィラーを含有し、かつ該熱可塑性樹脂がスチレン−ブタジエン共重合体又はカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体を含有し、前記感熱性粘着剤層が、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、熱溶融物質及びシリコーン樹脂粒子を含有し、かつ該熱溶融物質がトリフェニルホスフィンと下記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物であることを特徴とする感熱性粘着材料。
    Figure 0005069487
    (式中、R、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数が1〜8のアルキル基、α,α−ジメチルベンジル基の何れかを表し、Rは、水素原子又は塩素原子を表す。)
  2. 熱溶融物質中のトリフェニルホスフィンの含有量が80〜90重量%である請求項1記載の感熱性粘着材料
  3. 中空フィラーが、体積平均粒子径2.0〜5.0μmの球状中空粒子であり、かつ該球状中空粒子の中空率が70%以上である請求項1又は2記載の感熱性粘着材料。
  4. 球状中空粒子の材料が、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体、及びアクリロニトリル−メタクリロニトリル−イソボニルメタクリレート共重合体の何れかである請求項3記載の感熱性粘着材料。
  5. アンダー層における熱可塑性樹脂と中空フィラーの混合割合が、熱可塑性樹脂1重量部に対し中空フィラー0.1〜2重量部である請求項1〜4の何れかに記載の感熱性粘着材料。
  6. アンダー層に隣接する感熱性粘着剤層の乾燥付着量が10〜20g/mである請求項1〜の何れかに記載の感熱性粘着材料。
  7. 支持体の感熱性粘着剤層を有しない側の面上に少なくとも感熱記録層を有し、かつ該感熱記録層が少なくともロイコ染料及び顕色剤を含有する請求項1〜の何れかに記載の感熱性粘着材料。
  8. その形状が、ラベル状、シート状、ラベルシート状、及びロール状の何れかである請求項1〜の何れかに記載の感熱性粘着材料。
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