JP5151295B2 - 感熱性粘着材料 - Google Patents

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Description

本発明は、ダンボール等の粗面被着体への粘着力に優れ、経時的な粘着力低下がなく、耐ブロッキング性にも優れ、しかも感熱記録層の品質に影響を与えない感熱性粘着材料に関する。
近年、ラベル用粘着シートを、価格表示用ラベル、商品表示(バーコード)用ラベル、品質表示用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣伝用ラベル(ステッカー)等のラベル用途として使用することが増加している。その記録方式もインクジェット記録方式、感熱記録方式、感圧記録方式等様々な方式がある。従来、ラベルの情報記録面とは反対面に、粘着剤層と剥離紙を積層した構成の一般的な粘着シートが、貼り合わせ時に剥離紙を剥がし、加圧のみで簡便に貼り合わせることができるため広く使用されている。しかし、一般的な剥離紙を有する構成の粘着シートは、使用時に剥離された剥離紙が回収再利用され難く、殆どの場合、廃棄処分されている。
そこで近年、常温では粘着性を示さず剥離紙を必要としない感熱性粘着層を有する感熱性粘着材料としての感熱性粘着ラベルシートが注目されている。
例えば、特許文献1には、感圧接着剤層の上に光又は熱により活性化して粘着性を発現する障壁層を設けたラベルが、特許文献2には、熱粘着剤層塗布液中に常温で固体の可塑剤を含有させ、通常は非粘着性で加熱により粘着性を活性化させる熱粘着性ラベルが、特許文献3には、熱可塑性樹脂と可塑剤が複合した微粒子を主成分とする感熱性粘着剤からなる感熱性粘着層を有する感熱性粘着シートが、それぞれ提案されている。
また、感熱性粘着剤は、非特許文献1にも記載されているように、基本的には熱可塑性樹脂と固体可塑剤のような熱溶融性物質及び必要に応じて粘着付与剤を含有するものである。前記特許文献2及び3に記載されたものは、このような感熱性粘着剤層を改良したものである。熱可塑性樹脂は粘着力、接着力を付与するものであり、また熱溶融性物質は、常温では固体であるため樹脂に可塑性は与えないが、加熱により溶融して樹脂を膨潤又は軟化させ粘着性を発現させるものである。また、粘着付与剤は粘着性を向上させる働きもする。感熱性粘着剤中の熱溶融性物質は加熱により溶融した後はゆっくりと結晶化するために、熱源を取り除いた後も粘着性を長時間持続させる。しかしながら、従来の感熱性粘着剤は、粘着性発現後の粘着力が経時的に低下するという問題があった。また、感熱性粘着剤を熱活性する場合、高い熱エネルギーが必要となっていたのも事実である。
このような問題を解決するために、例えば、特許文献2、4、5においては、支持体と感熱性粘着剤との間にプラスチック中空粒子/水溶性結着剤を用いた断熱層を設け、熱活性する熱エネルギーの低減化(高感度化)を提案している。しかし、感熱性粘着剤の熱活性熱エネルギーの低減化については比較的良好な結果が得られるものの、常温で粘着性を示さない水溶性結着剤を用いているため、ダンボール等の粗面被着体やポリオレフィンラップに対する粘着力は未だ実用レベルに達していないものである。また、粘着性発現後の粘着力が経時的に低下するという問題も解決されていない。特許文献5には、固体可塑剤による感熱発色画像の消色等を防止するために支持体と感熱性粘着剤層の間や支持体と感熱発色層の間に水溶性樹脂を含有するバリヤー層を設けているが、このバリヤー層を遮蔽層としても、粘着アンダー層からの有機低分子材料の移行を防ぐには不十分である。
特許文献6では、支持体上に、粘着アンダー層、中間層、及び熱可塑性樹脂と粘着付与剤と熱溶融性物質を主成分とする感熱性粘着剤層を順次設けることにより、ダンボール等の粗面被着体やポリオレフィンラップ等に対する粘着力に優れ、経時的な粘着力低下がなく、耐ブロッキング性にも優れ、しかも低エネルギーで熱活性可能な感熱性粘着ラベルシートを提案している。しかしながら、粘着アンダー層の主成分であるガラス転移温度(Tg)が−70℃〜−10℃の熱可塑性樹脂は、主にアクリル系エマルジョンであり基本的に乳化重合しているため乳化剤が含まれているし、濡れ性向上剤、消泡剤、防腐剤なども含まれていることがある。また未反応のモノマーも含まれている可能性がある。それらの有機低分子材料が、保管中に、接触している感熱記録層に移行したり、感熱性粘着剤層に移行して糊化を促進し、該糊化した感熱性粘着材料が感熱記録層に転写することにより、感熱記録層の品質を劣化させるため、実用上大きな問題であることが分かった。乳化剤の無いエマルジョンや反応型の乳化剤により重合したエマルジョンもあるが、粘着力が低く実用レベルではない。熱可塑性樹脂を溶剤系とすると支持体の反対面に設けられた感熱記録層が発色するため使用できず、溶剤を使用するため環境にも良くない。一般的な感熱記録ラベルの場合は、剥離紙があるため、感圧糊と感熱記録層は直接に接することが無く、紙を介在しているため上記有機低分子材料が感熱記録層に移行しにくく、実用上の問題はない。また粘着アンダー層の無い感熱粘着剤では、感熱粘着剤が感熱記録層と直接に接触しているが、感熱記録層の品質を劣化させる原因となる上記有機低分子材料が少なく、実用上の問題はない。
特開平9−20079号公報 特開2001−64603号公報 特開2002−114955号公報 特許第2683733号公報 特開平10−152660号公報 特開2006−83196号公報 「接着便覧」第12版、第131〜135頁、昭和55年、高分子刊行会発行
本発明は、ダンボール等の粗面被着体への粘着力に優れ、経時的な粘着力低下がなく、耐ブロッキング性、保存性にも優れ、しかも感熱記録層の品質に影響を与えない感熱性粘着材料の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜5)の発明によって解決される。
1) 支持体の一方の面上に、少なくとも、ガラス転移温度(Tg)が−70℃〜−10℃の熱可塑性樹脂を主成分とする粘着アンダー層、Tgが−70℃〜−5℃の熱可塑性樹脂とプラスチック球状中空粒子を主成分とする中間層、及び熱可塑性樹脂と熱溶融性物質と粘着付与剤を主成分とする感熱性粘着剤層を順次設け、支持体の他方の面上にロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱性粘着材料において、前記粘着アンダー層と中間層との間及び/又は中間層と感熱性粘着剤層との間に、層状構造を有する無機フィラーを主成分とする遮蔽層を設けたことを特徴とする感熱性粘着材料。
2) 無機フィラーが膨潤性雲母であることを特徴とする1)に記載の感熱性粘着材料。
3) 膨潤性雲母の付着量が0.1〜0.8g/mであることを特徴とする2)に記載の感熱性粘着材料。
4) 膨潤性雲母の体積平均粒径が1〜10μmであることを特徴とする2)又は3)に記載の感熱性粘着材料。
5) その形状が、ラベル状、シート状、及びロール状の何れかであることを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の感熱性粘着材料。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明の感熱性粘着材料は、支持体の一方の面上に、少なくとも、粘着アンダー層、中間層、及び感熱性粘着剤層を有し、支持体の他方の面上に、感熱記録層を有すると共に、前記粘着アンダー層と中間層との間及び/又は中間層と感熱性粘着剤層との間に、遮蔽層を有する。これらの各層について順に説明する。
<遮蔽層>
層状構造を有する無機フィラーを主成分とする遮蔽層は、保管時には粘着アンダー層の主成分である熱可塑性樹脂に含まれる有機低分子材料を感熱性粘着剤層に移動させないようにすると共に、加熱による活性化時には、粘着アンダー層の熱可塑性樹脂が表面に移動できるようにすることで良好な粘着力を発現させる機能を有するものである。ここで、無機フィラーを主成分とするとは、50重量%以上含有することを意味する。
層状構造を有する無機フィラーとしては、カオリナイト、ハロイサイト、タルク、スメクタイト(モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サボナイト等)、バーミキュライト、膨潤性雲母、クロライトといった粘土鉱物及び、ハイドロタルサイト、層状ポリケイ酸塩(カネマイト、マカタイト、アイアライト、マガディアイト、ケニヤアイト等)等が挙げられる。中でも好ましいのは膨潤性雲母である。
−膨潤性雲母−
本発明でいう膨潤性雲母は、膨潤性マイカ及び合成スメクタイトと呼ばれているものを指し、化学物質名としては、ナトリウム四珪素雲母、ナトリウムヘクトライトに相当するものである。これらの膨潤性雲母といわれる化合物は、非常に高いアスペクト比を有すると共に、水が存在する環境では、その層間に水分子を取り込んで水中に分散している状態を形成し、面の大きさが数十μm、厚さ数nm(2〜10nm程度)の薄片粒子として存在している。この膨潤性雲母は、陽イオンを介して面対面の凝集力によって積層する性質を持っていることから、遮蔽層に用いた場合、フィルムに近い状態を形成しているものと考えられる。
これらの膨潤性雲母類は、固体そのものを水中で分散して分散液を調製してもよいし、市販品の水分散体を入手して用いてもよい。その具体例としては、トピー工業株式会社製のNa四珪素雲母(DMA−350、DMA−80E)、Naヘクトライト(NHT−70B)、これらの水分散品である、NTS−5、NTS−10、NHT−ゾルB2が挙げられる。また、コープケミカル製の膨潤性雲母ソマシフ(ME−100、S1ME)などもある。更に、これらの膨潤性雲母に対して、例えば、カップリング剤やシリコーンオイル等によって表面処理を施したものも用いることができる。
本発明の中間層は、プラスチック球状中空粒子を含有するため、その表面はフラットでなく凹凸が存在している状態であるが、前述のように膨潤性雲母は非常に薄い層状態で存在しているので、中間層上に積層する際に、表面凹凸(形状)に追随できるような柔軟性を持っていると考えられ、粘着アンダー層からの有機低分子材料の移動防止機能である遮蔽性に優れた特性を有するものと考えられる。
一方、膨潤性雲母は薄片粒子が面対面の凝集力として存在しフィルムに近い状態を形成していることから、加熱による活性化時に粘着機能が発現する際には、薄片粒子の面対面の積層が破壊され易いと考えられ、粘着性の維持(発現)と粘着アンダー層からの有機低分子材料の移動防止機能の両立が可能であると考えられる。
遮蔽層は、粘着アンダー層と中間層との間及び/又は中間層と感熱性粘着剤層との間に設けるが、粘着アンダー層と中間層との間に遮蔽層を設けた場合、加熱時に中間層に存在しているプラスチック球状中空粒子が、移動する粘着アンダー層材料や加熱により糊化した感熱性粘着剤層材料と混合し、膨潤性雲母の薄片粒子の面対面の積層が破壊され易いと考えられ、粘着性の維持(発現)が良好となると考えられる。層状構造を有する点では膨潤性雲母と変わらない普通の雲母(無機フィラー)を用いた場合には、膨潤性雲母のような機能が発現しないことから、膨潤性雲母独特の状態を実現しているものと考えられる。
このような膨潤性雲母は少量で粘着アンダー層からの有機低分子材料の優れた移動防止機能を発現するが、付着量が少なくなるとこの移動防止機能が低下し、付着量が多くなると粘着力が低下する傾向があり、付着量は0.1〜0.8g/mが好ましく、0.2〜0.5g/mが更に好ましい。
膨潤性雲母の体積平均粒径は、10μmより大きくなると粘着アンダー層からの有機低分子材料の移動防止機能が低下する傾向がある。粒径が小さい膨潤性雲母で容易に入手可能なものの粒径範囲は1〜3μm程度であり、このくらいの粒径であれは粘着アンダー層からの有機低分子材料の移動防止機能も良好で粘着性も得られる。
遮蔽層の形成方法には特に制限はなく、一般に知られている方法を採用することができるが、後述する感熱性粘着剤層と同様に、塗布法が好ましい。
<粘着アンダー層>
本発明では、支持体と中間層の間に、ガラス転移温度(Tg)が−70℃〜−10℃の熱可塑性樹脂を主成分とする粘着アンダー層を設ける。ここで、主成分とは、50重量%以上含有することを意味する。
粘着アンダー層は、加熱による活性化時に表面に移動することで系全体として良好な粘着力を発現する機能を有しているが、低温環境下においては、粘着アンダー層の樹脂が移動しにくくなることから、その機能は低下する傾向にある。
Tgが−10℃を超える高Tg樹脂の場合は、粘着アンダー層の特徴が全く得られず、ダンボール等の粗面被着体等に対する粘着力が弱く、上層に設けられた感熱性粘着剤層のみの粘着力となってしまう。一方、Tgが−70℃未満の低Tg樹脂でも特に問題はないが、コスト高となるため好ましくない。なお、殆どの樹脂はTgが−70℃以上である。
熱可塑性樹脂としては、本発明における感熱性粘着剤層にも用いられる熱可塑性樹脂が好ましく、ビニル系モノマーをグラフト共重合した天然ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
粘着アンダー層の形成方法には特に制限はなく、一般に知られている方法を採用することができるが、後述する感熱性粘着剤層と同様に、塗布法が好ましい。
粘着アンダー層の塗布量は、乾燥塗布量で通常2〜35g/m、好ましくは4〜25g/mの範囲とする。塗布量が2g/m未満では、熱活性化後に接着を行う際に十分な接着力が得られない。また、35g/mを越えると接着力や断熱効果が飽和してしまうため、経済上好ましくない。
<中間層>
本発明では、粘着アンダー層と感熱性粘着剤層の間に、Tgが−70℃〜−5℃の熱可塑性樹脂とプラスチック球状中空粒子を主成分とする中間層を設ける。ここで、主成分とは、熱可塑性樹脂とプラスチック球状中空粒子の合計量が50重量%以上であることを意味する。
Tgが−5℃を超える高Tg樹脂の場合は、中間層の特徴が全く得られず、ダンボール等の粗面被着体やポリオレフィンラップ等に対する粘着力が弱くなる。一方、Tgが−70℃未満の低Tg樹脂でも特に問題はないが、コスト高となるため好ましくない。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類などが挙げられる。中でも、前記感熱性粘着剤層に用いられる熱可塑性樹脂と同類の樹脂を用いると、両層の樹脂同士の相溶性がよくなるので好ましく、特にビニル系モノマーをグラフト共重合した天然ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
プラスチック球状中空粒子は、低エネルギー熱活性化(高感度熱活性化)の課題を考慮すると、断熱効果を有する体積平均粒子径2.0〜5.0μmで且つ中空率が70%以上のものが好ましく、その中でも特に、最大粒子径が10.0μm以下のものが好ましい。中空率が低いものは、断熱効果が不充分なためにサーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通じて外へ放出され、高感度熱活性化効果が劣る。
本発明でいうプラスチック球状中空粒子とは、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気その他の気体を含有して既に発泡状態となっているものをいう。なお、ここでいう“中空率”とは、中空粒子の全体の体積に対する中空部(内部空隙部)の体積の比率である。
また、体積平均粒子径が5.0μmより大きい場合は、これらを用いた中間層上に感熱性粘着剤層を設けた場合に、該大きな粒子のために感熱性粘着剤層が形成されない部分ができ、熱活性化した場合に粘着力が低下しやすい。一方、2.0μmより小さい場合は、中空率70%以上を確保することが困難になり、その結果、低エネルギーでの熱活性化効果が得られないことがある。また、サーマルヘッドを熱源として利用した低エネルギー熱活性化方式での粘着力を確保するためには、中間層に用いる中空粒子の中空率は70%以上が好ましい。
上記の条件を満たすプラスチック球状中空粒子を形成する材料としては、アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体又はアクリロニトリル−メタクリロニトリル−イソボルニルメタクリレート共重合体が好ましい。
また、熱可塑性樹脂とプラスチック球状中空粒子の比率は、中空粒子の中空率によっても異なるが、概ね、樹脂1重量部に対して、中空粒子0.1〜1.0重量部が好ましく、中空粒子が0.1重量部より少ないと高感度熱活性化に劣り、更にブロッキング性が低下する。逆に、中空粒子が1.0重量部より多くなると、ダンボール等の粗面被着体やポリオレフィンラップに対する粘着力が低下し、上層に設けられた感熱性粘着剤層のみの粘着力となってしまう。
中間層の形成方法には特に制限はなく、一般に知られている方法を採用することができるが、後述する感熱性粘着剤層と同様に、塗布法が好ましい。
中間層の塗布量は、乾燥塗布量で通常0.2〜10g/m、好ましくは1〜5g/mの範囲とする。塗布量が0.2g/m未満では、熱活性時の断熱効果が得られない。また、10g/mを越えると、接着力や断熱効果が飽和し、経済上好ましくない。
<感熱性粘着剤層>
感熱性粘着剤層は、熱可塑性樹脂と熱溶融性物質と粘着付与剤を主成分とし、更に必要に応じて非溶融性物質などのその他の成分を含有する。ここで、主成分とは、材料全体の50重量%以上を占めることを意味する。50重量%よりも少ないと、粘着力に寄与する成分が少なくなり粘着力が低下することになってしまう。
−熱可塑性樹脂−
熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粘着アンダー層や中間層に用いられる熱可塑性樹脂と同類の樹脂を用いると、両層の樹脂同士の相溶性がよくなることから、ダンボール等の粗面被着体に対する粘着力が向上するので好ましい。
熱可塑性樹脂の例としては、ビニル系モノマーをグラフト共重合した天然ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
感熱性粘着剤層における熱可塑性樹脂の含有量は、10〜60重量%が好ましく、15〜50重量%がより好ましい。含有量が10重量%未満の場合には、粘着力の低下となるので望ましくない。また、含有量が60重量%を超えた場合には、通常の保存環境下温度で粘着力が発現するなど保存上の不具合(ブロッキング)が生じるので好ましくない。
−熱溶融性物質−
熱溶融性物質は、常温では固体であるため、樹脂に可塑性は与えないが、加熱により溶融し樹脂を膨潤又は軟化させて粘着性を発現させ、その後、ゆっくりと結晶化するため、熱源を取り除いた後も粘着性を長時間持続させることができるものである。
本発明で用いる熱溶融性物質としては、例えば、下記構造式(1)で示されるベンゾトリアゾール化合物、下記構造式(2)で表されるヒドロキシ安息香酸エステル化合物、下記構造式(3)〜(5)で表される化合物、下記構造式(6)〜(7)で表されるホスフィン系化合物を併用することができる。
構造式(1)
Figure 0005151295
〔上記式中、R及びRは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、及びα,α−ジメチルベンジル基の何れかを表す。Xは、水素原子又はハロゲン原子を表す。〕
前記アルキル基としては、炭素数が1〜8のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基などが挙げられ、これらは置換基で更に置換されていてもよい。
前記置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基、また、特定の置換基を有していてもよい(例えば、ハロゲン原子又はニトロ基により置換されていてもよい)アルキル基、アリール基、複素環基等が挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
前記構造式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物としては、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−sec−ブチル−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられるが、これらの化合物に限定されるものではない。また、これらの化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
構造式(2)
Figure 0005151295
〔上記式中、Rは、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、及びアリール基の何れかを表し、これらは更に置換基により置換されていてもよい。〕
前記アルキル基としては、炭素数1〜18のものが挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖状アルキル基;イソブチル基、イソアミル基、2−メチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−プロピル−2−メチルプロピル基、1−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、1−イソプロピルペンチル基、1−イソプロピル−2−メチルブチル基、1−イソプロピル−3−メチルブチル基、1−メチルオクチル基、1−プロピルヘキシル基、1−イソブチル−3−メチルブチル基、ネオペンチル基、t−ブチル基、t−ヘキシル基、t−アミル基、t−オクチル基等の分岐状アルキル基;シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基等が挙げられ、これらは更に置換基により置換されていてもよい。
前記アルケニル基としては、炭素数2〜8のものが好適であり、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、メタクリル基、クロチル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、2−ペンテニル基、4−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、2−ヘプテニル基、2−オクテニル基等が挙げられ、これらは更に置換基により置換されていてもよい。
前記アラルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等が挙げられ、これらは更に置換基により置換されていてもよい。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントラニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基等が挙げられ、これらは更に置換基により置換されていてもよい。
前記アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、又はアリール基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基、また、特定の置換基を有していてもよい(例えば、ハロゲン原子又はニトロ基により置換されていてもよい)アルキル基、アリール基、複素環基等が挙げられる。
構造式(2)で表されるヒドロキシ安息香酸エステル化合物としては、例えば、m−ヒドロキシ安息香酸メチル、m−ヒドロキシ安息香酸エチル、m−ヒドロキシ安息香酸フェニル、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸−n−プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸−n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ステアリル、p−ヒドロキシ安息香酸シクロヘキシル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−4−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−4−メチルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸フェニル等が挙げられるが、これらの化合物に限定されるものではない。また、これらの化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
構造式(3)
Figure 0005151295
〔上記式中、R及びRは、互いに同一でも異なっていてもよく、アルキル基又はアルコキシ基を表す。Yは、水素原子又は水酸基を表す。〕
構造式(4)
Figure 0005151295
〔上記式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、及びアルコキシ基の何れかを表す。Yは、水素原子又は水酸基を表す。〕
構造式(5)
Figure 0005151295
〔上記式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基及びアルコキシ基の何れかを表す。〕
構造式(3)〜(5)におけるアルキル基としては、上記構造式(1)と同様のものが挙げられる。
構造式(3)〜(5)におけるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げられる。
構造式(3)で表される化合物としては、例えば、トルオイン、p−アニソイン、m−アニソイン、デオキシトルオイン、デオキシアニソイン、4,4′−ジエチルベンゾイン、4,4′−ジエトキシベンゾイン等が挙げられ、構造式(4)で表される化合物としては、例えば、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−p−クロロフェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−o−クロロフェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−p−メチルフェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−o−メチルフェニル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸−p−クロロフェニル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸−o−クロロフェニル等が挙げられ、構造式(5)で表される化合物としては、例えば、安息香酸−3−ヒドロキシフェニル、安息香酸−4−ヒドロキシフェニル、安息香酸−2−ヒドロキシフェニル、o−メチル安息香酸−3−ヒドロキシフェニル、p−クロロ安息香酸−3−ヒドロキシフェニル等が挙げられるが、これらの化合物に限定されるものではない。また、これらの化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
構造式(6)
Figure 0005151295
構造式(7)
Figure 0005151295
上記構造式(6)(7)において、Rは炭素数1〜4の分岐していてもよいアルキル基を表し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。nは、1〜5の整数を表す。
構造式(6)で表される化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−2,4−キシレンホスフィン、トリ−2,5−キシレンホスフィン、トリ−2,6−キシレンホスフィン、トリ−3,4−キシレンホスフィン、トリ−3,5−キシレンホスフィン等が挙げられ、構造式(7)で表される化合物としては、例えば、トリス(o−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(m−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−n−プロピルオキシフェニル)ホスフィン、トリス(m−t−ブトキシフェニル)ホスフィン、トリス(m−n−ブトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−n−ブトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−t−ブトキシフェニル)ホスフィン、トリス(m−t−ブトキシフェニル)ホスフィン等が挙げられるが、これらの化合物に限定されるものではない。また、これらの化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記構造式(1)〜(7)で表わされる化合物以外にも、常温で固体であり加熱溶融時に熱可塑性樹脂と混ざり合うことができる化合物であれば、本発明の熱溶融性物質として用いることが可能である。その他の化合物の一例を以下に挙げるが、本発明の範囲を限定するものではない。
2,2−エチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1,6−ヘキサンジオールビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、3,9ビス〔2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、2,4−ジ−t−ペンチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,2′−メチレンビス〔6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール〕、4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、2,2′−ブチリデンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕フェノール、6−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルプロポキシ)−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ〔d,f〕〔1,3,2〕−ジオキサホスフェビン、リン酸エステルアミド、2−(4′−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、1−o−トリルビグアニド、O,O′−ジベンズアミドジフェニルジスルフィド、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等が挙げられる。
前記構造式(1)〜(7)で表わされる化合物は、室温において固体であり、加熱時に溶融するものが好適に用いられる。これらの化合物の融点は70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。上限値は200℃程度である。
融点が70℃未満であると、感熱性粘着剤としたときに通常の保存環境下温度で粘着力が発現してしまうなど、保存上の不具合(ブロッキング)が生じることがある。また、感熱性粘着剤塗布液を支持体上に塗布し、乾燥するときに粘着力が発現するなどの製造上の不具合も生じることがある。一方、融点が200℃を超えると、粘着力を発現させるために大量のエネルギーが必要となり、実用上の不具合が生じることがある。また、感熱記録紙を支持体として用い大量のエネルギーで粘着力を発現させた場合、感熱記録層が発色することから印字画像が読み取れなくなってしまうという不具合がある。
また、前記構造式(1)〜(7)で表わされる化合物からなる熱溶融性物質は、体積平均粒子径で10μm以下、好ましくは3μm以下に粉砕して用いることができる。また、体積平均粒子径を更に細かく、例えば、0.5μm以下にすることにより、動的な熱感度が上がり低エネルギーで熱可塑性樹脂及び粘着付与剤と相溶して熱活性粘着剤となる。
熱溶融性物質としては、上記の化合物を単独で用いてもよいが、前記構造式(1)〜(7)で表される化合物と任意の割合で併用してもよく、その場合の配合比は任意に調整することが可能である。
−粘着付与剤−
粘着付与剤は、感熱性粘着剤層の粘着力を向上させるために添加するもので、特に制限はなく公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロジン誘導体(例えば、ロジン、重合ロジン、水添ロジン)、テルペン系樹脂(例えば、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂)、石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂等が挙げられる。
これらの粘着付与剤は、熱可塑性樹脂及び熱溶融性物質と相溶して、感熱性粘着剤層の粘着力を著しく向上させる。
粘着付与剤の融点(又は軟化点)は、80℃以上が好ましく、80〜200℃がより好ましい。融点(又は軟化点)が80℃未満であると、通常の保存環境下温度で保存上の不具合(耐ブロッキング性が低下)が生じることがある。
感熱性粘着剤層における粘着付与剤の含有量は、1〜30重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましい。含有量が1重量%未満であると、著しく粘着力が低下することがあり、30重量%を超えると、通常の保存環境下温度で保存上の不具合(耐ブロッキング性が低下)や低温環境下での初期粘着力の低下が生じることがある。
−非溶融性物質−
感熱性粘着剤層には、ブロッキング防止機能、あるいは表面の摩擦力を低減させるために非溶融性物質を用いることができる。このような非溶融性物質としては、一般的に使われる体積平均粒子径0.5〜30μmの無機顔料、有機顔料、又は、有機顔料−無機顔料の複合系顔料が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、クレー、焼成クレー、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、膨潤性雲母、非膨潤性雲母等が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、ポリメタクリル酸メチル系架橋物、ポリメタクリル酸ブチル系架橋物、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の微粉末等が挙げられる。
また、これらの有機顔料を多孔質(ポーラス)構造に加工した粒子も用いることができ、例えば、ポリメタクリル酸メチル系架橋物のポーラス粒子を挙げることができる。
有機顔料−無機顔料の複合系顔料としては、シリカ−アクリル複合化合物等を挙げることができ、更に、離型性に優れるシリコーン系材料の粒子を用いることができ、例えば、シリコーンゴム、シリコーンレジンの粒子、シリコーンゴムとシリコーンレジンの複合粒子等を用いることができる。
これらのフィラー物質の中では、離型性機能に優れる有機系顔料が好ましく、中でもシリコーン系粒子、ポリメタクリル酸メチル架橋物が好ましい。これらの樹脂粒子は、素材自身が耐ブロッキング性における離型性に優れるだけでなく、球状構造であることもその効果を高めていると考えられる。また、サーマルヘッドによる粘着性発現(活性化)を考えた場合、上記樹脂粒子は、サーマルヘッドで粘着性を発現する際のダメージが小さく、ヘッドマッチング性に優れた特性を有している。
感熱性粘着剤層の形成方法には特に制限はなく、公知の塗布法又は印刷法などを採用することができるが、特に塗布法が好ましく、上記成分を配合した感熱性粘着剤層塗布液を用いて好適に形成することができる。
前記塗布法としては、例えば、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本又は5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法等が挙げられる。
なお、塗布又は印刷の際の乾燥は、使用される熱溶融性物質及び共融化剤が融解しない温度範囲で行わなければならない。乾燥の手段としては熱風乾燥の他に赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用した乾燥方法が使用できる。
感熱性粘着剤層塗布液の塗布量は、乾燥塗布量で通常3〜20g/mが好ましく、5〜15g/mがより好ましい。塗布量が3g/m未満であると、加熱による接着を行なう際に十分な接着力が得られず、また中間層及び粘着アンダー層にTgが低い熱可塑性樹脂を用いているため、耐ブロッキング性に劣る。また、20g/mを越えると中間層の断熱効果が薄れるし経済上も好ましくない。
<支持体>
支持体の形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、感熱性粘着材料の目的用途に応じて適宜選択することができ、形状としては、例えば平板状等が挙げられ、構造としては、単層構造であっても積層構造であってもよい。
支持体の材料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、種々の無機材料又は有機材料を用いることができる。
無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、SiO、金属等が挙げられる。有機材料としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、合成紙等の紙、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン等が挙げられる。これらの中でも、上質紙、コート紙、プラスチックフィルム、合成紙が好ましい。
合成紙としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドなどの合成繊維からなるものや、これらを紙の一部、一面、又は両面に貼り付けたもの等が挙げられる。合成紙の市販品としては、王子油化社製のFPG、FGS、GFG、KPK等が挙げられる。
支持体がフィルム、合成紙の場合、パルプ等で出来た上質紙、古紙等と比較して感熱性粘着剤などの染み込みが悪く、またアンカー性も極めて低い。更に近年、熱活性方法としての安全性、高速性、オンデマンド化の風潮からサーマルヘッドを用いた接触活性方式が注目されてきている。しかし、この方式は活性層の面を削り落とす副作用があり、特に熱活性においては、ラベルの全面を活性させるためにサーマルヘッド自身が高温になり感熱性粘着剤層の脱落が著しくなるが、本発明においては、支持体として、フィルム、合成紙を用いた場合でも、熱活性時のフィルム及び合成紙の脱落、収縮を防止でき、また、ラベル張替え時の糊残りが生じることがない。
支持体は、塗布層の接着性を向上させる目的でコロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理、易接着処理、帯電防止処理等により表面改質することが好ましい。また、酸化チタン等の白色顔料などを添加して白色にすることが好ましい。
支持体の厚みには特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50〜2,000μmが好ましく、100〜1,000μmがより好ましい。
<感熱記録層>
感熱記録層は、ロイコ染料(発色剤)と顕色剤を含有し、更に、通常はバインダー樹脂を含有するが、必要に応じて填料などのその他の成分を含有してもよい。
ロイコ染料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリフェニルメタン系染料、フルオラン系染料、フェノチアジン系染料、オーラミン系染料、スピロピラン系染料、インドリルフタリド系染料等が好適に挙げられる。
ロイコ染料の具体例としては、例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3′−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロルメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6′−クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、6′−ブロモ−3′−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフェニル)フタリド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−ニトロフェニル)フタリド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフェニル)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(2′−メトキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−ヒドロキシ−4′−クロル−5′−メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4′−o−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4′,5′−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4′−ジメチルアミノ−2′−メトキシ)−3−(1″−p−ジメチルアミノフェニル−1″−p−クロロフェニル−1″,3″−ブタジエン−4″−イル)ベンゾフタリド、3−(4′−ジメチルアミノ−2′−ベンジルオキシ)−3−(1″−p−ジメチルアミノフェニル−1″−フェニル−1″,3″−ブタジエン−4″−イル)ベンゾフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチルアミノ)フタリド、3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリドフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオランスピロ(9,3′)−6′−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4′,5′−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
顕色剤としては特に制限はなく、公知の電子受容性の化合物の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール性化合物、チオフェノール性化合物、チオ尿素誘導体、有機酸又はその金属塩等が挙げられる。
顕色剤の具体例としては、例えば、4,4′−イソプロピリデンビスフェノール、3,4′−イソプロピリデンビスフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4′−s−ブチリデンビスフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(o−t−ブチルフェノール)、4,4′−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−t−ブチル−2−メチル)フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4′−チオビス(6−t−ブチル−2−メチル)フェノール、4,4′−ジフェノールスルホン、4,2′−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ベンジロキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジフェノールスルホキシド、P−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキュ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサヘプタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロパン、N,N′−ジフェニルチオ尿素、N,N′−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、5−クロロ−サリチルアニリド、サリチル−o−クロロアニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸の亜鉛塩、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ヒドロキシナフトエ酸の亜鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、4−{β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,4′−ジフェノールスルホン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジフェノールスルホン、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエンチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4′−チオビス(2−メチルフェノール)、3,4−ヒドロキシ−4′−メチル−ジフェニルスルホン、4,4′−チオビス(2−クロロフェノール)等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
感熱記録層における顕色剤の添加量は、目的に応じて適宜選択することができ、ロイコ染料1重量部に対し1〜20重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
バインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉又はその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等のラテックス類などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
填料としては、種々の熱可融性物質を使用することができ、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルエステル、ジフェニルカーボネート、テレフタル酸ジベンジルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジルオキシナフタレン、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ビス(フェノキシ)ブタン、1,4−ビス(フェノキシ)−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ビス(フェニルチオ)ブタン、1,4−ビス(フェニルチオ)−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、1,3−ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−(ベンジルオキシ)ベンジルアルコール、1,3−ジフェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、蓚酸ジベンジルエステル、1,5−ビス(p−メトキシフェニルオキシ)−3−オキサペンタン等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
感熱記録層には、更に必要に応じて、各種補助添加成分、例えば、滑剤、フィラー、界面活性剤等を併用することができる。滑剤としては、例えば高級脂肪酸又はその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、石油系ワックス等が挙げられる。フィラーとしては公知のものが使用でき、例えば炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、シリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、アルミナ、クレー等の無機顔料又は公知の有機顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、耐水性(耐水剥がれ性)を考慮すると酸性顔料(水溶液中で酸性を示すもの)であるシリカ、カオリン、アルミナが好ましく、特に発色濃度の点からシリカが好ましい。
感熱記録層の形成方法には、特に制限はなく、一般に知られている方法を採用することができ、例えば、ロイコ染料、顕色剤を別々に結合剤その他の成分と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機により、分散粒径が1〜3μmになるまで粉砕分散した後、必要に応じて填料、熱可融性物質(増感剤)分散液等と共に、一定処方で混合して感熱記録層塗布液を調製し、支持体上に塗布することによって形成することができる。
感熱記録層の厚みは、感熱記録層の組成や感熱性粘着材料の用途等により異なり一概には規定できないが、1〜50μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。
<感熱記録層の保護層>
感熱記録層の保護層は、樹脂成分と、必要に応じてその他の成分を含有する。樹脂としては、疎水性樹脂エマルジョン、水溶性樹脂を用いることができるが、保護層としてのバリアー性の点から、水溶性樹脂を用いた膜が好ましい。また、水溶性樹脂を用いた場合には、架橋剤によって耐水化することでその機能を向上させることができる。
水溶性樹脂としては通常ポリビニルアルコールを用いるが、耐水化するための架橋剤との組み合わせを適宜選定することができる。例えば、カルボキシ変性ポリビニルアルコールとポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコールとヒドラジド化合物との組み合わせなどである。
中でも、反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコール(以下、PVAαという)と、架橋剤としてヒドラジド化合物を含有する保護層は、耐熱性、耐水性が極めて高く、圧力、温度、湿度の付加による影響を受け難いので、耐ブロッキング性を大きく向上させることができる。
PVAαは、反応性カルボニル基を有するビニルモノマーと脂肪酸ビニルエステルとを共重合して得た重合体を鹸化する等の公知の方法により製造することができる。該反応性カルボニル基を有するビニルモノマーとしては、エステル残基を有する基、アセトン基を有する基が挙げられるが、ジアセトン基を有するビニルモノマーが好ましく、具体的にはジアセトンアクリルアミドやメタジアセトンアクリルアミドが好ましい。前記脂肪酸ビニルエステルとしては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられるが、これらの中でも、酢酸ビニルが特に好ましい。
PVAαは、共重合可能な他のビニルモノマーを共重合したものであってもよい。これらの共重合可能なビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル、ブタジエン、エチレン、プロピレン、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸などが挙げられる。
PVAα中の反応性カルボニル基の含有量は、ポリマー全体の0.5〜20モル%が好ましく、耐水化を考慮すると2〜10モル%の範囲がより好ましい。含有量が2モル%より少ないと実用上耐水性が不十分となり、10モル%を超えてもそれ以上耐水化の向上が見られず高価になるだけなので経済的でない。また、PVAαの重合度は300〜3,000が好ましく、500〜2,200がより好ましい。また、PVAαの鹸化度は80%以上が好ましい。
前記ヒドラジド化合物は、ヒドラジド基を持つものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボヒドラジド、蓚酸ジヒドラジド、蟻酸ヒドラジド、酢酸ヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,7−ナフトエ酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジド等が挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、耐水性や安全性の面からアジピン酸ジヒドラジドが好ましい。
ヒドラジド化合物の含有量は、PVAα100重量部に対し、5〜40重量部が好ましく、15〜25重量部がより好ましい。
保護層には、フィラーを含有することが好ましい。該フィラーは塩基性のものがよく、その例としては、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、タルク、アルカリ性の珪酸類等が挙げられるが、サーマルヘッドとのマッチング(カス付着)等から水酸化アルミニウムと炭酸カルシウムが好ましく、適度な水溶性によるpHコントロールを考慮すると、特に水酸化アルミニウムが好ましい。
保護層の形成方法には特に制限はなく、一般に知られている方法を採用することができるが、例えば、常法により調製した保護層塗布液を記録層上に塗布する方法によって形成することができる。
保護層の厚みは特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0〜7.0μmが好ましい。
更に、支持体と感熱記録層の間には、必要に応じて中間層などを設けることもできる。これらの層を構成する成分としては、前述した微小中空粒子を含む顔料、結合剤、熱可融性物質、界面活性剤等を用いることができる。
本発明の感熱性粘着材料は、感熱性粘着層の熱活性化時(加熱時)の前又は後でカットして使用することができる。この場合、該感熱性粘着材料に、予め切れ目を形成しておけば、ラベル、タグ等の様々な用途に好適に用いることができる点で有利である。
本発明の感熱性粘着材料の形状には特に制限はなく、ラベル状、シート状、ラベルシート状、ロール状などが好適に挙げられる。中でも、利便性、保管場所、取り扱い性の点から、円筒状の芯材に巻き取り、長尺状でロール状に巻いて保管するのが好ましい。
本発明の感熱性粘着材料が貼付される被着体としては特に制限はなく、目的に応じて大きさ、形状、構造、材質等を適宜選択することができるが、材質としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂板、SUS、アルミニウム等の金属板、封筒、ダンボール等の紙製品、ポリオレフィン製のラップ類、ポリ塩化ビニル製のラップ類、ポリエチエレン製不織布(封筒等)、ガラスなどが好適に挙げられる。
本発明の感熱性粘着材料の感熱性粘着剤層を熱活性化する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、熱風による活性化方法、熱ロールによる活性化方法、サーマルヘッドによる活性化方法、などが挙げられる。
これらの中でも、サーマルヘッドによる活性化方法が好ましく、既存の感熱記録プリンタ装置を用いて感熱性粘着材料の両面を加熱することにより、感熱記録層への記録と、感熱性粘着剤層の熱活性化とを同時に行うことができる点で有利である。
本発明によれば、ダンボール等の粗面被着体への粘着力に優れ、経時的な粘着力低下がなく、耐ブロッキング性、保存性にも優れ、しかも感熱記録層の品質に影響を与えない感熱性粘着材料を提供できる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、部及び%は何れも重量基準である。
[粘着アンダー層塗布液(A液)の調整]
〔A−1液〕
下記組成の混合物を攪拌して、粘着アンダー層塗布液〔A−1液〕を調製した。
・感熱性接着剤(Tg:−35℃、固形分濃度59.5%、東洋インキ製)…84部
・水…16部
〔A−2液〕
下記組成の混合物を攪拌して、粘着アンダー層塗布液〔A−2液〕を調製した。
・アクリル酸エステル/スチレンの共重合体(Tg−10℃)
(固形分濃度55%、昭和高分子製)…90.9部
・界面活性剤 ダプロW−77(エレメンティスジャパン製)…0.1部
・水…9.0部
〔A−3液〕
下記組成の混合物を攪拌して、粘着アンダー層塗布液〔A−3液〕を調製した。
・スチレン/ブタジエンの共重合体ラテックス
(Tg:+4℃、固形分濃度48%、日本エイアンドエル製)…99.9部
・界面活性剤(エレメンティスジャパン製、ダプロW−77)…0.1部
[中間層塗布液(B液)の調整]
〔B−1液〕
下記組成の混合物を攪拌分散して、中間層塗布液〔B−1液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(アクリロニトリル/塩化ビニリデン/メタクリル酸
メチル共重合体、固形分濃度41%、体積平均粒子径3.6μm、中空率90%)
…14.6部
・2−エチルヘキシルアクリレート/メチルメタアクリレート/スチレンの共重合体
(Tg:−65℃、固形分濃度55.4%、昭和高分子製)…21.7部
・界面活性剤(エレメンティスジャパン製、ダプロW−77)…0.1部
・水…63.7部
〔B−2液〕
下記組成の混合物を攪拌分散して、中間層塗布液〔B−2液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(アクリロニトリル/塩化ビニリデン/メタクリル酸
メチル共重合体、固形分濃度41%、体積平均粒子径3.6μm、中空率90%)
…14.6部
・2−エチルヘキシルアクリレート/メチルメタアクリレート/スチレンの共重合体
(Tg:−5℃、固形分濃度55.4%、昭和高分子製)…21.7部
・界面活性剤(エレメンティスジャパン製、ダプロW−77)…0.1部
・水…63.7部
〔B−3液〕
下記組成の混合物を攪拌分散して、中間層塗布液〔B−3液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(アクリロニトリル/塩化ビニリデン/メタクリル酸
メチル共重合体、固形分濃度41%、体積平均粒子径3.6μm、中空率90%)
…14.6部
・スチレン/ブタジエンの共重合体ラテックス(Tg:+4℃、固形分濃度48%、
日本エイアンドエル製)…24.8部
・界面活性剤(エレメンティスジャパン製、ダプロW−77)…0.1部
・水…60.5部
[熱溶融性物質分散液(C液)の調整]
〔C−1液〕
下記組成の混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルで分散させて熱溶融物質分散液〔C−1液〕を調製した。
・トリフェニルホスフィン…30.0部
・ポリビニルアルコール(日本合成化学製、ゴーセランL−3266、
10%水溶液)…15部
・界面活性剤(日本乳化剤製、Newcol 290M、10%水溶液)
…1.5部
・水…53.5部
〔C−2液〕
下記組成の混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルで分散させて熱溶融物質分散液〔C−2液〕を調製した。
・2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール(融点138℃)…30.0部
・ポリビニルアルコール(日本合成化学工業製、ゴーセランL−3266、
10%水溶液)…15部
・界面活性剤(日本乳化剤製、Newcol 290M、10%水溶液)…1.5部
・水…53.5部
[シリコーン樹脂分散液〔F液〕の調製]
下記組成の混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散してシリコーン樹脂分散液〔F液〕を調製した。
・シリコーンレジン樹脂粒子(信越化学製、KMP−590)…30.0部
・ポリビニルアルコール(日本合成化学工業製、ゴーセランL−3266、
10%水溶液)…15部
・界面活性剤(日本乳化剤製、Newcol 290M、10%水溶液)…1.5部
・水…53.5部
[感熱性粘着剤塗布液(D液)の調製]
〔D−1液〕
下記組成の混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔D−1液〕を調製した。
・2−エチルヘキシルアクリレート/メチルメタアクリレート/スチレンの共重合体
(Tg:−65℃、重量平均分子量50万、固形分濃度55.4%、昭和高分子製)
…9.2部
・テルペンフェノールエマルジョン(固形分濃度50%、軟化点150℃)
…6.6部
・熱溶融物質分散液〔C−1液〕…50.5部
・熱溶融物質分散液〔C−2液〕…33.7部
〔D−2液〕
下記組成の混合物を均一に混合して、感熱性粘着剤塗布液〔D−2液〕を調製した。
・2−エチルヘキシルアクリレート/メチルメタアクリレート/スチレンの共重合体
(Tg:−65℃、重量平均分子量50万、固形分濃度55.4%、昭和高分子製)
…9.2部
・テルペンフェノールエマルジョン(固形分濃度50%、軟化点150℃)
…6.6部
・熱溶融物質分散液〔C−1液〕…50.5部
・熱溶融物質分散液〔C−2液〕…33.7部
・シリコーン樹脂分散液〔F液〕…3.8部
[遮蔽層塗布液(E液)の調製]
〔E−1液〕
下記組成の混合物を、平均粒径が5.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して遮蔽層塗布液〔E−1液〕を調製した。
・タルク(LMS−300、体積平均粒子径5μm、富士タルク工業製)30.0部
・ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセランL−3266、
20%水溶液)…7.5部
・水…47.5部
〔E−2液〕
膨潤性雲母(NTS−10、固形分濃度6.0%、体積平均粒子径12μm、トピー工業製)を遮蔽層塗布液〔E−2液〕とした。
〔E−3液〕
膨潤性雲母(NTS−5、固形分濃度5.0%、体積平均粒子径10μm、トピー工業製)を遮蔽層塗布液〔E−3液〕とした。
〔E−4液〕
膨潤性雲母(ME−100、固形分濃度5.0%、体積平均粒子径5〜7μm、コープケミカル製)を遮蔽層塗布液〔E−4液〕とした。
〔E−5液〕
膨潤性雲母(S1ME、固形分濃度5.0%、体積平均粒子径1〜3μm、コープケミカル製)を遮蔽層塗布液〔E−5液〕とした。
〔E−6液〕
下記組成の混合物を溶解させて、遮蔽層塗布液〔E−6液〕を調製した。
・ポリビニルアルコール(ゴーセランL―3266、日本合成化学工業製)…10部
・水…90部
実施例1
支持体である坪量80g/mの片面コート紙(OKアドニスラフ、王子製紙社製)のコート層を有さない側の面上に、粘着アンダー層塗布液〔A−1液〕を乾燥付着量が15g/mとなるように塗布し乾燥して粘着アンダー層を形成した。
次に、粘着アンダー層上に遮蔽層塗布液〔E−2液〕を乾燥付着量が0.5g/mとなるように塗布し乾燥して遮蔽層を形成した。
次に、遮蔽層上に中間層塗布液〔B−1液〕を乾燥付着量が2g/mとなるように塗布し乾燥して中間層を形成した。
次に、中間層上に感熱性粘着剤層塗布液〔D−1液〕を乾燥付着量が13g/mとなるように塗布し乾燥して感熱性粘着剤層を形成した。
次に、支持体の感熱性粘着剤層を有しない側の面上に、後述する手順によって感熱記録層を設け、感熱性粘着材料を得た。
実施例2
感熱性粘着剤層塗布液〔D−1液〕を〔D−2液〕に変えた点以外は、実施例1と同様にして感熱性粘着剤層を形成し感熱性粘着材料を得た。
実施例3〜12、比較例1〜4
支持体である坪量80g/mの片面コート紙(OKアドニスラフ、王子製紙社製)のコート層を有さない側の面上に、下記表1記載の粘着アンダー層塗布液、中間層塗布液、遮蔽層塗布液、及び感熱性粘着剤層塗布液を、乾燥後の付着量がそれぞれ15g/m、2g/m、表1記載の付着量、13g/mとなるように順次塗布乾燥した。
次に、支持体の感熱性粘着剤層を有しない側の面上に、後述する手順によって感熱記録層を設け、感熱性粘着材料を得た。
Figure 0005151295
<感熱記録層形成>
上記実施例1〜12及び比較例1〜4の感熱記録層の作成手順は以下のとおりである。
−[アンダー層形成液]−
下記組成の混合物を攪拌分散して[アンダー層形成液]を調製した.
・微小中空粒子分散体(塩化ビニリデン/アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂
固形分濃度32%、体積平均粒子径3.0μm、中空度92%)…30部
・スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス(Tg:+4℃)…10部
・水…60部
−〔感熱発色層形成液〕−
下記組成の〔ロイコ染料分散液〕と[顕色剤分散液]の原料混合物を、それぞれ体積平均粒子径が1.5μm程度となるようにサンドミルを用いて分散し〔ロイコ染料分散液〕と[顕色剤分散液]を調製した。次いで、〔ロイコ染料分散液〕:[顕色剤分散液]=1:8となるように混合攪拌して〔感熱発色層形成液〕を得た。
〔ロイコ染料分散液〕
・3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン…20部
・ポリビニルアルコ−ル(10%水溶液)…10部
・水…70部
[顕色剤分散液]
・4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン…10部
・ポリビニルアルコ−ル(クラレ社製、KL−318、10%水溶液)…25部
・炭酸カルシウム(白石工業製、CALSHITEC Bririant−15)
…15部
・水…50部
−〔保護層形成液〕−
下記組成の原料混合物を縦型サンドミルで体積平均粒子径が1μm以下になるように粉砕、分散化して[保護層一次分散液]を調製した後、これを用いて下記組成の[保護層形成液]を調製した。
[保護層一次分散液]
・水酸化アルミニウム(昭和電工製、H―42M)…20部
・ポリビニルアルコ−ル(クラレ社製、KL−318、10%水溶液)…20部
・水…40部
[保護層形成液]
・保護層一次分散液…10部
・ポリビニルアルコ−ル(クラレ社製、KL−318、10%水溶液)…20部
・12.5%エピクロヒドリン水溶液…5部
・30%ステアリン酸亜鉛分散液…2部
上記[アンダー層形成液]を支持体の感熱性粘着剤層を有しない側の面に乾燥後重量が4g/mとなるように塗布乾燥して断熱層を設けた。次いで、その上に、上記〔感熱発色層形成液〕を乾燥後重量が5g/mとなるように塗布乾燥して感熱発色層を設けた。
次いで、感熱発色層上に、上記〔保護層形成液〕を、乾燥後重量が約3g/mとなるように塗布、乾燥し、更に、王研式平滑度が2000秒になるようにスーパーキャレンダー処理して感熱記録層を設けた。
<粘着特性の評価>
得られた各感熱性粘着材料を40mm×120mmの長方形にカットし、感熱印字装置(大倉電気株式会社製、TH−PMD)を用いて、ヘッド条件:各エネルギー0.40mJ/dot、0.50mJ/dot、印字スピード:6ms/line、プラテン圧:6kgf/lineの条件で熱活性化させた。
次いで、活性化させたサンプルを、予め、0℃30%RH、22℃60%RH、40℃60%RHの3種類の環境条件下に入れておいたダンボール(C5ライナーA段)に速やかに貼り付けた(JIS Z 0237記載の180度引きはがし粘着力試験の測定法に準じ、加圧2kgのゴムローラーで20mm/sの速度で2往復させて圧着)。
貼り付けた後、同環境下に1日間静置保管し、その後、剥離角度180度、剥離速度300mm/minの条件で剥離させ、その時の粘着力をフォースゲージ(イマダ製DPS−5)で測定し、0.1秒間隔でデータを読み取り平均化した数値を示した。数値の単位はgf/40mmである。粘着力ランクは、下記のとおりとした。
◎ :1000gf/40mm以上
○ : 500gf/40mm以上〜1000gf/40mm未満
△ : 200gf/40mm以上〜 500gf/40mm未満
× : 200gf/40mm未満
<耐ブロッキング性の評価>
得られた各感熱性粘着材料の感熱性粘着剤層面と、反対側の感熱記録層の保護層面を接触させ、200gf/cmの圧力を掛け、60℃、Dry条件下で15時間放置した。次いで、室温で放置した後、サンプルを剥がし、その時の耐ブロッキング性を、下記表2に示す基準で評価した。10段階のランクに分け、ランク10、9を「◎」、ランク8、7を「○」、ランク6、5、4を「△」、ランク3、2、1を「×」とした。
なお、「剥離時の抵抗感」「剥離音」「点状転写」「ハガレ」の順に、ブロッキングの程度が重くなった状態を指しており、「剥離時の抵抗感」とは、粘着性を持たせていないときにも軽くくっつくことを指し、その中の「自重」とは、軽くくっついた場合でも、2枚重ねて上の紙だけを持ったら自然に剥がれ落ちる程度の状態を指す。また、「剥離音」とは、くっついた状態から剥がそうとしたときに音が出ることを指し、「点状転写」とは、感熱性粘着剤層が裏面に点状に転写している状態を指し、「ハガレ」とは、感熱性粘着剤層が裏面と貼り付いてしまって、感熱性粘着剤層が剥れてしまうか、又は、裏面の紙が剥れてしまう(破れる)現象のことを指す。
Figure 0005151295
<感熱記録層の保存性の評価>
耐ブロッキング性評価後の感熱記録層について、東洋精機製の熱傾斜試験機を用いて、190℃、2kg/cm、1秒間の条件で印字した。印字面にポリマーラップ(信越ポリマー製)を3枚重ね、荷重200gf/cmの圧力を掛け、40℃で15時間放置後に、マクベス濃度計RD914型で濃度測定をした。濃度の評価基準は次の通りである。
◎ : 1.30以上
○ : 1.20以上、1.30未満
× : 1.20未満
各感熱性粘着材料の評価結果を纏めて表3に示す。
Figure 0005151295
上記表3の結果から次のようなことが分かる。
実施例では遮蔽層に層状構造を有する無機フィラーがあるため、比較例よりも保存性での濃度が高い。
実施例1は遮蔽層が粘着アンダー層と中間層の間にあるため粘着力がやや低く保存性の濃度もやや低い。
実施例3は層状構造を有する無機フィラーにタルクを用いているため粘着力がやや低く、保存性もやや低い。
実施例6は遮蔽層の付着量が好ましい範囲を外れて少ないため保存性がやや低い。
実施例9は遮蔽層の付着量が好ましい範囲を外れて多いため、22℃と40℃における粘着力がやや低い。
実施例10〜12は膨潤性雲母の粒径が好ましい範囲にあるため、保存性の濃度が高い。

Claims (5)

  1. 支持体の一方の面上に、少なくとも、ガラス転移温度(Tg)が−70℃〜−10℃の熱可塑性樹脂を主成分とする粘着アンダー層、Tgが−70℃〜−5℃の熱可塑性樹脂とプラスチック球状中空粒子を主成分とする中間層、及び熱可塑性樹脂と熱溶融性物質と粘着付与剤を主成分とする感熱性粘着剤層を順次設け、支持体の他方の面上にロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱性粘着材料において、前記粘着アンダー層と中間層との間及び/又は中間層と感熱性粘着剤層との間に、層状構造を有する無機フィラーを主成分とする遮蔽層を設けたことを特徴とする感熱性粘着材料。
  2. 無機フィラーが膨潤性雲母であることを特徴とする請求項1に記載の感熱性粘着材料。
  3. 膨潤性雲母の付着量が0.1〜0.8g/mであることを特徴とする請求項2に記載の感熱性粘着材料。
  4. 膨潤性雲母の体積平均粒径が1〜10μmであることを特徴とする請求項2又は3に記載の感熱性粘着材料。
  5. その形状が、ラベル状、シート状、及びロール状の何れかであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の感熱性粘着材料。
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