JP5266629B2 - 感熱性粘着剤及び感熱性粘着材料 - Google Patents
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Description
従来から知られている前記粘着ラベルは、情報記録面と反対側面に、粘着剤層と剥離紙を積層した構成が一般的である。この粘着ラベルは、貼り合わせ時に剥離紙を剥がして、加圧するのみで簡便に貼り合わせることができるものである。
前記感熱性粘着ラベルとしては、例えば、感熱性粘着剤層中に、熱可塑性樹脂及び熱溶融性物質、更に必要に応じて粘着付与剤を含有するものが提案されている(非特許文献1参照)。
このような感熱性粘着ラベルにおける感熱性粘着剤層は、粘着性を発現した後の粘着力が経時で低下するとともに、ダンボールなどの粗面被着体に対する粘着力が弱いという欠点を有する。更に、ロール状態での保管の際に粘着性が発現し、感熱性粘着剤層と裏側の面とが貼り付いてしまう(ブロッキング)という問題を有している。
被着体に対する粘着力と耐ブロッキング性は互いに背反する関係にあり、粘着力を向上させるとブロッキング性が悪くなり、逆に、ブロッキング性を改良すると被着体に対する粘着力が低くなるという関係にあり、2つの特性を両立することは非常に難しく、実現できていないのが現状である。
しかしながら、これらの熱溶融性物質を用いることで、被着体に対する粘着特性を向上させる傾向にはあるが、ダンボール等の粗面被着体に対して安定な粘着力を維持することはできず、しかも、ロール状態での保管において貼り付きを起こしやすく、耐ブロッキング性は極めて悪いものであった。
しかしながら、この場合でも、粘着性を発現する際に、140℃で30秒加熱するというような条件を必要としていることから、例えば、サーマルプリントヘッドからのエネルギーでは、粘着性発現は困難であると考えられる。つまり、粘着力と耐ブロッキング性が高いレベルで両立しているのではなく、粘着力の発現が高くない系に対して加熱(活性化)条件で補っているのが現状であり、このような感熱性粘着材料が各種メディアとして有用性を発揮するには実用面で不十分であると考えられる。
実際にこのような手法を展開した例としては、例えば、支持体上に感熱性粘着剤、熱可塑性樹脂層を設けた構成において、熱可塑性樹脂層が顔料成分を含有させること(特許文献11参照)、熱可塑性樹脂と固体可塑剤を主成分とする感熱性粘着剤層中に、吸油性顔料(吸油量100ml/100g)を含有させること(特許文献12参照)が提案されている。
しかしながら、いずれの場合も、粘着阻害を引起す顔料成分を最表層に添加していることから、被着体に対する粘着力の低下を引き起こす可能性があり、耐ブロッキング性と粘着力とを両立することはできず、実用的ではない。
熱溶融性物質として用いるトリフェニルホスフィンによって感熱性粘着剤層は、加熱された際に非常に軟らかい状態を形成することができると考えられており、この系に対して顔料などの非熱溶融性物質をブロッキング防止のために添加することで、粘着特性と耐ブロッキング性の両者を向上することができる。即ち、非熱溶融性物質によって耐ブロッキング性が向上するだけでなく、従来は顔料などが最表層に存在することから粘着力の低下を引き起こしていたが、トリフェニルホスフィンを用いた本発明の系の場合には、加熱された後の感熱性粘着剤層がその軟性によって、顔料などの非熱溶融性物質の間隙をぬって最表層に現れてくることから、粘着力を損なうことがないと考えている。
このような粘着力と耐ブロッキング性との両立は、熱溶融性物質としてトリフェニルホスフィンを用いた場合においてのみ実現することが知見できており、トリフェニルホスフィンを用いない系においては、耐ブロッキング性が向上しても低温環境(0℃)における粘着特性が不十分であったりして、2つの特性を両立することができず、本発明の組み合わせにおいて実現できているものである。
<1> 熱可塑性樹脂、熱溶融性物質、及び非熱溶融性物質を少なくとも含み、前記熱溶融性物質が、トリフェニルホスフィンを含むことを特徴とする感熱性粘着剤である。
<2> 非熱溶融性物質が、球状の粒子である前記<1>に記載の感熱性粘着剤である。
<3> 非熱溶融性物質が、シリコーン系樹脂からなる樹脂粒子である前記<2>に記載の感熱性粘着剤である。
<4> 非熱溶融性物質が、架橋型PMMA粒子である前記<2>に記載の感熱性粘着剤である。
<5> 熱可塑性樹脂に対する非熱溶融性物質の質量比が、0.5〜2.0である前記<1>から<4>のいずれかに記載の感熱性粘着剤である。
<6> 熱溶融性物質が、下記構造式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物から選択される少なくとも1種を更に含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の感熱性粘着剤である。
<7> 熱溶融性物質が、体積平均粒子径10μm以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載の感熱性粘着剤である。
<8> 熱可塑性樹脂が、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種である前記<1>から<7>のいずれかに記載の感熱性粘着剤である。
<9> 更に粘着付与剤を含有し、該粘着付与剤が、ロジン系エステル樹脂、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂及び水素添加テルペン樹脂から選択される少なくとも1種である前記<1>から<8>のいずれかに記載の感熱性粘着剤である。
<10> 更に共融化剤を含有し、該共融化剤が下記構造式(8)で表される化合物から選択される少なくとも1種である前記<1>から<9>のいずれかに記載の感熱性粘着剤である。
<11> 支持体と、該支持体の一方の面上に、前記<1>から<10>のいずれかに記載の感熱性粘着剤を含む感熱性粘着剤層とを有することを特徴とする感熱性粘着材料である。
<12> 支持体における感熱性粘着剤層とは反対側の面に、記録層を有してなる前記<11>に記載の感熱性粘着材料である。
<13> 記録層上に、更に保護層を有してなる前記<12>に記載の感熱性粘着材料である。
<14> 記録層が、感熱記録層、熱溶融転写記録用インク受容層、電子写真用トナー受像層、ハロゲン化銀写真用記録層、及びインクジェット用インク受像層のいずれかである前記<12>から<13>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
<15> 感熱記録層が、ロイコ染料及び顕色剤を少なくとも含む感熱記録層である前記<14>に記載の感熱性粘着材料である。
<16> 感熱性粘着剤層の乾燥後の付着量が、10〜20g/m2である前記<11>から<15>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
<17> 支持体と感熱性粘着剤層との間に、熱可塑性樹脂及びフィラーを少なくとも含む中間層を有する前記<11>から<16>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
<18> 中間層における熱可塑性樹脂が、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種である前記<17>に記載の感熱性粘着材料である。
<19> 中間層におけるフィラーが、体積平均粒子径2.0〜5.0μmの球状中空粒子であり、かつ該球状中空粒子の中空率が70%以上である前記<17>から<18>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
<20> 球状中空粒子を構成する材料がプラスチックであり、該プラスチックが、アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体及びアクリロニトリル−メタクリロニトリル−イソボニルメタクリレート共重合体から選択される少なくとも1種である前記<19>に記載の感熱性粘着材料である。
<21> 支持体が、合成紙、及びプラスチックフィルムのいずれかである前記<11>から<20>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
<22> ラベル状、シート状、及びロール状のいずれかである前記<11>から<21>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
本発明の感熱性粘着剤は、熱可塑性樹脂、熱溶融性物質、及び非熱溶融性物質を少なくとも含んでなり、粘着付与剤、共融化剤、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記熱溶融性物質は、常温では固体であるため、樹脂に可塑性は与えないが、加熱により溶融して樹脂を膨潤又は軟化させて粘着性を発現し、加熱により溶融した後、ゆっくりと結晶化するため、熱源を取り除いた後も粘着性を長時間持続することができるものである。
前記その他の熱溶融性物質としては、例えば、下記構造式(1)で示されるベンゾトリアゾール化合物、下記構造式(2)で表されるヒドロキシ安息香酸エステル化合物、下記構造式(3)、(4)、及び(5)のいずれかで表される化合物、及び(6)、(7)のいずれかで表されるホスフィン系化合物を併用して用いることができる。
前記置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基、また、特定の置換基を有していてもよい(例えば、ハロゲン原子、又はニトロ基により置換されていてもよい)アルキル基、アリール基、複素環基、などが挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げられる。
前記融点が70℃未満であると、感熱性粘着剤としたときに通常の保存環境下温度で粘着力が発現してしまうなど、保存上の不具合(ブロッキング)が生じることがある。また、感熱性粘着剤塗布液を支持体上に塗布し、乾燥するときに粘着力が発現するなどの製造上の不具合も生じることがある。一方、融点が200℃を超えると、粘着力を発現させるために大量のエネルギーが必要となり、実用上の不具合が生じることがある。また、感熱記録層を有する感熱記録紙を支持体として用い大量のエネルギーで粘着力を発現させた場合、感熱記録層が発色することから印字画像が読み取れなくなってしまうという不具合がある。
ここで、前記熱溶融性物質の体積平均粒子径は、50%体積平均粒子径を意味し、例えば、レーザー回折/散乱法で測定することができる。具体的には、株式会社堀場製作所製のレーザー回折/散乱粒度分布測定装置「LA920」により測定した、分散物中の累積分布の50%に相当する平均粒子径である。
このように併用する場合、前記熱溶融性物質における各々の含有量としては、トリフェニルホスフィンが50〜75質量%、前記構造式(1)〜(7)で表される化合物が50〜25質量%が好ましい。前記前記構造式(1)〜(7)で表される化合物の含有量が、25質量%未満であると、耐ブロッキング性が低下することがあり、50質量%を超えると、0〜10℃の低温環境下での粘着力が低下することがある。
前記トリフェニルホスフィン及びその他を含む全熱溶融性物質の感熱性粘着剤中の含有量としては、40〜80質量%が好ましく、60〜80質量%がより好ましい。前記含有量が、40質量%未満であると、耐ブロッキング性が低下することがあり、80質量%を超えると、粘着力が低下することがある。
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、本発明の感熱性粘着剤を感熱性粘着材料に用いた場合、後述の中間層(アンダー層)に用いられる熱可塑性樹脂と同類の樹脂を用いると、両層の樹脂同士の相溶性がよくなることから、ダンボール等の粗面被着体に対する粘着力が向上するので好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的応じて適宜選択することができ、例えば、ビニル系モノマーをグラフト共重合した天然ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記非熱溶融性物質とは、加熱時に有機低分子化合物のような融解現象を起こさない物質を表し、具体的には、一般的に使われる体積平均粒子径0.5〜20μmの無機フィラー、有機フィラー、有機フィラー−無機フィラーの複合系フィラーなどが好ましく挙げられる。なお、前記体積平均粒子径としては、1〜10μmがより好ましい。
前記非熱溶融性物質の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、球状の粒子であるのが好ましい。
前記無機フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、クレー、焼成クレー、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウム、などが挙げられる。
前記有機フィラーとしては、例えば、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、ポリメタクリル酸メチル系架橋物、ポリメタクリル酸ブチル系架橋物、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の微粉末などが挙げられる。また、これらの有機フィラーを多孔質(ポーラス)構造に加工した粒子も用いることができ、例えば、ポリメタクリル酸メチル系架橋物のポーラス粒子(架橋型PMMA粒子)を挙げることができる。
前記有機フィラー−無機フィラーの複合系フィラーとしては、シリカ−アクリル複合化合物などが挙げられる。
また、これらの他にも、離型性に優れるシリコーン樹脂の粒子がを用いることができ、例えば、シリコーンゴム、シリコーンレジンの粒子、シリコーンゴムとシリコーンレジンの複合粒子、などが好適に挙げられる。
これらの非熱溶融性物質の中でも、有機フィラーが好ましく、その中でも、シリコーン系粒子、ポリメタクリル酸メチル架橋物(架橋型PMMA粒子)がより好ましい。これらの樹脂粒子は、素材自身が耐ブロッキング性における離型性に優れるだけでなく、球状構造であることもその効果を高めていると考えられる。また、サーマルヘッドによる粘着性発現(活性化)を考えた場合、サーマルヘッドへのダメージが小さく、ヘッドマッチング性に優れた特性を有している。
前記非熱溶融性物質の質量比が、0.1未満であると、耐ブロッキング性が低下することがあり、0.5を超えると、粘着性が低下することがある。
前記粘着付与剤は、感熱性粘着剤の粘着力を向上させるために添加され、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロジン誘導体(例えば、ロジン、重合ロジン、水添ロジン)、テルペン系樹脂(例えば、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂)、石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂等が挙げられる。これら粘着付与剤は、熱可塑性樹脂及び熱溶融性物質と相溶して、感熱性粘着剤の粘着力を著しく向上させることができる。
本発明の感熱性粘着材料は、支持体と、該支持体の一方の面上に本発明の前記感熱性粘着剤層を少なくとも有してなり、中間層(アンダー層)、更に必要に応じてその他の層を有してなる。一方、支持体における感熱性粘着剤層とは反対側の面に、記録層を有してなるのが好ましく、又は記録層と保護層とをこの順に有してなるのが好ましく、更に必要に応じてその他の層を有してもよい。
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記感熱性粘着材料の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
前記合成紙としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドなどの合成繊維からなるものや、これらを紙の一部、一面、両面に貼り付けた
ものなどが挙げられる。該合成紙としては、市販品では、王子油化社製のFPG、FGS、GFG、KPKなどが挙げられる。
支持体がフィルム、合成紙の場合、パルプなどでできた上質紙、古紙などと比較して感熱性粘着層などの染み込みが悪く、またアンカー性も極めて低い。更に近年の熱活性方法としての安全性、高速性、オンデマンド化の風潮からサーマルヘッドを用いた接触活性方式が注目されてきている。サーマルヘッドによる接触熱活性は反面活性層の面を削り落とす副作用があり、特に熱活性においてはラベルの全面を活性させるためにサーマルヘッド自身は高温になり、感熱性粘着剤層の脱落は著しくなるが、本発明においては、支持体として、フィルム、合成紙を用いた場合でも、熱活性時のフィルム及び合成紙の脱落、収縮を防止でき、また、ラベル張替え時の糊残りが生じることがないものである。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、50〜2,000μmが好ましく、100〜1,000μmがより好ましい。
前記中間層は、熱可塑性樹脂及びフィラーを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。前記顔料については、粘着性発現の熱応答性の観点から、中空フィラーを用いることが特に好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニル系モノマーをグラフト共重合した天然ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル−アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン系重合体、ポリブタジエン、2−ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン系重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系重合体から選択される少なくとも1種等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フィラーとしては、特に制限はなく、一般的に使われる体積平均粒子径0.5〜10μmの無機フィラー又は有機フィラーが用いられる。前記無機フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、クレー、焼成クレー、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウム、などが挙げられる。
前記有機フィラーとしては、例えば、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の微粉末等が挙げられる。
これらの中でも、低エネルギー熱活性化(高感度熱活性化)の課題を考慮すると断熱効果を有する体積平均粒子径が2.0〜5.0μmであり、かつ中空率が70%以上であるプラスチック球状中空粒子が好ましい。より好ましくは、中空粒子の最大粒子径が10.0μm以下であると同時に、体積平均粒子径が2.0〜5.0μmであり、かつ中空率が70%以上の中空粒子が好ましい。
前記中空率が低いものは、断熱効果が不充分であるためにサーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通じて外へ放出され、高感度熱活性化効果が劣る。前記体積平均粒子径が5.0μmより大きいと、これらを用いた中間層上に感熱性粘着層を設け場合、大きな粒子の部分には感熱性粘着層が形成されない部分が生じて、熱活性化した場合に粘着力が低下しやすくなることがあり、2.0μm未満であると、中空率70%以上を確保することが困難になり、その結果、高感度熱活性化効果が劣ることがある。
ここで、前記中空率とは、中空粒子の外側体積と内部空隙部の体積との比率である。
前記感熱性粘着剤層は、本発明の前記感熱性粘着剤を含んでなる。
本発明の前記感熱性粘着剤は、熱可塑性樹脂、熱溶融性物質、及び非熱溶融性物質を含んでなり、粘着付与剤、共融化剤、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
各成分の詳細は、前記感熱性粘着剤の説明で述べたとおりである。
前記塗布法としては、例えば、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本又は5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法、などが挙げられる。
なお、前記塗布若しくは印刷の際の乾燥条件としては、使用される熱溶融性物質及び共融化剤が融解しない温度範囲で乾燥されなければならない。前記乾燥の手段としては、熱風乾燥の他に赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用した乾燥方法が使用できる。
前記記録層は、画像等を記録することができる層であり、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感熱記録層、熱溶融転写記録用インク受容層、電子写真用トナー受像層、ハロゲン化銀写真用記録層、及びインクジェット用インク受像層、などが好適に挙げられる。これらの中でも、前記記録層として、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録用の感熱性粘着材料、又は前記記録層として、熱溶融転写記録用インク受容層を設けた熱転写記録用の感熱性粘着材料は、各種被着体、特にダンボール等の粗面被着体やポリオレフィンラップに対する粘着力が強く、低エネルギー熱活性化、かつ、耐ブロッキング性も良好であり、極めて有用である。
前記感熱記録用の感熱性粘着材料における感熱記録層は、発色剤、顕色剤、及びバインダー樹脂を含み、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記ロイコ染料としては、例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3’−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’0−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−p−クロロフェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−フェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリドフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオランスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感熱記録層の厚みは、前記感熱記録層の組成や感熱性粘着材料の用途等により異なり一概には規定できないが、1〜50μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。
前記熱転写記録用の感熱性粘着材料における熱溶融転写記録用インク受容層は、フィラー、バインダー樹脂、耐水化剤を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記インク受容層における前記フィラーと水溶性樹脂との割合は、耐ブロッキング性に関わり、その含有質量比(固形分)は、前記フィラー1に対して、水溶性樹脂0.1〜0.2が好ましい。
前記耐水化剤と前記水溶性樹脂の割合も耐ブロッキング性に関わり、その含有質量比(固形分)は、水溶性樹脂1に対して、耐水化剤0.3〜0.5が好ましい。このようにインク受容層はフィラー及び水溶性樹脂を、また更に、水溶性樹脂と耐水化剤を特定の割合で含有させて形成させるが、更に、インク受容層の表面をキャレンダーなどにより、平滑度500秒以上に処理することにより、上記フィラーによる効果に加えて印字品質を一層向上させることができる。
前記保護層は、樹脂成分を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。この場合の樹脂としては、疎水性樹脂エマルション、水溶性樹脂を用いることができるが、保護層としてのバリアー性の点から、水溶性樹脂を用いた膜が好ましい。但し、水溶性樹脂を用いた場合には、架橋剤によって耐水化することでその機能を向上させることができる。
水溶性樹脂としては、通常ポリビニルアルコールが一般的に用いられるが、耐水化するための架橋剤との組み合わせを適宜選定して用いることができる。例えば、カルボキシ変性ポリビニルアルコールとポリアミドエピクロルヒドル樹脂、反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコールとヒドラジド化合物との組み合わせなどである。
この中でも、反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコールと架橋剤としてヒドラジド化合物を含有する保護層は、極めて耐熱性、耐水性が高く圧力、温度、湿度の付加による影響を受け難いので、耐ブロッキング性を大きく向上させることができる。
前記反応性カルボニル基を有するPVA中の反応性カルボニル基の含有量は、ポリマー全体の0.5〜20モル%が好ましく、耐水化を考慮すると2〜10モル%範囲がより好ましい。前記含有量が2モル%より少ないと実用上耐水性が不十分となり、10モル%を超えてもそれ以上耐水化の向上が見られず高価になるだけなので経済的でない。また、前記反応性カルボニル基を有するPVAの重合度は300〜3,000が好ましく、500〜2,200がより好ましい。また、前記反応性カルボニル基を有するPVAの鹸化度は80%以上が好ましい。
前記ヒドラジド化合物の含有量は、前記反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコール100質量部に対し、5〜40質量部が好ましく、15〜25質量部がより好ましい。
前記保護層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0〜7.0μmが好ましい。
本発明の感熱性粘着材料の形状としては、特に制限はなく、ラベル状、シート状、ラベルシート状、ロール状、などが好適に挙げられる。これらの中でも、利便性、保管場所、取り扱い性の点から円筒状の芯材に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されるのが好ましい。
これらの中でも、サーマルヘッドによる活性化方法が好ましく、本発明の感熱性粘着材料の熱活性化方法が特に好ましい。この場合、既存の感熱記録プリンタ装置を用いて前記感熱粘着材料の両面を加熱することにより、前記感熱記録層への記録と、前記感熱性粘着層の熱活性化とを行うことができる点で有利である。
<塗工液の調製>
〔A液〕熱溶融性物質分散液
・熱溶融性物質・・・30.0質量部
・ポリビニルアルコール(30%水溶液)・・・5.0質量部
・界面活性剤(アルキル−アリルスルホン酸塩)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
上記組成からなる混合物を、平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して分散液〔A液〕を得た。
・非熱溶融性物質・・・30.0質量部
・ポリビニルアルコール(30%水溶液)・・・5.0質量部
・界面活性剤(アルキル−アリルスルホン酸塩)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
上記組成からなる混合物を、平均粒径が1.5μmとなるようにサンドミルを用いて分散して分散液〔B液〕を得た。
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%)・・・10質量部
・テルペン系粘着付与剤エマルジョン(荒川化学工業製、タマノルE−100、軟化点150℃,不揮発分50%)・・・6.5質量部
・前記で調製した熱溶融性物質分散液〔A液〕・・・33.3質量部
・前記で調整した非熱溶融性物質分散液〔B液〕・・・16.7質量部
・微小中空粒子(アクリロニトリル/塩化ビニリデンを主体とする共重合樹脂)・・・14.6質量部(固形分濃度41%、体積平均粒子径3.6μm、中空度90%)
・2−エチルヘキシルアクリレート/メチルメタアクリレート/スチレンの共重合体(Tg−65℃)・・・21.7質量部(固形分濃度55.4%、昭和高分子製)
・水・・・63.7質量部
上記感熱性粘着材料の作製手順に従って、下記表1に示すように、熱溶融性物質分散液〔A液〕中の熱溶融性物質として、トリフェニルホスフィンを用い、非熱溶融性物質分散液〔B液〕中の非熱溶融性物質として、二酸化珪素(シリカ)を用いて、実施例1の感熱性粘着材料を作製した。
なお、実施例1では、熱可塑性樹脂に対する非溶融性物質の質量比は、1.0で、熱溶融性物質に対する非溶融性物質の質量比は、0.5であった。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、下記表1に示すように、非熱溶融性物質分散液〔B液〕中の非熱溶融性物質として、二酸化珪素の代わりに、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物からなる樹脂粒子(株式会社日本触媒製エポスターM30)を用いた以外は、実施例1と同様にして、参考例2の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、下記表1に示すように、非熱溶融性物質分散液〔B液〕中の非熱溶融性物質として、二酸化珪素の代わりに、シリコ−ンレジン系粒子(信越シリコーン製KMP−590)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例1において、下記表1に示すように、非熱溶融性物質分散液〔B液〕中の非熱溶融性物質として、二酸化珪素の代わりに、ポリメタクリル酸メチル架橋物(株式会社日本触媒製エポスターMA1002)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層形成液〔C液〕を調製する際の非熱溶融性物質分散液〔B液〕の添加比率を、8.5質量部にした以外は、実施例3と同様にして、実施例5の感熱性粘着材料を作製した。
実施例5では、熱可塑性樹脂に対する非溶融性物質の質量比は、0.51であった。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層形成液〔C液〕を調製する際の非熱溶融性物質分散液〔B液〕の添加比率を、33質量部にした以外は、実施例3と同様にして、実施例6の感熱性粘着材料を作製した。
実施例6では、熱可塑性樹脂に対する非溶融性物質の質量比は、1.98であった。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層形成液〔C液〕を調製する際の非熱溶融性物質分散液〔B液〕の添加比率を、7質量部にした以外は、実施例3と同様にして、参考例7の感熱性粘着材料を作製した。
参考例7では、熱可塑性樹脂に対する非溶融性物質の質量比は、0.42であった。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、感熱性粘着剤層形成液〔C液〕を調製する際の非熱溶融性物質分散液〔B液〕の添加比率を、40質量部にした以外は、実施例3と同様にして、実施例8の感熱性粘着材料を作製した。
実施例8では、下記表1に示すように、熱可塑性樹脂に対する非溶融性物質の質量比は、2.4であった。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層形成液〔C液〕を調製する際に、テルペン系粘着付与剤エマルジョンを添加しない以外は、実施例3と同様にして、実施例9の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層塗布液〔C液〕を塗布する際の乾燥後の付着量を、20g/m2にした以外は、実施例3と同様にして、実施例10の感熱性粘着剤粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層塗布液〔C液〕を塗布する際の乾燥後の付着量を、9g/m2にした以外は、実施例3と同様にして、実施例11の感熱性粘着剤粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層塗布液〔C液〕を塗布する際の乾燥後の付着量を、21g/m2にした以外は、実施例3と同様にして、実施例12の感熱性粘着剤粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層塗布液〔C液〕を塗布する際の乾燥後の付着量を、30g/m2にした以外は、実施例3と同様にして、実施例13の感熱性粘着剤粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層塗布液〔C液〕を塗布する際の乾燥後の付着量を、31g/m2にした以外は、実施例3と同様にして、実施例14の感熱性粘着剤粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層塗布液〔C液〕を塗布する際の乾燥後の付着量を、40g/m2にした以外は、実施例3と同様にして、実施例15の感熱性粘着剤粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、下記表1に示すように、中間層(アンダー層)を設けなかった以外は、実施例3と同様にして、実施例16の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層塗布液〔C液〕を調製する際の熱溶融性物質分散液〔A液〕の調製において、トリフェニルホスフィンの代わりに、トリフェニルホスフィンとトリ−m−トリルホスフィンとの1:1(50:50)混合物を用いた以外は、実施例3と同様にして、実施例17の感熱性粘着材料を作製した。なお、トリ−m−トリルホスフィンは、前記構造式(6)で表される化合物である。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層塗布液〔C液〕を調製する際の熱溶融性物質分散液〔A液〕の調製において、トリフェニルホスフィンの代わりに、トリフェニルホスフィンと2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5クロロベンゾトリアゾールとの1:1(50:50)混合物を用いた以外は、実施例3と同様にして、実施例18の感熱性粘着材料を作製した。なお、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5クロロベンゾトリアゾールは、前記構造式(1)で表される化合物である。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例18において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層塗布液〔C液〕を調製する際の熱溶融性物質分散液〔A液〕の調製において、トリフェニルホスフィンと2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5クロロベンゾトリアゾール混合物との比を3:1(75:25)とした以外は、実施例18と同様にして、実施例19の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例18において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層塗布液〔C液〕を調製する際の熱溶融性物質分散液〔A液〕の調製において、トリフェニルホスフィンと2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5クロロベンゾトリアゾール混合物の比を1:3(25:75)とした以外は、実施例18と同様にして、実施例19の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層塗布液〔C液〕中のテルペン系粘着付与剤エマルジョン(荒川化学工業製、タマノルE−100)の代わりに、ロジンエスエステル系粘着付与剤エマルジョン(荒川化学工業製、スーパーエステルE―650、軟化点160℃,不揮発分50%)を用いた以外は、以外は、実施例3と同様にして、実施例21の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層塗布液〔C液〕を調製する際に、非熱溶融性物質分散液〔B液〕を用いない以外は、実施例3と同様にして、比較例1の感熱性粘着材料を調整した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層塗布液〔C液〕を調製する際の熱溶融性物質分散液〔A液〕の調製において、トリフェニルホスフィンの代わりに、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5クロロベンゾトリアゾールを用いた以外は、実施例3と同様にして、比較例2の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層塗布液〔C液〕を調製する際の熱溶融性物質分散液〔A液〕の調製において、トリフェニルホスフィンの代わりに、1,4−シクロヘキサンジメタノールビス(ジフェニルホスフェート)を用いた以外は、実施例3と同様にして、比較例3の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
実施例3において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層塗布液〔C液〕を調製する際の熱溶融性物質分散液〔A液〕の調製において、トリフェニルホスフィンの代わりに、レゾルシノールビス〔ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート〕を用いた以外は、実施例3と同様にして、比較例4の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
比較例3において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層塗布液〔C液〕を調製する際感熱性粘着剤層形成液を調製する際に、非熱溶融性物質分散液〔B液〕を用いない以外は、比較例3と同様にして、比較例5の感熱性粘着材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
比較例4において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層塗布液〔C液〕を調製する際に、非熱溶融性物質分散液〔B液〕を用いない以外は、比較例4と同様にして、比較例6の感熱性粘着剤材料を作製した。
−感熱性粘着材料の作製−
比較例1において、下記表1に示すように、感熱性粘着剤層塗布液〔C液〕を調製する際に、テルペン系粘着付与剤エマルジョンを添加しなかった以外は、比較例1と同様にして、比較例7の感熱性粘着剤材料を作製した。
*2:1,4−シクロヘキサンジメタノールビス(ジフェニルホスフェート)
*3:レゾルシノールビス〔ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート〕
*4:熱可塑性樹脂に対する非熱溶融性物質の質量比(非熱溶融性物質/熱可塑性樹脂)
*5:熱溶融性物質に対する非熱溶融性物質の質量比(非熱溶融性物質/熱溶融可塑性物質)
以下に、感熱性粘着剤層の反対側の面に、感熱記録層を形成した実施例を記載するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
−感熱記録用の感熱性粘着材料の作製−
実施例1、参考例2、実施例3〜6、参考例7、実施例8〜21及び比較例1〜7の各感熱性粘着材料を用いて、感熱性粘着剤層の反対側の面に、下記の手順によって感熱記録層を形成し、実施例22、参考例23、実施例24〜27、参考例28、実施例29〜42及び比較例8〜14の感熱記録用の感熱性粘着材料を作製した。
以下に、感熱記録層を形成するための各種塗工層形成液の調製について記載する。
〔中間層(断熱層)形成液〕
・微小中空粒子分散体
塩化ビニリデン/アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂
(固形分濃度32%、体積平均粒子径3.0μm、中空度92%)・・・30質量部
・スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス(Tg+4℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
上記組成からなる混合物を攪拌分散して、中間層形成液を調製した.
《ロイコ染料分散液》
・3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン・・・20質量部
・ポリビニルアルコ−ル(10%水溶液)・・・10質量部
・水・・・70質量部
・4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン・・・10質量部
・ポリビニルアルコ−ル(10%水溶液)・・・25質量部
・炭酸カルシウム・・・15質量部
・水・・・50質量部
上記組成からなる混合物を、それぞれ平均粒径が1.5μm程度となるようにサンドミルを用いて分散して、前記ロイコ染料分散液及び前記顕色剤分散液を調製し、次に、ロイコ染料分散液:顕色剤分散液=1:8となるように混合攪拌して、前記感熱記録層形成液を調製した。
《保護層一次分散液》
・水酸化アルミニウム・・・20質量部
・10%PVA水溶液・・・20質量部
・水・・・40質量部
上記組成の保護層一次分散液の混合物を、縦型サンドミルで平均粒径が1μm以下になるように粉砕、分散化して保護層一次分散液を調製した。
次いで、上記保護層一次分散液を使用して、下記組成の保護層液を調製した。
《保護層形成液》
・上記で調整した保護層一次分散液・・・10質量部
・10%PVA水溶液・・・20質量部
・12.5%エピクロヒドリン水溶液・・・5質量部
・30%ステアリン酸亜鉛分散液・・・2質量部
上記組成で保護層形成液を調製し、前記感熱記録層上に、上記保護層液を乾燥時の重量が、約3g/m2となるように塗布し、乾燥を行い、さらに王研式平滑度が2,000秒になるようにスーパーキャレンダー処理して、実施例22〜42及び比較例8〜13の感熱記録層を有する感熱性粘着剤料を作製した。
<粘着特性の評価>
得られた各感熱性粘着材料を40mm×150mmの長方形にカットし、感熱印字装置(大倉電気株式会社製、TH−PMD)を用いて、ヘッド条件:各エネルギー0.40mJ/dot、0.50mJ/dot、印字スピード:4ms/line、プラテン圧:6kgf/lineの条件にて、感熱性粘着材料を熱活性化させた。次いで、各環境条件下のダンボールに加圧2kgのゴムローラーで長手方向に貼り付けて、15時間後に剥離角度180度、剥離速度300mm/minの条件で剥離させた。
その時の粘着力をフォースゲージ(MODEL DPS−5、IMADA製)で測定し、0.1秒間隔でデータを読み取り平均化した数値で示した。なお、単位はgf/40mmである。この試験は、常温環境(22℃)条件及び低温環境(0℃)で実施した。
粘着力ランクは、以下のとおりである。
◎:1,000gf/40mm以上
○:999〜500gf/40mm
△:499〜100gf/40mm
×:100gf/40mm未満
得られた各感熱性粘着材料における感熱性粘着剤層面と反対側の面(感熱記録層)を接触させ、200gf/cm2の圧力を掛け60℃、Dry条件下で15時間放置した。その後、室温で放置後サンプルを剥がし、その時の耐ブロッキング性を表2に示す基準で評価した。なお、ランク7以上が実用可能なレベルである。
Claims (14)
- 熱可塑性樹脂、熱溶融性物質、並びに、シリカ、シリコーン系樹脂、及び架橋型PMMAからなる群より選択される少なくとも1種の非熱溶融性物質を少なくとも含み、前記熱溶融性物質が、トリフェニルホスフィンを含み、前記熱可塑性樹脂に対する前記非熱溶融性物質の質量比(非熱溶融性物質/熱可塑性樹脂)が0.5〜2.0であることを特徴とする感熱性粘着剤。
- 非熱溶融性物質が、球状の粒子である請求項1に記載の感熱性粘着剤。
- 非熱溶融性物質が、シリコーン系樹脂からなる樹脂粒子である請求項2に記載の感熱性粘着剤。
- 非熱溶融性物質が、架橋型PMMA粒子である請求項2に記載の感熱性粘着剤。
- 熱可塑性樹脂が、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種である請求項1から4のいずれかに記載の感熱性粘着剤。
- 更に粘着付与剤を含有し、該粘着付与剤が、ロジン系エステル樹脂、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂及び水素添加テルペン樹脂から選択される少なくとも1種である請求項1から5のいずれかに記載の感熱性粘着剤。
- 支持体と、該支持体の一方の面上に、請求項1から6のいずれかに記載の感熱性粘着剤を含む感熱性粘着剤層とを有することを特徴とする感熱性粘着材料。
- 支持体における感熱性粘着剤層とは反対側の面に、記録層を有してなる請求項7に記載の感熱性粘着材料。
- 記録層上に、更に保護層を有してなる請求項8に記載の感熱性粘着材料。
- 記録層が、感熱記録層、熱溶融転写記録用インク受容層、電子写真用トナー受像層、ハロゲン化銀写真用記録層、及びインクジェット用インク受像層のいずれかである請求項8から9のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
- 支持体と感熱性粘着剤層との間に、熱可塑性樹脂及びフィラーを少なくとも含む中間層を有する請求項7から10のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
- 支持体又は中間層に対する感熱性粘着剤層の乾燥後の付着量が、10〜20g/m2である請求項7から11のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
- 支持体が、合成紙、及びプラスチックフィルムのいずれかである請求項7から12のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
- ラベル状、シート状、及びロール状のいずれかである請求項7から13のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
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