JP4755435B2 - 感熱性粘着剤及び感熱性粘着材料 - Google Patents

感熱性粘着剤及び感熱性粘着材料 Download PDF

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Description

本発明は、常温では非粘着性であるが加熱により粘着性が発現し、該粘着性発現後も粘着性が持続する感熱性粘着剤、及びダンボール等の粗面被着体やポリオレフィンラップに対する粘着力が強く、経時的な粘着力低下も少なく、低エネルギーで熱活性化が可能であり、かつ、耐ブロッキング性に優れた感熱性粘着材料に関する。
近年、価格表示用ラベル、商品表示(バーコード)用ラベル、品質表示用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣伝用ラベル(ステッカー)等の各種用途に情報記録層を有する粘着ラベル使用することが増加している。この粘着ラベルの情報記録層への記録としては、インクジェット記録方式、感熱記録方式、感圧記録方式等の様々な方式が提供されている。
従来から知られている前記粘着ラベルは、情報記録面と反対側面に、粘着剤層と剥離紙を積層した構成が一般的である。この粘着ラベルは、貼り合わせ時に剥離紙を剥がして、加圧するのみで簡便に貼り合わせることができるものである。
前記粘着ラベルは、上述したように、通常、剥離紙を剥離させて使用するが、剥離された剥離紙は回収によって再利用され難く、ほとんどの場合廃棄処分されている。そこで、近年、常温では粘着性を示さず剥離紙を必要としない感熱性粘着剤層を有する感熱性粘着ラベルが注目されている。
前記感熱性粘着ラベルとしては、例えば、感熱性粘着剤層中に、熱可塑性樹脂及び熱溶融性物質、更に必要に応じて粘着付与剤を含有するものが提案されている(非特許文献1参照)。
前記熱可塑性樹脂は、粘着力、接着力を付与するものである。前記熱溶融性物質は、常温では固体であるため、樹脂に可塑性は与えないが、加熱により溶融して樹脂を膨潤乃至軟化させて粘着性を発現させるものである。また、前記粘着付与剤は粘着性を向上させる働きを有するものである。更に、感熱性粘着剤層中の熱溶融性物質は加熱により溶融した後はゆっくりと結晶化するため、熱源を取り除いた後も粘着性を長時間持続させることができる。しかし、従来の感熱性粘着剤は、粘着性発現後の粘着力が経時的に低下するという問題があった。
このような問題を解決するため、例えば、熱可塑性樹脂として、ガラス転移温度(Tg)が0℃以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体、又はガラス転移温度が−5℃以上の熱可塑性樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体を除く)等を用いることが提案されている(特許文献1及び特許文献2参照)。これらの提案によれば、ステンレス板等に対する粘着力は比較的良好な結果が得られるものの、塩化ビニルラップやポリオレフィンラップ等に対する粘着力は、未だ実用レベルに達していないという課題がある。
また、感熱性粘着剤は、通常、支持体の片面に感熱性粘着剤層設けた感熱性粘着ラベル、更に、感熱性粘着剤層に加えて支持体の感熱性粘着剤層を設けない側の面に感熱記録層を設けた感熱性粘着ラベルなどに用いられている。更に、各種食料品をラップで包装し、該ラップの上に貼るいわゆる食品POS用、又はダンボール等貼り付けて使用する物流用及び配送用としての使用が高まっている。
しかし、従来の感熱性粘着剤は、塩化ビニルラップ、ポリオレフィンラップ及びダンボール等に対する粘着力が不充分であるために、感熱性粘着ラベル自体の実用化の妨げになっていた。
このため、特許文献3には、支持体と感熱記録層との間に非発泡中空粒子を含有させたアンダーコート層を設けてなり、フタル酸ジシクロヘキシルを固体可塑剤とする感熱性粘着剤を用いた感熱性粘着ラベルが提案されている。この感熱性粘着ラベルは、アンダーコート層が設けられているため、感熱記録層の熱感度向上と熱活性化時に生じる感熱記録層の地肌発色防止の点でほぼ満足できるレベルである。しかし、該粘着ラベルを重ね合わせた際に40℃程度でブロッキングが発生してしまい、実用化レベルとして期待されている50℃程度を満たしていないものである。
また近時、環境保全を配慮した経済、生産活動を営むことが人類共通の認識になりつつある。環境庁は、平成9年に内分泌攪乱作用を持つと疑われる約70種の化学物質について報告を行った。これら約70の化学物質中に、前記フタル酸エステルの記載が見られる。このように可塑剤として主に用いられているフタル酸エステルが食物連鎖を介して、人体に取り込まれ、体内のホルモンバランスを崩し、生殖機能に悪影響を及ぼすことが懸念されている。
したがって従来公知の感熱性粘着剤の多くは、固体可塑剤として前記フタル酸エステルを使用しており、その代替物質の提供が強く望まれるようになってきているのが現状である。
特開平6−57226号公報 特開平6−57233号公報 特開平9−265260号公報 「接着便覧」第12版、第(131〜135)頁、昭和55年、高分子刊行会発行
本発明は、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、従来の感熱性粘着剤に見られる欠点を克服し、ダンボール等の粗面被着体やポリオレフィンラップに対する粘着力が強く、経時的な粘着力低下も少なく、低エネルギーで熱活性化が可能であり、かつ、耐ブロッキング性が良好であり、更に環境問題上の観点から、従来の感熱性粘着剤に熱溶融性物質(固体可塑剤とも言う)として使用されているフタル酸エステルに代わる物質を用いた感熱性粘着剤及び感熱性粘着材料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも熱可塑性樹脂、及び熱溶融性物質を含有してなり、該熱溶融性物質が、下記構造式(I)で表される化合物及び構造式(II)で表される化合物の少なくともいずれかを含むことを特徴とする感熱性粘着剤である。
ただし、前記構造式(II)中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表す。nは1〜5の整数を表す。
<2> 熱溶融性物質が、体積平均粒子径1.2μm以下の固体微粒子である前記<1>に記載の感熱性粘着剤である。
<3> 熱溶融性物質の感熱性粘着剤における含有量が、25〜80質量%である前記<1>から<2>のいずれかに記載の感熱性粘着剤である。
<4> 熱可塑性樹脂が、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種である前記<1>から<3>のいずれかに記載の感熱性粘着剤である。
<5> 更に粘着付与剤を含有し、該粘着付与剤が、ロジン系エステル樹脂、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂及び水素添加テルペン樹脂から選択される少なくとも1種である前記<1>から<4>のいずれかに記載の感熱性粘着剤である。
<6> 支持体と、該支持体の一方の面上に、前記<1>から<5>のいずれかに記載の感熱性粘着剤を含む感熱性粘着剤層とを有することを特徴とする感熱性粘着材料である。
<7> 支持体における感熱性粘着剤層とは反対側の面に、記録層を有する前記<6>に記載の感熱性粘着材料である。
<8> 記録層が、感熱記録層、インクジェット記録層、熱転写用インク受容層、及び電子写真記録層のいずれかである前記<7>に記載の感熱性粘着材料である。
<9> 感熱記録層が、少なくともロイコ染料及び顕色剤を含む前記<8>に記載の感熱性粘着材料である。
<10> 支持体と感熱性粘着剤層との間に中空粒子とバインダー樹脂とを含む中間層を有する前記<6>から<9>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
<11> ラベル状、シート状、及びロール状のいずれかである前記<6>から<10>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
本発明の感熱性粘着剤は、少なくとも熱可塑性樹脂、及び熱溶融性物質を含有してなり、該熱溶融性物質が、下記構造式(I)で表される化合物から選択される少なくとも1種を含む。該本発明の感熱性粘着剤においては、ダンボール等の粗面被着体やポリオレフィンラップに対する粘着力が強く、経時的な粘着力低下も少なく、低エネルギーで熱活性化が可能であり、かつ、耐ブロッキング性が良好な感熱性粘着材料を提供することができる。
ただし、前記構造式(I)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、又はアルキル基を表す。m及びnは、1〜5の整数を表す。
本発明の感熱性粘着材料は、支持体と、該支持体の一方の面上に、本発明の前記感熱性粘着剤を含む感熱性粘着剤層を有する。該本発明の感熱性粘着材料においては、前記感熱性粘着剤層が本発明の前記感熱性粘着剤を含むので、ダンボール等の粗面被着体やポリオレフィンラップに対する粘着力が強く、経時的な粘着力低下も少なく、低エネルギーで熱活性化が可能であり、かつ、耐ブロッキング性が良好な感熱性粘着ラベル、感熱性粘着ラベルシートなどを提供できる。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、ダンボール等の粗面被着体やポリオレフィンラップに対する粘着力が強く、経時的な粘着力低下も少なく、低エネルギーで熱活性化が可能であり、かつ、耐ブロッキング性も良好な感熱性粘着剤及び感熱性粘着材料を提供できる。
(感熱性粘着剤)
本発明の感熱性粘着剤は、少なくとも熱可塑性樹脂、及び熱溶融性物質を含有してなり、粘着付与剤、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
−熱溶融性物質−
前記熱溶融性物質は、常温では固体であるため、樹脂に可塑性は与えないが、加熱により溶融して樹脂を膨潤又は軟化させて粘着性を発現し、加熱により溶融した後、ゆっくりと結晶化するため、熱源を取り除いた後も粘着性を長時間持続することができるものである。
前記熱溶融性物質としては、下記構造式(I)で表される化合物及び構造式(II)で表される化合物の少なくともいずれかが用いられる。
前記構造式(II)において、Rは、水素原子、炭素数1〜4の分岐していてもよいアルキル基を表し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、などが挙げられる。
nは、1〜5の整数を表す。
前記構造式(I)で表される化合物としては、例えば、トリ−2,4−キシレンホスフィン、トリ−2,5−キシレンホスフィン、トリ−2,6−キシレンホスフィン、トリ−3,4−キシレンホスフィン、トリ−3,5−キシレンホスフィン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記構造式(II)で表される化合物としては、具体的には、下記構造式で表される化合物などが好適である。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記構造式(I)及び(II)のいずれかで表される化合物は、室温において固体で加熱時に溶融するものが用いられる。これらの化合物の融点は、70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。この場合、化合物の上限値は200℃程度である。前記融点が70℃未満であると、感熱性粘着材料としたときに通常の保存環境下温度で粘着力が発現するなど、保存上の不具合が生じることがあり、また、感熱性粘着剤塗布液を支持体に塗布乾燥するときに粘着力が発現するなどの製造上の不具合が生じるときがある。一方、融点が200℃を超えると、粘着力を発現させるために大量のエネルギーが必要となり、実用上の不具合が生じる。また、感熱記録紙を支持体として用い、大量のエネルギーで粘着力を発現させた場合、感熱記録層が発色することが考えられ、印字画像が読み取れなくなることがある。
本発明の熱溶融性物質においては、前記構造式(I)及び(II)の少なくともいずれかで表される化合物を2種類以上混合して用いると、熱活性化エネルギーを低くすることが可能(高感度化)となり、特に、類似構造な熱溶融性物質を2種類以上混合して用いると効果が向上し、ディレード性もアップするという利点がある。
前記熱溶融性物質の体積平均粒子径は1.2μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましく、0.5μm以下が更に好ましい。これにより、動的な熱活性感度が上がり、低エネルギーで熱可塑性樹脂及び粘着付与剤と相溶して感熱性粘着剤となる。また、熱溶融性物質の体積平均粒子径を0.5μm以下にすることにより、通常の保存環境下温度での保存性が向上(要するに耐ブロッキング性が向上)することがある。
ここで、前記熱溶融性物質の体積平均粒子径は、50%体積平均粒子径を意味し、例えば、レーザー回折/散乱法で測定することができる。具体的には、株式会社堀場製作所製のレーザー回折/散乱粒度分布測定装置「LA700」により測定した、分散物中の累積分布の50%に相当する平均粒子径である。
前記熱溶融性物質の前記感熱性粘着剤における含有量は、25〜80質量%が好ましく、35〜70質量%がより好ましい。前記熱溶融性物質の含有量が25質量%未満及び80質量%を超えた場合には、いずれも粘着力の低下を来たすことがある。また、低ガラス転移温度(Tg)の樹脂と組合せた場合、前記熱溶融性物質の含有量が25質量%未満であると、通常の保存環境下温度で粘着力が発現するなど保存上の不具合が生じることがある。
−熱可塑性樹脂−
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記中間層に用いられる熱可塑性樹脂と同類の樹脂を用いると、両層の樹脂同士の相溶性がよくなることから、ダンボール等の粗面被着体に対する粘着力が向上するので好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的応じて適宜選択することができ、例えば、ビニル系モノマーをグラフト共重合した天然ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記熱可塑性樹脂の前記感熱性粘着剤における含有量は、10〜60質量%が好ましく、15〜50質量%がより好ましい。前記熱可塑性樹脂の含有量が10質量%未満及び60質量%を超えた場合、いずれも粘着力の低下となるので望ましくない。また、低Tg樹脂の含有率が60質量%を超えた場合には、通常の保存環境下温度で粘着力が発現するなど保存上の不具合(ブロッキング)が生じる。
−粘着付与剤−
前記粘着付与剤は、感熱性粘着剤の粘着力を向上させることができるものであれば特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロジン誘導体(例えば、ロジン、重合ロジン、水添ロジン等)、テルペン系樹脂(例えば、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂等)、石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂等が挙げられる。これら粘着付与剤は、熱可塑性樹脂及び熱溶融性物質と相溶して、感熱性粘着剤の粘着力を著しく向上させることができる。
前記粘着付与剤の融点(又は軟化点)は、80℃以上が好ましく、80〜200℃がより好ましい。前記融点(又は軟化点)が80℃未満であると、通常の保存環境下温度で保存上の不具合(耐ブロッキング性が低下)が生じることがある。
前記粘着付与剤の前記感熱性粘着剤における含有量は、5〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。前記含有量が5質量%未満であると、粘着力が低下してしまうことがあり、30質量%を超えると、通常の保存環境下温度で保存上の不具合(耐ブロッキング性が低下)や低温環境下での初期粘着力の低下が生じることがある。
本発明の感熱性粘着剤においては、上記成分以外に、共融化剤、ブロッキング防止のために、酸化チタン、アルミナ、コロイダルシリカ、カオリン、タルク等の無機物や、ステアリン酸金属塩、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス、天然油脂、ポリスチレン粉末等の有機物を、更に必要に応じて、分散剤、消泡剤、増粘剤等を添加することもできる。
前記共融化剤としては、例えば、蓚酸ジ−p−メチルベンジルエステル、蓚酸ジ−p−エチルベンジルエステル、蓚酸ジ−p−クロロベンジルエステル、蓚酸ジベンジルエステル等が挙げられる。
本発明の感熱性粘着剤を支持体の片面に塗布することにより、ダンボール等の粗面被着体やポリオレフィンラップに対する粘着力が強く、経時的な粘着力低下も少なく、低エネルギーで熱活性化が可能であり、かつ、耐ブロッキング性が良好な感熱性粘着材料を得ることができる。また、支持体の片面に記録層を塗布し、他方の面に本発明の感熱性粘着剤を塗布することにより、ダンボール等の粗面被着体やポリオレフィンラップに対する粘着力が強く、かつ耐ブロッキング性も良好な記録用の感熱性粘着材料を得ることができる。
(感熱性粘着材料)
本発明の感熱性粘着材料は、支持体と、該支持体の一方の面上に少なくとも本発明の前記感熱性粘着剤層を有してなり、中間層(アンダー層)、更に必要に応じてその他の層を有してなる。一方、支持体における感熱性粘着剤層とは反対側の面には、記録層を有してなる。
<支持体>
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記感熱性粘着材料の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
前記支持体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機材料、又は有機材料が挙げられる。前記無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、SiO、金属等が挙げられる。前記有機材料としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、合成紙等の紙、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなどが挙げられる。これらの中でも、上質紙、アート紙、コート紙等が特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記支持体は、塗布層の接着性を向上させる目的で、コロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理、易接着処理、帯電防止処理、等により表面改質することが好ましい。また、前記支持体には、酸化チタン等の白色顔料などを添加して白色にすることが好ましい。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、50〜2,000μmが好ましく、100〜1,000μmがより好ましい。
<感熱性粘着剤層>
前記感熱性粘着剤層は、本発明の前記感熱性粘着剤を含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記その他の成分としては、例えば、ブロッキング防止のために、酸化チタン、アルミナ、コロイダルシリカ、カオリン、タルク等の無機物、ステアリン酸金属塩、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス、天然油脂、ポリスチレン粉末等の有機物を添加することができ、更に必要に応じて、分散剤、消泡剤、増粘剤等のその他の成分を添加することができる。
前記感熱性粘着剤層は、特に制限はなく、公知の方法に従って形成することができ、例えば、上記成分を配合してなる感熱性粘着剤層用塗布液を用いた塗布法により好適に形成することができる。
前記塗布法としては、例えば、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本又は5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法等が挙げられる。
なお、前記塗布若しくは印刷の際の乾燥条件は、使用される熱溶融性物質及び共融化剤が融解しない温度範囲で乾燥されなければならない。乾燥の手段としては熱風乾燥の他に赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用した乾燥方法が使用できる。
前記感熱性粘着剤層用塗布液の塗布量は、乾燥塗布量で通常2〜35g/mが好ましく、5〜25g/mがより好ましい。前記感熱性粘着剤層用塗布液の塗布量が2g/m未満であると、加熱による接着を行う際に十分な接着力が得られないことがあり、また、中間層にガラス転移温度(Tg)が低い熱可塑性樹脂を用いているため、耐ブロッキング性に劣ることがあり、35g/mを超えると、中間層の断熱効果が薄れたり、経済性が劣ることとなり好ましくない。
本発明の感熱性粘着材料は、上記構成を備えることにより、ダンボール等の粗面被着体やポリオレフィンラップに対する粘着力が強く、経時的な粘着力低下も少なく、低エネルギーで熱活性化が可能であり、かつ、耐ブロッキング性が良好なものである。
<記録層>
前記記録層は、画像等を記録することができる層であり、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感熱記録層、インクジェット記録層、熱転写用インク受容層、電子写真記録層、などが好適に挙げられる。
前記記録層は、前記支持体の感熱性粘着剤層が設けられている面と反対側の面に設けられているのが好ましい。
これらの記録層には、目的に応じて適宜選択した画像、文字等の情報が単色(例えば、黒色等)又は多色(二色、三色、フルカラー等)で記録(形成)することができ、また、単色又は多色の印刷加工を施してもよい。該印刷加工としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、UV硬化樹脂を含むインクを用いたUV加工印刷が、耐ブロッキング特性の向上の観点からは好ましい。
これらの記録層の中でも、感熱記録層、熱転写用インク受容層が好ましく、感熱記録層が特に好ましい。前記記録層が前記感熱記録層である場合、例えば、前記感熱性粘着剤層を加熱するのとは別に、前記感熱記録層側から熱を像様に印加させることにより、所望の発色画像を前記感熱記録層に記録(形成)することができ、前記感熱性粘着材料に付加価値を与えることができる。
−感熱記録層−
前記感熱記録層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロイコ染料と、顕色剤とを主成分とし、更にバインダー樹脂、増感剤等を含有するもの、などが好適に挙げられる。
前記ロイコ染料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリフェニルメタン系染料、フルオラン系染料、フェノチアジン系染料、オーラミン系染料、スピロピラン系染料、インドリノフタリド系染料等が公的に挙げられる。
前記ロイコ染料としては、例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3’−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’0−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−p−クロロフェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−フェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリドフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオランスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記顕色剤としては、特に制限はなく、公知の電子受容性の化合物の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール性化合物、チオフェノール性化合物、チオ尿素誘導体、有機酸及びその金属塩等が挙げられる。該顕色剤としては、例えば、4,4′−イソプロピリデンビスフェノール、3,4′−イソプロピリデンビスフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4′−セカンダリーブチリデンビスフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(o−ターシャリーブチルフェノール)、4,4′−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4′−チオビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、4,4′−ジフェノールスルホン、4,2′−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ベンジロキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジフェノールスルホキシド、P−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキュ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサヘプタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロパン、N,N′−ジフェニルチオ尿素、N,N′−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、5−クロロ−サリチルアニリド、サリチル−o−クロロアニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸の亜鉛塩、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ヒドロキシナフトエ酸の亜鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、4−{β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,4′−ジフェノールスルホン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジフェノールスルホン、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエンチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4′−チオビス(2−メチルフェノール)、3,4−ヒドロキシ−4′−メチル−ジフェニルスルホン、4,4′−チオビス(2−クロロフェノール)等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記顕色剤の前記感熱記録層における添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記発色剤1質量部に対し1〜20質量部が好ましく、2〜10質量部がより好ましい。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉又はその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックス類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感熱記録層には、填料として種々の熱可融性物質を使用することができる。該熱可融性物質としては、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルエステル、ジフェニルカーボネート、テレフタル酸ジベンジルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジルオキシナフタレン、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ビス(フェノキシ)ブタン、1,4−ビス(フェノキシ)−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ビス(フェニルチオ)ブタン、1,4−ビス(フェニルチオ)−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、1,3−ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−(ベンジルオキシ)ベンジルアルコール、1,3−ジフェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、蓚酸ジベンジルエステル、1,5−ビス(p−メトキシフェニルオキシ)−3−オキサペンタン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感熱記録層には、更に必要に応じて、各種補助添加成分、例えば、界面活性剤、滑剤等を併用することができる。該滑剤としては、例えば、高級脂肪酸又はその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、石油系ワックス等が挙げられる。
前記感熱記録層は、特に制限はなく、一般に知られている方法により形成することができ、例えば、ロイコ染料、顕色剤を別々に結合剤、その他の成分と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機により、分散粒径が1〜3μmになるまで粉砕分散した後、必要に応じて填料、熱可融性物質(増感剤)分散液等と共に、一定処方で混合して感熱記録層塗布液を調製し、支持体上に塗布することによって感熱記録層を形成することができる。
前記感熱記録層の厚みは、前記感熱記録層の組成や感熱性粘着材料の用途等により異なり一概には規定できないが、1〜50μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。
−熱転写記録用インク受容層−
前記熱転写記録用インク受容層は、フィラー、バインダー樹脂、耐水化剤を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、クレー、焼成クレー、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン等の微粉末等が挙げられる。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知の水溶性樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、デンプン又はその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記インク受容層における前記フィラーと水溶性樹脂の割合は、ブロッキング性に関わり、前記フィラー対水溶性樹脂の含有質量比(固形分)は1:0.1〜1:0.2が好ましい。
前記耐水化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、クロムミョウバン、メラミン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂等が挙げられる。
前記耐水化剤と前記水溶性樹脂の割合もブロッキング性に関わり、その含有質量比(固形分)は、水溶性樹脂1に対し、耐水化剤0.3〜0.5が好ましい。このようにインク受容層はフィラー及び水溶性樹脂を、また更に、水溶性樹脂と耐水化剤を特定の比率で含有させて形成させるが、更に、インク受容層の表面をキャレンダーなどにより、平滑度500秒以上に処理することにより、上記フィラーによる効果に加えて印字品質を一層向上させることができる。
−中間層−
前記中間層(アンダー層)は、前記感熱性粘着剤層と前記支持体との間、及び、前記記録層(特に感熱記録層)と前記支持体との間、のいずれかに好適に設けることができる。この場合、前記感熱性粘着剤層を熱活性化する際に、サーマルヘッドからの熱エネルギーを効率的に利用することができ、少ないエネルギーで前記感熱性粘着剤層に十分な粘着力を発現させることができる点で有利である。また、前記支持体における前記感熱性粘着剤層とは反対側に前記記録層、特に感熱記録層が設けられている場合に、前記感熱性粘着層を高エネルギーで加熱すると、そのエネルギーが前記感熱記録層にまで達してしまい、地肌カブリなどの品質阻害が生じ易くなるが、前記中間層(アンダー層)の存在により、前記感熱記録層への断熱効果が十分となり、前記感熱記録層における地肌カブリ等の問題が生ずるのを効果的に防止することができる点で有利である。
前記中間層(アンダー層)における空気率、即ちアンダー層に占める空気の割合(%)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、空気の割合が高いほど断熱性に優れ、前記感熱性粘着剤層の粘着特性を効果的に向上させることができる点で有利である。
前記中間層(アンダー層)としては、各種態様で形成することができるが、非発泡性であり、中空粒子を含有してなる態様、が特に好適に挙げられる。
前記中空粒子としては、熱可塑性樹脂を殼としてなる中空率30〜95%程度の微小中空粒子、又はポーラスな顔料などが挙げられる。
前記中空粒子とは、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気、その他の気体を含有し、すでに発泡状態となっている中空粒子を意味する。ここで、前記中空率とは、中空微粒子の外径基準の体積と内径基準の体積の比を意味する。
前記熱可塑性樹脂を殼としてなる中空率30〜95%程度の微小中空粒子は、内部に空気その他の気体を含有するもので、すでに発泡状態となっている微小中空粒子である。この微小中空粒子の平均粒子径は、0.2〜20μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましい。前記平均粒子径(粒子外径)が0.2μm未満であると、技術的に中空にするのが難しく、また中間層の役割が不十分となることがあり、20μmを超えると、塗布乾燥後の表面の平滑性が低下するため、感熱性粘着剤層の塗布が不均一になり、更に均一にするために必要量以上の感熱性粘着剤を塗布しなければならないことがある。従って、このような微小中空粒子の分布は粒子径が上記の範囲にあると同時に、バラツキの少ない分布スペクトラムの均一なものが望ましい。
更に、本発明において、プラスチック球状中空粒子は、中空率が30%以上のものが使用できるが、70%以上がより好ましい。前記中空率が30%未満であると、断熱性が不十分なため、熱エネルギーが支持体を通じて外へ放出され、粘着剤活性化の熱効率が悪くなることがある。
前記微小中空粒子は、上述したように、熱可塑性樹脂を殼とするものであるが、この熱可塑性樹脂としては、特に塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂が好ましい。
また、前記中間層に用いられるポーラスな顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の有機顔料、シラス土等の無機顔料が挙げられる。
本発明の非発泡性中間層を形成させるには、上記の微小中空粒子やポーラスな顔料をバインダー樹脂と共に水に分散し、これを支持体上に塗布し、乾燥することによって得られる。この場合、微小中空粒子の塗布量は支持体1m当たり1g以上が好ましく、2〜15gがより好ましい。また、前記バインダー樹脂の塗布量は、特に制限はなく、前記中間層を支持体に強く結合させるに足る量から適宜選択することができ、通常は、前記微小中空粒子とバインダー樹脂との合計量に対し、2〜50質量%が好ましい。
前記非発泡性中間層を形成する際に使用されるバインダー樹脂としては、従来公知の水溶性高分子及び水性高分子エマルジョンの少なくともいずれかから適宜選択される。前記バインダー樹脂としては、水溶性高分子として、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉又はその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。
また、水性高分子エマルジョンとしては、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックスや酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のエマルジョン等が挙げられる。
前記発泡性フィラーは、熱可塑性樹脂を殼とし、内部に低沸点溶媒の発泡剤を含有する中空状のプラスチックフィラーであり、種々のものが適用されるが、その粒子直径に関しては、未発泡の状態の場合、2〜50μmが好ましく、発泡状態では10〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。このプラスチックフィラーの殼となる熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、又はそれらの共重合体が挙げられる。また、殼内に含まれる発泡剤としては、プロパンやブタンその混合物等が一般的に用いられる。
前記発泡性中間層を形成する方法としては、上記した発泡性プラスチックフィラーを、結着樹脂と共に支持体上に塗布乾燥した後、その塗布面に熱板を密着させ、プラスチックフィラーを加熱発泡させればよい。プラスチックフィラーの塗布量は、支持体1mに対し未発泡フィラーとして、1g以上が好ましく、2〜5gがより好ましい。また、結着剤の使用量は、発泡性中間層を支持体上に対し強く結着させるような量であればよく、通常は、未発泡フィラーと結着剤の合計量に対し、5〜50質量%が好ましい。また、加熱発泡温度は、フィラーの殼を構成する熱可塑性樹脂を軟化させる温度である。発泡倍率は、通常、2〜4倍が好ましく、2〜3倍がより好ましく、上記の発泡が達成されるように適宜、選択される。
上記のようにして、支持体上に形成された発泡性中間層の表面は、かなり凹凸が生じているために、発泡性中間層形成後(加熱発泡後)キャレンダー処理により平面を平滑にすることが好ましく、また、必要に応じて、発泡性中間層の表面又は下面に1層又は複数のアンダーコート層を設けることもできる。
前記中間層においては、上記微小中空粒子、ポーラスな顔料又は発泡性フィラー及びバインダーと共に、必要に応じて、フィラー、熱可融性物質(増感剤)、界面活性剤等を併用することができる。この場合、フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末が挙げられる。
前記熱可融性物質(増感剤)としては、例えば、高級脂肪酸又はそのエステル、アミドもしくは金属塩の他、各種ワックス類、芳香族カルボン酸とアミンとの縮合物、安息香酸フェニルエステル、高級直鎖グリコール、3,4−エポキシ−ヘキサヒドロフタル酸ジアルキル、高級ケトン、p−ベンジルビフェニル他の熱可融性有機化合物等の50〜200℃程度の融点を持つものが挙げられる。
前記中間層(アンダー層)は、特に制限はなく、公知の塗布方法により形成することができ、該塗布方法としては、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本乃至5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、などが挙げられる。
−保護層−
前記保護層は、前記記録層に、バリアー性、ヘッドマッチング性、記録材料への筆記性等の向上を目的として、前記記録層上に設けることができる。
前記保護層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、顔料、結着剤、架橋剤、滑剤等を主成分とするもの、などが挙げられる。
前記保護層は、上述の塗布方法により好適に形成することができる。
本発明の感熱性粘着材料においては、前記記録層又は記録層上の保護層に、印刷画像を形成することができ、印刷インクとしては、例えば、UV硬化性インクが速乾性である点から感熱記録紙には、最適なインクとして用いられる。前記UV硬化性インク(UVインク)としては、例えば、T&K TOKA製のUV RNC、UV NVR、UV SOYA、UV SOYA−RNCのUVインキ;東洋インキ製造株式会社製のFD FLのUVインキなどが挙げられる。
本発明の感熱性粘着材料は、その感熱性粘着剤層の熱活性化時(加熱時)の前又は後でカットされて好適に使用することができ、この場合、該感熱性粘着材料に、予め切れ目が形成されていてもよい。前記感熱性粘着材料を、ラベル、タグ等の様々な用途に好適に用いることができる点で有利である。
本発明の感熱性粘着材料の形状としては、特に制限はなく、ラベル状、シート状、ロール状、などが好適に挙げられる。
本発明の感熱性粘着材料が貼付される被着体としては、特に制限はなく、目的に応じてその大きさ、形状、構造、材質等を適宜選択することができるが、前記材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂板、SUS、アルミニウム等の金属板、封筒、ダンボール等の紙製品、ポリオレフィン製のラップ類、ポリ塩化ビニル製のラップ類、ポリエチエレン製不織布(封筒等)、などが好適に挙げられる。
これらの中でも、前記ポリエチレン製不織布(封筒等)は、一般に感熱性粘着材料を貼付することが難しいが、本発明の感熱性粘着材料の場合、経時により強い粘着力を発現させることができるため、該ポリエチレン製の不織布であっても強固に貼付することができる点で有利である。
本発明の感熱性粘着材料における前記感熱性粘着層を熱活性化する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、熱風による活性化方法、熱ロールによる活性化方法、サーマルヘッドによる活性化方法、などが挙げられる。
これらの中でも、サーマルヘッドによる活性化方法が好ましく、以下の本発明の感熱性粘着材料の熱活性化方法が特に好ましい。この場合、既存の感熱記録プリンタ装置を用いて前記感熱粘着材料の両面を加熱することにより、前記感熱記録層への記録と、前記感熱性粘着剤層の熱活性化とを行うことができる点で有利である。
以上、本発明の感熱性粘着材料について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更しても差支えない。例えば、中間層及び熱活性粘着剤層を支持体の両面に塗布することにより、ダンボール等の粗面被着体やポリオレフィンラップに対する粘着力が強く、経時的な粘着力低下も少なく、低エネルギーで熱活性化が可能であり、かつ、耐ブロッキング性が良好な感熱性両面粘着紙を得ることもできる。
以下、実施例により本発明について詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−〔A液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して、熱溶融性物質分散液〔A液〕を調製した。
・トリ−2,5−キシレンホスフィン(融点(mp):153〜156℃)・・・30.0質量部
・30質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・5.0質量部
・界面活性剤(アルキル−アリルスルホン酸塩)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
−〔B液〕感熱性粘着剤分散液の調製−
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%)・・・10質量部
・重合ロジンエマルジョン(軟化点145℃,不揮発分50%)・・・6.5質量部
・熱溶融性物質分散液〔A液〕・・・33.3質量部
次に、前記感熱性粘着剤分散液〔B液〕を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着ラベルを作製した。
(実施例2)
実施例1において、熱溶融性物質分散液〔A液〕の代わりに下記熱溶融性物質分散液〔C液〕を用いた以外は、実施例1と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
−〔C液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が0.45μmとなるようにボールミルを用いて分散して熱溶融性物質分散液〔C液〕を調製した。
・トリ−2,5−キシレンホスフィン(融点(mp):153〜156℃)・・・30.0質量部
・30質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・5.0質量部
・界面活性剤(ポリアルキレン(エチレン)グリコールアルキルフェニルエーテル)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
(実施例3)
実施例2において、熱溶融性物質分散液〔C液〕におけるトリ−2,5−キシレンホスフィン(融点(mp):153〜156℃)の代わりにトリ−2,4−キシレンホスフィン(融点(mp):158℃)を用いた以外は、実施例2と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
(実施例4)
実施例2において、熱溶融性物質分散液〔C液〕におけるトリ−2,5−キシレンホスフィン(融点(mp):153〜156℃)の代わりにトリ−3,5−キシレンホスフィン(融点(mp):160〜162℃)を用いた以外は、実施例2と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
(実施例5)
−[D液]非発泡性中間層形成用塗液の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌分散して、非発泡性中間層形成用塗液[D液]を調製した
・微小中空粒子分散体(塩化ビニリデン/アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度32質量%、平均粒子径3.0μm、中空率92%)・・・30質量部
・スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg):+4℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
−[E液]発色剤分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.5μmとなるようにサンドミルを用い、分散させて、[E液]発色剤分散液を調製した。
・3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン・・・20質量部
・10質量%ポリビニルアルコ−ル水溶液・・・10質量部
・水・・・70質量部
−[F液]顕色剤分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.5μmとなるようにサンドミルを用いて分散して、[F液]顕色剤分散液を調製した。
・4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン・・・10質量部
・10質量%ポリビニルアルコ−ル水溶液・・・25質量部
・炭酸カルシウム・・・15質量部
・水・・・50質量部
次に、[E液]発色剤分散液と[E液]と[F液]顕色剤分散液とを、[E液]:[F液]=1:8となるように混合攪拌して感熱記録層塗布液[G液]を調製した。
次いで、上記[D液]非発泡性中間層形成用塗液を、支持体の表面に乾燥後質量が4g/mとなるように塗布乾燥して非発泡性中間層を設けた。この非発泡性中間層上に、上記感熱記録層塗布液[G液]を乾燥後質量が5g/mとなるように塗布乾燥して、感熱記録層を設けた。
得られた感熱記録層上に、下記保護層塗布液を乾燥時の質量が3g/mとなるように塗布、乾燥を行い、更に王研式平滑度が2000秒になるようにスーパーキャレンダー処理して感熱記録紙を作製した。
−保護層塗布液の調製−
下記組成の混合物を縦型サンドミルで体積平均粒径が1μm以下になるように粉砕、分散化して保護層一次分散液を調製した。
[保護層一次分散液]
・水酸化アルミニウム・・・20質量部
・10質量%ポリビニルアルコール(PVA)水溶液・・・20質量部
・水・・・40質量部
次いで、上記保護層一次分散液を使って、下記組成の保護層塗布液を調製した。
[保護塗布液の組成]
・保護層一次分散液・・・10質量部
・10質量%ポリビニルアルコール(PVA)水溶液・・・20質量部
・12.5質量%エピクロヒドリン水溶液・・・5質量部
・30質量%ステアリン酸亜鉛分散液・・・2質量部
次に、実施例2において、片面コ−ト紙の代わりに、上記感熱記録紙を使用した以外は、実施例2と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
(実施例6)
−〔H液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が0.45μmとなるようにボールミルを用いて分散して分散液〔H液〕を調製した。
・トリ−2,5−キシレンホスフィン(融点(mp):153〜156℃)・・・15.0質量部
・トリ−3,5−キシレンホスフィン(融点(mp):160〜162℃)・・・15.0質量部
・30質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・5.0質量部
・界面活性剤(ポリアルキレン(エチレン)グリコールアルキルフェニルエーテル)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
次に、下記組成からなる感熱性粘着剤分散液〔I液〕を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着ラベルを作製した。
−〔I液〕感熱性粘着剤分散液の組成−
・メチルメタアクリレート−n−ブチルアクリレート共重合体エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%)・・・10質量部
・重合ロジンエマルジョン(軟化点145℃、不揮発分50%)・・・6.5質量部
・熱溶融性物質分散液〔H液〕・・・33.3質量部
(実施例7)
実施例1において、熱溶融性物質分散液〔A液〕の代わりに下記熱溶融性物質分散液〔J液〕を用いた以外は、実施例1と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
−〔J液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が0.6μmとなるようにサンドミルを用いて分散して分散液〔J液〕を調製した。
・トリ−2,5−キシレンホスフィン(融点(mp):153〜156℃)・・・30.0部
・30質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・5.0質量部
・界面活性剤(ポリアルキレン(エチレン)グリコールアルキルフェニルエーテル)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
(実施例8)
−〔K液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して熱溶融性物質分散液〔K液〕を調製した。
・トリ−2,4−キシレンホスフィン(融点(mp):158℃)・・・50.0質量部
・30質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・8.3質量部
・界面活性剤(アルキル−アリルスルホン酸塩)・・・0.1質量部
・水・・・66.6質量部
次に、下記組成からなる感熱性粘着剤分散液〔L液〕を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着ラベルを作製した。
−〔L液〕感熱性粘着剤分散液の組成−
・メチルメタアクリレート−n−ブチルアクリレート共重合体エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−62℃、不揮発分50%)・・・10質量部
・重合ロジンエマルジョン(軟化点145℃、不揮発分50%)・・・3質量部
・熱溶融性物質分散液〔K液〕・・・70.0質量部
(実施例9)
−〔M液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が0.40μmとなるようにボールミルを用いて分散して熱溶融性物質分散液〔M液〕を調製した。
・トリ−2,5−キシレンホスフィン(融点(mp):153〜156℃)・・・50.0質量部
・30質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・8.3質量部
・界面活性剤(ポリアルキレン(エチレン)グリコールアルキルフェニルエーテル)・・・0.25質量部
・水・・・64.45質量部
次に、下記組成からなる感熱性粘着剤分散液〔N液〕を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着ラベルを作製した。
−〔N液〕感熱性粘着剤分散液の組成−
・メチルメタアクリレート−n−ブチルアクリレート共重合体エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−62℃、不揮発分50%)・・・15.0質量部
・重合ロジンエマルジョン(軟化点145℃、不揮発分50%)・・・3質量部
・熱溶融性物質分散液〔M液〕・・・6.2質量部
(実施例10)
−〔O液〕中間層塗布液の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌分散して、中間層塗布液〔O液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(1)(アクリロニトリル/塩化ビニリデン/メタクリル酸メチル共重合体、固形分濃度41質量%、平均粒子径3.6μm、中空率90%)・・・14.6質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート/メチルメタアクリレート/スチレンの共重合体(ガラス転移温度(Tg):−65℃、固形分濃度55.4質量%、昭和高分子社製)・・・21.7質量部
・界面活性剤(ダプロW−77、エレメンティスジャパン社製)・・・0.1質量部
・水・・・63.6質量部
次に、80g/mの片面コート紙の裏面に中間層塗布液〔O液〕を乾燥後質量が5g/mとなるように塗布乾燥して中間層を設けた。この中間層上に、前記実施例6の感熱性粘着剤分散液〔I液〕を乾燥質量11g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着ラベルを作製した。
(比較例1)
実施例1において、熱溶融性物質分散液〔A液〕のトリ−2,5−キシレンホスフィン(融点(mp):153〜156℃)をフタル酸ジシクロヘキシルに代えた以外は、実施例1と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
(比較例2)
実施例1において、熱溶融性物質分散液〔A液〕のトリ−2,5−キシレンホスフィン(融点(mp):153〜156℃)をフタル酸ジフェニルに代えた以外は、実施例1と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
(比較例3)
比較例1において、片面コ−ト紙の代わりに、実施例5の感熱記録紙を使用した以外は、比較例1と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
次に、得られた実施例1〜10及び比較例1〜3の各感熱性粘着ラベルについて、以下のようにして、粘着特性(1時間後、1日後)、及び耐ブロッキング性を評価した。結果を表2に示す。
<粘着特性の評価>
得られた各感熱性粘着材料を40mm×150mmの長方形にカットし、感熱印字装置(大倉電気株式会社製、TH−PMD)を用いて、ヘッド条件:各エネルギー0.40mJ/dot、0.50mJ/dot、印字スピード:4ms/line、プラテン圧:6kgf/lineの条件にて、感熱性粘着材料を熱活性化させた。次いで、各環境条件下のダンボールに加圧2kgのゴムローラーで長手方向に貼り付けて、1時間後及び1日後に剥離角度180度、剥離速度300mm/minの条件で剥離させた。
その時の粘着力をフォースゲージ(MODEL DPS−5、IMADA製)で測定し、0.1秒間隔でデータを読み取り平均化した数値で示した。なお、単位はgf/40mmである。この試験は、常温環境(23℃、65%RH)条件下で実施した。
<耐ブロッキング性の評価>
得られた各感熱性粘着材料における感熱性粘着剤層面と反対側の面を接触させ、200gf/cmの圧力を掛け50℃、Dry条件下で24時間放置した。その後、室温で放置後サンプルを剥がし、その時の耐ブロッキング性を表1に示す基準で評価した。なお、ランク7以上が実用可能なレベルである。
実施例1〜10は、比較例1〜3に比べて、粘着特性(1時間後、1日後)、及び耐ブロッキング性が良好であることが認められる。
(実施例11)
−〔A液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して熱溶融性物質分散液〔A液〕を調製した。
・下記構造式で表される熱溶融性物質(トリス(p−t−ブトキシフェニル)ホスフィン、融点(mp)=150℃)・・・30.0質量部
・30質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・5.0質量部
・界面活性剤(アルキル−アリルスルホン酸塩)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
次に、下記組成からなる感熱性粘着剤分散液〔B液〕を80g/mの片面コート紙の片面(裏面)に乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着ラベルを作製した。
−〔B液〕感熱性粘着剤分散液の組成−
・メチルメタアクリレート−ブチルアクリレート共重合体エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−62℃、不揮発分50%)・・・10質量部
・重合ロジンエマルジョン(軟化点145℃,不揮発分50%)・・・6.5質量部
・前記熱溶融性物質分散液〔A液〕・・・33.3質量部
(実施例12)
実施例11において、熱溶融性物質分散液〔A液〕の代わりに下記熱溶融性物質分散〔C液〕を用いた以外は、実施例11と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
−〔C液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が0.45μmとなるようにボールミルを用いて分散して、熱溶融性物質分散液〔C液〕を調製した。
・下記構造式で表される熱溶融性物質(トリス(p−t−ブトキシフェニル)ホスフィン、融点(mp)=150℃)・・・30.0質量部
・30質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・5.0質量部
・界面活性剤(ポリアルキレン(エチレン)グリコールアルキルフェニルエーテル)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
(実施例13)
実施例12において、熱溶融性物質分散液〔C液〕における熱溶融性物質を下記構造式で表される熱溶融性物質(トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、融点(mp)=131〜132℃)に変えた以外は、実施例12と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
(実施例14)
−[D液]非発泡性中間層形成用塗液の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌分散して、非発泡性中間層形成用塗液[D液]を調製した
・微小中空粒子分散体(塩化ビニリデン/アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度32質量%、平均粒子径3.0μm、中空率92%)・・・30質量部
・スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg):+4℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
−[E液]発色剤分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.5μmとなるようにサンドミルを用い、分散させて、[E液]発色剤分散液を調製した。
・3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン・・・20質量部
・10質量%ポリビニルアルコ−ル水溶液・・・10質量部
・水・・・70質量部
−[F液]顕色剤分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.5μmとなるようにサンドミルを用いて分散して、[F液]顕色剤分散液を調製した。
・4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン・・・10質量部
・10質量%ポリビニルアルコ−ル水溶液・・・25質量部
・炭酸カルシウム・・・15質量部
・水・・・50質量部
次に、[E液]発色剤分散液と[E液]と[F液]顕色剤分散液とを、[E液]:[F液]=1:8となるように混合攪拌して感熱記録層塗布液[G液]を調製した。
次いで、上記[D液]非発泡性中間層形成用塗液を、支持体の表面に乾燥後質量が4g/mとなるように塗布乾燥して非発泡性中間層を設けた。この非発泡性中間層上に、上記感熱記録層塗布液[G液]を乾燥後質量が5g/mとなるように塗布乾燥して、感熱記録層を設けた。
得られた感熱記録層上に、下記保護層塗布液を乾燥時の質量が3g/mとなるように塗布、乾燥を行い、更に王研式平滑度が2000秒になるようにスーパーキャレンダー処理して感熱記録紙を作製した。
−保護層塗布液の調製−
下記組成の混合物を縦型サンドミルで体積平均粒径が1μm以下になるように粉砕、分散化して保護層一次分散液を調製した。
[保護層一次分散液]
・水酸化アルミニウム・・・20質量部
・10質量%ポリビニルアルコール(PVA)水溶液・・・20質量部
・水・・・40質量部
次いで、上記保護層一次分散液を使って、下記組成の保護層塗布液を調製した。
[保護塗布液の組成]
・保護層一次分散液・・・10質量部
・10質量%ポリビニルアルコール(PVA)水溶液・・・20質量部
・12.5質量%エピクロヒドリン水溶液・・・5質量部
・30質量%ステアリン酸亜鉛分散液・・・2質量部
次に、実施例12において、片面コ−ト紙の代わりに、上記感熱記録紙を使用した以外は、実施例12と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
(実施例15)
−〔H液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、平均粒径が0.45μmとなるようにボールミルを用いて分散して、熱溶融性物質分散液〔H液〕を調製した。
・下記構造式で表される熱溶融性物質(トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、融点(mp)=131〜132℃)・・・15.0質量部
・下記構造式で表される熱溶融性物質(トリス(p−t−ブトキシフェニル)ホスフィン、融点(mp)=150℃)・・・15.0質量部
・30質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・5.0質量部
・界面活性剤(ポリアルキレン(エチレン)グリコールアルキルフェニルエーテル)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
−〔I液〕感熱性粘着剤分散液の調製−
下記組成からなる感熱性粘着剤分散液〔I液〕を80g/mの片面コート紙の片面(裏面)に乾燥後質量が16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着ラベルを作製した。
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%)・・・10質量部
・重合ロジンエマルジョン(軟化点145℃、不揮発分50%)・・・6.5質量部
・熱溶融性物質分散液〔H液〕・・・33.3質量部
(実施例16)
実施例11において、熱溶融性物質分散液〔A液〕の代わりに下記熱溶融性物質分散液〔J液〕を用いた以外は、実施例11と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
−〔J液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が0.6μmとなるようにサンドミルを用いて分散して、熱溶融性物質分散液〔J液〕を調製した。
・下記構造式で表される熱溶融性物質(トリス(p−t−ブトキシフェニル)ホスフィン、融点(mp)=150℃)・・・30.0質量部
・30質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・5.0質量部
・界面活性剤(ポリアルキレン(エチレン)グリコールアルキルフェニルエーテル)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
(実施例17)
実施例11において、熱溶融性物質分散液〔A液〕の代わりに下記熱溶融性物質分散液〔K液〕を用いた以外は、実施例11と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
−〔K液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、平均粒径が0.45μmとなるようにボールミルを用いて分散して、熱溶融性物質分散液〔K液〕を調製した。
・下記構造式で表される熱溶融性物質(トリ−2,4−キシリルホスフィン、融点(mp)=158℃)・・・15.0質量部
・下記構造式で表される熱溶融性物質(トリス(p−t−ブトキシフェニル)ホスフィン、融点(mp)=150℃)・・・15.0質量部
・30質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・5.0質量部
・界面活性剤(ポリアルキレン(エチレン)グリコールアルキルフェニルエーテル)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
(比較例4)
実施例11において、〔A液〕熱溶融性物質分散液における熱溶融性物質をフタル酸ジシクロヘキシルに代えた以外は、実施例11と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
(比較例5)
実施例11において、〔A液〕熱溶融性物質分散液における熱溶融性物質をフタル酸ジフェニルに代えた以外は、実施例11と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
(比較例6)
比較例4の片面コ−ト紙の代わりに、実施例14で作製した感熱記録紙を使用した以外は、比較例4と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
次に、得られた実施例11〜16及び比較例4〜6の各感熱性粘着ラベルについて、実施例1〜10及び比較例1〜3と同様にして、粘着特性(1時間後、1日後)、及び耐ブロッキング性を評価した。結果を表3に示す。
実施例11〜17は、比較例4〜6に比べて、粘着特性(1時間後、1日後)、及び耐ブロッキング性が良好であることが認められる。
本発明の感熱性粘着剤を用いた感熱性粘着材料は、ダンボール等の粗面被着体やポリオレフィンラップに対する粘着力が強く、経時的な粘着力低下も少なく、低エネルギーで熱活性化が可能であり、かつ、耐ブロッキング性が良好であり、例えば、工業用、商業用、及び家庭用に幅広く好適に用いられる。

Claims (11)

  1. 少なくとも熱可塑性樹脂、及び熱溶融性物質を含有してなり、該熱溶融性物質が、下記構造式(I)で表される化合物、構造式II−3で表される化合物及び構造式II−9で表される化合物の少なくともいずれかを含むことを特徴とする感熱性粘着剤。
  2. 熱溶融性物質が、体積平均粒子径1.2μm以下の固体微粒子である請求項1に記載の感熱性粘着剤。
  3. 熱溶融性物質の感熱性粘着剤における含有量が、25〜80質量%である請求項1から2のいずれかに記載の感熱性粘着剤。
  4. 熱可塑性樹脂が、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種である請求項1から3のいずれかに記載の感熱性粘着剤。
  5. 更に粘着付与剤を含有し、該粘着付与剤が、ロジン系エステル樹脂、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂及び水素添加テルペン樹脂から選択される少なくとも1種である請求項1から4のいずれかに記載の感熱性粘着剤。
  6. 支持体と、該支持体の一方の面上に、請求項1から5のいずれかに記載の感熱性粘着剤を含む感熱性粘着剤層とを有することを特徴とする感熱性粘着材料。
  7. 支持体における感熱性粘着剤層とは反対側の面に、記録層を有する請求項6に記載の感熱性粘着材料。
  8. 記録層が、感熱記録層、インクジェット記録層、熱転写用インク受容層、及び電子写真記録層のいずれかである請求項7に記載の感熱性粘着材料。
  9. 感熱記録層が、少なくともロイコ染料及び顕色剤を含む請求項8に記載の感熱性粘着材料。
  10. 支持体と感熱性粘着剤層との間に、中空粒子とバインダー樹脂とを含む中間層を有する請求項6から9のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
  11. ラベル状、シート状、及びロール状のいずれかである請求項6から10のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
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