JP4755435B2 - 感熱性粘着剤及び感熱性粘着材料 - Google Patents
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Description
従来から知られている前記粘着ラベルは、情報記録面と反対側面に、粘着剤層と剥離紙を積層した構成が一般的である。この粘着ラベルは、貼り合わせ時に剥離紙を剥がして、加圧するのみで簡便に貼り合わせることができるものである。
前記感熱性粘着ラベルとしては、例えば、感熱性粘着剤層中に、熱可塑性樹脂及び熱溶融性物質、更に必要に応じて粘着付与剤を含有するものが提案されている(非特許文献1参照)。
前記熱可塑性樹脂は、粘着力、接着力を付与するものである。前記熱溶融性物質は、常温では固体であるため、樹脂に可塑性は与えないが、加熱により溶融して樹脂を膨潤乃至軟化させて粘着性を発現させるものである。また、前記粘着付与剤は粘着性を向上させる働きを有するものである。更に、感熱性粘着剤層中の熱溶融性物質は加熱により溶融した後はゆっくりと結晶化するため、熱源を取り除いた後も粘着性を長時間持続させることができる。しかし、従来の感熱性粘着剤は、粘着性発現後の粘着力が経時的に低下するという問題があった。
しかし、従来の感熱性粘着剤は、塩化ビニルラップ、ポリオレフィンラップ及びダンボール等に対する粘着力が不充分であるために、感熱性粘着ラベル自体の実用化の妨げになっていた。
このため、特許文献3には、支持体と感熱記録層との間に非発泡中空粒子を含有させたアンダーコート層を設けてなり、フタル酸ジシクロヘキシルを固体可塑剤とする感熱性粘着剤を用いた感熱性粘着ラベルが提案されている。この感熱性粘着ラベルは、アンダーコート層が設けられているため、感熱記録層の熱感度向上と熱活性化時に生じる感熱記録層の地肌発色防止の点でほぼ満足できるレベルである。しかし、該粘着ラベルを重ね合わせた際に40℃程度でブロッキングが発生してしまい、実用化レベルとして期待されている50℃程度を満たしていないものである。
したがって従来公知の感熱性粘着剤の多くは、固体可塑剤として前記フタル酸エステルを使用しており、その代替物質の提供が強く望まれるようになってきているのが現状である。
<1> 少なくとも熱可塑性樹脂、及び熱溶融性物質を含有してなり、該熱溶融性物質が、下記構造式(I)で表される化合物及び構造式(II)で表される化合物の少なくともいずれかを含むことを特徴とする感熱性粘着剤である。
<2> 熱溶融性物質が、体積平均粒子径1.2μm以下の固体微粒子である前記<1>に記載の感熱性粘着剤である。
<3> 熱溶融性物質の感熱性粘着剤における含有量が、25〜80質量%である前記<1>から<2>のいずれかに記載の感熱性粘着剤である。
<4> 熱可塑性樹脂が、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種である前記<1>から<3>のいずれかに記載の感熱性粘着剤である。
<5> 更に粘着付与剤を含有し、該粘着付与剤が、ロジン系エステル樹脂、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂及び水素添加テルペン樹脂から選択される少なくとも1種である前記<1>から<4>のいずれかに記載の感熱性粘着剤である。
<6> 支持体と、該支持体の一方の面上に、前記<1>から<5>のいずれかに記載の感熱性粘着剤を含む感熱性粘着剤層とを有することを特徴とする感熱性粘着材料である。
<7> 支持体における感熱性粘着剤層とは反対側の面に、記録層を有する前記<6>に記載の感熱性粘着材料である。
<8> 記録層が、感熱記録層、インクジェット記録層、熱転写用インク受容層、及び電子写真記録層のいずれかである前記<7>に記載の感熱性粘着材料である。
<9> 感熱記録層が、少なくともロイコ染料及び顕色剤を含む前記<8>に記載の感熱性粘着材料である。
<10> 支持体と感熱性粘着剤層との間に中空粒子とバインダー樹脂とを含む中間層を有する前記<6>から<9>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
<11> ラベル状、シート状、及びロール状のいずれかである前記<6>から<10>のいずれかに記載の感熱性粘着材料である。
本発明の感熱性粘着剤は、少なくとも熱可塑性樹脂、及び熱溶融性物質を含有してなり、粘着付与剤、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記熱溶融性物質は、常温では固体であるため、樹脂に可塑性は与えないが、加熱により溶融して樹脂を膨潤又は軟化させて粘着性を発現し、加熱により溶融した後、ゆっくりと結晶化するため、熱源を取り除いた後も粘着性を長時間持続することができるものである。
nは、1〜5の整数を表す。
本発明の熱溶融性物質においては、前記構造式(I)及び(II)の少なくともいずれかで表される化合物を2種類以上混合して用いると、熱活性化エネルギーを低くすることが可能(高感度化)となり、特に、類似構造な熱溶融性物質を2種類以上混合して用いると効果が向上し、ディレード性もアップするという利点がある。
ここで、前記熱溶融性物質の体積平均粒子径は、50%体積平均粒子径を意味し、例えば、レーザー回折/散乱法で測定することができる。具体的には、株式会社堀場製作所製のレーザー回折/散乱粒度分布測定装置「LA700」により測定した、分散物中の累積分布の50%に相当する平均粒子径である。
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記中間層に用いられる熱可塑性樹脂と同類の樹脂を用いると、両層の樹脂同士の相溶性がよくなることから、ダンボール等の粗面被着体に対する粘着力が向上するので好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的応じて適宜選択することができ、例えば、ビニル系モノマーをグラフト共重合した天然ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記粘着付与剤は、感熱性粘着剤の粘着力を向上させることができるものであれば特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロジン誘導体(例えば、ロジン、重合ロジン、水添ロジン等)、テルペン系樹脂(例えば、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂等)、石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂等が挙げられる。これら粘着付与剤は、熱可塑性樹脂及び熱溶融性物質と相溶して、感熱性粘着剤の粘着力を著しく向上させることができる。
前記共融化剤としては、例えば、蓚酸ジ−p−メチルベンジルエステル、蓚酸ジ−p−エチルベンジルエステル、蓚酸ジ−p−クロロベンジルエステル、蓚酸ジベンジルエステル等が挙げられる。
本発明の感熱性粘着材料は、支持体と、該支持体の一方の面上に少なくとも本発明の前記感熱性粘着剤層を有してなり、中間層(アンダー層)、更に必要に応じてその他の層を有してなる。一方、支持体における感熱性粘着剤層とは反対側の面には、記録層を有してなる。
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記感熱性粘着材料の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、50〜2,000μmが好ましく、100〜1,000μmがより好ましい。
前記感熱性粘着剤層は、本発明の前記感熱性粘着剤を含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記その他の成分としては、例えば、ブロッキング防止のために、酸化チタン、アルミナ、コロイダルシリカ、カオリン、タルク等の無機物、ステアリン酸金属塩、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス、天然油脂、ポリスチレン粉末等の有機物を添加することができ、更に必要に応じて、分散剤、消泡剤、増粘剤等のその他の成分を添加することができる。
前記塗布法としては、例えば、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本又は5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法等が挙げられる。
なお、前記塗布若しくは印刷の際の乾燥条件は、使用される熱溶融性物質及び共融化剤が融解しない温度範囲で乾燥されなければならない。乾燥の手段としては熱風乾燥の他に赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用した乾燥方法が使用できる。
前記記録層は、画像等を記録することができる層であり、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感熱記録層、インクジェット記録層、熱転写用インク受容層、電子写真記録層、などが好適に挙げられる。
前記記録層は、前記支持体の感熱性粘着剤層が設けられている面と反対側の面に設けられているのが好ましい。
これらの記録層には、目的に応じて適宜選択した画像、文字等の情報が単色(例えば、黒色等)又は多色(二色、三色、フルカラー等)で記録(形成)することができ、また、単色又は多色の印刷加工を施してもよい。該印刷加工としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、UV硬化樹脂を含むインクを用いたUV加工印刷が、耐ブロッキング特性の向上の観点からは好ましい。
前記感熱記録層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロイコ染料と、顕色剤とを主成分とし、更にバインダー樹脂、増感剤等を含有するもの、などが好適に挙げられる。
前記ロイコ染料としては、例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3’−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’0−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−p−クロロフェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−フェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリドフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオランスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感熱記録層の厚みは、前記感熱記録層の組成や感熱性粘着材料の用途等により異なり一概には規定できないが、1〜50μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。
前記熱転写記録用インク受容層は、フィラー、バインダー樹脂、耐水化剤を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記インク受容層における前記フィラーと水溶性樹脂の割合は、ブロッキング性に関わり、前記フィラー対水溶性樹脂の含有質量比(固形分)は1:0.1〜1:0.2が好ましい。
前記耐水化剤と前記水溶性樹脂の割合もブロッキング性に関わり、その含有質量比(固形分)は、水溶性樹脂1に対し、耐水化剤0.3〜0.5が好ましい。このようにインク受容層はフィラー及び水溶性樹脂を、また更に、水溶性樹脂と耐水化剤を特定の比率で含有させて形成させるが、更に、インク受容層の表面をキャレンダーなどにより、平滑度500秒以上に処理することにより、上記フィラーによる効果に加えて印字品質を一層向上させることができる。
前記中間層(アンダー層)は、前記感熱性粘着剤層と前記支持体との間、及び、前記記録層(特に感熱記録層)と前記支持体との間、のいずれかに好適に設けることができる。この場合、前記感熱性粘着剤層を熱活性化する際に、サーマルヘッドからの熱エネルギーを効率的に利用することができ、少ないエネルギーで前記感熱性粘着剤層に十分な粘着力を発現させることができる点で有利である。また、前記支持体における前記感熱性粘着剤層とは反対側に前記記録層、特に感熱記録層が設けられている場合に、前記感熱性粘着層を高エネルギーで加熱すると、そのエネルギーが前記感熱記録層にまで達してしまい、地肌カブリなどの品質阻害が生じ易くなるが、前記中間層(アンダー層)の存在により、前記感熱記録層への断熱効果が十分となり、前記感熱記録層における地肌カブリ等の問題が生ずるのを効果的に防止することができる点で有利である。
前記中間層(アンダー層)としては、各種態様で形成することができるが、非発泡性であり、中空粒子を含有してなる態様、が特に好適に挙げられる。
前記中空粒子としては、熱可塑性樹脂を殼としてなる中空率30〜95%程度の微小中空粒子、又はポーラスな顔料などが挙げられる。
前記中空粒子とは、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気、その他の気体を含有し、すでに発泡状態となっている中空粒子を意味する。ここで、前記中空率とは、中空微粒子の外径基準の体積と内径基準の体積の比を意味する。
更に、本発明において、プラスチック球状中空粒子は、中空率が30%以上のものが使用できるが、70%以上がより好ましい。前記中空率が30%未満であると、断熱性が不十分なため、熱エネルギーが支持体を通じて外へ放出され、粘着剤活性化の熱効率が悪くなることがある。
また、前記中間層に用いられるポーラスな顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の有機顔料、シラス土等の無機顔料が挙げられる。
また、水性高分子エマルジョンとしては、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックスや酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のエマルジョン等が挙げられる。
前記中間層においては、上記微小中空粒子、ポーラスな顔料又は発泡性フィラー及びバインダーと共に、必要に応じて、フィラー、熱可融性物質(増感剤)、界面活性剤等を併用することができる。この場合、フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末が挙げられる。
前記熱可融性物質(増感剤)としては、例えば、高級脂肪酸又はそのエステル、アミドもしくは金属塩の他、各種ワックス類、芳香族カルボン酸とアミンとの縮合物、安息香酸フェニルエステル、高級直鎖グリコール、3,4−エポキシ−ヘキサヒドロフタル酸ジアルキル、高級ケトン、p−ベンジルビフェニル他の熱可融性有機化合物等の50〜200℃程度の融点を持つものが挙げられる。
前記保護層は、前記記録層に、バリアー性、ヘッドマッチング性、記録材料への筆記性等の向上を目的として、前記記録層上に設けることができる。
前記保護層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、顔料、結着剤、架橋剤、滑剤等を主成分とするもの、などが挙げられる。
前記保護層は、上述の塗布方法により好適に形成することができる。
本発明の感熱性粘着材料の形状としては、特に制限はなく、ラベル状、シート状、ロール状、などが好適に挙げられる。
これらの中でも、前記ポリエチレン製不織布(封筒等)は、一般に感熱性粘着材料を貼付することが難しいが、本発明の感熱性粘着材料の場合、経時により強い粘着力を発現させることができるため、該ポリエチレン製の不織布であっても強固に貼付することができる点で有利である。
これらの中でも、サーマルヘッドによる活性化方法が好ましく、以下の本発明の感熱性粘着材料の熱活性化方法が特に好ましい。この場合、既存の感熱記録プリンタ装置を用いて前記感熱粘着材料の両面を加熱することにより、前記感熱記録層への記録と、前記感熱性粘着剤層の熱活性化とを行うことができる点で有利である。
−〔A液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して、熱溶融性物質分散液〔A液〕を調製した。
・トリ−2,5−キシレンホスフィン(融点(mp):153〜156℃)・・・30.0質量部
・30質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・5.0質量部
・界面活性剤(アルキル−アリルスルホン酸塩)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%)・・・10質量部
・重合ロジンエマルジョン(軟化点145℃,不揮発分50%)・・・6.5質量部
・熱溶融性物質分散液〔A液〕・・・33.3質量部
実施例1において、熱溶融性物質分散液〔A液〕の代わりに下記熱溶融性物質分散液〔C液〕を用いた以外は、実施例1と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
−〔C液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が0.45μmとなるようにボールミルを用いて分散して熱溶融性物質分散液〔C液〕を調製した。
・トリ−2,5−キシレンホスフィン(融点(mp):153〜156℃)・・・30.0質量部
・30質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・5.0質量部
・界面活性剤(ポリアルキレン(エチレン)グリコールアルキルフェニルエーテル)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
実施例2において、熱溶融性物質分散液〔C液〕におけるトリ−2,5−キシレンホスフィン(融点(mp):153〜156℃)の代わりにトリ−2,4−キシレンホスフィン(融点(mp):158℃)を用いた以外は、実施例2と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
実施例2において、熱溶融性物質分散液〔C液〕におけるトリ−2,5−キシレンホスフィン(融点(mp):153〜156℃)の代わりにトリ−3,5−キシレンホスフィン(融点(mp):160〜162℃)を用いた以外は、実施例2と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
−[D液]非発泡性中間層形成用塗液の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌分散して、非発泡性中間層形成用塗液[D液]を調製した
・微小中空粒子分散体(塩化ビニリデン/アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度32質量%、平均粒子径3.0μm、中空率92%)・・・30質量部
・スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg):+4℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.5μmとなるようにサンドミルを用い、分散させて、[E液]発色剤分散液を調製した。
・3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン・・・20質量部
・10質量%ポリビニルアルコ−ル水溶液・・・10質量部
・水・・・70質量部
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.5μmとなるようにサンドミルを用いて分散して、[F液]顕色剤分散液を調製した。
・4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン・・・10質量部
・10質量%ポリビニルアルコ−ル水溶液・・・25質量部
・炭酸カルシウム・・・15質量部
・水・・・50質量部
次いで、上記[D液]非発泡性中間層形成用塗液を、支持体の表面に乾燥後質量が4g/m2となるように塗布乾燥して非発泡性中間層を設けた。この非発泡性中間層上に、上記感熱記録層塗布液[G液]を乾燥後質量が5g/m2となるように塗布乾燥して、感熱記録層を設けた。
得られた感熱記録層上に、下記保護層塗布液を乾燥時の質量が3g/m2となるように塗布、乾燥を行い、更に王研式平滑度が2000秒になるようにスーパーキャレンダー処理して感熱記録紙を作製した。
下記組成の混合物を縦型サンドミルで体積平均粒径が1μm以下になるように粉砕、分散化して保護層一次分散液を調製した。
[保護層一次分散液]
・水酸化アルミニウム・・・20質量部
・10質量%ポリビニルアルコール(PVA)水溶液・・・20質量部
・水・・・40質量部
次いで、上記保護層一次分散液を使って、下記組成の保護層塗布液を調製した。
[保護塗布液の組成]
・保護層一次分散液・・・10質量部
・10質量%ポリビニルアルコール(PVA)水溶液・・・20質量部
・12.5質量%エピクロヒドリン水溶液・・・5質量部
・30質量%ステアリン酸亜鉛分散液・・・2質量部
−〔H液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が0.45μmとなるようにボールミルを用いて分散して分散液〔H液〕を調製した。
・トリ−2,5−キシレンホスフィン(融点(mp):153〜156℃)・・・15.0質量部
・トリ−3,5−キシレンホスフィン(融点(mp):160〜162℃)・・・15.0質量部
・30質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・5.0質量部
・界面活性剤(ポリアルキレン(エチレン)グリコールアルキルフェニルエーテル)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
−〔I液〕感熱性粘着剤分散液の組成−
・メチルメタアクリレート−n−ブチルアクリレート共重合体エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%)・・・10質量部
・重合ロジンエマルジョン(軟化点145℃、不揮発分50%)・・・6.5質量部
・熱溶融性物質分散液〔H液〕・・・33.3質量部
実施例1において、熱溶融性物質分散液〔A液〕の代わりに下記熱溶融性物質分散液〔J液〕を用いた以外は、実施例1と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
−〔J液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が0.6μmとなるようにサンドミルを用いて分散して分散液〔J液〕を調製した。
・トリ−2,5−キシレンホスフィン(融点(mp):153〜156℃)・・・30.0部
・30質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・5.0質量部
・界面活性剤(ポリアルキレン(エチレン)グリコールアルキルフェニルエーテル)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
−〔K液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して熱溶融性物質分散液〔K液〕を調製した。
・トリ−2,4−キシレンホスフィン(融点(mp):158℃)・・・50.0質量部
・30質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・8.3質量部
・界面活性剤(アルキル−アリルスルホン酸塩)・・・0.1質量部
・水・・・66.6質量部
−〔L液〕感熱性粘着剤分散液の組成−
・メチルメタアクリレート−n−ブチルアクリレート共重合体エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−62℃、不揮発分50%)・・・10質量部
・重合ロジンエマルジョン(軟化点145℃、不揮発分50%)・・・3質量部
・熱溶融性物質分散液〔K液〕・・・70.0質量部
−〔M液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が0.40μmとなるようにボールミルを用いて分散して熱溶融性物質分散液〔M液〕を調製した。
・トリ−2,5−キシレンホスフィン(融点(mp):153〜156℃)・・・50.0質量部
・30質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・8.3質量部
・界面活性剤(ポリアルキレン(エチレン)グリコールアルキルフェニルエーテル)・・・0.25質量部
・水・・・64.45質量部
−〔N液〕感熱性粘着剤分散液の組成−
・メチルメタアクリレート−n−ブチルアクリレート共重合体エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−62℃、不揮発分50%)・・・15.0質量部
・重合ロジンエマルジョン(軟化点145℃、不揮発分50%)・・・3質量部
・熱溶融性物質分散液〔M液〕・・・6.2質量部
−〔O液〕中間層塗布液の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌分散して、中間層塗布液〔O液〕を調製した。
・プラスチック球状中空粒子(1)(アクリロニトリル/塩化ビニリデン/メタクリル酸メチル共重合体、固形分濃度41質量%、平均粒子径3.6μm、中空率90%)・・・14.6質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート/メチルメタアクリレート/スチレンの共重合体(ガラス転移温度(Tg):−65℃、固形分濃度55.4質量%、昭和高分子社製)・・・21.7質量部
・界面活性剤(ダプロW−77、エレメンティスジャパン社製)・・・0.1質量部
・水・・・63.6質量部
実施例1において、熱溶融性物質分散液〔A液〕のトリ−2,5−キシレンホスフィン(融点(mp):153〜156℃)をフタル酸ジシクロヘキシルに代えた以外は、実施例1と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
実施例1において、熱溶融性物質分散液〔A液〕のトリ−2,5−キシレンホスフィン(融点(mp):153〜156℃)をフタル酸ジフェニルに代えた以外は、実施例1と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
比較例1において、片面コ−ト紙の代わりに、実施例5の感熱記録紙を使用した以外は、比較例1と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
得られた各感熱性粘着材料を40mm×150mmの長方形にカットし、感熱印字装置(大倉電気株式会社製、TH−PMD)を用いて、ヘッド条件:各エネルギー0.40mJ/dot、0.50mJ/dot、印字スピード:4ms/line、プラテン圧:6kgf/lineの条件にて、感熱性粘着材料を熱活性化させた。次いで、各環境条件下のダンボールに加圧2kgのゴムローラーで長手方向に貼り付けて、1時間後及び1日後に剥離角度180度、剥離速度300mm/minの条件で剥離させた。
その時の粘着力をフォースゲージ(MODEL DPS−5、IMADA製)で測定し、0.1秒間隔でデータを読み取り平均化した数値で示した。なお、単位はgf/40mmである。この試験は、常温環境(23℃、65%RH)条件下で実施した。
得られた各感熱性粘着材料における感熱性粘着剤層面と反対側の面を接触させ、200gf/cm2の圧力を掛け50℃、Dry条件下で24時間放置した。その後、室温で放置後サンプルを剥がし、その時の耐ブロッキング性を表1に示す基準で評価した。なお、ランク7以上が実用可能なレベルである。
−〔A液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して熱溶融性物質分散液〔A液〕を調製した。
・下記構造式で表される熱溶融性物質(トリス(p−t−ブトキシフェニル)ホスフィン、融点(mp)=150℃)・・・30.0質量部
・界面活性剤(アルキル−アリルスルホン酸塩)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
−〔B液〕感熱性粘着剤分散液の組成−
・メチルメタアクリレート−ブチルアクリレート共重合体エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−62℃、不揮発分50%)・・・10質量部
・重合ロジンエマルジョン(軟化点145℃,不揮発分50%)・・・6.5質量部
・前記熱溶融性物質分散液〔A液〕・・・33.3質量部
実施例11において、熱溶融性物質分散液〔A液〕の代わりに下記熱溶融性物質分散〔C液〕を用いた以外は、実施例11と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
−〔C液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が0.45μmとなるようにボールミルを用いて分散して、熱溶融性物質分散液〔C液〕を調製した。
・下記構造式で表される熱溶融性物質(トリス(p−t−ブトキシフェニル)ホスフィン、融点(mp)=150℃)・・・30.0質量部
・界面活性剤(ポリアルキレン(エチレン)グリコールアルキルフェニルエーテル)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
実施例12において、熱溶融性物質分散液〔C液〕における熱溶融性物質を下記構造式で表される熱溶融性物質(トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、融点(mp)=131〜132℃)に変えた以外は、実施例12と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
−[D液]非発泡性中間層形成用塗液の調製−
下記組成からなる混合物を攪拌分散して、非発泡性中間層形成用塗液[D液]を調製した
・微小中空粒子分散体(塩化ビニリデン/アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、固形分濃度32質量%、平均粒子径3.0μm、中空率92%)・・・30質量部
・スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移温度(Tg):+4℃)・・・10質量部
・水・・・60質量部
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.5μmとなるようにサンドミルを用い、分散させて、[E液]発色剤分散液を調製した。
・3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン・・・20質量部
・10質量%ポリビニルアルコ−ル水溶液・・・10質量部
・水・・・70質量部
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.5μmとなるようにサンドミルを用いて分散して、[F液]顕色剤分散液を調製した。
・4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン・・・10質量部
・10質量%ポリビニルアルコ−ル水溶液・・・25質量部
・炭酸カルシウム・・・15質量部
・水・・・50質量部
次いで、上記[D液]非発泡性中間層形成用塗液を、支持体の表面に乾燥後質量が4g/m2となるように塗布乾燥して非発泡性中間層を設けた。この非発泡性中間層上に、上記感熱記録層塗布液[G液]を乾燥後質量が5g/m2となるように塗布乾燥して、感熱記録層を設けた。
得られた感熱記録層上に、下記保護層塗布液を乾燥時の質量が3g/m2となるように塗布、乾燥を行い、更に王研式平滑度が2000秒になるようにスーパーキャレンダー処理して感熱記録紙を作製した。
下記組成の混合物を縦型サンドミルで体積平均粒径が1μm以下になるように粉砕、分散化して保護層一次分散液を調製した。
[保護層一次分散液]
・水酸化アルミニウム・・・20質量部
・10質量%ポリビニルアルコール(PVA)水溶液・・・20質量部
・水・・・40質量部
次いで、上記保護層一次分散液を使って、下記組成の保護層塗布液を調製した。
[保護塗布液の組成]
・保護層一次分散液・・・10質量部
・10質量%ポリビニルアルコール(PVA)水溶液・・・20質量部
・12.5質量%エピクロヒドリン水溶液・・・5質量部
・30質量%ステアリン酸亜鉛分散液・・・2質量部
−〔H液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、平均粒径が0.45μmとなるようにボールミルを用いて分散して、熱溶融性物質分散液〔H液〕を調製した。
・下記構造式で表される熱溶融性物質(トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、融点(mp)=131〜132℃)・・・15.0質量部
・界面活性剤(ポリアルキレン(エチレン)グリコールアルキルフェニルエーテル)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
下記組成からなる感熱性粘着剤分散液〔I液〕を80g/m2の片面コート紙の片面(裏面)に乾燥後質量が16g/m2となるように塗布乾燥し、感熱性粘着ラベルを作製した。
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%)・・・10質量部
・重合ロジンエマルジョン(軟化点145℃、不揮発分50%)・・・6.5質量部
・熱溶融性物質分散液〔H液〕・・・33.3質量部
実施例11において、熱溶融性物質分散液〔A液〕の代わりに下記熱溶融性物質分散液〔J液〕を用いた以外は、実施例11と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
−〔J液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が0.6μmとなるようにサンドミルを用いて分散して、熱溶融性物質分散液〔J液〕を調製した。
・下記構造式で表される熱溶融性物質(トリス(p−t−ブトキシフェニル)ホスフィン、融点(mp)=150℃)・・・30.0質量部
・界面活性剤(ポリアルキレン(エチレン)グリコールアルキルフェニルエーテル)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
実施例11において、熱溶融性物質分散液〔A液〕の代わりに下記熱溶融性物質分散液〔K液〕を用いた以外は、実施例11と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
−〔K液〕熱溶融性物質分散液の調製−
下記組成からなる混合物を、平均粒径が0.45μmとなるようにボールミルを用いて分散して、熱溶融性物質分散液〔K液〕を調製した。
・下記構造式で表される熱溶融性物質(トリ−2,4−キシリルホスフィン、融点(mp)=158℃)・・・15.0質量部
・界面活性剤(ポリアルキレン(エチレン)グリコールアルキルフェニルエーテル)・・・0.15質量部
・水・・・64.85質量部
実施例11において、〔A液〕熱溶融性物質分散液における熱溶融性物質をフタル酸ジシクロヘキシルに代えた以外は、実施例11と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
実施例11において、〔A液〕熱溶融性物質分散液における熱溶融性物質をフタル酸ジフェニルに代えた以外は、実施例11と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
比較例4の片面コ−ト紙の代わりに、実施例14で作製した感熱記録紙を使用した以外は、比較例4と同様にして、感熱性粘着ラベルを作製した。
Claims (11)
- 少なくとも熱可塑性樹脂、及び熱溶融性物質を含有してなり、該熱溶融性物質が、下記構造式(I)で表される化合物、構造式II−3で表される化合物及び構造式II−9で表される化合物の少なくともいずれかを含むことを特徴とする感熱性粘着剤。
- 熱溶融性物質が、体積平均粒子径1.2μm以下の固体微粒子である請求項1に記載の感熱性粘着剤。
- 熱溶融性物質の感熱性粘着剤における含有量が、25〜80質量%である請求項1から2のいずれかに記載の感熱性粘着剤。
- 熱可塑性樹脂が、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種である請求項1から3のいずれかに記載の感熱性粘着剤。
- 更に粘着付与剤を含有し、該粘着付与剤が、ロジン系エステル樹脂、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂及び水素添加テルペン樹脂から選択される少なくとも1種である請求項1から4のいずれかに記載の感熱性粘着剤。
- 支持体と、該支持体の一方の面上に、請求項1から5のいずれかに記載の感熱性粘着剤を含む感熱性粘着剤層とを有することを特徴とする感熱性粘着材料。
- 支持体における感熱性粘着剤層とは反対側の面に、記録層を有する請求項6に記載の感熱性粘着材料。
- 記録層が、感熱記録層、インクジェット記録層、熱転写用インク受容層、及び電子写真記録層のいずれかである請求項7に記載の感熱性粘着材料。
- 感熱記録層が、少なくともロイコ染料及び顕色剤を含む請求項8に記載の感熱性粘着材料。
- 支持体と感熱性粘着剤層との間に、中空粒子とバインダー樹脂とを含む中間層を有する請求項6から9のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
- ラベル状、シート状、及びロール状のいずれかである請求項6から10のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
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