JP2002146303A - 感熱性粘着材料、その熱活性化方法及び感熱性粘着材料の貼付方法 - Google Patents

感熱性粘着材料、その熱活性化方法及び感熱性粘着材料の貼付方法

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JP2002146303A
JP2002146303A JP2000337985A JP2000337985A JP2002146303A JP 2002146303 A JP2002146303 A JP 2002146303A JP 2000337985 A JP2000337985 A JP 2000337985A JP 2000337985 A JP2000337985 A JP 2000337985A JP 2002146303 A JP2002146303 A JP 2002146303A
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sensitive adhesive
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JP2000337985A
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English (en)
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Toshiaki Ikeda
俊明 池田
Tomoyuki Kugo
智之 久郷
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温から高温の広範な温度環境下、良好な粘
着力を有し、活性化前の保存において優れた耐ブロッキ
ング性を有する感熱性粘着材料、その熱活性化方法及び
感熱性粘着材料の貼付方法を提供すること。 【解決手段】 支持体上に、2層以上の感熱性粘着剤層
を形成すると共に、各層の最大粘着力を発現させる温度
が相互に異なっていることを特徴とする感熱性粘着材
料、感熱性粘着剤層が2層のとき、該相互に異なってい
る温度をT1、T2とし、T1>T2である場合、下記式の
関係にある熱エネルギーを付与することを特徴と感熱性
粘着材料の熱活性化方法及び感熱性粘着剤層面から熱活
性化させて粘着力を発現させ、かつ粘着力を発現させた
感熱性粘着材料を被着体に貼り付けることを特徴とする
感熱性粘着材料の貼付方法。 E1<E2 (式中、E1は温度がT1のときに、感熱性粘着剤層の最
大粘着力を発現させるに要する熱エネルギーを示し、E
2は温度がT2のときに、感熱性粘着剤層の最大粘着力を
発現させるに要する熱エネルギーを示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱性粘着材料、
その熱活性方法及び感熱性粘着材料の貼付方法に関し、
さらに詳しくは、常温では非粘着性であるが加熱により
粘着性が発現し、しかもその粘着性が発現した後も粘着
性が持続する感熱性粘着材料、その熱活性化方法及び感
熱性粘着材料の貼付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ラベル用粘着シートを、価格表示
用ラベル、商品表示(バーコード)用ラベル、品質表示
用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣伝用ラベル(ステ
ッカー)等として使用することが広く行われるようにな
ってきた。その記録方式も、インクジェット記録方式、
感熱記録方式、感圧記録方式等、様々な方式が採用され
ている。
【0003】従来より、ラベルの情報記録面とは反対の
面に、粘着剤層と剥離紙を積層した構成の一般的な粘着
シートが、貼り合わせ時に剥離紙を剥がし、加圧のみで
簡便に貼り合わせることのできるため、広く使用されて
いる。しかし、この一般的な構成の粘着シートは、剥離
紙を剥離して使用するものであるが、剥離された剥離紙
は回収、再利用し難く、ほとんどの場合、廃棄処分され
ている。また、いわゆる粘着剤層はタックをもっている
ため、剥離紙を剥がした後の取り扱いがきわめて難し
く、被着体に不用意に貼り付けたときに、貼り直すため
に粘着シートを剥がそうとすると、粘着シートがカール
したり、しわが入ったりして、最悪の場合には、シート
が破れるという問題があった。
【0004】そこで、近年では、常温では粘着性を示さ
ず、剥離紙を必要としない感熱性粘着シートが注目され
ている。感熱性粘着剤は、固体可塑剤及び/又は液体可
塑剤と熱可塑性樹脂エマルジョンを必須成分とし、これ
らに粘着付与剤等を混合したものであって、この混合物
を支持体上の印刷面の反対面に塗工することにより、感
熱性粘着材料を得ることができるものである。感熱性粘
着材料の粘着剤層表面は、常温では全く粘着性を示さな
いが、加熱することにより粘着性が発現し、熱源を取り
去った後でも暫くの間は、粘着性を維持するものであ
り、加熱によりまず固体可塑剤が融解し、熱可塑性樹脂
と粘着付与剤とを溶解することにより、粘着性が発現す
ると考えられている。また、液体可塑剤については一般
的に、マイクロカプセルに内包されており、加熱により
シェル破壊、シェル透過が生じ、上記同様に熱可塑性樹
脂エマルジョンと粘着付与剤とを溶解することにより、
粘着性が発現すると考えられている。感熱性粘着材料
は、上記の一般的な粘着材料のように剥離紙を使用しな
いため、省資源、環境問題の点から好ましいものであ
る。さらに、被着体に当接させてから感熱性粘着材料を
加熱すれば接着できるため、貼付ミスを防止できるとい
う利点もある。
【0005】このような利点を有する感熱性粘着材料で
あっても、従来のものには種々の問題点を有するものも
あった。その問題点の一つとして、粘着力が挙げられ
る。近年、食品POS業界等では、環境問題、特にダイ
オキシン発生対策として、食品ラップはポリ塩化ビニル
ラップからポリオレフィンラップに切り替わりつつあ
る。このようなラップの上にPOSラベルが貼り付けら
れているが、ポリオレフィンラップでは、ポリ塩化ビニ
ルラップよりも粘着剤との密着性、濡れ性がきわめて弱
く、簡単に剥がれてしまうという問題がつきまとってい
る。一般の粘着剤と剥離紙よりなる粘着材料について
は、このようなラップについて対策がなされてきつつあ
る。従来よりある感熱性粘着材料についても、このよう
なラップに対する粘着力を高める努力はされてきている
が、いまだ十分に満足しうるものは開発されていない。
【0006】問題点の二点目として、低温環境下又は低
温被着体への粘着力の低下が挙げられる。上記した近年
のPOS業界への感熱性粘着材料の需要の高まりの中
で、肉や魚等の生鮮食品への利用がある。これらのもの
は、鮮度を保つために冷凍して保管されてる。このよう
な冷凍された被着体への貼付けはもちろんのこと、低温
の環境下においても貼り付けはなされている。このよう
に低温環境下又は低温被着体への利用の高まりの中で、
十分に満足しうるものはいまだ開発されていない。ま
た、低温環境下又は低温被着体のみならず、POSラベ
ルでは温かいお惣菜等、常温以上の環境又は被着体にも
利用され、低温〜常温〜高温の広範囲の温度環境におい
ての対応が要求されているのである。しかし、これまで
の感熱性粘着材料では、広範の温度環境下又は被着体に
対応できおらず、スーパー等において、利用しづらいも
のとなっている。
【0007】さらに、問題点の三点目として、ブロッキ
ングが挙げられる。ブロッキングは、粘着を意図しない
にも拘わらず粘着性を発現してしまう現象であり、常温
よりも高い温度雰囲気下に長時間曝された場合等に誘発
されることがある。ロール状態又はそれを枚葉に裁断し
て積み重ねた状態のいずれの場合においても、ひとたび
ブロッキングが誘発されれば、感熱性粘着剤層と外面
(支持体を挟んで感熱性粘着剤層と反対面)とが接着
し、紙送りに支障を来たすのみならず、外面の印刷にも
悪影響を与えることになる。
【0008】そこで、ブロッキングを防止する手段とし
て、感熱性粘着剤中に滑性のあるワックスを配合する方
法(特公昭62−21835号公報)、固体可塑剤の表
面を無機化合物やコロイド粒子で保護し、固体可塑剤の
軟化を抑制することによりブロッキングを防止する方法
(特開平6−57223号公報、特開平6−10084
7号公報、特開平6−100848号公報)等が提案さ
れている。しかし、ワックスを配合した場合、ブロッキ
ング防止効果が不十分であるばかりでなく逆に粘着性の
低下をもたらすこととなる。固体可塑剤の表面を無機化
合物やコロイド粒子で保護すると、固体可塑剤の溶融、
拡散に時間がかかり、感熱性粘着剤の粘着性が現れにく
く、接着性能が低下する等の問題を生じ、実用上不十分
なものである。
【0009】また、高融点の可塑剤を用いることにより
ブロッキングは改良されるものの、粘着力の著しい低下
をもたらす等の副作用が生じ、実際にはブロッキングが
起こらないような低温度条件下で輸送、保管されている
のが現状である。特開平7−268292号公報によれ
ば、熱可塑性樹脂又は固体可塑剤の物性の異なる感熱性
粘着剤層の積層手段が開示されているが、ブロッキング
の改善は十分とは言えず、さらには、低温〜常温〜高温
の広範囲の温度環境において、高い粘着性を有しないも
のであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の問題点を解消し、低温から高温の環境温度下又は
被着体温度下において良好な接着力を有し、活性化前の
保存において優れた耐ブロッキング性を有する感熱性粘
着材料、その熱活性化方法及び感熱性粘着材料の貼付方
法を提供することをの課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、感熱粘着剤層に着目し鋭意検討を重
ねた結果、異なる温度において最大粘着力を有する2層
以上の感熱性粘着剤層を用いることによって、上記課題
が解決できるということを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに到った。
【0012】すなわち、本発明によれば、第1に、支持
体上に、2層以上の感熱性粘着剤層を形成すると共に、
各層の最大粘着力を発現させる温度が異なっていること
を特徴とする感熱性粘着材料が提供される。
【0013】この第1の発明には、該相互に異なってい
る温度が、感熱性粘着材料の環境温度もしくは感熱性粘
着材料を被着体に貼付するときの被着体温度である場合
又は該環境温度と該被着体温度である場合の感熱性粘着
材料、該感熱性粘着剤層が、熱可塑性樹脂と固体可塑剤
とを含有とするものである感熱性粘着材料、該熱可塑性
樹脂が、ポリ2−エチルヘキシルアクリレートであり、
該固体可塑剤が、下記式(1)、(2)又は(3)で表
される化合物である感熱性粘着材料、該感熱性粘着剤層
が過冷却性促進剤を含有するものであって、下層になる
にしたがい、該過冷却性促進剤の含有量を多くすること
により、固体可塑剤の融点を低下させるものである感熱
性粘着材料、最上層の感熱性粘着剤層が、ブロッキング
防止剤を含有するものである感熱性粘着材料、該感熱性
粘着剤層の反対面に、ロイコ染料とを顕色剤と主成分と
する感熱記録層を設けたものである感熱性粘着材料、該
感熱性粘着剤層と支持体との間に、中空粒子、熱可塑性
樹脂、液体可塑剤を含浸させた熱可塑性樹脂、固体可塑
剤、過冷却性促進剤及び液体可塑剤を内包したマイクロ
カプセルから選ばれた1種以上を主成分とするアンダー
層を設けたものである感熱性粘着材料が含まれる。
【0014】
【化4】
【化5】
【化6】
【0015】本発明によれば、第2に、形成される感熱
性粘着剤層の数がnであるとき、順次、相互に異なって
いる温度をT1、Tn-(n-2)、Tn-(n−n)とし、順
次、T1>Tn-(n-2)>Tn-(n−n)である場合、下記
式(4)の関係にある熱エネルギーを付与することを特
徴とする感熱性粘着材料の熱活性化方法が提供される。 E1<En-(n-2)<En-(n−n) (4) 〔式(4)中、順次、E1は温度がT1のときに、感熱性
粘着剤層の最大粘着力を発現させるに要する熱エネルギ
ーを示し、En-(n-2)は温度がTn-(n−2)のときに、
感熱性粘着剤層の最大粘着力を発現させるに要する熱エ
ネルギーを示し、En-(n−n)は温度がTn-(n−n)
ときに、感熱性粘着剤層の最大粘着力を発現させるに要
する熱エネルギーを示す。〕
【0016】この第2の発明には、該エネルギーの付与
が、感熱性粘着材料の活性化媒体としてサーマルヘッド
を用い、かつ通電時間の変調による活性化方式によるも
のである感熱性粘着材料の熱活性化方法が含まれる。
【0017】本発明によれば、第3に、該感熱性粘着材
料において、感熱性粘着剤層面に、第2又は3の発明の
熱活性化方法により熱活性化させて粘着力を発現させ、
該粘着力を発現させた感熱性粘着材料を被着体に貼り付
けることを特徴とする感熱性粘着材料の貼付方法が提供
される。
【0018】この第3の発明には、該被着体が、ポリオ
レフィン樹脂である感熱性粘着材料の貼付方法が含まれ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】図1に、相互に異なっている感熱
性粘着材料の環境温度もしくは感熱性粘着材料を被着体
に貼付するときの被着体温度又は該環境温度と該被着体
温度(以下、異なる環境温度又は被着体温度という)に
対応した感熱性粘着剤層A層、B層及びC層を組合せた
感熱性粘着材料の粘着力と温度の関係についての1例を
示す。
【0020】このように、異なる環境温度又は被着体温
度で最大粘着力を有する2層以上の感熱性粘着剤層を形
成することにより、温度環境に対応することができるも
のとなる。
【0021】また、より効果的に広範囲温度環境におい
て高粘着化させるための活性化方法としては、形成され
る感熱性粘着剤層の数がnであるとき、順次、相互に異
なっている温度をT1、Tn-(n-2)、Tn-(n−n)
し、順次、T1>Tn-(n-2)>T n-(n−n)である場
合、下記式(4)の関係にある熱エネルギーを付与する
ことを特徴とする感熱性粘着材料の熱活性化方法を採用
するものである。 E1<En-(n-2)<En-(n−n) (4) 〔式(4)中、順次、E1は温度がT1のときに、感熱性
粘着剤層の最大粘着力を発現させるに要する熱エネルギ
ーを示し、En-(n-2)は温度がTn-(n−2)のときに、
感熱性粘着剤層の最大粘着力を発現させるに要する熱エ
ネルギーを示し、En-(n−n)は温度がTn-(n−n)
ときに、感熱性粘着剤層の最大粘着力を発現させるに要
する熱エネルギーを示す。〕
【0022】例えば、高温環境温度下又は被着体温度下
に対しては、低エネルギー活性で上層を活性化し、低温
環境温度下又は被着体温度下に対しては、高エネルギー
活性で2層以上の感熱性粘着剤層全体を活性化すること
により、広範囲の環境温度又は被着体温度に対して高粘
着を発現できるのである。
【0023】上記熱活性化方法については、詳しくは、
次のとおりである。すなわち、形成される感熱性粘着剤
層が2層のときは、相互に異なっている温度をT1
2、とし、T1>T2である場合、下記式(5)の関係
にある熱エネルギーを付与する。 E1<E2 (5) 〔式(5)中、E1は温度がT2のときに、感熱性粘着剤
層の最大粘着力を発現させるに要する熱エネルギーを示
し、E2は温度がT2のときに、感熱性粘着剤層の最大粘
着力を発現させるに要する熱エネルギーを示す。〕
【0024】形成される感熱性粘着剤層が3層のとき
は、相互に異なっている温度をT1、T2、T3とし、T1
>T2>T3はである場合、下記式(6)の関係にある熱
エネルギーを付与する。 E1<E2<E3 (6) 〔式(6)中、E1は温度がT1のときに、感熱性粘着剤
層の最大粘着力を発現させるに要する熱エネルギーを示
し、E2は温度がT2のときに、感熱性粘着剤層の最大粘
着力を発現させるに要する熱エネルギーを示し、E3
温度がT3のときに、感熱性粘着剤層の最大粘着力を発
現させるに要する熱エネルギーを示す。〕
【0025】本発明においては、形成される感熱性粘着
剤層は2層、3層に限定されるものではなく、それら以
上の数の層を形成してもよい。
【0026】3層を越える層を形成した場合の熱活性化
方法のにおいては、上記2層、3層の場合に準じて熱エ
ネルギーを付与するものである。
【0027】付与する熱エネルギーとしては、上記式
(4)を満足すればよく、特に制限はないが、サーマル
ヘッドによる熱活性化の場合は、好ましくは、0.10
〜2.00mj/dot、より好ましくは、0.20〜
1.00mj/dotである。ここに1dotは、1/
64mm2の面積に定義する又は熱ロール熱風等の静的
な温度による熱活性化方法において、温度の印加時間に
よることなく、好ましくは、50〜300℃、より好ま
しくは、80〜200℃である。光照射、電子線照射等
を熱変換して行う場合の熱活性化方法においても、上記
好ましい条件が採用される。
【0028】環境温度又は被着体温度としては、常に、
1>Tn-(n−2)>Tn-(n−n)を満足すればよく、特
に制限はないが、好ましくは、−50〜120℃、より
好ましくは、−10〜60℃の範囲から選ばれる温度で
ある。
【0029】これら感熱性粘着材料からなる粘着層とし
ては、様々なものが挙げられるが、熱可塑性樹脂と固体
可塑剤とを含有する感熱性粘着剤層が最も活性化エネル
ギーに対応した高粘着力発現に適していることが判明し
た。つまり、熱印加時に固体可塑剤が溶融し、熱可塑性
樹脂内に相溶し、熱可塑性樹脂が可塑化及び軟化状態に
なり粘着力を発現するのであるが、通常は、低温環境下
又は低温被着体に貼り付けるときに、この溶融し液体状
態になった固体可塑剤が固体化又はアモルファス化して
しまい、著しく粘着力が低下してしまうのである。ま
た、低温環境下又は低温被着体で高粘着を発現させる感
熱性粘着材料の不利益の一つとして、常温環境又は常温
被着体以上の環境下での粘着力が低下するという現象が
挙げられる。低温下で熱印加され活性化した粘着層は、
常温環境においては過剰粘着状態となり、必ずしも強度
な粘着状態とはならない。
【0030】この二律背反問題に対して、本発明は、各
環境温度又は被着体温度に対して、最大粘着力を発現す
る活性エネルギーの感熱性粘着剤層を2層以上積層する
ものである。例えば、図2に示すように、低温下で高粘
着を示す感熱性粘着層(T1層)を下層、その温度以上
で高粘着を示す感熱性粘着剤層(T2層)を上層に積層
することにより、低温環境下においては高活性化エネル
ギーで全層を活性化し、高温環境下においては、低活性
化エネルギーで上層のみを活性化し、高範囲環境で高粘
着化を達成するものである。
【0031】また、該感熱性粘着剤層において、下層に
なるにしたがい、過冷却性促進剤の含有量を多くするこ
とによって、固体可塑剤の融点を低下させることによ
り、低温粘着力は向上する。過冷却性促進剤とは、固体
可塑剤の融点を降下させ、融点以下の温度環境において
も液体状態を維持させる材料である。過冷却性促進剤の
融点物性値としては、60〜180℃が好ましい。この
過冷却性促進剤としては、N−ヒドロキシメチルステア
リン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミ
ド等のワックス類、2−ベンジルオキシナフタレンなど
のナフトール誘導体、アセチルビフェニル、p−ベンジ
ルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェ
ニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エ
タン、2,2’−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエ
チルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル
等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジ
(p−メチルベンジル)、シュウ酸ジベンジル、シュウ
酸ジ(p−クロルベンジル)エステル等の炭酸又はシュ
ウ酸ジエステル誘導体等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。中でも、シュウ酸ジベンジル誘導
体が好ましい。
【0032】また、最上層の感熱性粘着剤層中に、ブロ
ッキング防止剤を添加することにより、高温高湿環境に
おけるブロッキングを向上させることができる。ブロッ
キング防止剤として、ワックス、無機フィラー等が挙げ
られる。ワックスとしては、例えば、動植物性ワック
ス、合成ワックス等のワックス類や高級脂肪酸、高級脂
肪酸アミド、高級脂肪酸アニリド、芳香族アミンのアセ
チル化物、パラフィンワックス、木ろう、カルナウバろ
う、シェラック、モンタンろう、酸化パラフィン、ポリ
エチレンワックス、酸化ポリエチレン等が挙げられ、高
級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸等
が、高級脂肪酸アミドとしては、例えば、ステアリン酸
アミド、オレイン酸アミド、N−メチルステアリン酸ア
ミド、エルカ酸アミド、メチロールベヘン酸アミド、メ
チロールステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン
酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等が、高級
脂肪酸アニリドとしては、例えば、ステアリン酸アニリ
ド、リノール酸アニリド等が、芳香族アミンのアセチル
化物としては、例えば、アセトトルイジド等が挙げられ
る。無機フィラーとして、アルミニウム、亜鉛、カルシ
ウム、マグネシウム、バリウム、チタン等の炭酸塩、酸
化物、水酸化物、硫酸塩等及び天然シリカ、ゼオライ
ト、カリオン、焼成カリオン等の粘土類を含む無機系顔
料が挙げられる。ブロッキング防止剤としては、上記に
限定されるものではないが、中でも、特に無機フィラー
が好ましく、さらに、無機フィラーの吸油量が低いもの
が、粘着力の副作用等がきわめて小さいことから、より
好ましいものとなる。
【0033】本発明における感熱性粘着剤層を構成する
熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステル共
重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ア
クリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重
合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エス
テル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレ
ン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−アク
リル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−スチ
レン共重合体、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリ2
−エチルヘキシルアクリレート等の樹脂が挙げられ、感
熱性粘着剤層の熱可塑性樹脂エマルジョンとして、アク
リル酸エステル共重合体を用いると高粘着化を図ること
ができる。特に、その中でも、ポリ2−エチルヘキシル
アクリレートが粘着力を高める樹脂として好ましい。ま
た、熱可塑性樹脂としては、エマルジョンタイプのもの
を用いることにより、製造性、安全性、利便性に優れた
ものとなる。
【0034】さらに、固体可塑剤として、表1に示すフ
ェノール化合物、表2に示すベンゾトリアゾール化合
物、表3、4に示すスルホンアミド化合物が化合物、表
5に示すフタル酸化合物から選ばれる少なくとも1種以
上を、上記ポリ2−エチルヘキシルアクリレートと組み
合わせることにより、ブロッキング性の改善と粘着力の
向上との双方をより相乗的に向上させることができる。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】これら固体可塑剤の中でも、下記式
(1)、(2)又は(3)で表わされる化合物が、粘着
力、ブロッキング性の面から好ましく用いられる。
【化7】
【化8】
【化9】
【0041】さらには、粘着剤層と支持体との間に、中
空粒子を主成分とするアンダー層を設けることにより、
サーマルヘッドから供給される熱エネルギーを高効率に
利用することができ、少ないエネルギーで十分な粘着力
の発現を可能とする。アンダー層に用いる中空粒子は、
アクリル系ポリマーや塩化ビニリデン系ポリマー等の高
分子化合物が挙げられる。
【0042】またさらに、熱可塑性樹脂、液体可塑剤を
含浸させた熱可塑性樹脂、固体可塑剤、過冷却性促進
剤、液体可塑剤を内包したマイクロカプセルのいずれか
1種以上を主成分とするアンダー層を設けることによ
り、低温環境下において、熱可塑性樹脂が軟化状態を維
持しやすくなり、低温粘着力が向上する。本発明におい
ては、感熱性粘着剤層を形成した支持体の反対面に、ロ
イコ染料と顕色剤とを主成分とする感熱記録層が設ける
ことによっても、様々な付加価値が得られる。例えば、
感熱発色層側、感熱粘着剤層側から熱を印加させること
により、粘着活性化と感熱発色を同時に行うことができ
るものとなる。
【0043】本発明の感熱性粘着材料の活性化方法とし
ては、熱風活性化方式、熱ロール活性化方式、サーマル
ヘッド活性化方式等、種々の活性化方式が採用可能であ
るが、上記一般式(4)の関係にある熱エネルギーを通
電時間の変調による活性化方式により、サーマルヘッド
を用いて熱活性化する方法が好ましい。通電時間の変調
による活性化方式とは、サーマルヘッドに与える電流を
一定としながら、通電時間を長短と異にして、そのサー
マルヘッドにより、エネルギーを付与する方式という。
【0044】本発明における感熱性粘着剤層を構成する
液体可塑剤としては、アジピン酸ジオクチル(凝固点=
−70℃)、アジピン酸イソノニル(凝固点=−70
℃)、アジピン酸イソデシル(凝固点=−50℃)、ア
ジピン酸ジ−n−アルキル(凝固点=−6.8℃)、ア
ゼライン酸ビス(2−エチルヘキシル)(凝固点=−6
0℃)、アジピン酸ジブチル(凝固点=−70℃)、ア
ジピン酸ジ−n−ヘキシル(凝固点=−8℃)、セバシ
ン酸ジブチル(凝固点=−9.7℃)、セバシン酸ジ−
2−エチルヘキシル(凝固点=−62℃)、マレイン酸
ジブチル(凝固点=−85℃)、マレイン酸ジ−n−エ
チルヘキシル(凝固点=−60℃)、フマル酸ジブチル
(凝固点=−20.8℃)、リン酸トリクレシル(凝固
点=−30℃)、トリエチルホスフェート(凝固点=−
56.5℃)、トリブチルホスフェート(凝固点=−5
6.5℃)、トリス・(2−エチルヘキシル)ホスフェ
ート(凝固点=−70℃)、トリ(クロロエチル)ホス
フェート(凝固点=−20℃)、トリスジクロロプロピ
ルホスフェート(凝固点=26.8℃)、リン酸トリブ
トキシエチル(凝固点=−70℃)、トリス(β−クロ
ロプロピル)ホスフェート、トリフェニルフォスフェー
ト(凝固点=49℃)、リン酸トリス(イソプロピルフ
ェニル)(凝固点=−20℃)、オクチルジフェニルホ
ヅフェート(凝固点=−35℃)、クレジルジフェニル
ホスフェート(凝固点=−30℃)、アセチルクエン酸
トリエチル(凝固点=−45℃)、アセチルクエン酸ト
リブチル(凝固点=−80℃)、フタル酸ブチルベンジ
ル(凝固点=−40℃)、フタル酸ジ−n−ブチル(凝
固点=−35℃)、フタル酸ジメチル(凝固点=0
℃)、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル(凝固点=
−5℃)、フタル酸ジヘプチル(凝固点=−46℃)、
フタル酸ジオクチル(凝固点=−55℃)、フタル酸ジ
イシノニル(凝固点=−45℃)、フタル酸ジイシデシ
ル(凝固点=−45℃)、フタル酸ジトリデシル(凝固
点=−21℃)等が挙げられるが、必ずしもこれらに限
定されるものではない。
【0045】本発明に係る感熱性粘着剤層には、粘着力
を向上するために、粘着付与剤を添加することができ
る。この粘着付与剤の具体例としては、テルペン樹脂、
脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロン−イン
デン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン
フェノール樹脂、ロジン誘導体樹脂等が挙げられる。こ
れら粘着付与剤は、重量基準で熱可塑性樹脂エマルジョ
ン100部に対し200部以下、好ましくは、20〜1
50部の範囲で混合して用いられる。粘着付与剤の添加
量が、200部を越えるとブロッキングを生じ易くなる
ので好ましくない。
【0046】本発明に係る感熱性粘着剤層には、感熱性
粘着剤層と支持体との接着又は感熱性粘着剤層内の凝集
力を高める目的で、水性高分子バインダー、例えば、ポ
リビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酸化澱粉、エー
テル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼ
ラチン、アルギン酸ソーダ等を添加することができる。
この水性高分子バインダーの添加量は、感熱性粘着シー
トの本来の粘着力を損なわない範囲で添加され、通常
は、重量基準で感熱性粘着剤層全固形分に対し30%以
下、好ましくは10%以下である。
【0047】本発明に係る感熱性粘着剤層には、上記成
分の外に必要に応じて、硬膜剤、防腐剤、染料、顕色
剤、増感剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調節剤、
消泡剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0048】本発明の感熱性粘着材料においては、感熱
記録層が形成されていてもよい。本発明に用いる感熱記
録層の感熱記録用ロイコ染料、顕色剤に関しては、一般
に感熱記録用紙に用いられているものであれば、特に制
限されない。塩基性ロイコ染料の具体例としては、例え
ば、フルオラン系化合物、トリアリールメタン系化合
物、スピロ系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チア
ジン系化合物、ラクタム系化合物、フルオレン系化合物
等が挙げられるが、それらの吸収スペクトルの特性が5
50〜1000nm間に少なくとも1個以上の極大吸収
波長を有するものが好ましい。
【0049】これらのうち、フルオラン系化合物として
は、例えば、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シク
ロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソ
ブチル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−[N−エチル−N−(3−エトキシ
プロピル)アミノ]−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−
メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロ
フリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロ
ロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−(p−フルオロアニリノ)フルオラン、3−
(p−トルイジノエチルアミノ)−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−
7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3
−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−エトキシエチル
アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−
7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フ
ェニルフルオラン、3−(p−トルイジノエチルアミ
ノ)−6−メチル−7−フェネチルフルオラン等が挙げ
られる。
【0050】また、トリールメタン系化合物としては、
例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)
−6−ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイ
オレットラクトン又はCVL)、3,3−ビス(p−ジ
メチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチル
アミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルアミノイン
ドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミ
ノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イ
ル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−
3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イ
ル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス
(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメ
チルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバ
ゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、
3,3−(2−フェニルインドール−3−イル)−5−
ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェ
ニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジ
メチルアミノフタリド等が挙げられる。
【0051】さらに、スピロ系化合物としては、例え
ば、3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピ
ロジナフトピラン、3,3’−ジクロロスピロジナフト
ピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−プロ
ピルスピロベンゾピラン、3−メチルナフト−(3−メ
トキシベンゾ)スピロピラン、1,3,3−トリメチル
−6−ニトロ−8’−メトキシスピロ(インドリン−
2,2’−ベンゾピラン)等が、ジフェニルメタン系化
合物としては、例えば、N−ハロフェニル−ロイコオー
ラミン、4,4−ビス−ジメチルアミノフェニルベンズ
ヒドリルベンジルエーテル、N−2,4,5−トリクロ
ロフェニルロイコオーラミン等が、チアジン系化合物と
しては、例えば、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p
−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等が、ラクタ
ム系化合物としては、例えば、ローダミンBアニリノラ
クタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム等
が、フルオレン系化合物としては、例えば、3,6−ビ
ス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−
6’−ジメチルアミノフタリド、3,6−ビス(ジメチ
ルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ピロ
リジノフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジエチルア
ミノフルオレンスピロ(9,3’)−6’−ピロリジノ
フタリド等が挙げられる。
【0052】また、カラー塩基性ロイコ染料として3−
ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3
−ジエチルアミノ−ベンゾ[α]フルオラン、3−ジブ
チルアミノ−ベンゾ[α]フルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−メチルフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル
アミノ−ベンゾ[α]フルオラン、3−N−エチル−N
−p−メチルフェニルアミノ−7−メチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3
−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラ
ン、3,6−ビス(ジエチルアミノフルオラン)−γ−
(4’−ニトロ)アニリノラクタム、ビス(1−n−ブ
チル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、ビ
ス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フ
タリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−
(1−エチル−2−メチルインドリル−3−イル)フタ
リド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−3−(1−エチル−2−メチルインドリル−3−
イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ
フェニル)−3−(1−メチル−2−メチルインドリル
−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2
−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルイ
ンドリル−3−イル)フタリド、3、3―ビス(4−ジ
メチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリ
ド、3、7―ビス(4−ジメチルアミノ)−10−ベン
ゾリルフェノチアジン、3、3―ビス(4−ジエチルア
ミノ−6−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3
−ジエチルアミノ−7−ジアニリノフルオラン、3−N
−エチル−N−4−メチルフェニルアミノ−7−N−メ
チルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N
−ジベンジルアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフ
ルオラン、3,6−ジブトキシフルオラン、3’−メト
キシ−4’−ラノキシフェニル−2−シチリルキノリ
ン、2’、4’−ジオクトクシフェニル−2−シチリル
キノリン等が挙げられる。
【0053】顕色剤としては、一般に感圧記録紙や感熱
記録紙に用いられているものであればよく、特に制限さ
れないが、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、α−ナフトール、β−ナフトール、p−
オクチルフェノール、4−t−オクチルフェノール、p
−t−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、
1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(別
名:ビスフェノールA又はBPA)、2,2−ビス(p
−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(p−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−チオビ
スフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノ
ール、2,2’−(2,5−ジブロム−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、4,4−イソプロピリデンビス
(2−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビ
ス(4−クロロフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、、4−ヒドロキシ−4’−メトキ
シジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−エトキ
シジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプ
ロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−
ブトキシジフェニルスルホン、ビス−(4−ヒドロキシ
フェニル)酢酸メチル、ビス−(4−ヒドロキシフェニ
ル)酢酸ブチル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢
酸ベンジル、2,4−ジヒドロキシ−2’−メトキシベ
ンズアニリド等のフェノール性化合物、p−ヒドロキシ
安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、4
−ヒドロキシフタル酸ジベンジル、4−ヒドロキシフタ
ル酸ジメチル、5−ヒドロキシイソフタル酸エチル、
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−
メチルベンジルサリチル酸等の芳香族カルボン酸誘導
体、芳香族カルボン酸又はその金属塩等が挙げられる。
【0054】本発明における感熱記録層において使用さ
れるバインダーとしては、澱粉類、ヒドロキシエチルセ
ルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイ
ン、ゼラチンなどのプロテイン、酸化澱粉、エステル化
合物澱粉等のサッカロースの水性天然高分子化合物、ポ
リビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソ
ーダ、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合
体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリ
ル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体
のアルカリ塩、ラテックス、ポリアクリルアミド、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体等の水溶性合成高分子化
合物やラテックス類、エチレン−無水マレイン酸共重合
体のアルカリ塩等の水溶性接着樹脂、ポリ酢酸ビニル、
ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン−ブ
タジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体等のラテックス等が挙げられ
る。
【0055】また、感熱記録層の感度をさらに向上させ
るために、増感剤として、N−ヒドロキシメチルステア
リン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミ
ド等のワックス類、2−ベンジルオキシナフタレン等の
ナフトール誘導体、アセチルビフェニル、p−ベンジル
ビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェニ
ル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタ
ン、2,2’−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチ
ルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテルな
どのポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジ
ベンジル、シュウ酸ジ(p−クロルベンジル)エステル
等の炭酸又はシュウ酸ジエステル誘導体等を挙げること
ができる。
【0056】感熱記録層に使用される顔料としては、ケ
イソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸
化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂
等が挙げられる。感熱記録層の下部、すなわち支持体の
上に、感熱発色性を向上させ、印字によるカスを防止す
るための中間層を設けること又は感熱記録層の上に、発
色汚れや耐水性等を付与する目的で保護層を設けること
も可能である。
【0057】本発明に係る支持体に好ましく用いられる
原紙は、木材パルプと填料を主成分として構成される。
木材パルプとしては、LBKP、NBKP等の化学パル
プ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CM
P、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の
パルプを含み、必要に応じて、従来公知の顔料、バイン
ダー、サイズ剤、定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化
剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上混合し、長網
抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の各種装置
により製造が可能であり、酸性、中性、アルカリ性で抄
造できる。また、該原紙は、金属ロールと合成樹脂ロー
ルからなるカレンダー装置をオンマシン処理してもよ
い。その際、オフマシン処理してもよく、処理後に、さ
らにマシンカレンダー、スーパーカレンダー等でカレン
ダー処理を施して平坦性を制御してもよい。
【0058】原紙に含まれる填料としては、例えば、軽
質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タ
ルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、
酸化亜鉛、硫化亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウ
ム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、
合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポ
ン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウ
ムのような白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグ
メント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチ
レン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のよ
うな有機顔料等が挙げられる。
【0059】感熱記録層、中間層、保護層を設ける塗工
方法として、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビ
アオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイ
フ塗工法、エアナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ
塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイク
ログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本又は5
本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工
法、スライド塗工法、ダイ塗工法等、公知の塗工方法が
採用可能である。
【0060】本発明の感熱性粘着材料の貼付方法は、感
熱性粘着剤層面に熱活性化させて粘着力を発現させ、こ
の粘着力を発現させた感熱性粘着材料を被着体に貼り付
けることによってなされる方法である。被着体として
は、特に制限はないが、ポリオレフィン樹脂が好まし
い。
【0061】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例によってなんら限ら
れるものではない。なお、「部」及び「%」は、いずれ
も重量基準である。また、塗工量を示す値は断わりのな
い限り乾燥後の塗工量である。
【0062】実施例1 〔固体可塑剤分散液(A液)の調製〕固体可塑剤として
化合物30(融点73℃)を100部に、分散剤として
ポリビニルアルコール10%水溶液100重量部と水2
00部を均一に混合して、ボールミルを用いて平均粒子
径1.0μmになるまで粉砕し、固体可塑剤分散液(A
液)を調製した。
【0063】〔過冷却性促進剤分散液(B液)の調製]
過冷却性促進剤してアセチルビフェニルを100部に、
分散剤としてポリビニルアルコール10%水溶液100
部と水300部を均等に混合して、ボールミルを用いて
平均粒子径が1.0μmになるまで粉砕し、過冷却性促
進剤分散液(B液)を調製した。
【0064】〔第一層感熱性粘着剤層塗液(C1液)の
調製〕固体可塑剤分散液(A液)を400部に、熱可塑
性樹脂エマルジョンとして固形分50%の天然ゴムエマ
ルジョン(平均粒子径0.68μm、ガラス転移点−4
0℃、平均分子量45万)100部と、粘着付与剤とし
てテルペンフェノール50%分散液50部と過冷却性促
進剤分散液(B液)130部を混合して、感熱性粘着剤
層塗液(C1液)を調製した。
【0065】〔第二層感熱性粘着剤層塗液(C2液)の
調製〕固体可塑剤分散液(A液)を400部に、熱可塑
性樹脂エマルジョンとして固形分50%の天然ゴムエマ
ルジョン(平均粒子径0.68μm、ガラス転移点−4
0℃、平均分子量45万)100部と、粘着付与剤とし
てテルペンフェノール50%分散液50部を混合して、
感熱性粘着剤層塗液(C2液)を調製した。
【0066】〔染料分散液(D液)の調製〕3−ジブチ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン1.0
部とポリビニルアルコール10%水溶液1.0部と水
2.0部の処方比率からなる混合物を、サンドグライン
ダーを用いて平均粒径が0.7〜1.0μmになるよう
に粉砕、分散化して(D液)を調製した。
【0067】〔顕色剤液(E液)の調製〕4−ヒドロキ
シ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン3.0部
とシリカ1.0部とポリビニルアルコール10%水溶液
4.0部と水10.0部の処方比率からなる混合物を、
サンドグラインダーを用いて平均粒径が3μm以下にな
るように粉砕、分散化して(E液)を調製した。
【0068】〔感熱液(F液)の調製〕上記染料分散液
(D液)4.0部と顕色剤液(E液)を18.0部と水
3.0部の処方比率からなる混合液を、十分に攪拌して
感熱液(F液)を調製した。
【0069】〔シリカ分散液(G液)の調製〕シリカを
1.0部とポリビニルアルコール10%水溶液1.0部
と水2.0部の処方比率からなる混合物を、サンドグラ
インダーを用いて平均粒径が3.0μm以下になるよう
に粉砕、分散化して(G液)を調製した。
【0070】〔保護層液(H液)の調製〕上記シリカ分
散液(G液)を4.0部、ポリビニルアルコール10%
水溶液10.0部、ステアリン酸亜鉛30%分散液(中
京油脂製Z−730)を1.0部、ポリアミドエピクロ
ルヒドリンの12.5%溶解液3.2部及び水5.8部
の処方比率からなる混合液を、十分に攪拌して保護層液
(H液)を調製した。
【0071】〔感熱性粘着材料の作製〕支持体の片面
に、ワイヤーバーを用いて感熱液(F液)を、坪量50
g/m2の上質紙に染料重量が約0.5g/m2及び保護
層液(H液)が乾燥重量3.5g/m2となるように順
次、塗布、乾燥して、キャレンダー処理を行い、表面を
王研式平滑度計で2000sとした。さらに、その裏面
に感熱性粘着剤層塗液の調製で作製した第一層感熱性粘
着剤層塗液(C1液)を乾燥重量が20g/m2になる
ように塗工し、さらに、その上に第二層感熱性粘着剤層
塗液(C2液)を乾燥重量が5g/m2になるように塗
工、乾燥して、本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0072】実施例2 実施例1において用いた第一層感熱性粘着剤層塗液(C
1液)130部を260部に変更した以外は、実施例1
と同様にして感熱性粘着材料を得た。
【0073】実施例3 実施例2において用いた第一層感熱性粘着剤塗液(C1
液)中の過冷却性促進剤をアセチルビフェニルをシュウ
酸ジベンジルに変更した以外は、実施例2と同様にして
感熱性粘着材料を得た。
【0074】実施例4 〔無機フィラー分散液(I液)の調製〕無機フィラーと
して水酸化アルミニウムを100部に、分散剤としてポ
リビニルアルコール10%水溶液100部と水200部
を均一に混合して、ボールミルを用いて平均粒子径1.
0μmになるまで粉砕し、無機フィラー分散液(I液)
を調製した。実施例3において用いた第二層感熱性粘着
剤塗液(C2液)に対して、無機フィラー分散液(I
液)を100部を追加した以外は、実施例3と同様にし
て感熱性粘着材料を得た。
【0075】実施例5 実施例4において用いた第一感熱性粘着層と第二感熱性
粘着層中に用いられている熱可塑性樹脂エマルジョンで
ある固形分50%の天然ゴムエマルジョン(平均粒子径
0.68μm、ガラス転移点−40℃、平均分子量45
万)を2−エチルヘキシルアクリレートを主成分とする
固形分50%の熱可塑性樹脂エマルジョン(平均粒子径
0.45μm、ガラス転移点−60℃、平均分子量25
万)に変更し、同様に固体可塑剤を表1に示す化合物1
に変更した以外は実施例4と同様にして感熱性粘着材料
を得た。
【0076】実施例6 〔アンダー液(J液)の調製〕中空粒子エマルジョン
(中空率50%、固形分25%)4.0部とスチレンブ
タジエンラテックス(固形分50%)0.4部とポリビ
ニルアルコール(固形分10%水溶液)1.0部及び水
1.1部を、十分に混合してアンダー液(J液)を調製
した。実施例5の第一層感熱性粘着剤層と支持体との間
に、アンダー液(J液)を乾燥重量が3g/m2になる
ように塗工、乾燥した以外は、実施例5と同様にして本
発明の感熱性粘着材料を得た。
【0077】実施例7 実施例6において用いたアンダー液(J液)に代えて、
熱可塑性樹脂である2−エチルヘキシルアクリレートエ
マルジョン(平均粒子径0.45μm、ガラス転移点−
60℃、平均分子量25万)を乾燥重量が3g/m2
なるように塗工乾燥した以外は実施例6と同様にして感
熱性粘着材料を得た。
【0078】実施例8 実施例6において用いたアンダー液(J液)に代えて、
ポリ2−エチルヘキシルアクリレート粒子の5%のDO
Aを複合させた樹脂エマルジョン(平均粒子径0.45
μm、ガラス転移点−60℃、平均分子量25万)を乾
燥重量が3g/m2になるように塗工乾燥した以外は実
施例6と同様にして感熱性粘着材料を得た。
【0079】実施例9 実施例6において用いたアンダー液(J液)に代えて、
固体可塑剤分散液(A液)を乾燥重量が3g/m2にな
るように塗工、乾燥した以外は、実施例6と同様にして
感熱性粘着材料を得た。
【0080】実施例10 実施例6において用いたアンダー液(J液)に代えて、
実施例3で用いた過冷却性促進剤であるシュウ酸ジベン
ジルを乾燥重量が3g/m2になるように塗工、乾燥し
た以外は実施例6と同様にして感熱性粘着材料を得た。
【0081】実施例11 実施例6において用いたアンダー液(J液)に代えて、
液体可塑剤アジピン酸ジオクチル内包マイクロカプセル
(DOA:シェル=8:2、シェル=ポリウレタン、平
均粒子径1.0μm) を乾燥重量が3g/m2になる
ように塗工、乾燥した以外は、実施例6と同様にして本
発明の感熱性粘着材料を得た。
【0082】比較例1 実施例1において用いた第二層感熱性粘着剤塗液(C2
液)を乾燥重量が12g/m2になるように塗工、乾燥
した以外は、実施例1と同様にして感熱性粘着材料を得
た。
【0083】比較例2 実施例1において用いた第一層感熱性粘着剤塗液(C1
液)を乾燥重量が12g/m2になるように塗工、乾燥
した以外は、実施例1と同様にして感熱性粘着材料を得
た。
【0084】このようにして得られた感熱性粘着材料に
ついて、ポリオレフィン及びポリ塩化ビラップに対する
粘着性及び感熱記録層面とのブロッキング性を、以下の
試験方法により評価した。 <粘着性=5℃/15%温度環境(=被着体温度)> 感熱性粘着材料を、4.0cm×9.0cmの長方形に
カットし、大倉電気製感熱印字装置TH−PMDを用い
て、ヘッド条件0.54mJ/dot、印字スピード4
ms/line、プラテン圧6kgf/lineの条件
にて感熱性粘着層を熱活性化させた。次いで、被着体
(ポリオレフィンラップ)に加圧2kgのゴムローラー
で長手方向に貼り付けて、1分後に剥離角度180℃、
剥離速度300mm/minの条件で剥離させた。その
ときの粘着力の抵抗値を数値で示した。単位は、gf/
40mmである。 <粘着性=30℃/65%温度環境(=被着体温度)> 感熱性粘着材料を、4.0cm×9.0cmの長方形に
カットし、大倉電気製感熱印字装置TH−PMDを用い
て、ヘッド条件0.23mJ/dot、印字スピード4
ms/line、プラテン圧6kgf/lineの条件
にて感熱性粘着層を熱活性化させた。次いで、被着体
(ポリオレフィンラップ)に加圧2kgのゴムローラー
で長手方向に貼り付けて、1分後に剥離角度180℃、
剥離速度300mm/minの条件で剥離させた。その
ときの粘着力の抵抗値を数値で示した。単位は、gf/
40mmである。
【0085】<ブロッキング性>同一サンプルの感熱記
録層の保護層面と感熱性粘着剤層面とを接触させ、2k
g/cm2の圧力で、50℃、Dry条件下、24時間
試験した後、室温で放置後サンプルを剥した。そのとき
のブロッキング性を表6に示すランクで評価した。
【0086】
【表6】 これらの結果を表7に示す。
【0087】
【表7】
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、低温から高温の広範な
温度環境下、ポリオレフィンへの良好な粘着力を有し、
活性化前の保存において優れたブロッキング性を有する
感熱性粘着材料、その熱活性化方法及び感熱性粘着材料
の貼付方法が提供され、感熱性粘着剤、粘着シートの設
計、製作分野に寄与するところはきわめて大きいもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱性粘着材料の粘着力と温度の関係
の1例を示す図である。
【図2】本発明の感熱性粘着材料の粘着力と活性化エネ
ルギーの関係を示す図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA07 AA09 AA10 AA14 AA17 AA18 AB01 AB03 CA02 CB02 CC02 CE01 FA01 GA01 4J040 BA182 BA192 CA051 CA061 CA111 DA022 DA031 DA152 DB041 DC031 DE021 DF041 DF051 DF081 EF001 GA01 GA03 GA07 GA13 HA136 HA196 HA256 HA306 HA356 HB03 HB16 HB19 HB25 HB30 HB32 HB34 HB37 HB40 HC11 HC25 HD17 HD24 JA09 JB01 JB09 KA02 KA05 KA31 KA35 KA42 LA08 MA11 PA30

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、2層以上の感熱性粘着剤層
    を形成すると共に、各層の最大粘着力を発現させる温度
    が相互に異なっていることを特徴とする感熱性粘着材
    料。
  2. 【請求項2】 該相互に異なっている温度が、感熱性粘
    着材料の環境温度もしくは感熱性粘着材料を被着体に貼
    付するときの被着体温度である場合又は該環境温度と該
    被着体温度である場合である請求項1に記載の感熱性粘
    着材料。
  3. 【請求項3】 該感熱性粘着剤層が、熱可塑性樹脂と固
    体可塑剤とを含有するものである請求項1又は2に記載
    の感熱性粘着材料。
  4. 【請求項4】 該熱可塑性樹脂が、ポリ2−エチルヘキ
    シルアクリレートであり、該固体可塑剤が、下記式
    (1)、(2)又は(3)で表される化合物である請求
    項3に記載の感熱性粘着材料。 【化1】 【化2】 【化3】
  5. 【請求項5】 該感熱性粘着剤層が、過冷却性促進剤を
    含有するものであって、下層になるにしたがい、該過冷
    却性促進剤の含有量を多くすることにより、該固体可塑
    剤の融点を低下させるものである請求項3又は4に記載
    の感熱性粘着材料。
  6. 【請求項6】 最上層の感熱性粘着剤層が、ブロッキン
    グ防止剤を含有するものである請求項1〜5のいずれか
    に記載の感熱性粘着材料。
  7. 【請求項7】 該感熱性粘着剤層を形成した支持体の反
    対面に、ロイコ染料と顕色剤とを主成分とする感熱記録
    層を設けたものである請求項1〜6のいずれかに記載の
    感熱性粘着材料。
  8. 【請求項8】 該感熱性粘着剤層と支持体との間に、中
    空粒子、熱可塑性樹脂、液体可塑剤を含浸させた熱可塑
    性樹脂、固体可塑剤、過冷却性促進剤及び液体可塑剤を
    内包したマイクロカプセルから選ばれた1種以上を主成
    分とするアンダー層を設けたものである請求項1〜7の
    いずれかに記載の感熱性粘着材料。
  9. 【請求項9】 形成される感熱性粘着剤層の数がnであ
    るとき、順次、相互に異なっている温度をT1、T
    n-(n-2)、Tn-(n−n)とし、順次、T1>Tn-( n-2)
    >Tn-(n−n)である場合、下記式(4)の関係にある
    熱エネルギーを付与することを特徴とする請求項1〜8
    のいずれかに記載の感熱性粘着材料の熱活性化方法。 E1<En-(n-2)<En-(n−n) (4) 〔式(4)中、順次、E1は温度がT1のときに、感熱性
    粘着剤層の最大粘着力を発現させるに要する熱エネルギ
    ーを示し、En-(n-2)は温度がTn-(n−2)のときに、
    感熱性粘着剤層の最大粘着力を発現させるに要する熱エ
    ネルギーを示し、En-(n−n)は温度がTn-(n−n)
    ときに、感熱性粘着剤層の最大粘着力を発現させるに要
    する熱エネルギーを示す。〕
  10. 【請求項10】 該熱エネルギーの付与が、感熱性粘着
    材料の活性化媒体としてサーマルヘッドを用い、かつ通
    電時間の変調による活性化方式によるものである請求項
    9又は10に記載の感熱性粘着材料の熱活性化方法。
  11. 【請求項11】 感熱性粘着剤層面に、請求項9〜11
    のいずれかに記載の熱活性化方法により熱活性化させて
    粘着力を発現させ、該粘着力を発現させた感熱性粘着材
    料を被着体に貼り付けることを特徴とする請求項1〜8
    のいずれかに記載の感熱性粘着材料の貼付方法。
  12. 【請求項12】 該被着体が、ポリオレフィン樹脂であ
    る請求項11に記載の感熱性粘着材料の貼付方法。
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