JPH11269440A - 感熱性粘着シートおよび感熱性粘着型感熱記録シート - Google Patents

感熱性粘着シートおよび感熱性粘着型感熱記録シート

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JPH11269440A
JPH11269440A JP7732698A JP7732698A JPH11269440A JP H11269440 A JPH11269440 A JP H11269440A JP 7732698 A JP7732698 A JP 7732698A JP 7732698 A JP7732698 A JP 7732698A JP H11269440 A JPH11269440 A JP H11269440A
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JP
Japan
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heat
sensitive adhesive
adhesive layer
sensitive
melting point
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JP7732698A
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English (en)
Inventor
Katsuaki Arai
克明 新井
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐ブロッキング性に優れ接着性の良好な感熱性
粘着シートを提供する。 【解決手段】支持体の片面に、融点が70℃以下の固体
可塑剤を含有する第1の感熱性粘着剤層、融点が70℃
よりも高い固体可塑剤を含有する第2の感熱性粘着剤層
を順次積層した構成とすることにより、接着性が良好で
耐ブロッキング性を向上させることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温では非粘着性
であるが加熱により粘着性が発現し、しかも粘着性発現
後も粘着性が持続する感熱性粘着シートに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、ラベル用記録シートを、価格表示
用ラベル、商品表示(バーコード)用ラベル、品質表示
用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣伝用ラベル(ステ
ッカー)等のラベル用途として使用することが増加して
いる。その記録方式もインクジェット記録方式、感熱記
録方式、感圧記録方式等様々な方式がある。従来よりラ
ベルの情報記録面とは反対面に、粘着剤層と剥離紙を積
層した構成の一般的な粘着シートが、貼り合わせ時に剥
離紙を剥がし加圧のみで簡便に貼り合わせることのでき
るため広く使用されている。しかし、一般的な構成の粘
着シートは、剥離紙を剥離して使用するが、剥離された
剥離紙は回収されて再利用され難く、ほとんどの場合廃
棄処分されている。また、いわゆる粘着剤層はタックを
もっており、剥離紙を剥がした後の取り扱いが非常に難
しく、被着体に不用意に貼り付けてしまったときに貼り
直すために粘着シートを剥がそうとすると、粘着シート
がカールしたりしわが入ったりし、最悪の場合にはシー
トが破れるという問題があった。近年では、常温では粘
着性を示さず剥離紙を必要としない感熱性粘着シートが
注目されている。
【0003】感熱性粘着剤は、固体可塑剤および熱可塑
性樹脂を必須成分とし、これらに粘着付与剤等を混合し
たもので、これらの混合物を支持体上の印刷面の反対面
に塗工することにより感熱性粘着シートが得られる。感
熱性粘着シートの粘着層表面は、常温では全く粘着性を
示さないが、加熱することにより粘着性が発現し、熱源
を取り去った後でも暫くの間粘着性を維持するものであ
り、加熱によりまず固体可塑剤が融解し、熱可塑性樹脂
と粘着付与剤を溶解することにより粘着性が発現すると
考えられている。感熱性粘着シートは、前記の一般的な
粘着シートのように剥離紙を使用しないため、省資源、
環境問題の点から有利である。更に、被着体に接触させ
てから感熱性粘着シートを加熱すれば接着できるため、
貼付ミスを防止できる。
【0004】このような利点を有する感熱性粘着シート
であっても、従来のものには問題点を有するものもあっ
た。その問題点の1つとして、ブロッキングが挙げられ
る。ブロッキングは、粘着を意図しないにも拘わらず粘
着性を発現してしまう現象であり、常温よりも高い温度
雰囲気下に長時間曝された場合等に誘発することがあ
る。ロール状態またはそれを枚葉に裁断して積み重ねた
状態のいずれの場合においても、一たびブロッキングを
誘発すれば、感熱性粘着剤層と外面(支持体を挟んで感
熱性粘着剤層と反対面)とが接着し、紙送りに支障をき
たすのみならず、外面の印刷にも悪影響を与えることに
なる。
【0005】従来の感熱性粘着シートに用いられている
固体可塑剤としては、フタル酸ジエステル及びカテコー
ルジエステルなどの融点が約40〜130℃の範囲の各
種エステル系化合物が挙げられるが、従来の感熱性粘着
シート用固体可塑剤として最も汎用されているフタル酸
ジシクロヘキシルを例にとって説明すると、この融点は
64℃であるにも拘わらず、この固体可塑剤を用いて作
製された感熱性粘着シートは、約50℃の雰囲気下に保
存することにより粘着性が発現する現象が観察される。
【0006】そこで、ブロッキングを防止する手段とし
て、感熱性粘着剤中に滑性のあるワックスを配合する方
法(特公昭62−21835号公報)、無機物を添加あ
るいは混合させる方法(特開平2−282050号公
報)、固体可塑剤の表面を無機化合物やコロイド粒子で
保護し、固体可塑剤の軟化を抑制することでブロッキン
グを防止する方法(特開平6−57223号公報、特開
平6−100847号公報、特開平6−100848号
公報)等が開示されている。しかし、ワックスを配合す
るとブロッキング防止効果が不十分であるばかりか、逆
に粘着性の低下をもたらす。通常の無機物の添加だけで
は耐ブロッキング性が不十分である。固体可塑剤の表面
を無機化合物やコロイド粒子で保護すると、固体可塑剤
の溶融、拡散に時間がかかり、感熱性粘着剤の粘着性が
現れにくく、接着性能が低下する等の問題を生じ、実用
上不十分である。また、高融点の可塑剤を用いることに
よりブロッキングは改良されるが、粘着力の著しい低下
をもたらす等の副作用が生じ、実際にはブロッキングが
起こらないような低温度条件下で輸送、保管されている
のが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明が解決
しようとする課題は、接着機能を低下させることなく、
耐ブロッキング性を向上した感熱性粘着シートを提供す
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、感熱性粘着
シートについて種々の研究を重ねた結果、支持体上に融
点が70℃以下の固体可塑剤を含有する第1の感熱性粘
着剤層、融点が70℃よりも高い固体可塑剤を含有する
第2の感熱性粘着剤層を順次設けることにより、接着機
能を低下させることなく、耐ブロッキング性を向上させ
ることが可能であることを見いだした。つまり、こうし
た構成にすることにより、融点が70℃以下の固体可塑
剤を含有する第1の感熱性粘着剤層が有する優れた接着
性能と、融点が70℃よりも高い固体可塑剤を含有する
第2の感熱性粘着剤層が有する優れた耐ブロッキング性
を併せ持たせることが可能となる。
【0009】すなわち、本発明は、支持体の片面に、融
点が70℃以下の固体可塑剤を含有する第1の感熱性粘
着剤層、融点が70℃よりも高い固体可塑剤を含有する
第2の感熱性粘着剤層を順次積層した構造を有する感熱
性粘着シートの発明である。
【0010】さらに、第2の感熱性粘着剤層にガラス転
移温度が−50℃以上25℃以下である熱可塑性樹脂を
含有するの感熱性粘着シートの発明である。
【0011】さらに、支持体の一方の面に感熱記録層を
設け、反対面に融点が70℃以下の固体可塑剤を含有す
る第1の感熱性粘着剤層、融点が70℃よりも高い固体
可塑剤を含有する第2の感熱性粘着剤層を順次積層した
感熱性粘着型感熱記録シートの発明である。
【0012】さらに、第2の感熱性粘着剤層にガラス転
移温度が−50℃以上25℃以下である熱可塑性樹脂を
含有する感熱性粘着型感熱記録シートの発明である。
【0013】さらには、感熱記録層の最低発色温度が、
第1の感熱性粘着剤層と第2の感熱性粘着剤層を併せた
2層の感熱性粘着剤層が接着性を発現する最低温度より
も20℃以上高い感熱性粘着型感熱記録シートの発明で
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の感熱性粘着シー
トについて詳細に説明する。本発明の感熱性粘着シート
は、支持体の片面に、融点が70℃以下の固体可塑剤を
含有する第1の感熱性粘着剤層、融点が70℃よりも高
い固体可塑剤を含有する第2の感熱性粘着剤層を順次積
層したことを特徴とする感熱性粘着シートである。
【0015】本発明に係わる感熱性粘着剤層は、少なく
とも固体可塑剤と熱可塑性樹脂から構成される。第1の
感熱性粘着剤層を構成する固体可塑剤は融点が70℃以
下のものであれば何ら制限するものではない。例えば、
フタル酸ジヘキシル(融点65℃)、フタル酸ジシクロ
ヘキシル(融点64℃)、フタル酸ジヒドロアビエチル
(融点65℃)、イソフタル酸ジメチル(融点66〜6
7℃)、クエン酸トリシクロヘキシル(融点57℃)、
二安息香酸エチレングリコール(融点70℃)、カテコ
ールジパルミテート(融点58℃)、カテコールジステ
アレート(融点68℃)等のカテコール誘導体、チオビ
ス〔エチレン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕(融点63℃)等の
ヒンダードフェノール系化合物等の融点が約40〜70
℃の範囲の各種エステル系化合物が挙げられる。これら
の化合物は単独または複数を組み合わせて用いられる。
【0016】固体可塑剤は、加熱時に融点以上で融解し
熱可塑性樹脂を可塑化することにより、感熱性粘着剤と
して粘着性を発現するが、粘着性の持続時間は固体可塑
剤の種類によって異なる。融点が70℃以下の固体可塑
剤としては、粘着性の持続時間が長いということからフ
タル酸ジシクロへキシルを使用することが好ましい。
【0017】本発明における第2の感熱性粘着剤層を構
成する固体可塑剤は融点が70℃よりも高いものであれ
ば何ら制限するものではない。例えば、フタル酸ジフェ
ニル(融点73℃)、N−シクロへキシル−p−トルエ
ンスルホンアミド(融点86℃)、安息香酸スクロース
(融点98℃)、三安息香酸トリメチロールエタン(融
点73℃)、四安息香酸ペンタエリトリット(融点95
℃)、八酢酸スクロース(融点89℃)、カテコールジ
ベンゾエート(融点86℃)等、更には、トリエチレン
グリコールビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕(融点77
℃)、1,6−ヘキサンジオールビス〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕(融点103℃)等のヒンダードフェノール系化
合物、2−[5′−(1″,1″,3″,3″−テトラ
メチルブチル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾト
リアゾール(融点103℃)、2−[5′−(1″,
1″,2″,3″−テトラメチルブチル)−2′−ヒド
ロキシフェニル]ベンゾトリアゾール(融点103
℃)、2−[3′,5′−ジ−(2″,2″−ジメチル
プロピル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリア
ゾール(融点80℃)、2−(3′−t−ブチル−5′
−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾール(融点138℃)等のトリアゾール系
化合物等が挙げられる。これらの化合物のうち、加熱後
の粘着性の持続時間が長く経時での接着安定性という点
から、ヒンダードフェノール系化合物およびトリアゾー
ル系化合物を使用するのが好ましい。これらの化合物は
単独または複数を組み合わせて用いられる。
【0018】これらの固体可塑剤および化合物は、ボー
ルミル、サンドミル、ペイントシェイカー、ダイノミ
ル、アトライター、ヘンチェルミキサー等の湿式もしく
は乾式の粉砕機により微粒化され水分散液として用いら
れるが、従来公知の方法でマイクロカプセル化して使用
することも可能である。固体可塑剤の粒径は10μm以
下が好ましく、より好ましくは5μm以下であるが、実
用上からは1〜2μmである。
【0019】感熱性粘着剤層を構成する熱可塑性樹脂の
種類としては、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、
スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリル酸
エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重
合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化
ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−スチレン共重
合体、ポリブタジエン、ポリウレタン等の樹脂が挙げら
れる。これらは単独または複数を組み合わせて用いられ
る。
【0020】第1の感熱性粘着剤層を構成する熱可塑性
樹脂は、ガラス転移温度が50℃以下であることが好ま
しく、より好ましくは30℃以下である。ガラス転移温
度が50℃を超えると加熱したときに粘着性が現れにく
い。
【0021】第2の感熱性粘着剤層を構成する熱可塑性
樹脂は、ガラス転移温度が−50℃以上25℃以下の範
囲、好ましくは−45℃以上10℃以下、より好ましく
は−40℃以上0℃以下である。第2の感熱性粘着剤層
を構成する固体可塑剤は融点が70℃よりも高く、可塑
化能に劣る。このため、第1の感熱性粘着剤層を構成す
る熱可塑性樹脂よりも低いガラス転移温度を有する熱可
塑性樹脂を使用する必要がある。ガラス転移温度が25
℃を超えると加熱したときに粘着性が現れにくく、−5
0℃よりも低いとブロッキングを生じやすくなる。
【0022】本発明における固体可塑剤は、熱可塑性樹
脂100部に対して50〜400部、好ましくは100
〜300部の範囲で用いられる。50部未満の場合はブ
ロッキングが生じやすくなり、400部を超えると粘着
力の低下やチョーキングが生じやすくなる。
【0023】本発明に係わる第1の感熱性粘着剤層ある
いは第2の感熱性粘着剤層には、粘着力を向上させるた
めに、粘着付与剤を添加することができる。本発明に用
いる粘着付与剤の具体例としては、テルペン樹脂、脂肪
族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロンインデン樹
脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノ
ール樹脂、ロジン誘導体樹脂等が用いられる。
【0024】これら粘着付与剤は、熱可塑性樹脂100
部に対し200部以下、好ましくは20〜150部の範
囲で混合して用いられる。粘着付与剤の添加部数が20
0部を超えるとブロッキングを生じ易くなる。
【0025】本発明に係わる感熱性粘着剤層には、フィ
ラー等も本発明の目的を妨げない範囲で添加可能であ
り、例えばアルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシ
ウム、バリウム、チタン等の炭酸塩、酸化物、水酸化
物、硫酸塩等、および天然シリカ、ゼオライト、カオリ
ン、焼成カオリン等の粘土類を含む無機系顔料、澱粉、
スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、メラミン樹脂、ア
クリル樹脂、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス
等が使用可能である。
【0026】本発明に係わる第1の感熱性粘着剤層ある
いは第2の感熱性粘着剤層には、感熱性粘着剤層と支持
体との接着または感熱性粘着剤層内の凝集力を高める目
的で、水性高分子バインダー、例えばポリビニルアルコ
ール、ポリ酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、アルギ
ン酸ソーダ等を添加することができる。水性高分子バイ
ンダーの混合比率は、感熱性粘着シートの本来の粘着力
を損なわない範囲で添加され、具体的には感熱性粘着剤
層全固形分に対し30重量%以下、より好ましくは10
重量%以下の範囲で用いられる。
【0027】本発明に係わる第1の感熱性粘着剤層ある
いは第2の感熱性粘着剤層には前記成分以外に必要に応
じて硬膜剤、防腐剤、染料、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、pH調節剤、消泡剤等の各種添加剤を添加すること
ができる。
【0028】本発明に係わる支持体に好ましく用いられ
る原紙は、木材パルプと填料を主成分として構成され
る。木材パルプとしては、LBKP、NBKP等の化学
パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、C
MP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等
のパルプを含み、必要に応じて従来公知の顔料やバイン
ダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン
化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合
し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の
各種装置で支持体の製造が可能であり、酸性、中性、ア
ルカリ性で抄造できる。また、該原紙は、金属ロールと
合成樹脂ロールからなるカレンダー装置をオンマシン処
理しても良い。その際、オフマシン処理しても良く、処
理後に、更にマシンカレンダー、スーパーカレンダー等
でカレンダー処理を施して平坦性をコントロールしても
良い。
【0029】原紙に含まれる填料としては、例えば、軽
質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タ
ルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、
酸化亜鉛、硫化亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウ
ム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、
合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、ゼオライ
ト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムのような白
色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アク
リル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイク
ロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のような有機顔料
等が挙げられる。
【0030】原紙に含まれるサイズ剤としては、例え
ば、酸性抄紙用ロジンサイズ剤、中性抄紙用変性ロジン
サイズ剤、AKD、ASA、カチオンポリマー型サイズ
剤等を挙げることができる。
【0031】本発明に係わる支持体としてはさらに、グ
ラシン紙、アート紙、コーテッド紙、キャスト紙などの
塗工紙を用いることが可能である。ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド
等のプラスチックシート、およびこれらの合成繊維から
なる合成紙や不織布、または合成樹脂を紙に片面、また
は両面にラミネートしたラミネート紙、金属箔、または
金属箔と紙、蒸着紙、ホログラム処理を施した不透明シ
ート、合成樹脂フィルムとの貼り合わせ品、マイカ紙、
ガラスペーパー等も使用可能である。
【0032】更に、紙送りや重ねた場合のトラブル防止
のために導電処理を行ったり、支持体と感熱性粘着剤層
の間にアンダーコート層を設ける等、各種の公知技術を
必要に応じて付加することができる。
【0033】本発明に係わる第1の感熱性粘着剤層ある
いは第2の感熱性粘着剤層は、通常紙塗工用に用いられ
ているブレードコーター、グラビアコーター、グラビア
オフセットコーター、バーコーター、ロールコーター、
ナイフコーター、エアナイフコーター、コンマコータ
ー、Uコンマコーター、スムージングコーター、マイク
ログラビアコーター、リバースロールコーター、4本あ
るいは5本ロールコーター、ディップコーター、落下カ
ーテンコーター、スライドコーター、ダイコーター等、
若しくはフレキソ、凸版、グラビア、オフセット等の各
種印刷機を用いて支持体に塗工、印刷される。
【0034】支持体に感熱性粘着剤層を塗工若しくは印
刷する際、固体可塑剤が融解しない温度範囲で乾燥され
なければならない。乾燥の手段としては熱風乾燥の他に
赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用した乾燥
方法が使用できる。
【0035】第1の感熱性粘着剤層の塗布量は、乾燥塗
工量で通常2g/m2以上50g/m2以下、好ましくは5
g/m2以上35g/m2以下の範囲で塗布される。塗工量
が2g/m2未満であると、加熱による接着を行う際に十
分な接着力が得られない。また、50g/m2を超える
と接着機能が飽和し経済上好ましくない。
【0036】第2の感熱性粘着剤層の塗布量は、乾燥塗
工量で通常1g/m2以上20g/m2以下、好ましくは2
g/m2以上15g/m2以下の範囲で塗布される。塗工量
が1g/m2未満であると、第2の感熱性粘着剤層は第1
の感熱性粘着剤層を十分に被覆することができず、耐ブ
ロッキングの効果が得にくい。また、20g/m2を超え
ると、加熱したときに第1の感熱性粘着剤層と第2の感
熱性粘着剤層との混合が起こりにくく、接着機能が発現
しにくい。十分な接着機能が発現するためには高温での
加熱時間を長くする必要があり、エネルギー的に不利で
ある。
【0037】第1の感熱性粘着剤層の塗布量は、第2の
感熱性粘着剤層の塗布量よりも多いことが好ましい。第
1の感熱性粘着剤層は、融点が70℃以下の低融点固体
可塑剤を使用しており、第2の感熱性粘着剤層と比較し
て加熱活性化時の粘着力が強い。そのため、第1の感熱
性粘着剤層の塗布量を第2の感熱性粘着剤層の塗布量よ
りも多くした場合の方が、接着には有利である。
【0038】本発明に係わる感熱性粘着型感熱記録シー
トは、支持体の一方の面に感熱記録層を設け、反対面に
融点が70℃以下の固体可塑剤を含有する第1の感熱性
粘着剤層、融点が70℃よりも高い固体可塑剤を含有す
る第2の感熱性粘着剤層を順次積層したことを特徴とす
る感熱性粘着型感熱記録シートである。
【0039】本発明で使用する感熱記録層の最低発色温
度、すなわち感熱記録層が発色し始める温度は、第1の
感熱性粘着剤層と第2の感熱性粘着剤層を併せた感熱性
粘着剤層(以下、単に感熱性粘着剤層とする)が接着性
を発現する最低温度、すなわち十分な接着力を発現する
のに必要な温度よりも高い必要があるが、20℃以上高
いことが好ましく、さらには30℃以上高いことが好ま
しい。ここでいう最低発色温度とは、一定温度に加熱し
た熱スタンプを感熱性粘着型感熱記録シートの感熱記録
層側から5秒間接触させた後のマクベス光学濃度が、熱
スタンプに接触する前より0.05ポイント以上増加す
るときの温度を指す。また、感熱性粘着剤層が接着性を
発現する最低温度(以下、最低活性化温度と称す)と
は、感熱性粘着型感熱記録シートの感熱性粘着剤層をス
テンレス鋼板に対向するように重ね合わせ、一定温度に
加熱した熱スタンプを感熱記録層側から5秒間接触後、
1日経過後のJIS Z0237に準ずる180度接着
力が500gf/25mm以上になる最低の温度を指
す。最低発色温度と最低活性化温度の温度差が20℃未
満であったり、逆に最低発色温度の方が低かったりする
場合は、感熱性粘着剤層を加熱して接着を固定する際
に、感熱記録層が発色し、地肌がカブるため好ましくな
い。
【0040】本発明に用いる感熱記録層の感熱記録用発
色剤、顕色剤に関しては、上記の条件を満たすものであ
れば一般に感熱記録用紙に用いられているものを使用で
きる。たとえば、感熱記録層の発色剤としては、トリア
リルメタン系化合物、ジアリールメタン系化合物、キサ
ンテン系化合物、チアジン系化合物、スピロピラン系化
合物、ジフェニルメタン系染料、スピロ系染料、ラクタ
ム系染料、フルオラン系染料などが使用できる。
【0041】具体的には、3,3−ビス(p−ジメチル
アミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリ
スタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジ
メチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチル
アミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール
−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−3−(2−メチルインド−ル−3−イル)フタ
リド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3
−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス
(9−エチルカルバゾール−3−イル)−6−ジメチル
アミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドー
ル−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−p
−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール
−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−p−
ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−
2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド3−(p−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール
−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フ
タリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−
3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビ
ス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジ
メチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカル
バゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、
3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−
5−ジメチルアミノフタリド、などのトリアリルメタン
系染料。
【0042】4,4’−ビス−ジメチルアミノフェニル
ベンズヒドリルベンジルエーテル、4,4’−ビス−ジ
メチルアミノベンズヒドリルベンジルエーテル、N−ハ
ロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリク
ロロフェニルロイコオーラミンなどのジフェニルメタン
系染料。
【0043】ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニ
トロベンゾイルロイコメチレンブルーなどのチアジン系
染料。
【0044】3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3
−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3’−ジクロ
ロスピロジナフトピラン、3−フェニル−スピロ−ジナ
フトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、
3−プロピルスピロベンゾピラン、3−メチルナフト−
(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−メチル−ナ
フト(6’−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロ
ピル−スピロ−ジベンゾピランなどのスピロ系染料。
【0045】ローダミン−B−アニリノラクタム、ロー
ダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン
(o−クロロアニリノ)ラクタムなどのラクタム系染
料。
【0046】ローダミンBアニリノラクタム、ローダミ
ンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミ
ノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジメチルア
ミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジメチルアミノ
−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
N−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−
7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
トキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−
7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロ
ロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−
メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4
−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオ
ラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−
N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリ
ノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピ
ル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−メチルフルオ
ラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチ
ル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル
−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジ
ノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−カル
ボメトキシ−フェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−N−アセチル−N−メチルアミノフルオ
ラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7−N−クロロエチル−N−メチルアミノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−メチル−N−ベンジルア
ミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−メチル
アミノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキ
シル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エチル−N−iso−アミルアミノ)−6−メ
チル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−シク
ロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−フ
ェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−テト
ラヒドロフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−フェニル
アミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−
フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3
−ジブチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)
フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−p−ブ
チルフェニルアミノフルオランなどのフルオラン系染料
などが挙げられる。
【0047】本発明に使用される感熱記録層の顕色剤と
しては、一般に感熱記録用紙に使用される電子受容性の
物質が用いられ、特にフェノール誘導体、芳香族カルボ
ン酸誘導体あるいはその金属化合物、N,N’−ジアリ
ールチオ尿素誘導体、有機酸と金属化合物の混合物、酸
性重合体(例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、
サリチル酸系樹脂またはこれらの亜鉛、マグネシウム、
アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、
ニッケルなどの多価金属塩など)などが使用でき、特に
フェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体あるいはそ
の金属化合物、N,N’−ジアリールチオ尿素誘導体な
どが使用される。
【0048】この中で特に好ましいものはフェノール誘
導体、芳香族カルボン酸およびそのフェノール性化合物
であり、具体的には、1,1−ビス(p−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)
ヘキサン、ビスフェノールスルフォン、ビス(3−アリ
ル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、4−ヒドロ
キシ−4’−イソプロピルオキシジフェニルスルフォ
ン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルス
ルフォン、ジフェノールエーテル、p−ヒドロキシ安息
香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、p−
ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−tert−ブチル安息香
酸、トリクロロ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸オク
チル、安息香酸、テレフタル酸、3−sec−ブチル−4
−ヒドロキシ安息香酸、3−シクロヘキシル−4−ヒド
ロキシ安息香酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安
息香酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3
−tert−ブチルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、
3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−クロロ−
5−(α−メチルベンジル)、3,5−ジ−α−メチル
ベンジルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチ
ル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジ
ル)サリチル酸、4−tert−ブチルフェノール、4−ヒ
ドロキシジフェノキシド、α−ナフトール、β−ナフト
ール、4−ヒドロキシアセトフェノール、4−tert−カ
テコール、2,2’−ジヒドロキシジフェノール、2,
2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−イソブチ
ルフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−
tert−ブチルフェノール)、4,4’−sec−ブチリデ
ンジフェノール、4−フェニルフェノール、4,4’−
イソプロピリデンジフェノール、2,2’−メチレンビ
ス(4−クロロフェノール)、ヒドロキノン、4,4’
−シクロヘキシリデンジフェノール、4−ヒドロキシフ
タル酸ジメチル、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、
ノボラック型フェノール樹脂、フェノール重合体などの
フェノール性化合物が挙げられる。
【0049】本発明における感熱記録層において使用さ
れるバインダーとしては、澱粉類、ヒドロキシエチルセ
ルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼ
イン、ゼラチンなどのプロテイン、酸化澱粉、エステル
化合物澱粉などのサッカロースの如き水性天然高分子化
合物、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアク
リル酸ソーダ、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル
共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メ
タクリル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共
重合体のアルカリ塩、ラテックス、ポリアクリルアミ
ド、スチレン−無水マレイン酸共重合体などの如き水溶
性合成高分子化合物やラテックス類、エチレン−無水マ
レイン酸共重合体のアルカリ塩などの水溶性接着樹脂、
ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステ
ル、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン
共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのラテッ
クスなどが挙げられる。
【0050】また、感熱記録層の感度をさらに向上させ
るために、増感剤として、N−ヒドロキシメチルステア
リン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミ
ドなどのワックス類、2−ベンジルオキシナフタレンな
どのナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−
アリルオキシビフェニルなどのビフェニル誘導体、1,
2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2’−
ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビ
ス(4−メトキシフェニル)エーテルなどのポリエーテ
ル化合物。炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュ
ウ酸ジ(p−クロルベンジル)エステルなどの炭酸また
はシュウ酸ジエステル誘導体などを添加することができ
る。
【0051】感熱記録層に使用される顔料としては、ケ
イソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸
化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂
などが挙げられる。
【0052】感熱記録層の下部、すなわち支持体と該感
熱記録層の間に、感熱発色性を向上させ、印字によるカ
スを防止するための中間層を設けること、あるいは感熱
記録層の上に発色汚れや耐水性などを付与する目的で保
護層を設けることは何ら差し支えない。
【0053】感熱記録層、中間層、保護層を設ける塗工
方法として、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビ
アオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイ
フ塗工法、エアナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ
塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工
法、リバースロール塗工法、4本あるいは5本ロール塗
工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド
塗工法、ダイ塗工法等公知の塗工方法が利用可能であ
る。
【0054】
【作用】以下に本発明の作用を述べる。本発明の感熱性
粘着シートは、支持体の片面に、融点が70℃以下の固
体可塑剤を含有する第1の感熱性粘着剤層、融点が70
℃よりも高い固体可塑剤を含有する第2の感熱性粘着剤
層を順次積層した構造により、接着性を低下させること
なく耐ブロッキング性を向上させることが可能となる。
本発明の感熱性粘着型感熱記録シートは、支持体の一方
の面に感熱記録層、反対面に融点が70℃以下の固体可
塑剤を含有する第1の感熱性粘着剤層、融点が70℃よ
りも高い固体可塑剤を含有する第2の感熱性粘着剤層を
順次積層することにより、感熱記録が可能で接着性も十
分であり、かつ耐ブロッキング性を向上させることが可
能となる。
【0055】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は、実施例に限られるものではない。
以下に示す部および%のいずれも重量基準である。ま
た、塗工量を示す値は断わりのない限り乾燥後の塗工量
である。
【0056】予備操作1 支持体の抄造 支持体は、LBKP(濾水度420mlcsf)72部
とNBKP(濾水度440mlcsf)28部からなる
木材パルプ100部に対して、軽質炭酸カルシウム/重
質炭酸カルシウム/タルクの比率が32/33/35の
顔料25部、市販アルキルケテンダイマー0.12部、
市販カチオン系アクリルアミド0.03部、市販カチオ
ン化澱粉1.2部、硫酸バンド0.5部を調製後、長網
抄紙機を用いて坪量100g/m2で抄造した。
【0057】固体可塑剤分散液の調製1 固体可塑剤としてフタル酸ジシクロへキシル(融点64
℃)100部に、分散剤としてノニオン性界面活性剤
(商品名:ノイゲンEA−120、第一工業製薬株式会
社製)2.4重量部と水を均一に混合して濃度56%と
しボールミルを用いて平均粒子径2.0μmになるまで
粉砕し、固体可塑剤分散液Aを作製した。
【0058】固体可塑剤分散液の調製2 固体可塑剤として二安息香酸エチレングリコール(融点
70℃)100部に、分散剤としてノニオン性界面活性
剤(商品名:ノイゲンEA−120、第一工業製薬株式
会社製)2.4重量部と水を均一に混合して濃度50%
としボールミルを用いて平均粒子径2.0μmになるま
で粉砕し、固体可塑剤分散液Bを作製した。
【0059】固体可塑剤分散液の調製3 固体可塑剤として三安息香酸トリメチロールエタン(融
点73℃)100部に、分散剤としてノニオン性界面活
性剤(商品名:ノイゲンEA−120、第一工業製薬株
式会社製)2.4重量部と水を均一に混合して濃度50
%としボールミルを用いて平均粒子径2.0μmになる
まで粉砕し、固体可塑剤分散液Cを作製した。
【0060】固体可塑剤分散液の調製4 固体可塑剤としてトリエチレングリコールビス〔3−
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオネート〕(融点77℃)100部に、分散
剤としてノニオン性界面活性剤(商品名:ノイゲンEA
−120、第一工業製薬株式会社製)2.4重量部と水
を均一に混合して濃度50%としボールミルを用いて平
均粒子径2.0μmになるまで粉砕し、固体可塑剤分散
液Dを作製した。
【0061】感熱性粘着剤層塗液の調製1 固体可塑剤分散液Aを200部に、熱可塑性樹脂として
酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体エ
マルジョン(住友化学工業株式会社製、スミカフレック
ス910;ガラス転移温度 −20℃)100部と、粘
着付与剤としてロジンエステル分散液(荒川化学工業株
式会社製、スーパーエステルE−730)70部とを混
合して、固形分濃度50重量%の感熱性粘着剤層塗液A
を調製した。
【0062】感熱性粘着剤層塗液の調製2 固体可塑剤分散液Bを200部に、熱可塑性樹脂として
酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体エ
マルジョン(住友化学工業株式会社製、スミカフレック
ス910;ガラス転移温度 −20℃)100部と、粘
着付与剤としてロジンエステル分散液(荒川化学工業株
式会社製、スーパーエステルE−730)70部とを混
合して、固形分濃度50重量%の感熱性粘着剤層塗液B
を調製した。
【0063】感熱性粘着剤層塗液の調製3 固体可塑剤分散液Cを200部に、熱可塑性樹脂として
アクリル酸エステル共重合体エマルジョン(中央理化工
業株式会社製、AP−P9702;ガラス転移温度 −
55℃)100部と、粘着付与剤としてロジンエステル
分散液(荒川化学工業株式会社製、スーパーエステルE
−730)70部とを混合して、固形分濃度50重量%
の感熱性粘着層塗液Cを調製した。
【0064】感熱性粘着剤層塗液の調製4 固体可塑剤分散液Dを200部に、熱可塑性樹脂として
アクリル酸エステル共重合体エマルジョン(中央理化工
業株式会社製、AP−P9702;ガラス転移温度 −
55℃)100部と、粘着付与剤としてロジンエステル
分散液(荒川化学工業株式会社製、スーパーエステルE
−730)70部とを混合して、固形分濃度50重量%
の感熱性粘着層塗液Dを調製した。
【0065】実施例1 予備操作で作製した支持体の片面に、エアーナイフコー
ターを用いて感熱性粘着剤層塗液の調製1で作製した感
熱性粘着剤層塗液Aを塗工量が20g/m2になるように
塗工、乾燥した。この感熱性粘着剤層の上に、エアーナ
イフコーターを用いて感熱性粘着剤層塗液の調製3で作
製した感熱性粘着剤層塗液Cを塗工量が5g/m2になる
ように塗工、乾燥して本発明の感熱性粘着シートを得
た。
【0066】実施例2 感熱性粘着剤層塗液の調製3において、熱可塑性樹脂を
アクリル酸エステル共重合体エマルジョン(中央理化工
業株式会社製、ES−33;ガラス転移温度−48℃)
に変更し、100部使用した以外は、実施例1と同様に
して本発明の感熱性粘着シートを得た。
【0067】実施例3 感熱性粘着剤層塗液の調製3において、熱可塑性樹脂を
酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体エマルジョ
ン(住友化学工業株式会社製、スミカフレックス83
0;ガラス転移温度 20℃)に変更し、100部使用
した以外は、実施例1と同様にして本発明の感熱性粘着
シートを得た。
【0068】実施例4 感熱性粘着剤層塗液の調製3において、熱可塑性樹脂を
酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体エマルジョ
ン(住友化学工業株式会社製、スミカフレックス85
0;ガラス転移温度 30℃)に変更し、100部使用
した以外は、実施例1と同様にして本発明の感熱性粘着
シートを得た。
【0069】実施例5 予備操作で作製した支持体の片面に、エアーナイフコー
ターを用いて感熱性粘着剤層塗液の調製2で作製した感
熱性粘着剤層塗液Bを塗工量が20g/m2になるように
塗工、乾燥した。この感熱性粘着剤層の上に、エアーナ
イフコーターを用いて感熱性粘着剤層塗液の調製3で作
製した感熱性粘着剤層塗液Cを塗工量が5g/m2になる
ように塗工、乾燥して本発明の感熱性粘着シートを得
た。
【0070】実施例6 感熱性粘着剤層塗液の調製3において、熱可塑性樹脂を
アクリル酸エステル共重合体エマルジョン(中央理化工
業株式会社製、ES−33;ガラス転移温度−48℃)
に変更し、100部使用した以外は、実施例5と同様に
して本発明の感熱性粘着シートを得た。
【0071】実施例7 感熱性粘着剤層塗液の調製3において、熱可塑性樹脂を
酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体エマルジョ
ン(住友化学工業株式会社製、スミカフレックス83
0;ガラス転移温度 20℃)に変更し、100部使用
した以外は、実施例5と同様にして本発明の感熱性粘着
シートを得た。
【0072】実施例8 感熱性粘着剤層塗液の調製3において、熱可塑性樹脂を
酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体エマルジョ
ン(住友化学工業株式会社製、スミカフレックス85
0;ガラス転移温度 30℃)に変更し、100部使用
した以外は、実施例5と同様にして本発明の感熱性粘着
シートを得た。
【0073】実施例9 予備操作で作製した支持体の片面に、エアーナイフコー
ターを用いて感熱性粘着剤層塗液の調製1で作製した感
熱性粘着剤層塗液Aを塗工量が20g/m2になるように
塗工、乾燥した。この感熱性粘着剤層の上に、エアーナ
イフコーターを用いて感熱性粘着剤層塗液の調製4で作
製した感熱性粘着剤層塗液Dを塗工量が5g/m2になる
ように塗工、乾燥して本発明の感熱性粘着シートを得
た。
【0074】実施例10 感熱性粘着剤層塗液の調製4において、熱可塑性樹脂を
アクリル酸エステル共重合体エマルジョン(中央理化工
業株式会社製、ES−33;ガラス転移温度−48℃)
に変更し、100部使用した以外は、実施例9と同様に
して本発明の感熱性粘着シートを得た。
【0075】実施例11 感熱性粘着剤層塗液の調製4において、熱可塑性樹脂を
酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体エマルジョ
ン(住友化学工業株式会社製、スミカフレックス83
0;ガラス転移温度 20℃)に変更し、100部使用
した以外は、実施例9と同様にして本発明の感熱性粘着
シートを得た。
【0076】実施例12 感熱性粘着剤層塗液の調製4において、熱可塑性樹脂を
酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体エマルジョ
ン(住友化学工業株式会社製、スミカフレックス85
0;ガラス転移温度 30℃)に変更し、100部使用
した以外は、実施例9と同様にして本発明の感熱性粘着
シートを得た。
【0077】比較例1 予備操作で作製した支持体の片面に、エアーナイフコー
ターを用いて感熱性粘着剤層塗液の調製1で作製した感
熱性粘着剤層塗液Aを塗工量が25g/m2になるように
塗工、乾燥して感熱性粘着シートを得た。
【0078】比較例2 感熱性粘着剤層塗液の調製3において、熱可塑性樹脂を
アクリル酸エステル共重合体エマルジョン(中央理化工
業株式会社製、ES−33;ガラス転移温度−48℃)
に変更し、100部使用して感熱性粘着剤層塗液を調製
した。予備操作で作製した支持体の片面に、こうして得
た感熱性粘着剤層塗液をエアーナイフコーターを用いて
塗工量が25g/m2になるように塗工、乾燥して感熱性
粘着シートを得た。
【0079】比較例3 予備操作で作製した支持体の片面に、エアーナイフコー
ターを用いて感熱性粘着剤層塗液の調製1で作製した感
熱性粘着剤層塗液Aを塗工量が20g/m2になるように
塗工、乾燥した。この感熱性粘着剤層の上に、エアーナ
イフコーターを用いて感熱性粘着剤層塗液の調製2で作
製した感熱性粘着剤層塗液Bを塗工量が5g/m2になる
ように塗工、乾燥して感熱性粘着シートを得た。
【0080】比較例4 予備操作で作製した支持体の片面に、エアーナイフコー
ターを用いて感熱性粘着剤層塗液の調製3で作製した感
熱性粘着剤層塗液Cを塗工量が20g/m2になるように
塗工、乾燥した。この感熱性粘着剤層の上に、エアーナ
イフコーターを用いて感熱性粘着剤層塗液の調製1で作
製した感熱性粘着剤層塗液Aを塗工量が5g/m2になる
ように塗工、乾燥して感熱性粘着シートを得た。
【0081】比較例5 感熱性粘着剤層塗液の調製4において、熱可塑性樹脂を
アクリル酸エステル共重合体エマルジョン(中央理化工
業株式会社製、ES−33;ガラス転移温度−48℃)
に変更し、100部使用して感熱性粘着剤層塗液Dを調
製した。予備操作で作製した支持体の片面に、エアーナ
イフコーターを用いて感熱性粘着剤層塗液の調製3で作
製した感熱性粘着剤層塗液Cを塗工量が20g/m2にな
るように塗工、乾燥した。この感熱性粘着剤層の上に、
エアーナイフコーターを用いて上記感熱性粘着剤層塗液
Dを塗工量が5g/m2になるように塗工、乾燥して感熱
性粘着シートを得た。
【0082】以上の実施例、比較例により得られた感熱
性粘着シートを以下の試験方法により評価し、その結果
を表1に示した。
【0083】<試験方法> 1)接着性 感熱性粘着シートを120℃雰囲気内で1分間加熱する
ことにより粘着性を発現させた後、速やかにステンレス
鋼板に貼り付けた。1日後、180度動剥離強度(30
0mm/分)をテンシロン万能試験機にて測定した。な
お、表1中の単位はg/25mmである。接着力が80
0g/25mm以上の場合接着性が十分あり優れてい
る。500g/25mm以上800g/25mm未満の
場合は実用上問題のないレベルであり、500g/25
mm未満の場合は接着性に劣っており実用上使用困難で
ある。
【0084】2)耐ブロッキング性 感熱性粘着シートの感熱性粘着剤層と該シートの未塗工
面が対向するように重ね合わせ、500g/cm2の加重
をかけた。60℃で1日間保存後に、ブロッキングの発
生状況を下記の基準で評価した。 ◎:ブロッキングを起こさなかったもの。 ○:少しブロッキングするが実用上問題のないもの。 ×:ブロッキングを起こしており実用上問題があるも
の。
【0085】
【表1】
【0086】<評価>実施例1〜12に示すように、支
持体の片面に、融点が70℃以下の固体可塑剤を含有す
る第1の感熱性粘着剤層、融点が70℃よりも高い固体
可塑剤を含有する第2の感熱性粘着剤層を順次積層する
ことにより、接着機能を低下させることなく、耐ブロッ
キング性を向上させた感熱性粘着シートを作製すること
ができた。特に、第2の感熱性粘着剤層を構成する熱可
塑性樹脂のガラス転移温度が−50℃以上25℃以下で
ある実施例2、3、6、7、10、11では、接着性と
耐ブロッキング性共に特に優れた性能を示した。一方、
比較例1に示すように、融点が70℃以下の固体可塑剤
を含有する感熱性粘着剤層のみを支持体に積層した構成
では、接着性に優れるものの、耐ブロッキング性に劣る
結果となった。また、比較例2に示すように、融点が7
0℃よりも高い固体可塑剤を含有する感熱性粘着剤層の
みを支持体に積層した構成では、耐ブロッキング性に優
れるものの接着性に劣っていた。融点の高い固体可塑剤
は可塑化能に劣るため、十分な接着性が発現されなかっ
たものと考えられる。比較例3に示すように、融点が7
0℃以下の固体可塑剤を含有する感熱性粘着剤層を2層
積層した構成では、耐ブロッキング性が不十分である。
比較例4に示すように、支持体の片面に、融点が70℃
よりも高い固体可塑剤を含有する感熱性粘着剤層、融点
が70℃以下の固体可塑剤を含有する感熱性粘着剤層を
順次積層した構成では、耐ブロッキング性が全く向上し
ていない。比較例5に示すように、融点が70℃よりも
高い固体可塑剤を含有する感熱性粘着剤層を2層積層し
た構成では、耐ブロッキング性は良好であるものの接着
性に劣る。
【0087】 予備操作2 中間層塗液の作製 アンシレックス(エンゲルハード製焼成カオリン、JIS−K5101法による 吸油量80ml/100g) 100部 10%ヘキサメタリン酸ソーダ 4部 20%MS4600(日本食品製、リン酸エステル化澱粉) 30部 48%スチレンブタジエン系共重合ラテックス 40部 水 90部 を攪拌分散し中間層塗液を固形分濃度40%で作製し
た。
【0088】 感熱記録層塗液の作製 1)A液の調製 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(染料) 35部 5%ポリビニルアルコール 105部 A液をダイノミル(シンマルエンタープライゼス製)を
用いて体積平均径0.5μmに粉砕した。
【0089】 2)B液の調製 2,4’−ジヒドロキシジフエニルスルホン(顕色剤) 50部 2−ベンジルオキシナフタレン(増感剤) 20部 1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフエ ニル)ブタン 10部 5%ポリビニルアルコール 100部 40%ステアリン酸亜鉛エマルジョン(中京油脂製、ハイト゛リンSZ40) 20部 B液をダイノミル(シンマルエンタープライゼス製)を
用いて体積平均径1.1μmに粉砕した。
【0090】 3)C液の調製 軽質炭酸カルシウム 35部 10%ヘキサメタリン酸ソーダ 3.5部 水 63部 A、B、C液を混合し、更に10%PVA液を固形分で
全固形分の20%になるように添加し感熱記録層塗液と
した。
【0091】 保護層塗液の作製 10%ポリビニルアルコール 100部 40%ステアリン酸亜鉛エマルジョン液(中京油脂製、ハイト゛リンSZ40) 5部 20%ケイ酸(水沢化学製、ミズカシルP527) 50部 上記の配合で、固形分濃度が10%となるように保護層
塗液を作製した。
【0092】感熱記録用紙の作製1 予備操作1で作製した支持体の片面にエアナイフコータ
ーを用いて塗工量が5g/m2となるように予備操作2で
作製した感熱記録層塗液を塗工し、乾燥して感熱記録層
を設けた。この感熱記録層の上にエアナイフコーターを
用いて、予備操作2で作製した保護層塗液を塗工量が3
g/m2となるように塗工、乾燥して感熱記録用紙を作製
した。この感熱記録用紙の最低発色温度を測定したとこ
ろ90℃であった。この感熱記録用紙を感熱記録用紙1
とする。
【0093】感熱記録用紙の作製2 予備操作2で作製した支持体の片面にブレードコーター
を用いて、塗工量が8.5g/m2となるように予備操作
2で作製した中間層塗液を塗工し、乾燥して中間層とし
た。この中間層の上にエアナイフコーターを用いて塗工
量が5g/m2となるように予備操作2で作製した感熱記
録層塗液を塗工し、乾燥して感熱記録層を設けた。この
感熱層の上にエアナイフコーターを用いて、予備操作2
で作製した保護層塗液を塗工量が3g/m2となるように
塗工、乾燥して感熱記録用紙を作製した。この感熱記録
用紙の最低発色温度を測定したところ75℃であった。
この感熱記録用紙を感熱記録用紙2とする。
【0094】実施例13 予備操作1で作製した支持体の代わりに感熱記録用紙1
を用い、該感熱記録層の反対面に実施例2と同様にし
て、第1の感熱性粘着剤層、第2の感熱性粘着剤層を設
けて本発明の感熱性粘着型感熱記録シートを得た。この
感熱性粘着型感熱記録シートの最低活性化温度を測定し
たところ65℃であり、感熱記録層の最低発色温度との
温度差は25℃であった。
【0095】実施例14 予備操作1で作製した支持体の代わりに感熱記録用紙1
を用い、該感熱記録層の反対面に実施例3と同様にし
て、第1の感熱性粘着剤層、第2の感熱性粘着剤層を設
けて本発明の感熱性粘着型感熱記録シートを得た。この
感熱性粘着型感熱記録シートの最低活性化温度を測定し
たところ68℃であり、感熱記録層の最低発色温度との
温度差は22℃であった。
【0096】実施例15 予備操作1で作製した支持体の代わりに感熱記録用紙2
を用い、該感熱記録層の反対面に実施例2と同様にし
て、第1の感熱性粘着剤層、第2の感熱性粘着剤層を設
けて本発明の感熱性粘着型感熱記録シートを得た。この
感熱性粘着型感熱記録シートの最低活性化温度を測定し
たところ65℃であり、感熱記録層の最低発色温度との
温度差は10℃であった。
【0097】実施例16 予備操作1で作製した支持体の代わりに感熱記録用紙1
を用い、該感熱記録層の反対面に実施例10と同様にし
て、第1の感熱性粘着剤層、第2の感熱性粘着剤層を設
けて本発明の感熱性粘着型感熱記録シートを得た。この
感熱性粘着型感熱記録シートの最低活性化温度を測定し
たところ73℃であり、感熱記録層の最低発色温度との
温度差は17℃であった。
【0098】比較例6 予備操作1で作製した支持体の代わりに感熱記録用紙1
を用い、該感熱記録層の反対面に比較例1と同様にして
感熱性粘着剤層を設けて感熱性粘着型感熱記録シートを
得た。この感熱性粘着型感熱記録シートの最低活性化温
度を測定したところ60℃であり、感熱記録層の最低発
色温度との温度差は30℃であった。
【0099】比較例7 予備操作1で作製した支持体の代わりに感熱記録用紙1
を用い、該感熱記録層の反対面に比較例2と同様にして
感熱性粘着剤層を設けて感熱性粘着型感熱記録シートを
得た。この感熱性粘着型感熱記録シートの最低活性化温
度を測定したところ70℃であり、感熱記録層の最低発
色温度との温度差は20℃であった。
【0100】比較例8 予備操作1で作製した支持体の代わりに感熱記録用紙1
を用い、該感熱記録層の反対面に比較例3と同様にして
第1の感熱性粘着剤層、第2の感熱性粘着剤層を設けて
感熱性粘着型感熱記録シートを得た。この感熱性粘着型
感熱記録シートの最低活性化温度を測定したところ67
℃であり、感熱記録層の最低発色温度との温度差は23
℃であった。
【0101】比較例9 予備操作1で作製した支持体の代わりに感熱記録用紙1
を用い、該感熱記録層の反対面に比較例4と同様にして
第1の感熱性粘着剤層、第2の感熱性粘着剤層を設けて
感熱性粘着型感熱記録シートを得た。この感熱性粘着型
感熱記録シートの最低活性化温度を測定したところ60
℃であり、感熱記録層の最低発色温度との温度差は30
℃であった。
【0102】比較例10 予備操作1で作製した支持体の代わりに感熱記録用紙1
を用い、該感熱記録層の反対面に比較例5と同様にして
第1の感熱性粘着剤層、第2の感熱性粘着剤層を設けて
本発明の感熱性粘着型感熱記録シートを得た。この感熱
性粘着型感熱記録シートの最低活性化温度を測定したと
ころ72℃であり、感熱記録層の最低発色温度との温度
差は18℃であった。
【0103】以上の実施例、比較例により得られた感熱
性粘着シートを以下の試験方法により評価し、その結果
を表2に示した。
【0104】<試験方法> 1)加熱接着性 感熱性粘着型感熱記録シートを幅25mmに裁断した
後、感熱性粘着剤層がステンレス鋼板に対向するように
重ね合わせた。感熱性粘着剤層の最低活性化温度よりも
5℃高い温度に加熱した熱スタンプを5秒間、感熱性粘
着型感熱記録シートに接触させることにより接着を固定
した。1日後、180度動剥離強度(300mm/分)
をテンシロン万能試験機にて測定した。なお、表2中の
単位はg/25mmである。接着力が800g/25m
m以上の場合接着性が優れている。500g/25mm
以上800g/25mm未満の場合は実用上問題のない
レベルであり、500g/25mm未満の場合は接着機
能に劣っており実用上使用困難である。
【0105】2)耐ブロッキング性 感熱性粘着型感熱記録シートの感熱性粘着剤層と反対面
の感熱記録面が対向するように重ね合わせ、500g/
cm2の加重をかけた。60℃で1日間保存後に、ブロ
ッキングの発生状況を下記の基準で評価した。 ◎:ブロッキングを起こさなかったもの。 ○:少しブロッキングするが実用上問題のないもの。 ×:ブロッキングを起こしており実用上問題があるも
の。
【0106】3)感熱記録層の地肌カブリ性 加熱接着性評価により得られた感熱性粘着型感熱記録シ
ートについて、加熱接着部の感熱記録層の発色状態を調
べ、以下の基準で評価した。◎、○であれば実用上問題
はない。 ◎:感熱記録層に発色が全く見られない。 ○:感熱記録層にかすかに発色が見られる。 ×:感熱記録層にはっきりと視認できる発色が見られ
る。
【0107】
【表2】
【0108】<評価>実施例13〜16に示すように、
支持体の一方の面に感熱記録層、反対面に融点が70℃
以下の固体可塑剤を含有する第1の感熱性粘着剤層、融
点が70℃よりも高い固体可塑剤を含有する第2の感熱
性粘着剤層を順次設けることにより、感熱記録ができ接
着力の低下がなく耐ブロッキング性も十分な感熱性粘着
型感熱記録シートを作製することができた。特に、感熱
記録層の最低発色温度が感熱性粘着剤層の最低活性化温
度よりも20℃以上高い実施例13、14では、接着時
に感熱記録層の地肌カブリが全くみられず良好な結果を
示した。一方、比較例6に示すように、感熱性粘着剤層
を融点が70℃以下の固体可塑剤を含有する感熱性粘着
剤層のみで構成した場合では、接着性、感熱記録層の地
肌カブリ性は良好であるものの、耐ブロッキング性に劣
る結果となった。また、比較例7に示すように、感熱性
粘着剤層を融点が70℃よりも高い固体可塑剤を含有す
る感熱性粘着剤層のみで構成した場合では、耐ブロッキ
ング性に優れるものの接着性に劣る結果となった。比較
例8に示すように、融点が70℃以下の固体可塑剤を含
有する感熱性粘着剤層を2層積層した構成では、耐ブロ
ッキング性が不十分である。比較例9に示すように、支
持体の片面に、融点が70℃よりも高い固体可塑剤を含
有する感熱性粘着剤層、融点が70℃以下の固体可塑剤
を含有する感熱性粘着剤層を順次積層した構成では、耐
ブロッキング性が全く向上していない。比較例10に示
すように、融点が70℃よりも高い固体可塑剤を含有す
る感熱性粘着剤層を2層積層した構成では、耐ブロッキ
ング性は良好であるものの接着性に劣る。
【0109】
【発明の効果】本発明の感熱性粘着シートは、支持体の
片面に、融点が70℃以下の固体可塑剤を含有する第1
の感熱性粘着剤層、融点が70℃よりも高い固体可塑剤
を含有する第2の感熱性粘着剤層を順次積層した構造と
することにより、接着性が良好で耐ブロッキング性の向
上をも図ることが可能となる。二番目の本発明の感熱性
粘着型感熱記録シートは、支持体の一方の面に感熱記録
層、反対面に融点が70℃以下の固体可塑剤を含有する
第1の感熱性粘着剤層、融点が70℃よりも高い固体可
塑剤を含有する第2の感熱性粘着剤層を順次積層した構
造とすることにより、感熱記録が可能で接着性が良好で
耐ブロッキング性の向上をも図ることが可能となる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に、融点が70℃以下の固
    体可塑剤を含有する第1の感熱性粘着剤層、融点が70
    ℃よりも高い固体可塑剤を含有する第2の感熱性粘着剤
    層を順次積層したことを特徴とする感熱性粘着シート。
  2. 【請求項2】 第2の感熱性粘着剤層にガラス転移温度
    が−50℃以上25℃以下である熱可塑性樹脂を含有す
    ることを特徴とする請求項1記載の感熱性粘着シート。
  3. 【請求項3】 支持体の一方の面に感熱記録層を設け、
    反対面に融点が70℃以下の固体可塑剤を含有する第1
    の感熱性粘着剤層、融点が70℃よりも高い固体可塑剤
    を含有する第2の感熱性粘着剤層を順次積層したことを
    特徴とする感熱性粘着型感熱記録シート。
  4. 【請求項4】 第2の感熱性粘着剤層にガラス転移温度
    が−50℃以上25℃以下である熱可塑性樹脂を含有す
    ることを特徴とする請求項3記載の感熱性粘着型感熱記
    録シート。
  5. 【請求項5】 感熱記録層の最低発色温度が、第1の感
    熱性粘着剤層と第2の感熱性粘着剤層を併せた2層の感
    熱性粘着剤層が接着性を発現する最低温度よりも20℃
    以上高い請求項3または4に記載の感熱性粘着型感熱記
    録シート。
JP7732698A 1998-03-25 1998-03-25 感熱性粘着シートおよび感熱性粘着型感熱記録シート Pending JPH11269440A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146303A (ja) * 2000-11-06 2002-05-22 Ricoh Co Ltd 感熱性粘着材料、その熱活性化方法及び感熱性粘着材料の貼付方法
JP2007246679A (ja) * 2006-03-15 2007-09-27 Ricoh Co Ltd 感熱性粘着材料及び感熱性粘着材料ロール

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