JP2005010566A - 感熱性粘着材料の熱活性化方法およびそれを用いた感熱性粘着材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】サーマルヘッド活性化で生じる糊カス付着による粘着低下を改善し、安定した粘着性能を発現できる感熱性粘着材料の熱活性化方法を提供すること。
【解決手段】支持体の一方の面に、通常は非粘着性で熱により粘着発現し、しかも粘着発現後も粘着性が持続する活性層が設けられた感熱性粘着材料を熱活性化する方法において、熱活性化前の活性層膜厚をH1、熱活性化後の活性層膜厚をH2としたときH2/H1の値が0.40〜0.95であるようにする。この場合、感熱性粘着材料の熱活性化手段としてはサーマルヘッドを用いて熱活性化エネルギーが6〜30mJ/mm2とし、かつ、活性層と支持体との間にガラス転移点が−10℃以下の熱可塑性樹脂を含有する中間層を設けることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】支持体の一方の面に、通常は非粘着性で熱により粘着発現し、しかも粘着発現後も粘着性が持続する活性層が設けられた感熱性粘着材料を熱活性化する方法において、熱活性化前の活性層膜厚をH1、熱活性化後の活性層膜厚をH2としたときH2/H1の値が0.40〜0.95であるようにする。この場合、感熱性粘着材料の熱活性化手段としてはサーマルヘッドを用いて熱活性化エネルギーが6〜30mJ/mm2とし、かつ、活性層と支持体との間にガラス転移点が−10℃以下の熱可塑性樹脂を含有する中間層を設けることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、常温では非粘着性であるが加熱により粘着性が発現し、しかも粘着性発現後も粘着性が持続する感熱性粘着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、記録用ラベル、特に、感熱記録用ラベルはPOS分野などを含む広い分野で使用されており、これらの記録用ラベルは、記録面の裏面側に感圧粘着剤層を設け、この感圧粘着剤層を介して剥離紙に貼付けて保管する方式のものが多い。
このような感熱記録用ラベルは使い勝手がよく、非常に有用である。しかし、使用後に剥離紙がゴミとなって残ること、剥離紙を必要とするために全体の製造コストが高くなること等の欠点がある。
【0003】
そこで、剥離紙を不要とした記録用ラベルとしては、粘着剤をマイクロカプセル化したもの、記録面側に粘着剤に対する剥離剤層を設けたものなどが、特許文献1〜3等に記載されている。しかしこれらは、粘着力が弱いことや、剥離剤層の上からは印刷ができない等の不具合がある。
【0004】
剥離紙を不要とした他の方式の記録用ラベルとしては、感熱性粘着剤層を用いたものが特許文献4、5等に記載されている。これらの感熱性粘着剤層を用いた記録用ラベルの場合、感熱性粘着剤層を熱活性化する必要があり、その熱活性化の方法として、特許文献5には熱風や赤外線を用いる方法が記載され、特許文献6には電熱ヒータや誘電コイルを用いる方法が記載され、特許文献7にはマイクロ波を使用する方法が記載され、特許文献8にはキセノンフラッシュを用いる方法が記載され、特許文献9にはハロゲンランプを用いる方法が記載されている。
【0005】
また、加熱手段又は加熱遮断で加熱された伝熱媒体を感熱性粘着剤層に接触させて熱活性化する方法も知られている。例えば、特許文献10には加熱手段である熱ヒータで加熱された伝熱媒体であるベルトを感熱性粘着剤層に接触させる方法が記載され、特許文献11には加熱手段である加熱ドラムを接触させる方法が記載され、特許文献12には加熱手段である熱ロールを接触させる方法が記載されている。
【0006】
電熱ヒータやハロゲンランプを用いて感熱性粘着剤層を熱活性化する場合には、熱を効率良く感熱性粘着剤層に与えることが困難であり、過熱状態に陥ることに対する安全性が低くなり、また、熱エネルギーが有効に使われないことによりエネルギーコストが高くなる。安全性、コストを考慮して加熱部分をカバーで覆うことも考えられるが、その場合には装置全体のコンパクト性が損なわれる。 加熱ドラムや熱ロール等の加熱手段、及び、加熱手段で加熱されたベルトなどの伝熱媒体を感熱性粘着剤層に接触させて熱活性化する場合には、熱活性化の迅速化を図るために加熱手段に熱を加えた状態で待機しなければならず、安全性の点で問題がある。又、熱活性化時に感熱性粘着剤層が加熱手段や伝熱媒体に転移したり、このような転移が原因となって記録用ラベルが加熱手段に巻き付いたりすることがある。
【0007】
記録用ラベルが感熱発色層を有する場合には、上記の熱活性化方法では、熱活性化時の熱の影響で感熱発色層が発色しやすくなるために、感熱発色層の耐熱性を向上させなければならず、熱感度の点で不利となる。
尚、特許文献13には、加熱手段を記録用ラベルの基材側から押し当てて感熱性粘着剤層を活性化する方法が記載されている。このようにすれば、感熱性粘着剤層の加熱手段への転移や、記録用ラベルの加熱手段への巻き付きは防止できる。しかし、感熱性粘着剤層の熱活性化に使用されずに無駄になる熱エネルギーが増え、及び、感熱性粘着剤層の熱活性化が素早く行われないため、熱活性化の作業、及び、感熱性粘着剤層を熱活性化させて行う記録用ラベルの貼付け作業の作業能率が低くなる。
【0008】
このような、プリンターに対する安全性、省電力化、装置のコンパクト化が望まれ、特許文献14〜20には、熱活性化方法としてサーマルヘッドを用いた活性化手段が記載されている。活性化方式としてサーマルヘッドを用いる事で熱活性化時のエネルギー消費量が少なく、安全性や装置のコンパクト化も従来より改善されてきている。しかしサーマルヘッドを活性化手段として用いる場合、サーマルヘッドが感熱粘着層に加熱接触しながら活性化させるために、ヘッドの抵抗体上に多量の糊カスが付着し、そのために熱エネルギーを高率良く感熱粘着層に伝達できないことによる粘着力低下やサーマルヘッドの短寿命化が付きまとうという致命的な欠点がある。
【0009】
このような課題改善として特に特許文献14に代表されるようにサーマルヘッド上に離型層がほどこされたり、特許文献15のようにサーマルヘッドと感熱粘着層の間に薄膜シートを介したものがでているが、逆に熱伝導性が低下し熱活性層に十分な熱量を供給できずに十分な粘着力を発現できない問題点がつきまとい、またサーマルヘッドの製造コスト高にもつながり市場に普及するに至っていないのが現状である。
【0010】
【特許文献1】
実開昭59−43979号公報
【特許文献2】
実開昭59−46265号公報
【特許文献3】
特開昭60−54842号公報
【特許文献4】
特開昭63−303387号公報
【特許文献5】
実公平5−11573号公報
【特許文献6】
特開平5−127598号公報
【特許文献7】
特開平6−8977号公報
【特許文献8】
特開平7−121108号公報
【特許文献9】
特開平7−164750号公報
【特許文献10】
特開昭57−37534号公報
【特許文献11】
特開昭60−45132号公報
【特許文献12】
特開平6−263128号公報
【特許文献13】
特開平7−258613号公報
【特許文献14】
特開平11−79152号公報
【特許文献15】
特開平11−65451号公報
【特許文献16】
特開平10−35126号公報
【特許文献17】
特開平11−157141号公報
【特許文献18】
特開平11−311945号公報
【特許文献19】
特開2001−303036号公報
【特許文献20】
特開2001−48139号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、特にサーマルヘッド活性化で生じる糊カス付着による粘着低下を改善し、安定した粘着性能を発現できる感熱性粘着材料の熱活性化方法を提供すること。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、感熱性粘着材料について種々の研究を重ねた結果、以下のような手段をとることで課題を解決するに至った。
【0013】
第1の発明は、支持体の一方の面に通常は非粘着性であり、熱によって粘着化する活性層が設けられた感熱性粘着材料において、熱活性化前の活性層膜厚をH1、熱活性化後の活性層膜厚をH2としたとき、H2/H1の値が0.40〜0.95となることを特徴とする熱活性化方法である。
【0014】
本発明者らはサーマルヘッド抵抗体上に活性化された糊カスが付着する現象をつぶさに観察したところ図1に示すような因果関係を見出した。
図1は活性化前の非粘着状態の活性層膜厚が10μmのものをサーマルヘッドによる活性化によって8μm〜2μmの膜厚にさせることでどのようにサーマルヘッド抵抗体上へのカス付着の挙動が変化するかを表したものである。
活性化された糊カスがサーマルヘッド抵抗体上に付着する要因としては、活性化された糊成分の流動性がもっとも大きな要因であることが予測される。活性化後の糊成分の流動性が高い場合、活性層内部は「液体状態」の姿に近くなり、支持体あるいは下層(中間層)内部に染み込んだり、延伸したりして活性層の見掛け上の膜厚は薄くなる。活性化後の糊成分の流動性が低い場合、活性層内部は「ゴム状態」の姿に近くなり、逆に支持体あるいは下層内部に染み込まず、また延伸することもなく活性層の見掛け上の膜厚は「液体状態」よりも薄くはならない。
【0015】
図1から読み取れることとして、活性層の膜厚変化が0.4未満になると糊成分は抵抗体上に付着及び堆積しやすくなり、逆に活性層の膜厚変化が0.4以上では抵抗体に糊カスが付着しにくく感熱粘着層に同伴されていくプロセスが繰り返されている。
ただし活性層の膜厚変化が0.95を超えると、逆に活性層内部が「ゴム状態」から「固体状態」となり粘着性を発現しない問題点が発生する。
【0016】
第2の発明は、前記の感熱性粘着材料の熱活性化方法における熱活性化手段としてサーマルヘッドを用い、熱活性化エネルギーが6〜30mJ/mm2、好ましくは15〜25mJ/mm2であることを特徴とする熱活性化方法である。
【0017】
本発明者らは、図1の活性層の膜厚変化を制御する手段としてサーマルヘッドを用い、熱活性化エネルギーを6〜30mJ/mm2とすることで所期の目的が達成できることを見出した。一般に活性化エネルギーが高いほど抵抗体表面温度は上昇し活性層の流動性は高くなり、活性層の膜厚変化も大きくなる。本発明者らは活性層膜厚変化と活性化エネルギーとの関係をつぶさに観察した結果、図2に示される関係を明らかにした。図2によると活性化エネルギーが30mJ/mm2を超えた場合、活性層膜厚変化が0.4未満となり図1よりカス付着が増加する分岐点になることが判る。また6mJ/mm2未満の活性化の場合、抵抗体表面温度が低く、活性層がほとんど溶融しないという問題点がある。
【0018】
第3の発明は、前記の熱活性化方法に用いる感熱性粘着材料であって、熱活性化前の活性層の膜厚が5〜18μm、好ましくは9〜16μmであることを特徴とする感熱性粘着材料である。
本発明者らは、前述したサーマルヘッドからの活性化エネルギーで高率良く活性層が溶融する条件として活性化前の活性層膜厚が5〜18μm、好ましくは9〜16μmの範囲であることを突き止めた。活性層の膜厚が5μm未満の場合かかる活性化エネルギーで十分に活性層は溶融するが被着体に貼り付けたとき、被着体のミクロな凹凸内部まで糊が入り込んでいかないために粘着力が不十分となる。逆に18μmよりも厚い活性層膜厚の場合、前記に記述したサーマルヘッドからの活性化エネルギーでは活性層全体が溶融せず、全体を溶融させるためにはさらに高い活性化エネルギーが必要であり、その場合サーマルヘッド抵抗体温度が上昇し前述したような抵抗体上への糊カスが付着しはじめる不具合が再び発生する。
【0019】
第4の発明は、前記において活性層と支持体との間に断熱性を有する中間層が設けてあり、該中間層にガラス転移点が−10℃以下、好ましくは−40℃以下の熱可塑性樹脂が含有されていることを特徴とする感熱性粘着材料である。
本発明者は前記記述したサーマルヘッドからの活性化エネルギーで更に効率良く活性化し高粘着力を発現できる手段を見出した。それは活性層と支持体との間に断熱性を有する中間層が設けられ、この中間層にガラス転移点が−10℃以下の熱可塑性樹脂を含有させることである。通常の断熱性を有する中間層を設けることはサーマルヘッドの熱エネルギーを下層に流さないで、活性層に貯えておくことができるが、さらにここにガラス転移点−10℃以下の熱可塑性樹脂を添加させることで活性層全体の粘弾性が低下し、サーマルヘッドとの密着性が向上し熱エネルギーを効率良く吸収することが可能になるだけでなく、被着体に貼り付けるときもミクロな凹凸からマクロな凹凸まで広範囲な被着体への貼り付け対応が可能となるのである。
【0020】
第5の発明は、前記感熱性粘着材料において表面(活性層が設けられている反対面)に、感熱記録層を設け感熱性粘着材料であり、第6の発明は、前記表面上にプレ印刷が施された感熱性粘着材料である。
【0021】
感熱性粘着材料の活性層は基本的に熱可塑性樹脂と固体可塑剤と粘着付与剤の基本三元系で構成されている。熱可塑性樹脂の種類としては、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−スチレン共重合体、ポリブタジエン、ポリウレタン等の樹脂が挙げられる。
これらのうち、接着性、耐候性の観点から、アクリル酸エステルをモノマー成分とする各種共重合体を使用するのが好ましい。これらは単独または複数を組み合わせて用いられる。
【0022】
固体可塑剤としては、フタル酸ジシクロヘキシル(融点65℃)、フタル酸ジフェニル(融点73℃)、N−シクロへキシル−p−トルエンスルホンアミド(融点86℃)、安息香酸スクロース(融点98℃)、二安息香酸エチレングリコール(融点70℃)、三安息香酸トリメチロールエタン(融点73℃)、四安息香酸ペンタエリトリット(融点95℃)、八酢酸スクロース(融点89℃)、カテコールジベンゾエート(融点86℃)等、更には、トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕(融点77℃)、1,6−ヘキサンジオールビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(融点103℃)等のヒンダードフェノール系化合物、2−[5′−(1″,1″,3″,3″−テトラメチルブチル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾール(融点103℃)、2−[3′,5′−ジ−(2″,2″−ジメチルプロピル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾール(融点80℃)、2−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(融点138℃)、2−(3、5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(融点155℃)、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(融点130℃)、2−(3、5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(融点80℃)等のトリアゾール系化合物等が挙げられる。
【0023】
これらの化合物のうち、加熱後の粘着性の持続時間が長く経時での接着安定性という点から、ヒンダードフェノール系化合物およびトリアゾール系化合物を使用するのが好ましく、活性層の溶融後のアモルファス化を維持させ更なる粘着性の持続時間を図るために複数を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
これらの固体可塑剤および化合物は、ボールミル、サンドミル、ペイントシェイカー、ダイノミル、アトライター、ヘンチェルミキサー等の湿式もしくは乾式の粉砕機により微粒化され水分散液として用いられるが、従来公知の方法でマイクロカプセル化して使用することも可能である。固体可塑剤の粒径は10μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下であるが、実用上からは0.7〜2μmである。
【0025】
粘着付与剤の具体例としては、テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン誘導体樹脂等が用いられる。
【0026】
本発明における活性層には、フィラー等も本発明の目的を妨げない範囲で添加可能であり、例えばアルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、チタン等の炭酸塩、酸化物、水酸化物、硫酸塩等、および天然シリカ、ゼオライト、カオリン、焼成カオリン等の粘度類を含む無機系顔料、澱粉、スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス等が使用可能である。
【0027】
本発明における活性層には、熱可塑性樹脂や固体可塑剤の他に固体可塑剤の過冷却性を促進させ低温環境下で高い粘着力を発現させる過冷却性促進剤を用いることができるが、その例としては、2−ベンジルオキシナフタレンなどのナフトール誘導体、メタターフェニル、アセチルビフェニル、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニルなどのビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2’−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテルなどのポリエーテル化合物。炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロルベンジル)エステル、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)エステルなどの炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体などがあり、中でもシュウ酸ジベンジル誘導体やビフェニル誘導体が固体可塑剤の過冷却性を促進させる効果がある。
【0028】
本発明における活性層には、活性層と支持体との接着または活性層内の凝集力を高める目的で、水性高分子バインダー、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、アルギン酸ソーダ等を添加することができる。
【0029】
本発明における活性層には、上記成分以外に必要に応じて硬膜剤、防腐剤、染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調節剤、消泡剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0030】
本発明の感熱性粘着材料に設けられる、活性層と支持体との間に位置し、断熱性を有し、且つガラス転移点が−10℃以下、好ましくは−40℃以下の熱可塑性樹脂が含有されている中間層の材料としては、断熱機能を有する中空粒子を配合したアクリル系ポリマーや塩化ビニリデン系ポリマーなどの高分子化合物の組成物が挙げられる。このようなガラス転移点の範囲の樹脂を用いると、熱溶融した活性層が中間層と一体化し、よりいっそうに下層へ染込みやすくなる。このような熱可塑性樹脂として、前記で記載した活性層を構成する熱可塑性樹脂を用いることができるが、好ましい樹脂としてはスチレンブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、スチレンアクリル酸エステル共重合体が挙げられ、より好ましくは、アクリル酸エステル共重合体の中でもアクリル酸2エチルヘキシル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂が挙げられる。もちろんこの樹脂を主成分にして補助樹脂を併用しても構わない。さらには中空粒子100部に対して100〜350部、好ましくは150〜270部、より好ましくは180〜230部の熱可塑性樹脂の構成比率が活性層全体の粘弾性低下と中間層の接着性向上の両面で優れる。
【0031】
本発明に係わる支持体に好ましく用いられる原紙は、木材パルプと填料を主成分として構成される。木材パルプとしては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等のパルプを含み、必要に応じて従来公知の顔料やバインダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の各種装置で支持体の製造が可能であり、酸性、中性、アルカリ性で抄造できる。
【0032】
また、該原紙は、金属ロールと合成樹脂ロールからなるカレンダー装置をオンマシン処理しても良い。その際、オフマシン処理しても良く、処理後に、更にマシンカレンダー、スーパーカレンダー等でカレンダー処理を施して平坦性をコントロールしても良い。
【0033】
原紙に含まれる填料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムのような白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のような有機顔料等が挙げられる。
【0034】
原紙に含まれるサイズ剤としては、例えば、酸性抄紙用ロジンサイズ剤、中性抄紙用変性ロジンサイズ剤、AKD、ASA、カチオンポリマー型サイズ剤等を挙げることができる。
【0035】
本発明における支持体としてはさらに、グラシン紙、アート紙、コーテッド紙、キャスト紙などの一般紙を用いることができ、填料、サイズ剤、紙力増強剤、染料等、通常抄紙で用いられる原材料を必要に応じて使用することが可能である。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等のプラスチックシート、およびこれらの合成繊維からなる合成紙や不織布、または合成樹脂を紙に片面、または両面にラミネートしたラミネート紙、金属箔、または金属箔と紙、蒸着紙、ホログラム処理を施した不透明シート、合成樹脂フィルムとの貼り合わせ品、マイカ紙、ガラスペーパー等も使用可能である。
【0036】
更に、紙送りや重ねた場合のトラブル防止のために導電処理を行ったり、支持体と感熱性粘着剤層の間にアンダーコート層を設ける等、各種の公知技術を必要に応じて付加することができる。
【0037】
本発明に係わる感熱性粘着剤層は、通常紙塗工用に用いられているブレードコーター、グラビアコーター、グラビアオフセットコーター、バーコーター、ロールコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、コンマコーター、Uコンマコーター、AKKUコーター、スムージングコーター、マイクログラビアコーター、リバースロールコーター、4本あるいは5本ロールコーター、ディップコーター、落下カーテンコーター、スライドコーター、ダイコーター等、若しくはフレキソ、凸版、グラビア、オフセット等の各種印刷機を用いて支持体に塗工、印刷される。
【0038】
支持体に塗工若しくは印刷する際の乾燥条件は使用される固体可塑剤が融解しない温度範囲で乾燥されなければならない。乾燥の手段としては熱風乾燥の他に赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用した乾燥方法が使用できる。
【0039】
本発明の感熱性粘着型感熱記録シートはラベルとして使用できる。本発明に用いる感熱記録層の感熱記録用発色剤、顕色剤に関しては、一般に感熱記録用紙に用いられているものであれば特に制限されない。たとえば、感熱記録層の発色剤としては、トリアリルメタン系化合物、ジアリールメタン系化合物、キサンテン系化合物、チアジン系化合物、スピロピラン系化合物、ジフェニルメタン系染料、スピロ系染料、ラクタム系染料、フルオラン系染料などが使用できる。
【0040】
具体的には、下記に示すものを挙げることができる。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインド−ル−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、などのトリアリルメタン系染料。
【0041】
4,4’−ビス−ジメチルアミノフェニルベンズヒドリルベンジルエーテル、4,4’−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリルベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなどのジフェニルメタン系染料。
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルーなどのチアジン系染料。
【0042】
3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3’−ジクロロスピロジナフトピラン、3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−メチル−ナフト(6’−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピランなどのスピロ系染料。
ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン(o−クロロアニリノ)ラクタムなどのラクタム系染料。
【0043】
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−カルボメトキシ−フェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−アセチル−N−メチルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−クロロエチル−N−メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチル−N−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−メチルアミノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−iso−アミルアミノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−p−ブチルフェニルアミノフルオランなどのフルオラン系染料。
【0044】
本発明に使用される感熱記録層の顕色剤としては、一般に感熱記録用紙に使用される電子受容性の物質が用いられ、特にフェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体あるいはその金属化合物、N,N’−ジアリールチオ尿素誘導体、有機酸と金属化合物の混合物、酸性重合体(例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、サリチル酸系樹脂またはこれらの亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケルなどの多価金属塩など)などが使用でき、特にフェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体あるいはその金属化合物、N,N’−ジアリールチオ尿素誘導体などが使用される。
【0045】
この中で特に好ましいものはフェノール誘導体、芳香族カルボン酸およびそのフェノール性化合物であり、具体的には、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、ビスフェノールスルフォン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロピルオキシジフェニルスルフォン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルフォン、ジフェノールエーテル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロロ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸オクチル、安息香酸、テレフタル酸、3−sec−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−クロロ−5−(α−メチルベンジル)、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、4−tert−ブチルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、α−ナフトール、β−ナフトール、4−ヒドロキシアセトフェノール、4−tert−カテコール、2,2’−ジヒドロキシジフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−イソブチルフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール)、ヒドロキノン、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、ノボラック型フェノール樹脂、フェノール重合体などのフェノール性化合物が挙げられる。
【0046】
本発明における感熱記録層において使用されるバインダーとしては、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチンなどのプロテイン、酸化澱粉、エステル化合物澱粉などのサッカロースの如き水性天然高分子化合物、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ラテックス、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体などの如き水溶性合成高分子化合物やラテックス類、エチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩などの水溶性接着樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのラテックスなどが挙げられる。
【0047】
また、感熱記録層の感度をさらに向上させるために、増感剤として、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどのワックス類、2−ベンジルオキシナフタレンなどのナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニルなどのビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2’−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテルなどのポリエーテル化合物。炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロルベンジル)エステルなどの炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体などを添加することができる。
【0048】
感熱記録層に使用される顔料としては、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂などが挙げられる。
【0049】
感熱記録層の下部、すなわち支持体の上に感熱発色性を向上させ、印字によるカスを防止するための中間層を設けること、あるいは感熱記録層の上に発色汚れや耐水性などを付与する目的で保護層を設けることは何ら差し支えない。
【0050】
また本感熱性粘着材料の活性層の反対面(表面)には目的に応じたプレ印刷層も設けることもできるし、センシング手段としてのアイマーク印刷を表面もしくは活性層面に設けることもできる。双方の印刷はUV印刷、EB印刷、フレキソ印刷等一般的な印刷方法が挙げられる。
【0051】
感熱記録層、中間層、保護層を設ける塗工方法として、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本あるいは5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法、等公知の塗工方法が利用可能である。
【0052】
本発明で使用する感熱記録層の最低発色温度、すなわち感熱記録層が発色し始める温度は、感熱性粘着剤層が接着性を発現する最低温度、すなわち十分な接着力を発現するのに必要な温度よりも、20℃以上高いことが好ましく、さらには30℃以上高いことが好ましい。ここでいう最低発色温度とは、一定温度に加熱した熱スタンプを感熱性粘着型感熱記録シートの感熱記録層側から5秒間接触させた後のマクベス光学濃度が、熱スタンプに接触する前より0.05ポイント以上増加するときの温度を指す。
【0053】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は、実施例に限られるものではない。以下に示す部はいずれも重量基準である。
また、各実施例及び比較例における活性層厚み(H1、H2)は次のようにして測定した。
(使用機器、使用方法)
使用機器:日立製S−2400電子顕微鏡使用
使用方法:印加電圧18kV 倍率3000倍
(測定定順)
1)まず本発明の感熱性粘着材料の断面を鋭利なカッタを用いて切断する。
2)断面部を蒸着後、日立製S−2400電子顕微鏡を用いて、印加電圧18kV、倍率3000倍で断面部を観察し、活性層厚み(H1)を測定する。
3)続いて熱活性後1時間経過したものを同様な方法により活性層厚み(H2)を測定する。
4)得られたH1およびH2にてH2/H1を計算する。
【0054】
(分散液Aの作製)
2−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールを100部、ポリビニルアルコール10%溶解液を50部、水200部を均一に混合してボールミルを用いて平均粒子径1.0μmになるまで粉砕し分散液Aを作製した。
【0055】
(分散液Bの作製)
シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)エステルを100部、ポリビニルアルコール10%溶解液を50部、水200部を均一に混合してボールミルを用いて平均粒子径1.0μmになるまで粉砕し分散液Bを作製した。
【0056】
(活性層液Cの作製)
熱可塑性樹脂エマルジョンAP5570(昭和高分子社製 固形分55% ガラス転移点−65℃)を100部、粘着付与剤エマルジョンE100(荒川化学社製 固形分50% 軟化点145℃)を70部、分散液Aを540部、分散液Bを150部、水130部の比率で十分に攪拌混合し、活性層液Cを作製した。
【0057】
(中間層液Dの作製)
中空粒子R300(松本油脂社製 固形分33%)を100部、SBRエマルジョン(日本A&L社製 固形分47.5% ガラス転移点−5℃)を140部、水420部の比率で十分に攪拌混合し、中間層液Dを作製した。
【0058】
(中間層液Eの作製)
中空粒子R300(松本油脂社製 固形分33%)を100部、熱可塑性樹脂エマルジョンAP5570(昭和高分子社製 固形分55% ガラス転移点−65℃)を120部、水440部の比率で十分に攪拌混合し、中間層液Eを作製した。
【0059】
<実施例1>
(感熱性粘着材料Fの作製)
支持体の片面に、ワイヤーバーを用いて中間層液Dを乾燥重量が4.0g/m2になるように塗布、乾燥させたあと、活性層液Cを乾燥後の膜厚が15.0μmになるように塗布、乾燥して感熱性粘着材料Fを得た。
【0060】
(感熱性粘着材料の活性化)
感熱性粘着材料Fを幅4cm、長さ10cmの大きさにして、サーマルヘッド(TEC社製TH−0976SP)8dot/mm、抵抗500Ω、全ドット通電で、活性化エネルギー8.0mJ/mm2、印字スピード100mm/秒、プラテン圧6kgf/lineの条件での活性化を22℃、65%Rhの環境下で10万枚繰り返した。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ13.5μmでありH2/H1は0.90であった。
【0061】
<実施例2>
実施例1において、活性化エネルギーを15mJ/mm2にした以外は実施例1と同様にした。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ11.1μmでありH2/H1は0.74であった。
【0062】
<実施例3>
実施例1において、活性化エネルギーを20mJ/mm2にした以外は実施例1と同様にした。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ9.9μmでありH2/H1は0.66であった。
【0063】
<実施例4>
実施例1において、活性化エネルギーを28mJ/mm2にした以外は実施例1と同様にした。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ7.4μmでありH2/H1は0.49であった。
【0064】
<実施例5>
(感熱性粘着材料Gの作製)
支持体の片面に、ワイヤーバーを用いて中間層液Eを乾燥重量が4.0g/m2になるように塗布、乾燥させたあと、活性層液Cを乾燥後の膜厚が15.0μmになるように塗布、乾燥して感熱性粘着材料Fを得た。
(感熱性粘着材料の活性化方法)
感熱性粘着材料Gを幅4cm、長さ10cmの大きさにして、サーマルヘッド(TEC社製TH−0976SP)8dot/mm、抵抗500Ω、全ドット通電で、活性化エネルギー15.0mJ/mm2、印字スピード100mm/秒、プラテン圧6kgf/lineの条件での活性化を22℃、65%Rhの環境下で10万枚繰り返した。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ11.3μmでありH2/H1は0.75であった。
【0065】
<実施例6>
(感熱性粘着材料Hの作製)
支持体の片面に、ワイヤーバーを用いて中間層液Dを乾燥重量が4.0g/m2になるように塗布、乾燥させたあと、活性層液Cを乾燥後の膜厚が22.0μmになるように塗布、乾燥して感熱性粘着材料Hを得た。
(感熱性粘着材料の活性化方法)
感熱性粘着材料Hを幅4cm、長さ10cmの大きさにして、サーマルヘッド(TEC社製TH−0976SP)8dot/mm、抵抗500Ω、全ドット通電で、活性化エネルギー20.0mJ/mm2、印字スピード100mm/秒、プラテン圧6kgf/lineの条件での活性化を22℃、65%Rhの環境下で10万枚繰り返した。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ14.7μmでありH2/H1は0.67であった。
【0066】
<実施例7>
実施例6において、活性層液Cの乾燥後の膜厚を10.0μmにした以外は実施例6と同様にした。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ6.6μmでありH2/H1は0.66であった。
【0067】
<実施例8>
実施例6において活性層液Cの乾燥後の膜厚を6.0μmにした以外は実施例6と同様にした。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ4.0μmでありH2/H1は0.67であった。
【0068】
<実施例9>
実施例6において活性層液Cの乾燥後の膜厚が4.0μmにした以外は実施例6と同様にした。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ2.6μmでありH2/H1は0.65であった。
【0069】
<実施例10>
(感熱性粘着材料Iの作製)
支持体の片面に、ワイヤーバーを用いて中間層液Eを乾燥重量が4.0g/m2になるように塗布、乾燥させたあと、活性層液Cを乾燥後の膜厚が6.0μmになるように塗布、乾燥して感熱性粘着材料Iを得た。
(感熱性粘着材料の活性化方法)
感熱性粘着材料Iを幅4cm、長さ10cmの大きさにして、サーマルヘッド(TEC社製TH−0976SP)8dot/mm、抵抗500Ω、全ドット通電で、活性化エネルギー20.0mJ/mm2、印字スピード100mm/秒、プラテン圧6kgf/lineの条件での活性化を22℃、65%Rhの環境下で10万枚繰り返した。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ4.0μmでありH2/H1は0.67であった。
【0070】
<比較例1>
実施例1に対して活性化エネルギーを5mJ/mm2にした以外は同様にした。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ14.7μmでありH2/H1は0.98であった。
【0071】
<比較例2>
実施例1に対して活性化エネルギーを32mJ/mm2にした以外は同様にした。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ5.4μmでありH2/H1は0.36であった。
【0072】
<比較例3>
実施例6に対して活性化エネルギーを32mJ/mm2にした以外は同様にした。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ7.5μmでありH2/H1は0.34であった。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
<粘着力測定>
本実施例および比較例で作製された活性化された感熱性粘着材料ラベルの活性化面をSUS板に加圧2kgのゴムローラーで長手方向に貼り付けて、2分後に剥離角度180℃、剥離速度300mm/minの条件で剥離させる。その時の粘着力の抵抗値を数値で示した。なお単位はgf/40mmである。
【0076】
<粘着力変化>
上記粘着力測定方法で、活性1枚目の粘着力をP1、活性10万枚目の粘着力をP2としたときに、P2/P1で表す
【0077】
<ヘッドカス付着高さ>
10万枚連続活性化して、サーマルヘッド抵抗体上に付着した糊カスを光学顕微鏡(KEYENCE社製 VK−8510)を用いて測定した。
【0078】
【発明の効果】
上記実施例および比較例の評価結果からわかるように、本発明の感熱性粘着材料の熱活性化方法およびそれを用いた感熱性粘着材料はサーマルヘッドを用いた活性化方法においてヘッド抵抗体上にカス付着は極めて少なく、連続活性化においても安定した粘着力を維持し続けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】感熱性粘着材料を用いて連続印字した場合における、熱活性化前後の活性層の膜厚変化とカス付着高さとの関係を示す図である。
【図2】活性化エネルギーと熱活性前後の活性層の膜厚変化との関係を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、常温では非粘着性であるが加熱により粘着性が発現し、しかも粘着性発現後も粘着性が持続する感熱性粘着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、記録用ラベル、特に、感熱記録用ラベルはPOS分野などを含む広い分野で使用されており、これらの記録用ラベルは、記録面の裏面側に感圧粘着剤層を設け、この感圧粘着剤層を介して剥離紙に貼付けて保管する方式のものが多い。
このような感熱記録用ラベルは使い勝手がよく、非常に有用である。しかし、使用後に剥離紙がゴミとなって残ること、剥離紙を必要とするために全体の製造コストが高くなること等の欠点がある。
【0003】
そこで、剥離紙を不要とした記録用ラベルとしては、粘着剤をマイクロカプセル化したもの、記録面側に粘着剤に対する剥離剤層を設けたものなどが、特許文献1〜3等に記載されている。しかしこれらは、粘着力が弱いことや、剥離剤層の上からは印刷ができない等の不具合がある。
【0004】
剥離紙を不要とした他の方式の記録用ラベルとしては、感熱性粘着剤層を用いたものが特許文献4、5等に記載されている。これらの感熱性粘着剤層を用いた記録用ラベルの場合、感熱性粘着剤層を熱活性化する必要があり、その熱活性化の方法として、特許文献5には熱風や赤外線を用いる方法が記載され、特許文献6には電熱ヒータや誘電コイルを用いる方法が記載され、特許文献7にはマイクロ波を使用する方法が記載され、特許文献8にはキセノンフラッシュを用いる方法が記載され、特許文献9にはハロゲンランプを用いる方法が記載されている。
【0005】
また、加熱手段又は加熱遮断で加熱された伝熱媒体を感熱性粘着剤層に接触させて熱活性化する方法も知られている。例えば、特許文献10には加熱手段である熱ヒータで加熱された伝熱媒体であるベルトを感熱性粘着剤層に接触させる方法が記載され、特許文献11には加熱手段である加熱ドラムを接触させる方法が記載され、特許文献12には加熱手段である熱ロールを接触させる方法が記載されている。
【0006】
電熱ヒータやハロゲンランプを用いて感熱性粘着剤層を熱活性化する場合には、熱を効率良く感熱性粘着剤層に与えることが困難であり、過熱状態に陥ることに対する安全性が低くなり、また、熱エネルギーが有効に使われないことによりエネルギーコストが高くなる。安全性、コストを考慮して加熱部分をカバーで覆うことも考えられるが、その場合には装置全体のコンパクト性が損なわれる。 加熱ドラムや熱ロール等の加熱手段、及び、加熱手段で加熱されたベルトなどの伝熱媒体を感熱性粘着剤層に接触させて熱活性化する場合には、熱活性化の迅速化を図るために加熱手段に熱を加えた状態で待機しなければならず、安全性の点で問題がある。又、熱活性化時に感熱性粘着剤層が加熱手段や伝熱媒体に転移したり、このような転移が原因となって記録用ラベルが加熱手段に巻き付いたりすることがある。
【0007】
記録用ラベルが感熱発色層を有する場合には、上記の熱活性化方法では、熱活性化時の熱の影響で感熱発色層が発色しやすくなるために、感熱発色層の耐熱性を向上させなければならず、熱感度の点で不利となる。
尚、特許文献13には、加熱手段を記録用ラベルの基材側から押し当てて感熱性粘着剤層を活性化する方法が記載されている。このようにすれば、感熱性粘着剤層の加熱手段への転移や、記録用ラベルの加熱手段への巻き付きは防止できる。しかし、感熱性粘着剤層の熱活性化に使用されずに無駄になる熱エネルギーが増え、及び、感熱性粘着剤層の熱活性化が素早く行われないため、熱活性化の作業、及び、感熱性粘着剤層を熱活性化させて行う記録用ラベルの貼付け作業の作業能率が低くなる。
【0008】
このような、プリンターに対する安全性、省電力化、装置のコンパクト化が望まれ、特許文献14〜20には、熱活性化方法としてサーマルヘッドを用いた活性化手段が記載されている。活性化方式としてサーマルヘッドを用いる事で熱活性化時のエネルギー消費量が少なく、安全性や装置のコンパクト化も従来より改善されてきている。しかしサーマルヘッドを活性化手段として用いる場合、サーマルヘッドが感熱粘着層に加熱接触しながら活性化させるために、ヘッドの抵抗体上に多量の糊カスが付着し、そのために熱エネルギーを高率良く感熱粘着層に伝達できないことによる粘着力低下やサーマルヘッドの短寿命化が付きまとうという致命的な欠点がある。
【0009】
このような課題改善として特に特許文献14に代表されるようにサーマルヘッド上に離型層がほどこされたり、特許文献15のようにサーマルヘッドと感熱粘着層の間に薄膜シートを介したものがでているが、逆に熱伝導性が低下し熱活性層に十分な熱量を供給できずに十分な粘着力を発現できない問題点がつきまとい、またサーマルヘッドの製造コスト高にもつながり市場に普及するに至っていないのが現状である。
【0010】
【特許文献1】
実開昭59−43979号公報
【特許文献2】
実開昭59−46265号公報
【特許文献3】
特開昭60−54842号公報
【特許文献4】
特開昭63−303387号公報
【特許文献5】
実公平5−11573号公報
【特許文献6】
特開平5−127598号公報
【特許文献7】
特開平6−8977号公報
【特許文献8】
特開平7−121108号公報
【特許文献9】
特開平7−164750号公報
【特許文献10】
特開昭57−37534号公報
【特許文献11】
特開昭60−45132号公報
【特許文献12】
特開平6−263128号公報
【特許文献13】
特開平7−258613号公報
【特許文献14】
特開平11−79152号公報
【特許文献15】
特開平11−65451号公報
【特許文献16】
特開平10−35126号公報
【特許文献17】
特開平11−157141号公報
【特許文献18】
特開平11−311945号公報
【特許文献19】
特開2001−303036号公報
【特許文献20】
特開2001−48139号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、特にサーマルヘッド活性化で生じる糊カス付着による粘着低下を改善し、安定した粘着性能を発現できる感熱性粘着材料の熱活性化方法を提供すること。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、感熱性粘着材料について種々の研究を重ねた結果、以下のような手段をとることで課題を解決するに至った。
【0013】
第1の発明は、支持体の一方の面に通常は非粘着性であり、熱によって粘着化する活性層が設けられた感熱性粘着材料において、熱活性化前の活性層膜厚をH1、熱活性化後の活性層膜厚をH2としたとき、H2/H1の値が0.40〜0.95となることを特徴とする熱活性化方法である。
【0014】
本発明者らはサーマルヘッド抵抗体上に活性化された糊カスが付着する現象をつぶさに観察したところ図1に示すような因果関係を見出した。
図1は活性化前の非粘着状態の活性層膜厚が10μmのものをサーマルヘッドによる活性化によって8μm〜2μmの膜厚にさせることでどのようにサーマルヘッド抵抗体上へのカス付着の挙動が変化するかを表したものである。
活性化された糊カスがサーマルヘッド抵抗体上に付着する要因としては、活性化された糊成分の流動性がもっとも大きな要因であることが予測される。活性化後の糊成分の流動性が高い場合、活性層内部は「液体状態」の姿に近くなり、支持体あるいは下層(中間層)内部に染み込んだり、延伸したりして活性層の見掛け上の膜厚は薄くなる。活性化後の糊成分の流動性が低い場合、活性層内部は「ゴム状態」の姿に近くなり、逆に支持体あるいは下層内部に染み込まず、また延伸することもなく活性層の見掛け上の膜厚は「液体状態」よりも薄くはならない。
【0015】
図1から読み取れることとして、活性層の膜厚変化が0.4未満になると糊成分は抵抗体上に付着及び堆積しやすくなり、逆に活性層の膜厚変化が0.4以上では抵抗体に糊カスが付着しにくく感熱粘着層に同伴されていくプロセスが繰り返されている。
ただし活性層の膜厚変化が0.95を超えると、逆に活性層内部が「ゴム状態」から「固体状態」となり粘着性を発現しない問題点が発生する。
【0016】
第2の発明は、前記の感熱性粘着材料の熱活性化方法における熱活性化手段としてサーマルヘッドを用い、熱活性化エネルギーが6〜30mJ/mm2、好ましくは15〜25mJ/mm2であることを特徴とする熱活性化方法である。
【0017】
本発明者らは、図1の活性層の膜厚変化を制御する手段としてサーマルヘッドを用い、熱活性化エネルギーを6〜30mJ/mm2とすることで所期の目的が達成できることを見出した。一般に活性化エネルギーが高いほど抵抗体表面温度は上昇し活性層の流動性は高くなり、活性層の膜厚変化も大きくなる。本発明者らは活性層膜厚変化と活性化エネルギーとの関係をつぶさに観察した結果、図2に示される関係を明らかにした。図2によると活性化エネルギーが30mJ/mm2を超えた場合、活性層膜厚変化が0.4未満となり図1よりカス付着が増加する分岐点になることが判る。また6mJ/mm2未満の活性化の場合、抵抗体表面温度が低く、活性層がほとんど溶融しないという問題点がある。
【0018】
第3の発明は、前記の熱活性化方法に用いる感熱性粘着材料であって、熱活性化前の活性層の膜厚が5〜18μm、好ましくは9〜16μmであることを特徴とする感熱性粘着材料である。
本発明者らは、前述したサーマルヘッドからの活性化エネルギーで高率良く活性層が溶融する条件として活性化前の活性層膜厚が5〜18μm、好ましくは9〜16μmの範囲であることを突き止めた。活性層の膜厚が5μm未満の場合かかる活性化エネルギーで十分に活性層は溶融するが被着体に貼り付けたとき、被着体のミクロな凹凸内部まで糊が入り込んでいかないために粘着力が不十分となる。逆に18μmよりも厚い活性層膜厚の場合、前記に記述したサーマルヘッドからの活性化エネルギーでは活性層全体が溶融せず、全体を溶融させるためにはさらに高い活性化エネルギーが必要であり、その場合サーマルヘッド抵抗体温度が上昇し前述したような抵抗体上への糊カスが付着しはじめる不具合が再び発生する。
【0019】
第4の発明は、前記において活性層と支持体との間に断熱性を有する中間層が設けてあり、該中間層にガラス転移点が−10℃以下、好ましくは−40℃以下の熱可塑性樹脂が含有されていることを特徴とする感熱性粘着材料である。
本発明者は前記記述したサーマルヘッドからの活性化エネルギーで更に効率良く活性化し高粘着力を発現できる手段を見出した。それは活性層と支持体との間に断熱性を有する中間層が設けられ、この中間層にガラス転移点が−10℃以下の熱可塑性樹脂を含有させることである。通常の断熱性を有する中間層を設けることはサーマルヘッドの熱エネルギーを下層に流さないで、活性層に貯えておくことができるが、さらにここにガラス転移点−10℃以下の熱可塑性樹脂を添加させることで活性層全体の粘弾性が低下し、サーマルヘッドとの密着性が向上し熱エネルギーを効率良く吸収することが可能になるだけでなく、被着体に貼り付けるときもミクロな凹凸からマクロな凹凸まで広範囲な被着体への貼り付け対応が可能となるのである。
【0020】
第5の発明は、前記感熱性粘着材料において表面(活性層が設けられている反対面)に、感熱記録層を設け感熱性粘着材料であり、第6の発明は、前記表面上にプレ印刷が施された感熱性粘着材料である。
【0021】
感熱性粘着材料の活性層は基本的に熱可塑性樹脂と固体可塑剤と粘着付与剤の基本三元系で構成されている。熱可塑性樹脂の種類としては、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−スチレン共重合体、ポリブタジエン、ポリウレタン等の樹脂が挙げられる。
これらのうち、接着性、耐候性の観点から、アクリル酸エステルをモノマー成分とする各種共重合体を使用するのが好ましい。これらは単独または複数を組み合わせて用いられる。
【0022】
固体可塑剤としては、フタル酸ジシクロヘキシル(融点65℃)、フタル酸ジフェニル(融点73℃)、N−シクロへキシル−p−トルエンスルホンアミド(融点86℃)、安息香酸スクロース(融点98℃)、二安息香酸エチレングリコール(融点70℃)、三安息香酸トリメチロールエタン(融点73℃)、四安息香酸ペンタエリトリット(融点95℃)、八酢酸スクロース(融点89℃)、カテコールジベンゾエート(融点86℃)等、更には、トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕(融点77℃)、1,6−ヘキサンジオールビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(融点103℃)等のヒンダードフェノール系化合物、2−[5′−(1″,1″,3″,3″−テトラメチルブチル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾール(融点103℃)、2−[3′,5′−ジ−(2″,2″−ジメチルプロピル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾール(融点80℃)、2−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(融点138℃)、2−(3、5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(融点155℃)、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(融点130℃)、2−(3、5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(融点80℃)等のトリアゾール系化合物等が挙げられる。
【0023】
これらの化合物のうち、加熱後の粘着性の持続時間が長く経時での接着安定性という点から、ヒンダードフェノール系化合物およびトリアゾール系化合物を使用するのが好ましく、活性層の溶融後のアモルファス化を維持させ更なる粘着性の持続時間を図るために複数を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
これらの固体可塑剤および化合物は、ボールミル、サンドミル、ペイントシェイカー、ダイノミル、アトライター、ヘンチェルミキサー等の湿式もしくは乾式の粉砕機により微粒化され水分散液として用いられるが、従来公知の方法でマイクロカプセル化して使用することも可能である。固体可塑剤の粒径は10μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下であるが、実用上からは0.7〜2μmである。
【0025】
粘着付与剤の具体例としては、テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン誘導体樹脂等が用いられる。
【0026】
本発明における活性層には、フィラー等も本発明の目的を妨げない範囲で添加可能であり、例えばアルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、チタン等の炭酸塩、酸化物、水酸化物、硫酸塩等、および天然シリカ、ゼオライト、カオリン、焼成カオリン等の粘度類を含む無機系顔料、澱粉、スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス等が使用可能である。
【0027】
本発明における活性層には、熱可塑性樹脂や固体可塑剤の他に固体可塑剤の過冷却性を促進させ低温環境下で高い粘着力を発現させる過冷却性促進剤を用いることができるが、その例としては、2−ベンジルオキシナフタレンなどのナフトール誘導体、メタターフェニル、アセチルビフェニル、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニルなどのビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2’−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテルなどのポリエーテル化合物。炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロルベンジル)エステル、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)エステルなどの炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体などがあり、中でもシュウ酸ジベンジル誘導体やビフェニル誘導体が固体可塑剤の過冷却性を促進させる効果がある。
【0028】
本発明における活性層には、活性層と支持体との接着または活性層内の凝集力を高める目的で、水性高分子バインダー、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、アルギン酸ソーダ等を添加することができる。
【0029】
本発明における活性層には、上記成分以外に必要に応じて硬膜剤、防腐剤、染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調節剤、消泡剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0030】
本発明の感熱性粘着材料に設けられる、活性層と支持体との間に位置し、断熱性を有し、且つガラス転移点が−10℃以下、好ましくは−40℃以下の熱可塑性樹脂が含有されている中間層の材料としては、断熱機能を有する中空粒子を配合したアクリル系ポリマーや塩化ビニリデン系ポリマーなどの高分子化合物の組成物が挙げられる。このようなガラス転移点の範囲の樹脂を用いると、熱溶融した活性層が中間層と一体化し、よりいっそうに下層へ染込みやすくなる。このような熱可塑性樹脂として、前記で記載した活性層を構成する熱可塑性樹脂を用いることができるが、好ましい樹脂としてはスチレンブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、スチレンアクリル酸エステル共重合体が挙げられ、より好ましくは、アクリル酸エステル共重合体の中でもアクリル酸2エチルヘキシル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂が挙げられる。もちろんこの樹脂を主成分にして補助樹脂を併用しても構わない。さらには中空粒子100部に対して100〜350部、好ましくは150〜270部、より好ましくは180〜230部の熱可塑性樹脂の構成比率が活性層全体の粘弾性低下と中間層の接着性向上の両面で優れる。
【0031】
本発明に係わる支持体に好ましく用いられる原紙は、木材パルプと填料を主成分として構成される。木材パルプとしては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等のパルプを含み、必要に応じて従来公知の顔料やバインダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の各種装置で支持体の製造が可能であり、酸性、中性、アルカリ性で抄造できる。
【0032】
また、該原紙は、金属ロールと合成樹脂ロールからなるカレンダー装置をオンマシン処理しても良い。その際、オフマシン処理しても良く、処理後に、更にマシンカレンダー、スーパーカレンダー等でカレンダー処理を施して平坦性をコントロールしても良い。
【0033】
原紙に含まれる填料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムのような白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のような有機顔料等が挙げられる。
【0034】
原紙に含まれるサイズ剤としては、例えば、酸性抄紙用ロジンサイズ剤、中性抄紙用変性ロジンサイズ剤、AKD、ASA、カチオンポリマー型サイズ剤等を挙げることができる。
【0035】
本発明における支持体としてはさらに、グラシン紙、アート紙、コーテッド紙、キャスト紙などの一般紙を用いることができ、填料、サイズ剤、紙力増強剤、染料等、通常抄紙で用いられる原材料を必要に応じて使用することが可能である。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等のプラスチックシート、およびこれらの合成繊維からなる合成紙や不織布、または合成樹脂を紙に片面、または両面にラミネートしたラミネート紙、金属箔、または金属箔と紙、蒸着紙、ホログラム処理を施した不透明シート、合成樹脂フィルムとの貼り合わせ品、マイカ紙、ガラスペーパー等も使用可能である。
【0036】
更に、紙送りや重ねた場合のトラブル防止のために導電処理を行ったり、支持体と感熱性粘着剤層の間にアンダーコート層を設ける等、各種の公知技術を必要に応じて付加することができる。
【0037】
本発明に係わる感熱性粘着剤層は、通常紙塗工用に用いられているブレードコーター、グラビアコーター、グラビアオフセットコーター、バーコーター、ロールコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、コンマコーター、Uコンマコーター、AKKUコーター、スムージングコーター、マイクログラビアコーター、リバースロールコーター、4本あるいは5本ロールコーター、ディップコーター、落下カーテンコーター、スライドコーター、ダイコーター等、若しくはフレキソ、凸版、グラビア、オフセット等の各種印刷機を用いて支持体に塗工、印刷される。
【0038】
支持体に塗工若しくは印刷する際の乾燥条件は使用される固体可塑剤が融解しない温度範囲で乾燥されなければならない。乾燥の手段としては熱風乾燥の他に赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用した乾燥方法が使用できる。
【0039】
本発明の感熱性粘着型感熱記録シートはラベルとして使用できる。本発明に用いる感熱記録層の感熱記録用発色剤、顕色剤に関しては、一般に感熱記録用紙に用いられているものであれば特に制限されない。たとえば、感熱記録層の発色剤としては、トリアリルメタン系化合物、ジアリールメタン系化合物、キサンテン系化合物、チアジン系化合物、スピロピラン系化合物、ジフェニルメタン系染料、スピロ系染料、ラクタム系染料、フルオラン系染料などが使用できる。
【0040】
具体的には、下記に示すものを挙げることができる。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインド−ル−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、などのトリアリルメタン系染料。
【0041】
4,4’−ビス−ジメチルアミノフェニルベンズヒドリルベンジルエーテル、4,4’−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリルベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなどのジフェニルメタン系染料。
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルーなどのチアジン系染料。
【0042】
3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3’−ジクロロスピロジナフトピラン、3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−メチル−ナフト(6’−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピランなどのスピロ系染料。
ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン(o−クロロアニリノ)ラクタムなどのラクタム系染料。
【0043】
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−カルボメトキシ−フェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−アセチル−N−メチルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−クロロエチル−N−メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチル−N−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−メチルアミノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−iso−アミルアミノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−p−ブチルフェニルアミノフルオランなどのフルオラン系染料。
【0044】
本発明に使用される感熱記録層の顕色剤としては、一般に感熱記録用紙に使用される電子受容性の物質が用いられ、特にフェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体あるいはその金属化合物、N,N’−ジアリールチオ尿素誘導体、有機酸と金属化合物の混合物、酸性重合体(例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、サリチル酸系樹脂またはこれらの亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケルなどの多価金属塩など)などが使用でき、特にフェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体あるいはその金属化合物、N,N’−ジアリールチオ尿素誘導体などが使用される。
【0045】
この中で特に好ましいものはフェノール誘導体、芳香族カルボン酸およびそのフェノール性化合物であり、具体的には、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、ビスフェノールスルフォン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロピルオキシジフェニルスルフォン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルフォン、ジフェノールエーテル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロロ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸オクチル、安息香酸、テレフタル酸、3−sec−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−クロロ−5−(α−メチルベンジル)、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、4−tert−ブチルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、α−ナフトール、β−ナフトール、4−ヒドロキシアセトフェノール、4−tert−カテコール、2,2’−ジヒドロキシジフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−イソブチルフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール)、ヒドロキノン、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、ノボラック型フェノール樹脂、フェノール重合体などのフェノール性化合物が挙げられる。
【0046】
本発明における感熱記録層において使用されるバインダーとしては、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチンなどのプロテイン、酸化澱粉、エステル化合物澱粉などのサッカロースの如き水性天然高分子化合物、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ラテックス、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体などの如き水溶性合成高分子化合物やラテックス類、エチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩などの水溶性接着樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのラテックスなどが挙げられる。
【0047】
また、感熱記録層の感度をさらに向上させるために、増感剤として、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどのワックス類、2−ベンジルオキシナフタレンなどのナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニルなどのビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2’−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテルなどのポリエーテル化合物。炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロルベンジル)エステルなどの炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体などを添加することができる。
【0048】
感熱記録層に使用される顔料としては、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂などが挙げられる。
【0049】
感熱記録層の下部、すなわち支持体の上に感熱発色性を向上させ、印字によるカスを防止するための中間層を設けること、あるいは感熱記録層の上に発色汚れや耐水性などを付与する目的で保護層を設けることは何ら差し支えない。
【0050】
また本感熱性粘着材料の活性層の反対面(表面)には目的に応じたプレ印刷層も設けることもできるし、センシング手段としてのアイマーク印刷を表面もしくは活性層面に設けることもできる。双方の印刷はUV印刷、EB印刷、フレキソ印刷等一般的な印刷方法が挙げられる。
【0051】
感熱記録層、中間層、保護層を設ける塗工方法として、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本あるいは5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法、等公知の塗工方法が利用可能である。
【0052】
本発明で使用する感熱記録層の最低発色温度、すなわち感熱記録層が発色し始める温度は、感熱性粘着剤層が接着性を発現する最低温度、すなわち十分な接着力を発現するのに必要な温度よりも、20℃以上高いことが好ましく、さらには30℃以上高いことが好ましい。ここでいう最低発色温度とは、一定温度に加熱した熱スタンプを感熱性粘着型感熱記録シートの感熱記録層側から5秒間接触させた後のマクベス光学濃度が、熱スタンプに接触する前より0.05ポイント以上増加するときの温度を指す。
【0053】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は、実施例に限られるものではない。以下に示す部はいずれも重量基準である。
また、各実施例及び比較例における活性層厚み(H1、H2)は次のようにして測定した。
(使用機器、使用方法)
使用機器:日立製S−2400電子顕微鏡使用
使用方法:印加電圧18kV 倍率3000倍
(測定定順)
1)まず本発明の感熱性粘着材料の断面を鋭利なカッタを用いて切断する。
2)断面部を蒸着後、日立製S−2400電子顕微鏡を用いて、印加電圧18kV、倍率3000倍で断面部を観察し、活性層厚み(H1)を測定する。
3)続いて熱活性後1時間経過したものを同様な方法により活性層厚み(H2)を測定する。
4)得られたH1およびH2にてH2/H1を計算する。
【0054】
(分散液Aの作製)
2−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールを100部、ポリビニルアルコール10%溶解液を50部、水200部を均一に混合してボールミルを用いて平均粒子径1.0μmになるまで粉砕し分散液Aを作製した。
【0055】
(分散液Bの作製)
シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)エステルを100部、ポリビニルアルコール10%溶解液を50部、水200部を均一に混合してボールミルを用いて平均粒子径1.0μmになるまで粉砕し分散液Bを作製した。
【0056】
(活性層液Cの作製)
熱可塑性樹脂エマルジョンAP5570(昭和高分子社製 固形分55% ガラス転移点−65℃)を100部、粘着付与剤エマルジョンE100(荒川化学社製 固形分50% 軟化点145℃)を70部、分散液Aを540部、分散液Bを150部、水130部の比率で十分に攪拌混合し、活性層液Cを作製した。
【0057】
(中間層液Dの作製)
中空粒子R300(松本油脂社製 固形分33%)を100部、SBRエマルジョン(日本A&L社製 固形分47.5% ガラス転移点−5℃)を140部、水420部の比率で十分に攪拌混合し、中間層液Dを作製した。
【0058】
(中間層液Eの作製)
中空粒子R300(松本油脂社製 固形分33%)を100部、熱可塑性樹脂エマルジョンAP5570(昭和高分子社製 固形分55% ガラス転移点−65℃)を120部、水440部の比率で十分に攪拌混合し、中間層液Eを作製した。
【0059】
<実施例1>
(感熱性粘着材料Fの作製)
支持体の片面に、ワイヤーバーを用いて中間層液Dを乾燥重量が4.0g/m2になるように塗布、乾燥させたあと、活性層液Cを乾燥後の膜厚が15.0μmになるように塗布、乾燥して感熱性粘着材料Fを得た。
【0060】
(感熱性粘着材料の活性化)
感熱性粘着材料Fを幅4cm、長さ10cmの大きさにして、サーマルヘッド(TEC社製TH−0976SP)8dot/mm、抵抗500Ω、全ドット通電で、活性化エネルギー8.0mJ/mm2、印字スピード100mm/秒、プラテン圧6kgf/lineの条件での活性化を22℃、65%Rhの環境下で10万枚繰り返した。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ13.5μmでありH2/H1は0.90であった。
【0061】
<実施例2>
実施例1において、活性化エネルギーを15mJ/mm2にした以外は実施例1と同様にした。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ11.1μmでありH2/H1は0.74であった。
【0062】
<実施例3>
実施例1において、活性化エネルギーを20mJ/mm2にした以外は実施例1と同様にした。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ9.9μmでありH2/H1は0.66であった。
【0063】
<実施例4>
実施例1において、活性化エネルギーを28mJ/mm2にした以外は実施例1と同様にした。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ7.4μmでありH2/H1は0.49であった。
【0064】
<実施例5>
(感熱性粘着材料Gの作製)
支持体の片面に、ワイヤーバーを用いて中間層液Eを乾燥重量が4.0g/m2になるように塗布、乾燥させたあと、活性層液Cを乾燥後の膜厚が15.0μmになるように塗布、乾燥して感熱性粘着材料Fを得た。
(感熱性粘着材料の活性化方法)
感熱性粘着材料Gを幅4cm、長さ10cmの大きさにして、サーマルヘッド(TEC社製TH−0976SP)8dot/mm、抵抗500Ω、全ドット通電で、活性化エネルギー15.0mJ/mm2、印字スピード100mm/秒、プラテン圧6kgf/lineの条件での活性化を22℃、65%Rhの環境下で10万枚繰り返した。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ11.3μmでありH2/H1は0.75であった。
【0065】
<実施例6>
(感熱性粘着材料Hの作製)
支持体の片面に、ワイヤーバーを用いて中間層液Dを乾燥重量が4.0g/m2になるように塗布、乾燥させたあと、活性層液Cを乾燥後の膜厚が22.0μmになるように塗布、乾燥して感熱性粘着材料Hを得た。
(感熱性粘着材料の活性化方法)
感熱性粘着材料Hを幅4cm、長さ10cmの大きさにして、サーマルヘッド(TEC社製TH−0976SP)8dot/mm、抵抗500Ω、全ドット通電で、活性化エネルギー20.0mJ/mm2、印字スピード100mm/秒、プラテン圧6kgf/lineの条件での活性化を22℃、65%Rhの環境下で10万枚繰り返した。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ14.7μmでありH2/H1は0.67であった。
【0066】
<実施例7>
実施例6において、活性層液Cの乾燥後の膜厚を10.0μmにした以外は実施例6と同様にした。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ6.6μmでありH2/H1は0.66であった。
【0067】
<実施例8>
実施例6において活性層液Cの乾燥後の膜厚を6.0μmにした以外は実施例6と同様にした。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ4.0μmでありH2/H1は0.67であった。
【0068】
<実施例9>
実施例6において活性層液Cの乾燥後の膜厚が4.0μmにした以外は実施例6と同様にした。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ2.6μmでありH2/H1は0.65であった。
【0069】
<実施例10>
(感熱性粘着材料Iの作製)
支持体の片面に、ワイヤーバーを用いて中間層液Eを乾燥重量が4.0g/m2になるように塗布、乾燥させたあと、活性層液Cを乾燥後の膜厚が6.0μmになるように塗布、乾燥して感熱性粘着材料Iを得た。
(感熱性粘着材料の活性化方法)
感熱性粘着材料Iを幅4cm、長さ10cmの大きさにして、サーマルヘッド(TEC社製TH−0976SP)8dot/mm、抵抗500Ω、全ドット通電で、活性化エネルギー20.0mJ/mm2、印字スピード100mm/秒、プラテン圧6kgf/lineの条件での活性化を22℃、65%Rhの環境下で10万枚繰り返した。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ4.0μmでありH2/H1は0.67であった。
【0070】
<比較例1>
実施例1に対して活性化エネルギーを5mJ/mm2にした以外は同様にした。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ14.7μmでありH2/H1は0.98であった。
【0071】
<比較例2>
実施例1に対して活性化エネルギーを32mJ/mm2にした以外は同様にした。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ5.4μmでありH2/H1は0.36であった。
【0072】
<比較例3>
実施例6に対して活性化エネルギーを32mJ/mm2にした以外は同様にした。ここで活性化後の活性層膜厚を電子顕微鏡で観察したところ7.5μmでありH2/H1は0.34であった。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
<粘着力測定>
本実施例および比較例で作製された活性化された感熱性粘着材料ラベルの活性化面をSUS板に加圧2kgのゴムローラーで長手方向に貼り付けて、2分後に剥離角度180℃、剥離速度300mm/minの条件で剥離させる。その時の粘着力の抵抗値を数値で示した。なお単位はgf/40mmである。
【0076】
<粘着力変化>
上記粘着力測定方法で、活性1枚目の粘着力をP1、活性10万枚目の粘着力をP2としたときに、P2/P1で表す
【0077】
<ヘッドカス付着高さ>
10万枚連続活性化して、サーマルヘッド抵抗体上に付着した糊カスを光学顕微鏡(KEYENCE社製 VK−8510)を用いて測定した。
【0078】
【発明の効果】
上記実施例および比較例の評価結果からわかるように、本発明の感熱性粘着材料の熱活性化方法およびそれを用いた感熱性粘着材料はサーマルヘッドを用いた活性化方法においてヘッド抵抗体上にカス付着は極めて少なく、連続活性化においても安定した粘着力を維持し続けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】感熱性粘着材料を用いて連続印字した場合における、熱活性化前後の活性層の膜厚変化とカス付着高さとの関係を示す図である。
【図2】活性化エネルギーと熱活性前後の活性層の膜厚変化との関係を示す図である。
Claims (6)
- 支持体の一方の面に、通常は非粘着性で熱により粘着発現し、しかも粘着発現後も粘着性が持続する活性層が設けられた感熱性粘着材料を熱活性化する方法において、熱活性化前の活性層膜厚をH1、熱活性化後の活性層膜厚をH2としたときH2/H1の値を0.40〜0.95とすることを特徴とする感熱性粘着材料の熱活性化方法。
- 感熱性粘着材料の熱活性化手段としてサーマルヘッドを用い、熱活性化エネルギーが6〜30mJ/mm2であることを特徴とする請求項1記載の感熱性粘着材料の熱活性化方法。
- 請求項1又は2に記載の熱活性化方法において用いる感熱性粘着材料であって、熱活性化前の活性層の膜厚が5〜18μmであることを特徴とする感熱性粘着材料。
- 活性層と支持体との間に断熱性を有する中間層が設けてあり、該中間層にガラス転移点が−10℃以下の熱可塑性樹脂が含有されていることを特徴とする請求項3に記載の感熱性粘着材料。
- 表面に感熱記録層が設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の感熱性粘着材料。
- 表面にプレ印刷が施されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の感熱性粘着材料
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2003
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