JP3549088B2 - 感熱性粘着シートおよび感熱性粘着型感熱記録シート - Google Patents

感熱性粘着シートおよび感熱性粘着型感熱記録シート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、常温では非粘着性であるが加熱により粘着性が発現し、しかも粘着性発現後も粘着性が持続するとともに、地肌カブリが著しく少ない感熱性粘着型感熱記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ラベル用粘着シートを、価格表示用ラベル、商品表示(バーコード)用ラベル、品質表示用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣伝用ラベル(ステッカー)等のラベル用途として使用することが増加している。その記録方式もインクジェット記録方式、感熱記録方式、感圧記録方式等様々な方式がある。従来よりラベルの情報記録面とは反対面に、粘着剤層と剥離紙を積層した構成の一般的な粘着シートが、貼り合わせ時に剥離紙を剥がし加圧のみで簡便に貼り合わせることのできるため広く使用されている。しかし、一般的な構成の粘着シートは、剥離紙を剥離して使用するが、剥離された剥離紙は回収されて再利用され難く、ほとんどの場合廃棄処分されている。また、いわゆる粘着剤層はタックをもっており、剥離紙を剥がした後の取り扱いが非常に難しく、被着体に不用意に貼り付けてしまったときに貼り直すために粘着シートを剥がそうとすると、粘着シートがカールしたりしわが入ったりし、最悪の場合にはシートが破れるという問題があった。近年では、常温では粘着性を示さず剥離紙を必要としない感熱性粘着シートが注目されている。
【0003】
感熱性粘着剤は、固体可塑剤および熱可塑性樹脂を必須成分とし、これらに粘着付与剤等を混合したもので、これらの混合物を支持体上の印刷面の反対面に塗工することにより感熱性粘着シートが得られる。感熱性粘着シートの粘着層表面は、常温では全く粘着性を示さないが、加熱することにより粘着性が発現し、熱源を取り去った後でも暫くの間粘着性を維持するものであり、加熱によりまず固体可塑剤が融解し、熱可塑性樹脂と粘着付与剤を溶解することにより粘着性が発現すると考えられている。感熱性粘着シートは、前記の一般的な粘着シートのように剥離紙を使用しないため、省資源、環境問題の点から有利である。更に、被着体に当接させてから感熱性粘着シートを加熱すれば接着できるため、貼付ミスを防止できる。
【0004】
このような利点を有する感熱性粘着シートであっても、従来のものには問題点を有するものもあった。その問題点の1つとして、ブロッキングが挙げられる。ブロッキングは、粘着を意図しないにも拘わらず粘着性を発現してしまう現象であり、常温よりも高い温度雰囲気下に長時間曝された場合等に誘発することがある。ロール状態またはそれを枚葉に裁断して積み重ねた状態のいずれの場合においても、一たびブロッキングが誘発すれば、感熱性粘着剤層と外面(支持体を挟んで感熱性粘着剤層と反対面)とが接着し、紙送りに支障をきたすのみならず、外面の印刷にも悪影響を与えることになる。
【0005】
従来の感熱性粘着シートに用いられている固体可塑剤としては、フタル酸ジエステル及びカテコールジエステルなどの融点が約40〜130℃の範囲の各種エステル系化合物が挙げられるが、従来の感熱性粘着シート用固体可塑剤として最も汎用されているフタル酸ジシクロヘキシルを例にとって説明すると、この融点は64℃であるにも拘わらず、この固体可塑剤を用いて作製された感熱性粘着シートは、約50℃の雰囲気下に保存することにより粘着性が発現する現象が観察される。
【0006】
そこで、ブロッキングを防止する手段として、感熱性粘着剤中に滑性のあるワックスを配合する方法(特公昭62−21835号公報)、無機物を添加あるいは混合させる方法(特開平2−282050号公報)、固体可塑剤の表面を無機化合物やコロイド粒子で保護し、固体可塑剤の軟化を抑制することでブロッキングを防止する方法(特開平6−57223号公報、特開平6−100847号公報、特開平6−100848号公報)等が開示されている。しかし、ワックスを配合するとブロッキング防止効果が不十分であるばかりか、逆に粘着性の低下をもたらす。通常の無機物の添加だけでは耐ブロッキング性が不十分である。固体可塑剤の表面を無機化合物やコロイド粒子で保護すると、固体可塑剤の溶融、拡散に時間がかかり、感熱性粘着剤の粘着性が現れにくく、接着性能が低下する等の問題を生じ、実用上不十分である。また、高融点の可塑剤を用いることによりブロッキングは改良されるが、粘着力の著しい低下をもたらす等の副作用が生じ、実際にはブロッキングが起こらないような低温度条件下で輸送、保管されているのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明が解決しようとする課題は、接着機能の低下がなく、耐ブロッキング性が向上されるとともに、地肌カブリが顕著に防止された感熱性粘着型感熱記録シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
支持体の片面に感熱記録層、反対面に融点が70℃以上の固体可塑剤とガラス転移温度が0℃以下である熱可塑性樹脂とを含有する感熱性粘着剤層を設けたこと及び該感熱記録層の最低発色温度が、該感熱性粘着剤層が接着性を発現する最低温度よりも20℃以上高いことを特徴とする感熱性粘着型感熱記録シート。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の感熱性粘着型感熱記録シートについて詳細に説明する。
【0013】
本発明における感熱性粘着剤層を構成する固体可塑剤は融点が70℃以上のものを使用する。例えば、フタル酸ジフェニル(融点73℃)、N−シクロへキシル−p−トルエンスルホンアミド(融点86℃)、安息香酸スクロース(融点98℃)、二安息香酸エチレングリコール(融点70℃)、三安息香酸トリメチロールエタン(融点73℃)、四安息香酸ペンタエリトリット(融点95℃)、八酢酸スクロース(融点89℃)、カテコールジベンゾエート(融点86℃)等、更には、トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕(融点77℃)、1,6−ヘキサンジオールビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(融点103℃)等のヒンダードフェノール系化合物、2−[5′−(1″,1″,3″,3″−テトラメチルブチル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾール(融点103℃)、2−[5′−(1″,1″,2″,3″−テトラメチルブチル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾール(融点103℃)、2−[3′,5′−ジ−(2″,2″−ジメチルプロピル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾール(融点80℃)、2−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(融点138℃)等のトリアゾール系化合物等が挙げられる。これらの化合物のうち、加熱後の粘着性の持続時間が長く経時での接着安定性という点から、ヒンダードフェノール系化合物およびトリアゾール系化合物を使用するのが好ましい。これらの化合物は単独または複数を組み合わせて用いられる。
【0014】
これらの固体可塑剤および化合物は、ボールミル、サンドミル、ペイントシェイカー、ダイノミル、アトライター、ヘンチェルミキサー等の湿式もしくは乾式の粉砕機により微粒化され水分散液として用いられるが、従来公知の方法でマイクロカプセル化して使用することも可能である。固体可塑剤の粒径は10μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下であるが、実用上からは1〜2μmである。
【0015】
感熱性粘着剤層を構成する熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が0℃以下である必要があり、好ましくは−50以上−10℃以下である。一般に、固体可塑剤は融点が高くなるにつれ樹脂の可塑化能が低下する。融点70℃以上の固体可塑剤とガラス転移温度が0℃よりも高い熱可塑性樹脂の組み合わせでは、熱可塑性樹脂の可塑化が不十分となり、加熱したときに粘着性が現れにくいという問題がある。一方、ガラス転移温度が−50℃よりも低い熱可塑性樹脂を使用すると、熱可塑性樹脂自体が有する粘着性が強くなり、ブロッキングを起こしやすくなる。
【0016】
感熱性粘着剤層を構成する熱可塑性樹脂の種類としては、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−スチレン共重合体、ポリブタジエン、ポリウレタン等の樹脂が挙げられる。これらのうち、接着性、耐候性の観点から、アクリル酸エステルをモノマー成分とする各種共重合体を使用するのが好ましい。これらは単独または複数を組み合わせて用いられる。
【0017】
本発明における固体可塑剤は、熱可塑性樹脂100部に対して50〜400部、好ましくは100〜300部の範囲で用いられる。この範囲未満の場合はブロッキングが生じやすくなり、この範囲を越えると粘着力の低下やチョーキングが生じやすくなる。
【0018】
本発明に係わる感熱性粘着剤層には、粘着力を向上するために、粘着付与剤を添加することができる。本発明に用いる粘着付与剤の具体例としては、テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン誘導体樹脂等が用いられる。
【0019】
これら粘着付与剤は、熱可塑性樹脂100部に対し200部以下、好ましくは20〜150部の範囲で混合して用いられる。粘着付与剤の添加部数が200部を越えるとブロッキングを生じ易くなる。
【0020】
本発明に係わる感熱性粘着剤層には、フィラー等も本発明の目的を妨げない範囲で添加可能であり、例えばアルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、チタン等の炭酸塩、酸化物、水酸化物、硫酸塩等、および天然シリカ、ゼオライト、カオリン、焼成カオリン等の粘度類を含む無機系顔料、澱粉、スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス等が使用可能である。
【0021】
本発明に係わる感熱性粘着剤層には、感熱性粘着剤層と支持体との接着または感熱性粘着剤層内の凝集力を高める目的で、水性高分子バインダー、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、アルギン酸ソーダ等を添加することができる。上記水性高分子バインダーの混合比率は、感熱性粘着シートの本来の粘着力を損なわない範囲で添加され、具体的には感熱性粘着剤層全固形分に対し30重量%以下、より好ましくは10重量%以下の範囲で用いられる。
【0022】
本発明に係わる感熱性粘着剤層には上記成分以外に必要に応じて硬膜剤、防腐剤、染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調節剤、消泡剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0023】
本発明に係わる支持体に好ましく用いられる原紙は、木材パルプと填料を主成分として構成される。木材パルプとしては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等のパルプを含み、必要に応じて従来公知の顔料やバインダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の各種装置で支持体の製造が可能であり、酸性、中性、アルカリ性で抄造できる。また、該原紙は、金属ロールと合成樹脂ロールからなるカレンダー装置をオンマシン処理しても良い。その際、オフマシン処理しても良く、処理後に、更にマシンカレンダー、スーパーカレンダー等でカレンダー処理を施して平坦性をコントロールしても良い。
【0024】
原紙に含まれる填料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムのような白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のような有機顔料等が挙げられる。
【0025】
原紙に含まれるサイズ剤としては、例えば、酸性抄紙用ロジンサイズ剤、中性抄紙用変性ロジンサイズ剤、AKD、ASA、カチオンポリマー型サイズ剤等を挙げることができる。
【0026】
本発明に係わる支持体としてはさらに、グラシン紙、アート紙、コーテッド紙、キャスト紙などの一般紙を用いることができ、填料、サイズ剤、紙力増強剤、染料等、通常抄紙で用いられる原材料を必要に応じて使用することが可能である。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等のプラスチックシート、およびこれらの合成繊維からなる合成紙や不織布、または合成樹脂を紙に片面、または両面にラミネートしたラミネート紙、金属箔、または金属箔と紙、蒸着紙、ホログラム処理を施した不透明シート、合成樹脂フィルムとの貼り合わせ品、マイカ紙、ガラスペーパー等も使用可能である。
【0027】
更に、紙送りや重ねた場合のトラブル防止のために導電処理を行ったり、支持体と感熱性粘着剤層の間にアンダーコート層を設ける等、各種の公知技術を必要に応じて付加することができる。
【0028】
本発明に係わる感熱性粘着剤層は、通常紙塗工用に用いられているブレードコーター、グラビアコーター、グラビアオフセットコーター、バーコーター、ロールコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、コンマコーター、Uコンマコーター、AKKUコーター、スムージングコーター、マイクログラビアコーター、リバースロールコーター、4本あるいは5本ロールコーター、ディップコーター、落下カーテンコーター、スライドコーター、ダイコーター等、若しくはフレキソ、凸版、グラビア、オフセット等の各種印刷機を用いて支持体に塗工、印刷される。
【0029】
支持体に塗工若しくは印刷の際の乾燥条件は使用される固体可塑剤が融解しない温度範囲で乾燥されなければならない。乾燥の手段としては熱風乾燥の他に赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用した乾燥方法が使用できる。
【0030】
感熱性粘着剤層の塗布量は、乾燥塗工量で通常2〜50g/m、好ましくは5〜35g/mの範囲で塗布される。感熱性粘着剤層の塗工量が2g/m未満であると、加熱による接着を行う際に十分な接着力が得られない。また、50g/mを越えると接着機能が飽和し経済上好ましくない。
【0032】
本発明の感熱性粘着型感熱記録シートはラベルとして使用できる。本発明に用いる感熱記録層の感熱記録用発色剤、顕色剤に関しては、一般に感熱記録用紙に用いられているものであれば特に制限されない。たとえば、感熱記録層の発色剤としては、トリアリルメタン系化合物、ジアリールメタン系化合物、キサンテン系化合物、チアジン系化合物、スピロピラン系化合物、ジフェニルメタン系染料、スピロ系染料、ラクタム系染料、フルオラン系染料などが使用できる。
【0033】
具体的には、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインド−ル−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、などのトリアリルメタン系染料。
【0034】
4,4’−ビス−ジメチルアミノフェニルベンズヒドリルベンジルエーテル、4,4’−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリルベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなどのジフェニルメタン系染料。
【0035】
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルーなどのチアジン系染料。
【0036】
3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3’−ジクロロスピロジナフトピラン、3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−メチル−ナフト(6’−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピランなどのスピロ系染料。
【0037】
ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン(o−クロロアニリノ)ラクタムなどのラクタム系染料。
【0038】
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−カルボメトキシ−フェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−アセチル−N−メチルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−クロロエチル−N−メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチル−N−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−メチルアミノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−iso −アミルアミノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−p−ブチルフェニルアミノフルオランなどのフルオラン系染料などが挙げられる。
【0039】
本発明に使用される感熱記録層の顕色剤としては、一般に感熱記録用紙に使用される電子受容性の物質が用いられ、特にフェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体あるいはその金属化合物、N,N’−ジアリールチオ尿素誘導体、有機酸と金属化合物の混合物、酸性重合体(例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、サリチル酸系樹脂またはこれらの亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケルなどの多価金属塩など)などが使用でき、特にフェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体あるいはその金属化合物、N,N’−ジアリールチオ尿素誘導体などが使用される。
【0040】
この中で特に好ましいものはフェノール誘導体、芳香族カルボン酸およびそのフェノール性化合物であり、具体的には、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、ビスフェノールスルフォン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロピルオキシジフェニルスルフォン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルフォン、ジフェノールエーテル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロロ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸オクチル、安息香酸、テレフタル酸、3−sec−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ 安息香酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−クロロ−5−(α−メチルベンジル)、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、4−tert−ブチルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、α−ナフトール、β−ナフトール、4−ヒドロキシアセトフェノール、4−tert−カテコール、2,2’−ジヒドロキシジフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−イソブチルフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェニル フェノール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール)、ヒドロキノン、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、ノボラック型フェノール樹脂、フェノール重合体などのフェノール性化合物が挙げられる。
【0041】
本発明における感熱記録層において使用されるバインダーとしては、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチンなどのプロテイン、酸化澱粉、エステル化合物澱粉などのサッカロースの如き水性天然高分子化合物、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ラテックス、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体などの如き水溶性合成高分子化合物やラテックス類、エチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩などの水溶性接着樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのラテックスなどが挙げられる。
【0042】
また、感熱記録層の感度をさらに向上させるために、増感剤として、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどのワックス類、2−ベンジルオキシナフタレンなどのナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニルなどのビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2’−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテルなどのポリエーテル化合物。炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロルベンジル)エステルなどの炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体などを添加することができる。
【0043】
感熱記録層に使用される顔料としては、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂などが挙げられる。
【0044】
感熱記録層の下部、すなわち支持体の上に感熱発色性を向上させ、印字によるカスを防止するための中間層を設けること、あるいは感熱記録層の上に発色汚れや耐水性などを付与する目的で保護層を設けることは何ら差し支えない。
【0045】
感熱記録層、中間層、保護層を設ける塗工方法として、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本あるいは5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法、等公知の塗工方法が利用可能である。
【0046】
本発明で使用する感熱記録層の最低発色温度、すなわち感熱記録層が発色し始める温度は、感熱性粘着剤層が接着性を発現する最低温度、すなわち十分な接着力を発現するのに必要な温度よりも、20℃以上高い。30℃以上高いことが好ましい。ここでいう最低発色温度とは、一定温度に加熱した熱スタンプを感熱性粘着型感熱記録シートの感熱記録層側から5秒間接触させた後のマクベス光学濃度が、熱スタンプに接触する前より0.05ポイント以上増加するときの温度を指す。また、感熱性粘着剤層が接着性を発現する最低温度(以下、最低活性化温度と称す)とは、感熱性粘着型感熱記録シートの感熱性粘着層をステンレス鋼板に対向するように重ね合わせ、一定温度に加熱した熱スタンプを感熱記録層側から5秒間接触後、1日経過後のJIS Z0237に準ずる180度接着力が500gf/25mm以上になる最低の温度を指す。最低発色温度と最低活性化温度の温度差が20℃未満であったり、逆に最低発色温度が最低活性化温度よりも低かったりする場合は、感熱性粘着剤層を加熱して接着を固定する際に、感熱記録層が発色し、地肌がカブる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は、実施例に限られるものではない。以下に示す部および%のいずれも重量基準である。また、塗工量を示す値は断わりのない限り乾燥後の塗工量である。
【0049】
予備操作1
支持体の抄造
支持体は、LBKP(濾水度420mlcsf)72部とNBKP(濾水度440mlcsf)28部からなる木材パルプ100部に対して、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が32/33/35の顔料25部、市販アルキルケテンダイマー0.12部、市販カチオン系アクリルアミド0.03部、市販カチオン化澱粉1.2部、硫酸バンド0.5部を調製後、長網抄紙機を用いて坪量100g/mで抄造した。
【0050】
固体可塑剤分散液Aの調製
固体可塑剤として三安息香酸トリメチロールエタン(融点73℃)100部に、分散剤としてノニオン性界面活性剤(商品名:ノイゲンEA−120、第一工業製薬株式会社製)2.4重量部と水を均一に混合して濃度56%としボールミルを用いて平均粒子径2.0μmになるまで粉砕した。
【0051】
固体可塑剤分散液Bの調製
固体可塑剤としてトリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕(融点77℃)100部に、分散剤としてノニオン性界面活性剤(商品名:ノイゲンEA−120、第一工業製薬株式会社製)2.4重量部と水を均一に混合して濃度50%としボールミルを用いて平均粒子径2.0μmになるまで粉砕した。
【0052】
固体可塑剤分散液Cの調製
固体可塑剤として2−[3′,5′−ジ−(2″,2″−ジメチルプロピル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾール(融点80℃)100部に、分散剤としてノニオン性界面活性剤(商品名:ノイゲンEA−120、第一工業製薬株式会社製)2.4重量部と水を均一に混合して濃度50%としボールミルを用いて平均粒子径2.0μmになるまで粉砕した。
【0053】
固体可塑剤分散液Dの調製
固体可塑剤としてフタル酸ジシクロへキシル(融点64℃)100部に、分散剤としてノニオン性界面活性剤(商品名:ノイゲンEA−120、第一工業製薬株式会社製)2.4重量部と水を均一に混合して濃度56%としボールミルを用いて平均粒子径2.0μmになるまで粉砕した。
【0054】
感熱性粘着剤層塗液の調製
固体可塑剤分散液Aを200部に、熱可塑性樹脂として酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、スミカフレックス473;ガラス転移温度 −5℃)100部と、粘着付与剤としてロジンエステル分散液(荒川化学工業株式会社製、スーパーエステルE−730)70部とを混合した(固形分濃度50重量%)。
【0071】
予備操作2
中間層塗液の作製
アンシレックス(エンゲルハード製焼成カオリン、JIS−K5101法による
吸油量80ml/100g) 100部
10%ヘキサメタリン酸ソーダ 4部
20%MS4600(日本食品製、リン酸エステル化澱粉) 30部
48%スチレンブタジエン系共重合ラテックス 40部
水 90部
を攪拌分散し中間層塗液を固形分濃度40%で作製した。
【0072】
感熱記録層塗液の作製
1)A液の調製
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(染料) 35部
5%ポリビニルアルコール 105部
A液をダイノミル(シンマルエンタープライゼス製)を用いて体積平均径0.5μmに粉砕した。
【0073】
2)B液の調製
2,4’−ジヒドロキシジフエニルスルホン(顕色剤) 50部
2−ベンジルオキシナフタレン(増感剤) 20部
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフエ
ニル)ブタン 10部
5%ポリビニルアルコール 100部
40%ステアリン酸亜鉛エマルジョン(中京油脂製、ハイドリンSZ40) 20部
B液をダイノミル(シンマルエンタープライゼス製)を用いて体積平均径1.1μmに粉砕した。
【0074】
3)C液の調製
軽質炭酸カルシウム 35部
10%ヘキサメタリン酸ソーダ 3.5部
水 63部
A、B、C液を混合し、更に10%PVA液を固形分で全固形分の20%になるように添加し感熱記録層塗液とした。
【0075】
保護層塗液の作製
10%ポリビニルアルコール 100部
40%ステアリン酸亜鉛エマルジョン液(中京油脂製、ハイドリンSZ40) 5部
20%ケイ酸(水沢化学製、ミズカシルP527) 50部
上記の配合で、固形分濃度が10%となるように保護層塗液を作製した。
【0076】
感熱記録用紙1
予備操作1で作製した支持体の片面にエアナイフコーターを用いて、塗工量が5g/m2となるように予備操作2で作製した感熱記録層塗液を塗工し、乾燥して感熱記録層を設けた。この感熱層の上にエアナイフコーターを用いて、予備操作2で作製した保護層塗液を塗工量が3g/m2となるように塗工、乾燥した。この感熱記録用紙の最低発色温度を測定したところ90℃であった。
【0077】
感熱記録用紙2
予備操作1で作製した支持体の片面にブレードコーターを用いて、塗工量が8.5g/m2となるように予備操作2で作製した中間層塗液を塗工し、乾燥して中間層とした。この中間層の上にエアナイフコーターを用いて塗工量が5g/m2となるように予備操作2で作製した感熱記録層塗液を塗工し、乾燥して感熱記録層を設けた。この感熱層の上にエアナイフコーターを用いて、予備操作2で作製した保護層塗液を塗工量が3g/m2となるように塗工、乾燥した。この感熱記録用紙の最低発色温度を測定したところ75℃であった。
【0078】
実施例1
予備操作2で作製した感熱記録用紙1の感熱記録層が設けられいる面の反対面にエアーナイフコーターを用いて感熱性粘着剤層塗液を塗工量が25g/m2になるように塗工、乾燥して本発明の感熱性粘着型感熱記録シートを得た。この感熱性粘着型感熱記録シートの最低活性化温度を測定したところ68℃であり、感熱記録層の最低発色温度との温度差は、90−68℃=22℃であった。
【0079】
比較例1
予備操作2で作製した感熱記録用紙1の感熱記録層が設けられている面の反対面にエアーナイフコーターを用いて固体可塑剤分散液Aを固体可塑剤分散液Bに変えた感熱性粘着剤層塗液を塗工量が25g/m2になるように塗工、乾燥して本発明外の感熱性粘着型感熱記録シートを得た。この感熱性粘着型感熱記録シートの最低活性化温度を測定したところ73℃であり、感熱記録層の最低発色温度との温度差は90−73℃=17℃であった。
【0080】
比較例2
予備操作2で作製した感熱記録用紙2の感熱記録層が設けられいる面の反対面にエアーナイフコーターを用いて感熱性粘着剤層塗液を塗工量が25g/m2になるように塗工、乾燥して本発明外の感熱性粘着型感熱記録シートを得た。この感熱性粘着型感熱記録シートの最低活性化温度を測定したところ68℃であり、感熱記録層の最低発色温度との温度差は75−68℃=7℃であった。
【0081】
比較例3
固体可塑剤分散液Aを固体可塑剤分散液Dに変える以外は同様にして実施例1を繰り返した。この感熱性粘着型感熱記録シートの最低活性化温度を測定したところ60℃であり、感熱記録層の最低発色温度との温度差は90−60℃=30℃であった。
【0082】
比較例4
熱可塑性樹脂として酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、スミカフレックス473;ガラス転移温度 −5℃)を、酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、スミカフレックス467;ガラス転移温度 3℃)に変える以外は同様にして比較例3を繰り返した。この感熱性粘着型感熱記録シートの最低活性化温度を測定したところ60℃であり、感熱記録層の最低発色温度との温度差は90−60℃=30℃であった。
【0083】
比較例5
熱可塑性樹脂として酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、スミカフレックス473;ガラス転移温度 −5℃)を、酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、スミカフレックス467;ガラス転移温度3℃)に変える以外は同様にして実施例1を繰り返した。この感熱性粘着型感熱記録シートの最低活性化温度を測定したところ68℃であり、感熱記録層の最低発色温度との温度差は90−68℃=22℃であった。
【0084】
比較例6
固体可塑剤分散液Aを固体可塑剤分散液Bに変え、熱可塑性樹脂として酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、スミカフレックス473;ガラス転移温度 −5℃)を、酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、スミカフレックス467;ガラス転移温度 3℃)に変える以外は同様にして実施例1を繰り返した。この感熱性粘着型感熱記録シートの最低活性化温度を測定したところ74℃であり、感熱記録層の最低発色温度との温度差は90−74℃=16℃であった。
【0085】
以上の実施例、比較例により得られた感熱性粘着シートを以下の試験方法により評価し、その結果を表に示した。
【0086】
<試験方法>
1)加熱接着性
感熱性粘着型感熱記録シートを幅25mmに裁断した後、感熱性粘着剤層がステンレス鋼板に対向するように重ね合わせた。感熱性粘着剤層の最低活性化温度よりも5℃高い温度に加熱した熱スタンプを5秒間、感熱性粘着型感熱記録シートに接触させることにより接着を固定した。1日後、180度動剥離強度(300mm/分)をテンシロン万能試験機にて測定した。なお、表中の単位はg/25mmである。接着力が800g/25mm以上の場合接着性が優れている。500g/25mm以上800g/25mm未満の場合は実用上問題のないレベルであり、500g/25mm未満の場合は接着機能に劣っており実用上使用困難である。
【0087】
2)耐ブロッキング性
感熱性粘着型感熱記録シートの感熱性粘着剤層と反対面の感熱記録面が対向するように重ね合わせ、500g/cmの加重をかけた。60℃で1日間保存後に、ブロッキングの発生状況を下記の基準で評価した。
◎:ブロッキングを起こさなかったもの。
○:少しブロッキングするが実用上問題のないもの。
×:ブロッキングを起こしており実用上問題があるもの。
【0088】
3)感熱記録層の地肌カブリ性
加熱接着性評価により得られた感熱性粘着型感熱記録シートについて、感熱記録層の発色を調べ、以下の基準で評価した。
◎:感熱記録層に発色が全く見られない。
○:感熱記録層にかすかに発色が見られる。
×:感熱記録層にはっきりと視認できる発色が見られる。
【0089】
【表】
Figure 0003549088
【0090】
<評価>
表から、感熱記録層の最低発色温度が感熱性粘着剤層の最低活性化温度よりも20℃以上高いと、接着力にも耐ブロッキング性にも満足できるとともに接着時に感熱記録層の地肌カブリが全くみられない。

Claims (1)

  1. 支持体の片面に感熱記録層、反対面に融点が70℃以上の固体可塑剤とガラス転移温度が0℃以下である熱可塑性樹脂とを含有する感熱性粘着剤層を設けたこと及び該感熱記録層の最低発色温度が、該感熱性粘着剤層が接着性を発現する最低温度よりも20℃以上高いことを特徴とする感熱性粘着型感熱記録シート。
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