JP4466995B2 - 感熱性粘着ラベルの発行方法 - Google Patents

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本発明は、裏面が感熱性粘着層面に形成され、該粘着層面に所定間隔でアイマークが印刷されている帯状の長尺シートにおける該アイマークを検知し、該検知信号に基づいて該シートを所定間隔で切断又は半切断して感熱性粘着ラベルを発行する方法に関するものである。
感熱性粘着シートからラベルをプリンタ(ラベル発行装置)で発行する場合、最終的には1枚の熱活性化された粘着性ラベルが手元に発行される。この場合、どのような大きさのラベルサイズにカットするかについては、多数のラベルを、その表面に連続した帯状剥離紙を貼着させて形成した通常の剥離紙付きラベルでは、シリコン紙とラベルの光透過度との差をセンサーが検知し、その検知信号に基づいて所定のラベルサイズにカットされるが、感熱性粘着シートの場合は、シリコン紙のない連続紙のため、通常は、その切断箇所に対応する位置の粘着層面に一本バーのアイマークを印刷し、このアイマークの検知信号に基づいて所定ラベルサイズにカットされている。
しかし、この場合のアイマーク印刷部分は、ラベルの切断部に位置するため、熱活性化してもそのアイマーク部分が粘着化しずらく、被着体に貼ってもそのアイマーク部分が貼り付かないなめに、容易に剥がれたり、ラベルの見栄え(外観)が悪いなどの問題点があった。
このような問題点に対して、アイマーク印刷濃度を薄くしたり、アイマーク印刷インク層厚みを薄くしたりすることで、ある程度の粘着力は得られるが、この場合には、センサーによるアイマークの検知が出来なくなり、アイマークがその機能を果たさないという問題が付きまとっている。
また、感熱性粘着層と支持体シート間にアイマーク印刷を施す試みもなされている。この場合には、被着体に貼られたラベルの見栄えは良くなるが、感熱性粘着層形成時でラベルサイズは固定されてしまうために、顧客の多様なラベルサイズの要求に対し対応できないという問題がある。
更には、裏面ではなく、表面にアイマーク印刷をすることもできるが、この場合には、ラベル表面に不必要な印刷が施されるために、そのラベルは商品価値を損なってしまうという問題点がある。
本発明は、熱活性化により良好な粘着性を発現し、被着体に貼着したときにその被着体から容易に剥離することがなく、さらに見栄えの良好な感熱性粘着ラベルを効率的にかつ安定的に発行する方法を提供することをその課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す感熱性粘着ラベルの発行方法が提供される。
(1)裏面が感熱性粘着層面に形成され、該粘着層面に所定間隔でアイマークが印刷されている帯状の長尺シートを所速度で移動させるとともに、該シートに存在する該アイマークを検知し、該検知信号に基づいて該シートを所定間隔で切断又は半切断して感熱性粘着ラベルを発行する方法であって、前記アイマークの寸法、前記シートに対するアイマークの印刷位置及び前記シートに対する切断又は半切断位置により、切断又は半切断されたラベルに対するアイマークの位置及び面積比を調節してラベルを発行するものであり、前記アイマークは、長尺シートの長辺両端よりも5mm以上内側に紫外線硬化型インク又は電子線硬化型インクで印刷され、非アイマーク部分との光反射率差が880〜920nmの波長域で45%以上示すものであり、前記インクの色料(色材)は、最大吸収波長を800〜1000nm波長域に持つ近赤外吸収色素または近赤外吸収顔料、または880〜920nmの波長域に吸収を持つ白色顔料であり、前記切断又は半切断されたラベルは、アイマークがラベル周縁よりも5mm以上内側に位置し、アイマークとラベル周縁との間にはアイマークが存在せず、かつアイマークのラベルに対する面積比が0.5〜35%の範囲にあることを特徴とする感熱性粘着ラベルの発行方法。
(2)前記近赤外吸収色素または近赤外吸収顔料が、ポリメチン色素、スクアリリウム色素、ジチオール金属錯体、ジチオレン錯体、アミニウム色素、イモニウム色素、フタロシアニンから選ばれる少なくとも1種類以上であることを特徴とする前記(1)に記載の感熱性粘着ラベルの発行方法。
(3)前記白色顔料が、導電性酸化亜鉛、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、導電性酸化インジウムから選ばれる少なくとも1種類以上であることを特徴とする前記(1)に記載の感熱性粘着ラベルの発行方法。
(4)前記感熱性粘着層が、シリコーン変性された熱可塑性樹脂と固体可塑剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の感熱性粘着ラベルの発行方法。
(5)該シートの表面が、感熱発色層面に形成されていることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の感熱性粘着ラベルの発行方法。
(6)該感熱発色層面に対し、該アイマークの検知前に熱印字を行うことを特徴とする前記(5)に記載の感熱性粘着ラベルの発行方法。
(7)該感熱発色層面に対し、該アイマークの検知後でかつ該シートの切断又は半切断前に熱印字を行うことを特徴とする前記(5)に記載の感熱性粘着ラベルの発行方法。
(8)該切断又は半切断により得られる該ラベルを熱活性化することを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の感熱性粘着ラベルの発行方法。
本発明によれば、見栄がよくかつ貼着性にすぐれた感熱性粘着ラベルを、連続的にかつ安定的に発行することができる。
さらに、感熱性粘着ラベルをプリンタで発行する場合、アイマーク印刷の光反射率差をセンサーがキャッチしてラベルサイズを認識でき、且つアイマーク印刷による商品価値を落とさず、ラベルの貼り付け不具合の無いラベルを発行することができる。
本発明では、感熱性粘着ラベル発行用材料として、裏面が感熱性粘着層面に形成され、該粘着層面に所定間隔でアイマークが印刷されている帯状の長尺シート(以下、単にシートとも言う)を用いる。このシートにおいて、その幅は、10〜200mmであり、特に、40〜150mmである。その長さは、特に制約されないが、通常、30〜200mであり、特に50〜150mである。このシートは、通常、ロール巻の状態で取扱われる。
前記シートは、支持体シートの裏面上に、感熱性粘着層を形成し、その感熱性粘着層上にアイマークを印刷することにより製造することができる。
この場合、該感熱性粘着層は、加熱により粘着性を発現する熱可塑性樹脂と、固体可塑剤を含有する。この熱可塑性樹脂(以下、単に樹脂とも言う)には、従来公知の各種のもの、例えば、アクリル系樹脂の他、無水フタル酸系樹脂、イソフタル酸系樹脂、テレフタル酸系樹脂で代表されるアルキッド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂等が包含される。この中で特に高粘着力の発現とヘッドカス低減化効果の点で、アクリル系樹脂が好ましい。
アクリル系樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、それらのエステルの中から選ばれる少なくとも1種を主な原料として形成されたビニルポリマーであり、常温固体で、加熱により粘着性を発現する樹脂である。このような樹脂には、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸メチル/アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が包含される。
なお、本明細書における(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸あるいはその両方を意味する。
本発明では、該樹脂としては、シリコーン変性された熱可塑性樹脂を好ましく用いることができる。
本明細書で言うシリコーン変性された熱可塑性樹脂とは、加熱により粘着性を発現する熱可塑性樹脂を構成する分子の少なくとも一部に対して、シリコーン(オルガノポリシロキサン)基が結合した構造の樹脂を意味する。
このシリコーン変性された熱可塑性樹脂(以下、単に変性樹脂とも言う)において、その樹脂としては、加熱により粘着性を発現するものであればよく、従来公知の各種の樹脂が用いられる。このようなものには、例えば、アクリル系樹脂の他、無水フタル酸系樹脂、イソフタル酸系樹脂、テレフタル酸系樹脂で代表されるアルキッド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂等が包含される。この中で特に高粘着力の発現とヘッドカス低減化効果の点で、アクリル系樹脂が好ましい。
該変性樹脂において、そのシリコーン基は、鎖状又は環状の各種のオルガノポリシロキサンからなることができ、特に制約されない。
変性樹脂を製造する方法としては、従来公知の各種の方法を用いることができる。このような方法としては、例えば、以下に示すような方法を挙げることができる。
(1)長いシリコーン鎖を有するマクロビニルモノマーと他のビニルモノマーとを共重合させる方法。
(2)熱可塑性樹脂に対して、シリコーンビニルモノマーをグラフト共重合させる方法。
(3)熱可塑性樹脂に対して、反応性のオルガノポリシロキサンを反応させる方法。
本発明で用いる好ましい変性樹脂の1つとして、シリコーンマクロビニルモノマーとアクリル系ビニルモノマーとを共重合して得られるシリコーングラフトアクリル系樹脂を示すことができる。
前記変性樹脂は、既に市販されており、それらのものを有利に用いることができる。このような変性樹脂は、通常、水性エマルジョンや有機溶媒溶液の形態で販売されている。
市販されているシリコーングラフトアクリル系樹脂を例示すると、以下のものを挙げることができる。
東亜合成(株)製の「サイマックス」シリーズの「US−450」〔形態:溶液、溶剤:水、樹脂のガラス転移点(Tg):約70℃、樹脂塗膜の剥離強度:150g/インチ、撥水性(接触角):102度〕、「US480」〔形態:溶液〕、「US−218E」〔形態:水性エマルジョン、樹脂のガラス転移点(Tg):約−5℃、撥水性(接触角):90度〕、「US−220E」〔形態:水性エマルジョン、樹脂のガラス転移点(Tg):約20℃、撥水性(接触角):92度〕、「US−224E」〔形態:水性エマルジョン、樹脂のガラス転移点(Tg):約10℃、撥水性(接触角):95度〕、「US−230」〔形態:水性エマルジョン、樹脂のガラス転移点(Tg):約40℃、撥水性(接触角):95度〕等が挙げられる。
なお、前記サイマックスUSシリーズにおける樹脂のTgは、幹部分のアクリル系ポリマーの計算値である。
また、剥離強度は、セロハンテープによる180度剥離強度(圧着条件:60℃、40g/cm、20時間)である。
また、ダイセル化学工業(株)製の「アクアブリッド903」〔形態:水性エマルジョン、Tg:10℃〕、「Asi91」〔形態:水性エマルジョン、Tg:25℃〕、「Asi 784」〔形態:水性エマルジョン、Tg:15℃〕、「Asi 91Z3」〔形態:水性エマルジョン、Tg:90℃〕、「CS−179」〔形態:水性エマルジョン、Tg:45℃〕等が挙げられる。
さらに、信越化学(株)製の「X−22−8084EM」〔形態:水性エマルジョン〕「X−22−8053」〔形態:イソプロパノール溶液〕、鐘淵化学工業(株)製の「カネビノールKD20」(形態:水性エマルジョン、Tg:45℃〕「カネビノール KD4〔形態:水性エマルジョン、Tg:100℃〕等が挙げられる。
該シリコーン変性熱可塑性樹脂において、その摩擦係数は0.40〜1.02である。
該シリコーン変性樹脂において、その摩擦係数を前記範囲に調節することは、粘着力発現とサーマルヘッドに対するヘッドカス付着を低減化する点で好ましい。
なお、前記摩擦係数は、JIS P 8147試験法により求められたものである。
前記熱可塑性樹脂は、シリコーン変性された熱可塑性樹脂とシリコーン変性されていない熱可塑性樹脂との複合体であることができる。この場合、複合体とは、両者の樹脂が密着した形態で一体化された樹脂を意味する。
このような複合体としては、シリコーン変性された樹脂と未変性樹脂とを溶融混合して形成したブレンド体や、未変性の樹脂を芯物質(コア)とし、変性樹脂を外殻(シェル)とするコアシェル構造の粒子等が挙げられる。
前記未変性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−スチレン共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、アクリル酸ブチル共重合体、天然ゴム、天然ゴムとアクリル樹脂のグラフト重合体、ポリブタジエン、ポリウレタン等の樹脂が挙げられる。これらは単独または複数を組み合わせて用いられる。
前記コアシェル構造の複合体において、その芯物質としては、シリコーン変性されていないアクリル酸樹脂を用いるのが好ましく、その外殻物質としては、シリコーン変性されたアクリル系樹脂を用いることが好ましい。この場合、変性樹脂におけるそのアクリル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル−エチレン−(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
本発明で用いる感熱性粘着シートにおいて、その感熱性粘着層に含有させる熱可塑性樹脂の少なくとも1部として、シリコーン変性熱可塑性樹脂を用いたものは、従来のものでは達成できなかった種々の利点(効果)を得ることができる。
即ち、シートをサーマルヘッドで加熱して、活性粘着化させる場合に、そのサーマルヘッドカスの低減化と同時に、十分な粘着力を得ることができる。
一般的にシリコーンオイルや純シリコーン樹脂は、電気絶縁ワニス、撥水剤、離型剤として幅広く用いられており、これらのシリコーンオイルや純シリコーン樹脂を用いてもサーマルヘッドカスは当然低減できる。しかし、この場合には、粘着力の低下が著しく、到底感熱性粘着材料として使えるものではなかった。これに対し、変性シリコーン樹脂を用いる場合には、サーマルヘッドに対し離型機能を持たせ、活性化後被着体に貼るときは粘着性機能を働かせることができる。そればかりか、本来のシリコーン樹脂の離型性機能により原反ロール保管におけるブロッキング発生の改善も可能になった。
前記熱可塑性樹脂としては、特に、シリコーン変性アクリル系樹脂の使用が、高粘着力発現とヘッドカスの低減化効果の両者の点から好ましい。
熱可塑性樹脂としては、特に、芯物質(コア)と該芯物質を包囲する外殻物質(シェル)とからなるコアシェル型構造の熱可塑性樹脂粒子であって、該芯物質が未変性のアクリル系樹脂で、外殻物質がシリコーン変性アクリル系樹脂であるものの使用が好ましい。このようなコア/シェル構造の熱可塑性樹脂の使用により、ヘッドカスの低減下に著しくすぐれた効果を示す材料を得ることができる。これは、粘着性に優れた未変性のアクリル酸系樹脂をコア部分に封じ込め、その周囲をシリコーン変性アクリル系樹脂からなるシェル部で包囲したことから、ヘッドカス低減下と、粘着性の両方において格段にすぐれた効果を示すものと考えられる。
本発明で用いるシートにおいて、その感熱性粘着層は、固体可塑剤を含有する。この固体可塑剤としては、従来公知の各種のものを用いることができ、特に制約されない。このようなものとしては、例えば、以下のものを例示することができる。
パラヒドロキシ安息香酸ベンジル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル、パラヒドロキシ安息香酸エチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジヒドロアビエチル、フタル酸ジフェニル、N−シクロへキシル−p−トルエンスルホンアミド、安息香酸スクロース、三安息香酸トリメチロールエタン、四安息香酸ペンタエリトリット、八酢酸スクロース、イソフタル酸ジメチル、クエン酸トリシクロヘキシル、二安息香酸エチレングリコール、カテコールジパルミテート、カテコールジステアレート、カテコールジベンゾエート等のカテコール誘導体、さらには、チオビス〔エチレン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオールビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等のヒンダードフェノール系化合物、2−[5′−(1″,1″,3″,3″−テトラメチルブチル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[5′−(1″,1″,2″,3″−テトラメチルブチル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[3′,5′−ジ−(2″,2″−ジメチルプロピル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のトリアゾール系化合物、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾトリアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩等のチアゾール系化合物、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物、ピペコリルジチオカルバミン酸ピペコリン塩、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛等のジチオカルバミン酸塩系化合物、4,4’−ビス(α、α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミンN−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン等の芳香族第二級アミン系化合物等の融点が約40〜200℃、好ましくは60〜160℃の範囲の各種化合物。
これらの化合物は、単独または複数を組み合わせて用いられる。固体可塑剤は、加熱時に融点以上で融解し熱可塑性樹脂を可塑化することにより、感熱性粘着剤として粘着性を発現するが、粘着性の持続時間は固体可塑剤の種類によって異なる。感熱性粘着層を構成する固体可塑剤としては、粘着性の持続時間が長く広範囲な環境温度に対して粘着性が良好であるということから、パラヒドロキシ安息香酸ベンジル、パラヒドロキシ安息香酸プロピルを使用することが好ましい。本発明における固体可塑剤は、熱可塑性樹脂100部(重量部)に対して50〜500部、好ましくは100〜400部の範囲で用いられる。50部未満の場合はブロッキングが生じやすくなり、400部を越えると粘着力の低下やチョーキング(白化現象)が生じやすくなる。
前記感熱性粘着層には、熱可塑性樹脂や固体可塑剤の他に、固体可塑剤の過冷却性を向上させ、低温環境下で高い粘着力を発現させる過冷却性向上剤を用いることができる。その具体例を以下に示す。
2−ベンジルオキシナフタレンなどのナフトール誘導体、メタターフェニル、アセチルビフェニル、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニルなどのビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2’−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテルなどのポリエーテル化合物。炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロルベンジル)エステル、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)エステルなど。
過冷却性向上剤としては、特に、シュウ酸ジエステル誘導体などがあり、中でもシュウ酸ジベンジル誘導体やビフェニル誘導体が固体可塑剤の液体状態維持とブロッキングに対して効果があるので好ましく用いられる。過冷却性向上剤は、固体可塑剤100部に対して10〜50部、好ましくは20〜35部の範囲で用いられる。10部未満の場合は低温下での粘着力の発現が低下しやすくなり、50部を越えると高温下での粘着力の発現が低下しやすくなる。
これらの固体可塑剤および過冷却性向上剤は、ボールミル、サンドミル、ペイントシェイカー、ダイノミル、アトライター、ヘンチェルミキサー等の湿式もしくは乾式の粉砕機により微粒化され水分散液として用いられるが、従来公知の方法でマイクロカプセル化して使用することも可能である。固体可塑剤および過冷却性促進剤の粒径は10μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下であるが、実用上からは1〜2μmである。
本発明で用いるシートにおいて、その感熱性粘着層には、粘着力を向上させるために、粘着付与剤を添加することができる。その粘着付与剤の具体例としては、従来公知の各種のもの、例えば、テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン誘導体樹脂等が用いられる。これら粘着付与剤は、熱可塑性樹脂100部(重量部)に対し200部以下、好ましくは20〜150部の範囲で混合して用いられる。粘着付与剤の添加量が200部を越えるとブロッキングを生じ易くなる。
該感熱性粘着層には、顔料等の各種補助成分も添加可能である。このようなものとしては、例えば、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、チタン等の炭酸塩、酸化物、水酸化物、硫酸塩等、および天然シリカ、ゼオライト、カオリン、焼成カオリン等の粘土類を含む無機系顔料、澱粉、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス等が使用可能である。
該感熱性粘着層には、感熱性粘着層と支持体シートとの接着又は感熱性粘着層内の凝集力を高める目的で、水性高分子バインダー、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、アルギン酸ソーダ等を含有させることができる。上記水性高分子バインダーの混合比率は、感熱性粘着層の本来の粘着力を損なわない範囲で添加され、具体的には感熱性粘着層全固形分に対し30重量%以下、より好ましくは10重量%以下の範囲で用いられる。
該感熱性粘着層には、前記成分以外に、必要に応じて硬膜剤、防腐剤、染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調節剤、消泡剤等の各種添加剤を添加することができる。
さらに、本発明で用いるシートにおいて、その感熱性粘着層と支持体シートとの間に、空気層を含んだアンダー層を形成することができる。このアンダー層の形成により、種々な効果を得ることができる。感熱性粘着層と支持体シートの間に空気層を含んだアンダー層を設けることにより、サーマルヘッドから熱エネルギーを供給する場合、その熱エネルギーを高効率に利用することができ、少ないエネルギーで十分な粘着力の発現を可能にせしめることができる。また、表面に感熱発色層が形成されている場合、感熱性粘着層を高熱エネルギーで印加すると、その熱が感熱発色層に達し地肌カブリなどの品質阻害も起きやすい。そのような品質トラブルに対しても感熱性粘着層と支持体シートとの間に空気層を含んだアンダー層があれば、アンダー層で熱を遮断して感熱発色層側への熱の移動、拡散を食い止め地肌カブリは起きないのである。また、一般的にシリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、コアシェル型シリコーン樹脂は耐熱性が高く、その背反としてサーマルヘッドからの熱感度が低い。そのためにこのような空気層含むアンダー層を組合わせることでその背反を低減化できるのである。また、この空気層を含んだアンダー層として空気率(アンダー層に占める空気の割合)が高いほど、粘着特性の向上や断熱特性の向上に対して有利な方向になる。アンダー層に空気層を含ませる手段として種々なものが考えられるが、一般的に中空粒子をアンダー層に含有させる方法が好ましく使用される。
この中空粒子は、熱可塑性高分子(樹脂)からなり、その熱可塑性高分子としては、アクリル系ポリマーや塩化ビニリデン系ポリマー等の各種ポリマーを用いることができる。該中空粒子において、そのTgは20〜200℃、好ましくは40〜150℃である。その平均粒径は0.2〜20μm、好ましくは0.7〜10μm、より好ましくは1.5〜6μmである。その中空率は30〜98%、好ましくは45〜95%である。
本発明で用いる支持体シートとしては、前記感熱粘着層を支持し得るものであればどのようなものでもよく、原紙やプラスチックシート等が好ましく用いられる。
本発明で好ましく用いられる原紙は、木材パルプと填料を主成分として構成される。木材パルプとしては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等のパルプを含み、必要に応じて従来公知の顔料やバインダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の各種装置で支持体の製造が可能であり、酸性、中性、アルカリ性で抄造できる。また、該原紙は、金属ロールと合成樹脂ロールからなるカレンダー装置をオンマシン処理しても良い。その際、オフマシン処理しても良く、処理後に、更にマシンカレンダー、スーパーカレンダー等でカレンダー処理を施して平坦性をコントロールしても良い。
原紙に含まれる填料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムのような白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のような有機顔料等が挙げられる。
原紙に含まれるサイズ剤としては、例えば、酸性抄紙用ロジンサイズ剤、中性抄紙用変性ロジンサイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、カチオンポリマー型サイズ剤等を挙げることができる。
前記支持体シートとしては、さらに、グラシン紙、アート紙、コーテッド紙、キャスト紙などの塗工紙、インクジェット記録紙、感熱記録紙、感圧記録紙、昇華熱転写記録紙、溶融熱転写記録紙等の情報記録用紙を用いることが可能である。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等のプラスチックシート、およびこれらの合成繊維からなる合成紙や不織布、または合成樹脂を紙に片面、または両面にラミネートしたラミネート紙、金属箔、または金属箔と紙、蒸着紙、ホログラム処理を施した不透明シート、合成樹脂フィルムとの貼り合わせ品、マイカ紙、ガラスペーパー等も使用可能である。
本発明では、前記支持体シート上には、目的に応じたプレ印刷層も設けることもできる。プレ印刷層としてはUV印刷、EB印刷、フレキソ印刷等一般的な印刷方法が挙げられる。
支持体シート上に感熱記録層を設ける場合、その感熱記録用ロイコ染料、顕色剤に関しては、一般に感熱記録用紙に用いられているものであれば特に制限されない。塩基性ロイコ染料の具体例としては、例えばフルオラン系化合物、トリアリールメタン系化合物、スピロ系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チアジン系化合物、ラクタム系化合物、フルオレン系化合物等が挙げられるが、好ましくはそれらの吸収スペクトルの特性が550〜1000nm間に少なくとも1個以上の極大吸収波長を有するものがよい。
このうちフルオラン系化合物としては、例えば、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソブチル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−[N−エチル−N−(3−エトキシプロピル)アミノ]−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−フルオロアニリノ)フルオラン、3−(p−トルイジノエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−エトキシエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−(p−トルイジノエチルアミノ)−6−メチル−7−フェネチルフルオラン等が挙げられる。
トリアリールメタン系化合物としては、例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトン又はCVL)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルアミノインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等が挙げられる。
スピロ系化合物としては、例えば、3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3’−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、1,3,3−トリメチル−6−ニトロ−8’−メトキシスピロ(インドリン−2,2’−ベンゾピラン)等が挙げられる。
ジフェニルメタン系化合物としては、例えば、N−ハロフェニル−ロイコオーラミン、4,4−ビス−ジメチルアミノフェニルベンズヒドリルベンジルエーテル、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等が挙げられる。
チアジン系化合物としては、例えばベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等が、ラクタム系化合物としては、例えばローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム等が挙げられる。
フルオレン系化合物としては、例えば、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ピロリジノフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオレンスピロ(9,3’)−6’−ピロリジノフタリド等が挙げられる。
カラー塩基性ロイコ染料として、例えば、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ[α]フルオラン、3−ジブチルアミノ−ベンゾ[α]フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミルアミノ−ベンゾ[α]フルオラン、3−N−エチル−N−p−メチルフェニルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3,6−ビス(ジエチルアミノフルオラン)−γ−(4’−ニトロ)アニリノラクタム、ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドリル−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドリル−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−メチル−2−メチルインドリル−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドリル−3−イル)フタリド、3、3―ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3、7―ビス(4−ジメチルアミノ)−10−ベンゾリルフェノチアジン、3、3―ビス(4−ジエチルアミノ−6−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−ジエチルアミノ−7−ジアニリノフルオラン、3−N−エチル−N−4−メチルフェニルアミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−ジベンジルアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジブトキシフルオラン、3’−メトキシ−4’−ラノキシフェニル−2−シチリルキノリン、2’、4’−ジオクトクシフェニル−2−シチリルキノリン等が挙げられる。
顕色剤の具体例としては、一般に感圧記録紙や感熱記録紙に用いられているものであればよく、特に制限されないが、例えば、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、α−ナフトール、β−ナフトール、p−オクチルフェノール、4−t−オクチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールA又はBPA)、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−チオビスフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、2,2’−(2,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ブトキシジフェニルスルホン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、2,4−ジヒドロキシ−2’−メトキシベンズアニリド等のフェノール性化合物、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシフタル酸ジベンジル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、5−ヒドロキシイソフタル酸エチル、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸等の芳香族カルボン酸誘導体、芳香族カルボン酸又はその金属塩等が挙げられる。
前記感熱記録層において使用されるバインダーとしては、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチンなどのプロテイン、酸化澱粉、エステル化合物澱粉などのサッカロースの如き水性天然高分子化合物、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ラテックス、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体などの如き水溶性合成高分子化合物やラテックス類、エチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩などの水溶性接着樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのラテックスなどが挙げられる。
また、感熱記録層の感度をさらに向上させるために、増感剤として、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどのワックス類、2−ベンジルオキシナフタレンなどのナフトール誘導体、アセチルビフェニル、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニルなどのビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2’−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテルなどのポリエーテル化合物。炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロルベンジル)エステルなどの炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体などを添加することができる。
感熱記録層に使用される顔料としては、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂などが挙げられる。感熱記録層の下部、すなわち支持体の上に感熱発色性を向上させ、印字によるカスを防止するための中間層を設けること、あるいは感熱記録層の上に発色汚れや耐水性などを付与する目的で保護層を設けることは何ら差し支えない。
感熱性粘着層は、通常紙塗工用に用いられているブレードコーター、グラビアコーター、グラビアオフセットコーター、バーコーター、ロールコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、コンマコーター、Uコンマコーター、スムージングコーター、マイクログラビアコーター、リバースロールコーター、4本あるいは5本ロールコーター、ディップコーター、落下カーテンコーター、スライドコーター、ダイコーター等、若しくはフレキソ、凸版、グラビア、オフセット等の各種印刷機を用いて支持体シートに塗工、印刷される。
支持体シートに感熱性粘着層を塗工若しくは印刷する際、固体可塑剤が融解しない温度範囲で乾燥されなければならない。乾燥の手段としては熱風乾燥の他に赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用した乾燥方法が使用できる。
感熱性粘着層の塗布量は、乾燥塗工量で通常2g/m以上50g/m以下、好ましくは5g/m以上35g/m以下の範囲で塗布される。塗工量が2g/m未満であると、加熱による接着を行う際に十分な接着力が得にくい。また、50g/mを越えると接着機能が飽和し経済上好ましくない。
本発明で用いる感熱性粘着シートにおいて、そのシートの2つをその感熱性粘着層同志を重ねたときの摩擦係数は、0.40〜1.20、好ましくは0.50〜0.90である。この場合の摩擦係数は、JIS P 8147試験法により求められたものである。
本発明で用いる感熱性粘着シートは、これを従来公知のサーマルヘッドを有する熱印加装置を用いて熱印加し、活性粘着化して被着体に貼着することができる。
この場合、被着体は、従来公知の各種のものであることができ、例えば、プラスチック、金属、セラミックス、木材等であることができる。
本発明のラベルの発行方法は、該シート裏面の感熱粘着面に印刷したアイマークを検知する工程、該検知した信号を該シートの切断又は半切断信号に変換する制御工程、該制御工程で得られた信号に基づいて該シートを所定位置で切断又は半切断する工程を包含する。この場合、各信号はいずれも電気信号であることができる。
前記アイマークを検知するための装置、該検知信号を切断又は半切断する信号に変換する制御装置及び該制御装置で得られる信号に基づいて該シートを所定位置で切断又は半切断する装置としては、従来公知の装置を用いることができる。例えば、アイマークを検出する装置としては、アイマーク部分と非アイマーク部分との間の光透過率や光反射率の差を検知して、そのアイマーク部分を検出する装置を用いることができる。アイマーク検知信号を切断又は半切断信号に変換する装置としては、コンピュータを用いることができる。切断又は半切断装置としては、切刃目等を有するカッティング装置を用いることができる。
なお、本明細書で言うシートの切断とは、シートを完全に切断してシートから分離した状態のラベルを得ることを意味する。一方、シートの半切断とは、シートを完全には切断せずに、そのラベルが部分的にシートに結合していることを意味する。この場合の半切断には、ミシン目切断や一部切断等が包含される。
本発明のラベル発行方法においては、該シートに印刷したアイマークの寸法、該シートに対する該アイマークの印刷位置及び該シートに対する切断又は半切断の位置を調節することにより、該アイマークがコーナに存在せず、かつ該アイマークのラベルに対する面積比が0.5〜35%の範囲、好ましくは10〜20%の範囲にあるラベルを発行することを特徴とする。
これまでのラベルにおいては、そのラベル上のそのアイマークは、ラベルのコーナ部(四辺形やそのコーナ部が丸味コーナに形成された四辺形のその4隅の1つ)に位置するように面断発行するのが常識であったが、これでは活性化後、被着体に貼り付けられてもラベルコーナー部分が貼り付かず、コーナー部分が浮き上がった状態になってしまい、商品の見栄えの悪さ、ラベルの貼り替え改ざんが容易という問題がある。本発明では、このような問題は生じない。
本発明によりラベルを発行する場合、そのラベル上に存在するアイマークは、そのラベルの周縁よりも内側に位置するのが好ましい。この場合には、そのラベルの周縁部はアイマークが存在せず、その周縁部は感熱性粘着面であることから、被着体にラベルを貼着したときに、そのラベル周縁部がその被着体に強固に粘着することから、ラベルが被着体から容易に剥離するのが防止される。
本発明においては、アイマークは、ラベルの周縁部より5mm以上、好ましくは15mm以上内側に位置するのが好ましい。好ましくは5〜15mm程度内側に位置するのがよい。このようなラベルは、それを被着体へ貼着したときに、その被着体からの剥離がより一層効果的に防止される。
本発明においては、ラベル上に存在するアイマークのラベルに対する面積比を、0.5〜35%、好ましくは10〜20%の範囲に設定する。この場合、該面積比は次式で表される。
R(%)=S/S×100
R:アイマークの面積比
:アイマークの面積
:ラベルの面積
シートの感熱性粘着層面に存在するアイマークは、基本的にはその粘着層の粘着力を隠蔽してしまう作用を持っている。アイマーク面積をより大きくすることでセンサーの検知に対しては誤作動なく行うが、その反面、ラベルの粘着力の低下の傾向が見られる。一方、アイマーク面積をより小さくすることでセンサーの検知に対しては誤作動の可能性が高くなるが、その反面、ラベルの粘着力の低下を防ぐことができる。本発明者らは、この二律背反関係を調和すべく検討した結果、アイマーク面積とラベル面積との関係を前記のように規定することにより、アイマークの検知を誤作動なく行うことができ、かつ十分な粘着力を有するラベルを発行し得ることを見出した。
本発明でラベル原料として用いるシートは、その裏面が感熱性粘着層面に形成されたものであるが、その表面側は各種の画像表面とすることができる。このような画像表面には、感熱印字タイプ、熱転写印字タイプ、インクジェットタイプ、UV等の印刷タイプなどが挙げられる。この中で、一般的には、ランニングコストが比較的安価であり、メンテナンスも簡単である感熱印字タイプがラベル表面の画像表示方式としてはもっとも普及されている。したがって熱活性粘着ラベルの場合も、表面については感熱記録層が付与されたものが実用的である。
次に、本発明を図面を参照しながら詳述する。
図1は、本発明のラベル発行方法を実施するためのフローシートの1つの例を示す。この図において、Rは感熱性粘着シートの巻ロール、1は感熱性粘着シート、2は熱印字装置、3はプラテンロール、4はカッター、5はプラテンロール、6は加熱装置を示す。また、11は光源、12はアイマーク検知装置、13は制御装置を示す。
感熱性粘着シート1の裏面には感熱性粘着層が形成され、その感熱性粘着層面にはアイマークが印刷されている。また、このシート1の表面には、感熱発色層が形成されている。
図1に示したフローシートに従がってラベルを発行するには、巻ロールRから一定速度で引出されるシート1に対し、先ず、そのシート表面に形成された感熱発色層面に対し、熱印字装置2を用いて熱印字を行ない、その後、カッター4を用いてラベルサイズに切断する。
シート1に対する切断位置は、シート1の裏面に形成された感熱性粘着層面に印刷されたアイマークと、該アイマークを検知する装置と、該検知信号を切断信号に変換する制御装置によって決定される。
即ち、図1において、光源11からの光をシート1の裏面に照射したときに得られる反射光において、そのシート裏面にアイマークが存在するときに生じる反射光の変化をセンサー12(光/電変換装置)が検知する。この検知信号は電気信号として制御装置(コンピュータ等)13に送られる。制御装置13は、そのアイマーク検知信号をカッター4を作動させる切断信号に変換させるもので、その切断信号は、該アイマーク検知信号を受信後、所定時間経過後に発信される。この場合、検知信号の受信から切断信号を発信するまでの時間は、カッター4シートに対する所定切断位置に対応して作動するように、シート1の移動速度との関連で適宜決められる。
前記シート切断によって得られたラベルLは、加熱装置6によってそのシート裏面の感熱性粘着層面が加熱され、これによってラベルLの粘着層は活性化され、粘着層は活性化され、粘着性を発現する。そして、このラベルLは所要の被粘着体に対して貼付される。
前記図1に示したフローシートに従ってラベルを発行する方法においては、アイマークの検知は、シート表面に形成した感熱発色層に対する熱印字を行った後に行われる。
前記熱印字装置2としては、サーマルヘッドを用いることができる。また、加熱装置6としては、サーマルヘッド、熱ロール、赤外線照射、熱風吹き付けなどが挙げられる。その中でもオンデマンドな粘着特性を付与でき、安全性、省電力性、装置のコンパクト性からサーマルヘッドの使用がもっとも良好である。
一方、カッター4に関しては、種々なカット方式のものが適用され、ロータリーカッター方式、ギロチンカッター方式などのカッターが適用される。また、カッテイング方法についても、全幅切断、ミシン目切断、一部切断等が挙げられる。
本発明のラベル発行方法を実施するためのフローシートの他の例を示す。この例は、アイマークの検知を、シートに対する熱印字以前に行っている以外は前記図1に示した装置系と同じである。
このフローシートにおいては、その熱印字装置2は、前記カッター4を作動させる場合と同様に、アイマークの検知信号に基づいて作動させることができる。
アイマーク印刷用インクについて、種々なインクが挙げられる。本発明の場合、紫外線硬化型インクや電子線硬化型インクの使用が好ましい。本発明の場合、このような紫外線硬化型インクや電子線硬化型インクを用いることにより、本来アイマークの必要な機能であるセンサーによる検知性を高めることができ、かつロール状態での保管時で印刷ブロッキング発生を防止することができる。さらに、表面が感熱発色層の場合、通常のオイル性インクのように発色剤を溶かし容易に発色してしまうことを防止できる効果が得られる。
シート裏面の感熱性粘着層面に印刷するアイマークの形状は特に制約されず、各種の形状であることができる。このようなアイマーク形状には、正方形、長方形、楕円形、十字形等が包含される。
アイマーク部分と非アイマーク部分との間の光反射率差が45%以上となるアイマークの印刷をする場合、該印刷法としては、凸版印刷、平版印刷、凹版印刷、孔版印刷等を用いることができる。印刷に用いられるインキとしては、グラビアインキ、フレキソインキ、紫外線硬化型インキ、電子線硬化型インキ、枚葉オフセットインキ、オフセット輪転インキ及びシルクスクリーンインキ等種々なインキが挙げられる。なかでも、紫外線硬化型インキ、電子線硬化型インキが好ましい。これらのインキは一般的に色材(顔料、染料)、ビヒクル(油、樹脂、溶剤)、助剤(流動特性調整剤、乾燥性調整剤、被膜調整剤、分散・湿潤剤)の3主成分からなる。アイマーク部と非アイマーク部分との光反射率差が880〜920nmの波長域で45%以上となる印刷は、インキに使用される色材として、最大吸収波長を800〜1000nm波長域に持つ近赤外吸収色素、近赤外吸収顔料及び880〜920nmの波長域に吸収を持つ白色顔料を用いることにより達成される。これにより、商品価値を落とさず見栄えの良い感熱性粘着ラベルロールを得ることができる。
該インキに使用される色材としては、最大吸収波長を800〜1000nm波長域に持つ近赤外吸収色素及び近赤外吸収顔料が用いられる。
例えば、ポリメチン色素として一般式(1)の化合物が表される。
Figure 0004466995
例えば、スクアリリウム色素として一般式(2)の化合物が表される。
Figure 0004466995
例えば、ジチオール金属錯体として一般式(3)の化合物が表される。
Figure 0004466995
例えば、ジチオレン金属錯体として一般式(4)の化合物が表される。
Figure 0004466995
例えば、アミニウム色素として一般式(5)の化合物が表される。
Figure 0004466995
例えば、イモニウム色素として一般式(6)、一般式(7)の化合物が表される。
Figure 0004466995

Figure 0004466995
例えば、フタロシアニン金属錯体として一般式(8)の化合物が表される。
Figure 0004466995
また、該インキに使用される色材としては、850〜950nmの波長域に吸収を持つ白色顔料であり、一般的に導電材料として用いられる導電性酸化亜鉛、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、導電性酸化インジウムが用いられる。
さらに、該アイマークを形成するインキ主成分であるビヒクルとしては、無溶剤系紫外線硬化型樹脂または電子線硬化型樹脂が好ましく使用した場合、乾燥が要らず硬化後はブロッキング等が無く感熱性粘着ラベルロールの取扱いがし易い。
実際に感熱性粘着ラベル表面の画像形成方法は種々な方法があり、感熱印字タイプ、熱転写印字タイプ、インクジェット印字タイプ及び凸版印刷、平版印刷、凹版印刷、孔版印刷等の印刷タイプなどが挙げられる。この中で、一般的にランニングコストが比較的安価であり、メンテナンスも簡単である感熱印字タイプがラベル表面の画像形成方法としてはもっとも普及されている。従って、感熱性粘着ラベルも表面の画像形成方法については、感熱記録層が付与されたものが実用的であり、このような表面が感熱記録層と裏面が感熱粘着剤層の一体となった感熱記録材料を用いたラベルロール発行方法を下記に示すように実施するのが好ましい。
支持体の一方面に感熱発色層が設けてあり、反対面に加熱活性化により粘着化する感熱性粘着層を設け、更に感熱性粘着層上に前記アイマーク印刷が設けてある感熱記録材料を用いたラベルロールを用い、感熱印字時にアイマーク部分と非アイマーク部分の光反射率の変化によりラベルサイズに認識して、印字後に、その情報に従って該ラベルサイズに切断されるカット機構で切断し、切断されたラベルを熱活性化することにより、感熱性粘着ラベルを発行することができる。
次に本発明を実施例によりさらに詳述する。
参考例1(シートの製造)
(固体可塑剤分散液[A液]の調製)
固体可塑剤としてパラヒドロキシ安息香酸を10部に、分散剤としてポリビニルアルコール10%水溶液10重量部と水20部を均一に混合してボールミルを用いて平均粒子径1.0μmになるまで粉砕し、固体可塑剤分散液[A液]を調製した。
(感熱性粘着剤層塗液[B液]の調製)
シリコーン変性ウレタン樹脂の水性エマルジョン(固形分50%)を5.0部、固体可塑剤分散液[A液]を24.0部、粘着付与剤としてテルペンフェノールエマルジョン(固形分50%)を2.0部の比率で十分に攪拌混合し、感熱性粘着層塗液[B液]を調製した。
なお、前記シリコーン変性ウレタン樹脂の摩擦係数は約0.07である。
(感熱性粘着材料の作製)
幅120mmの支持体シートの片面に、ワイヤーバーを用いて感熱性粘着剤層塗液[B液]を熱可塑性樹脂付着量が3.0g/m2になるように塗工、乾燥して、裏面に感熱性粘着層を有する感熱性粘着シートを得た。
次に、このようにして得たシートに表面側に以下のようにして感熱発色層を形成した。
(染料分散液[E液]の調製)
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン1.0部とポリビニルアルコール10%水溶液を1.0部と、水2.0部の処方比率になる混合物をサンドグラインダーを用いて平均粒径が1.0μmになるように粉砕、分散して[E液]を調製した。
(顕色剤液[F液]の調製)
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン3.0部とシリカ1.0部とポリビニルアルコール10%水溶液4.0部と水10.0部の処方比率になる混合物をサンドグラインダーを用いて平均粒径が3μm以下になるように粉砕、分散して[F液]を調製した。
(感熱液[G液]の調製)
上記染料分散液[E液]を4.0部と顕色剤液[F液]を18.0部と水3.0部の処方比率になる混合液を十分に攪拌して感熱液[G液]を調製した。
(シリカ分散液[H液]の調製)
シリカを1.0部とポリビニルアルコール10%水溶液を1.0部と水2.0部の処方比率になる混合物をサンドグラインダーを用いて平均粒径が3.0μm以下になるように粉砕、分散して[H液]を調製した。
(保護層液[I液]の調製)
上記シリカ分散液[H液]を4.0部、ポリビニルアルコール10%水溶液を10.0部、ステアリン酸亜鉛30%分散液(中京油脂製Z−730)を1.0部、ポリアミドエピクロルヒドリンの12.5%溶解液を3.2部および水5.8部の処方比率になる混合液を十分に攪拌して保護層液[I液]を調製した。
(感熱発色性シートの作製)
支持体の片面に、ワイヤーバーを用いて感熱液[G液]を染料重量が0.5g/mおよび保護層液[I液]が乾燥重量が3.5g/mになるように順次塗布乾燥し、キャレンダー処理を行い王研式平滑度計で感熱発色層面を2000sにして、表面に感熱発色層を有し、裏面にアイマークの印刷された感熱性粘着層を有する感熱性粘着シートを得た。
(ブロッキング性試験)
1つのシートの感熱性粘着剤層面と他のシートの感熱性発色層側の保護層面とを接触させ、2kg/cmの圧力で60℃、Dry条件下で24時間試験した後、室温で放置後サンプルを剥し、その時のブロッキング性を評価した。
その結果、両シートには何らのブロッキングは見られず、両シートはスムースに剥離させることができた。
実施例1
前記参考例1で得たシートの感熱性粘着層面に表1に示すアイマークを印刷した。
次に、このシート(幅:120mm、長さ:70m)の巻ロールを用い、これを図1に示すフローシートに従がって処理して、ラベルL(1)を発行した。
この場合、熱印字装置2としては、サーマルヘッドを用いた。シートの感熱発色層面には、この装置を用い、16.0mJ/mmのエネルギーでフラップパターンを印字した。
また、加熱装置6としては、サーマルヘッドを用いた。シートの感熱性粘着面に対し、この装置を用い、28.8mJ/mmのエネルギーで熱印字することにより、その粘着面を活性化させた。
実施例2
実施例1において、アイマークの形状を表1に示し形状に変更した以外は同様にしてラベルL(2)を発行した。
実施例3
実施例1において、アイマークの形状を表1に示し形状に変更した以外は同様にしてラベルL(3)を発行した。
実施例4
実施例1において、アイマークの形状を表1に示し形状に変更した以外は同様にしてラベルL(4)を発行した。
実施例5
実施例1において、アイマークの形状を表1に示し形状に変更した以外は同様にしてラベルL(5)を発行した。
実施例6
実施例1において、アイマークの形状を表1に示し形状に変更した以外は同様にしてラベルL(6)を発行した。
実施例7
前記参考例1で得たシートの感熱性粘着層面に表1に示すアイマークを印刷した。
次に、このシート(幅:120mm、長さ:70m)の巻ロールを用い、これを図2に示すフローシートに従がって処理して、ラベルL(7)を発行した。
この場合、熱印字装置2としては、サーマルヘッドを用いた。シートの感熱発色層面には、この装置を用い、16.0mJ/mmのエネルギーでフラップパターンを印字した。
また、加熱装置6としては、サーマルヘッドを用いた。シートの感熱性粘着面に対し、この装置を用い、28.8mJ/mmのエネルギーで熱印字することにより、その粘着面を活性化させた。
実施例8
実施例7において、アイマークの印刷を黒色のフレキソアルコールインクで印刷した以外は同様にしてラベルL(8)を発行した。
実施例9
実施例7において、アイマークの印刷をUVイングで行った以外は同様にしてラベルL(9)を発行した。
比較例1
実施例1において、アイマークの形状を表1に示し形状に変更した以外は同様にして比較例ラベルL(I)を発行した。
次に、前記で発行した各ラベルについて、その性能を以下のようにして評価し、その結果を表1及び表2に示す。
(1)貼られたラベルの見栄え
○:ラベルは被着体に奇麗に貼りつけられており、特に周辺部分が盛り上がったり、浮き上がったりしていない。
△:貼り付けられたラベルのコーナーまたは辺の部分で若干盛り上がった部分があるものの見栄えは問題ない。
×:貼り付けられたラベルのコーナーまたは辺の部分が著しく浮き上がっている。
(2)貼られたラベルの剥離性
○:被着体に対するラベルの接着は強く、剥離時にはラベル自身が破れたりする。
△:剥離時にラベルの一部が破れたり、または粘着層が被着体に残存し剥がされたラベルは再び使用できない状態を示す。
×:奇麗にラベルを剥がすことができて、且つラベルを再利用できる。
(3)センサー誤作動性
10000パスのラベル発行を実施し、その中で何%の検知誤作動によるカッテイング不良が発生したかを観察した。
Figure 0004466995
Figure 0004466995
実施例10
(1)感熱性粘着剤の調整
(固体可塑剤分散液[I液]の調製)
固体可塑剤として2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールと2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールを各5部に、分散剤としてポリビニルアルコール10%水溶液10重量部と水15部を均一に混合してボールミルを用いて平均粒子径1.0μmになるまで粉砕し、固体可塑剤分散液[I液]を調整した。(過冷却促進剤分散液[II液]の調製)
過冷却促進剤として蓚酸ジパラメチルベンジルエステルを10部に、分散剤としてポリビニルアルコール10%水溶液10重量部と水15部を均一に混合してボールミルを用いて平均粒子径1.0μmになるまで粉砕し、過冷却促進剤分散液[II液]を調整した。
(感熱性粘着剤層塗液[III液]の調製)
固体可塑剤分散液[I液]を400部に、熱可塑性樹脂エマルジョンとして固形分50%のアクリル酸2−エチルヘキシルエマルジョン(固形分50%)100部と、粘着付与剤としてテルペンフェノール50%分散液50部、更に過冷却促進剤分散液[II液]50部を混合して、感熱性粘着剤層塗液[III液]を調製した。
感熱性粘着ラベルロールの作製
表3に記載した支持体の片面に、ワイヤーバーを用いて感熱性粘着剤層塗液[III液]を熱可塑性樹脂付着量が3.0g/mになるように塗工、乾燥して、更に温度24℃/65%Rhに保たれた室内で12時間キュアリング保管し、感熱性粘着ラベルロールを得た。
(2)アイマーク印刷
(UV硬化型インキの調製)
無溶剤系UV硬化型樹脂(アクリルプレポリマー)80部に、表3に記載した色素又は顔料を15部及び光重合開始剤4部と安定剤1部を均一に混合してUV硬化型インキを調製した。
(熱硬化性印刷インキの調整)
表3に記載した色素又は顔料を12部、メラミンホルムアルデヒド樹脂30部、マレイン酸トリメチロールプロパン26部、フマル酸トリメチロールプロパン26部、アマニ油2部及びスルホン酸p−トルエン1.5部を均一に混合練り込み熱硬化性印刷インキを調製した。
アイマーク印刷
樹脂凸版を用い感熱性粘着剤層上に50mm間隔にアイマークを印刷し、乾燥硬化して膜厚約5μm程度のアイマーク印刷を行った。UV硬化型インキの場合は、120Wランプ下を30m/minのスピードで硬化させた。また、熱硬化性印刷インキの場合は、60℃以下の雰囲気で5分間乾燥させた。
Figure 0004466995

比較例4は、インキ中に添加する顔料を15部から3部に減らしてアイマーク印刷を実施した。
<粘着力試験方法>
24℃/65%の温度環境条件内で本発明の感熱性粘着ラベルを4.0cm×15.0cmの長方形にカットし、ヘッド条件0.45mJ/dot、印字スピード4ms/line、プラテン圧6kgf/lineの条件にて感熱性粘着層を熱活性化させる。次いで、ポリオレフィンラップ(三菱樹脂製)の被着体に対して、加圧2kgのゴムローラーで長手方向に貼り付けて、測定用サンプルを作製した。そのサンプルを同じ環境下にて、貼り合わせ直後の粘着力を測定した。剥離角度180℃、剥離速度300mm/minの条件で剥離させた。なお、単位はgf/40mmで記載する。
<被着体貼付け後ラベルの見栄え>
感熱性粘着ラベルを被着体に貼り付けた時、透けて見えるアイマーク印刷を目視で評価した。
○:全く気にならない、△:透けて見える気にならない、×:はっきり見えて気になる
<光反射率差>
日立分光光度計 UV−3100を用いて、アイマーク印刷部と非アイマーク部の880〜920nm反射率を測定し、下記式で光反射率差を求めた。
光反射率差(%)=非アイマーク部の反射率−アイマーク印刷部反射率
<センシング評価>
アイマーク部分を検出し、ある一定位置で停止するかSATO製ダイレクトサーマルラベルプリンタUN400で評価した。
○:誤作動なし、×:誤作動あり
前記評価結果を表4に示す。
Figure 0004466995
本発明の方法を実施する場合のフローシートの1例を示す。 本発明を実施する場合のフローシートの他の例を示す。
符号の説明
1 表面に感熱発色層を有する感熱性粘着シート
2 印字装置
3 プラテンロール
4 カッター
5 プラテンロール
6 加熱装置
R 巻ロール
L ラベル
11 光源
12 光/電変換装置
13 制御装置

Claims (8)

  1. 裏面が感熱性粘着層面に形成され、該粘着層面に所定間隔でアイマークが印刷されている帯状の長尺シートを所速度で移動させるとともに、該シートに存在する該アイマークを検知し、該検知信号に基づいて該シートを所定間隔で切断又は半切断して感熱性粘着ラベルを発行する方法であって、前記アイマークの寸法、前記シートに対するアイマークの印刷位置及び前記シートに対する切断又は半切断位置により、切断又は半切断されたラベルに対するアイマークの位置及び面積比を調節してラベルを発行するものであり、前記アイマークは、長尺シートの長辺両端よりも5mm以上内側に紫外線硬化型インク又は電子線硬化型インクで印刷され、非アイマーク部分との光反射率差が880〜920nmの波長域で45%以上示すものであり、前記インクの色料(色材)は、最大吸収波長を800〜1000nm波長域に持つ近赤外吸収色素または近赤外吸収顔料、または880〜920nmの波長域に吸収を持つ白色顔料であり、前記切断又は半切断されたラベルは、アイマークがラベル周縁よりも5mm以上内側に位置し、アイマークとラベル周縁との間にはアイマークが存在せず、かつアイマークのラベルに対する面積比が0.5〜35%の範囲にあることを特徴とする感熱性粘着ラベルの発行方法。
  2. 前記近赤外吸収色素または近赤外吸収顔料が、ポリメチン色素、スクアリリウム色素、ジチオール金属錯体、ジチオレン錯体、アミニウム色素、イモニウム色素、フタロシアニンから選ばれる少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項1に記載のラベルの発行方法。
  3. 前記白色顔料が、導電性酸化亜鉛、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、導電性酸化インジウムから選ばれる少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項1に記載のラベルの発行方法。
  4. 前記感熱性粘着層が、シリコーン変性された熱可塑性樹脂と固体可塑剤を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の感熱性粘着ラベルの発行方法。
  5. 前記シートの表面が、感熱発色層面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の感熱性粘着ラベルの発行方法。
  6. 前記感熱発色層面に対し、該アイマークの検知前に熱印字を行うことを特徴とする請求項5に記載の感熱性粘着ラベルの発行方法。
  7. 前記感熱発色層面に対し、該アイマークの検知後でかつ該シートの切断又は半切断前に熱印字を行うことを特徴とする請求項5に記載の感熱性粘着ラベルの発行方法。
  8. 前記切断又は半切断により得られる該ラベルを熱活性化することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の感熱性粘着ラベルの発行方法。
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