JP2002173662A - 感熱性粘着材料 - Google Patents

感熱性粘着材料

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JP2002173662A JP2001277851A JP2001277851A JP2002173662A JP 2002173662 A JP2002173662 A JP 2002173662A JP 2001277851 A JP2001277851 A JP 2001277851A JP 2001277851 A JP2001277851 A JP 2001277851A JP 2002173662 A JP2002173662 A JP 2002173662A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温環境下でも感熱性粘着材料の粘着層が粘
着性を発現して、高い粘着力で被着体に貼りつけられ、
その貼着状態を保持できる感熱性粘着材料を提供するこ
とであり、また、低温環境下のみならず高温環境下で
も、すなわち巾広い環境温度下でも粘着性を発現して、
高い粘着力で被着体に貼りつけられ、その貼着状態を保
持できる感熱性粘着材料を提供することであり、さら
に、比較的高温度でも高い耐ブロッキング性を有する感
熱性粘着材料を提供することであり、またさらに、該感
熱性粘着材料の、製造方法及びその使用方法を提供する
こと。 【解決手段】 感熱性粘着剤層を支持体上に設けた感熱
性粘着材料において、感熱性粘着剤層が0〜10℃の環
境温度で1800〜3500gf/40mmの粘着力を
有することを特徴とする感熱性粘着材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温では非粘着性
であるが加熱により粘着性が発現し、しかもその粘着性
発現後もその粘着性が持続する感熱性粘着材料、その製
造方法及びその使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】価格表示、商品表示(バーコード)、品
質表示、計量表示、広告宣伝(ステッカー)等の各種の
用途に、粘着シートラベルが従来から広く利用されてい
る。通常、該粘着シートラベルは、支持体の片面が前記
の各種情報表示面をなし、その反対面が粘着剤層と剥離
紙を順次設けた構成からなり、使用時に剥離紙を剥がし
粘着剤層を被着体に加圧すると簡便に貼り付けることの
できるものである。また情報表示面への情報記録は、イ
ンクジェット記録方式、感熱記録方式、感圧記録方式等
様々な方式によって行われる。
【0003】しかし、このような剥離紙を使用する粘着
シートは、剥離した後の剥離紙を回収しても再利用され
難くほとんどの場合廃棄処分されることとなって省資源
の面で問題となっており、また粘着剤層がタック性(粘
着性)を持っているため剥離紙を剥がした後の取り扱い
が非常に難しく、被着体に不用意に貼り付いてしまった
場合に粘着シートを剥がそうとすると、粘着シート自体
がカールしたりしわが入ったりし、時には破れる等の自
体が発生してしまう等、剥離紙を使用する粘着シートは
種々の欠点を有している。
【0004】前記の欠点を解決する粘着シートとして、
支持体の片面が各種情報表示面をなし、その反対面に常
温では非粘着性であるが加熱により粘着性を発現する感
熱性粘着剤層を設けられた、剥離紙を必要としない粘着
シート(感熱性粘着材料という)が従来から注目されて
いる。一般的に、感熱性粘着材料の感熱性粘着剤層は、
熱可塑性樹脂と可塑剤を必須成分とし、必要な場合粘着
付与剤のような添加剤を含有させて構成され、これら構
成分の混合物を支持体上に、通常塗工することによって
形成されている。感熱性粘着材料の感熱性粘着層の表面
は、前述のように、常温では全く粘着性を示さないが、
加熱することにより粘着性が発現し、熱源を取り去った
後でも暫くの間粘着性を維持するものである。このメカ
ニズムは未だ十分解明されていないが、固体可塑剤を用
いる場合には、感熱性粘着層を固体可塑剤が融解する温
度に加熱すると固体可塑剤がオイル状になって熱可塑性
樹脂分子間に浸透し、その結果熱可塑性樹脂が軟化状態
になって粘着力を発現するものと考えられている。ま
た、液体可塑剤については一般的にマイクロカプセル化
にして用いられるが、加熱によりマイクロカプセルのシ
ェルを破壊し、熱可塑性樹脂を軟化して粘着性が発現す
ると考えられている。
【0005】感熱性粘着材料は、剥離紙を使用しないた
め、省資源、環境問題の点から有利であるばかりでな
く、貼付ミスをした場合にも感熱性粘着材料を加熱すれ
ば被着体剥がすことができる点においても注目されてい
る。感熱性粘着材料については、例えば実開平1−13
7263号公報や特開平1−254993号公報に感熱
性粘着材料を加熱する手段として熱板、熱風あるいは赤
外線を適用することが、さらに例えば実開平10−35
126号公報や特開平11−254993号公報に感熱
性粘着材料を加熱する手段としてサーマルヘッドを用い
ることが提案されている。
【0006】この感熱性粘着材料の最も大きな課題は、
粘着性と耐ブロッキング性のそれぞれの特性が市場の要
求レベルに満たないことである。先ず粘着性について述
べる。食品POS(point of sales)業界等では、従
来食品包装にポリ塩化ビニル製ラップが多く用いられ、
このラップ上に各種情報が表示された粘着シートラベル
が貼り付けられることが盛んに行われている。
【0007】しかしながら、近年環境問題、特にダイオ
キシン対策として、ポリ塩化ビニル製ラップからポリオ
レフィン製ラップに切り替わりつつあるが、剥離紙を使
用する粘着シートラベルは、ポリオレフィン製ラップに
対してはポリ塩化ビニルラップよりも、粘着剤との密着
性、濡れ性が非常に弱く、簡単に剥がれてしまうという
問題点があり、この解決策として剥離紙を使用する粘着
シートラベルについては種々提案されている。しかしな
がら、感熱性粘着材料についても同じ問題があり、未だ
解決策は提案されていない。
【0008】また、食品POS業界において、特に冷凍
保存が要求される魚とか肉等の生鮮食品に感熱性粘着材
料を用いることが期待されてきたが、0〜10℃の低温
環境下では感熱性粘着材料を構成する粘着剤層の粘着性
の発現が十分でなく、発現してもすぐにその粘着性が低
下して被着体に貼りつけても剥がれてしまい、ましてや
低温環境下で高い粘着力で被着体に貼りつけることは全
く望むことができない。すなわち、低温環境下でも感熱
性粘着材料の粘着層の粘着性を発現して、高い粘着力で
被着体に貼りつけられ、その貼着状態を保持できる感熱
性粘着材料の出現が望まれているが、これに応えうる感
熱性粘着材料は、未だ提案されていない。
【0009】低温環境下でも適用可能な感熱性粘着材料
の出現が要望されている現況下で、さらに今後予想され
る市場から要望は、低温環境下だけではなく35〜40
℃のような高温環境下でも、すなわち巾広いどのような
環境温度でも粘着性を発現できる感熱性粘着材料、しか
も高い粘着力で被着体に貼りつけられてその貼着状態を
保持できる感熱性粘着材料が出現することであろうと想
われる。しかしながらこの要望が具体的に提議されたこ
とは未だにない。
【0010】次に耐ブロッキング性について説明する。
ブロッキングは、粘着する意図がないにも拘わらず、粘
着性を発現し、通常常温よりも高い温度雰囲気下に長時
間曝された場合等に誘発する現象である。一般的に感熱
性粘着材料は、長尺のものを芯材に巻き付けたロール
(巻成)状態または所定大きさの枚葉に裁断して積み重
ねた状態にして使用されるので、その状態でひとたびブ
ロッキングが発生すると、感熱性粘着剤層と情報表示面
とが貼着してしまって製品としての価値がゼロになり、
また装置に搭載された後にブロッキングが発生すると紙
送りに支障をきたし、さらに情報表示面に印刷がほどこ
されている場合にはその印刷が消えてしまう等の事態と
なる。
【0011】このブロッキングを防止する方法として、
従来種々の提案がなされ、例えば、感熱性粘着剤中に滑
性のあるワックスを配合する方法(特公昭62−218
35号公報)、無機物を添加あるいは混合させる方法
(特開平2−282050号公報)、固体可塑剤の表面
を無機化合物やコロイド粒子で保護し、固体可塑剤の軟
化を抑制することでブロッキングを防止する方法(特開
平6−57223号公報、特開平6−100847号公
報、特開平6−100848号公報)等がある。しか
し、ワックスを配合するとブロッキング防止効果が不十
分であるばかりでなく、逆に粘着性の低下をもたらし、
また通常の無機物の添加だけでは耐ブロッキング性が不
十分である。また、固体可塑剤の表面を無機化合物やコ
ロイド粒子で保護すると、固体可塑剤の溶融拡散に時間
がかかり、感熱性粘着剤の粘着性が現れにくく、粘着性
能が低下する等の問題を生じ、実用上不十分であり、ま
た高融点の可塑剤を用いると耐ブロッキング性の点は改
良されるが、粘着力の著しい低下をもたらす等の副作用
が生じる。このように耐ブロッキング性に対する提案は
いずれも不充分なものであり、耐ブロッキング性の向上
策の提案が強く望まれている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、上記従来技術
に鑑みて、本発明の第1の目的は、低温環境下でも感熱
性粘着材料の粘着層が粘着性を発現して、高い粘着力で
被着体に貼りつけられ、その貼着状態を保持できる感熱
性粘着材料を提供することであり、本発明の第2の目的
は、低温環境下のみならず高温環境下でも、すなわち巾
広い環境温度下でも粘着性を発現して、高い粘着力で被
着体に貼りつけられ、その貼着状態を保持できる感熱性
粘着材料を提供することであり、さらに本発明の第3の
目的は、比較的高温度でも高い耐ブロッキング性を有す
る感熱性粘着材料を提供することであり、またさらに本
発明の第4の目的は、前記第1乃至第3の目的に対する
解決手段である感熱性粘着材料の、製造方法及びその使
用方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の
(1)「感熱性粘着剤層を支持体上に設けた感熱性粘着
材料において、感熱性粘着剤層が0〜10℃の環境温度
で1800〜3500gf/40mmの粘着力を有する
ことを特徴とする感熱性粘着材料」、(2)「支持体上
に感熱性粘着剤層を設けた感熱性粘着材料において、前
記感熱性粘着剤層を粘着化させた面の0℃環境下での引
っ掻き抵抗値が150〜500gfであることを特徴と
する感熱性粘着材料」、(3)「感熱性粘着剤層が、熱
可塑性樹脂、固体可塑剤および過冷却性向上剤を含有す
ることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に
記載の感熱性粘着材料」、(4)「過冷却性向上剤の融
点が60〜180℃であることを特徴とする前記第
(3)項に記載の感熱性粘着材料」、(5)「過冷却性
向上剤が、固体可塑剤と混合し加熱して両者を溶融し液
状化した後、混合液を常温にまで冷却した場合その液状
を保持するものから選択されることを特徴とする前記第
(2)項または第(3)項に記載の感熱性粘着材料」、
(6)「固体可塑剤と該過冷却性向上剤の重量比率が、
100:0.5〜100:60であることを特徴とする
前記第(3)項乃至第(5)項の何れか1に記載の感熱
性粘着材料」、(7)「過冷却性向上剤が平均粒径0.
2〜10.0μm及び9%粒子径20.0μm以下の粒
子であることを特徴とする前記第(3)項乃至第(6)
項の何れか1に記載の感熱性粘着材料」、(8)「過冷
却性向上剤が、下記一般式(1)
【0014】
【化2】 (式中、R及びRは同一又は異なっていてもよく、
置換基を有していてもよい芳香族基を示す。式中R
アシル基、アリールアルキル基、アリール基、アルコキ
シ基等の置換基を示す)で表わされるシュウ酸ジエステ
ル化合物及び/又はビフェニル化合物であることを特徴
とする前記第(3)項乃至第(7)項の何れか1に記載
の感熱性粘着材料」、(9)「感熱性粘着剤層を支持体
上に設けた感熱性粘着材料において、感熱性粘着剤層が
0〜40℃の環境温度で500〜3500gf/40m
mの粘着力を有することを特徴とする感熱性粘着材
料」、(10)「感熱性粘着剤層を粘着化させた面の0
℃と20℃環境下での引っ掻き抵抗値が共に150〜5
00gfであることを特徴とする感熱性粘着材料」、
(11)「感熱性粘着剤層が熱可塑性樹脂、固体可塑剤
とさらに過冷却性向上剤を含有することを特徴とする前
記第(9)項または第(10)項に記載の感熱性粘着材
料」、(12)「感熱性粘着剤層が非粘着状態時の感熱
性粘着層面の光沢度を(a),80℃の熱ブロックを2
kg/cm1秒で感熱性粘着層面に押し当てたときの
光沢度を(b)としたとき、(b)−(a)の値が−2
0〜20%であることを特徴とする前記第(9)項乃至
第(11)項の何れか1に記載の感熱性粘着材料」、
(13)「感熱性粘着剤層が熱可塑性樹脂、固体可塑剤
とさらに過冷却性向上剤を含有し、該固体可塑剤の融点
が70〜200℃であることを特徴とする前記第(1
2)項に記載の感熱性粘着材料」、(14)「固体可塑
剤が、ヒンダードフェノール化合物、ベンゾトリアゾー
ル化合物、芳香族スルホンアミド化合物及びフタル酸化
合物の中から選ばれる少なくとも1種の常温で固体状の
化合物からなることを特徴とする前記第(13)項に記
載の感熱性粘着材料」、(15)「固体可塑剤が、加熱
により液状化後20℃温度環境下に保持したときに、再
固体化せずに液状を保持するものであることを特徴とす
る前記第(13)項または第(14)項に記載の感熱性
粘着材料」、(16)「該熱可塑性樹脂が、アクリル酸
エステル共重合体、スチレンアクリル共重合体及びエチ
レン酢酸ビニル共重合体の中から選ばれる少なくとも1
種の共重合体であることを特徴とする前記第(3)項乃
至第(8)項、第(13)項乃至第(15)項の何れか
1に記載の感熱性粘着材料」、(17)「該熱可塑性樹
脂が、2−エチルヘキシルアクリレートを共重合成分と
して含有するアクリル酸エステル共重合体であることを
特徴とする前記第(3)項乃至第(8)項、第(13)
項乃至第(15)項の何れか1に記載の感熱性粘着材
料」、(18)「該熱可塑性樹脂のガラス転移点が−7
0〜0℃であることを特徴とする前記第(3)項乃至第
(8)項、第(13)項乃至第(17)項の何れか1に
記載の感熱性粘着材料」、(19)「熱可塑性樹脂の重
量平均分子量が3万〜30万であることを特徴とする前
記第(3)項乃至第(8)項、第(13)項乃至第(1
8)項の何れか1に記載の感熱性粘着材料」、(20)
「感熱性粘着剤層中に、無機フィラーが含有されている
ことを特徴とする前記第(1)項乃至第(19)項の何
れか1に記載の感熱性粘着材料」、(21)「感熱性粘
着剤層と支持体との間に断熱層が設けられたことを特徴
とする前記第(1)項乃至第(20)項の何れか1に記
載の感熱性粘着材料」、(22)「断熱層が中空粒子を
主成分とするものであることを特徴とする前記第(2
1)項に記載の感熱性粘着材料」、(23)「支持体上
の感熱性粘着層と反対面に感熱発色記録層を設けてなる
ことを特徴とする前記第(1)項乃至第(22)項の何
れか1に記載の感熱性粘着材料」、(24)「ロール状
に芯材に巻き付けられたことを特徴とする前記第(1)
項乃至第(23)項の何れか1に記載の感熱性粘着材
料」、(25)「所定の大きさに裁断され積み重ねて包
装されたことを特徴とする前記第(1)項乃至第(2
3)項の何れか1に記載の感熱性粘着材料」により達成
される。
【0015】また、上記課題は、本発明の(26)「支
持体の面に、熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び過冷却促進
剤を含有する水性エマルジョンを塗布後乾燥することを
特徴とする感熱性粘着材料の製造方法」、(27)「支
持体の一方の面に、熱可塑性樹脂と固体可塑剤とを含有
する水性エマルジョンを塗布乾燥した後、過冷却性向上
剤を含有する水性エマルジョンを塗布乾燥することを特
徴とする感熱性粘着材料の製造方法」により達成され
る。
【0016】また、上記課題は、本発明の(28)「熱
可塑性樹脂、固体可塑剤および過冷却剤を含有すること
を特徴とする感熱性粘着材料製造用塗工液」により達成
される。
【0017】また、上記課題は、本発明の(29)「熱
可塑性樹脂、固体可塑剤および過冷却剤を主成分とする
感熱性粘着剤組成物」により達成される。
【0018】また、上記課題は、本発明の(30)「前
記第(1)項乃至第(25)項の何れか1に記載の感熱
性粘着材料の感熱性粘着層面をサーマルヘッドによって
加熱して粘着性を発現する方法」、(31)「前記第
(30)項において粘着性が発現した感熱性粘着材料を
該被着体に貼りつける方法」、(32)「該被着体がポ
リオレフィン系樹脂からなることを特徴とする前記第
(31)項に記載の感熱性粘着材料を該被着体に貼りつ
ける方法」により達成される。
【0019】また、上記課題は、本発明の(33)「前
記第(1)項乃至第(25)項の何れか1に記載の感熱
性粘着材料の感熱性粘着層面が貼りついた被着体」によ
り達成される。
【0020】また、上記課題は、本発明の(34)「被
着体が樹脂フイルム性ラップであって、前記第(33)
項に記載の被着体で包装された食品」により達成され
る。
【0021】更にまた、上記課題は、本発明の(35)
「加熱手段を具備し、前記第(1)項乃至第(25)項
の何れか1に記載の感熱性粘着材料が搭載された感熱性
粘着性発現装置」により達成される。
【0022】本発明者等は、第1の課題を解決すべく、
感熱性粘着材料として0℃乃至10℃程度の環境でも粘
着性を発現し、ポリオレフイン製ラップをはじめとする
各種被着体に貼りつけても、1800gf/40mm以
上の固着状態が保持されることを目標として、鋭意研究
を重ねた結果、過冷却性向上剤を用いることが非常に有
効であり、これを用いることにより実現できることを確
認した。すなわち、支持体上に設けた熱可塑性樹脂及び
可塑剤を主成分とする感熱性粘着剤層中に過冷却性向上
剤を含有させると、従来の感熱性粘着材料に比べて、低
温環境下ではるかに高い粘着性を得ることができた。
【0023】さらに本発明者等は、この知見に基づい
て、過冷却性向上剤を含有させた感熱性粘着材料を初め
として、感熱性粘着材料の各種の表面物性を検証した結
果、低温における引っ掻き抵抗値が特定範囲になるもの
は、前記目標が達成されるという因果関係にあることを
見出して、本発明を完成するに至った。即ち、本発明に
よれば、支持体上に感熱性粘着剤層を感熱性粘着材料に
おいて、粘着化した粘着面を0℃環境下でボールペンで
の前記感熱性粘着剤層の引っ掻き抵抗値が150〜50
0gfであることを特徴とする感熱性粘着材料が提供さ
れる。この引っ掻き抵抗値は、鉛筆をボールペンに換え
る以外はすべてJIS K5401に基づいて測定され
るものである。
【0024】次に、本発明者等は、第2と第3の課題を
解決すべく、以下を目標として、鋭意研究を重ねた
結果、過冷却性向上剤と融点の高い固体可塑剤を併用す
ることが非常に有効であることを確認した。 感熱性粘着材料として0℃乃至10℃程度の低温環境
下でも40℃程度の高温環境下でも粘着性を発現し、ポ
リオレフインをはじめとする被着体に貼りつけても、5
00乃至3500gf/40mm程度の固着状態が保持
されること、すなわち低温から高温までの巾広いいかな
る温度環境でも高粘着性を有すること。 低くとも60℃程度の環境においてもブロッキングを
発生しない、高い耐ブロッキング性を有すること。 すなわち、感熱性粘着層中に含有させる固体可塑剤とし
て融点の高いものを用い、かつ過冷却性向上剤を含有さ
せると、従来の感熱性粘着材料にない、巾広い温度環境
で高い粘着性と、高い耐ブロッキング性を得ることがで
きた。本発明者等は、この知見に基づいて、過冷却性向
上剤と融点の高い固体可塑剤を併用させた感熱性粘着材
料を初めとして、感熱性粘着材料の表面物性を検証し
た。その結果、感熱性粘着剤層を粘着化させた面がそれ
ぞれ20℃と80℃の環境下において測定した引っ掻き
抵抗値が、いずれも150〜500gfになるものが、
第2の課題を解決できることを確認した。
【0025】このような感熱性粘着材料は、0℃乃至1
0℃程度の低温環境下でも40℃程度の高温環境下でも
粘着性を発現し、500乃至3500gf/40mm程
度の固着状態を保持するものである。さらに、80℃の
熱ブロックを2kg/cm1秒で感熱性粘着層面に押
し当てたときの光沢度を(b)としたとき、(b)−
(a)の値が−20〜20%になるものが、第3の課題
を解決できることを確認した。このような感熱性粘着材
料は、低くとも60℃程度の環境においてもブロッキン
グを発生しない、高い耐ブロッキング性を有するもので
ある。
【0026】
【発明の実施の形態】前述のように、感熱性粘着材料は
通常支持体の片面が情報記録面で、反対面が熱可塑性樹
脂と可塑剤をを必須成分とし、必要に応じて粘着付与剤
のような添加剤を含有する感熱性粘着剤層を設けてなる
ものである。熱可塑性樹脂としては、粘着性をそれ自体
持つものも持たないものも使用可能であるが、高い粘着
性を得るには前者が好ましい。可塑剤としては固体状の
ものも液体状のものも、さらに併用することも可能であ
る。
【0027】本発明においては、前述のように、感熱性
粘着材料の感熱性粘着剤層として、それを粘着化した後
の粘着面の0℃環境下において測定した引っ掻き抵抗値
が150〜500gfであることが必要であり、この要
件に合致さえすれば第一の課題が解決され、その具体的
なやり方は特に限定されるものではない。なお、該引っ
掻き抵抗値は、JIS K 5401に基づき、下記諸
条件によって測定される。 使用ペン;0.1mm径のアルミナ製ボールペン 荷重 ;1.0Kg 引っ掻き移動速度;75mm/min ペンと測定面(粘着剤層面)の接触角;45度 第1の課題を解決する具体的なやり方の1つは、過冷却
性向上剤を用いることである。
【0028】本発明の感熱性粘着材料は、粘着層を保護
する層(保護層という)を設け、過冷却性向上剤を該保
護層に含有させることもできるが、以下過冷却性向上剤
について感熱性粘着層に含有させる場合を中心にして説
明する。本発明者等は、本発明において過冷却性向上剤
を用いると低温環境における粘着性を高められるメカニ
ズムについて検討した。加熱前は、固体可塑剤が熱可塑
性樹脂を覆った状態になっているため、熱可塑性樹脂自
体が粘着性を持つものであっても、感熱性粘着剤層の少
なくとも表面には粘着性はない。前述のように、感熱性
粘着剤層を固体可塑剤が溶融する温度に加熱すると、固
体可塑剤がオイル状になって熱可塑性樹脂の分子間に浸
透し、その結果熱可塑性樹脂が可塑化及び軟化状態にな
って粘着性を発現するが、低温環境において感熱性粘着
剤層が被着体に貼り付きにくくなるのは、一旦熱可塑性
樹脂の分子間に浸透した固体可塑剤同士が凝集して固化
状態になって、その結果発現した熱可塑性樹脂の粘着性
がすぐに低下してしまうことに因るものと考えられる。
感熱粘着性材料を使用中低温環境に置くと、感熱性粘着
剤層間が部分的に剥離するような破壊状態が発生するこ
とがあるが、この原因も固体可塑剤同士が上記の固化状
態になることに因るものと考えられる。
【0029】本発明のように、過冷却性向上剤を含有さ
せた感熱性粘着剤層を加熱すると、固体可塑剤と過冷却
性向上剤が共にオイル状になって熱可塑性樹脂の分子間
に浸透する。その際過冷却性向上剤は固体可塑剤を覆う
ような状態で存在して分散しているオイル状の固体可塑
剤同士を過冷却性向上剤が隔離するために、低温環境で
も被着体が低温度であるような場合でも、固体可塑剤同
士は集合して固化状態を形成することなく、依然として
固体可塑剤はオイル状で存在し、可塑化及び軟化状態に
なって発現した熱可塑性樹脂の粘着性が維持されて被着
体に貼り付くものと考えられる。すなわち、過冷却性向
上剤は固体可塑剤粒子同士が凝集するのを防止して、固
体可塑剤のオイル状態を維持する作用があるものと考え
られる。繰り返し説明すると、感熱性粘着材料の場合に
は、加熱すると固体可塑剤が溶融しオイル状態になって
熱可塑性樹脂内に相溶し、熱可塑性樹脂が可塑化及び軟
化状態になり粘着性を発現するが、低温環境下あるいは
低温被着体においては、この溶融しオイル状態になった
固体可塑剤が固体化あるいはアモルファス化してしま
い、著しく粘着力が低下してしまう。しかし、感熱性粘
着剤層に含有させた過冷却性向上剤は、低温環境下ある
いは被着体が低温状態であっても、一旦溶融しオイル状
態となった固体可塑剤の固体化あるいはアモルファス化
を防ぎかつその液体状態を維持するため、結果として低
温環境下でも熱可塑性樹脂の高粘着性を発現かつ維持で
きる。
【0030】このように、本発明で用いる過冷却性向上
剤は、加熱によって形成された固体可塑剤のオイル状態
を、常温あるいは低温環境下(例えば、−5〜10℃)
においた場合にも、保持することを可能にする物質であ
る。このような物質は、それ自体がすぐれた過冷却特性
を有するものであり、過冷却特性にすぐれた従来の物質
の中から適宜選ぶことができる。
【0031】本発明に用いる過冷却性向上剤としては、
その物質を固体可塑剤と混合し、加熱して両者を溶融し
液状化した後、その混合液を常温にまで冷却した場合
に、その混合液が液状を保持しているものを基準にして
選ぶことが好ましい。さらに、本発明で用いる過冷却性
向上剤は、低温環境における高粘着性の面から、融点が
60〜180℃であるものが好ましく、さらに70〜1
30℃のものがより好ましい。
【0032】過冷却性向上剤の使用割合は、固体可塑剤
100重量部当り、0.5〜60重量部、好ましくは1
0〜40重量部の割合である。過冷却性向上剤の割合
を、10重量部以上にすると過冷却性の向上効果に特に
有効であり、また40重量部以下にすると固体可塑剤の
機能を発揮させるのに特に好ましい。さらに、過冷却性
向上剤の平均粒子径が0.5〜10.0μmのものを用
いると、熱応答性がよく過冷却性向上剤が溶融しやすく
なって、固体可塑剤への初期の機能を向上させるので好
ましく、さらに過冷却性向上剤は平均粒子径0.7〜
3.0μmであることがより好ましい。
【0033】本発明で用いる過冷性向上剤としては、従
来公知の各種の物質の中から選択され、このような物質
として、ナフタレンの芳香族オキシ置換体、ビフェニル
置換体、ポリエーテル化合物、炭酸ジエステル、シュウ
酸ジエステル等のような有機化合物が例示され、特にシ
ュウ酸ジエステルが好ましい。
【0034】前記ナフタレンの芳香族オキシ置換体とし
ては、下記一般式(20)で表わされるものが挙げられ
る。
【0035】
【化3】 前記式中、Rは芳香族基を示す。芳香族基には、炭素
数7〜22、好ましくは7〜12のアリールアルキル基
(例えば、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル、ナ
フチルエチル等)や、炭素数6〜22、好ましくは6〜
12のアリール基(フェニル、トリル、ナフチル等)が
包含される。前記ナフタリンの芳香族オキシ置換体の具
体例としては、例えば、2−ベンジルオキシナフタレ
ン、2−フェネチルオキシナフタレン、1−ベンジルオ
キシナフタレン、2−フェニルオキシナフタレン等が挙
げられる。
【0036】前記ビフェニル誘導体としては、下記一般
式(21)で表わされるものが挙げられる。ビフェニル
誘導体は、特に高い過冷却性向上効果を示し、好まし
い。
【0037】
【化4】 前記式中、Rはアシル基、アリールアルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基等の置換基を示す。アシル基に
は、炭素数1〜12、好ましくは1〜8のアルキル基を
有する脂肪族アシル基が包含される。アリールアルキル
基には、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル等が包
含される。アリール基には、フェニル、トリル、ナフチ
ル等が包含される。アルキルオキシ基には、炭素数1〜
12、好ましくは2〜8のアルキル基もしくはアルケニ
ル基を有するアルコキシ基が包含される。前記ビフェニ
ル誘導体の具体例としては、例えば、アセチルビフェニ
ル、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェ
ニル等が挙げられる。
【0038】前記ポリエーテル化合物としては、下記一
般式(22)、(23)及び(24)で表わされるもの
が挙げられる。
【0039】
【化5】
【0040】
【化6】
【0041】
【化7】 前記式中、R及びRは水素又は炭素数1〜12、好
ましくは2〜8のアルキル基を示す。R及びRは炭
素数2〜12、好ましくは2〜8のアルキレン基を示
す。R10及びR11は、炭素数1〜12、好ましくは
1〜8のアルキル基を示す。Ar、Ar、Ar
びArは炭素数6〜22、好ましくは6〜12のアリ
ール基又は炭素数7〜22、好ましくは7〜12のアリ
ールアルキル基を示す。Ar及びArは、炭素数6
〜22、好ましくは6〜12のアリーレン基又は炭素数
8〜22、好ましくは8〜12のアリーレンアルキレン
基を示す。前記ポリエーテル化合物の具体例としては、
例えば、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタ
ン、2,2’−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチ
ルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等
が挙げられる。
【0042】前記炭酸ジエステルとしては、下記一般式
(25)で表わされるものが挙げられる。
【0043】
【化8】 前記式中、R及びRはアリールアルキル基又はアリ
ール基を示す。前記アリールアルキル基において、その
炭素数は7〜22、好ましくは7〜12である。前記ア
リール基において、その炭素数は6〜22、好ましくは
6〜12である。それらの具体例としては、ベンジル、
フェネチル、ナフチルメチル、フェニル、トリル、ナフ
チル等が挙げられる。前記炭酸ジエステルの具体例とし
ては、例えば、炭酸ジベンジル、炭酸ジフェネチル、炭
酸ジフェニル、炭酸ジナフチルメチル等が挙げられる。
【0044】前記シュウ酸ジエステルとしては、下記一
般式(26)(前記一般式(1)と同じで表わされるも
のが包含される。シュウ酸ジエステルは、高い過冷却性
向上効果を示し、本発明に好ましく使用される。
【0045】
【化9】 前記式中、Ar及びArは、同一又は異なっていて
もよく、置換基を有していてもよい芳香族基を示す。前
記芳香族基には、アリールアルキル基及びアリール基が
包含される。アリールアルキル基において、その炭素数
は7〜22、好ましくは7〜12である。アリール基に
おいて、その炭素数は6〜22、好ましくは6〜12で
ある。アリールアルキル基としては、ベンジル、フェネ
チル、ナフチルメチル等が挙げられる。アリール基とし
ては、フェニル、トリル、ナフチル等が挙げられる。前
記置換基には、炭素数1〜6のアルコキシ基やハロゲン
原子等が包含される。前記シュウ酸ジエステルの具体例
としては、例えば、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ
(p−クロルベンジル)等が挙げられる。
【0046】本発明における可塑剤としては、前述のよ
うに固体状のものでも液体状のものも使用可能であり、
また低温環境における高粘着性の確保に有効なものであ
れば、公知のものを用いることができる。中でも特に、
ヒンダードフェノール化合物、ベンゾトリアゾール化合
物、芳香族スルホンアミド化合物及びフタル酸化合物等
のような、常温で固体状の可塑剤は、熱可塑性樹脂の粘
着力の発現のための助剤としてすぐれたものであり、か
つ耐ブロッキング性にすぐれた感熱性粘着材料を得るの
に有効である。
【0047】特に本発明において、低くとも60℃程度
の環境に置いてもブロッキングを発生しない、高い耐ブ
ロッキング性を有する感熱性粘着材料を得るためには、
固体可塑剤として融点が、比較的高いもの、好ましくは
70〜200℃、より好ましくは100〜150℃であ
るものを用いることが有効である。また、本発明で用い
る可塑剤は、加熱により液状化後、20℃環境温度下で
保持したときに、再固体化せずに液状を保持するもので
あることが好ましい。高い耐ブロッキング性を有する感
熱性粘着材料を得るには、このような条件を充足する固
体可塑剤を用いさえすれば可能であり、これ自体従来に
ない新規な技術である。本発明の第2の課題が解決され
るためには前述のように、感熱性粘着材料の感熱性粘着
剤層として、その非粘着状態時の感熱性粘着層面の光沢
度を(a)、80℃の熱ブロックを2kg/cm1秒
で感熱性粘着層面に押し当てたときの光沢度を(b)と
したとき、(a)−(b)の値が−20〜20%である
ことが必要であり、この要件に合致さえすれば第2の課
題が解決され、その具体的なやり方は特に限定されるも
のではない。なお、該光沢度の測定方法については、後
述する。また、感熱性粘着剤層を粘着化させた面の0℃
及び20℃の環境下での引っ掻き抵抗値が共に150〜
500gfでありさえすれば第2の課題が解決され、そ
の具体的なやり方は特に限定されないことを確認した。
本発明の第2の課題を解決するための具体的なやり方の
1つは、前述の過冷却向上剤と、特に融点の高い固体可
塑剤とを併用することである。このようにして得られる
本発明の感熱性粘着材料は、0〜40℃の環境温度で5
00〜3500gf/40mmの粘着力を有するもので
ある。
【0048】前記ヒンダードフェノール化合物は、その
フェノール性水酸基が結合する炭素原子に隣接する2つ
の炭素原子に置換基が結合しているフェノール化合物に
おいて、その2つの置換基のうちの少なくとも一方が立
体障害性基である常温で固体状の化合物である。この場
合、立体障害性置換基には、炭素数3〜10、好ましく
は4〜8のt−アルキル基(第3級アルキル基)(例え
ば、t−ブチル基、t−アミル基、t−ヘキシル基、t
−オクチル基等)等が包含される。一方、非立体障害性
置換基には、炭素数1〜8、好ましくは1〜6のn−ア
ルキル基やiso−アルキル基(例えば、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブ
チル基、iso−ブチル基、n−アミル基、iso−ア
ミル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、n−オ
クチル基、iso−オクチル基等)等が包含される。
【0049】本発明で用いるヒンダードフェノール化合
物は、下記一般式(2)で表わされるフェノール基(ヒ
ドロキシフェニル基)を分子中に1〜6個、好ましくは
2〜4個含有するフェノール化合物であることができ
る。
【0050】
【化10】 前記式中、R及びRはt−ブチル基等の立体障害性
基又はメチル基等の非立体障害性基を示し、その少なく
とも一方は立体障害性基である。本発明で用いるヒンダ
ードフェノール化合物において、その融点は、好ましく
は50〜120℃、より好ましくは55〜100℃であ
る。本発明で用いるヒンダードフェノール化合物は、加
熱により液状化後、20℃温度環境下に保持したとき
に、再固体化せずに液状を保持する化合物であることが
好ましい。
【0051】本発明で用いるヒンダードフェノール化合
物は、下記一般式(3)で表わされる含フェノール基を
分子中に1〜6個含有する常温で固体状を示すフェノー
ル化合物であることができる。
【0052】
【化11】 前記式中、R及びRは立体障害性基又は非立体障害
性基を示すが、その少なくとも一方は立体障害性基であ
り、R、R及びRは同一又は異なっていてもよ
く、炭素数1〜12のアルキレン基を示す。立体障害性
基及び非立体障害性基としては、前記した各種のものが
挙げられる。R、R及びRは炭素数1〜12、好
ましくは2〜8、より好ましくは2〜6のアルキレン基
を示すが、その具体例としては、メチレン、エチレン、
プロピレン、ブチレン、アミレン、へキシレン、オクチ
レン、ドデセニレン等が挙げられる。本発明で用いるヒ
ンダードフェノール化合物は、下記一般式(4)で表わ
される常温で固体状を示すフェノール化合物であること
ができる。
【0053】
【化12】
【0054】本発明で用いるヒンダードフェノール化合
物は、下記一般式(5)で表わされる含フェノール基を
分子中に2〜6個含有する常温で固体状の化合物である
ことができる。
【0055】
【化13】 前記式中、R及びRは立体障害性基又は非立体障害
性基を示すが、その少なくとも一方は立体障害性基であ
り、R及びRは同一又は異なっていてもよく、炭素
数1〜12のアルキレン基を示す。前記立体障害性基及
び非立体障害性基としては、前記した各種のものが挙げ
られる。前記アルキレン基において、その炭素数は1〜
12、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6であ
る。このアルキレン基の具体例としては、前記した各種
のものが挙げられる。本発明で用いるヒンダードフェノ
ール化合物は、下記一般式(6)で表わされる常温で固
体状の化合物であることができる。
【0056】
【化14】 前記式中、R、R、R及びRは前記と同じ意味
を有する。
【0057】本発明で用いるヒンダードフェノール化合
物は、下記一般式(7)で表わされる常温で固体状を示
すフェノール化合物であることができる。
【0058】
【化15】 前記式中、R、R、R及びRは前記と同じ意味
を有し、nは1〜4の整数を示す。
【0059】本発明で用いるヒンダードフェノール化合
物は、下記一般式(8)で表わされる常温で固体状を示
すフェノール化合物であることができる。
【化16】 前記式中、R、R、R及びRは前記と同じ意味
を有する。
【0060】本発明で用いるヒンダードフェノール化合
物は、下記一般式(9)で表わされる含フェノール基を
分子中に1〜6個含有する常温で固体状を示すフェノー
ル化合物であることができる。
【0061】
【化17】 前記式中、R、R、R及びRは前記と同じ意味
を有する。本発明で用いるヒンダードフェノール化合物
は、下記一般式(10)で表わされる常温で固体状のフ
ェノール化合物であることができる。
【0062】
【化18】 前記式中、R、R、R及びRは前記と同じ意味
を有する。
【0063】本発明で用いるヒンダードフェノール化合
物は、下記一般式(11)で表わされる常温で固体状を
示すフェノール化合物であることができる。
【0064】
【化19】 前記式中、R及びRは立体障害性基又は非立体障害
性基を示すが、その少なくとも一方は立体障害性基であ
り、R及びRは同一又は異なっていてもよく、炭素
数1〜12のアルキル基を示す。前記立体障害性基及び
非立体障害性基としては、前記した各種のものが挙げら
れる。前記アルキル基において、その炭素数は1〜1
2、好ましくは1〜6、より好ましくは2〜4である。
このアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチ
ル、ノニル、デシル、ドデシル等が挙げられる。
【0065】本発明で用いるベンゾトリアゾール化合物
は、下記一般式(12)で表わされるベンゾトリアゾー
ル基を含有する常温で固体状を示す化合物であることが
できる。
【化20】 前記式中、Xは水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数1〜6のアルキル基を有するアルコキシ基又はハロゲ
ン原子を示す。前記炭素数1〜6のアルキル基として
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル及びヘ
キシル等が挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素、
臭素、ヨウ素、フッ素が挙げられる。
【0066】本発明で用いるベンゾトリアゾール化合物
は、下記一般式(13)で表わされる常温で固体状の化
合物であることができる。
【0067】
【化21】 前記式中、Xは水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数1〜6のアルキル基を有するアルコキシ基又はハロゲ
ン原子を示し、R及びR10が同一又は異なっていて
もよく、水素、置換基を有していてもよい炭素数1〜2
2のアルキル基もしくはアルケニル基、置換基を有して
いてもよい炭素数1〜22のアルキル基もしくはアルケ
ニル基を有するアルコキシ基を示す。Rは立体障害性
基であることが好ましい。前記炭素数1〜6のアルキル
基及びハロゲン原子の具体例としては、前記した各種の
ものが挙げられる。前記したアルキル基において、その
炭素数は1〜22、好ましくは1〜12、より好ましく
は1〜8である。前記したアルケニル基において、その
炭素数は2〜22、好ましくは2〜22、より好ましく
は2〜8である。それらの具体例としては、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ドデシル、ステアリル、ドコサニル、ヘキ
セニル、ドデセニル、ドコセニル等が挙げられる。前記
置換基には、水酸基やアルコキシ基、ハロゲン原子等が
包含される。
【0068】本発明で用いるベンゾトリアゾール化合物
は、下記一般式(14)で表わされる常温で固体状の化
合物であることができる。
【0069】
【化22】 前記式中、Xは水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数1〜6のアルキル基を有するアルコキシ基又はハロゲ
ン原子を示し、R11は置換基を有していてもよい炭素
数1〜22のアルキル基又はアルケニル基を示す。前記
炭素数1〜6のアルキル基及びハロゲン原子の具体例と
しては、前記した各種のものが挙げられる。前記したア
ルキル基において、その炭素数は1〜22、好ましくは
1〜12、より好ましくは1〜8である。前記したアル
ケニル基において、その炭素数は2〜22、好ましくは
2〜12、より好ましくは2〜8である。それらの具体
例としては、前記した各種のものが挙げられる。前記置
換基には、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン等が包含さ
れる。
【0070】本発明で用いるベンゾトリアゾール化合物
は、下記一般式(15)で表わされる常温で固体状の化
合物であることができる。
【0071】
【化23】 前記式中、X及びYは、水素、炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルコキシ基又
はハロゲン原子を示し、R12は置換基を有していても
よい炭素数1〜22のアルキル基もしくはアルケニル基
を示し、R13は炭素数1〜12のアルキレン基を示
す。前記炭素数1〜6のアルキル基及びハロゲン原子の
具体例としては、前記した各種のものが挙げられる。前
記したアルキル基において、その炭素数は1〜22、好
ましくは1 〜12、より好ましくは1〜8である。前
記したアルケニル基において、その炭素数は2〜22、
好ましくは2〜12、より好ましくは2〜8である。そ
れらの具体例としては、前記した各種のものが挙げられ
る。前記したアルキレン基において、その炭素数は1〜
12、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6であ
る。その具体例としては、前記した各種のものが挙げら
れる。前記置換基には、水酸基、アルコキシ基、ハロゲ
ン基等が包含される。本発明で用いるベンゾトリアゾー
ル化合物において、その融点は、好ましくは50〜12
0℃、より好ましくは55〜100℃である。本発明で
用いるベンゾトリアゾール化合物は、加熱により液状化
後、20℃温度環境下に保持したときに、再固体化せず
に液状を保持する化合物であることが好ましい。
【0072】本発明で用いる芳香族スルホンアミド化合
物は、下記一般式(16)で表わされる芳香族スルホン
アミド基を有する常温で固体状の化合物であることがで
きる。
【0073】
【化24】 前記式中、Xは水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数1〜6のアルキル基を有するアルコキシ基又はハロゲ
ン原子を示す。
【0074】本発明で用いる芳香族スルホンアミド化合
物は、下記一般式(17)で表わされる常温で固体状の
化合物であることができる。
【0075】
【化25】 式中、Xは水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1
〜6のアルキル基を有するアルコキシ基又はハロゲン原
子を示し、R14は水素、置換基を有していてもよい炭
素数1〜22の脂肪族基又は置換基を有していてもよい
炭素数6〜22の芳香族基を示す。前記脂肪族基には、
鎖状及び環状のものが包含される。鎖状脂肪族基には、
アルキル基及びアルケニル基が包含され、アルキル基の
場合、その炭素数は1〜22、好ましくは1〜12、よ
り好ましくは1〜8である。アルケニル基の場合、その
炭素数は2〜22、好ましくは2〜12、より好ましく
は2〜8である。環状脂肪族基には、シクロアルキル基
及びシクロアルケニル基が包含され、その炭素数は4〜
12、好ましくは6〜10である。環状脂肪族基の具体
例としては、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シク
ロオクチル等が挙げられる。前記芳香族基には、アリー
ル基及びアリールアルキル基が包含され、アリール基の
場合、その炭素数は6〜22、好ましくは6〜12であ
る。アリールアルキル基の場合、その炭素数は7〜2
2、好ましくは7〜12である。アリール基の具体例と
しては、フェニル、トリル、ナフチル、アントラセニ
ル、ピレニル等が挙げられる。アリールアルキル基の具
体例としては、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチ
ル、アンランメチル等が挙げられる。前記置換基には、
水酸基や、アルコキシ基や、ハロゲン等が包含される。
本発明で用いる芳香族スルホンアミド化合物において、
その融点は、好ましくは50〜120℃、より好ましく
は55〜100℃である。本発明で用いる芳香族スルホ
ンアミド化合物は、加熱により液状化後、20℃温度環
境下に保持したときに、再固体化せずに液状を保持する
化合物であることが好ましい。
【0076】本発明で用いるフタル酸化合物は、下記一
般式(18)
【0077】
【化26】 前記式中、Xは水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数1〜6のアルキル基を有するアルコキシ基又はハロゲ
ン原子を示し、R15及びR16は置換基を有していて
もよい炭素数1〜22の脂肪基又は置換基を有していて
もよい炭素数6〜22の芳香族基を示す。前記脂肪族基
には、鎖状及び環状のものが包含される。鎖状脂肪族基
には、アルキル基及びアルケニル基が包含され、アルキ
ル基の場合、その炭素数は1〜22、好ましくは1〜1
2、より好ましくは1〜8である。アルケニル基の場
合、その炭素数は2〜22、好ましくは2〜12、より
好ましくは2〜8である。環状脂肪族基には、シクロア
ルキル基及びシクロアルケニル基が包含され、その炭素
数は4〜12、好ましくは6〜10である。環状脂肪族
基の具体例としては、シクロヘキシル、シクロヘキセニ
ル、シクロオクチル等が挙げられる。前記芳香族基に
は、アリール基及びアリールアルキル基が包含され、ア
リール基の場合、その炭素数は6〜22、好ましくは6
〜12ある。アリールアルキル基の場合、その炭素数は
7〜22、好ましくは7〜12である。アリール基の具
体例としては、フェニル、トリル、ナフチル、アントラ
セニル、ピレニル等が挙げられる。アリールアルキル基
の具体例としては、ベンジル、フェネチル、ナフチルメ
チル、アントラセンメチル等が挙げられる。前記置換基
には、水酸基や、アルコキシ基や、ハロゲン等が包含さ
れる。本発明で用いるフタル酸化合物において、その融
点は、好ましくは50〜120℃、より好ましくは55
〜100℃である。本発明で用いるフタル酸化合物は、
加熱により液状化後、20℃温度環境下に保持したとき
に、再固体化せずに液状を保持する化合物であることが
好ましい。
【0078】本発明で用いる可塑剤の具体例を示すと、
以下の通りである。 <ヒンダードフェノール系化合物>
【0079】
【表1−1】
【0080】
【表1−2】 <ベンゾトリアゾール化合物>
【0081】
【表1−3】
【0082】
【表1−4】 <スルホンアミド化合物>
【0083】
【表1−5】
【0084】
【表1−6】 <フタル酸化合物>
【0085】
【表1−7】 本発明において固体可塑剤として、特に前記化合物N
o.1、No.2、No.11、及びNo.17の中か
ら選ばれる少なくとも1種の化合物を用いるのが好まし
い。
【0086】本発明の感熱性粘着材料において、可塑剤
として液体可塑剤を用いることができる。このようなも
のとしては、例えば、アジピン酸ジブチル、アジピン酸
ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−ヘキシ
ル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸−2−エチルヘキ
シル、フタル酸ブチルヘキシル、フタル酸ブチルベンジ
ル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ
−2−エチルヘキシル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
ヘプチル、フタル酸ジオクチル等が挙げられる。これら
液体可塑剤は通常、マイクロカプセルに内包させて用い
られる。このマイクロカプセルにおいて、その壁材とし
ては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエ
ステル、尿素−ホルムアルデヒド樹脂などの各種の樹脂
が挙げられる。
【0087】本発明の感熱性粘着材料に用いられる熱可
塑性樹脂としては、従来公知の各種のものを用いること
ができる。その具体例としては、例えば、(メタ)アク
リル酸エステル共重合体、スチレン−イソプレン共重合
体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル
−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル
共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢
酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル
−エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル
−エチレン−スチレン共重合体、ポリブタジエン、ポリ
ウレタン等の樹脂が挙げられる。これら熱可塑性樹脂
は、特に前記の化合物No.1、化合物No.11及び
化合物No.17の可塑剤と組合せて用いるのが好まし
い。
【0088】本発明で用いる熱可塑性樹脂としては、粘
着性をそれ自体持つものも持たないものも使用可能であ
るが、ガラス転移点が比較的低い前者のものが好まし
く、特にガラス転移点が−70〜0℃のもの、さらに好
ましくは−67〜−25℃のものが好ましく、また重量
平均分子量は10万〜30万であるものが好ましく、製
品の耐ブロッキング性及び加熱による粘着力発現性に特
に有用である。さらに熱可塑性樹脂としては、特に、ア
クリル酸エステル共重合体、スチレンアクリル共重合体
及びエチレン酢酸ビニル共重合体の中から選ばれる少な
くとも1種の共重合体の使用が好ましい。特に、2−エ
チルヘキシルアクリレートを共重合成分として含むアク
リル酸エステル共重合体を用いることにより、加熱によ
る粘着力発現の向上した製品が得られることを確認し
た。
【0089】本発明の感熱性粘着材料の感熱性粘着剤層
には、耐ブロッキング性を向上させるために、例えば動
植物性ワックス、合成ワックスのようなワックス類、高
級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸アニリド、芳
香族アミンのアセチル化物のような、熱可融性物質を含
有させることができる。その具体例を列挙する。ワック
スとしては、パラフィンワックス、木ろう、カルナウバ
ろう、シェラック、モンタンろう、酸化パラフィン、ポ
リエチレンワックス、酸化ポリエチレン等、高級脂肪酸
としては、ステアリン酸、ベヘン酸、高級脂肪酸アミド
としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、N
−メチルステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、メチロ
ールベヘン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、
メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステア
リン酸アミド、高級脂肪酸アニリドとしては、ステアリ
ン酸アニリド、リノール酸アニリド、芳香族アミンのア
セチル化物としては、アセトトルイジド。特に、粘着性
に影響を与えないでブロッキングを改善することができ
るので、高級脂肪酸アミドの中のステアリン酸アミドの
エマルジョン粒子を用いることが好ましい。
【0090】本発明の感熱性粘着材料において、その感
熱性粘着剤層には、必要に応じ、その粘着力を向上させ
ブロッキングを生じさせないために、粘着付与剤を含有
させることができる。その粘着付与剤の具体例として
は、テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹
脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノー
ル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン誘導体樹脂等
を挙げることができる。これら粘着付与剤は重量部で、
熱可塑性樹脂100部に対し200部以下、好ましくは
20〜150部の範囲で混合して用いられる。
【0091】さらに、本発明の感熱性粘着材料の感熱性
粘着剤層には、耐ブロッキング性を向上させるために充
填剤を含有させることができ、その添加量は、本発明の
目的を阻害しない範囲で、通常3〜30%、好ましくは
10〜20%である。例えば、アルミニウム、亜鉛、カ
ルシウム、マグネシウム、バリウム、チタン等の金属の
炭酸塩、酸化物、水酸化物、硫酸塩等、および天然シリ
カ、ゼオライト、カオリン、焼成カオリン等の粘土類を
含む無機系充填剤、澱粉、スチレン樹脂、ポリオレフィ
ン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、パラフィン、天
然ワックス、合成ワックス等が挙げられる。
【0092】本発明の感熱性粘着材料の感熱性粘着剤層
には、感熱性粘着剤層と支持体との接着力を高め、かつ
しっかりした感熱性粘着剤層を形成する目的で、水性高
分子バインダーを添加することができる。その量は、感
熱性粘着材料の本来の粘着力を損なわない範囲であるこ
とが必要であり、具体的には感熱性粘着剤層全固形分に
対し50重量%以下、より好ましくは35重量%以下の
範囲であり、通常5〜35重量%である。具体例として
は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酸化澱
粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼ
イン、ゼラチン、アルギン酸ソーダ等を挙げることがで
きる。さらに、感熱性粘着剤層には上記成分以外に必要
に応じて、硬膜剤、防腐剤、染料、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、pH調節剤、消泡剤等の各種添加剤を適量添加
することができる。
【0093】本発明の感熱性粘着材料において、感熱性
粘着剤層を加熱するエネルギーが支持体側に流れず、可
能な限り感熱性粘着剤層の粘着性の発現にのみ用いられ
るようにするために、感熱性粘着剤層と支持体との間で
支持体に隣接する位置に、断熱機能を有する層(断熱層
という)を設けることができる。特に断熱層には、中空
粒子を含有させることが有効である。この中空粒子とし
ては、予め中空が形成されているものと、断熱層の形成
液に発泡性材料を含有させておいて塗布後に発泡させて
中空を形成するものの双方が使用可能であるが、前者が
好ましい。中空粒子としては、アクリル系ポリマーや塩
化ビニリデン系ポリマーなどの高分子化合物で形成され
るものが挙げられる。予め中空が形成されているものを
用いる場合には、バインダー層樹脂を含む溶液又は分散
液中に分散させ、この液を支持体上に塗布乾燥すること
によって断熱層を設けることができる。
【0094】後述のように、本発明の感熱性粘着材料に
おいては支持体の感熱性粘着剤層とは反対側に感熱発色
記録層を設けることができる。このような構成の場合に
は、感熱性粘着剤層を加熱するエネルギーが支持体を通
って感熱発色記録層側に達すると予期しない発色が起こ
ってしまい、そのような事態を回避するためにも前記断
熱層の機能は特に重要である。従って、この感熱発色記
録層を考慮すると、中空粒子の平均粒径は0.5〜20
μm、さらに1.5〜8μmであるものがより好まし
く、また中空粒子の断熱層中の含有量は、30〜85容
量%が好ましく、さらに40〜70容量%がより好まし
い。
【0095】本発明の感熱性粘着材料に用いる支持体と
しては、特に限定されず、例えば、紙、合成紙、不織
布、プラスチックフィルムのような従来公知のものが使
用可能である。本発明に用いられる支持体としては原紙
が好ましく、原紙は、特に限定されるものでなく一般的
なものが使用可能である。通常、木材パルプと填料を主
成分として構成されるが、さらに各種従来公知の添加剤
を1種以上混合し、公知の抄紙機によって製造される。
原紙の製造に用いる、木材パルプ、填料、添加剤及び抄
紙機については、製紙技術分野で公知のものが適用可能
である。また、該原紙としては、マシンカレンダー、ス
ーパーカレンダー等でカレンダー処理を施して平坦性を
コントロールしたものでも良い。支持体としては、さら
にグラシン紙、アート紙、コーテッド紙、キャスト紙な
どの一般紙が用いられる。その他の支持体の具体例とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリアミド等のプラスチックシート、お
よびこれらの合成繊維からなる合成紙や不織布、または
合成樹脂を紙に片面、または両面にラミネートしたラミ
ネート紙、金属箔、または金属箔と紙、蒸着紙、ホログ
ラム処理を施した不透明シート、合成樹脂フィルムとの
貼り合わせ品、マイカ紙、ガラスペーパー等も使用可能
である。支持体の厚さは特に制約されないが、通常10
〜400μm、好ましくは40〜80μmである。
【0096】本発明の感熱性粘着材料は、従来公知の方
法に従い、支持体の一方の面に、熱可塑性樹脂および可
塑剤と必要に応じての補助成分を含有する塗工液を塗布
し乾燥することによって感熱性粘着剤層を形成すること
ができる。熱可塑性樹脂および可塑剤をはじめ感熱性粘
着剤層を構成する各成分を含有させた塗布液としては、
有機溶媒を用いた溶液型塗工液及び水性溶媒(水や水と
有機溶媒との混合液)を用いた水性エマルジョン(分散
液)型のいずれも適用可能であるが、熱可塑性樹脂につ
いては水性エマルジョン(分散液)型が、固体可塑剤に
ついては湿式分散型(固体分散)がそれぞれ好ましく、
これらの液を別々に準備した後、両者を混合して得られ
る塗工液を用いることが好ましい。さらに過冷却剤を用
いる場合には、湿式分散型の液が好ましい。また、さら
に粘着付与剤を用いる場合には、水性エマルジョン型の
液にして用いるのが好ましい。
【0097】最終的な感熱性粘着剤塗工液は上記水性エ
マルジョンおよび湿式分散液を十分に攪拌混合させるこ
とで調整することができ、塗工前には100〜1000
メッシュのフィルターで濾過してから行なうことが望ま
しい。また、表面に感熱記録材料を設ける場合は、支持
体上に感熱発色層液や保護層液を塗布してキャレンダー
による平滑処理してから、感熱性粘着剤液を塗布するこ
とが好ましい。この場合、水性媒体中に分散している熱
可塑性樹脂粒子の平均粒径は、0.1〜1.0μm、好
ましくは0.15〜0.65μmであり、90%粒子径
が1.5μm以下、好ましくは1.35μm以下である
ことが好ましい。一方、可塑剤粒子の平均粒径は0.5
〜15μm、好ましくは0.8〜5μmである。なお、
平均粒子径及び90%粒子径は、堀場製作所製の粒度分
布測定器LA−700によって、測定される。可塑剤の
使用割合は、熱可塑性樹脂100重量部当り、50〜8
00重量部、好ましくは95〜400重量部の割合であ
る。水性エマルジョンおよび湿式分散液とを混合して得
られる、熱可塑性樹脂、固体可塑剤および過冷却剤を含
有する塗工液は、時間が経過して放置しても安定してい
るため、遠隔地の工場に運送し用いることができるもの
である。
【0098】支持体に対して塗工液を塗布する方法とし
ては、通常紙塗工用に用いられているブレードコータ
ー、グラビアコーター、グラビアオフセットコーター、
バーコーター、ロールコーター、ナイフコーター、エア
ナイフコーター、コンマコーター、Uコンマコーター、
AKKUコーター、スムージングコーター、マイクログ
ラビアコーター、リバースロールコーター、4本あるい
は5本ロールコーター、ディップコーター、落下カーテ
ンコーター、スライドコーター、ダイコーター等を用い
る方法の他、フレキソ、凸版、グラビア、オフセット等
の各種印刷機を用いる方法等がある。支持体に塗工若し
くは印刷の後の乾燥温度は、使用される可塑剤が融解し
ない温度範囲である。乾燥の手段としては、熱風乾燥の
他に、赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用し
た乾燥方法が使用できる。感熱性粘着剤層の塗布量は、
乾燥塗工量で通常2〜50g/m、好ましくは5〜3
5g/mの範囲で塗布される。感熱性粘着剤層の塗工
量が2g/m未満であると、加熱による接着を行う際
に十分な粘着力が得られない。また、50g/mを越
えると粘着機能が飽和し、格別の接着力は得られない。
【0099】前述したように、本発明の感熱性粘着材料
においては、支持体の感熱性接着剤層と反対面を情報表
示面とするが、情報表示面の1種として支持体の感熱性
接着剤層と反対面に感熱発色記録層を設けることもでき
る。この感熱発色記録層は、ロイコ染料、顕色剤および
バインダーを主成分とし、ロイコ染料と顕色剤とがサー
マルヘッドのような手段による加熱によって発色して情
報が表示されるものであり、従来公知のものが適用可能
である。ロイコ染料と顕色剤としては、一般に感熱記録
用紙分野において用いられているものであれば特に制限
されない。
【0100】ロイコ染料について例示する。塩基性ロイ
コ染料の具体例としては、例えばフルオラン系化合物、
トリアリールメタン系化合物、スピロ系化合物、ジフェ
ニルメタン系化合物、チアジン系化合物、ラクタム系化
合物、フルオレン系化合物等が挙げられるが、好ましく
はそれらの吸収スペクトルの特性が550〜1000n
m間に少なくとも1個以上の極大吸収波長を有するもの
がよい。
【0101】このうちフルオラン系化合物としては、例
えば3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシ
ルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソブチル−
N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−[N−エチル−N−(3−エトキシプロピ
ル)アミノ]−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン等が挙げられる。
【0102】また、トリールメタン系化合物としては、
例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−
6−ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオ
レットラクトン又はCVL)、3,3−ビス(p−ジメ
チルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルア
ミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルアミノインド
ール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノ
フェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)
フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−
(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド等が挙
げられる。
【0103】スピロ系化合物としては、例えば3−メチ
ルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピ
ラン、3,3’−ジクロロスピロジナフトピラン、3−
ベンジルスピロジナフトピラン等が、ジフェニルメタン
系化合物としては、例えばN−ハロフェニル−ロイコオ
ーラミン、4,4−ビス−ジメチルアミノフェニルベン
ズヒドリルベンジルエーテル、N−2,4,5−トリク
ロロフェニルロイコオーラミン等が、チアジン系化合物
としては、例えばベンゾイルロイコメチレンブルー、p
−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等が、ラクタ
ム系化合物としては、例えばローダミンBアニリノラク
タム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム等
が、フルオレン系化合物としては、例えば3,6−ビス
(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−
6’−ジメチルアミノフタリド、3,6−ビス(ジメチ
ルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ピロ
リジノフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジエチルア
ミノフルオレンスピロ(9,3’)−6’−ピロリジノ
フタリド等が挙げられる。
【0104】また、カラー塩基性ロイコ染料として3−
ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3
−ジエチルアミノ−ベンゾ[α]フルオラン、3−ジブ
チルアミノ−ベンゾ[α]フルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−メチルフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル
アミノ−ベンゾ[α]フルオラン等が挙げられる。
【0105】顕色剤の具体例としては一般に感圧記録紙
や感熱記録紙に用いられているものであればよく、特に
制限されないが、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホン、α−ナフトール、β−ナフトール、
p−オクチルフェノール、4−t−オクチルフェノー
ル、p−t−ブチルフェノール、p−フェニルフェノー
ル、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン
(別名:ビスフェノールA又はBPA)、2,2−ビス
(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(p
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−チ
オビスフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフ
ェノール、2,2’−(2,5−ジブロム−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、4,4−イソプロピリデンビ
ス(2−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン
ビス(4−クロロフェノール)等が挙げられる。
【0106】感熱発色記録層に使用されるバインダーと
しては、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイ
ン、ゼラチンなどのプロテイン、酸化澱粉、エステル化
合物澱粉などのサッカロースの如き水性天然高分子化合
物、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアク
リル酸ソーダ、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル
共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メ
タクリル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共
重合体のアルカリ塩、ラテックス、ポリアクリルアミ
ド、スチレン−無水マレイン酸共重合体などの如き水溶
性合成高分子化合物やラテックス類などが挙げられる。
【0107】また、感熱発色記録層の感度をさらに向上
させるために増感剤を含有させることができる。増感剤
としては、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロ
ルベンジル)エステルなどの炭酸またはシュウ酸ジエス
テル誘導体などを例示できる。さらに必要に応じて感熱
発色記録層には顔料を含有させることができる。顔料と
しては、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、水
酸化アルミニウムなどが挙げられる。
【0108】本発明の感熱性粘着材料の感熱発色記録層
を設ける場合においては、支持体の感熱発色記録層を設
ける側を従来公知の各種構成を付加することができる。
例えば、支持体と感熱発色記録層の間に、前述の感熱性
粘着剤層側に設けた断熱層のような中間層を設けて感熱
発色性を向上させ、かつ印字によるカスを防止するこ
と、感熱発色記録層の上に例えば水溶性高分子材料のよ
うな材料を用いてなる保護層を設けて、発色汚れや耐水
性などを付与すること、さらに感熱発色記録層の上にあ
るいは保護層を設けた場合には該保護層の上に印刷によ
る情報表示をすることなどが挙げられる。感熱発色記録
層をはじめ、これらの中間層、保護層あるいは情報表示
のための印刷を設ける場合には、感熱性粘着剤層の機能
が損なわれないように調製することが必要である。例え
ば、情報表示のための印刷に用いるインクとしては限定
されないが、紫外線硬化性インク(UVインク)のよう
に、印刷後の状態が感熱性粘着剤層と貼着しないような
ものを選択するようなことである。感熱発色記録層、中
間層あるいは保護層を設ける塗工方法としては、ブレー
ド塗工法、グラビア塗工法をはじめとして、感熱発色性
記録材料の製造に用いられる公知の方法が用いられる。
【0109】本発明の感熱性粘着材料は、製造後、芯材
に巻き付けてロール状にして、あるいは所定の大きさに
裁断し複数枚を包装状態にして、顧客の元に届けられる
のが一般的である。本発明の感熱性粘着材料において、
その感熱性粘着剤層の粘着性を発現させる加熱手段とし
ては、特に限定されず、熱板、熱風、赤外線、加熱ロー
ル、サーマルヘッドなど、公知のものが使用可能であ
る。しかしながら、サーマルヘッドは、オンデマンドで
発熱制御でき通電と同時に熱活性を行なえるので、エネ
ルギー消費を軽減でき、また効率よく感熱性粘着剤層に
熱を伝えられるので、感熱性粘着材料を早い速度で移動
させても熱活性化できる等の利点があるため、特に有効
である。さらに、サーマルヘッドの中でも、その発熱部
をニアエッジ、コーナーエッジあるいは端面に設けたも
のを用いると、熱活性化された感熱性粘着剤層を構成す
る成分がサーマルヘッドに転移しにくいので、有効であ
る。感熱性粘着材料は、このような加熱手段で粘着剤層
を加熱して粘着性を発現させた後、被着体に貼り付けて
用いられる。
【0110】本発明の感熱性粘着材料を貼りつける被着
体としては、特に限定されず、原材料が紙、樹脂、木材
等であって貼り付くものであればあらゆるものが包含さ
れ、その厚さの如何を問わない。さらに、食品POS業
界における食品包装用樹脂フイルムに有用であり、特に
低温環境下で従来貼着が不可能であった、ポリオレフィ
ン系樹脂フイルムからなる被着体に対しても高い粘着力
で貼着させることができる。本発明の巾広い温度環境で
も高粘着性を有する感熱性粘着材料を加熱してその粘着
力を発現させる場合、その高温(T)と低温(T
における加熱エネルギーは、次式の関数にある。 E(1)<E(2) E(1):被着体温度もしくは環境温度がTのときに
最大粘着力を発現させるエネルギー E(2):被着体温度もしくは環境温度がTのときに
最大粘着力を発現させるエネルギー 本発明の感熱性粘着材料を粘着化するために、あるいは
その後に被着体の貼りつける一連の工程を行なうため
に、用いる装置としては、公知のものが用いられる。
【0111】例えば、図1は、本発明に係るプリンタ
(1)の概略構造を示す全体図であり、プリンタ(1)
には、ロール状に巻回された感熱性粘着ラベル(2)を
保持するラベル保持部(3)が設けられている。
【0112】また、前記プリンタ(1)には、感熱性粘
着ラベル(2)の感熱発色層に記録する記録手段(8)
と、感熱性粘着ラベル(2)を所定の長さにカットする
カッター(9)と、感熱性粘着ラベル(2)の感熱性粘
着剤層を熱活性化する熱活性化装置(10)とが設けら
れている。記録手段(8)は、記録用のサーマルヘッド
(11)とプラテンロール(12)とにより形成されて
いる。熱活性化装置(10)は、感熱性粘着ラベル
(2)を搬送する搬送手段であるプラテンロール(1
3)と発熱部(14)を有する加熱手段であるサーマル
ヘッド(15)とにより形成されている。発熱部(1
4)は、セラミック基板の上に薄膜技術で発熱抵抗体を
設け、この発熱抵抗体の表面に結晶化ガラスからなる保
護膜を設けることにより形成されている。なお、プラテ
ンロール(13)は、発熱部(14)とにより感熱性粘
着ラベル(2)を挾む加圧体としても機能する。
【0113】このような構成において、ロール状に巻回
した感熱性粘着ラベル(2)をラベル保持部(3)に取
付け、ラベル保持部(3)から引き出された感熱性粘着
ラベル(2)の感熱発色層(7)に対してサーマルヘッ
ド(11)の発熱部(11a)から熱を加えることによ
り感熱発色層(7)を発色させ、所定事項の記録を行
う。
【0114】感熱発色層(7)への記録が終了して搬送
される感熱性粘着ラベル(2)の感熱性粘着剤層(5)
にはサーマルヘッド(15)の発熱部(14)が接触し
ており、この発熱部(14)を発熱させることにより感
熱性粘着剤層(5)が熱活性化される。
【0115】ここで、発熱部(14)が感熱性粘着剤層
(5)に接触しているため、発熱部(14)を発熱させ
ることにより感熱性粘着剤層(5)の熱活性化を確実に
行える。しかも、発熱部(14)からの熱が感熱性粘着
剤層(5)に効率良く伝わり、かつ、発熱部(14)を
熱活性化に必要な熱を加えた状態で待機させておかなく
ても通電と同時に熱活性化を行え、熱活性化のためのエ
ネルギー消費量が少なくなり、また、熱活性化時に感熱
性粘着ラベル(2)を過熱することがなくなり、プリン
タ(1)の安全性が高くなる。さらに、発熱部(14)
からの熱が効率良く感熱性粘着剤層(5)に伝わるた
め、感熱性粘着剤層(5)を発熱部(14)に接触させ
た感熱性粘着ラベル(2)を速い速度で移動させても熱
活性化することができ、これにより、熱活性化された感
熱性粘着剤層(5)が発熱部(14)に転移することを
防止でき、かつ、熱活性化の作業及び熱活性化した感熱
性粘着ラベル(2)の被貼付体への貼付作業の作業能率
が高くなる。
【0116】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容はこれらの実施例に限られるものでは
ない。以下に示す部および%のいずれも重量基準であ
る。また、塗工量を示す値は断わりのない限り乾燥後の
塗工量である。
【0117】<実施例1> 固体可塑剤分散液[A液]の調製 固体可塑剤として化合物24(融点73℃)を100部
に、分散剤としてポリビニルアルコール10%水溶液1
00重量部と水200部を均一に混合してボールミルを
用いて平均粒子径1.0μmになるまで粉砕し、固体可
塑剤分散液[A液]を作製した。
【0118】感熱性粘着剤層塗液[B液]の調製 固体可塑剤分散液[A液]を400部に、熱可塑性樹脂
エマルジョンとして固形分50%のアクリル酸2−エチ
ルヘキシル主成分の樹脂エマルジョン(ガラス転移点−
60℃、平均分子量45万)100部と、粘着付与剤と
してテルペンフェノール50%分散液50部を混合し
て、感熱性粘着剤層塗液[B液]を調製した。
【0119】感熱性粘着材料の作製 支持体の片面に、ワイヤーバーを用いて感熱性粘着剤層
塗液の調製で作製した感熱性粘着剤層塗液[B液]を乾
燥重量が12g/mになるように塗工、乾燥して本発
明の感熱性粘着材料を得た。
【0120】<実施例2> 染料分散液[C液]の生成 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン1.0部とポリビニルアルコール10%水溶液を
1.0部と水2.0部の処方比率になる混合物をサンド
グラインダーを用いて平均粒径が0.7〜1.0μmに
なるように粉砕、分散化して[C液]を生成した。
【0121】顕色剤液[D液]の生成 4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシフェニルスルホ
ン3.0部とシリカ1.0部とポリビニルアルコール1
0%水溶液4.0部と水10.0部の処方比率になる混
合物をサンドグラインダーを用いて平均粒径が3μm以
下になるように粉砕、分散化して[D液]を生成した。
【0122】感熱液[E液]の生成 上記染料分散液[C液]を4.0部と顕色剤液[D液]
を18.0部と水3.0部の処方比率になる混合液を十
分に攪拌して感熱液[E液]を生成した。
【0123】シリカ分散液[F液] シリカを1.0部とポリビニルアルコール10%水溶液
を1.0部と水2.0部の処方比率になる混合物をサン
ドグラインダーを用いて平均粒径が3.0μm以下にな
るように粉砕、分散化して[F液]を生成した。
【0124】保護層液[G液]の生成 上記シリカ分散液[H液]を4.0部、ポリビニルアル
コール10%水溶液を10.0部、ステアリン酸亜鉛3
0%分散液(中京油脂製Z−730)を1.0部、ポリ
アミドエピクロルヒドリンの12.5%溶解液を3.2
部および水5.8部の処方比率になる混合液を十分に攪
拌して保護層液[G液]を生成した。
【0125】感熱性粘着剤層塗液[H液]の調製 実施例1の感熱性粘着剤層塗液[B液]の固体可塑剤化
合物24(融点73℃)の代わりに固体可塑剤化合物7
(融点121℃)にした以外は同様にして感熱性粘着剤
層塗液[H液]を調製した。
【0126】感熱性粘着材料の作製 支持体の片面に、ワイヤーバーを用いて感熱液[E液]
を坪量50g/mの上質紙に染料重量が約0.5g/
および保護層液[G液]が乾燥重量3.5g/m
となるように順次、塗布および乾燥して、キャレンダー
処理を行い表面を王研式平滑度計で2000sにした。
さらにその裏面に感熱性粘着剤層塗液の調製で作製した
感熱性粘着剤層塗液[H液]を乾燥重量が12g/m
になるように塗工、乾燥して本発明の感熱性粘着材料を
得た。
【0127】<実施例3> 固体可塑剤分散液[I液]の調製 固体可塑剤として化合物2(融点105℃)を100部
に、分散剤としてポリビニルアルコール10%水溶液1
00重量部と水200部を均一に混合してボールミルを
用いて平均粒子径1.0μmになるまで粉砕し、固体可
塑剤分散液[I液]を作製した。
【0128】過冷却性促進剤分散液[J液]の調整 過冷却性促進剤してシュウ酸ジベンジルエステル(融点
80℃)を100部に、分散剤としてポリビニルアルコ
ール10%水溶液100重量部と水300部を均等に混
合してボールミルを用いて平均粒子径が15.0μm及
び90%粒子径1.0μmになるまで粉砕し、過冷却性
促進剤分散液[J液]を作成した。
【0129】感熱性粘着剤層塗液[K液]の調製 固体可塑剤分散液[I液]を400部に、過冷却性促進
剤分散液[J液]を100部、熱可塑性樹脂エマルジョ
ンとして固形分50%のアクリル酸2−エチルヘキシル
主成分の樹脂エマルジョン(ガラス転移点−60℃、平
均分子量45万)100部と、粘着付与剤としてテルペ
ンフェノール50%分散液50部を混合して、感熱性粘
着剤層塗液[J液]を調製した。実施例2の感熱性粘着
材料の感熱性粘着剤層塗液[H液]の代わりに、感熱性
粘着剤層塗液[J液]にした以外は同様にして本発明の
感熱性粘着材料を得た。
【0130】<実施例4>実施例3の感熱性粘着材料の
シュウ酸ジベンジルエステル(融点80℃)の代わり
に、4−アセチルビフェニル化合物(融点120℃)を
用いた以外は同様にして本発明の感熱性粘着材料を得
た。
【0131】<実施例5>実施例4の感熱性粘着材料の
固体可塑剤化合物2(融点105℃)の代わりに化合物
1(融点80℃)にして、シュウ酸ジベンジルエステル
(融点80℃)の代わりにステアリン酸メチル(融点4
0℃)を用いた以外は同様にして本発明の感熱性粘着材
料を得た。
【0132】<実施例6>実施例5の感熱性粘着材料の
ステアリン酸メチル(融点40℃)の代わりに、シュウ
酸ジベンジルエステル(融点80℃)を用いた以外は同
様にして本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0133】<実施例7>実施例5の感熱性粘着材料の
ステアリン酸メチル(融点40℃)の代わりに、4−ア
セチルビフェニル化合物(融点120℃)を用いた以外
は同様にして本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0134】<実施例8>実施例6の感熱性粘着材料の
固体可塑剤化合物1(融点80℃)の代わりに化合物1
2(融点141℃)を用いた以外は同様にして本発明の
感熱性粘着材料を得た。
【0135】<実施例9>実施例8の感熱性粘着材料の
シュウ酸ジベンジルエステル(融点80℃)の代わりに
4−アセチルビフェニル化合物(融点120℃)を用い
た以外は同様にして本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0136】<実施例10>実施例8の感熱性粘着材料
のシュウ酸ジベンジルエステル(融点80℃)の代わり
にパラベンジルビフェニル(融点87℃)を用いた以外
は同様にして本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0137】<実施例11>実施例8の感熱性粘着材料
のシュウ酸ジベンジルエステル(融点80℃)の代わり
にメタターフェニル(融点86℃)を用いた以外は同様
にして本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0138】<実施例12>実施例9の感熱性粘着材料
の化合物12(融点141℃)の代わりに、化合物15
(融点160℃)を用いた以外は同様にして本発明の感
熱性粘着材料を得た。
【0139】<実施例13> 無機フィラー分散液[L液]の調製 水酸化アルミニウム粉末を100部に、分散剤としてポ
リビニルアルコール10%水溶液100重量部と水20
0部を均一に混合してボールミルを用いて平均粒子径
1.0μmになるまで粉砕し、無機フィラー分散液[L
液]を作製した。
【0140】感熱性粘着剤層塗液[M液]の調製 実施例9に用いられた感熱性粘着層塗液に無機フィラー
分散液[L液]を50部添加した以外は同様にして感熱
性粘着剤層塗液[M液]を調製した。実施例9の感熱性
粘着剤層塗液の代わりに感熱性粘着剤層塗液[M液]を
用いた以外は同様にして本発明の感熱性粘着材料を得
た。
【0141】<実施例14> 断熱アンダー液[N液]の調整 中空粒子エマルジョン(中空率50%、固形分25%)
4.0部とスチレンブタジエンラテックス(固形分50
%)0.4部とポリビニルアルコール(固形分10%水
溶液)1.0部および水1.1部を十分に混合してアン
ダー液[N液]を調製した。実施例9の支持体と感熱性
粘着剤層間に断熱アンダー液[N液]を乾燥重量3.0
g/m設けた以外は同様にして本発明の感熱性粘着材
料を得た。
【0142】<比較例1>実施例1で用いられた固形分
50%のアクリル酸2−エチルヘキシル主成分の樹脂エ
マルジョン(ガラス転移点−60℃、平均分子量45
万)の代わりに天然ゴム−メタクリル酸メチルのグラフ
ト重合体主成分の樹脂エマルジョン(ガラス転移点−1
0℃、平均分子量30万)を用い、表面に関熱記録材料
を設けた以外は同様にして比較例の感熱性粘着材料を得
た。
【0143】<比較例2>実施例7の感熱性粘着材料の
4−アセチルビフェニル化合物(融点120℃)を用い
ない以外は同様にして比較例の感熱性粘着材料を得た。
【0144】<比較例3>実施例9の感熱性粘着材料の
4−アセチルビフェニル化合物(融点120℃)を用い
ない以外は同様にして比較例の感熱性粘着材料を得た。
【0145】<比較例4>実施例12の感熱性粘着材料
の4−アセチルビフェニル化合物(融点120℃)を用
いない以外は同様にして比較例の感熱性粘着材料を得
た。
【0146】次に、以上得られた感熱性粘着材料の性能
試験を以下のように実施し、その結果を表2に纏めた。 <引っ掻き試験>本発明の感熱性粘着材料を4.0cm
×9.0cmの長方形にカットし、大倉電気製感熱印字
装置TM−PMDを用いて、ヘッド条件0.54mJ/
dot、印字スピード4ms/line、プラテン圧6
kgf/lineの条件にて感熱性粘着層を熱活性化さ
せる。その活性化された粘着面をHEIDON試験機の
ステージ上に貼り付け固定し、JISK5401−19
69に基づき粘着面の表面抵抗を測定した。なお引っ掻
きに使用したものとして、0.10mmΦのアルミナボ
ールが付属したペンを用い、ペンと粘着面の角度は45
度とした。荷重としては1.0kgの荷重がかかるよう
に重りを用いた。引っかき移動速度は75mm/min
に設定した。引っ掻き測定結果としては「gf」の単位
で表わされるように設定した。たとえば試験結果が「2
20gf」となった場合、ペンが粘着面を移動する抵抗
力が「220gf」要したことを意味する。数字が高い
ほど粘着面の抵抗値が高くそれだけタックがあることを
意味し、数字が低いほど粘着面の抵抗値が低く、粘着化
されていないか、あるいは粘着面が流動状態に近い状態
になりすぎて、いずれにしてもタックが低下することを
意味する。
【0147】<粘着特性>本発明の感熱性粘着材料を
4.0cm×9.0cmの長方形にカットし、大倉電気
製感熱印字装置TH−PMDを用いて、ヘッド条件0.
54mJ/dot、印字スピード4ms/line、プ
ラテン圧6kgf/lineの条件にて感熱性粘着層を
熱活性化させる。ついで被着体(ポリオレフインラッ
プ.三菱樹脂社製 商品名;ダイヤラップスーパー)に
加圧2kgのゴムローラーで長手方向に貼り付けて、3
0分後に剥離角度180℃、剥離速度300mm/mi
nの条件で剥離させる。そのときの粘着力の抵抗値を数
値で示した。なお単位はgf/40mmである。この試
験を0℃/20℃/40℃で実施した。
【0148】<光沢度>本発明の感熱性粘着材料を熱傾
斜試験機の80℃に熱した熱ブロックで2kg/1秒の
荷重で押し当てる。その面を光沢度試験機を用いて、熱
ブロック試験前と試験後の光沢度差を測定する。
【0149】<ブロッキング試験>同一サンプルの感熱
記録層の保護層面と感熱性粘着剤層面とを接触させ、1
kg/cmの圧力で60℃、Dry条件下で24時間
試験した後、室温で放置後サンプルを剥し、そのときの
ブロッキング性を表1に示すランクで評価した。
【0150】
【表1】 <試験結果>
【0151】
【表2】 表2から、実施例1乃至7の感熱性粘着材料は、低温環
境において高粘着性を有するもので、第一の課題が解決
された事実を示し、実施例8乃至12の感熱性粘着材料
は、20℃でも40℃でも高い粘着性があり、かつ60
℃の高温でもランク7以上の高い耐ブロッキング性を有
するもので、第2の課題が解決された事実を示してい
る。
【0152】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明により、低温環境下でも感熱性粘着材
料の粘着層が粘着性を発現して、高い粘着力で被着体に
貼りつけられ、その貼着状態を保持できる感熱性粘着材
料を提供でき、低温環境下のみならず高温環境下でも、
すなわち巾広い環境温度下でも粘着性を発現して、高い
粘着力で被着体に貼りつけられ、その貼着状態を保持で
きる感熱性粘着材料を提供でき、比較的高温度でも高い
耐ブロッキング性を有する感熱性粘着材料を提供できる
という極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリンタの概略構造を示す全体図
である。
【図2】本発明による感熱ラベルの一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 プリンタ 2 感熱性粘着ラベル 3 ラベル保持部 4 ベース 5 感熱粘着剤層 6 保護層 7 感熱発色層 8 記録手段 9 カッター 10 熱活性化装置 11 サーマルヘッド 12 プラテンロール 13 プラテンロール 14 発熱部 15 サーマルヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 133/08 C09J 133/08 Fターム(参考) 4J004 AA06 AA09 AA10 AA17 AA18 AB05 CC02 CE01 EA01 FA01 FA06 4J040 DA051 DB061 DE031 DF041 HA116 HA196 HA256 HA356 HB06 HB32 HB36 HC25 HD13 JB02 KA31 KA42 KA43 LA01 LA02 LA06 MA10 NA06

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感熱性粘着剤層を支持体上に設けた感熱
    性粘着材料において、感熱性粘着剤層が0〜10℃の環
    境温度で1800〜3500gf/40mmの粘着力を
    有することを特徴とする感熱性粘着材料。
  2. 【請求項2】 支持体上に感熱性粘着剤層を設けた感熱
    性粘着材料において、前記感熱性粘着剤層を粘着化させ
    た面の0℃環境下での引っ掻き抵抗値が150〜500
    gfであることを特徴とする感熱性粘着材料。
  3. 【請求項3】 感熱性粘着剤層が、熱可塑性樹脂、固体
    可塑剤および過冷却性向上剤を含有することを特徴とす
    る請求項1または2に記載の感熱性粘着材料。
  4. 【請求項4】 過冷却性向上剤の融点が60〜180℃
    であることを特徴とする請求項3に記載の感熱性粘着材
    料。
  5. 【請求項5】 過冷却性向上剤が、固体可塑剤と混合し
    加熱して両者を溶融し液状化した後、混合液を常温にま
    で冷却した場合その液状を保持するものから選択される
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の感熱性粘着
    材料。
  6. 【請求項6】 固体可塑剤と該過冷却性向上剤の重量比
    率が、100:0.5〜100:60であることを特徴
    とする請求項3乃至5の何れか1に記載の感熱性粘着材
    料。
  7. 【請求項7】 過冷却性向上剤が平均粒径0.2〜1
    0.0μm及び9%粒子径20.0μm以下の粒子であ
    ることを特徴とする請求項3乃至6の何れか1に記載の
    感熱性粘着材料。
  8. 【請求項8】 過冷却性向上剤が、下記一般式(1) 【化1】 (式中、R及びRは同一又は異なっていてもよく、
    置換基を有していてもよい芳香族基を示す。式中R
    アシル基、アリールアルキル基、アリール基、アルコキ
    シ基等の置換基を示す)で表わされるシュウ酸ジエステ
    ル化合物及び/又はビフェニル化合物であることを特徴
    とする請求項3乃至7の何れか1に記載の感熱性粘着材
    料。
  9. 【請求項9】 感熱性粘着剤層を支持体上に設けた感熱
    性粘着材料において、感熱性粘着剤層が0〜40℃の環
    境温度で500〜3500gf/40mmの粘着力を有
    することを特徴とする感熱性粘着材料。
  10. 【請求項10】 感熱性粘着剤層を粘着化させた面の0
    ℃と20℃環境下での引っ掻き抵抗値が共に150〜5
    00gfであることを特徴とする感熱性粘着材料。
  11. 【請求項11】 感熱性粘着剤層が熱可塑性樹脂、固体
    可塑剤とさらに過冷却性向上剤を含有することを特徴と
    する請求項9または10に記載の感熱性粘着材料。
  12. 【請求項12】 感熱性粘着剤層が非粘着状態時の感熱
    性粘着層面の光沢度を(a),80℃の熱ブロックを2
    kg/cm1秒で感熱性粘着層面に押し当てたときの
    光沢度を(b)としたとき、(b)−(a)の値が−2
    0〜20%であることを特徴とする請求項9乃至11の
    何れか1に記載の感熱性粘着材料。
  13. 【請求項13】 感熱性粘着剤層が熱可塑性樹脂、固体
    可塑剤とさらに過冷却性向上剤を含有し、該固体可塑剤
    の融点が70〜200℃であることを特徴とする請求項
    12に記載の感熱性粘着材料。
  14. 【請求項14】 固体可塑剤が、ヒンダードフェノール
    化合物、ベンゾトリアゾール化合物、芳香族スルホンア
    ミド化合物及びフタル酸化合物の中から選ばれる少なく
    とも1種の常温で固体状の化合物からなることを特徴と
    する請求項13に記載の感熱性粘着材料。
  15. 【請求項15】 固体可塑剤が、加熱により液状化後2
    0℃温度環境下に保持したときに、再固体化せずに液状
    を保持するものであることを特徴とする請求項13また
    は14に記載の感熱性粘着材料。
  16. 【請求項16】 該熱可塑性樹脂が、アクリル酸エステ
    ル共重合体、スチレンアクリル共重合体及びエチレン酢
    酸ビニル共重合体の中から選ばれる少なくとも1種の共
    重合体であることを特徴とする請求項3乃至8、13乃
    至15の何れか1に記載の感熱性粘着材料。
  17. 【請求項17】 該熱可塑性樹脂が、2−エチルヘキシ
    ルアクリレートを共重合成分として含有するアクリル酸
    エステル共重合体であることを特徴とする請求項3乃至
    8、13乃至15の何れか1に記載の感熱性粘着材料。
  18. 【請求項18】 該熱可塑性樹脂のガラス転移点が−7
    0〜0℃であることを特徴とする請求項3乃至8、13
    乃至17の何れか1に記載の感熱性粘着材料。
  19. 【請求項19】 熱可塑性樹脂の重量平均分子量が3万
    〜30万であることを特徴とする請求項3乃至8、13
    乃至18の何れか1に記載の感熱性粘着材料。
  20. 【請求項20】 感熱性粘着剤層中に、無機フィラーが
    含有されていることを特徴とする請求項1乃至19の何
    れか1に記載の感熱性粘着材料。
  21. 【請求項21】 感熱性粘着剤層と支持体との間に断熱
    層が設けられたことを特徴とする請求項1乃至20の何
    れか1に記載の感熱性粘着材料。
  22. 【請求項22】 断熱層が中空粒子を主成分とするもの
    であることを特徴とする請求項21に記載の感熱性粘着
    材料。
  23. 【請求項23】 支持体上の感熱性粘着層と反対面に感
    熱発色記録層を設けてなることを特徴とする請求項1乃
    至22の何れか1に記載の感熱性粘着材料。
  24. 【請求項24】 ロール状に芯材に巻き付けられたこと
    を特徴とする請求項1乃至23の何れか1に記載の感熱
    性粘着材料。
  25. 【請求項25】 所定の大きさに裁断され積み重ねて包
    装されたことを特徴とする請求項1乃至23の何れか1
    に記載の感熱性粘着材料。
  26. 【請求項26】 支持体の面に、熱可塑性樹脂、固体可
    塑剤及び過冷却促進剤を含有する水性エマルジョンを塗
    布後乾燥することを特徴とする感熱性粘着材料の製造方
    法。
  27. 【請求項27】 支持体の一方の面に、熱可塑性樹脂と
    固体可塑剤とを含有する水性エマルジョンを塗布乾燥し
    た後、過冷却性向上剤を含有する水性エマルジョンを塗
    布乾燥することを特徴とする感熱性粘着材料の製造方
    法。
  28. 【請求項28】 熱可塑性樹脂、固体可塑剤および過冷
    却剤を含有することを特徴とする感熱性粘着材料製造用
    塗工液。
  29. 【請求項29】 熱可塑性樹脂、固体可塑剤および過冷
    却剤を主成分とする感熱性粘着剤組成物。
  30. 【請求項30】 請求項1乃至25の何れか1に記載の
    感熱性粘着材料の感熱性粘着層面をサーマルヘッドによ
    って加熱して粘着性を発現する方法。
  31. 【請求項31】 請求項30において粘着性が発現した
    感熱性粘着材料を該被着体に貼りつける方法。
  32. 【請求項32】 該被着体がポリオレフィン系樹脂から
    なることを特徴とする請求項31に記載の感熱性粘着材
    料を該被着体に貼りつける方法。
  33. 【請求項33】 請求項1乃至25の何れか1に記載の
    感熱性粘着材料の感熱性粘着層面が貼りついた被着体。
  34. 【請求項34】 被着体が樹脂フイルム性ラップであっ
    て、請求項33に記載の被着体で包装された食品。
  35. 【請求項35】 加熱手段を具備し、請求項1乃至25
    の何れか1に記載の感熱性粘着材料が搭載された感熱性
    粘着性発現装置。
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