JP2008222973A - 感熱性粘着材料および感熱性粘着シート - Google Patents

感熱性粘着材料および感熱性粘着シート Download PDF

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貴之 佐々木
Mitsunobu Morita
充展 森田
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岳人 山口
Hitoshi Shinpo
斉 新保
Yutaka Kuga
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Abstract

【課題】低温環境から高温環境まで広範囲の条件で粘着性を発現することができ、かつブロッキング性も良好な感熱性粘着材料および感熱性粘着ラベルシートを提供する。
【解決手段】粘着性を示す熱可塑性樹脂および熱溶融性物質を必須成分として含む感熱性粘着材料において、該熱溶融性物質が、(i)メタターフェニルであって、(ii)さらに、(A)2(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、(B)ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、(C)テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンのうち少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする感熱性粘着材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、常温では非粘着性であるが加熱により粘着性が発現し、しかも粘着性発現後も粘着性が持続する感熱性粘着材料および感熱性粘着シートに関するものである。
近年、ラベル用粘着材料を、物流用ラベル、価格表示用ラベル、商品表示(バーコード)用ラベル、品質表示用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣伝用ラベル(ステッカー)等のラベル用途として使用することが増加している。
その記録方式もインクジェット記録方式、感熱記録方式、感圧記録方式等様々な方式がある。従来、ラベルの情報記録面とは反対面に、粘着剤層と剥離紙を積層した一般的な粘着シートが広く使用されている。
しかし、一般的な構成の粘着材料は、剥離紙を剥がして使用するが、剥がされた剥離紙は回収されて再利用され難く、ほとんどの場合廃棄処分されている。そこで近年では、常温では粘着性を示さず剥離紙を必要としない感熱性粘着材料が注目されている。
感熱性粘着剤は、非特許文献1に記載されているように、基本的にはガラス転移温度が0℃以上と比較的高い熱可塑性樹脂と、いわゆる固体可塑剤のような低分子量化合物及び必要に応じて粘着付与剤を含有してなるものである。
一般的に、熱可塑性樹脂は粘着力、接着力を付与するものであり、固体可塑剤は、常温(25℃)で固体であって、0℃以上と比較的高いガラス転移温度の熱可塑性樹脂を流動化または柔軟化させるものである。また、必要に応じて添加される粘着付与剤は粘着性を向上させる働きをする。
このような感熱性粘着剤を用いる際の粘着力発現には、貼り付ける相手である被着体表面との密着性が重要であり、被着体表面の凹凸が大きい場合に感熱性粘着剤が十分な機能を発現しにくいことになる。
一般にこのような凹凸の大きな表面(粗面)に対して粘着性を発現するには、感熱性粘着剤に限らず一般の粘着剤も含めて、粘着剤層の厚さを大きくすることが有効であり、その厚さによって被着体表面の凹凸を埋めることが行なわれてきた。
しかしながら、粘着剤層としての厚さを大きくすることは、価格的なデメリットが大きいことに加えて、感熱粘着剤層全体を加熱する際に非常に多くの熱エネルギーを必要とするため非効率であり実用的な方法とは言いがたい。
一方、被着体表面の凹凸を埋めるための別の方法としては、感熱性粘着剤を柔らかくすることも考えられる。この場合、感熱性粘着剤を構成する材料の中で、熱可塑性樹脂と固体可塑剤によって感熱性粘着剤の柔軟性も変化すると考えられ、粗面の被着体に限らず各種被着体に対する粘着性を向上させる目的で多くの技術が提案されている。
例えば、特許文献1(特開平6−57226号公報)、特許文献2(特開平6−57233号公報)においては、熱可塑性樹脂として、ガラス転移温度が0℃以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体又はガラス転移温度が−5℃以上の熱可塑性樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体を除く)等を用いることが提案されている。しかし、これらはステンレス板等に対する粘着力は比較的良好な結果が得られるものの、塩化ビニルラップやポリオレフィンラップ等に対する粘着力は、未だ実用レベルに達していないものであった。
一方、層構成や固体可塑剤について改善検討を加えることも行なわれている。例えば、特許文献3(特開平9−265260号公報)には、基材と感熱発色層の間に非発泡中空粒子を含有させたアンダーコート層を設けてなる感熱性粘着材料であって、フタル酸ジシクロヘキシルを固体可塑剤とする感熱性粘着剤を用いたものが提案されている。この感熱性粘着材料はアンダーコート層が設けられているため、感熱発色層の熱感度向上と熱活性化時に生じる感熱発色層の地肌発色防止の点でほぼ満足できるレベルであるが、該粘着材料を重ね合わせる際に発生するブロッキング(意図しない粘着機能発現)に関して、それが40℃程度で発生してしまい、実用化レベルには達していないものである。
特許文献4(特開2003−206455号公報)、特許文献5(特開2002−38123号公報)には、ベンゾフェノンを固体可塑剤に用いた感熱性粘着剤(ディレードタック型粘着剤)が提案されているが、ポリオレフィンやガラスのような鏡面に対する粘着力はあるが、ダンボールのような粗面に対する粘着力が弱く、ダンボールに貼り付け後、長時間経過すると接着力の低下をもたらす問題があり、宅配便等の物流用での使用には実用上大きな障害となっている。また、60℃の環境下でブロッキングが発生するといった問題がある。
特許文献6(特開2002−146303号公報)では、2層以上の感熱性粘着剤層を設け、各層の最大粘着力を発現させる温度が相互に異なっているという技術によって、低温環境から高温環境まで広い環境下で粘着性を発現することができるが、これもダンボールのような粗面に対しては粘着力が弱く、比較的低い温度で粘着機能を発現する層の影響でブロッキングが発生することがある。
特許文献7(特許第3556414号公報)には、ベンゾトリアゾールを固体可塑剤に用いたディレードタック糊が提案されている。このものは、ブロッキング特性に比較的優れ、被着体として、紙、ガラス、金属等の様な材質、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのいわゆるポリオレフィン樹脂に対しては長期に安定した接着力が持続するが、低温環境では粘着機能を発現しないことや、ダンボールに貼り付け後、長時間経過することによって接着力の低下をもたらす問題があり宅配便等の物流用での使用には実用上大きな障害となっている。
一方、特許文献8(特開2000−103969号公報)では、融点が55℃〜100℃のリン化合物を固体可塑剤として用いることによって、接着力を向上させる技術が提案されているが、感熱性粘着剤層としての軟化点が40〜60℃程度と低くなるので、ブロッキングが発生しやすく、40℃環境などの高温環境下では層が粘性を持たず粘着力が非常に弱くなる。
特許文献9(特開2004−117941号公報)は、フタル酸エステル、リン系化合物、リン酸エステル、ヒンダードフェノール系化合物、トリアゾール系化合物等から選択される複数の固体可塑剤を用い、ブロッキング特性と粘着機能の向上を両立させる提案である。特許文献10(特開2001−234151号公報)も固体可塑剤の融点を70℃以上と限定したうえで同様の効果を狙っている。特許文献11(特開2002−088678号公報)は特許文献9と同様に複数の固体可塑剤を組み合わせている。これらは選択する固体可塑剤によって長時間経過による粘着力の消失や、低温環境から高温環境まで広い環境下で粘着性を発現しない現象が起こるため、これも実用上大きな障害となっている。
さらに特許文献10については、ダンボールのような凹凸のある面には接着せず、物流分野での運用が難しく、特許文献11については貼り替えが可能であるが故に粘着力が弱くなっている。これも輸送中にラベルが脱落するなど実運用上障害がある。
以上のように固体可塑剤を中心に感熱性粘着剤に対する検討は多く行なわれているが、いずれも粘着機能の向上とブロッキング防止機能が背反の関係にあり、両立が十分でないのが現状である。
さらに、特許文献1、2、4、5、6、7、10、11に記載の技術は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度が高いため、粘着力発現のために高い熱エネルギーを必要とし、長い時間の圧着を必要とするなどの条件が必要となる。すなわち必然的に装置は大型化し、効率化、省エネルギーの観点で欠点がある。
特許文献12〜14には、ベンゾトリアゾール系化合物及びヒンダードフェノール系化合物等の固体可塑剤(熱溶融性物質)の過冷却促進剤として、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体;メタターフェニル、アセチルビフェニル、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体;1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2’−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物;炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)等の炭酸エステル誘導体又はシュウ酸エステル誘導体が挙げられ、単独又は二種類以上を混合して用いることができることが開示されているが、これら特許文献12〜14は、過冷却促進剤自体を固体可塑剤として用いるものではない。事実、これら特許文献は、過冷却促進剤の中でも特にシュウ酸エステル誘導体及びビフェニル誘導体が好ましいことを併せて記載している。
特開平6−57226号公報 特開平6−57233号公報 特開平9−265260号公報 特開2003−206455号公報 特開2002−38123号公報 特開2002−146303号公報 特許第3556414号公報 特開2000−103969号公報 特開2004−117941号公報 特開2001−234151号公報 特開2002−088678号公報 特開2006−176591号公報 特開2006−199950号公報 特開2006−241376号公報 「接着便覧」第12版、昭和55年、高分子刊行会発行、第131〜135頁、
本発明は少ないエネルギーのもとに粘着力、ブロッキング性の両立を図ることを目的としている。
すなわち本発明は、従来の感熱性粘着剤に見られる問題を解消し、低エネルギーで粘着力を付与させることができ、ダンボールのような粗面被着体への粘着力が長時間に亘って持続し、低温環境から高温環境まで広範囲の条件で粘着性を発現することができ、かつブロッキング性も良好な感熱性粘着材料および感熱性粘着ラベルシートを提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明によって解決される。
(1)「粘着性を示す熱可塑性樹脂および熱溶融性物質を必須成分として含む感熱性粘着材料において、
該熱溶融性物質が、(i)化学式1で示されるメタターフェニルであって、(ii)さらに、
(A)2(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(化学式2)、
(B)ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド(化学式3)、
(C)テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(化学式4)
のうち少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする感熱性粘着材料。
Figure 2008222973
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Figure 2008222973
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」、
(2)「前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が−70℃以上−30℃以下であることを特徴とする前記第(1)項に記載の感熱性粘着材料」、
(3)「前記メタターフェニルの含有量が、熱溶融性物質全量に対して50%以上75%以下であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の感熱性粘着材料」、
(4)「前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の感熱性粘着材料を支持体の片面に塗布して形成したことを特徴とする感熱性粘着シート」、
(5)「前記支持体と感熱性粘着剤層との間に、中空粒子とバインダ樹脂とを含む中間層を有することを特徴とする前記第(4)項に記載の感熱性粘着シート」、
(6)「支持体の前記感熱性粘着材料塗布面の反対側の面にロイコ染料と顕色剤とを含有する感熱記録層をさらに備えたことを特徴とする前記第(4)項又は第(5)項に記載の感熱性粘着シート」、
(7)「支持体の前記感熱性粘着材料塗布面の反対側の面に、インクジェット記録層または熱転写インク受容層を備えたことを特徴とする前記第(4)項乃至第(6)項のいずれかに感熱性粘着シート」、
(8)「ライン型サーマルヘッドによって熱を印加したときに粘着機能を発現することを特徴とする前記第(4)項乃至第(7)項のいずれかに記載の感熱性粘着シート」。
本発明により、低エネルギーで粘着力を付与させることができ、ダンボールのような粗面被着体への粘着力が長時間に亘って持続し、低温環境から高温環境まで広範囲の条件で粘着性を発現することができ、かつブロッキング性も良好な感熱性粘着材料および感熱性粘着ラベルシートを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における感熱性粘着材料は、粘着性を有する熱可塑性樹脂および、非加熱時に粘着性を発現せず、ブロッキング現象を起こさないための熱溶融性物質、必要に応じて粘着付与剤および填料などを含み構成される。このうち、熱溶融性物質は常温(25℃)では固体であって、未加熱状態では熱可塑性樹脂を露出させず粘着性を発現させないが、加熱により溶融して、熱可塑性樹脂と相溶し粘着性を発現させるものである。加熱して熱可塑性樹脂と相溶し、層全体として粘着機能を発現させるため、特に、前記化学式1で示されるメタターフェニルを、上記(A)〜(C)からなる群から選択された化合物と併用することを特徴としている。このメタターフェニルは融点が86℃と低く、前記熱可塑性樹脂との相溶性が良いだけでなく、前記(A)〜(C)の化合物との相溶性に優れ、かつ併用物は、前記熱可塑性樹脂との相溶性が非常に優れ、該熱溶融性物質と低エネルギーで溶融し表面が粗い被着体にも流動して密着し、長時間保存時でも粘着力の低下が起こらず、さらに保存時にブロッキングが発生しない感熱性粘着材料を形成することができることを新たに見出した。
上記の熱溶融性物質に加えて、さらなる粘着力とブロッキング防止の両立を図るため、
(A)2(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
(B)ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、
(C)テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、
のうち1種以上の化合物を添加することを必須とする。これらはメタターフェニルとの相溶性および安定性に優れ、比較的融点が高いため特に耐ブロッキング性に効果を発揮する。これらの化合物は、メタターフェニルの特徴を損なわない範囲、あるいは相溶性を保つ範囲で添加することが好ましい。
すなわち、全熱溶融性物質量に対しこれら化合物(A)〜(C)の含有比率が20〜60重量%であることが好ましく、25〜50重量%の添加量(したがって、メタターフェニルの添加量は75〜50重量%)とすることがより好ましい。60重量%を超えると特に粗面への粘着力の低下が懸念される。逆にこれらの含有比率が20重量%未満の場合には、熱により活性化してから元の非粘着の状態に戻るまでの時間が短くなり、実用性が低下することがある。
本発明において、感熱性粘着材料中の熱溶融性物質の含有率は、好ましくは、40〜80重量%であり、さらに好ましくは、50〜75重量%である。熱溶融性物質の含有率が40重量%未満の場合、通常の保存環境下温度で粘着力が発現するなど保存上の不具合(ブロッキング)が生じ、80重量%を超えた場合には、粘着力の低下を来たすことがある。
これらの熱溶融性物質および化合物は、ボールミル、サンドミル、ペイントシェイカー、ダイノミル、アトライター、ヘンチェルミキサー等の湿式もしくは乾式の粉砕機により微粒化され水分散液として用いられるが、従来公知の方法でマイクロカプセル化して使用することも可能である。熱溶融性物質の粒径は10μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下であるが、実用上からは0.7〜2μmである。
上記の熱溶融性物質の分散剤としてポリビニルアルコール系樹脂が用いられる。このポリビニルアルコール系樹脂としては、公知の方法で製造され、ポリ酢酸ビニルの鹸化物以外に、他のビニルエステルと共重合しうる単量体を含有していても良く、かかる単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類、あるいはその塩、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩が挙げられる。
より好ましくは、オレフィンスルホン酸あるいはその塩の共重合体であり、熱溶融性物質と熱可塑性樹脂との相溶性が良いため、熱溶融時の粘着特性が向上する。上記ポリビニルアルコール系樹脂の数平均分子量は10000以上40000以下が好ましい。
数平均分子量が10000未満の場合、感熱性粘着剤層の結着力が弱くなり、ブロッキング性が低下することがある。一方、数平均分子量が40000を超える場合、ブロッキング性は優れるものの、粗面への粘着力が低下することがある。
また、分散剤の添加量は、熱溶融性物質100重量部に対して、2〜10重量部が好ましい。2重量部未満の場合、熱溶融性物質の分散不良となり、生産工程でトラブルとなる。一方、10重量部を超えて添加した場合は粘着力の低下を引き起こす。
また、鹸化度は70%以上が好ましく、70%未満の場合、自身の水溶性も低下する傾向にあるため、熱溶融性物質の分散をしにくくなり、分散工程においてトラブルを引き起こし易くなる。分散剤は保護コロイドの機能を果たし、熱溶融性物質の特性を低い熱エネルギーで引き出すために、必要最小量でなおかつ数平均分子量は結着力を損なわない程度に低い方が好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂は、ビニル系モノマーをグラフト共重合した天然ゴムラテックス、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選択された少なくとも1種以上の化合物を用いることが好ましい。
本発明において、熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、−70℃以上−30℃以下であることが特に好ましい。ガラス転移温度が−30℃より高くなると、粘着性が低下し、−70℃より低くなると、耐ブロッキング性が低下することがある。本発明の場合、熱可塑性樹脂自体のガラス転移温度が公知の感熱性粘着材料と比較して低いため、いわゆる固体可塑剤といった熱可塑性樹脂そのものを柔軟化させる必要がなくなる。ガラス転移温度は、剛体振り子法や示差熱分析(DSC)などによって測定可能である。
更に、感熱性粘着剤層の粘着力を向上させる為に、感熱性粘着剤層中に粘着付与剤を添加してもよい。かかる粘着付与剤は、一般的に用いられる種々の化合物が挙げられ、例えば、粘着付与剤であるロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジン)又はテルペン系樹脂(テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂)、石油系樹脂、フェノール系樹脂及びキシレン系樹脂がよく用いられる。
本発明の感熱性粘着材料においては、上記成分以外にブロッキング防止のために、酸化チタン、アルミナ、コロイダルシリカ、カオリン、タルク等の無機物や、ステアリン酸金属塩、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス、天然油脂、ポリスチレン粉末等の有機物を添加してもよく、さらに必要に応じて、分散剤、消泡剤、増粘剤等を使用してもよい。
本発明の主たる実施形態としては、支持体上に感熱性粘着剤液を塗布し、感熱性粘着シートとして使用する。
本発明に係わる支持体に好ましく用いられる原紙は、木材パルプと填料を主成分として構成される。木材パルプとしては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等のパルプを含み、必要に応じて従来公知の顔料やバインダ及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の各種装置で支持体の製造が可能であり、酸性、中性、アルカリ性で抄造できる。
また、この原紙は、金属ロールと合成樹脂ロールとからなるカレンダー装置をオンマシン処理しても良い。その際、オフマシン処理しても良く、処理後に、更にマシンカレンダー、スーパーカレンダー等でカレンダー処理を施して平坦性をコントロールしても良い。
原紙に含まれる填料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムのような白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のような有機顔料等が挙げられる。
原紙に含まれるサイズ剤としては、例えば、酸性抄紙用ロジンサイズ剤、中性抄紙用変性ロジンサイズ剤、AKD、ASA、カチオンポリマー型サイズ剤等を挙げることができる。また、紙力増強剤は、ポリアミド−ポリアミン−エピクロルヒドリン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、各種変性デンプン、植物ガム、CMC等があげられる。
本発明に係わる支持体としてはさらに、グラシン紙、アート紙、コーテッド紙、キャスト紙などの一般紙を用いることができ、填料、サイズ剤、紙力増強剤、染料等、通常抄紙で用いられる原材料を必要に応じて使用することが可能である。
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等のプラスチックシート、およびこれらの合成繊維からなる合成紙や不織布、または合成樹脂を紙に片面、または両面にラミネートしたラミネート紙、金属箔、または金属箔と紙、蒸着紙、ホログラム処理を施した不透明シート、合成樹脂フィルムとの貼り合わせ品、マイカ紙、ガラスペーパー等も使用可能である。
本発明の感熱性粘着層の塗布量としては、乾燥塗布量で通常5〜35g/m、好ましくは10〜25g/mの範囲で塗布される。感熱性粘着層の塗布量が5g/m未満であると、加熱による接着を行なう際に十分な接着力効果が得られない。一方、35g/mを越えると接着力が飽和したり、熱伝達が不十分となることがあり経済上好ましくない。
感熱性粘着材料中の熱可塑性樹脂の含有率は、好ましくは、15〜50重量%、さらに好ましくは、20〜50重量%である。熱可塑性樹脂の含有率が15重量%未満の場合、粘着力の低下となるので望ましくない。
また、熱可塑性樹脂の含有率が50重量%を超えた場合には、通常の保存環境温度で期待しない粘着機能が発現するなど保存上の不具合(ブロッキング)が生じる。
また、本発明では、可撓性や断熱性、熱応答性の付与を目的として感熱性粘着剤層と支持体の間に中間層を設けることができる。
中間層としては、熱可塑性樹脂を殼としてなる中空度30〜95%程度の微小中空粒子又はポーラスな顔料を用いた断熱機能を持つ層が望ましい。熱可塑性樹脂を殼としてなる中空度30〜95%程度の微小中空粒子は、内部に空気その他の気体を含有するもので、すでに発泡状態となっている微小中空粒子である。この微小中空粒子の平均粒子径は、0.2〜20μmのものが好ましく、より好ましくは0.5〜10μmの微小中空粒子が好ましい。この平均粒子径(粒子外径)が0.2μmより小さいものは、技術的に中空にするのが難しいことや断熱層の役割が不十分となる。また、逆に20μmより大きいものは、塗布乾燥後の表面の平滑性が低下するため、感熱性粘着剤層の塗布が不均一になり、さらに均一にするために必要量以上の感熱性粘着剤を塗布しなければならない。従って、このような微小中空粒子の分布は粒子径が上記の範囲にあると同時に、バラツキの少ない分布スペクトラムの均一なものが望ましい。さらに、本発明において、微小中空粒子は、中空度が30%以上のものが使用できるが、50%以上のものがより好ましい。中空度が30%未満のものは、断熱性が不十分なため、熱エネルギーが基材を通じて外へ放出され、粘着剤活性時の熱の効率が悪くなるので望ましくない。
ここでいう前記中空度とは、中空微粒子の外径基準の体積と内径基準の体積の比である。
本発明で用いる微小中空粒子は上述の様に、熱可塑性樹脂を殼とするものであるが、この熱可塑性樹脂としては、特に塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂が好ましい。また、本発明の断熱層に用いられるポーラスな顔料としては、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の有機顔料やシラス土等の無機顔料があるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
本発明の非発泡性断熱層を形成させるには、上記の微小中空粒子やポーラスな顔料をバインダと共に水に分散し、これを基材上に塗布し、乾燥することによって得られる。この場合、微小中空粒子の塗布量は少なくとも1g/平米以上であり、さらに好ましくは2〜15g/平米程度が好ましい。また、バインダ樹脂の添加量は、断熱層を基材に強く結合させるに足る量でよく、通常は、該微小中空粒子とバインダ樹脂との合計量に対して、2〜50重量%である。
非発泡性断熱層を形成する際に使用されるバインダとしては、バインダの機能と共に粘着性に寄与する水性高分子エマルジョンが好ましく、たとえば、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックスや酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のエマルジョン等が挙げられる。バインダ樹脂として熱可塑性樹脂を含有することによって、加熱時に感熱性粘着剤層と中間層中の熱可塑性樹脂とが混ざり合って、粘着剤量が増し、ダンボール等の粗面被着体やポリオレフィンラップに対する粘着力が強くなる。
また、中間層には必要に応じてフィラーを含有することができ、無機又は有機フィラー例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、クレー、焼成クレー、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン等の微粉末、中空フィラー等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明では、支持体を介した反対側の面に感熱記録層、すなわち感熱発色層またはインク受容層を設けることができる。
感熱発色層においては、支持体上にロイコ染料及び顕色剤を主成分とする感熱発色層を形成させることができる。
本発明において用いられるロイコ染料としては、一般にこの種のロイコ系記録材料において知られているロイコ染料が適用され、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等を用いることができる。顕色剤としては、フェノール性化合物、チオフェノール性化合物、チオ尿素誘導体、有機酸及びその金属塩等の電子受容性の化合物を用いることができる。ロイコ染料による感熱発色層を設けると、他に記録用のインクなどを必要としないで画像の記録が可能となり、装置の簡略化およびコスト低減といった長所がある。
本発明において、感熱記録層を形成するためには、慣用の種々の結着樹脂を用いることができる。結着樹脂としては、ポリビニルアルコール;澱粉及びその誘導体;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体の金属塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体の金属塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸ブチル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等の樹脂が挙げられる。
また、本発明により感熱記録層を形成させる場合は、填料として種々の熱可融性物質を使用することができる。その具体例として、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類;ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸の金属塩類;p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、ジフェニルカーボネート、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジルオキシナフタレン、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ビス(フェノキシ)ブタン、1,4−ビス(フェノキシ)−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ビス(フェニルチオ)ブタン、1,4−ビス(フェニルチオ)−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、1,3−ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−(ベンジルオキシ)ベンジルアルコール、1,3−ジフェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、シュウ酸ジベンジル、1,5−ビス(p−メトキシフェニルオキシ)−3−オキサペンタン等が挙げられる。
また、本発明においては、必要に応じ、この種の感熱記録層に慣用される補助添加成分、例えば、界面活性剤、滑剤等を併用することができる。この場合、滑剤としては、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性、植物性並びに鉱物性及び石油系の各種ワックス類等が挙げられる。
熱転写記録およびインクジェット記録用のインク受容層は、填料、バインダ樹脂、耐水化剤を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。填料は前述の公知のものを使用することができる。前記バインダ樹脂としては、特に制限はなく、公知の水溶性樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、デンプン又はその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記耐水化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、クロムミョウバン、メラミン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド樹脂、ポアミド−エピクロルヒドリン樹脂等が挙げられる。さらに、インク受容層の表面をキャレンダーなどにより、平滑度500秒以上に処理することにより、上記填料による効果に加えて印字品質を一層向上させることができる。
本発明の感熱記録層またはインク受容層は、一般に知られている方法により形成することができる。
例えば、先ず、顔料を結合剤水溶液と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機により、分散粒径が1〜3μmになるまで粉砕分散した後、必要に応じて填料、熱可融性物質(増感剤)分散液等と共に、一定処方で混合して感熱記録層またはインク受容層塗布液を調製し、支持体に塗布することによって感熱記録層またはインク受容層を形成することができる。
本発明の感熱性粘着剤層および感熱記録層またはインク受容層を設ける塗工方法として、通常紙塗工用に用いられているブレードコーター、グラビアコーター、グラビアオフセットコーター、バーコーター、ロールコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、コンマコーター、Uコンマコーター、AKKUコーター、スムージングコーター、マイクログラビアコーター、リバースロールコーター、4本あるいは5本ロールコーター、ディップコーター、落下カーテンコーター、スライドコーター、ダイコーター等、若しくはフレキソ、凸版、グラビア、オフセット等の各種印刷機を用いて支持体に塗工、印刷される。支持体に塗工若しくは印刷の際の乾燥条件は使用される熱溶融性物質が融解しない温度範囲で乾燥されなければならない。乾燥の手段としては熱風乾燥の他に赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用した乾燥方法が使用できる。
また本感熱記録材料の感熱性粘着層の反対面(表面)には目的に応じたプレ印刷層も設けることもできるし、センシング手段としてのアイマーク印刷を表面もしくは感熱粘着層面に設けることもできる。双方の印刷はUV印刷、EB印刷、フレキソ印刷等一般的な印刷方法が挙げられる。
更に、本発明に係る感熱性粘着材料を用いて作製された感熱性粘着ラベルシートは、公知の芯材にロール状に巻き付けられていてもよく、また芯材を用いずにロール状となっていてもよい。
本発明の感熱性粘着材料が貼付される被着体としては、特に制限はなく、目的に応じてその大きさ、形状、構造、材質等を適宜選択することができるが、前記材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂板、SUS、アルミニウム等の金属板、封筒、ダンボール等の紙製、ポリオレフィン製のラップ類、ポリ塩化ビニル製のラップ類、ポリエチエレン製不織布(封筒等)、などが好適に挙げられる。
これらの中でも、前記ダンボールは、一般に感熱性粘着材料を貼付することが難しいが、本発明の感熱性粘着材料の場合、長時間経過させることにより強い粘着力を発現させることができるため有利である。
本発明の感熱性粘着材料における前記感熱性粘着剤層を熱活性化する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、熱風による活性化方法、熱ロールによる活性化方法、サーマルヘッドによる活性化方法、などが挙げられる。
これらの中でも、ライン型サーマルヘッドによる活性化方法が好ましく、以下に記す感熱性粘着材料の熱活性化方法が特に好ましい。すなわち、既存の感熱記録プリンタ装置を用いて前記感熱粘着材料の両面を加熱することにより、前記感熱記録層への記録と、前記感熱性粘着剤層の熱活性化とを簡便に行なうことができる点で有利である。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下に示す部および%は何れも重量基準である。
<実施例1>
(熱溶融性物質分散液1の調製)
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して、熱溶融性物質分散液1を調製した。
・メタターフェニル・・・30部
・ビニルアルコールおよびアリルスルホン酸ナトリウム共重合体
〔商品名:L−3266(日本合成化学製、平均分子量15000、鹸化度88%)〕10%水溶液・・・15部
・アルキル−アリルスルホン酸塩(界面活性剤)・・・0.15部
・水・・・54.85部
(熱溶融性物質分散液2の調製)
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して、熱溶融性物質分散液2を調製した。
・2−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール・・・30部
・ビニルアルコールおよびアリルスルホン酸ナトリウム共重合体〔商品名:L−3266(日本合成化学製、平均分子量15000、鹸化度88%)〕10%水溶液・・・15部
・アルキル−アリルスルホン酸塩(界面活性剤)・・・0.15重量部
・水・・・54.85重量部
上記で作成した熱溶融性物質分散液1および2を用いて、以下のような感熱性粘着剤液1を作成した。
(感熱性粘着剤液1の調製)
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン〔ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%〕・・・30部
・熱溶融性物質分散液1・・・35部
・熱溶融性物質分散液2・・・35部
次に、前記感熱性粘着剤液1を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着シートを作製した。
<実施例2>
(中間層塗布液の調製)
・塩化ビニリデン/アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂(固形分濃度32%、平均粒子径3.0μm、中空度92%)・・・30部
・スチレン=ブタジエン共重合体エマルション(ガラス転移温度:4℃、不揮発分50%)・・・40部
・水・・・30部
上記組成からなる混合物を攪拌分散して中間層用塗布液を調製し、80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量5g/mとなるように塗布乾燥して設けた。
中間層を設けた後、その上に実施例1と同様の感熱性粘着剤液1を実施例1と同様の方法で塗布乾燥し感熱性粘着シートを作製した。
<実施例3>
上記で作成した熱溶融性物質分散液1および2を用いて、以下のような感熱性粘着剤液2を作成した。
(感熱性粘着剤液2の調製)
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン〔ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%〕・・・30部
・熱溶融性物質分散液1・・・52部
・熱溶融性物質分散液2・・・18部
次に、実施例2と同様の中間層を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量5g/mとなるように塗布乾燥して設けた後、その上に上記の感熱性粘着剤液2を乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着シートを作製した。
<実施例4>
(熱溶融性物質分散液3の調製)
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して、熱溶融性物質分散液3を調製した。
・ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド・・・30部
・ビニルアルコールおよびアリルスルホン酸ナトリウム共重合体〔商品名:L−3266(日本合成化学製、平均分子量15000、鹸化度88%)〕10%水溶液・・・15部
・アルキル−アリルスルホン酸塩(界面活性剤)・・・0.15重量部
・水・・・54.85重量部
上記で作成した熱溶融性物質分散液1および3を用いて、以下のような感熱性粘着剤液3を作成した。
(感熱性粘着剤液3の調製)
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン〔ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%〕・・・30部
・熱溶融性物質分散液1・・・35部
・熱溶融性物質分散液3・・・35部
次に、実施例2と同様の中間層を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量5g/mとなるように塗布乾燥して設けた後、その上に上記の感熱性粘着剤液3を乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着シートを作製した。
<実施例5>
(熱溶融性物質分散液4の調製)
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して、熱溶融性物質分散液4を調製した。
・テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン・・・30部
・ビニルアルコールおよびアリルスルホン酸ナトリウム共重合体〔商品名:L−3266(日本合成化学製、平均分子量15000、鹸化度88%)〕10%水溶液・・・15部
・アルキル−アリルスルホン酸塩(界面活性剤)・・・0.15重量部
・水・・・54.85重量部
上記で作成した熱溶融性物質分散液1および4を用いて、以下のような感熱性粘着剤液4を作成した。
(感熱性粘着剤液4の調製)
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン〔ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%〕・・・30部
・熱溶融性物質分散液1・・・35部
・熱溶融性物質分散液4・・・35部
次に、実施例2と同様の中間層を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量5g/mとなるように塗布乾燥して設けた後、その上に上記の感熱性粘着剤液4を乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着シートを作製した。
<実施例6>
上記で作成した熱溶融性物質分散液1、2および4を用いて、以下のような感熱性粘着剤液5を作成した。
(感熱性粘着剤液5の調製)
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン〔ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%〕・・・30部
・熱溶融性物質分散液1・・・35部
・熱溶融性物質分散液2・・・17.5部
・熱溶融性物質分散液4・・・17.5部
次に、実施例2と同様の中間層を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量5g/mとなるように塗布乾燥して設けた後、その上に上記の感熱性粘着剤液5を乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着シートを作製した。
<実施例7>
上記で作成した熱溶融性物質分散液1および2を用いて、以下のような感熱性粘着剤液6を作成した。
(感熱性粘着剤液6の調製)
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン〔ガラス転移温度(Tg):−70℃、不揮発分50%〕・・・30部
・熱溶融性物質分散液1・・・35部
・熱溶融性物質分散液2・・・35部
次に、実施例2と同様の中間層を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量5g/mとなるように塗布乾燥して設けた後、その上に上記の感熱性粘着剤液6を乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着シートを作製した。
<実施例8>
上記で作成した熱溶融性物質分散液1および2を用いて、以下のような感熱性粘着剤液7を作成した。
(感熱性粘着剤液7の調製)
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン〔ガラス転移温度(Tg):−30℃、不揮発分50%〕・・・30部
・熱溶融性物質分散液1・・・35部
・熱溶融性物質分散液2・・・35部
次に、実施例2と同様の中間層を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量5g/mとなるように塗布乾燥して設けた後、その上に上記の感熱性粘着剤液7を乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着シートを作製した。
<実施例9>
上記で作成した熱溶融性物質分散液1および2を用いて、以下のような感熱性粘着剤液8を作成した。
(感熱性粘着剤液8の調製)
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン〔ガラス転移温度(Tg):−25℃、不揮発分50%〕・・・30部
・熱溶融性物質分散液1・・・35部
・熱溶融性物質分散液2・・・35部
次に、実施例2と同様の中間層を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量5g/mとなるように塗布乾燥して設けた後、その上に上記の感熱性粘着剤液8を乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着シートを作製した。
<実施例10>
上記で作成した熱溶融性物質分散液1および2を用いて、以下のような感熱性粘着剤液9を作成した。
(感熱性粘着剤液9の調製)
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン〔ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%〕・・・30部
・熱溶融性物質分散液1・・・30部
・熱溶融性物質分散液2・・・40部
次に、実施例2と同様の中間層を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量5g/mとなるように塗布乾燥して設けた後、その上に上記の感熱性粘着剤液9を乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着シートを作製した。
<実施例11>
上記で作成した熱溶融性物質分散液1および2を用いて、以下のような感熱性粘着剤液10を作成した。
(感熱性粘着剤液10の調製)
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン〔ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%〕・・・30部
・熱溶融性物質分散液1・・・55部
・熱溶融性物質分散液2・・・15部
次に、実施例2と同様の中間層を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量5g/mとなるように塗布乾燥して設けた後、その上に上記の感熱性粘着剤液10を乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着シートを作製した。
<実施例12>
上記で作成した熱溶融性物質分散液1および2を用いて、以下のような感熱性粘着剤液11を作成した。
(感熱性粘着剤液11の調製)
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルション〔ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%〕・・・30部
・熱溶融性物質分散液1・・・26部
・熱溶融性物質分散液2・・・44部
次に、実施例2と同様の中間層を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量5g/mとなるように塗布乾燥して設けた後、その上に上記の感熱性粘着剤液11を乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着シートを作製した。
<実施例13>
上記で作成した熱溶融性物質分散液1および2を用いて、以下のような感熱性粘着剤液12を作成した。
(感熱性粘着剤液12の調製)
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルション〔ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%〕・・・30部
・熱溶融性物質分散液1・・・58部
・熱溶融性物質分散液2・・・12部
次に、実施例2と同様の中間層を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量5g/mとなるように塗布乾燥して設けた後、その上に上記の感熱性粘着剤液12を乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着シートを作製した。
<比較例1>
(熱溶融性物質分散液5の調製)
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して、熱溶融性物質分散液5を調製した。
・ビス(シス−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル)フタレート・・・30部
・ビニルアルコールおよびアリルスルホン酸ナトリウム共重合体〔商品名:L−3266(日本合成化学製、平均分子量15000、鹸化度88%)〕10%水溶液・・・15部
・アルキル−アリルスルホン酸塩(界面活性剤)・・・0.15部
・水・・・54.85部
上記で作成した熱溶融性物質分散液5を用いて、以下のような感熱性粘着剤液13を作成した。
(感熱性粘着剤液13の調製)
・2−エチルヘキシルアクリレート−スチレン−アクリル酸共重合体エマルジョン〔ガラス転移温度(Tg):25℃、不揮発分50%〕・・・30部
・熱溶融性物質分散液5・・・70部
次に、前記感熱性粘着剤液13を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着シートを作製した。
<比較例2>
(熱溶融性物質分散液6の調製)
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して、熱溶融性物質分散液6を調製した。
・レゾルシノールビス〔ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート〕・・・30部
・ビニルアルコールおよびアリルスルホン酸ナトリウム共重合体〔商品名:L−3266(日本合成化学製、平均分子量15000、鹸化度88%)〕10%水溶液・・・15部
・アルキル−アリルスルホン酸塩(界面活性剤)・・・0.15部
・水・・・54.85部
上記で作成した熱溶融性物質分散液5および6を用いて、以下のような感熱性粘着剤液14を作成した。
(感熱性粘着剤液14の調製)
・2−エチルヘキシルアクリレート−スチレン−アクリル酸共重合体エマルジョン〔ガラス転移温度(Tg):25℃、不揮発分50%〕・・・30部
・熱溶融性物質分散液5・・・35部
・熱溶融性物質分散液6・・・35部
次に、前記感熱性粘着剤液14を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着シートを作製した。
<比較例3>
上記で作成した熱溶融性物質分散液1を用いて、以下のような感熱性粘着剤液15を作成した。
(感熱性粘着剤液15の調製)
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン〔ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%〕・・・30部
・熱溶融性物質分散液1・・・70部
次に、前記感熱性粘着剤液15を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着シートを作製した。
<比較例4>
上記で作成した熱溶融性物質分散液2を用いて、以下のような感熱性粘着剤液16を作成した。
(感熱性粘着剤液16の調製)
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン〔ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%〕・・・30部
・熱溶融性物質分散液2・・・70部
次に、前記感熱性粘着剤液16を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着シートを作製した。
<比較例5>
(熱溶融性物質分散液7の調製)
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散し、熱溶融性物質分散液7を調製した。
・蓚酸ジベンジル・・・30部
・ビニルアルコールおよびアリルスルホン酸ナトリウム共重合体〔商品名:L−3266(日本合成化学製、平均分子量15000、鹸化度88%)〕10%水溶液・・・15部
・アルキル−アリルスルホン酸塩(界面活性剤)・・・0.15部
・水・・・54.85部
上記で作成した熱溶融性物質分散液1および7を用いて、以下のような感熱性粘着剤液17を作成した。
(感熱性粘着剤液17の調製)
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルション〔ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分50%〕・・・30部
・熱溶融性物質分散液2・・・35部
・熱溶融性物質分散液7・・・35部
次に、実施例2と同様の中間層を80g/mの片面コート紙の裏面に乾燥質量5g/mとなるように塗布乾燥して設けた後、その上に上記の感熱性粘着剤液17を乾燥質量16g/mとなるように塗布乾燥し、感熱性粘着シートを作製した。
次に、得られた実施例1〜13及び比較例1〜5の各感熱性粘着シートについて、以下のようにして、粘着特性及び耐ブロッキング性を評価した。結果を下記に示す。
<粘着特性の評価>
得られた各感熱性粘着シートを40mm×150mmの長方形にカットし、感熱印字装置(大倉電気株式会社製、TH−PMD)を用いて、ヘッド条件:エネルギー0.50mJ/dot、印字スピード:4ms/line、プラテン圧:6kgf/lineの条件にて、感熱性粘着シートを熱活性化させた。次いで、0℃30%RH、22℃60%RH、40℃60%RHの3環境条件下に1時間以上放置したダンボールに加圧2kgのゴムローラーで長手方向に貼り付けて、1日間保管後に剥離角度180度、剥離速度300mm/minの条件で剥離させた。
そのときの粘着力をフォースゲージ(MODEL DPS−5、IMADA製)で測定し、0.1秒間隔でデータを読み取り平均化した数値で示した。
なお、単位はgf/40mmである。
<ブロッキング評価>
得られた各感熱性粘着材料を50mm×50mmにカットし、同サイズのPPC用紙と貼り合わせて重ね、5kgの荷重をかけ50度環境に24時間保存した。感熱性粘着材料を剥がすときの剥がれ方を目視で以下のようにランク付けして評価を行なった。
◎:貼り付いておらず軽い力で剥離することができる。
○:わずかに貼り付いているが、剥離時に音がする程度で剥離することができる。
△:貼り付いており、粘着剤層が若干脱落する。
×:貼り付き、かつ粘着剤層が完全に脱落する、または剥離することができない。
Figure 2008222973
以上、詳細かつ具体的な記載から明らかなように、本発明において、メタターフェニルと化合物(A)〜C)を併用することで、融点が低く流動性がよくなり、熱可塑性樹脂との相溶性が良くなることから特に低温環境、粗面に対する粘着力を向上させることができ、メタターフェニルとの相溶性が良い化合物(A)〜C)を用いることで、耐ブロッキング性向上、高温環境下での粘着特性を向上させることができることが分かり、さらに、熱可塑性樹脂のTgを低くすることによって低温環境下での粘性を向上することができ、粘着性を向上させることができることが分かり、さらに、熱溶融性物質の配合比を選択的な特定範囲にすることで低温〜高温環境での粘着力および熱活性後の粘着力維持に寄与するることが分かり、さらに、これを用いた新規かつ優れた感熱性粘着シートが提供されることが分かり、さらに、ポーラスな中間層を設けることによって断熱性の付与、また熱可塑性樹脂を含むことにより粘着力をさらに向上させることができ、すなわち低エネルギーで効率的な活性化をすることができることが分かり、さらに、利便性に優れた感熱性粘着シートが提供されることが分かる。また、このような本発明の感熱性粘着シートは、ライン型サーマルヘッドにより、粘着が付与され、既存の感熱記録プロセスをほとんどそのまま用いることができ、これによって他のプロセスよりも低エネルギーで高速に熱活性化することができることが分かる。

Claims (8)

  1. 粘着性を示す熱可塑性樹脂および熱溶融性物質を必須成分として含む感熱性粘着材料において、
    該熱溶融性物質が、(i)化学式1で示されるメタターフェニルであって、(ii)さらに、
    (A)2(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(化学式2)、
    (B)ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド(化学式3)、
    (C)テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(化学式4)
    のうち少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする感熱性粘着材料。
    Figure 2008222973
    Figure 2008222973
    Figure 2008222973
    Figure 2008222973
  2. 前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が−70℃以上−30℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の感熱性粘着材料。
  3. 前記メタターフェニルの含有量が、熱溶融性物質全量に対して50%以上75%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱性粘着材料。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の感熱性粘着材料を支持体の片面に塗布して形成したことを特徴とする感熱性粘着シート。
  5. 前記支持体と感熱性粘着剤層との間に、中空粒子とバインダ樹脂とを含む中間層を有することを特徴とする請求項4に記載の感熱性粘着シート。
  6. 支持体の前記感熱性粘着材料塗布面の反対側の面にロイコ染料と顕色剤とを含有する感熱記録層をさらに備えたことを特徴とする請求項4又は5に記載の感熱性粘着シート。
  7. 支持体の前記感熱性粘着材料塗布面の反対側の面に、インクジェット記録層または熱転写インク受容層を備えたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに感熱性粘着シート。
  8. ライン型サーマルヘッドによって熱を印加したときに粘着機能を発現することを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の感熱性粘着シート。
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