JP4454728B2 - 感熱性粘着シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、所謂ディレイドタック型粘着シートに関し、更に詳しくは、常温では粘着性を有さず、加熱によって粘着性を発現する感熱性粘着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、瓶、ペットボトル等の容器に貼付するラベルとして、ラベル基材上に粘着剤を塗工すると同時に容器に貼付するグルーラベルや、ラベル基材上に粘着剤及び剥離紙を順次形成した粘着ラベル等が使用されている。しかし、グルーラベルは、粘着剤の粘度の管理や粘着剤を塗工する機械の清掃等の手間を要するため、最近ではあまり好まれないのが実状である。また、剥離紙を形成した粘着ラベルは、ラベルから剥がした大量の剥離紙がゴミとして発生するため、その処分に手間を要するとともに、資源の節減の観点からも好ましくない。
【0003】
このような問題を解決するラベルとして、感熱性粘着シートが知られている。感熱性粘着シートは、常温では非粘着性であるが加熱によって粘着性を発現するディレードタック粘着剤層(感熱性粘着剤層)をラベル基材上に形成したものであり、剥離紙が不要で、しかも加熱するだけで容易に容器に貼付することができるという利点を有している。ディレードタック粘着剤層は、通常、ガラス転移温度が0〜30℃程度の熱可塑性樹脂層に、固体可塑剤の粒子と必要に応じて粘着付与剤の粒子とを散在させたものであり、加熱によって固体可塑剤を溶融し、これによって熱可塑性樹脂を可塑化させ粘着性を発現させるものである。前記固体可塑剤としては、例えばジシクロヘキシルフタレートがよく知られている(特開昭61−9479号公報、特開平7−278521号公報、特開平7−145352号公報、特開平8−333565号公報など)。
【0004】
しかし、従来の感熱性粘着シートは、加熱によって活性化された直後には高い接着性を示すものの、被着体に貼着した後、経時的に接着力が低下するという問題点を有する。これは、主として固体可塑剤が一旦溶融して熱可塑性樹脂を可塑化した後、徐々に再結晶するためと考えられる。上記のような接着力の経時的低下現象は、被着体としてプラスチック、特にポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂を用いた場合に著しい。
【0005】
特開昭63−154781号公報には、このような接着力の経時的低下を抑制することを目的として、基材上に、粘着付与剤を30重量%以上含む下層と固形可塑剤を一定量含む上層の2つの層を積層した感熱性粘着材料が開示されている。しかし、この感熱性粘着材料では、基材上に複数の層を形成する必要があるため、作業性、生産性及びコストの点で不利である。
【0006】
特開平10−140117号公報には、特定のベンゾトリアゾール系化合物を固体可塑剤として用いた感熱性粘着シートが提案されている。この感熱性粘着シートは、ポリオレフィン系樹脂に対しても強い接着力を示すものの、接着力の持続性の点では必ずしも十分とは言えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、プラスチックからなる被着体に対して長期間に亘り強い接着性を示し、しかも作業効率よく製造できる感熱性粘着シートを提供することにある。
本発明の他の目的は、ポリオレフィン系樹脂に貼着した場合であっても、強い接着力を長期間持続できる感熱性粘着シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、プラスチック基材上に熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び粘着付与剤の混合物からなる感熱性粘着剤層を形成するに際し、例えば固体可塑剤の組み合わせやその比率などを適宜調整すると、固体可塑剤と粘着付与剤とを同一層内に共存させても、固体可塑剤が再結晶化せず、プラスチック(基材)とプラスチック(被着体)との接着力が6ヶ月に亘り500gf/25mm以上の値を持続できること、このような感熱性粘着シートは、粘着剤層を複層構造とする必要がなく作業効率よく製造でき、しかもポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂に対しても強い接着力を長期間維持できることを見いだし、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、プラスチックシートの少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び粘着付与剤を含有する樹脂組成物からなる感熱性粘着剤層が形成されている感熱性粘着シートにおいて、固体可塑剤が、(1)下記多エステル化合物(i)と下記リン化合物(ii)との組み合わせ、(2)下記多エステル化合物(i)と下記ジエステル化合物(iii)との組み合わせ、(3)下記多エステル化合物(i)と下記ジシクロヘキシルフタレート(iv)との組み合わせ、(4)下記多エステル化合物(i)と下記リン化合物(ii)と下記ジエステル化合物(iii)との組み合わせ、(5)下記多エステル化合物(i)と下記ジエステル化合物(iii)と下記ジシクロヘキシルフタレート(iv)との組み合わせ、(6)下記多エステル化合物(i)と下記リン化合物(ii)と下記ジエステル化合物(iii)と下記ジシクロヘキシルフタレート(iv)との組み合わせの何れかであり、該2種以上の固体可塑剤のうちモル数の最も多い2種の固体可塑剤の比率(モル比)が、1:0.7〜1:1.3の範囲であって、該感熱性粘着シートを加熱して粘着性を発現させた後にプラスチック被着体に貼付した場合の貼り付けから6ヶ月経過時点における接着力が500gf/25mm以上であることを特徴とする感熱性粘着シートを提供する。
(i)(A)(A1)1若しくは複数のアルキル基で置換され且つ置換基の炭素数の合計が3以上である置換シクロヘキサン環若しくは置換シクロヘキセン環を有するアルコール又は(A2)6員炭素環を少なくとも含む橋かけ環を有するアルコールと(B)多塩基酸との多エステル化合物
(ii)下記式(1a)、(1b)、(1c)若しくは(2)
【化2】
(式中、R1、R2、R3、R4、R1a、R3a、R4a、R5、R6、R7はそれぞれ炭化水素基又は複素環式基を示し、Aは2価の炭化水素基又は複素環式基を示し、kは0又は1を示し、nは1〜3の整数を示す。但し、R1a、R3a及びR4aは同時にフェニル基又は4−t−ブチルフェニル基ではない。式(1a)におけるR1とR2とA、R3とR4とA、式(1b)におけるR1aとR3aとR4a、式(1c)におけるR1とR3とR4、式(2)におけるR5とR6とR7は、それぞれ2つの基が互いに結合してリン原子を含む環を形成していてもよい)
で表されるリン化合物
(iii)(C)(C1)ベンゼン環がアルキル基で置換されていてもよいハイドロキノン若しくはレゾルシノール又は(C2)ベンゼン環がアルキル基で置換されたカテコールと(D)有機一塩基酸とのジエステル化合物
(iv)ジシクロヘキシルフタレート
【0010】
前記多エステル化合物(i)は、例えば、(A11)1若しくは複数のアルキル基で置換され且つ置換基の炭素数の合計が3以上である置換シクロヘキサノール又は(A21)ヒドロキシル基又はヒドロキシメチル基が結合した6員飽和炭素環を少なくとも含む橋かけ環を有するアルコールと(B)多塩基酸との多エステル化合物であってもよく、ビス(シス−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル)フタレートであってもよい。
【0011】
前記固体可塑剤は、ビス(シス−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル)フタレートとレゾルシノールビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート]の組み合わせにより構成してもよい。
また、感熱性粘着剤層における固体可塑剤の含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、例えば30〜1000重量部程度である。
感熱性粘着剤層は、例えば、熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び粘着付与剤を含み且つ前記熱可塑性樹脂が水に分散した水性組成物の塗工により形成できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の感熱性粘着シートは、プラスチックシートの少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び粘着付与剤を含有する樹脂組成物からなる感熱性粘着剤層が形成されている。
【0013】
[熱可塑性樹脂]
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの単独又は共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ビニルピロリドン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン−(メタ)アクリル酸共重合体などの(メタ)アクリル酸又はそのエステルを単量体として含むアクリル系重合体;酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニルを単量体として含む酢酸ビニル系重合体;スチレン−ブタジエン共重合体、イソブチレン樹脂、イソブチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン樹脂、スチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体などの合成ゴム;天然ゴム;エチレン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ビニルビロリドン−スチレン共重合体、塩素化プロピレン樹脂、ウレタン樹脂、エチルセルロースなどが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0014】
好ましい熱可塑性樹脂には、アクリル系重合体[例えば、(メタ)アクリル酸エステルを単量体として含むアクリル系共重合体]、酢酸ビニル系重合体、合成ゴム、天然ゴムなどが含まれる。前記アクリル系重合体の中でも、特に、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体(例えば、アクリル酸C2-10アルキルエステル−メタクリル酸C1-4アルキルエステル共重合体)、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体(例えば、アクリル酸C2-10アルキルエステル−メタクリル酸C1-4アルキルエステル−(メタ)アクリル酸共重合体)、アクリル酸エステル−スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(例えば、アクリル酸C2-10アルキルエステル−スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体)等のアクリル酸エステル(例えば、アクリル酸C2-10アルキルエステル)とメタクリル酸エステル(例えば、メタクリル酸C1-4アルキルエステル)又はスチレンとをコモノマーとして含むアクリル系共重合体;及びスチレン−ブタジエン−(メタ)アクリル酸共重合体などが好ましい。
【0015】
熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、被着物の種類等を考慮し、粘着シートとした場合の接着性や耐ブロッキング性を損なわない範囲で適宜選択でき、通常、−10〜70℃程度である。前記ガラス転移温度が−10℃未満の場合には耐ブロッキング性が低下しやすい。また、前記ガラス転移温度が高すぎると、接着性が低下しやすくなる。
【0016】
[固体可塑剤]
固体可塑剤としては、公知の固体可塑剤を含め広範なものを使用できるが、2種以上の固体可塑剤を併用するのが好ましい。複数の固体可塑剤を組み合わせて用いると、感熱性粘着剤層を加熱して固体可塑剤を一旦溶融させ、熱可塑性樹脂を可塑化した後に、該固体可塑剤が再結晶するのを抑制できる。特に、固体可塑剤として、前記(i)多エステル化合物(第1の化合物群)、(ii)リン化合物(第2の化合物群)、(iii)ジエステル化合物(第3の化合物群)及び(iv)ジシクロヘキシルフタレート(第4の化合物群)の4種の化合物群のうち少なくとも2種の化合物群に含まれる化合物を組み合わせて用いると、前記固体可塑剤の再結晶化を顕著に抑制できる。
【0017】
[(i)多エステル化合物]
前記多エステル化合物(i)を構成するアルコール(A1)において、シクロヘキサン環又はシクロヘキセン環の置換基であるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル基などが挙げられる。好ましいアルキル基には、メチル、イソプロピル、t−ブチル基などの炭素数1〜6(特に、炭素数1〜4)程度のアルキル基が含まれる。
【0018】
前記(A1)1若しくは複数のアルキル基で置換され且つ置換基の炭素数の合計が3以上である置換シクロヘキサン環若しくは置換シクロヘキセン環を有するアルコールとしては、例えば、下記式(I)〜(VII)で表される置換シクロヘキサノール、(VIII)〜(X)で表される置換シクロヘキセノール、(XI)〜(XII)で表されるカルボニル基を有する置換シクロヘキサノール、(XIII)で表されるカルボニル基を有する置換シクロヘキセノールなどが挙げられる。また、(A2)6員炭素環を少なくとも含む橋かけ環を有するアルコールとしては、例えば、該6員炭素環を構成する炭素原子のうち隣接する炭素原子以外の2つの炭素原子間にアルキレン基が結合して橋を形成している橋かけ環を有するアルコール、例えば、(XIV)、(XV)、(XVI)、(XVIII)で表されるノルボルナン環を有するアルコール、(XVII)、(XIX)で表されるノルボルネン環を有するアルコール、(XX)、(XXI)で表されるアダマンタン環を有するアルコールなどが挙げられる。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【0019】
これらのアルコールの中でも、式(I)〜(VII)で表されるアルコールなどの(A11)1若しくは複数のアルキル基で置換され且つ置換基の炭素数の合計が3以上である置換シクロヘキサノール、式(XVI)、(XVIII)などで表されるノルボルナン環を有するアルコールなどの(A21)ヒドロキシル基又はヒドロキシメチル基が結合した6員飽和炭素環を少なくとも含む橋かけ環を有するアルコールが好ましい。特に、前記式(I)で表される3,3,5−トリメチルシクロヘキサノールが、粘着性の発現温度及び耐ブロッキング性の観点から好ましい。
【0020】
前記(B)多塩基酸には、多価カルボン酸、多価スルホン酸、多価ホスホン酸などが含まれる。多価カルボン酸としては、下記式
【化11】
【化12】
で表される酸無水物(無水フタル酸、無水ピロメリット酸、シクロヘキセン−4,5−ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸)に対応する多価カルボン酸(フタル酸、ピロメリット酸、シクロヘキセン−4,5−ジカルボン酸、トリメリット酸)や、下記式
【化13】
で表される多価カルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸)などが例示できる。上記式中、ベンゼン環には、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル基などのアルキル基(例えば、C1-4アルキル基);フェニル、ナフチル基などのアリール基;メトキシ、エトキシ基などのアルコキシ基(例えば、C1-4アルコキシ基);フッ素、塩素、臭素原子などのハロゲン原子などの置換基が置換していてもよい。
【0021】
前記(A)アルコールと(B)多塩基酸とから得られる多エステル化合物(i)のなかでも、可塑化が起こり始める温度及び加熱時の粘着性の性能の観点から、式(I)で表される3,3,5−トリメチルシクロヘキサノールと無水フタル酸との反応により得られる下記式
【化14】
で表されるビス(3,3,5−トリメチルシクロヘキシル)フタレートが特に好ましい。
【0022】
なお、上記3,3,5−トリメチルシクロヘキサノールには、ヒドロキシル基と5位のメチル基との立体的な位置関係により、シス体とトランス体の2つの幾何異性体が存在する。本発明では、これらの何れの異性体から得られる多エステル化合物も用いることができ、また、これらの異性体の混合物から得られる多エステル化合物を使用することもできる。より好ましい多エステル化合物は、シス−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノールから得られる多エステル化合物[例えば、ビス(シス−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル)フタレートなど]である。
【0023】
前記多エステル化合物(i)は、(A)アルコールと(B)多塩基酸又はその反応性誘導体(例えば、酸無水物、酸ハライド、活性エステルなど)から、公知乃至慣用のエステル化法に従って製造することができる。例えば、(A)アルコールと(B)多塩基酸とを、プロトン酸触媒の存在下、例えば、トルエンなどの溶媒中で反応させ、副生する水を除去することにより上記多エステル化合物(i)を得ることができる。
【0024】
多エステル化合物(i)の融点は、好ましくは70〜160℃程度である。多エステル化合物の融点が70℃より低いと耐ブロッキング性が低下しやすく、また160℃を超えると、溶融するのに時間がかかり、生産性が低下したり、基材が変質したりするおそれがある。多エステル化合物(i)は1種又は2種以上混合して使用できる。
【0025】
[(ii)リン化合物]
前記リン化合物(ii)には、リン酸エステル類、亜リン酸エステル類、ホスフィン類などが含まれる。前記融点55〜100℃のリン化合物としては、下記式(1)又は(2)
【化15】
(式中、R1〜R7はそれぞれ炭化水素基又は複素環式基を示し、Aは2価の炭化水素基又は複素環式基を示し、kは0又は1を示し、mは0〜3の整数を示す。R1とR2とA(m=1〜3のとき)、R3とR4とA(m=1〜3のとき)、R1とR3とR4(m=0のとき)、R5とR6とR7は、それぞれ2以上の基が互いに結合してリン原子を含む環を形成していてもよい)
で表される化合物が挙げられる。
【0026】
前記式(1)で表される化合物には、下記式(1a)、(1b)及び(1c)
【化16】
(式中、R1、R2、R3、R4、R1a、R3a、R4a、R5、R6、R7はそれぞれ炭化水素基又は複素環式基を示し、Aは2価の炭化水素基又は複素環式基を示し、kは0又は1を示し、nは1〜3の整数を示す。但し、R1a、R3a及びR4aは同時にフェニル基又は4−t−ブチルフェニル基ではない。式(1a)におけるR1とR2とA、R3とR4とA、式(1b)におけるR1aとR3aとR4a、式(1c)におけるR1とR3とR4は、それぞれ2以上の基が互いに結合してリン原子を含む環を形成していてもよい)
で表される化合物が含まれる。
【0027】
前記R1〜R7、R1a、R3a、R4aにおける炭化水素基には、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び脂肪族炭化水素基が含まれる。これらの炭化水素基は置換基を有していてもよい。
【0028】
前記芳香族炭化水素基としては、フェニル、ナフチル基などが挙げられる。脂環式炭化水素基には、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル基などのシクロアルキル基;シクロペンテニル、シクロへキセニル基などのシクロアルケニル基;ノルボルニル、ビシクロ[4.3.0]ノニル、アダマンチル基などの橋かけ環炭化水素基などが含まれる。脂肪族炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル基などの炭素数1〜12程度のアルキル基;ビニル、アリル、1−へキセニル基などの炭素数2〜12程度のアルケニル基;エチニル、プロピニル基などの炭素数2〜12程度のアルキニル基などが挙げられる。
【0029】
前記炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素、塩素、臭素原子などのハロゲン原子;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル基などのC1-4アルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などのアリール基;メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ基などのC1-4アルコキシ基;フェニルオキシ基などのアリールオキシ基;メトキシカルボニル基などのC1-4アルコキシカルボニル基;アセチル、ベンゾイル基などのアシル基;アセチルオキシ基などのアシルオキシ基;シアノ基;ニトロ基;ヒドロキシル基;カルボキシル基;オキソ基などが例示できる。
【0030】
前記芳香族炭化水素基の代表的な例として、フェニル基;2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル基などのハロゲン原子を有するフェニル基;2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2−エチルフェニル、4−t−ブチルフェニル基などC1-4アルキル基を有するフェニル基などが挙げられる。前記脂環式炭化水素基の代表的な例として、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへキセニル、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、3−オキソ−1,5,5−トリメチルシクロヘキシル、6−オキソ−2,4,4−トリメチル−1−シクロへキセニル、1,7,7−トリメチルノルボルナン−2−イル基などが挙げられる。前記脂肪族炭化水素基の代表的な例として、ベンジル、2−メチルフェニルメチル、2−フェニルエチル基などのアリール基が結合したアルキル基(アラルキル基)などが挙げられる。
【0031】
前記R1〜R7、R1a、R3a、R4aにおける複素環式基には、2−フリル、モルホニル、テトラヒドロピラニル基などの酸素原子含有複素環式基;2−チエニル基などのイオウ原子含有複素環式基;1−ピロリル、2−ピリジル、ピペリジノ、2−キノリル基などの窒素原子含有複素環式基などが含まれる。これらの複素環式基は置換基を有していてもよい。前記置換基としては、前記炭化水素基において例示した置換基などが挙げられる。
【0032】
前記Aにおける2価の炭化水素基には、2価の芳香族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基及び2価の脂肪族炭化水素基が含まれる。これらの炭化水素基は、酸素原子、イオウ原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基などの連結基を介して又は介することなく2以上結合していてもよく、また置換基を有していてもよい。前記置換基としては、前記R1〜R7等における炭化水素基が有していてもよい置換基として例示した基が挙げられる。
【0033】
2価の芳香族炭化水素基として、例えば、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,4−ナフチレン、ビフェニレンなどが挙げられる。2価の脂環式炭化水素基として、シクロヘキシリデン、1,2−シクロペンチレン、1,2−シクロへキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,4−シクロへキシレンなどのシクロアルキレン基;2−シクロヘキセン−1,4−ジイル基などのシクロアルケニレン基;アダマンタン−1,3−ジイル基などの2価の橋かけ環式基などが挙げられる。また、2価の脂肪族炭化水素基には、メチレン、エチレン、トリメチレン、2−メチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、テトラメチレン基などの炭素数1〜6程度のアルキレン基;プロペニレン基などの炭素数2〜6程度のアルケニレン基;プロピニレン基などの炭素数2〜6程度のアルキニレン基などが挙げられる。
【0034】
前記Aにおける2価の炭化水素基の代表的な例として、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,4−ナフチレン、1,1−ジフェニルエタン−4′,4″−ジイル、2,2−ジフェニルプロパン−4′,4″−ジイル、2,2−ジフェニルブタン−4′,4″−ジイル、4,4′−ビフェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,5,5−トリメチルシクロヘキサン−1,3−ジイル、6−オキソ−2,4,4−トリメチルシクロヘキサン−1,2−ジイル、−CH2−1,4−シクロへキシレン−CH2−、1,1−ジシクロヘキシルエタン−4′,4″−ジイル、2,2−ジシクロヘキシルプロパン−4′,4″−ジイル、2,2−ジシクロヘキシルブタン−4′,4″−ジイル、アダマンタン−1,3−ジイル、5,7−ジメチルアダマンタン−1,3−ジイル、トリメチレン、2−メチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、テトラメチレン基などが例示できる。
【0035】
前記Aにおける2価の複素環式基には、多価の複素環式アルコール又はフェノール(例えば、イソソルバイド、イソマンナイド、スクロース、ラクトースなどの糖類)から2つのヒドロキシル基を除いた2価の基が含まれる。これらの炭化水素基は、酸素原子、イオウ原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基などの連結基を介して又は介することなく2以上結合していてもよく、また置換基を有していてもよい。前記置換基としては、前記R1〜R7等における炭化水素基が有していてもよい置換基として例示した基が挙げられる。また、前記2価の炭化水素基と2価の複素環式基とが、前記連結基を介して又は介することなく結合していてもよい。
【0036】
前記式(1a)において、R1〜R4の少なくとも1つ(特に、R1〜R4のすべて)が芳香族炭化水素基であるのが好ましい。また、好ましいAには、1,3−フェニレン基などの少なくとも2価の芳香族炭化水素基部を含む2価の炭化水素基、−CH2−1,4−シクロへキシレン−CH2−基などの少なくとも2価の脂環式炭化水素基部を含む2価の炭化水素基が含まれる。nは1又は2、特に1であるのが好ましい。
【0037】
式(1a)で表されるリン化合物の具体例として、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールビス(ジフェニルホスフェート)(融点:97℃)、レゾルシノールビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート](融点:95℃)などの二リン酸エステル類などが挙げられる。
【0038】
前記式(1b)で表される好ましい化合物には、R1aとR3aとR4aが何れも芳香族炭化水素基又はアラルキル基である化合物、及びR1aとR3aとR4aのうち2以上の基が互いに結合してリン原子を含む環を形成した環状リン酸エステル類などが含まれる。
【0039】
式(1b)で表される化合物(リン酸エステル類)の具体例として、例えば、トリ(4−メチルフェニル)ホスフェート(融点:78℃)などのトリ(メチルフェニル)ホスフェートなどのリン酸トリアリールエステル類、トリベンジルホスフェート(融点:65℃)などのリン酸トリアラルキルエステル類、下記式(3)
【化17】
で表される化合物(融点:95〜110℃)などの、リン原子を環の構成原子として含む環状リン酸エステル類などが挙げられる。
【0040】
式(1c)において、R1〜R4は、何れも芳香族炭化水素基又はアラルキル基であるのが好ましい。
式(1c)で表される化合物(亜リン酸エステル類)の具体例として、例えば、トリ(4−t−ブチルフェニル)ホスファイト(融点:75℃)などの亜リン酸トリアリールエステルなどが挙げられる。
【0041】
前記式(2)において、R5〜R7は好ましくは芳香族炭化水素基である。式(2)で表される化合物の具体例として、例えば、トリフェニルホスフィン(融点:80℃)、トリ(3−メチルフェニル)ホスフィン(融点:100℃)などのトリアリールホスフィン類が挙げられる。
【0042】
上記リン化合物は、周知乃至公知の方法により得ることができる。例えば、リン酸エステル類は、オキシ塩化リン、アリールジクロロホスフェートなどのジクロロリン酸モノエステル、又はジアリールクロロホスフェートなどのクロロリン酸ジエステルと目的化合物に対応するヒドロキシル基含有化合物(アルコール又はフェノール)とを、必要に応じてピリジンなどの塩基の存在下で反応させることにより得ることができる。なお、リン原子を環の構成原子として含む環状リン酸エステル類は、前記ヒドロキシル基含有化合物として、2価以上、好ましくは3価以上(例えば3又は4価)のヒドロキシル基含有化合物[例えば、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、ペンタエリスリトールなど]を用いることにより製造することができる。
【0043】
また、亜リン酸エステル類は、例えば、三塩化リンと目的化合物に対応するアルコール又はフェノールとを、必要に応じて塩基の存在下で反応させることにより製造できる。さらに、ホスフィン類(トリフェニルホスフィンなど)は、例えば、三塩化リンと目的化合物に対応するグリニヤール試薬(フェニルマグネシウムブロミドなど)との反応により得ることができる。
【0044】
なお、前記式(1a)、(1b)、(1c)又は(2)で表されるリン化合物については、融点は必ずしも55〜100℃の範囲でなくてもよく、例えば50〜160℃程度、好ましくは55〜105℃程度であってもよい。融点が低すぎると耐ブロッキング性が低下しやすく、逆に高すぎると溶融するのに時間がかかり、生産性が低下したり、基材が変質したりするおそれがある。リン化合物(ii)は1種又は2種以上混合して使用できる。
【0045】
[(iii)ジエステル化合物]
前記ジエステル化合物(iii)において、ハイドロキノン、レゾルシノール、カテコールのベンゼン環上の置換基としてのアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル基などの炭素数1〜6程度のアルキル基などが挙げられる。なかでも、メチル基などの炭素数1〜4程度のアルキル基が好ましい。ハイドロキノン又はレゾルシノールにおけるベンゼン環上のアルキル基の置換数は0、又は1〜4(好ましくは1〜3、さらに好ましくは2又は3)である。また、カテコールのベンゼン環上のアルキル基の置換数は1〜4、好ましくは1〜3、さらに好ましくは2又は3である。アルキル基の置換数が複数であるとき、該アルキル基は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0046】
前記(C)成分において、ベンゼン環にはアルキル基以外の置換基が結合していてもよい。このような置換基として、例えば、フッ素、塩素、臭素原子などのハロゲン原子;ヒドロキシル基;メトキシ、エトキシ基などのアルコキシ基(例えば、C1-4アルコキシ基);フェノキシ基などのアリールオキシ基;アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ベンゾイルオキシ基などのアシルオキシ基;アセチル、プロピオニル、ベンゾイル基などのアシル基;カルボキシル基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;シアノ基;ニトロ基などが挙げられる。また、前記ベンゼン環には、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ベンゼン環、テトラヒドロフラン環などの3〜8員程度の芳香族性又は非芳香族性の炭素環又は複素環が縮合していてもよい。
【0047】
前記(C1)ベンゼン環がアルキル基で置換されていてもよいハイドロキノン若しくはレゾルシノールとしては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,3−ジメチルハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、2,6−ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、レゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、2,5−ジメチルレゾルシノール、4,6−ジメチルレゾルシノール、2,4,6−トリメチルレゾルシノールなどが例示できる。また、(C2)ベンゼン環がアルキル基で置換されたカテコールとしては、例えば、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、トリメチルカテコールなどが挙げられる。
【0048】
前記(D)有機一塩基酸には、脂肪族、脂環式、芳香族又は複素環式の一塩基酸(カルボン酸、スルホン酸など)が含まれる。これらのなかでも、脂肪族、脂環式又は芳香族モノカルボン酸が好ましい。
【0049】
前記脂肪族モノカルボン酸として、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸などの炭素数1〜6程度の脂肪族モノカルボン酸(好ましくは炭素数1〜4程度の脂肪族モノカルボン酸、特に酢酸)などが例示できる。また、脂環式モノカルボン酸として、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸などの3〜8員程度のシクロアルカンカルボン酸などが挙げられる。芳香族カルボン酸には、例えば、安息香酸、トルイル酸、ナフトエ酸などの、芳香環にアルキル基(炭素数1〜4程度のアルキル基など)、アルコキシ基(炭素数1〜4程度のアルコキシ基など)、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素原子など)などの置換基を1又は2以上有していてもよい芳香族カルボン酸などが含まれる。
【0050】
前記ジエステル化合物の代表的な化合物として、ハイドロキノンジアセテート(融点:123℃)、トリメチルハイドロキノンジアセテート(融点:109℃)、3,4,5−トリメチルカテコールジアセテート(融点:120℃)などが例示される。
【0051】
上記ジエステル化合物は、例えば、前記(C)成分と前記(D)有機一塩基酸又はその反応性誘導体(例えば、酸ハライド、活性エステル、酸無水物など)とを、必要に応じて酸触媒又は塩基の存在下、公知のエステル化法に準じて反応させることにより得ることができる。
【0052】
また、3,4,5−トリメチルカテコールと有機一塩基酸とのジエステル化合物は、酸触媒の存在下、2,6,6−トリメチルシクロヘキセ−2−エン−1,4−ジオン(ケトイソホロン)と前記有機一塩基酸に対応するアシル化剤(酸無水物、アシルハライド、エノールエステル類など)とを反応させることにより得ることができる。
【0053】
この方法において、酸触媒としては、プロトン酸、ルイス酸の何れも使用できる。プロトン酸として、超強酸(SbF5、SbF5−HF、SbF5−FSO3H、SbF5−CF3SO3Hなど)、硫酸、塩酸、リン酸、フッ化ホウ素酸、p−トルエンスルホン酸、クロロ酢酸、ピクリン酸、ヘテロポリ酸等の有機酸及び無機酸が挙げられる。また、ルイス酸として、例えば、BF3、BF3O(C2H5)2、AlCl3、FeCl3などが例示できる。これらの触媒の使用量は、例えば、ケトイソホロンに対して、0.001〜20モル%、好ましくは0.01〜15モル%程度である。
【0054】
また、前記酸触媒として、固体酸触媒を用いることもできる。固体酸触媒には、強酸性イオン交換樹脂[例えば、アンバーリスト15(オルガノ社製)などのスチレンジビニルベンゼンスルホン酸系イオン交換樹脂など];超強酸性樹脂[例えば、ナフィオンNR50(アルドリッチ社製)などのフッ素化スルホン酸樹脂など];ゼオライト、シリカ−アルミナなどのアルミノシリケート又は無機酸化物(複合酸化物を含む);担体(例えば、グラファイト、金属硫酸塩、金属塩化物、活性炭、イオン交換樹脂、ゼオライト、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニア、チタニア−ジルコニア、カオリンなど、特に多孔質担体)に前記のプロトン酸又はルイス酸を担持した固体酸触媒などが含まれる。固体酸触媒の使用量は、例えば、ケトイソホロンに対して、0.1〜1000重量%、好ましくは5〜100重量%程度である。
【0055】
前記アシル化剤の使用量は、例えば、ケトイソホロン1モルに対して、2モル以上、好ましくは3〜10モル程度である。アシル化剤を溶媒として用いてもよい。
【0056】
ケトイソホロンとアシル化剤との反応は、無溶媒下で行ってもよく、溶媒中で行ってもよい。前記溶媒としては、ヘキサン、オクタン、オクテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類;酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類などが挙げられる。
【0057】
ケトイソホロンとアシル化剤とを反応させる際の反応温度は、例えば0〜150℃、好ましくは10〜100℃程度である。生成したジエステル化合物は、例えば、濾過、濃縮、抽出、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの慣用の分離精製手段に付すことにより分離精製できる。
【0058】
なお、こうして得られた3,4,5−トリメチルカテコールと有機一塩基酸とのジエステル化合物を、酸、例えば前記プロトン酸や固体酸触媒の存在下、水と反応させることにより、3,4,5−トリメチルカテコールを得ることができる。この場合、水は、通常、ジエステル化合物に対して過剰量用いられる。この加水分解反応における反応温度は、例えば40〜100℃程度である。生成した3,4,5−トリメチルカテコールは、例えば前記の分離精製手段により単離できる。
【0059】
ジエステル化合物(iii)の融点は、例えば50〜160℃程度であってもよいが、好ましくは90〜130℃程度である。ジエステル化合物(iii)の融点が低すぎると耐ブロッキング性が低下しやすく、逆に高すぎると溶融するのに時間がかかり、生産性が低下したり、基材が変質したりするおそれがある。ジエステル化合物(iii)は、1種又は2種以上混合して使用できる。
【0060】
固体可塑剤として、前記(i)〜(iv)の4種の化合物群のうち少なくとも2種の化合物群に含まれる化合物を組み合わせて用いるのが好ましく、その態様として、多エステル化合物(i)とリン化合物(ii)との組み合わせ、多エステル化合物(i)とジエステル化合物(iii)との組み合わせ、多エステル化合物(i)とジシクロヘキシルフタレート(iv)との組み合わせ、リン化合物(ii)とジエステル化合物(iii)との組み合わせ、リン化合物(ii)とジシクロヘキシルフタレート(iv)との組み合わせ、ジエステル化合物(iii)とジシクロヘキシルフタレート(iv)との組み合わせ、多エステル化合物(i)とリン化合物(ii)とジエステル化合物(iii)との組み合わせ、多エステル化合物(i)とジエステル化合物(iii)とジシクロヘキシルフタレート(iv)との組み合わせ、リン化合物(ii)とジエステル化合物(iii)とジシクロヘキシルフタレート(iv)との組み合わせ、多エステル化合物(i)とリン化合物(ii)とジエステル化合物(iii)とジシクロヘキシルフタレート(iv)との組み合わせが挙げられる。本発明における固体可塑剤は、(1)多エステル化合物(i)とリン化合物(ii)との組み合わせ、(2)多エステル化合物(i)とジエステル化合物(iii)との組み合わせ、(3)多エステル化合物(i)とジシクロヘキシルフタレート(iv)との組み合わせ、(4)多エステル化合物(i)とリン化合物(ii)とジエステル化合物(iii)との組み合わせ、(5)多エステル化合物(i)とジエステル化合物(iii)とジシクロヘキシルフタレート(iv)との組み合わせ、(6)多エステル化合物(i)とリン化合物(ii)とジエステル化合物(iii)とジシクロヘキシルフタレート(iv)との組み合わせの何れかである。これらの中でも、前記多エステル化合物(i)、リン化合物(ii)及びジエステル化合物(iii)の3種の化合物群のうちの少なくとも2種の化合物群に含まれる化合物を含む組み合わせが好ましい。
【0061】
前記4種の化合物群のうちの少なくとも2種の化合物群に含まれる化合物は、それぞれ、固体可塑剤全量に対して、例えば1〜99重量%程度、特に5〜95重量%程度、就中5〜80重量%程度であるのが好ましい。
【0062】
また、上記の4種の化合物群のうち少なくとも2種の化合物群に含まれる化合物を組み合わせて用いる場合を含め、一般に2種以上の固体可塑剤を併用する場合には、該2種以上の固体可塑剤のうち1つの固体可塑剤と他の何れかの固体可塑剤(例えば、モル数の最も多い2種の固体可塑剤)の比率(モル比)が、1:0.7〜1:1.3程度(特に、1:0.8〜1:1.2程度)であるのが好ましい。また、3種以上の固体可塑剤を用いる場合、任意の2種の固体可塑剤の比率(モル比)が上記範囲であるのも好ましい。本発明においては、1つの固体可塑剤と、他の何れかの固体可塑剤との比率(モル比)が、1:0.7〜1:1.3の範囲である。
【0063】
なお、固体可塑剤としては、上記の4種の化合物群に含まれる化合物のほかに、例えば、フタル酸ジフェニル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジイソヘキシル、フタル酸ジナフチル等のフタル酸エステル類;イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジベンジル、イソフタル酸ジジシクロヘキシル等のイソフタル酸エステル類;テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジジシクロヘキシル等のテレフタル酸エステル類;リン酸トリフェニル、リン酸トリ(p−t−ブチルフェニル)などの前記以外のリン化合物;安息香酸スクロース、二安息香酸エチレングリコール、三安息香酸トリメチロールエタン、三安息香酸グリセリド、四安息香酸ペンタエリスロット、八酢酸スクロース、クエン酸トリシクロヘキシル、N−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミド、尿素誘導体、塩化パラフィン等を用いることもできる。
【0064】
本発明において、感熱性粘着剤層における固体可塑剤の含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、例えば30〜1000重量部、好ましくは100〜1000重量部、さらに好ましくは150〜900重量部、特に200〜800程度である。固体可塑剤の含有量が30重量部より少ないと、加熱時に十分な粘着性が発現しない場合が生じ、また、1000重量部よリ多いと、凝集力が低下し十分な接着強度が発現しないことがある。
【0065】
[粘着付与剤など]
感熱性粘着剤層を構成する粘着付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジン及びそれらのグリセリン、ペンタエリスリトール等とのエステル、樹脂酸ダイマー等)、キシレン樹脂等の樹脂類を挙げることができる。これらの粘着付与剤は、2種以上併用してもよい。
【0066】
感熱性粘着剤層中の粘着付与剤の含有量は特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂と前記固体可塑剤との組合せに応じて適宜選択でき、通常、熱可塑性樹脂100重量部に対して10〜600重量部程度であり、20〜500重量部程度が好ましい。
【0067】
前記感熱性粘着剤層には、その特性を損なわない範囲で慣用の添加剤、例えば、成膜助剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、滑剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等)、帯電防止剤、ブロッキング防止剤(無機粒子、有機粒子等)を添加してもよい。
【0068】
前記成膜助剤としては、例えば、エチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレートなどのグリコールエーテル類及びグリコールエステル類;フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチルなどの可塑剤;ベンジルアルコール、トルエン、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサン、シクロヘキサンなどの有機溶剤などが挙げられる。このような成膜助剤を用いると、より短時間の乾燥で均質な感熱性粘着剤層を形成でき、生産効率の一層の効率化を図ることができる。前記成膜助剤の添加量は、例えば、熱可塑性樹脂100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは2〜30重量部程度である。
【0069】
[感熱性粘着剤層]
感熱性粘着剤層は、前記熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び粘着付与剤を含む熱可塑性樹脂組成物(少なくとも前記3成分を含む混合物)を基材上に塗工することにより形成できる。例えば、前記熱可塑性樹脂が水に分散している水性組成物を塗工したり、前記熱可塑性樹脂等を有機溶剤に溶解させて塗工したり、或いは前記熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融して塗工することにより感熱性粘着剤層を形成できる。これらの中でも、熱可塑性樹脂が水に分散している水性組成物を塗工する方法が好ましい。
【0070】
前記水性組成物において、熱可塑性樹脂の分散に用いる分散剤としては、特に限定されるものではなく、従来よリ公知のアニオン系、ノニオン系分散剤(乳化剤)等の何れをも使用することができる。アニオン系分散剤としては、カルボン酸塩(脂肪族モノカルボン酸塩、N−アシロイルグルタミン酸塩、ポリカルボン酸塩など)、硫酸エステル塩(硫酸アルキル塩、硫酸アルキルポリオキシエチレン塩、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル硫酸塩など)、スルホン酸塩(アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物、スルホコハク酸ジアルキルエステルなど)、リン酸エステル塩(リン酸アルキル塩など)等を挙げることができる。これらの中でもカルボン酸アンモニウム塩などが好ましい。ノニオン系分散剤としては、エステル型(グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなど)、エーテル型(ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなど)、エステルエーテル型(ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなど)、アルカノールアミド型(脂肪酸アルカノールアミドなど)、多価アルコール型のものなどを挙げることができる。これらの分散剤は単独で又は2種以上混合して使用できる。
【0071】
前記水性組成物の調製法も、従来より公知の各種の方法を採用することができる。例えば、上記調製法として、熱可塑性樹脂組成物を構成する各成分を予め混合した後に水に分散させる方法、熱可塑性樹脂エマルジョン又は粘着付与剤エマルジョンに固体可塑剤を分散させた後にこれらのエマルジョンを混合する方法、固体可塑剤を水に分散させておき、この固体可塑剤水分散液に熱可塑性樹脂エマルジョン及び粘着付与剤エマルジョンを混合する方法等が挙げられる。固体可塑剤を上記エマルジョン又は水に分散させる方法としては、溶融させた固体可塑剤を分散させる方法、固体可塑剤を微粉末にしながら分散させる方法及び微粉末にした固体可塑剤を分散させる方法等を例示することができる。
【0072】
固体可塑剤を水に分散させる際に用いる分散剤としては、前記アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤等を使用できる。これらの分散剤は単独で又は2種以上混合して使用できる。分散剤の使用量は、分散剤の種類や分散させる固体可塑剤の種類に応じて広い範囲で適当に選択できるが、固体可塑剤100重量部に対して、例えば7〜40重量部、好ましくは8〜35重量部であり、特に10〜30重量部程度であるのが好ましい。
【0073】
なお、熱可塑性樹脂エマルジョンは、乳化重合により調製してもよく、また、乳化重合以外の方法により重合体を得た後、必要に応じて添加剤を用いることによりエマルジョン化して調製してもよい。例えば、水溶性の有機溶剤(例えば、イソプロピルアルコールなどのアルコールなど)の存在下で重合した重合体を含む有機溶液に添加剤(例えば、乳化剤、pH調整剤、酸など)を添加した後、水を添加してエマルジョン化し、その後、有機溶剤を除去することにより熱可塑性樹脂エマルジョンを調製することができる。
【0074】
前記熱可塑性樹脂エマルジョンを調製する際(乳化重合の際、又は重合後のエマルジョン化の際)に用いる乳化剤としては、前記ノニオン系分散剤、アニオン系分散剤などを使用できる。これらの乳化剤(分散剤)は単独で又は2種以上混合して使用できる。
【0075】
水性組成物中の固体可塑剤の平均粒子径は、好ましくは0.5〜20μm程度であり、さらに好ましくは1〜15μm程度である。平均粒子径が0.5μmよリ小さいと耐ブロッキング性が低下したり、粉砕に時間を要して生産性が低下するおそれがある。平均粒子径が20μmを超えると塗工面がざらつき、ラベルの品質が低下するおそれがある。
【0076】
熱可塑性樹脂組成物の塗工方法としては、例えばロールコーター、エヤナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター、コンマコーター、グラビアコーター、シルクスクリーンコーター等を用いた方法を挙げることができる。感熱性粘着剤層はグラビア印刷機などを用いた印刷により形成することもできる。感熱性粘着剤層の厚みは、例えば4〜20μm、好ましくは5〜15μm程度である。
【0077】
本発明は、固体可塑剤と粘着付与剤とを同一層内に共存させ、感熱性粘着剤層を単層で形成しても、加熱により固体可塑剤を溶融させて熱可塑性樹脂を可塑化した後、固体可塑剤が長期に亘って再結晶化せず、プラスチック被着体に対して強い接着力を長期間保持できるという大きな利点を有する。
【0078】
[基材]
本発明では、基材としてプラスチックシート(フィルムをも含む)を用いる。プラスチックシートを構成するポリマーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレート等)、ポリカーボネート、ポリアミド(ポリアミド6、ポリアミド6/6、ポリアミド6/10、ポリアミド6/12等)、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミド6/12等)、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエステル等が挙げられ、さらにこれらの共重合体、ブレンド物、架橋物を用いてもよい。基材は単層であっても複層であってもよい。
【0079】
[感熱性粘着シート]
本発明の感熱性粘着シートの重要な特徴は、該感熱性粘着シートを加熱して粘着性を発現させた後に、プラスチック被着体に貼付した場合の貼り付けから6ヶ月経過時点における接着力が500gf/25mm以上である点にある。前記接着力(接着強度)は、慣用の引張リ試験機を用い、引張り速度300mm/分、剥離角度180°で測定できる。
【0080】
前記プラスチック被着体としては、少なくとも表面がプラスチックで形成されたものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、塩化ビニル樹脂などの塩化ビニル系樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどの熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、フラン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、アリル樹脂、ポリイミドなどの熱硬化性樹脂で形成された成形品(例えば、瓶などの容器等)が挙げられる。
【0081】
前記接着力は、例えば、前記固体可塑剤の組み合わせやその比率(モル比)、熱可塑性樹脂の種類や量、粘着付与剤の種類や量などを適宜選択することにより調整できる。
【0082】
【発明の効果】
本発明の感熱性粘着シートによれば、プラスチックからなる被着体に対して長期間に亘り強い接着性を示すとともに、感熱性粘着剤層を複層化する必要がないので、作業効率よく生産できる。また、ポリオレフィン系樹脂に貼着した場合であっても、強い接着力を長期間持続できる。
【0083】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をよリ詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、固体可塑剤の平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−500)によリ測定し、メジアン径で記載した。
【0084】
調製例1
(固体可塑剤水分散液1の調製)
固体可塑剤として、ビス(シス−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル)フタレート(融点93℃)100重量部、分散剤としてアニオン系界面活性剤(ポリカルボン酸アンモニウム塩)12重量部及び水80重量部を混合し、ボールミルを用いて平均粒子径2.5μmになるまで粉砕することにより、ビス(シス−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル)フタレートの水分散液(固体可塑剤水分散液1)を得た。
【0085】
調製例2
(固体可塑剤水分散液2の調製)
固体可塑剤として、レゾルシノールビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート](融点:95℃)100重量部、分散剤としてアニオン系界面活性剤(ポリカルボン酸アンモニウム塩)15重量部及び水80重量部を混合し、ボールミルを用いて平均粒子径2.4μmになるまで粉砕することにより、レゾルシノールビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート]の水分散液(固体可塑剤水分散液2)を得た。
【0086】
調製例3
(固体可塑剤水分散液3の調製)
固体可塑剤として、トリメチルハイドロキノンジアセテート(融点:109℃)100重量部、分散剤としてアニオン系界面活性剤(ポリカルボン酸アンモニウム塩)15重量部及び水80重量部を混合し、ボールミルを用いて平均粒子径2.5μmになるまで粉砕することにより、トリメチルハイドロキノンジアセテートの水分散液(固体可塑剤水分散液3)を得た。
【0087】
調製例4
(固体可塑剤水分散液4の調製)
固体可塑剤として、ジシクロヘキシルフタレート(融点65℃)100重量部、分散剤としてアニオン系界面活性剤(ポリカルボン酸アンモニウム塩)10重量部、水80重量部を混合し、ボールミルを用いて平均粒子径2.4μmになるまで粉砕することにより、ジシクロヘキシルフタレートの水分散液(固体可塑剤水分散液4)を得た。
【0088】
実施例1
(感熱性粘着剤の調製)
上記で調製した固体可塑剤水分散液1と2を、固体可塑剤のモル比で、ビス(シス−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルフタレート:レゾルシノールビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート]=1:1となるように配合した固体可塑剤水分散液中に、熱可塑性樹脂としてのアクリル系重合体(2−エチルヘキシルアクリレート−スチレン−アクリル酸共重合体、ガラス転移温度Tg:32℃)の水系エマルジョン、粘着付与剤としてのテルペン樹脂の水系分散液及び水を加えて均一になるまで撹拌し、固形分濃度52重量%の感熱性粘着剤を得た。このときの配合比は、固体可塑剤100重量部に対して熱可塑性樹脂(アクリル系重合体)26重量部、粘着付与剤(テルペン樹脂)17重量部であった。
(感熱性粘着シートの作製)
上記で調製した感熱性粘着剤を厚さ25μmの表面をコロナ放電処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、単に「PETフイルム」ともいう)と厚さ50μmの表面をコロナ放電処理したポリプロピレンフィルム(以下、単に「OPPフイルム」ともいう)に、バーコーターを用いて乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗工し、40℃で3分間乾燥させて感熱性粘着シートを得た。
【0089】
実施例2
(感熱性粘着剤の調製)
上記で調製した固体可塑剤水分散液1と3を、固体可塑剤のモル比で、ビス(シス−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルフタレート:トリメチルハイドロキノンジアセテート=1:0.8となるように配合した固体可塑剤水分散液中に、熱可塑性樹脂としてのスチレン−ブタジエン−アクリル酸共重合体(ガラス転移温度Tg:20℃)の水系エマルジョン、粘着付与剤としての水素添加テルペン樹脂の水系分散液及び水を加えて均一になるまで撹拌し、固形分濃度52重量%の感熱性粘着剤を得た。このときの配合比は、固体可塑剤100重量部に対して熱可塑性樹脂(スチレン−ブタジエン−アクリル酸共重合体)38重量部、粘着付与剤(テルペン樹脂)15重量部であった。
(感熱性粘着シートの作製)
上記で調製した感熱性粘着剤を厚さ25μmの表面をコロナ放電処理したPETフイルムと厚さ50μmの表面をコロナ放電処理したOPPフイルムに、バーコーターを用いて乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗工し、40℃で3分間乾燥させて感熱性粘着シートを得た。
【0090】
実施例3
(感熱性粘着剤の調製)
上記で調製した固体可塑剤水分散液1〜3を、固体可塑剤のモル比で、ビス(シス−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル)フタレート:レゾルシノールビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート]:トリメチルハイドロキノンジアセテート=1:1:1となるように配合した固体可塑剤水分散液中に、熱可塑性樹脂としてのアクリル系重合体(2−エチルヘキシルアクリレート−スチレン−アクリル酸−3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン共重合体、ガラス転移温度Tg:32℃)の水系エマルジョン、粘着付与剤としてのテルペン樹脂の水系分散液及び水を加えて均一になるまで撹拌し、固形分濃度52重量%の感熱性粘着剤を得た。このときの配合比は、固体可塑剤100重量部に対して熱可塑性樹脂(アクリル系重合体)31重量部、粘着付与剤(テルペン樹脂)23重量部であった。
(感熱性粘着シートの作製)
上記で調製した感熱性粘着剤を厚さ25μmの表面をコロナ放電処理したPETフィルムと厚さ50μmの表面をコロナ放電処理したOPPフィルムに、バーコーターを用いて乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗工し、40℃で3分間乾燥させて感熱性粘着シートを得た。
【0091】
実施例4
(感熱性粘着剤の調製)
上記で調製した固体可塑剤水分散液1〜4を、固体可塑剤のモル比で、ビス(シス−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルフタレート:レゾルシノールビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート]:トリメチルハイドロキノンジアセテート:ジシクロヘキシルフタレート=1:1:1:1となるように配合した固体可塑剤水分散液中に、熱可塑性樹脂としてのアクリル系重合体(2−エチルヘキシルアクリレート−スチレン−アクリル酸共重合体、ガラス転移温度Tg:32℃)の水系エマルジョン、粘着付与剤としてのテルペン樹脂の水系分散液及び水を加えて均一になるまで撹拌し、固形分濃度50重量%の感熱性粘着剤を得た。このときの配合比は、固体可塑剤100重量部に対して熱可塑性樹脂(アクリル系重合体)26重量部、粘着付与剤(テルペン樹脂)17重量部であった。
(感熱性粘着シートの作製)
上記で調製した感熱性粘着剤を厚さ25μmの表面をコロナ放電処理したPETフイルムと厚さ50μmの表面をコロナ放電処理したOPPフイルムに、バーコーターを用いて乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗工し、40℃で3分間乾燥させて感熱性粘着シートを得た。
【0092】
比較例1
(感熱性粘着剤の調製)
上記で調製したジシクロヘキシルフタレートの水分散液(固体可塑剤水分散液4)中に、熱可塑性樹脂としてのアクリル系重合体(2−エチルヘキシルアクリレート−スチレン−アクリル酸共重合体、ガラス転移温度Tg:32℃)の水系エマルジョン、粘着付与剤としてのテルペン樹脂の水系分散液及び水を加えて均一になるまで撹拌し、固形分濃度50重量%の感熱性粘着剤を得た。このときの配合比は、固体可塑剤(ジシクロヘキシルフタレート)100重量部に対して熱可塑性樹脂(アクリル系重合体)26重量部、粘着付与剤(テルペン樹脂)17重量部であった。
(感熱性粘着シートの作製)
上記で調製した感熱性粘着剤を厚さ25μmの表面をコロナ放電処理したPETフィルムと厚さ50μmの表面をコロナ放電処理したOPPフイルムに、バーコーターを用いて乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗工し、40℃で3分間乾燥させて感熱性粘着シートを得た。
【0093】
比較例2
(感熱性粘着剤の調製)
上記で調製した固体可塑剤水分散液1と2を、固体可塑剤のモル比で、ビス(シス−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルフタレート:レゾルシノールビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート]=0.5:1となるように配合した固体可塑剤水分散液中に、熱可塑性樹脂としてのアクリル系重合体(2−エチルヘキシルアクリレート−スチレン−アクリル酸共重合体、ガラス転移温度Tg:32℃)の水系エマルジョン、粘着付与剤としてのテルペン樹脂の水系分散液及び水を加えて均一になるまで撹拌し、固形分濃度52重量%の感熱性粘着剤を得た。このときの配合比は、固体可塑剤100重量部に対して熱可塑性樹脂(アクリル系重合体)26重量部、粘着付与剤(テルペン樹脂)17重量部であった。
(感熱性粘着シートの作製)
上記で調製した感熱性粘着剤を厚さ25μmの表面をコロナ放電処理したPETフイルムと厚さ50μmの表面をコロナ放電処理したOPPフイルムに、バーコーターを用いて乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗工し、40℃で3分間乾燥させて感熱性粘着シートを得た。
【0094】
性能試験
(接着強度)
PETフィルムとOPPフィルムに塗工して得られた感熱性粘着シートを幅25mm、長さ125mmの大きさに切断して試験片とした。基材としてPETフィルムを用いた試験片については140℃で30秒間加熱し、基材としてOPPフィルムを用いた試験片については130℃で30秒間加熱して粘着性を発現させ、PET板、OPP板、ポリスチレン板(以下、単に「PS板」ともいう)上に置き、ゴムロールで2kgの荷重をかけて1往復することにより貼付した。これを23℃、50%RHの雰囲気下に放置し、1日後、1ヶ月後、6ヶ月後に接着強度試験を行った。接着強度試験は、引張リ試験機(オリエンテック社製、テンシロンUCT−5T)を使用して、引張り速度300mm/分、剥離角度180°で接着力を測定した。その結果を表1に示す。
【表1】
【0095】
表1の結果から、比較例1の感熱性粘着シートは1ヶ月後に固体可塑剤が再結晶化して、接着強度が0になり、比較例2の感熱性粘着シートは6ヶ月後に接着強度が0になってしまうのに対して、実施例1〜4の感熱性粘着シートは、6ヶ月後でも実用上問題ない接着強度を維持していることが分かる。
Claims (6)
- プラスチックシートの少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び粘着付与剤を含有する樹脂組成物からなる感熱性粘着剤層が形成されている感熱性粘着シートにおいて、固体可塑剤が、(1)下記多エステル化合物(i)と下記リン化合物(ii)との組み合わせ、(2)下記多エステル化合物(i)と下記ジエステル化合物(iii)との組み合わせ、(3)下記多エステル化合物(i)と下記ジシクロヘキシルフタレート(iv)との組み合わせ、(4)下記多エステル化合物(i)と下記リン化合物(ii)と下記ジエステル化合物(iii)との組み合わせ、(5)下記多エステル化合物(i)と下記ジエステル化合物(iii)と下記ジシクロヘキシルフタレート(iv)との組み合わせ、(6)下記多エステル化合物(i)と下記リン化合物(ii)と下記ジエステル化合物(iii)と下記ジシクロヘキシルフタレート(iv)との組み合わせの何れかであり、該2種以上の固体可塑剤のうちモル数の最も多い2種の固体可塑剤の比率(モル比)が、1:0.7〜1:1.3の範囲であって、該感熱性粘着シートを加熱して粘着性を発現させた後にプラスチック被着体に貼付した場合の貼り付けから6ヶ月経過時点における接着力が500gf/25mm以上であることを特徴とする感熱性粘着シート。
(i)(A)(A1)1若しくは複数のアルキル基で置換され且つ置換基の炭素数の合計が3以上である置換シクロヘキサン環若しくは置換シクロヘキセン環を有するアルコール又は(A2)6員炭素環を少なくとも含む橋かけ環を有するアルコールと(B)多塩基酸との多エステル化合物
(ii)下記式(1a)、(1b)、(1c)若しくは(2)
で表されるリン化合物
(iii)(C)(C1)ベンゼン環がアルキル基で置換されていてもよいハイドロキノン若しくはレゾルシノール又は(C2)ベンゼン環がアルキル基で置換されたカテコールと(D)有機一塩基酸とのジエステル化合物
(iv)ジシクロヘキシルフタレート - 多エステル化合物(i)が、(A11)1若しくは複数のアルキル基で置換され且つ置換基の炭素数の合計が3以上である置換シクロヘキサノール又は(A21)ヒドロキシル基又はヒドロキシメチル基が結合した6員飽和炭素環を少なくとも含む橋かけ環を有するアルコールと(B)多塩基酸との多エステル化合物である請求項1記載の感熱性粘着シート。
- 多エステル化合物(i)が、ビス(シス−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル)フタレートである請求項1又は2記載の感熱性粘着シート。
- 固体可塑剤が、ビス(シス−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル)フタレートとレゾルシノールビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート]の組み合わせである請求項1〜3の何れかの項に記載の感熱性粘着シート。
- 感熱性粘着剤層における固体可塑剤の含有量が熱可塑性樹脂100重量部に対して30〜1000重量部である請求項1〜4の何れかの項に記載の感熱性粘着シート。
- 感熱性粘着剤層が、熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び粘着付与剤を含み且つ前記熱可塑性樹脂が水に分散した水性組成物の塗工により形成されている請求項1〜5の何れかの項に記載の感熱性粘着シート。
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