JP4214424B2 - 粘着付与剤樹脂エマルジョンおよび水性粘着剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着付与剤樹脂エマルジョンおよび水性粘着剤組成物に関する。詳しくはエマルジョンの貯蔵安定性および通常の条件下における粘着特性が優れるのは勿論のこと、高湿条件下における耐水性にも優れた水性粘着剤組成物を提供しうる粘着付与剤樹脂エマルジョンに関する。
【0002】
【従来の技術】
粘着剤は、紙、プラスチックフィルム等に塗布され、テープ、シート、ラベル等に適用されるものであり、一般的にはアクリル系重合体等のベース樹脂に、タック等の粘着特性を付与するために粘着付与剤樹脂が添加されて使用されている。また、粘着剤は、従来、溶剤型が汎用されてきたが、近年では、大気汚染がないこと、安全衛生に優れていることおよび省資源に適すること等の種々の利点を有するため水性のエマルジョン型粘着剤に転換される傾向にある。
【0003】
従来より、水性粘着剤としては、アクリル系重合体エマルジョン、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、天然ゴムラテックス、クロロプレンラテックス等をベース樹脂とし、これにロジン類、ロジン誘導体、石油系樹脂、テルペン系樹脂等の粘着付与剤樹脂エマルジョンを配合してなる水性粘着剤組成物が知られている。通常、かかるエマルジョンの乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのスルホコハク酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのスルホコハク酸エステル塩等のアニオン性乳化剤や、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のノニオン性乳化剤が使用されている。
【0004】
しかし前記アニオン性乳化剤を使用した場合は、一般にエマルジョンの安定性は優れているが、高湿条件下もしくは湿潤後においては、粘着剤組成物中の乳化剤と水分が結び付くことにより、耐水性の低下の問題、具体的には接着力等の粘着特性の著しい低下や粘着剤塗膜の白化による透明性の低下等の問題がある。
【0005】
一方、前記ノニオン性乳化剤を使用した場合は、一般に耐水性は優れているが乳化性やエマルジョンの貯蔵安定性が劣っていることが多いのが現状であり、乳化性、貯蔵安定性および耐水性を何れも満足させる乳化剤は見出されていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、エマルジョンの乳化性、貯蔵安定性および通常の条件下における接着性、タック等の粘着特性が優れるのはもちろんのこと、高湿条件下における耐水性にも優れた水性粘着剤組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来技術の課題を解決すべく、乳化剤の分子構造面から鋭意検討を重ねた結果、粘着付与剤樹脂エマルジョンの乳化剤として、本発明のノニオン性乳化剤を用いることにより、前記課題をことごとく解決することを見出した。本発明はかかる新たな知見に基づいて完成されたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、乳化剤として、一般式:R1 −O(CH2 CH2 O)m H(但し式中R1 は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基およびアリール分岐アルキル基から選ばれるいずれか少なくとも1種の置換基を有してもよいアリール基を表し、R1 全体のベンゼン環の数が2〜6個であり、mは10〜50の整数を表す)で表されるノニオン性乳化剤(1)および/または一般式:H(CH2 CH2 O)n O−R2 −X−R3 −O(CH2 CH2 O)p H(但し式中R2 、R3 はそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基およびアリール分岐アルキル基から選ばれるいずれか少なくとも1種の置換基を有してもよいアリーレン基を表し、R2 およびR3 全体のベンゼン環の数が4〜8個であり、XはCH2 またはCH(CH3 )を表し、n、pはそれぞれ独立して10〜50の整数を表す)で表されるノニオン性乳化剤(2)のみの存在下に、ロジン類およびロジン類の誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を乳化して得られる粘着付与剤樹脂エマルジョンに関する。さらに本発明はアクリル系重合体エマルジョンおよび/または粘着剤用ラテックス、ならびに前記粘着付与剤樹脂エマルジョンを含有してなる水性粘着剤組成物に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する粘着付与剤樹脂としては、ロジン類、ロジン誘導体を用いることができ、これらの1種を単独でまたは2種以上を混合物として使用できる。
【0010】
ロジン類としてはガムロジン、ウッドロジンもしくはトール油ロジンの原料ロジンまたは前記原料ロジンを不均化もしくは水素添加処理した安定化ロジンや重合ロジン等があげられる。また、ロジン誘導体としてはロジンエステル類、ロジンフェノール類があげられる。ロジンエステル類としては前記ロジン類と多価アルコールとをエステル化反応させて得られたロジンエステル、原料ロジンを部分的にフマル化もしくはマレイン化し、次いでエステル化して得られる部分マレイン化もしくは部分フマル化ロジンの多価アルコールエステル、原料ロジンを部分的にフマル化もしくはマレイン化させた後、不均化し、次いでエステル化して得られる部分マレイン化もしくは部分フマル化不均化ロジンの多価アルコールエステル等をいう。また、ロジンフェノール類とはロジン類にフェノール類を付加させ熱重合したもの、または次いでエステル化したものをいう。なお、前記エステル化に用いられる多価アルコールは、特に制限はされず、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリトール等の各種公知のものを例示できる。
【0012】
これら粘着付与剤樹脂の軟化点は特に限定されず200℃以下の高軟化点のものから液状のものを、各種用途に応じて適宜選択して使用できる。
【0013】
本発明では、前記粘着付与剤樹脂を、本発明のノニオン性乳化剤(1)および/またはノニオン性乳化剤(2)のみの存在下に乳化して、粘着付与剤樹脂エマルジョンを製造する。
【0014】
本発明のノニオン性乳化剤(1)は、一般式:R1 −O(CH2 CH2 O)m H(但し式中R1 は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基およびアリール分岐アルキル基から選ばれるいずれか少なくとも1種の置換基を有してもよいアリール基を表し、R1 全体のベンゼン環の数が2〜6個、好ましくは3個以上であり、mは10〜50の整数を表す)で表される。当該ノニオン性乳化剤(1)は、ベンゼン環を2〜6個、好ましくは3個以上有し、水酸基を1個有するフェノール類にエチレンオキサイドを付加重合することにより得られる。ベンゼン環を2〜6個有し、水酸基を1個有するフェノール類としては、▲1▼オルソ−フェニルフェノール、メタ−フェニルフェノール、パラ−フェニルフェノール等のアリールフェノール類、▲2▼α−ナフトール、β−ナフトール等のナフトール類、▲3▼フェノールまたはアルキルフェノールのベンジル化物、▲4▼フェノールまたはアルキルフェノールのスチリル化物、▲5▼▲1▼または▲2▼のベンジル化物またはスチリル化物等が挙げられる。
【0015】
なお、上記▲1▼、▲5▼のフェノール類は、得られるノニオン性乳化剤(1)において一般式中R1 の置換基としてアリール基を有するものとなり、▲3▼、▲5▼におけるベンジル化物は上記一般式中R1 の置換基としてアリールアルキル基を有するものとなり、▲4▼、▲5▼におけるスチリル化物は上記一般式中R1 の置換基としてアリール分岐アルキル基を有するものとなり、▲3▼、▲4▼においてアルキルフェノールを使用した場合は上記一般式中R1 の置換基としてアルキル基を有するものとなる。また、▲2▼のナフトール類において置換基を有さないナフトールを使用した場合は、上記一般式中R1 においても置換基を有さない。
【0016】
また、本発明のノニオン性乳化剤(2)は、一般式:H(CH2 CH2 O)n O−R2 −X−R3 −O(CH2 CH2 O)p H(但し式中R2 、R3 はそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基およびアリール分岐アルキル基から選ばれるいずれか少なくとも1種の置換基を有してもよいアリーレン基を表し、R2 およびR3 全体のベンゼン環の数が4〜8個であり、XはCH2 またはCH(CH3 )を表し、n、pはそれぞれ独立して10〜50の整数を表す)にて表される。当該ノニオン性乳化剤(2)は、▲6▼前記▲3▼または▲4▼のホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒド縮合物(水酸基を2個有する)に対し、エチレンオキサイドを付加重合することにより得られる。
【0017】
また前記付加重合されるエチレンオキサイドの重合度は、前記▲1▼〜▲6▼のフェノール類または縮合物の水酸基1モル当量に対し10〜50モル程度、好ましくは下限が20モル、上限が40モルの範囲で付加重合して用いられる。10モル以下ではエマルジョンの安定性が劣り、50モル以上では水性粘着剤組成物の耐水性が低下し、発泡しやすくなり作業性も低下する。これらノニオン性乳化剤(1)および/またはノニオン性乳化剤(2)(以下、単にノニオン性乳化剤という)は乳化する樹脂に適したものを選択し、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。また、ノニオン性乳化剤のうち好ましくはノニオン性乳化剤(1)であり、より好ましくは上記▲3▼〜▲5▼のフェノール類から得られたノニオン性乳化剤(1)である。中でも▲4▼のフェノール類から得られたノニオン性乳化剤(1)が最も好ましい。
【0018】
本発明では、前記ノニオン性乳化剤を用いて粘着付与剤樹脂を乳化して、粘着付与剤樹脂エマルジョンを製造する。
【0019】
前記ノニオン性乳化剤の使用量は特に限定されないが、粘着付与剤樹脂100重量部に対し、通常は固形分換算で1〜10重量部程度、好ましくは下限が2重量部、上限が7重量部である。10重量部を越える場合には得られる水性粘着剤組成物の耐水性が低下し、また1重量部に満たない場合には乳化時の樹脂エマルジョンの貯蔵安定性が悪くなる。
【0020】
乳化方法としては、従来より知られている高圧乳化法、反転乳化法等を採用できる。具体的には(ア)前記粘着付与剤樹脂をベンゼン、トルエン等の溶剤に溶解したのち前記ノニオン性乳化剤および軟水を添加し、高圧乳化機を用いてエマルジョン化したのち減圧下に溶剤を除去する方法、(イ)粘着付与剤樹脂に少量のベンゼン、トルエン等の溶剤を混合し、つづいて前記ノニオン性乳化剤を練り込み、さらに熱水を徐々に添加してゆき転相乳化させてエマルジョンを得たのち溶剤を減圧下に除去またはそのまま使用する方法、(ウ)加圧下または常圧下にて樹脂の軟化点以上に昇温して前記ノニオン性乳化剤を練り込み、熱水を徐々に添加して行き転相乳化させてエマルジョン化する方法等をあげることができる。
【0021】
かくして得られた粘着付与剤樹脂エマルジョンの固形分濃度は特に限定されるものではないが、通常20〜70重量%程度となるように適宜に調整して用いる。また、得られたエマルジョンの平均粒子径は、通常0.2〜2μm程度であり、大部分は0.5μm以下の粒子として均一に分散している。また、該エマルジョンは白色ないし乳白色の外観を呈し、2〜9程度のpHを有する。
【0022】
前記で得られた本発明の粘着付与剤樹脂エマルジョンは、ベース樹脂であるアクリル系重合体エマルジョンおよび/または粘着剤用ラテックスに配合されてなる。
【0023】
アクリル系重合体エマルジョンは、一般に各種のアクリル系粘着剤に用いられているものを使用でき、(メタ)アクリル酸エステルを一括仕込み重合法、モノマー逐次添加重合法、乳化モノマー逐次添加重合法、シード重合法等の公知の乳化重合法により容易に製造することができる。
【0024】
使用される(メタ)アクリル酸エステルとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等をあげることができ、これらを単独でもしくは二種以上を混合して用いる。また、得られるエマルジョンに貯蔵安定性を付与するため前記(メタ)アクリル酸エステルに換えて(メタ)アクリル酸を少量使用してもよい。さらに所望により(メタ)アクリル酸エステル重合体の接着特性を損なわない程度において、たとえば、酢酸ビニル、スチレン等の共重合可能なモノマーを併用できる。これら(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする重合体のガラス転移温度は通常−70〜0℃程度、好ましくは下限が−60℃、上限が−10℃である。0℃を越える場合にはタックが著しく低下し好ましくない。なお、アクリル系重合体エマルジョンに用いられる乳化剤にはアニオン系乳化剤、部分ケン化ポリビニルアルコール等を使用でき、その使用量は重合体100重量部に対して0.1〜5重量部程度、好ましくは下限が0.5重量部、上限が3重量部である。
【0025】
アクリル系重合体エマルジョンと粘着付与剤樹脂エマルジョンの使用割合は、アクリル系重合体エマルジョン100重量部(固形分換算)に対して、粘着付与剤樹脂エマルジョンを通常5〜30重量部程度(固形分換算)とするのがよい。粘着付与剤樹脂エマルジョンが5重量部に満たない場合には、粘着付与剤樹脂を添加することによる改質がほとんど認められず、また30重量部を超える場合には凝集力が低下する傾向にありいずれの場合も適当ではない。
【0026】
また、粘着剤用ラテックスとしては、天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、クロロプレンラテックス等があげられる。天然ゴムラテックスとは、水性粘着剤組成物に用いられる公知のものを使用でき、解重合したもの、解重合しないもののいずれでもよい。スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、クロロプレンラテックスも通常、粘着剤用として市販されているものを使用できる。またスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、クロロプレンラテックスはカルボキシ変性されたものでもよい。
【0027】
粘着剤用ラテックスと粘着付与剤樹脂エマルジョンの使用割合は、粘着剤用ラテックス100重量部(固形分換算)に対して、粘着付与剤樹脂エマルジョンを通常5〜150重量部程度(固形分換算)とするのがよい。粘着付与剤樹脂エマルジョンが5重量部に満たない場合は、粘着付与剤樹脂を添加することによる改質がほとんど認められず、また150重量部を超える場合には凝集力が低下する傾向にありいずれの場合も適当ではない。
【0028】
本発明の水性粘着剤組成物は、ベース樹脂としてアクリル系重合体エマルジョンと粘着剤用ラテックスを併用することもでき、さらに必要に応じて消泡剤、増粘剤、充填剤、酸化防止剤、耐水化剤、造膜助剤等を若干使用してもよい。
【0029】
【発明の効果】
本発明により得られる粘着付与剤樹脂エマルジョンは、貯蔵安定性が良好であり、また得られた水性粘着剤組成物は、従来の水性粘着剤組成物と同様の優れた接着力、タック等の粘着特性を有するのはもちろん、特に高湿条件下または湿潤後において耐水接着力、耐水白化性等の耐水性に優れるといった特徴を有する。
【0030】
【実施例】
以下に、製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら各例に限定されるものではない。なお、各例中、部及び%は重量基準である。
【0031】
製造例1(アクリル系重合体エマルジョンの製造例)
攪拌装置、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた四つ口フラスコに、窒素ガス気流下、70℃で、水43.40部およびアニオン性乳化剤(「ハイテノールS」、固形分50%、第一工業製薬(株)製)0.92部を溶解した。また、(1)ブチルアクリレート45.10部およびアクリル酸1.40部と、(2)触媒(過硫酸カリウム)0.24部、pH調整剤(重曹)0.11部および水8.83部を、それぞれ別々の滴下ロートから、1/10量ずつ滴下し、70℃で窒素ガス気流下にて30分間予備反応を行ない、その後、(1)および(2)の9/10量を2時間かけて滴下重合を行なった。(1)および(2)の全量を滴下し終った後、70℃で1時間完結反応を行ない、室温に冷却後、100メッシュ金網ろ過を行ないながら取り出し、固形分45.7%のアクリル系重合体エマルジョンを得た。
【0032】
実施例1
軟化点125℃の安定化ロジンのペンタエリスリトールエステル(粘着付与剤樹脂)100部を、トルエン60部に100℃にて約1時間溶解した後、80℃まで冷却した。次いで乳化剤としてポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル(エチレンオキサイドの重合度27)を固形分換算で5部および水160部を添加し、75℃にて1時間強攪拌し予備乳化を行なった。さらに得られた予備乳化物を高圧乳化機(マントンガウリン社製)により300kg/cm2 の圧力で高圧乳化して乳化物を得た。次いで、減圧蒸留装置に前記乳化物200部を仕込み50℃、100mmHgの条件下に6時間減圧蒸留を行ない、固形分50%の粘着付与剤樹脂のエマルジョンを得た。
【0033】
このようにして得た安定化ロジンのペンタエリスリトーエステルのエマルジョン20部(固形分換算)と、前記製造例1で得られたアクリル系重合体エマルジョン80部(固形分換算)を混合し水性粘着剤組成物を得た。
【0034】
実施例2、3、比較例1〜5
実施例1において、乳化剤を表1に示すノニオンB、C、D、E、FおよびアニオンG、Hに代えて用いた以外は実施例1と同様にして粘着付与剤樹脂のエマルジョン化を行った。なお、実施例3のノニオンCは前記ノニオン性乳化剤(2)であり、表1中のエチレンオキサイドの重合度は前記一般式中のnおよびpの各々の重合度を示す。さらに得られた粘着付与剤樹脂のエマルジョンを用いて、実施例1と同様にして水性粘着剤組成物を得た。
【0035】
【表1】
【0036】
実施例および比較例で行った、粘着付与剤樹脂のエマルジョン化における乳化性の良否を目視判定した。判定結果は表2に示す。
○:乳化性良好
△:乳化性やや不良(少量の凝集物の発生が見られる)
×:乳化性不良(安定なエマルジョンが得られない)
【0037】
さらに、実施例および比較例で得られた水性粘着剤組成物を、厚さ35μmのポリエステルフィルムに塗布後、105℃の循風乾燥器中にて3分間乾燥し、糊厚が25μmの粘着シートを作成した。得られた粘着シートを以下の試験に供した。評価結果は表2に示す。なお、比較例1および2は安定なエマルジョンが得られなかったため、下記の評価を行うことができなかった。
【0038】
(1)耐水接着力:前記粘着シートを幅25mmに切り、被着体(SS:ステンレス板またはPP:ポリプロピレン板)に貼り合わせ、20℃水中に24時間浸漬した。水中から粘着シートを貼り合わせた被着体を取り出した後、直ちに180度剥離テストを、引張速度300mm/分、測定温度20℃の条件で行い、接着力(kg/25mm)を測定した。
【0039】
(2)耐水白化性:前記粘着シートを適当な大きさに切り、20℃水中に24時間浸漬した後、粘着シートの白化度合いを目視にて観察した。
◎:変化無し ○:僅かに白濁 △:白濁 ×:強白濁
【0040】
【表2】
Claims (4)
- 乳化剤として、一般式:R1 −O(CH2 CH2 O)m H(但し式中R1 は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基およびアリール分岐アルキル基から選ばれるいずれか少なくとも1種の置換基を有してもよいアリール基を表し、R1 全体のベンゼン環の数が2〜6個であり、mは10〜50の整数を表す)で表されるノニオン性乳化剤(1)および/または一般式:H(CH2 CH2 O)n O−R2 −X−R3 −O(CH2 CH2 O)p H(但し式中R2 、R3 はそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基およびアリール分岐アルキル基から選ばれるいずれか少なくとも1種の置換基を有してもよいアリーレン基を表し、R2 およびR3 全体のベンゼン環の数が4〜8個であり、XはCH2 またはCH(CH3 )を表し、n、pはそれぞれ独立して10〜50の整数を表す)で表されるノニオン性乳化剤(2)のみの存在下に、ロジン類およびロジン類の誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を乳化して得られる粘着付与剤樹脂エマルジョン。
- アクリル系重合体エマルジョンおよび/または粘着剤用ラテックスならびに請求項1に記載の粘着付与剤樹脂エマルジョンを含有してなる水性粘着剤組成物。
- アクリル系重合体エマルジョン100重量部(固形分換算)に対し、粘着付与剤樹脂エマルジョン5〜30重量部(固形分換算)を使用してなる請求項2記載の水性粘着剤組成物。
- 粘着剤用ラテックス100重量部(固形分換算)に対し、粘着付与剤樹脂エマルジョン5〜150重量部(固形分換算)を使用してなる請求項2または3記載の水性粘着剤組成物。
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