JP5579673B2 - アクリル樹脂粘着剤 - Google Patents

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Description

本発明はアクリル樹脂粘着剤に関するものであり、より詳細にはクマロン・インデン樹脂を粘着付与剤として用いたアクリル樹脂粘着剤に関するものである。
クマロン及びインデンを主たる成分として含有するクマロン・インデン樹脂は、従来から各種接着剤や粘着テープ等に幅広く使用されているが、これらの用途に使用される際には、通常、有機溶剤に溶解させた樹脂溶液として、またはホットメルト形式で使用に供されてきた。
しかし、このような従来のクマロン・インデン樹脂は、有機溶剤による健康被害、環境汚染、VOC(揮発性有機化合物)の放出、火災発生の危険性、排ガス処理、残存溶剤の処理、熱エネルギーの消費、ホットメルト設備への投資等、作業者の安全衛生、消防法、環境関係法規、並びに、工程における経済性など、種々の問題を包含している。
これに対し、近年、この樹脂を水系化したクマロン・インデン樹脂水分散体を提供する取り組みがなされている。例えば、20重量%以下の溶剤を含有するエポキシ変性や水素化されたクマロン・インデン樹脂を樹脂成分として含有する炭化水素樹脂溶液と、水、乳化剤、乳化安定剤等とを混合、乳化してなるエポキシ変性や水素化されたクマロン・インデン樹脂乳化組成物を配合した粘着剤・接着剤に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1、2)。
しかし、エポキシ変性や水素化されたクマロン・インデン樹脂乳化組成物は、上記性能を必ずしも充分に発揮し得るものではなく、未だ多くの解決すべき問題点が残されている。例えば、有機溶剤の含有による作業環境悪化や健康被害等の安全衛生上の問題や、また、火災発生の危険性、排ガス処理、VOC削減などの課題も解決されていない。
一方、有機溶剤を使用しないエマルションの製造方法としては、高圧乳化法、転相乳化法、無溶剤型乳化法など種々の方法があり、これらの方法で得られた粘着付与剤としては、高圧乳化法で得られる重合ロジンエステルエマルション(例えば、特許文献3)、転相乳化法で得られるアクリル酸変性不均斉化ロジンエステルエマルション(例えば、特許文献4)、無溶剤型乳化法で得られる重合ロジンエステルエマルション(例えば、特許文献5)を粘着付与剤として添加した粘着剤組成物等が開示されている。
上記のうち、高圧乳化法では、樹脂の軟化点に関わらず、作業上の問題なく安定なエマルションが得られるが、有機溶剤を使用するために粘着付与剤の製造時に、労働安全衛生上好ましくないという問題があった。また、溶剤を減圧蒸留により除去する工程が必須となるため、多くのエネルギーを消費するうえ、溶剤を完全に除去することは困難であり、溶剤が残留するという問題があった。さらに、使用する有機溶剤としては、作業性やコストの観点からトルエン等の芳香族系有機溶剤が一般的であるが、近年その環境に対する影響から芳香族系有機溶剤の使用が敬遠されるようになってきている。
また、転相乳化法では、粘着付与剤の製造時に溶剤を使用しないため、粘着付与剤中に溶剤を一切含有しないという利点があるが、従来の方法では低軟化点の樹脂については、安定なエマルションを得る技術が確立されているものの、高軟化点樹脂については分散性が悪いため、凝固物が多量に副生し、収率やろ過時の作業性が著しく低下するなどの問題を抱えていた。
さらに、完全無溶剤型乳化法では、粘着付与剤の製造時に溶剤を使用しないため、粘着付与剤中に溶剤を一切含有せず、加圧条件を1〜2.8MPaの範囲とすることにより、加熱条件を軟化点よりも10〜15℃高い温度に設定できる利点があるが、加圧条件の範囲外では分散性が悪くなり、その結果、凝固物が多量に発生し、収率を大幅に低下させる、または設備的な不具合を発生させ易く、長時間の連続運転に耐えることが出来ない等の生産性に問題があった。
さらにこれらの製造方法により得られた粘着付与剤を粘接着剤に用いても、必ずしも充分な粘着力を発揮しなかったり、添加しない場合と比較して貯蔵安定性が低下する等の解決すべき問題点が未だ多く残されている。
特開平2−86644号公報 特開平2−86645号公報 特開2001−49227号公報 特開2005−330436号公報 特開2011−006662号公報
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、貯蔵安定性が低下することなしに粘着力が従来より向上し、溶剤や可塑剤などを使用することがないため環境汚染などの問題がなく、安全衛生に優れ、さらに設備的な不具合を発生することがないアクリル樹脂粘着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、クマロン・インデン樹脂水分散体を粘着付与樹脂として添加したアクリル樹脂粘着剤が、優れた貯蔵安定性と粘着力を有し、作業中の環境汚染および火災などの問題がなく、安全衛生に優れ、さらに設備的な不具合を発生することがない等、種々の利点を有することを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明のアクリル樹脂粘着剤は、上記の課題を解決するために、粘着付与剤としてクマロン・インデン樹脂水分散体を用いたものであって、クマロン・インデン樹脂水分散体が、モノマー成分としてクマロンおよびインデンを合計量で50重量%以上含み、常温で固形であるクマロン・インデン樹脂を界面活性剤の存在下で、湿式粉砕・分散法にて分散させた水分散体であり、上記界面活性剤として、下記一般式(I)で表される界面活性剤(a)及び下記一般式(II)で表される界面活性剤(b)を用いたものとする。
Figure 0005579673
但し、上記一般式(I)において、Rは炭素数8〜22のアルキル基、炭素数8〜22のアルケニル基、及び下記一般式(III)〜(V)のいずれかで表される芳香族誘導体残基からなる群から選択された1種又は2種以上を示し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、pはアルキレンオキサイドの平均付加モル数であり、0〜30の数を示し、Xは下記一般式(VI)〜(VIII)のいずれかで表されるアニオン性基を表し、一般式(VI)〜(VIII)におけるMは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム、アルカノールアミン類のいずれかを表す。
また、上記一般式(II)において、Rは炭素数8〜15のアルキル基、炭素数8〜15のアルケニル基、及び下記一般式(III)〜(V)のいずれかで表される芳香族誘導体残基からなる群から選択された1種又は2種以上を示し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、qはアルキレンオキサイドの平均付加モル数であり、0〜100の数を示す。
Figure 0005579673
Figure 0005579673
また、界面活性剤としては、上記界面活性剤(a)及び/又は界面活性剤(b)に加えて、下記一般式(IX)で表される界面活性剤(c)をさらに用いることもできる。
Figure 0005579673
但し、一般式(IX)において、Rは炭素数10〜15の1級又は2級のアルキル基、炭素数10〜15の1級また2級のアルケニル基、炭素数が10〜18である1級又2級のヒドロキシアルキル基、アルキルベンゼン残基、ジアルキルコハク酸エステル残基からなる群から選択された1種又は2種以上を示し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム、又はアルカノールアミン類を示す。
本発明のアクリル樹脂粘着剤は、従来の粘着付与剤を添加した場合に比べて、貯蔵安定性が低下せずに、優れた粘着力を示すものとなる。また、有機溶剤を使用しないので、火災の危険性や環境衛生上の問題点が少なく、従来技術の数多くの課題を解決することが可能となる。
1.クマロン・インデン樹脂水分散体
本発明で使用するクマロン・インデン樹脂水分散体は、クマロン・インデン樹脂が有機溶剤を使用せずに水中に分散したものであればよく、特に限定されるものではないが、本発明者らが先に出願している特願2010−274545号明細書に記載のクマロン・インデン樹脂水分散体を好適に用いることができる。
具体的には、モノマー成分としてクマロン、インデンを合計量で50重量%以上含み、常温で固形のクマロン・インデン樹脂を界面活性剤の存在下で湿式粉砕・分散法にて分散された水分散体である。
分散母体として使用するクマロン・インデン樹脂の軟化点に関しては、湿式粉砕・分散工程の特性上でクマロン・インデン樹脂の軟化点が特に限定されることはないが、水分散体の安定性確保、所望される応用用途への適用性、良好な配合特性、塗工性、粘接着付与性の向上の点からは、60℃以上であるのが好ましく、より好ましくは70〜170℃である。
界面活性剤は特に限定されないが、非イオン性界面活性剤の具体的な例としては、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンベンジル化フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンパラクミルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドアルキレンオキサイド付加物、アルキルグリコシド、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
また、アニオン性界面活性剤の具体的な例としては、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルスルホコハク酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルカンスルホン酸塩、第2級アルカンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、更に、高級アルコールリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、脂肪酸石けん、不均化ロジン石けん、ロート油等が挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤の具体的な例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルエチルアンモニウムエチル硫酸塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、アルキルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、脂肪酸ジメチルアミノプロピルアミド・脂肪酸中和物、高級アミン塩、アルキルピリジニウム塩等が挙げられる。
さらに、両性界面活性剤の具体的な例としては、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、アルキルジエチレントリアミノ酢酸、ジアルキルジエチレントリアミノ酢酸、アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
また、高分子界面活性剤の具体的な例としては、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、スチレン・マレイン酸コポリマーアンモニウム塩、スチレン・マレイン酸ハーフエステルコポリマーアンモニウム塩、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、ポリアルキレンポリアミンアルキレンオキシド付加物、ポリアルキレンポリイミンアルキレンオキシド付加物、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール(部分けん化型)、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリメチルビニルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン第四級アンモニウム、カルボキシビニルポリマー、アルキルビニルエーテル・マレイン酸交互共重合体(塩)、酢酸ビニル・マレイン酸共重合体(塩)、ジイソブチレン・マレイン酸交互共重合体(塩)、アルキルビニルエーテル・マレイン酸ジエチル交互共重合体(塩)、オクタデセン−酢酸ビニル共重合体、マレイン化ポリブテン、マレイン化ポリブタジエン、テロマー型界面活性剤、ポリアリル型カチオンオリゴソープ、カチオン化セルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
また、下記一般式(I)で表される界面活性剤(a)及び/又は下記一般式(II)で表される界面活性剤(b)を特に好適に用いることができる。
Figure 0005579673
但し、上記一般式(I)において、Rは炭素数8〜22のアルキル基、炭素数8〜22のアルケニル基、及び下記一般式(III)〜(V)のいずれかで表される芳香族誘導体残基からなる群から選択された1種又は2種以上を示し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、pはアルキレンオキサイドの平均付加モル数であり、0〜30の数を示し、Xは下記一般式(VI)〜(VIII)のいずれかで表されるアニオン性基を表し、一般式(VI)〜(VIII)におけるMは、水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム、アルカノールアミン類のいずれかを表し、上記一般式(II)において、Rは炭素数8〜15のアルキル基、炭素数8〜15のアルケニル基、及び下記一般式(III)〜(V)のいずれかで表される芳香族誘導体残基からなる群から選択された1種又は2種以上を示し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、qはアルキレンオキサイドの平均付加モル数であり、0〜100の数を示す。
Figure 0005579673
Figure 0005579673
上記界面活性剤としては、一般式(I)で表される界面活性剤(a)と下記一般式(II)で表される界面活性剤(b)と共に下記一般式(IX)で表される界面活性剤(c)をさらに用いることもできる。界面活性剤(c)をさらに用いた場合、機械的安定性や低温流動性がより向上するという効果が得られる。
Figure 0005579673
但し、一般式(IX)において、Rは、炭素数10〜15の1級又は2級のアルキル基、炭素数10〜15の1級また2級のアルケニル基、炭素数が10〜18である1級又2級のヒドロキシアルキル基、アルキルベンゼン残基、ジアルキルコハク酸エステル残基からなる群から選択された1種又は2種以上を示し、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム、又はアルカノールアミン類を示す。
これらの界面活性剤の使用量は、所望する水分散体が湿式粉砕・分散工程で得られる範囲で適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、通常はクマロン・インデン樹脂100重量部に対して0.1〜200重量部の範囲である。
クマロン・インデン樹脂水分散体の製造方法は、特に限定されるものではないが、界面活性剤を水に添加する第一工程と、クマロン・インデン樹脂を上記界面活性剤溶液に添加する第二工程とを含み、更に各種助剤などを添加する第三工程を含む方法が好ましい。
第二工程において、クマロン・インデン樹脂を界面活性剤溶液に投入する際の条件については特に限定されるものではないが、湿式粉砕・分散工程中に処理液の液温が上昇することから、仕込み時の液温は30℃以下であることが望ましい。また、工程中において湿式粉砕・分散装置の運転中、並びに水分散体の調整工程、並びに貯蔵、充填工程では、所定の方法によって除熱操作或いは冷却操作を行うことは、本発明においても好適な操作であり、処理中のクマロン・インデン水分散体の温度は5〜50℃であるのが好ましく、10〜30℃であることがより好ましい。
クマロン・インデン樹脂水分散体の固形分は1〜60重量%の範囲内にあるのが好ましい。また、クマロン・インデン樹脂水分散体の平均粒子径は0.1〜20μmの範囲内にあることが好ましく、0.1〜5μmにあるのがより好ましい。
2.アクリル樹脂
アクリル樹脂としては、直鎖又は分岐のアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体又は共重合体を用いることができる。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等を挙げることができ、これらを単独で、又は二種以上を混合して用いることができる。これらの(メタ)アクリル酸エステルの他に、アクリル系重合体の接着特性を損なわない程度において、酢酸ビニル、スチレンのほか、分岐脂肪酸のビニルエステル、一例としてシェル社のVeoVa(商標)シリーズ等の共重合可能なモノマーや、高分子乳化剤に用いられる(メタ)アクリル酸以外のイオン性モノマーも併用できる。
これらアクリル樹脂は、従来から各種アクリル系粘着剤・接着剤に用いられているアクリル系重合体エマルジョンの形態で用いることができる。本明細書においては、これを「水性アクリル樹脂」というものとする。なお、この水性アクリル樹脂の貯蔵安定性を向上させるために、上記(メタ)アクリル酸エステルと共に(メタ)アクリル酸を少量使用してもよい。
水性アクリル樹脂としては、市販され、一般に入手可能なものが特に限定なく使用できるが、水中に乳化または分散する共重合体のガラス転移温度が−20℃より高いアクリル樹脂では粘着性が乏しいものとなり、一方、−80℃より低くなると高温凝集力が低下して好ましくない点から、ガラス転移温度が−80℃〜−20℃である(メタ)アクリル系共重合体が水中に乳化または分散されたものを好適に用いることができる。
3.アクリル樹脂粘着剤
本発明のアクリル樹脂粘着剤は、上記水性アクリル樹脂に、上記クマロン・インデン樹脂水分散体を粘着付与剤として配合することにより得られる。
クマロン・インデン樹脂水分散体の使用割合は、水性アクリル樹脂100重量部(固形分換算)に対して5〜45重量部(固形分換算)とするのが好ましく、より好ましくは7〜45重量部程度(固形分換算)とする。水性アクリル樹脂100重量部(固形分換算)に対するクマロン・インデン樹脂水分散体の使用割合が45重量部(固形分換算)を越えると粘着力の向上効果がそれ以上増大しないので経済的に不利となる。
4.その他の配合成分、用途等
本発明のアクリル樹脂粘着剤には、必要に応じて消泡剤、防腐剤、増粘剤、充填剤、酸化防止剤、耐水化剤、造膜助剤、光安定化剤等を使用することもできる。
本発明により得られるアクリル樹脂粘着剤の用途としては、例えば、粘着テープ、粘着性シート、ラベル、両面粘着テープ等が挙げられる。
本発明により得られるアクリル樹脂粘着剤が使用される基材としては通常用いられるものが特に限定なく使用でき、例えば、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリプロピレン等をはじめ、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリウレタン、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、全芳香族ポリアミド、ポリフェニルスルフイド、アラミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース系樹脂、シリコーン樹脂、セロハン等のフィルムが使用できる。また、ポリウレタン、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリエチレン、ゴム等からなる発泡体、金属、金属箔、パルプ、レーヨン、その他の上記プラスチック類等からなる繊維で作られた紙、布、不織布等が挙げられる。
以下、本発明を実施例・比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。また、特に指定しない限り、下記実施例および比較例中、「部」又は「%」とあるのは、それぞれ「重量部」又は「重量%」を表すものとする。
1.クマロン・インデン樹脂分散体A〜Fの調製
下記表1に示す配合処方に従って、各配合成分を仕込んだ処方液3Lを混合撹拌した。この混合物をビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、横型湿式分散機 ダイノーミル、容量1.4L)を用いて、送液速度750mL/分、ディスク周速度8m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを50体積%充填した条件で2時間分散してクマロン・インデン樹脂の水分散体A〜Fを調製した。
Figure 0005579673
2.アクリル樹脂粘着剤の調製
[実施例1〜18]
粘着エラストマーとして水性アクリル樹脂((株)イーテック製、商品名 AE−200A、樹脂固形分51%)と粘着付与剤としてクマロン・インデン樹脂水分散体A〜Fとを表1に示した割合でそれぞれ混合し、アクリル樹脂粘着剤を得た。
水性アクリル樹脂及びクマロン・インデン樹脂水分散体A〜Fの使用割合は、表2に示した通り、水性アクリル樹脂100重量部(固形分換算)に対して7.4〜24.5重量部(固形分換算)の範囲とした。
[比較例1〜9]
水性アクリル樹脂と、粘着付与剤としてのクマロン・インデン樹脂水分散体の代わりにロジンエステル樹脂エマルションA(荒川化学工業(株)製、商品名 スーパーエステルNS−100H、固形分50%)、ロジンエステル樹脂エマルションB(荒川化学工業(株)製、商品名 スーパーエステルNS−121、固形分50%)、テルペンフェノール樹脂エマルション(荒川化学工業(株)製、商品名 タマノルE−200NT、固形分53%)をそれぞれ用いた以外は実施例1〜9と同様にして、アクリル樹脂粘着剤を得た。
水性アクリル樹脂及びロジンエステル樹脂エマルション、ロジンエステル(酸価付与)樹脂エマルション、及びテルペンフェノール樹脂エマルションの使用割合は、表2に示した通り、水性アクリル樹脂100重量部(固形分換算)に対して7.4〜24.5重量部(固形分換算)の範囲とした。
2.アクリル樹脂粘着剤の性能評価等
(1)粘着テープの作成・粘着力の測定
実施例1〜18、比較例1〜9で得られたアクリル樹脂粘着剤を、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにバーコーターを用いて、乾燥膜厚が15μm程度となるように塗布し、次いで105℃で15分間乾燥して粘着テープを作成した。得られた粘着テープにつき、以下の測定方法にて粘着力の測定を行なった。結果を表2及び表3に示す。
〔粘着力の測定〕
JIS Z 0237に準じて、粘着テープ(粘着面:幅25mm×長さ80mm)をSUS304鋼板(鏡面仕上げ)に貼り付けて試験片とし、同じくJIS Z 0237に準じて、気温23±2℃、剥離速度300±30mm/分、角度180°で引きはがし、その時の粘着力(N/25mm)を測定した。
(2)貯蔵安定性の評価
実施例1〜18、比較例1〜9で得られたアクリル樹脂粘着剤を室温で1週間保管した後の状態を目視にて観察し、以下の基準で評価した。結果を表2及び表3に示す。
○:変化なし
△:一部沈降または凝集が認められる
×:顕著に沈降または凝集が認められる
(3)機械的安定性の評価
実施例1〜18、比較例1〜9で得られたアクリル樹脂粘着剤をマーロン型試験機にて荷重10kg、回転数1000rpmで5分間撹拌し、生成した凝集物を80メッシュの金網で濾過し、残渣を水洗後、乾燥し、その乾燥残渣の重量をアクリル樹脂粘着剤の固形分に対する重量%で示した。なお、得られた乾燥残渣が1.0%以下の場合、機械的安定性が良好と判断した。結果を表2及び表3に示す。
Figure 0005579673
Figure 0005579673

Claims (2)

  1. 粘着付与剤としてクマロン・インデン樹脂水分散体を用いたアクリル樹脂粘着剤であって、
    前記クマロン・インデン樹脂水分散体が、モノマー成分としてクマロンおよびインデンを合計量で50重量%以上含み、常温で固形であるクマロン・インデン樹脂を界面活性剤の存在下で、湿式粉砕・分散法にて分散させた水分散体であり、前記界面活性剤として、下記一般式(I)で表される界面活性剤(a)及び下記一般式(II)で表される界面活性剤(b)を用いたことを特徴とするアクリル樹脂粘着剤。
    Figure 0005579673
    但し、上記一般式(I)において、R 1 は炭素数8〜22のアルキル基、炭素数8〜22のアルケニル基、及び下記一般式(III)〜(V)のいずれかで表される芳香族誘導体残基からなる群から選択された1種又は2種以上を示し、A 1 Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、pはアルキレンオキサイドの平均付加モル数であり、0〜30の数を示し、Xは下記一般式(VI)〜(VIII)のいずれかで表されるアニオン性基を表し、一般式(VI)〜(VIII)におけるMは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム、アルカノールアミン類のいずれかを表し、
    上記一般式(II)において、R 2 は炭素数8〜15のアルキル基、炭素数8〜15のアルケニル基、及び下記一般式(III)〜(V)のいずれかで表される芳香族誘導体残基からなる群から選択された1種又は2種以上を示し、A 2 Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、qはアルキレンオキサイドの平均付加モル数であり、0〜100の数を示す。
    Figure 0005579673
    Figure 0005579673
  2. 前記界面活性剤として下記一般式(IX)で表される界面活性剤(c)をさらに用いことを特徴とする、請求項に記載のアクリル樹脂粘着剤。
    Figure 0005579673
    但し、一般式(IX)において、R3は炭素数10〜15の1級又は2級のアルキル基、炭素数10〜15の1級また2級のアルケニル基、炭素数が10〜18である1級又2級のヒドロキシアルキル基、アルキルベンゼン残基、ジアルキルコハク酸エステル残基からなる群から選択された1種又は2種以上を示し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム、又はアルカノールアミン類を示す。
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