JP2007197692A - ポリマーエマルジョンおよびその製造方法 - Google Patents

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Takayuki Kobayashi
孝行 小林
Takashi Irie
剛史 入江
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Abstract

【課題】本発明は、プラスチックフィルムや紙を基材としてなる粘着シートの加熱経時前後で、粘着性能の変化が少ない、耐熱経時性に優れる粘着剤層を形成し得るポリマーエマルジョンとその製造方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、前記ポリマーエマルジョンを含んでなる粘着剤さらには該粘着剤を用いてなる粘着シートを提供することを目的とする。
【解決手段】ガラス転移温度が0℃以下のポリマーを形成し得るラジカル重合性不飽和単量体を界面活性剤の存在下に水中でラジカル重合してなる、乾燥時に粒子間架橋反応を生じないポリマーエマルジョンであって、
乾燥直後の塗膜のテトラヒドロフラン抽出率が70重量%以上であり、可溶分の重量平均分子量が20万〜60万であることを特徴とするポリマーエマルジョン。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマーエマルジョン及び該エマルジョンの製造方法に関する。詳しくは、プラスチックフィルムや紙を基材としてなる粘着シートの加熱経時前後において、粘着性能の変化が少ない、耐熱経時性に優れる粘着剤を提供し得るポリマーエマルジョン及びその製造方法に関する。さらに本発明は、前記ポリマーエマルジョンから得られる粘着剤さらには該粘着剤を用いてなる粘着シートに関する。
粘着シートの基本的積層構成は、基材シート/粘着剤層/剥離シート、あるいは、剥離シート/粘着剤層/基材シート/粘着剤層/剥離シートである。使用時には、粘着剤層が被着体に貼付される。
従来接着剤の使用されてきた耐候性、特に耐熱性を必要とする用途にも、加工品製造性や取扱の容易な粘着剤が使用され始めており、接着剤の代替として溶剤型アクリル共重合体をその主成分としてなる溶剤型粘着剤が用いられてきた。
近年、地球環境保護(揮発性有機化合物排出抑制)や労働環境の改善ならびに資源の有効利用などの観点から、溶剤型粘着剤の代替として水性のエマルジョン型粘着剤の使用検討が進んできた。
しかしながらエマルジョン型粘着剤は溶剤型粘着剤に比較すると、基材やポリオレフィン類被着体への密着性能が著しく劣るという欠点があった。
これらを改良するために様々な工夫がなされており、たとえば特開2005−206779号公報では、ラジカル重合可能なラジカル重合性不飽和単量体とポリオレフィン類の水性分散体、界面活性剤を重合開始剤の存在下に水媒体中で重合してなる粘着剤用エマルジョンが開示されている(特許文献1参照)。
また、特開平7−133473号公報や特開平7−179835号公報などにおいては、添加剤として重合ロジンやエラストマーのエマルジョンを使用することで耐熱性を付与している(特許文献2、3参照)。
これまで加熱環境下において使用される粘着製品は、その加熱環境下での使用時における接着力等に関して主に検討されてきたが、そのような環境下で使用される製品は、粘着製品として使用されるまでの間の安定性も必要となってきた。つまり粘着シートが加熱経時された後に被着体、特にポリオレフィン類へ貼り付けられた場合、加熱経時前に比べて接着力が著しく低下してしまうという問題が顕在化するようになった。
また、特開2001−348551号公報には、エマルジョンの放置安定性を向上させる目的で(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするラジカル重合性不飽和単量体及び粘着付与剤を含んでなる油溶成分を、水媒体中で乳化剤を用いて乳化させてなり、かつ、該油溶成分の平均粒子径が1μm以下である乳化液を、重合開始剤の存在下で重合するエマルジョン型粘着剤組成物の製造方法が示されている(特許文献4参照)。
特開2005−206779号公報 特開平7−133473号公報 特開平7−179835号公報 特開2001−348551号公報
本発明は、プラスチックフィルムや紙を基材としてなる粘着シートの加熱経時前後で、粘着性能の変化が少ない、耐熱経時性に優れる粘着剤層を形成し得るポリマーエマルジョンとその製造方法を提供することを目的とする。
さらに本発明は、前記ポリマーエマルジョンを含んでなる粘着剤さらには該粘着剤を用いてなる粘着シートを提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明者は鋭意研究し、本発明に至った。
即ち、第1の発明は、ガラス転移温度が0℃以下のポリマーを形成し得るラジカル重合性不飽和単量体を界面活性剤の存在下に水中でラジカル重合してなる、乾燥時に粒子間架橋反応を生じないポリマーエマルジョンであって、
乾燥直後の塗膜のテトラヒドロフラン抽出率が70重量%以上であり、可溶分の重量平均分子量が20万〜60万であることを特徴とするポリマーエマルジョンに関する。
また、第2の発明は、ラジカル重合性不飽和単量体が、エポキシ基、アルコキシシリル基、n−ヒドロキシアルキル基、n−アルコキシアルキル基及びメチロール基の内のいずれかの官能基を有する単量体を含まないことを特徴とする第1の発明記載のポリマーエマルジョンに関する。
また、第3の発明は、乾燥塗膜を50〜70℃で一週間放置した後のテトラヒドロフラン抽出率が60重量%以上であることを特徴とする第1または第2の発明記載のポリマーエマルジョンに関する。
また、第4の発明は、ラジカル重合性不飽和単量体100重量部に対して、界面活性剤が0.1〜5重量部であることを特徴とする第1ないし第3いずれかの発明記載のポリマーエマルジョンに関する。
また、第5の発明は、界面活性剤の合計100重量%中に、ラジカル重合性の反応性界面活性剤を0〜50重量%及びラジカル重合性を有しない非反応性界面活性剤を50〜100重量%含有することを特徴とする第1ないし第4いずれかの発明記載のポリマーエマルジョンに関する。
また、第6の発明は、ガラス転移温度が0℃以下のポリマーを形成し得るラジカル重合性不飽和単量体、界面活性剤及び水を含有する、平均粒子径が0.5〜2μmである単量体エマルジョンを、
水と界面活性剤とを含有する界面活性剤水溶液もしくは水に添加しつつ、
ラジカル重合してなる、乾燥直後の塗膜のテトラヒドロフラン抽出率が70重量%以上であり、可溶分の重量平均分子量が20万〜60万であることを特徴とするポリマーエマルジョンに関する。
また、第7の発明は、ガラス転移温度が0℃以下のポリマーを形成し得るラジカル重合性不飽和単量体、界面活性剤及び水を含有する、平均粒子径が0.5〜2μmである単量体エマルジョンを、
水と界面活性剤とを含有する界面活性剤水溶液もしくは水に添加しつつ、
ラジカル重合することを特徴とする、乾燥直後の塗膜のテトラヒドロフラン抽出率が70重量%以上であり、可溶分の重量平均分子量が20万〜60万であるポリマーエマルジョンの製造方法に関する。
また、第8の発明は、単量体エマルジョンが、粘着付与樹脂をさらに含有することを特徴とする第7の発明記載のポリマーエマルジョンの製造方法に関する。
また、第9の発明は、第8の発明記載の製造方法によって得られることを特徴とするポリマーエマルジョンに関する。
また、第10の発明は、第1ないし第6いずれかの発明もしくは第9の発明記載のポリマーエマルジョンを用いてなり、乾燥時に粒子間架橋反応を生じないことを特徴とするエマルジョン型粘着剤に関する。
さらに、第11の発明は、粘着付与樹脂のエマルジョンをさらに含有することを特徴とする第10の発明記載のエマルジョン型粘着剤に関する。
さらにまた、第12の発明は、シート状基材の少なくとも一方の面に第10または第11の発明記載のエマルジョン型粘着剤から形成される粘着剤層が設けられてなることを特徴とする粘着シートに関する。
本発明により、プラスチックフィルムや紙を基材としてなる粘着シートの加熱経時前後で粘着性能の変化が少ない、耐熱経時性に優れる、ポリマーエマルジョンを含んでなる粘着剤及び該粘着剤を用いてなる粘着シートを提供することができるようになった。
本発明のポリマーエマルジョンの形成に用いられるラジカル重合性不飽和単量体としては、アルキル基の炭素数が1〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするものであり、かかる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル等の直鎖または分岐脂肪族アルコールのアクリル酸エステル及び対応するメタクリル酸エステル等が挙げられる。好ましくは、使用される(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アルキル基の炭素数が1〜10のものであり、より好ましくは1〜8であり、アクリル酸n−ブチルを主成分とすることがさらに好ましい。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、ラジカル重合性不飽和単量体の合計100重量%中70〜99.9重量%含有され、1種または2種以上含有される。
また、本発明に用いるラジカル重合性不飽和単量体として、カルボキシル基含有単量体をラジカル重合性不飽和単量体の合計100重量%中0.1〜20重量%含有することが好ましく、0.2〜5重量%含有することがより好ましく、0.2〜2重量%含有することがさらに好ましい。カルボキシル基含有単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸等が挙げられる。カルボキシル基含有単量体の割合が0.1重量%未満の場合、形成されるエマルジョン粒子が不安定となり、一方20重量%を超えると、得られる粘着剤の耐水性が低下したり、剥離シート上でのハジキの原因となる。
また、本発明に用いるラジカル重合性不飽和単量体としては、上記以外の単量体を必要に応じて使用することもでき、そのような単量体の例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル等のアルコール性水酸基含有単量体、ポリエチレングリコールアクリレート、燐酸基含有ビニル単量体や酢酸ビニル、スチレン、ブタジエン等のビニル単量体等が挙げられ、これらはラジカル重合性不飽和単量体の合計100重量%中0〜10重量%の割合で用いることができ、1種または2種以上使用できる。
本発明の、ラジカル重合性不飽和単量体を重合して得られるポリマーのガラス転移温度(Tg)は0℃以下であることが重要であり、−10℃以下であることが好ましい。Tgが0℃を超えると、各種被着体に対する粘着性が劣るという不都合を生じやすい。
なお、ラジカル重合性不飽和単量体を重合して得られるポリマーのTgは、従来公知の理論式、例えばFOXの式によって容易に算出することができる。
本発明では、粘着シートの耐熱経時安定性を向上させることが目的である。
一般に粘着剤用のポリマーエマルジョンにおいては、該エマルジョンを含んでなる粘着剤組成物を基材上に塗布し、乾燥して溶媒を除去することにより粘着剤層が形成される。
架橋型のポリマーエマルジョンである場合には、該ポリマーエマルジョンを構成する樹脂成分中に粒子間架橋をおこなわせるための官能基が導入されているのが一般的であり、前記乾燥時に架橋反応が生じる。しかしながら通常、この乾燥時においては架橋反応は完結せず、架橋に寄与する官能基は残存している。そして、粘着剤層が形成された後にも経時的に、特に熱経時においてさらに架橋反応が進行する。これにより、樹脂の分子量の変化等を引き起こし、乾燥直後と経時後において粘着物性が変化してしまうという弊害を生じてしまうのである。
そのため、本発明のポリマーエマルジョンは、乾燥時に粒子間架橋が生じないことが必要であり、ポリマーエマルジョンを構成するラジカル重合性不飽和単量体において粒子間架橋を引き起こす官能基の組み合わせがあってはならない。
カルボキシル基含有単量体、水酸基含有単量体は本発明におけるポリマーエマルジョンの形成に好ましく使用することができるため、これらと間で、すなわちカルボキシル基あるいは水酸基との間で、重合時やエマルジョンの乾燥時に粒子間において架橋反応を起こし得る官能基を有するラジカル重合性不飽和単量体は本発明においては用いられない。
このような単量体の例として、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N―アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、メチロール化アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド単量体や、アルコキシシリル基含有単量体などの単量体類は使用しないことが好ましい。
本発明は、プラスチックフィルムや紙を基材とする粘着シートの加熱経時前後で粘着性能の変化が少ない、耐熱経時性に優れる粘着剤に関するものであり、ポリマーエマルジョンから得られる乾燥直後の塗膜のテトラヒドロフラン中への抽出率および可溶分の重量平均分子量がそれぞれ特定の範囲にあることが重要である。本発明でいう乾燥直後の塗膜のテトラヒドロフラン(以下、「THF」と略記する)抽出率とは、ポリマーエマルジョンをPETフィルムに乾燥膜厚が約20g/mとなるように塗工し、25℃で24時間乾燥して得られた乾燥皮膜/PETフィルムなる構成物を200メッシュのステンレス網で包み込み、THF中に25℃で2日間浸漬した後のTHF中へ溶出した成分の重量を、浸漬前の乾燥皮膜の重量で除したものである。
また、THFへの可溶分の重量平均分子量Mwは、前記THF中へ溶出した成分を、ポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したものである。
粒子間架橋反応は、ポリマーエマルジョンから得られる乾燥直後の塗膜のTHF中への抽出率を減少させ、さらにTHF中に溶出したポリマー成分の分子量を大きくしてしまう。このことが粘着シート作製直後の、耐熱粘着性を低下させる原因となる。また、たとえ粘着シート作製直後においては耐熱粘着性が良好であったとしても、粘着シートの加熱経時後において、残存している反応性官能基の存在により粒子間架橋反応がさらに進行して塗膜のTHF中への抽出率を減少させ、耐熱粘着性(特にポリオレフィン類への接着力)が激しく低下してしまう。したがって、本発明においては粒子間架橋反応は利用せず、ポリマーエマルジョンから得られる乾燥直後の塗膜のTHF抽出率が70重量%以上であり、可溶分の重量平均分子量が20万〜60万であることが極めて重要である。
THF抽出率が70重量%未満の場合、被着体への密着性が低下するため、好ましくない。
さらに、THF可溶分の重量平均分子量が20万未満では、ポリマーの凝集力が得られず、粘着力が確保できない。一方、60万を超える場合、被着体への密着性が低下するため、好ましくない。
また、ポリマーエマルジョンから得られた乾燥塗膜を、50〜70℃の環境下で一週間放置した後の塗膜のTHF抽出率は、60重量%以上であることが好ましい。60重量%未満である場合、加熱経時による粘着シートの粘着物性の変化が大きくなってしまい、好ましくない。
本発明において用いられる界面活性剤としては、ラジカル重合性不飽和単量体を水媒体中に乳化させる機能をもっているものであれば特に限定されず、ラジカル重合性を有する反応性界面活性剤、重合性を有さない非反応性界面活性剤等が単独又は数種併用して用いられる。これらはイオン性のものであっても、非イオン性のものであっても構わない。非反応性界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル等のエーテル型の他に、エステル型、エーテル・エステル型、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレントリメチロールプロパン脂肪酸エステル、アミノ酸誘導体、ポリグリセリン脂肪酸エステル、シリコン系界面活性剤等の非イオン性界面活性剤が挙げられ、これらに加えて上記非イオン性界面活性剤の硫酸エステルやその塩類も使用することができる。
反応性界面活性剤としては、ラジカル重合性不飽和単量体と共重合することができるもので、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステルのアンモニウム塩またはナトリウム塩、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルのアンモニウム塩またはナトリウム塩等が挙げられる。
それらの市販品として、旭電化工業(株)製「アデカリアソープSE−10N」、第一工業製薬(株)製「アクアロンHS−10、HS−20」等、長鎖アルキル骨格の第一工業製薬(株)製「アクアロンKH−10、KH−20」、旭電化工業(株)製「アデカリアソープSR−10N」等、燐酸エステル骨格の日本化薬(株)「KAYARAD」等が挙げられる。
界面活性剤の使用量としては特に制限されるものではないが、ラジカル重合性不飽和単量体100重量部に対して0.1〜5重量部であることが好ましく、0.5〜2重量部であることがより好ましい。
0.1重量部未満の場合、ポリマーエマルジョンの重合安定性が低下し、凝集物が発生しやすい。一方5重量部を超える場合、耐水性が低下するため、好ましくない。
本発明においては、エマルジョン粒子径制御のため、使用する界面活性剤の一部を予め重合用容器に添加しておいてもよい。
反応性界面活性剤の存在は生成するポリマーの分子量にはほとんど影響しないが、ポリマーエマルジョン乾燥直後の塗膜のTHF中への抽出率を減少させ、かつ加熱経時後のTHF中への抽出率をさらに減少させるため、単独で用いることは好ましくない。界面活性剤の使用量としてはラジカル重合性不飽和単量体100重量部に対して、界面活性剤が0.1〜5重量部であり、界面活性剤の合計100重量%中に、ラジカル重合性の反応性界面活性剤が0〜50重量%、非反応性界面活性剤が50〜100重量%の割合で含まれることが好ましく、反応性界面活性剤が0〜30重量%、非反応性界面活性剤が70〜100重量%の割合で含まれることがより好ましい。
反応性界面活性剤の割合が50重量%を超える場合、ポリマーエマルジョン乾燥直後の塗膜のTHF中への抽出率が70重量%未満になりやすいため、好ましくない。
本発明のポリマーエマルジョンは、重合開始剤の存在下、従来公知の乳化重合法により得ることができる。
重合開始剤としては、水溶性、非水溶性いずれのものも使用できる。一般的に用いられるものとしては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩またはアゾビス系カチオン塩または水酸基付加物等の水溶性の熱分解型重合開始剤や、レドックス開始剤を用いることができる。レドックス開始剤としてはt−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどの有機化酸化物とロンガリット、メタ重亜硫酸ナトリウムなどの還元剤との組み合わせ、または過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムとロンガリット、チオ硫酸ナトリウムなどの組み合わせ、過酸化水素水とアスコルビン酸の組み合わせ等を用いることができる。重合開始剤の使用量としてはラジカル重合性不飽和単量体100重量部に対して、通常0.02〜3重量部であるが、好ましくは0.1〜1重量部である。
重合開始剤の添加方法としては、全量を反応容器中に仕込んでおき、反応を開始させても良く、その一部を反応容器中に仕込んでおき、残りを分割添加あるいは滴下しても良く、全量を分割添加あるいは滴下しても良い。分割添加あるいは滴下する場合には、ラジカル重合性不飽和単量体と混合された状態にて使用されても良い。
また、本発明においては、ラジカル重合性不飽和単量体からなる共重合体の分子量や分子量分布を制御するために連鎖移動剤として、メルカプタン系、チオグリコール系、β−メルカプトプロピオン酸系のアルキルエステルを使用することができる。本発明は粘着シートの耐熱経時性を向上させる発明であり、乳化重合により得られたポリマーエマルジョンの乾燥直後の塗膜のTHF可溶分の重量平均分子量が20万〜60万であることを特徴とするものである。したがって、連鎖移動剤の使用量も重要である。連鎖移動剤の量を増加させるとポリマーの分子量を小さくできるが、THF可溶分の重量平均分子量が20万より小さい場合、ポリマーの凝集力が極端に小さくなるため、通常粘着剤としては利用されない。連鎖移動剤を使用する際、添加量はラジカル重合性不飽和単量体100重量部に対して0〜0.1重量部で上記分子量の範囲内となるように調節しながら使用する。
また、本発明は粘着付与樹脂を使用してもよく、重合時にラジカル重合性単量体に溶解ないしは分散させて用いたり、重合後に添加してもよく、またその両方の手法をとることができる。重合時に添加する目的としては、粘着力の向上に加えて、粘着付与樹脂が有する連鎖移動効果を利用することでもある。粘着付与樹脂としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂等の中から少なくとも1種以上を使用することができる。ロジン系樹脂としては天然ロジン、ロジンエステル、水添ロジン、水添ロジンエステル、重合ロジン、重合ロジンエステル、不均化ロジン、不均化ロジンエステルなどがある。テルペン系樹脂としてはα−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添テルペンフェノール樹脂等がある。芳香族系石油樹脂としてはスチレンオリゴマー、α−メチルスチレン/スチレン共重合体等がある。粘着付与樹脂の使用量は、ラジカル重合性不飽和単量体100重量部に対して0〜30重量%であることが好ましく、1〜10重量%であることがより好ましい。
ポリマーエマルジョンを得るための重合反応は、通常40〜90℃の温度範囲で、1〜6時間かけておこなわれる。
ラジカル重合性不飽和単量体の、反応系中への供給方法としては特に制限されるものではなく、全量をあらかじめ反応容器中に仕込んでおいても良く、一部を反応容器中に仕込んでおき、残りを分割添加あるいは滴下しても良く、全量を分割添加あるいは滴下しても良い。
分割添加あるいは滴下する場合においては、単量体のみの形態であっても良く、水及び界面活性剤と混合され、単量体エマルジョンの形態となっていても良い。
本発明においては、ラジカル重合性不飽和単量体、界面活性剤および水を用いて平均粒子径0.5〜2μmの単量体エマルジョンを作製し、水と界面活性剤とを含有する界面活性剤水溶液もしくは水に添加しつつラジカル重合をおこなうことが好ましい。
ラジカル重合性不飽和単量体を、微細化した単量体エマルジョンとして重合に供する目的は、特許文献4に示されているごとき放置安定性の向上ではなく、生成したポリマーエマルジョンから形成される乾燥直後の塗膜のTHF抽出率を増加させることである。
これは、反応系の組成は同一であっても、単量体エマルジョンの微細化の度合いにより、生成したポリマーエマルジョンの、乾燥塗膜のTHF中への抽出率を調節することができることを見出したことによるものである。単量体エマルジョンを微細化することでその抽出率を増加させることが可能で、微細化後の平均粒子径は0.5〜2μmであることが重要であり、0.5〜1μmであることが好ましい。2μmより大きいと抽出率減少につながり、粘着シートの耐熱経時性が悪くなる。
微細化する方法としては超音波乳化機やホモミキサー等の分散機の使用が一般的である。
粘着付与樹脂を使用する場合には、粘着付与樹脂が単量体エマルジョンに含有されていることが好ましい。粘着付与樹脂が微細な単量体エマルジョンに含有された状態で重合に供される場合、得られるポリマーエマルジョンからなる粘着剤の、特にポリオレフィン等に対する接着性が向上するのに加え、重合反応の安定性に優れるため、粘着付与樹脂の分量の制御が容易となる。
粘着付与樹脂を単量体エマルジョンに含有させる方法としては、あらかじめ粘着付与樹脂をラジカル重合性不飽和単量体中に溶解ないしは分散させた後、水及び界面活性剤を加えて混合し、単量体エマルジョンとする方法などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明により得られるポリマーエマルジョンに、さらに必要に応じて数種の添加剤を添加することにより、エマルジョン型粘着剤を得ることができる。添加剤としては具体的には、濡れ剤(ハジキ防止のための界面活性剤等)、消泡剤、中和剤、可塑剤、増粘剤、着色剤、防腐剤、防錆剤、溶剤、撥水剤等が挙げられる。
しかしながら、架橋型の粘着剤においては架橋剤として一般的に使用される、ヒドラジド化合物、セミカルバジド誘導体、イソシアネート系化合物、オキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物、アジリジン系化合物、錯形成可能な金属系化合物等は使用しない。
また、本発明のエマルジョン型粘着剤には、必要に応じて、例えば更なる粘着性能の向上を図るべく、粘着付与樹脂のエマルジョンを加えても良い。この方法は、粘着剤中における粘着付与樹脂の分量を極めて制御しやすいという観点から好ましい。
なお、エマルジョン型粘着剤を調製する際には、ホモミキサー等を使用して添加剤をよく分散させることが好ましい。
本発明のエマルジョン型粘着剤をシート状基材にコーティングし、乾燥することにより、粘着シートを得ることができる。
シート状基材としては、セロハン、各種プラスチックシートや紙などが挙げられる。また、各種基材は単独でも用いることもできるし、複数のものを積層してなる多層状態にあるものも用いることができる。
本発明の粘着シートはまた、エマルジョン型粘着剤を剥離紙上にコーティングして乾燥させ、粘着剤層を設けた後、該粘着剤層とシート状基材とを貼り合せ、粘着剤層をシート状基材上に転写する方法、いわゆる転写法によっても得ることができる。
エマルジョン型粘着剤をシート状基材あるいは剥離紙にコーティングする方法としては特に制限されるものではなく、コンマコーター、ブレードコーター、グラビアコーター等のロールコーター、スロットダイコーター、リップコーター、カーテンコーター等の従来公知のコーティング装置によることができる。得られた粘着シートは耐熱経時性が良好であるため、得られる粘着製品は、ラミネートフィルム、ラベル、テープ等の汎用製品から、工業用両面テープ、建築用壁紙および包装材料等の広範な用途に有用である。
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。また、下記実施例および比較例中、「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。また、ポリエチレンオキサイド構造のエチレンオキサイドの繰り返し数を「EO数」と略記する。
(実施例1)
アクリル酸2−エチルヘキシル:40.5部、アクリル酸ブチル:40.5部、アクリル酸エチル:15部、メタクリル酸メチル:3部、アクリル酸:1部、連鎖移動剤であるチオグリコール酸オクチル:0.04部を混合、溶解させて単量体混合物を得た。この単量体混合物に、非反応性界面活性剤であるアルキル炭素数12、EO数18のポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート:1.5部と脱イオン水33部を加え、平羽根撹拌翼にて撹拌して得た単量体エマルジョンを滴下槽に仕込んだ。
加熱装置、撹拌機、還流冷却装置、温度計、窒素導入管および滴下槽を備えた重合用容器に脱イオン水:12部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌して内温78℃まで昇温させて、5%過硫酸カリウム水溶液を固形分で0.062部を入れた。5分後に上記の単量体エマルジョンと、5%過硫酸アンモニウム水溶液を固形分で0.188部をそれぞれ別の滴下槽から4時間かけて滴下して重合を行った。滴下終了後30分間80℃に保ち、次いで30分かけて内温を60〜65℃に設定し、t−ブチルハイドロパーオキサイド:0.1部とロンガリット:0.12部を10分おきに3回に分けて添加した。更に撹拌しながら1時間反応させた後、アンモニア水で中和し、175メッシュのナイロン濾布で濾過してポリマーエマルジョンを得た。
得られたポリマーエマルジョンは、不揮発分61.5%、粘度230mPa・s、平均粒子径0.63μmであった。
不揮発分の測定は電気オーブンで150℃−20分乾燥後の重量比を測定して行い、平均粒子径の測定は日機装(株)製「マイクロトラック」にて測定した。
また、THF抽出率測定のため、得られたポリマーエマルジョンをPETフィルムに乾燥膜厚が約20g/mとなるように塗工し、25℃で24時間乾燥した。得られた(乾燥皮膜/PETフィルム)の試料をカッティングし、3cm×10cmの塗工物を2枚用意した。そのうち1枚は経時させずに200メッシュのステンレス網で包み込み、THF中に25℃で2日間浸漬した後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによりTHFへの溶解分の重量平均分子量を測定したところ、重量平均分子量は510000であった。また、乾燥直後の塗膜のTHF抽出率は74.7重量%であった。
もう1枚の試料は60℃の環境下で7日間経時させたあと、200メッシュのステンレス網で包み込み、THF中に25℃で2日間浸漬して、THF抽出率を測定したところ、70.5重量%であった。
また、上記で得たポリマーエマルジョン100部に、消泡剤:0.1部、濡れ剤としてナトリウムジオクチルスルホサクシネート:0.1部、防腐剤を加え、さらに増粘剤で5000mPa・s(BL型粘度計、25℃で#4ロータ/60rpmにて測定)に増粘してエマルジョン型粘着剤を得た。なお、粘着剤の調製はホモミキサーにて行った。
得られた粘着剤をコンマコーターで剥離紙上に乾燥膜厚20g/mとなるように塗工し、100℃の乾燥オーブンで50秒間乾燥させ、厚さ50μmのPETフィルムをラミネートして巻き取り、粘着シートを得た。得られた粘着シートは23℃−65%RH雰囲気下で24時間以上放置した。さらにその一部を、加熱経時として、60℃の環境下で7日間経時させた。
ポリマーエマルジョンの性状を表1に、加熱経時前後の粘着シートの接着力測定結果を表2に示す。
<接着力測定>
加熱経時前後の2種類の粘着シートをそれぞれ幅25mmの短冊状にカットし剥離紙を剥がして、厚さ2mmのポリプロピレン板(以下、「PP板」と略す)に貼り付け、2kgロールで1往復し、測定試料を得た。
加熱経時前の粘着シートより得た測定試料については、23℃雰囲気下及び90℃雰囲気下にてそれぞれ10日間放置した。
また、加熱経時後の粘着シートより得た測定試料については、90℃雰囲気下にて10日間放置した。
それぞれの測定試料について、所定期間経過後の接着強度を測定した。尚、90℃雰囲気下にて放置した試料については所定期間経過後23℃まで放冷した後に測定に供した。また、接着強度は、23℃雰囲気下で、300mm/分の速さで180゜方向に剥離した際の接着強度を測定した。
(実施例2)
実施例1中で得られたポリマーエマルジョンに、消泡剤、濡れ剤、防腐剤の他に、さらにポリマーエマルジョンの固形分100重量部に対して、軟化点100℃以上のロジン粘着付与樹脂のエマルジョンとして荒川化学(株)製「スーパーエステルE−650」を固形分で10重量部加え、増粘剤にて増粘してエマルジョン型粘着剤を得た。得られたエマルジョン型粘着剤を用いて、実施例1と同様の実験をおこなった。
(実施例3)
アクリル酸2−エチルヘキシル:40.5部、アクリル酸ブチル:40.5部、アクリル酸エチル:15部、メタクリル酸メチル:3部、アクリル酸:1部、連鎖移動剤であるチオグリコール酸オクチル:0.04部を混合、溶解させて単量体混合物を得た。この単量体混合物に、非反応性界面活性剤であるアルキル炭素数12、EO数18のポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート:1.0部と反応性界面活性剤であるポリオキシエチレン(EO数:10)−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩:0.5部及び脱イオン水33部を加え、平羽根撹拌翼にて撹拌して得た単量体エマルジョンを滴下槽に仕込んだ。
これ以後は実施例1と同様の実験を行った。
(実施例4)
実施例1中で作製した単量体エマルジョンをホモミキサーでさらに微細化して、平均粒子径0.7μmである単量体エマルジョンとして滴下槽に仕込んだこと以外は実施例1と同様の実験を行った。
(実施例5)
アクリル酸2−エチルヘキシル:40.5部、アクリル酸ブチル:40.5部、アクリル酸エチル:15部、メタクリル酸メチル:3部、アクリル酸:1部、連鎖移動剤であるチオグリコール酸オクチル:0.03部、軟化点約150℃の重合ロジン(「ペンセルD−160」:荒川化学(株)製):3部を混合、溶解させて単量体混合物を得た。この単量体混合物に、非反応性界面活性剤であるアルキル炭素数12、EO数18のポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート:1.5部と脱イオン水33部を加え、平羽根撹拌翼にて撹拌して得た単量体エマルジョンを滴下槽に仕込んだ。
加熱装置、撹拌機、還流冷却装置、温度計、窒素導入管および滴下槽を備えた重合用容器に脱イオン水:12部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌して内温78℃まで昇温させて、5%過硫酸カリウム水溶液を固形分で0.062部を入れた。5分後に上記の単量体エマルジョンと、5%過硫酸アンモニウム水溶液を固形分で0.188部をそれぞれ別の滴下槽から4時間かけて滴下して重合を行った。滴下終了後30分間80℃に保ち、次いで30分かけて内温を60〜65℃に設定し、t−ブチルハイドロパーオキサイド:0.1部とロンガリット:0.12部を10分おきに3回に分けて添加した。更に撹拌しながら1時間反応させた後、アンモニア水で中和し、175メッシュのナイロン濾布で濾過してポリマーエマルジョンを得た。
これ以後は実施例1と同様の実験を行った。
(実施例6)
実施例5中で作製した単量体エマルジョンをホモミキサーでさらに微細化して、平均粒子径0.6μmである単量体エマルジョンとして滴下槽に仕込んだこと以外は実施例5と同様の実験を行った。
(実施例7)
実施例6中で得られたポリマーエマルジョンに、消泡剤、濡れ剤、防腐剤の他に、さらにポリマーエマルジョンの固形分100重量部に対して、軟化点100℃以上のロジン粘着付与樹脂のエマルジョンとして荒川化学(株)製「スーパーエステルE−650」を固形分で10重量部加え、増粘剤にて増粘してエマルジョン型粘着剤を得た。得られたエマルジョン型粘着剤を用いて、実施例6と同様の実験をおこなった。
(比較例1)
実施例1において、連鎖移動剤であるチオグリコール酸オクチルを用いなかったこと以外は実施例1と同様の実験を行った。
(比較例2)
アクリル酸2−エチルヘキシル:40.5部、アクリル酸ブチル:40.5部、アクリル酸エチル:15部、メタクリル酸メチル:3部、アクリル酸:1部、連鎖移動剤であるチオグリコール酸オクチル:0.04部を混合、溶解させて単量体混合物を得た。この単量体混合物に、非反応性界面活性剤であるアルキル炭素数12、EO数18のポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート:1.5部と脱イオン水33部を加え、平羽根撹拌翼にて撹拌して得た単量体エマルジョンを滴下槽に仕込んだ。
加熱装置、撹拌機、還流冷却装置、温度計、窒素導入管および滴下槽を備えた重合用容器に脱イオン水:12部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌して内温78℃まで昇温させて、5%過硫酸カリウム水溶液を固形分で0.187部を入れた。5分後に上記の単量体エマルジョンと、5%過硫酸アンモニウム水溶液を固形分で0.563部をそれぞれ別の滴下槽から4時間かけて滴下して重合を行った。滴下終了後30分間80℃に保ち、次いで30分かけて内温を60〜65℃に設定し、t−ブチルハイドロパーオキサイド:0.1部とロンガリット:0.12部を10分おきに3回に分けて添加した。更に撹拌しながら1時間反応させた後、アンモニア水で中和し、175メッシュのナイロン濾布で濾過してポリマーエマルジョンを得た。
これ以後は実施例1と同様の実験を行った。
(比較例3)
アクリル酸2−エチルヘキシル:40.5部、アクリル酸ブチル:40.5部、アクリル酸エチル:15部、メタクリル酸メチル:3部、アクリル酸:1部を混合、溶解させて単量体混合物を得た。この単量体混合物に、非反応性界面活性剤であるアルキル炭素数12、EO数18のポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート:1.5部と脱イオン水33部を加え、平羽根撹拌翼にて撹拌して得た単量体エマルジョンを滴下槽に仕込んだ。
加熱装置、撹拌機、還流冷却装置、温度計、窒素導入管および滴下槽を備えた重合用容器に脱イオン水:12部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌して内温78℃まで昇温させて、5%過硫酸カリウム水溶液を固形分で0.187部を入れた。5分後に上記の単量体エマルジョンと、5%過硫酸アンモニウム水溶液を固形分で0.563部をそれぞれ別の滴下槽から4時間かけて滴下して重合を行った。滴下終了後30分間80℃に保ち、次いで30分かけて内温を60〜65℃に設定し、t−ブチルハイドロパーオキサイド:0.1部とロンガリット:0.12部を10分おきに3回に分けて添加した。更に撹拌しながら1時間反応させた後、アンモニア水で中和し、175メッシュのナイロン濾布で濾過してポリマーエマルジョンを得た。
これ以後は実施例1と同様の実験を行った。
(比較例4)
実施例3において用いた界面活性剤を、反応性界面活性剤であるポリオキシエチレン(EO数:10)−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩:1.5部のみに変更したこと以外は実施例3と同様の実験を行った。
(比較例5)
アクリル酸2−エチルヘキシル:40.5部、アクリル酸ブチル:40.5部、アクリル酸エチル:15部、メタクリル酸メチル:3部、アクリル酸:1部、軟化点約150℃の重合ロジン(「ペンセルD−160」:荒川化学(株)製):3部を溶解させて単量体混合物を得た。この単量体混合物に、非反応性界面活性剤であるアルキル炭素数12、EO数18のポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート:1.5部と脱イオン水33部を加え、平羽根撹拌翼にて撹拌して得た単量体エマルジョンをさらにホモミキサーで微細化して平均粒子径0.6μmである単量体エマルジョンを得、滴下槽に仕込んだ。
加熱装置、撹拌機、還流冷却装置、温度計、窒素導入管および滴下槽を備えた重合用容器に脱イオン水:12部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌して内温78℃まで昇温させて、5%過硫酸カリウム水溶液を固形分で0.187部を入れた。5分後に上記の単量体エマルジョンと、5%過硫酸アンモニウム水溶液を固形分で0.563部をそれぞれ別の滴下槽から4時間かけて滴下して重合を行った。滴下終了後30分間80℃に保ち、次いで30分かけて内温を60〜65℃に設定し、t−ブチルハイドロパーオキサイド:0.1部とロンガリット:0.12部を10分おきに3回に分けて添加した。更に撹拌しながら1時間反応させた後、アンモニア水で中和し、175メッシュのナイロン濾布で濾過してポリマーエマルジョンを得た。
これ以後は実施例1と同様の実験を行った。
(比較例6)
実施例4において、単量体及び連鎖移動剤の組成を以下のように変更したこと以外は、実施例4と同様の実験をおこなった。
アクリル酸2−エチルヘキシル:40.3部、アクリル酸ブチル:40部、アクリル酸エチル:15部、メタクリル酸メチル:3部、アクリル酸:1部、N−ブトキシメチルアクリルアミド:0.7部、連鎖移動剤であるチオグリコール酸オクチル:0.04部。
Figure 2007197692
Figure 2007197692
本発明により得られる粘着シートは、被着体に貼り付けられた後に熱履歴を受けた場合でも接着力の低下は軽微であるのに加え、粘着シートが加熱経時された場合でも接着力の低下はほとんど見られず、耐熱性に優れるものであることが分かる。

Claims (12)

  1. ガラス転移温度が0℃以下のポリマーを形成し得るラジカル重合性不飽和単量体を界面活性剤の存在下に水中でラジカル重合してなる、乾燥時に粒子間架橋反応を生じないポリマーエマルジョンであって、
    乾燥直後の塗膜のテトラヒドロフラン抽出率が70重量%以上であり、可溶分の重量平均分子量が20万〜60万であることを特徴とするポリマーエマルジョン。
  2. ラジカル重合性不飽和単量体が、エポキシ基、アルコキシシリル基、n−ヒドロキシアルキル基、n−アルコキシアルキル基及びメチロール基の内のいずれかの官能基を有する単量体を含まないことを特徴とする請求項1記載のポリマーエマルジョン。
  3. 乾燥塗膜を50〜70℃で一週間放置した後のテトラヒドロフラン抽出率が60重量%以上であることを特徴とする請求項1または2記載のポリマーエマルジョン。
  4. ラジカル重合性不飽和単量体100重量部に対して、界面活性剤が0.1〜5重量部であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のポリマーエマルジョン。
  5. 界面活性剤の合計100重量%中に、ラジカル重合性の反応性界面活性剤を0〜50重量%及びラジカル重合性を有しない非反応性界面活性剤を50〜100重量%含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のポリマーエマルジョン。
  6. ガラス転移温度が0℃以下のポリマーを形成し得るラジカル重合性不飽和単量体、界面活性剤及び水を含有する、平均粒子径が0.5〜2μmである単量体エマルジョンを、
    水と界面活性剤とを含有する界面活性剤水溶液もしくは水に添加しつつ、
    ラジカル重合してなる、乾燥直後の塗膜のテトラヒドロフラン抽出率が70重量%以上であり、可溶分の重量平均分子量が20万〜60万であることを特徴とするポリマーエマルジョン。
  7. ガラス転移温度が0℃以下のポリマーを形成し得るラジカル重合性不飽和単量体、界面活性剤及び水を含有する、平均粒子径が0.5〜2μmである単量体エマルジョンを、
    水と界面活性剤とを含有する界面活性剤水溶液もしくは水に添加しつつ、
    ラジカル重合することを特徴とする、乾燥直後の塗膜のテトラヒドロフラン抽出率が70重量%以上であり、可溶分の重量平均分子量が20万〜60万であるポリマーエマルジョンの製造方法。
  8. 単量体エマルジョンが、粘着付与樹脂をさらに含有することを特徴とする請求項7記載のポリマーエマルジョンの製造方法。
  9. 請求項8記載の製造方法によって得られることを特徴とするポリマーエマルジョン。
  10. 請求項1ないし6もしくは請求項9いずれか記載のポリマーエマルジョンを用いてなり、乾燥時に粒子間架橋反応を生じないことを特徴とするエマルジョン型粘着剤。
  11. 粘着付与樹脂のエマルジョンをさらに含有することを特徴とする請求項10記載のエマルジョン型粘着剤。
  12. シート状基材の少なくとも一方の面に請求項10または11記載のエマルジョン型粘着剤から形成される粘着剤層が設けられてなることを特徴とする粘着シート。
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CN115785331A (zh) * 2022-12-26 2023-03-14 万华化学集团股份有限公司 一种丙烯酸酯乳液制备方法及其应用

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