JP4605416B2 - 水系粘・接着剤組成物 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、水系粘・接着剤組成物に関する。かかる本発明の水系粘・接着剤組成物は、靴、建材、シート、ラベル、テープ、包装等の各種の用途に利用できる。
【0002】
【従来の技術】
粘・接着剤は、靴、建材、シート、ラベル、テープ、包装などの幅広い分野で利用されており、一般的にはゴム系重合体または合成樹脂系重合体等のベースポリマーに、タック等の粘着特性を付与するために粘着付与樹脂が添加されて使用されている。粘・接着剤は、従来、溶剤型が汎用されてきたが、近年では、大気汚染がないこと、安全衛生に優れていることおよび省資源に適すること等の種々の利点を有する水系エマルジョン型に転換されつつある。
【0003】
しかし、ゴム系ラテックスまたはウレタン系エマルジョン等の合成樹脂系エマルジョンに添加されるロジン系樹脂、テルペン系樹脂や石油樹脂等の粘着付与樹脂エマルジョンは、一般に色調が悪く、また熱や光に対する安定性が劣るため、食品包装用や衛生材料用等の色調を重視する分野等においては使用し難い。
【0004】
一方、水素化ロジン系樹脂(たとえば、無色化したロジン)等の粘着付与樹脂エマルジョンは、色調には優れるが、耐光性(光を照射された際の耐変色性)が劣る。また、水素化石油樹脂等のような、芳香族系炭化水素樹脂の水素化物の粘着付与樹脂エマルジョンは色調に優れ、熱や光に対する安定性も比較的良好であるが、一般に芳香族系炭化水素樹脂の水素化物の粘着付与樹脂エマルジョンは、芳香環を70%以上水素化しているため、ベースポリマーのゴム系ラテックスまたは合成樹脂系エマルジョンとの相溶性が悪く、透明性や接着性、タックを満足できず実用化されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ゴム系ラテックスまたはウレタン系エマルジョンと優れた相溶性を有する粘着付与樹脂エマルジョンを使用することによって、接着性や光安定性に優れる水系粘・接着剤組成物を提供することを課題とする。
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、極性基を有する脂環式炭化水素樹脂の水素化物を乳化剤の存在下で乳化して得られる粘着付与樹脂エマルジョンが淡色を呈し、ゴム系ラテックスまたはウレタン系エマルジョンに対して優れた相溶性を有するとともに、当該水素化物の粘着付与樹脂エマルジョンをゴム系ラテックスまたはウレタン系エマルジョンに配合した組成物が接着性や光安定性に優れていることを見出した。本発明は、かかる新たな知見に基づいて完成されたものである。
【0007】
すなわち、本発明は、ウレタン系エマルジョンと、水酸基を有する脂環式炭化水素樹脂の水素化物を乳化剤の存在下で乳化して得られる樹脂エマルジョンを含有してなる粘着付与樹脂エマルジョンとを含有してなることを特徴とする水系粘・接着剤組成物、および、ゴム系ラテックスと、水酸基を有する脂環式炭化水素樹脂の水素化物を乳化剤の存在下で乳化して得られる樹脂エマルジョンを含有してなる粘着付与樹脂エマルジョンとを含有してなることを特徴とする水系粘・接着剤組成物に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、粘着付与樹脂として用いられる、極性基を有する脂環式炭化水素樹脂の水素化物は、脂環式化合物を主成分としてなり、樹脂中に水酸基を有するものの水素化物を特に制限なく使用できる。また、極性基を含有する脂環式炭化水素樹脂の製法も特に制限はない。かかる極性基を含有する脂環式炭化水素樹脂は、たとえば、脂環式化合物を重合して脂環式炭化水素樹脂を製造する際に、極性基含有化合物により脂環式炭化水素樹脂を変性することにより得られる。脂環式炭化水素樹脂に導入する極性基としては、色調、臭気等の点から水酸基が好ましい。
【0009】
脂環式化合物としては、ナフサの熱分解によって得られるC5留分中のジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン等があげられる。
【0010】
また、極性基含有化合物としては、アルコール化合物等があげられる。アルコール化合物の具体例としては、たとえば、アリルアルコール等の二重結合を有するアルコール化合物があげられる。極性基含有化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を併用しても良い。なお、水酸基は、脂環式炭化水素樹脂に導入したエステル基を還元する方法によっても導入できる。
【0011】
また、脂環式炭化水素樹脂への水酸基の導入は、脂環式炭化水素樹脂中に二重結合を残存または導入した後、当該二重結合を水和する方法、脂環式化合物とともに酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルを熱重合して脂環式炭化水素樹脂中にアシルオキシ基を導入した後、当該アシルオキシ基を加水分解する方法、等によっても製造できる。
【0012】
本発明では、極性基を含有する脂環式炭化水素樹脂として、前記のように各種の方法により得られるものを使用できるが、ジシクロペンタジエンとアリルアルコール等を熱重合等により共重合して得られる水酸基含有のジシクロペンタジエン系樹脂(たとえば、特開昭50−132060号公報)は、接着性に寄与する水酸基価のコントロールが容易な点で好ましい。なお、前記水酸基含有のジシクロペンタジエン系石油樹脂は、ジシクロペンタジエン100重量部に対し、通常、アルコール化合物10〜200重量部程度を共重合させて製造する。
【0013】
前記極性基を有する脂環式炭化水素樹脂の水素化は、水素化触媒の存在下、水素化条件を適当に調整して含有極性基の分解反応を低く抑え、かつ得られる水素化物の粘着付与樹脂エマルジョンがゴム系ラテックスおよびウレタン系エマルジョンと相溶しかつ淡色となるように行う。通常、極性基を有する脂環式炭化水素樹脂中のオレフィン性二重結合の含有率が1%以下となるよう水素化することが好ましい。オレフィン性二重結合の含有率が1%を超えて残存する程度の水素化では脱色が不十分であるおそれがある。
【0014】
水素化触媒としては、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ロジウム、ルテニウム、レニウム、モリブデン等の金属またはこれらの酸化物、硫化物等の金属化合物等の各種のものを使用できる。また、かかる水素化触媒は多孔質で表面積の大きなアルミナ、シリカ(ケイソウ土)、カーボン、チタニア等の担体に担持して使用してもよい。これら水素化触媒のなかでもアルカリ土類金属を含むニッケル−ケイソウ土触媒が、水素化率を前記範囲内に調整し易く、色調に優れたものが得られる点で好ましい。このような水素化触媒としては、たとえば、ニッケル−ケイソウ土触媒(「SN−250」、堺化学(株)製)等があげられる。水素化触媒の使用量は、原料樹脂である極性基を有する脂環式炭化水素樹脂の0.1〜2重量%程度、好ましくは0.1〜0.8重量%である。
【0015】
水素化反応の条件は、水素化圧力が通常3〜30MPa程度の範囲、反応温度が通常200〜300℃程度の範囲で適宜に調整して行う。好ましくは水素化圧力が10〜20MPaであり、反応温度は200〜300℃である。水素化圧力が3MPaに満たない場合には水素化が進み難く、30MPaを超える場合には設備上の問題がある。また、反応温度が200℃以下の場合には得られる水素化物の淡色化が難しく、300℃を超える場合には分解が起こり軟化点が低下する傾向がある。また反応時間は通常1〜7時間程度、好ましくは2〜6時間である。前記水素化反応は極性基を有する脂環式炭化水素樹脂を溶融して、または溶剤に溶解した状態で行う。溶剤としては、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、デカリン、テトラヒドロフラン、イソプロピルアルコール等を使用できる。
【0016】
なお、触媒の使用量および反応時間については、反応形式として回分式を採用した場合について説明したが、反応形式としては流通式(固定床式、流動床式等)を採用することもできる。
【0017】
このようにして得られる本発明の極性基を有する脂環式炭化水素樹脂の水素化物の極性基含有量は、特に限定されるものではないが、極性基が水酸基の場合には、当該水素化物の水酸基価が20〜250程度のものが好ましい。水酸基価が小さくなるとベースポリマーのゴム系ラテックスまたはウレタン系エマルジョンとの相溶性が低下する傾向があることから、水酸基価は30以上とするのがより好ましい。また、水酸基価が大きくなると分子量が小さくなり作業性が悪くなる傾向があるため水酸基価は200以下とするのがより好ましい。
【0018】
極性基を有する脂環式炭化水素樹脂の水素化物の軟化点は、通常、70〜150℃程度である。軟化点が低くなるとブロッキングが生じ作業性の低下を招くことから、軟化点の下限としては80℃とするのがより好ましい。一方、軟化点が高くなるとゴム系ラテックスおよびウレタン系エマルジョンとの相溶性が悪くなる傾向があるため、軟化点の上限としては140℃とするのがより好ましい。
【0019】
極性基を有する脂環式炭化水素樹脂の水素化物の平均分子量は特に限定されないが、一般的には数平均分子量100〜600程度が好ましい。数平均分子量が小さくなると軟化点が低くなり作業性が悪くなる傾向があることから、数平均分子量は200以上とするのがより好ましい。一方、数平均分子量が大きくなるとベースポリマーのゴム系ラテックスまたはウレタン系エマルジョンとの相溶性が低下する傾向があることから、数平均分子量は400以下とするのがより好ましい。なお、数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算値による。
【0020】
また、本発明の極性基を有する脂環式炭化水素樹脂の水素化物は、一般的に淡色化されたものである。当該水素化物の色調は、通常、ガードナー3程度以下、好ましくはガードナー2以下、より好ましくはガードナー1以下であることをいう。なお、色調は、色調が重視される分野において当該水素化物の粘着付与樹脂エマルジョンをゴム系ラテックスおよび合成樹脂系エマルジョンに混合してなる組成物が当該分野で使用できる程度に当該水素化物が淡色化されているものを用いる。
【0021】
乳化剤としては各種公知のアニオン系および/またはノニオン系乳化剤を使用できる。例としてはα−オレフィンスルホン化物、アルキルサルフェート、アルキルフェニルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのスルホコハク酸のハーフエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸の金属塩、ロジン石鹸等のアニオン系乳化剤や、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のノニオン系乳化剤を例示でき、これらの1種を単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
【0022】
前記乳化剤の使用量は特に限定されないが、粘着付与剤樹脂100重量部に対し、通常は固形分換算で1〜10重量部程度、好ましくは2〜7重量部である。10重量部を越える場合には得られる水系粘・接着剤組成物の耐水性が低下し、また1重量部に満たない場合には乳化時の樹脂エマルジョンの貯蔵安定性が悪くなるおそれがある。
【0023】
粘着付与剤樹脂の乳化方法は特に制限されず、公知の乳化方法である高圧乳化法、反転乳化法、超音波乳化法、溶剤乳化法などのいずれの方法を採用してもよい。たとえば高圧乳化法を採用する場合は、前記粘着付与剤樹脂をベンゼン、トルエン等の溶剤に溶解した後、前記乳化剤及び軟水を添加し、10〜50MPa程度の圧力条件にて高圧乳化機を用いて乳化した後、減圧下に溶剤を除去すればよい。
【0024】
かくして得られた粘着付与剤樹脂エマルジョンの固形分濃度は特に限定されないが、通常20〜70重量%程度となるように適宜に調整して用いる。また、得られたエマルジョンの平均粒子径は、通常0.2〜2μm程度であり、大部分は0.5μm以下の粒子として均一に分散している。また、該エマルジョンは白色の外観を呈し、2〜9程度のpH値を有する。
【0025】
本発明の水系粘・接着剤組成物は、ゴム系ラテックスまたはウレタン系エマルジョンからなる群より選ばれる少なくとも一種のベースポリマーに、前記粘着付与剤樹脂エマルジョンを配合してなるものである。
【0026】
前記粘着付与剤樹脂エマルジョンと併用するゴム系ラテックスとしては、水系粘・接着剤組成物に用いられる各種公知のものを使用できる。例えばクロロプレンラテックス、天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス等が挙げられる。
【0027】
ゴム系ラテックスと粘着付与剤樹脂エマルジョンの使用割合は、ゴム系ラテックス100重量部(固形分換算)に対して、粘着付与剤樹脂エマルジョンを通常10〜150重量部程度(固形分換算)、好ましくは25〜100重量部とするのがよい。粘着付与剤樹脂エマルジョンが10重量部に満たない場合は、粘着付与剤樹脂を添加することによる改質がほとんど認められず、また150重量部を越える場合には凝集力が低下する傾向にありいずれの場合も適当ではない。
【0028】
さらに、ウレタン系エマルジョンとしては、水系粘・接着剤組成物に用いられる各種公知のものを使用できる。
【0029】
ウレタン系エマルジョンと粘着付与剤樹脂エマルジョンの使用割合は、ウレタン系エマルジョン100重量部(固形分換算)に対して、粘着付与剤樹脂エマルジョンを通常2〜40重量部程度(固形分換算)とするのがよい。粘着付与剤樹脂エマルジョンが2重量部に満たない場合には、粘着付与樹脂を添加することによる改質がほとんど認められず、また40重量部を越える場合には凝集力が低下する傾向にありいずれの場合も適当ではない。
【0030】
本発明の水系粘・接着剤組成物は、ゴム系ラテックスおよびウレタン系エマルジョンからなる群より選ばれる少なくとも一種のベースポリマーおよび粘着付与剤樹脂エマルジョンを必須成分として構成される。
【0031】
またこれらのほかに、必要に応じて消泡剤、増粘剤、充填剤、酸化防止剤、耐水化剤、造膜助剤等を添加することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の水系粘・接着剤組成物は、ゴム系ラテックスおよびウレタン系エマルジョンに対する相溶性を有し、かつ淡色であり、耐光性にも優れる粘着付与樹脂エマルジョンを配合したものなので、乾燥皮膜の色調や、基材に対する接着性、そして耐候性に優れる。
【0033】
【実施例】
以下に実施例及び比較例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、各例中、部は重量基準である。
【0034】
製造例1(水酸基を有する脂環式炭化水素樹脂の水素化物の製造)
石油留分の中でいわゆるC5留分の内、重合性モノマーとしてシクロペンタジエンを主成分とする留分とアリルアルコールとを熱重合て得られる、水酸基を有する脂環式炭化水素樹脂(軟化点100℃,数平均分子量300,色調7ガードナー、水酸基価200、日本ゼオン社製、商品名クイントン1700)100部に、予め還元しておいたニッケル−ケイソウ土触媒(「SN−250」、堺化学(株)製)1.0部をオートクレーブに仕込み、水素圧19.6MPa、反応温度250℃、反応時間5時間の条件で、水素化反応を行った。反応終了後、得られた樹脂をトルエン300部に溶解・ろ過する事により触媒を除去した。その後、撹拌羽根、還流コンデンサー、温度計、温度調節器及び圧力表示計の取り付けられた1リットル容のセパラブルフラスコにろ液を入れ、200℃、2.7kPaまで徐々に昇温・減圧して溶媒を除去し、数量平均分子量280、軟化点101℃、色調100ハーゼン、水酸基価80の水酸基を有する脂環式炭化水素樹脂の水素化物(粘着付与樹脂)98部を得た。以下、これを粘着付与樹脂Aという。粘着付与樹脂Aの物性を表1に示す。
【0035】
製造例2
製造例1において、パラジウム−カーボン触媒(「5C−50W」、エヌ・イーケムキャット(株)製)1.0部にした他は製造例1と同様の操作を行い、数量平均分子量285、軟化点101℃、色調300ハーゼン、水酸基価164の水酸基を有する脂環式炭化水素樹脂の水素化物(粘着付与樹脂)98部を得た。以下、これを粘着付与樹脂Bという。粘着付与樹脂Bの物性を表1に示す。
【0036】
軟化点は、JIS K 2531の環球法による。また、色調は、ハーゼンカラーの場合は樹脂を50%トルエン溶液にしてハーゼンスタンダードカラー(H)と目視により比色後に数値を2倍(50%希釈のため)して判定し、ガードナーカラーの場合は樹脂を180℃で溶融してガードナースタンダードカラー(G)により目視判定した。水酸基価はJIS K 0070に従った。
【0037】
実施例1
粘着付与樹脂A100部を、トルエン50部に100℃にて約1時間溶解した後、80℃まで冷却した。次いで乳化剤としてアニオン系乳化剤(商品名「ハイテノールS」、固形分50%、第一工業製薬(株)製)を固形分換算で3部および水120部を添加し、75℃にて1時間強撹拌し予備乳化を行なった。さらに得られた予備乳化物を高圧乳化機(マントンガウリン社製)により30MPaの圧力で高圧乳化して乳化物を得た。次いで、減圧蒸留装置に前記乳化物を仕込み、70℃、130hPaの条件下に6時間減圧蒸留を行ない、固形分50%の粘着付与剤樹脂のエマルジョンを得た。
【0038】
実施例2、比較例1〜6
実施例1において、粘着付与樹脂を表1に示したものに代えて用いた以外は実施例1と同様にして粘着付与剤樹脂のエマルジョンを得た。
【0039】
【表1】
【0040】
表1中、水酸基を有する脂環式炭化水素樹脂▲1▼:クイントン1700(日本ゼオン(株)製)、ロジンフェノール▲2▼:タマノル803L(荒川化学工業(株)製)、重合ロジンエステル▲3▼:ペンセルD−125(荒川化学工業(株)製)、水素化ロジンエステル▲4▼:KE−359(荒川化学工業(株)製)、ピュアモノマー樹脂▲5▼:FTR−6100(三井化学(株)製)、水素化石油樹脂▲6▼:アルコンM−100(荒川化学工業(株)製)を示す。
【0041】
(水系接着剤組成物の性能評価(1))
クロロプレンラテックス100部(固形換算)(商品名「ALX−600」、電気化学工業(株)製)に、前記実施例および比較例で得られた粘着付与樹脂エマルジョン50部(固形換算)を混合した調製物に、さらに亜鉛華(商品名「AZ−SW」、大崎工業(株)製)3部(固形換算)、老化防止剤(2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール)1部を添加して水系接着剤組成物を得た。この様にして得られた水系接着剤組成物を用い下記評価を実施した。結果を表2に示した。
【0042】
(組成物の色調)
前記水系接着剤組成物を吸取紙シム−1(商品名、コクヨ(株))に刷毛で200g wet/m2塗布し、次いで該接着剤組成物中の水分を除去した後、得られた試験片を目視により、以下の基準で評価した。
○−−−クロロプレンラテックス単独と同等。
△−−−クロロプレンラテックス単独より少し変色している。
×−−−クロロプレンラテックス単独より変色している。
【0043】
(相溶性)
前記水系接着剤組成物を厚さ38μmのポリエステルフィルムにサイコロ型アプリケーターにて乾燥膜厚が25μm程度となるように塗布し、次いで該粘着剤組成物中の水分を除去して試料テープを作成した後、目視により、以下の基準で評価した。
○−−−クロロプレンラテックス単独と同等。
△−−−クロロプレンラテックス単独より少し濁っていて部分相溶している。
×−−−クロロプレンラテックス単独より白濁していて相溶していない。
【0044】
(接着性)
前記水系接着剤組成物を200g wet/m2の塗布量で軟質PVC/帆布へ塗布し、次いで23℃×10分間のオープンタイムの後、10kgで圧着し試験片を作成し、23℃の雰囲気下で1日間静置した試験片をPSTC−1に準じて23℃で、剥離速度100mm/分でT剥離を行い、その時の巾25mmあたりの接着力を測定した。
【0045】
(耐光性)
前記水系接着剤組成物を吸取紙シム−1(商品名、コクヨ(株))に刷毛で200g wet/m2塗布し、次いで該接着剤組成物中の水分を除去した後、得られた試験片に対してキセノンランプテスター(フレウス社製耐光試験機「SUNTEST CPS」,特殊石英硝子キセノンランプ1.8Kw)を照射し、120時間後の変色を目視により、以下の基準で評価した。
○−−−クロロプレンラテックス単独と同等。
△−−−クロロプレンラテックス単独より少し変色している。
×−−−クロロプレンラテックス単独より変色している。
【0046】
【表2】
【0047】
(水系接着剤組成物の性能評価(2))
水系接着剤組成物の性能評価(1)において、ポリウレタンエマルジョン100部(固形換算)(商品名「ディスパコールU54」、住友バイエルウレタン(株)製)に、前記実施例および比較例で得られた粘着付与樹脂エマルジョン30部(固形換算)を混合した調製物に、さらに増粘剤(商品名「ディスモジュールDA」、住友バイエルウレタン(株)製)5部、架橋剤(商品名「BORCHIGEL L75N」、住友バイエルウレタン(株)製)1部を添加して水系接着剤組成物を得た以外は、水系接着剤組成物の性能評価(1)と同様にして評価を行った。結果を表3に示した。
【0048】
【表3】
Claims (7)
- ゴム系ラテックスおよびウレタン系エマルジョンからなる群より選ばれる少なくとも一種のベースポリマーと、極性基を有する脂環式炭化水素樹脂の水素化物をアニオン系乳化剤の存在下で乳化して得られる樹脂エマルジョンを含有してなる粘着付与樹脂エマルジョンとを含有してなることを特徴とする水系粘・接着剤組成物。
- ゴム系ラテックス100重量部(固形分換算)に対して、該粘着付与剤樹脂エマルジョン10〜150重量部(固形分換算)を配合してなる請求項1に記載の水系粘・接着剤組成物。
- ウレタン系エマルジョン100重量部(固形分換算)に対して、該粘着付与樹脂エマルジョン2〜40重量部(固形分換算)を配合してなる請求項1に記載の水系粘・接着剤組成物。
- 極性基を有する脂環式炭化水素樹脂の極性基が水酸基であり、当該水素化物の水酸基価が20〜250である請求項1〜3のいずれかに記載の水系粘・接着剤組成物。
- 極性基を有する脂環式炭化水素樹脂の水素化物の軟化点が、70〜150℃である請求項1〜4のいずれかに記載の水系粘・接着剤組成物。
- 極性基を有する脂環式炭化水素樹脂の水素化物の色調がガードナー3以下である請求項1〜5のいずれかに記載の水系粘・接着剤組成物。
- 極性基を有する脂環式炭化水素樹脂の水素化物が、極性基を有する脂環式炭化水素樹脂を水素化したものである請求項1〜6のいずれかに記載の水系粘・接着剤組成物。
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