JP3427912B2 - スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体用粘着付与剤、その製造方法および粘着剤組成物 - Google Patents

スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体用粘着付与剤、その製造方法および粘着剤組成物

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スチレン−共役ジエン
系ブロック共重合体用粘着付与剤、その製造方法および
粘着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、スチレン−共役ジエン系ブロ
ック共重合体をベースポリマーとし、これに粘着付与剤
として、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、テルペ
ン系樹脂、ロジン系樹脂等の炭化水素樹脂を加えた粘着
剤組成物が知られている。一般に、こうした粘着剤組成
物には、粘着三特性としてタック、接着力および保持力
が要求される。これら粘着三特性を満足させるために、
粘着付与剤の種類を変えたり、ベースポリマー、粘着付
与剤またはオイル等の配合比率の調整がなされている
が、一般的にタックと保持力とは相反する性能であり、
上記粘着剤組成物で粘着三特性をすべて満足するものは
知られていない。
【0003】また、粘着付与剤のなかには、色調や臭気
の点でも好ましくないものがある。こうした色調や臭気
の改善には、通常、粘着付与剤として炭化水素樹脂の水
素化物が用いられる。しかし、これら水素化樹脂は色調
や臭気を改善できるのみで、粘着三特性を満足するもの
ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、タック、接
着力および保持力の粘着三特性に優れ、かつ色調や臭気
にも優れるスチレン−共役ジエン系ブロック共重合体用
粘着付与剤、その製造方法および粘着剤組成物を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく、スチレン−共役ジエン系ブロック共重合
体に用いる粘着付与剤について鋭意検討した。その結
果、比較的高い軟化点を有する芳香族系炭化水素樹脂の
微水素化物と比較的低い軟化点の非芳香族系炭化水素樹
脂を特定割合で用いることにより、前記目的を達成でき
ることを見出した。本発明はかかる新たな知見に基づい
て完成されたものである。
【0006】詳しくは、本発明は、粘着付与剤として用
いられる炭化水素樹脂のなかで、芳香族系炭化水素樹脂
はその芳香族性から極性が高く、スチレン−共役ジエン
系ブロック共重合体のスチレン相に相溶すること、また
非芳香族系炭化水素樹脂はその非芳香族性から極性が低
く、ブロック共重合体のゴム相(共役ジエン成分)に相
溶することから、これら炭化水素樹脂を併用することに
着目したものである。そして、芳香族系炭化水素樹脂と
して高軟化点物を用いることによりスチレン相を補強し
て保持力を維持するとともに、非芳香族系炭化水素樹脂
として低軟化点物を用いることによりタックを発現させ
ながら、芳香族系炭化水素樹脂を微水素化物とすること
で色調や臭気の問題も改善したものである。
【0007】すなわち本発明は、(1)(a)オレフィ
ン性二重結合の全部と芳香環の20%以下が水素化され
ている軟化点140〜180℃の芳香族系炭化水素樹脂
10重量部、および(b)軟化点70〜110℃の非芳
香族系炭化水素樹脂5〜200重量部を含有してなるス
チレン−共役ジエン系ブロック共重合体用粘着付与剤、
(2)軟化点140〜180℃の未水素化芳香族系炭化
水素樹脂10重量部、および軟化点70〜110℃の非
芳香族系炭化水素樹脂5〜200重量部を混合した後、
該炭化水素樹脂混合物のオレフィン性二重結合の全部と
芳香環の30%以下を水素化することを特徴とする前記
粘着付与剤の製造方法、ならびに(3)前記粘着付与剤
15〜210重量部、スチレン−共役ジエン系ブロック
共重合体4〜200重量部およびオイル4〜200重量
部を含有してなる粘着剤組成物に関する。
【0008】本発明では、スチレン−共役ジエン系ブロ
ック共重合体の粘着付与剤として、(a)オレフィン性
二重結合の全部と芳香環の20%以下が水素化されてい
る軟化点140〜180℃の芳香族系炭化水素樹脂(以
下、樹脂(a)という)と、(b)軟化点70〜110
℃の非芳香族系炭化水素樹脂(以下、樹脂(b)とい
う)を使用することを必須とする。
【0009】樹脂(a)の原料である芳香族系炭化水素
樹脂としては、たとえば、C9系炭化水素樹脂、クマロ
ン−インデン樹脂およびスチレン系重合体等があげられ
る。
【0010】C9系炭化水素樹脂とは、ナフサのクラッ
キングにより得たC9留分(たとえば、スチレン、ビニ
ルトルエン、α−メチルスチレン、インデン類等)をカ
チオン重合して得られる石油樹脂をいう。
【0011】クマロン−インデン樹脂とは、一般にコー
クス炉ガス中の軽質留分であるソルベントナフサ(沸点
150〜200℃)を原料油として、これに含まれるク
マロン、インデン、スチレン等を共重合させて得られる
熱可塑性樹脂であり、インデン、メチルインデン等のイ
ンデン類を構成モノマーとして50重量%以上、好まし
くはかかるインデン類とクマロン、メチルクマロン等の
クマロン類を構成モノマーとして60重量%以上含有す
るものをいう。また、必要によりスチレン、メチルスチ
レン等のスチレン類や、フェノール、アルキルフェノー
ル等のフェノール類等により変性または重合度を調整し
たものでもよい。
【0012】また、スチレン系重合体とは、スチレン、
ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレ
ン等のピュアモノマーをカチオン重合等により重合して
得られるいわゆるピュアモノマー樹脂をいう。
【0013】なお、樹脂(a)のなかでC9系炭化水素
樹脂やクマロン−インデン樹脂等は、水素化触媒の触媒
毒になる硫黄化合物等を高濃度に含有しているため、該
硫黄化合物等を可及的に低減しているものを使用しても
よい。かかる硫黄化合物等の除去は原料油の段階で行っ
てもよく、重合したのちに行ってもよい。除去方法とし
ては、酸またはアルカリによる抽出(洗浄)法、吸着剤
による吸着法、水素化等による分解法等があげられる。
【0014】樹脂(a)は、前記芳香族系炭化水素樹脂
のオレフィン性二重結合の全部および芳香核の20%以
下、好ましくは10%以下を水素化してなるものであ
る。オレフィン性二重結合が残存していては、原料樹脂
である芳香族系炭化水素樹脂の脱臭が不十分であり、熱
安定性の点でも好ましくない。また、芳香核の水素化率
が20%を越える場合には、スチレン−共役ジエン系ブ
ロック共重合体のスチレン相と相溶する割合が少なくな
り、保持力向上の効果が低下し、更には該ブロック共重
合体のゴム相へ相溶して粘着剤組成物のガラス転移点が
上がり、むしろタックが悪くなるため好ましくない。な
お、芳香核の水素化率は0%であってもよい。オレフィ
ン性二重結合の水素化は芳香核の水素化に比べて容易で
あるが、オレフィン性二重結合を完全に水素化できる条
件であれば、硫黄化合物等が水素化分解され臭気成分の
殆どは除去されるからである。
【0015】樹脂(a)は、軟化点が140〜180℃
と比較的高いものを使用する。樹脂(a)の軟化点が1
40℃未満の場合にはスチレン相の補強効果が低下し、
保持力が低下する。180℃を越える場合にはスチレン
相への相溶性が低下して、粘着剤組成物のガラス転移点
が上がり、タックが悪くなる。
【0016】なお、樹脂(a)の軟化点は原料である前
記芳香族系炭化水素樹脂と殆ど同じ値であるため、原料
である芳香族系炭化水素樹脂は同程度の軟化点(すなわ
ち140〜180℃程度)のものを使用すればよい。ま
た、樹脂(a)の数平均分子量は、原料である芳香族系
炭化水素樹脂の数平均分子量を前記水素化率となるよう
に水素化した場合の理論値と殆ど同じと考えればよい。
樹脂(a)の数平均分子量は、通常800〜3000、
好ましくは900〜1600である。
【0017】樹脂(a)の製造は、原料である前記芳香
族系炭化水素樹脂の水素化率が前記範囲内(オレフィン
性二重結合の全部および芳香核の20%以下)となるよ
うに、水素化触媒の存在下に、条件を適宜に調整して水
素化反応を行う。
【0018】水素化触媒としては、ニッケル、パラジウ
ム、白金、コバルト、ロジウム、ルテニウム、モリブデ
ン等の金属またはこれらの酸化物、硫化物等の金属化合
物等の各種のものを使用できる。かかる水素化触媒は多
孔質で表面積の大きなアルミナ、シリカ(ケイソウ
土)、カーボン、チタニア等の担体に担持して使用して
もよい。本発明ではこれら触媒の中でも、水素化率を前
記範囲内に調整し易いことや費用面からニッケル−ケイ
ソウ土触媒を使用するのが好ましい。触媒の使用量は、
原料樹脂である芳香族系炭化水素樹脂脂の0.1〜3重
量%程度、好ましくは0.1〜1重量%である。0.1
重量%に満たない場合は水素化が進み難く、3重量%を
越える場合には水素化が進みすぎる傾向がある。
【0019】水素化反応の条件は、水素化圧力は通常3
0〜300Kg/cm2 程度の範囲、反応温度は通常1
50〜300℃程度の範囲で行う。好ましくは水素化圧
力は100〜200Kg/cm2 であり、反応温度は2
00〜280℃である。水素化圧力が30Kg/cm2
に満たない場合または反応温度が150℃満たない場合
には水素化が進み難く、水素化圧力が300Kg/cm
2 を越える場合または反応温度が300℃を越える場合
には分解が起こり軟化点が低下する傾向がある。また反
応時間は通常1〜7時間程度、好ましくは2〜7時間で
ある。前記水素化反応は芳香族系炭化水素樹脂を溶融し
て、または溶剤に溶解した状態で行う。溶剤としては、
シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、デカリ
ン等を使用できる。
【0020】なお、触媒の使用量および反応時間につい
ては、反応形式として回分式を採用した場合について説
明したが、反応形式としては流通式(固定床式、流動床
式等)を採用することもできる。
【0021】樹脂(b)としては、たとえば、C5系炭
化水素樹脂、テルペン系樹脂等の脂肪族系または脂環肪
族系の非芳香族系炭化水素樹脂があげられる。
【0022】C5系炭化水素樹脂とは、ナフサのクラッ
キングにより得たC4〜C5留分(たとえば、ペンテ
ン、メチルブテン、ピペレリン、シクロペンタジエン、
ジシクロペンタジエン等)をカチオン重合して得られる
石油樹脂をいう。
【0023】テルペン系樹脂とは、α−ピネン、β−ピ
ネン、ジペンテン、リモネン等のテルペン類を重合させ
た樹脂をいう。
【0024】また、樹脂(b)には、前記C5系炭化水
素樹脂またはテルペン系樹脂中に、スチレン等の芳香族
モノマーを樹脂全量の20重量%程度未満の割合で共重
合させたものや、前記C5系炭化水素樹脂やテルペン系
樹脂等の水素化物も含まれる。該水素化物は、色調、臭
気の点で好ましい。なお、水素化条件は、樹脂(a)の
製造条件と同様の条件を採用できる。
【0025】さらには、樹脂(b)として、前記芳香族
系炭化水素樹脂(たとえば、C9系炭化水素樹脂、クマ
ロン−インデン樹脂またはスチレン系共重合体)のオレ
フィン性二重結合の全部と芳香環の80%以上を水素化
したものを使用することもできる。芳香環の水素化率が
80%未満の場合には、もはや非芳香族系炭化水素樹脂
とはいえず、スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体
のスチレン相に相溶して、スチレン相を可塑化し、保持
力が悪くなる。なお、芳香族系炭化水素樹脂の水素化
は、芳香環の水素化率が80%以上となるように、樹脂
(a)の製造条件と同様の条件下で行えばよい。
【0026】樹脂(b)は、軟化点が70〜110℃と
比較的低いものを使用する。樹脂(b)の軟化点が70
℃未満の場合には接着力、保持力の性能が低下する。1
10℃を越える場合には十分なタックが得られない。樹
脂(b)の数平均分子量は、組成により異なるため、適
宜に調製すればよいが、通常300〜2000、好まし
くは350〜1500である。なお、樹脂(a)と同
様、樹脂(b)が水素化物の場合も未水素化の樹脂と同
程度の軟化点、数平均分子量である。
【0027】本発明のスチレン−共役ジエン系ブロック
共重合体用粘着付与剤は、前記樹脂(a)10重量部
と、樹脂(b)5〜200重量部、好ましく10〜10
0重量部を含有してなる。樹脂(b)の使用量が5重量
部未満では、タックが十分でなく好ましくない。また樹
脂(b)の使用量が200重量部を越える場合には、保
持力は殆ど向上せず好ましくない。
【0028】得られた前記樹脂(a)と樹脂(b)を含
有してなる本発明のスチレン−共役ジエン系ブロック共
重合体用粘着付与剤の、軟化点は、通常80〜150℃
程度、好ましくは90〜130℃である。
【0029】本発明のスチレン−共役ジエン系ブロック
共重合体用粘着付与剤は、前記樹脂(a)と樹脂(b)
を混合することにより容易に調製できる。また、本発明
のスチレン−共役ジエン系ブロック共重合体用粘着付与
剤は、樹脂(a)の原料である軟化点140〜180℃
の未水素化芳香族系炭化水素樹脂10重量部と、樹脂
(b)である軟化点70〜110℃の非芳香族系炭化水
素樹脂5〜200重量部を混合した後、該炭化水素樹脂
混合物のオレフィン性二重結合の全部と芳香環の20%
以下を水素化することによっても製造できる。この方法
によれば、樹脂(b)として、C5系炭化水素樹脂やテ
ルペン系樹脂等を使用する場合に、水素化を一度に行う
ことができる点で有利である。なお、水素化の条件は、
炭化水素樹脂混合物の水素化率が前記範囲内(オレフィ
ン性二重結合の全部および芳香核の20%以下)となる
ように、樹脂(a)の製造条件と同様の条件下で行えば
よい。
【0030】本発明の粘着剤組成物は、前記樹脂(a)
と樹脂(b)を含有してなる本発明のスチレン−共役ジ
エン系ブロック共重合体用粘着付与剤15〜210重量
部、スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体4〜20
0重量部およびオイル4〜200重量部を含有してなる
ものである。
【0031】スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体
が4重量部未満の場合には、保持力が不十分であり、2
00重量部を越える場合には得られる粘着剤組成物の溶
融粘度が高くなりいずれも好ましくない。また、オイル
が4重量部未満の場合には、粘着剤組成物の溶融粘度が
高くなり、200重量部を越える場合には保持力が不十
分でいずれも好ましくない。
【0032】前記本発明のスチレン−共役ジエン系ブロ
ック共重合体とは、スチレン、メチルスチレン等のスチ
レン類と、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類
を、使用目的に応じて適宜に選択して共重合したブロッ
ク共重合体である。通常、スチレン類/共役ジエン類の
重量比は、10/90〜50/50である。このような
ブロック共重合体の好ましい具体例としては、たとえば
スチレン類(S)/ブダジエン(B)の重量比が、10
/90〜50/50の範囲にあるSBS型ブロック共重
合体、スチレン類(S)/イソプレン(I)の重量比
が、10/90〜30/70の範囲にあるSIS型ブロ
ック共重合体等があげられる。また、本発明のスチレン
−共役ジエン系ブロック共重合体には、前記ブロック共
重合体の共役ジエン成分を水素化したものも含まれる。
【0033】また、オイルとしては、ナフテン系オイ
ル、パラフィン系オイルや、芳香族系オイル等の可塑化
オイルがあげられる。凝集力の低下が少ない点からすれ
ば、ナフテン系オイル、パラフィン系オイルが好まし
い。具体的には、ナフテン系プロセス油、パラフィン系
プロセス油、液状ポリブテン等があげられる。
【0034】なお、本発明の粘着剤組成物には、さら
に、必要に応じて消泡剤、増粘剤、充填剤、酸化防止
剤、耐水化剤、造膜助剤等の添加剤を加えることができ
る。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、タック、接着力および
保持力の粘着三特性に優れ、かつ色調や臭気にも優れる
スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体用の粘着付与
剤を提供できる。また、本発明の製造方法によれば、本
発明の粘着付与剤を効率よく製造できる。こうして得ら
れる本発明の粘着付与剤を用いることに、上記特性を有
するスチレン−共役ジエン系ブロック共重合体を用いた
粘着剤組成物を提供することができる。かかる本発明の
粘着剤組成物は、各種粘着テープ、ラベル、自動車、弱
電部品の仮止剤、各種アッセンブリー用途等の各種用途
に使用できる。
【0036】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。なお、各例中、部は重量基準であ
る。
【0037】実施例1 (1)樹脂(a)の製造 軟化点150℃のC9系炭化水素樹脂(「ネオポリマー
150」、日本石油(株)製)100部とニッケル−ケ
イソウ土触媒(日揮化学(株)製、「N−113」)
0.4部をオートクレーブに仕込み、水素圧200kg
/cm2 、反応温度260℃、反応時間5時間の条件で
撹拌下に、水素化反応を行った。反応終了後、得られた
樹脂をシクロヘキサン300部に溶解し、ろ過により触
媒を除去した。その後、撹拌羽根、還流コンデンサー、
温度計、温度調節器及び圧力表示計の取り付けられた1
リットル容のセパラブルフラスコにろ液を入れ、200
℃、20torrまで徐々に昇温・減圧して溶媒を除去
し、数量平均分子量1465、軟化点150℃、芳香環
の水素化率10%の水素化C9系炭化水素樹脂98部を
得た。
【0038】なお、水素化率は、原料樹脂及び得られた
水素化樹脂の 1H−NMRの7ppm付近に現れる芳香
環のH−スペクトル面積から以下の式に基づき算出し
た。水素化率={1−(水素化樹脂のスペクトル面積/
原料樹脂のスペクトル面積)}×100(%)。また、
軟化点は、JIS K 2531の環球法による。
【0039】(2)粘着付与剤の調製 上記(1)で得られた水素化C9系炭化水素樹脂(樹脂
(a))50部と、樹脂(b)として軟化点100℃の
C5系炭化水素樹脂(「マルカレッツT100A」、丸
善石油(株)製)50部を溶融混合して、軟化点125
℃の粘着付与剤を調製した。
【0040】(3)粘着剤組成物の調製 SIS型ブロック共重合体(「カリフレックスTR11
07」、シェル化学(株)製)およびパラフィン系オイ
ル(「DIプロセスPW90」、出光興産(株)製)を
溶融混合(前者:後者の重量比が30:18)してゴム
状物を調製した。このゴム状物92部を、(2)で調製
した粘着付与剤100部に、180℃まで加熱、撹拌し
ながら徐々に加え、粘着剤組成物を調製した。
【0041】実施例2〜4 実施例1の(1)において、原料の種類を表1に示すよ
うに変えた他は、実施例1の(1)と同様にして表1に
示す水素化率の樹脂(a)を製造した。また、実施例1
の(2)において樹脂(a)もしくは樹脂(b)の種
類、または樹脂(a)と樹脂(b)の溶融混合量を表1
に示すように変えた他は、実施例1の(2)と同様にし
て粘着付与剤を調製した。調製した粘着付与剤の軟化点
を表1に示す。得られた粘着付与剤を用いて実施例1の
(3)と同様にして粘着剤組成物を調製した。
【0042】実施例5 実施例1の(1)において、原料としてC9系炭化水素
樹脂(「ネオポリマー150」、日本石油(株)製)1
0部とC5系炭化水素樹脂(「マルカレッツT100
A」、丸善石油(株)製)90部を仕込み、触媒の使用
量を0.5部、反応温度を260℃に変えて水素化した
他は実施例1の(1)と同様にして表1に示す水素化率
の樹脂(a)を含む粘着付与剤を製造した。製造した粘
着付与剤の軟化点を表1に示す。得られた粘着付与剤を
用いて実施例1の(3)と同様にして粘着剤組成物を調
製した。
【0043】
【表1】
【0044】表1中、樹脂(a)の*1はC9系炭化水
素樹脂(「ネオポリマー150」、日本石油(株)製)
を表し、*2はインデン樹脂(「ユニレジン780」、
日本石油(株)製)を表す。樹脂(b)の*3は、C5
系炭化水素樹脂(「マルカレッツT100A」、丸善石
油(株)製)を表し、*4はC9系炭化水素樹脂(「ア
ルコンP90」、芳香環の水素化率90%、荒川化学工
業(株)製)を表す。
【0045】比較例1 粘着付与剤として、軟化点125℃のC9系炭化水素樹
脂(「アルコンP125」、芳香環の水素化率90%、
荒川化学工業(株)製)を使用した他は実施例1の
(3)と同様にして粘着剤組成物を調製した。
【0046】比較例2 粘着付与剤として、軟化点100℃のC5系炭化水素樹
脂(「マルカレッツT100A」、丸善石油(株)製)
を使用した他は実施例1の(3)と同様にして粘着剤組
成物を調製した。
【0047】比較例3 粘着付与剤として、軟化点150℃のC9系炭化水素樹
脂(「ネオポリマー150」、芳香環の水素化率0%、
日本石油(株)製)を使用した他は実施例1の(3)と
同様にして粘着剤組成物を調製した。
【0048】比較例4〜10 実施例1の(2)において、樹脂(a)および樹脂
(b)の代わりに、表2に示す芳香族性または軟化点の
異なる2種類の炭化水素樹脂を用いた他は、実施例1の
(2)と同様にして粘着付与剤を調製した。調製した粘
着付与剤の軟化点を表2に示す。得られた粘着付与剤を
用いて実施例1の(3)と同様にして粘着剤組成物を調
製した。なお、炭化水素樹脂は原料をそのままで、また
は原料のなかで芳香族系炭化水素樹脂は芳香環の水素化
率が表2に示すように水素化して使用した。
【0049】
【表2】
【0050】表2中、*1はC9系炭化水素樹脂(「ネ
オポリマー150」、日本石油(株)製)を表し、*2
はインデン樹脂(「ユニレジン780」、日本石油
(株)製)を表し、*3はC5系炭化水素樹脂(「マル
カレッツT100A」、丸善石油(株)製)を表し、*
5はC9系炭化水素樹脂(「ネオポリマー100」、日
本石油(株)製)を表し、*6はC9系炭化水素樹脂
(「ハイレジンRS−9」、日本石油(株)製)を表
す。
【0051】実施例および比較例で得られた粘着剤組成
物を以下の試験により評価した。評価結果を表3に示
す。
【0052】(タック)JIS Z 0237法に従
い、30度の角度を有する斜面から、No.14の鋼球
を転がし、水平面に置いた粘着面(粘着剤組成物をポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に、塗布厚が77μ
mとなるように溶融塗布したもの(以下、PETフィル
ムという))上で鋼球が転がる距離(cm)を測定し
た。距離(cm)が短いほどタックに優れる。測定雰囲
気温度は、20℃である。
【0053】(接着力)JIS Z 0237法に従
い、上記PETフィルムを、2kgのゴムローラーを用
いて、被着体であるステンレス鋼板に接着面積25mm
×125mmで圧着後、20℃で24時間放置した。そ
の後テンシロンで180度剥離試験を行い接着力(kg
/25mm)を測定した。
【0054】(保持力)JIS Z 0237法に従
い、上記PETフィルムとステンレス鋼板を2kgのゴ
ムローラーを用いて、接着面積25mm×25mmで圧
着した後、20℃で24時間放置した。その後クリープ
テスターで60℃、2kg、1時間の条件で荷重をかけ
たときのPETフィルムとステンレス鋼板とのズレを測
定(mm)を測定した。ズレ(mm)が短いほど保持力
に優れる。
【0055】(臭気)粘着剤組成物を溶融して調製する
際の臭気を以下の基準で評価した。 ○:ほとんど無臭。 △:やや臭気がある。 ×:臭気が激しい。
【0056】(色調)粘着付与剤を200℃に溶融させ
たときの色調を、ガードナースタンダードカーにより目
視判定した。
【0057】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09J 145/02 C09J 145/02 153/02 153/02 157/02 157/02 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C09J 101/00 - 201/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)オレフィン性二重結合の全部と芳
    香環の20%以下が水素化されている軟化点140〜1
    80℃の芳香族系炭化水素樹脂10重量部、および
    (b)軟化点70〜110℃の非芳香族系炭化水素樹脂
    5〜200重量部を含有してなるスチレン−共役ジエン
    系ブロック共重合体用粘着付与剤。
  2. 【請求項2】 芳香族系炭化水素樹脂が、C9系炭化水
    素樹脂、クマロン−インデン樹脂およびスチレン系重合
    体から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の粘
    着付与剤。
  3. 【請求項3】 非芳香族系炭化水素樹脂が、C5系炭化
    水素樹脂、テルペン系樹脂およびこれらの水素化物から
    選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の粘着付与
    剤。
  4. 【請求項4】 非芳香族系炭化水素樹脂が、芳香族系炭
    化水素樹脂のオレフィン性二重結合の全部と芳香環の8
    0%以上を水素化したものである請求項1記載の粘着付
    与剤。
  5. 【請求項5】 軟化点140〜180℃の未水素化芳香
    族系炭化水素樹脂10重量部、および(b)軟化点70
    〜110℃の非芳香族系炭化水素樹脂5〜200重量部
    を混合した後、該炭化水素樹脂混合物のオレフィン性二
    重結合の全部と芳香環の20%以下を水素化することを
    特徴とする請求項1記載の粘着付与剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の粘着付
    与剤15〜210重量部、スチレン−共役ジエン系ブロ
    ック共重合体4〜200重量部およびオイル4〜200
    重量部を含有してなる粘着剤組成物。
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