JP4986780B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱記録材料に関し、更に詳しくは粉ふき発生(白粉発生)がなく、高感度で耐光性に優れた感熱記録材料に関する。
近年、情報の多様化やニーズの拡大に伴い、情報記録分野に於いて各種の記録材料が研究・開発され実用化されているが、なかでも感熱記録材料は、(1)加熱プロセスのみによる簡易な画像の記録が可能なこと、(2)必要な装置のメカニズムが簡単でコンパクト化が容易であり記録材料が取扱い易く安価であることなどの利点を有するため情報処理分野(例えば、卓上計算機、コンピュータ等のアウトプット)、医療計測用レコーダー分野、低、高速ファクシミリ分野、自動券売機分野(乗車券、入場券等)、感熱複写機分野、P0Sシステムのラベル分野等、多岐にわたり用いられている。
これら感熱記録材料の利用分野の中で、POSシステムのラベル分野、特に弁当や惣菜といった画像の信頼性を重視する分野で、急速に使われるようになっており、包装等に使用される有機高分子材料に含有されている可塑剤や油脂類に対して高い保存安定性を要求する用途、あるいはレシート・領収書などの数年間の保存安定性を要求する用途等にも使われ、感熱記録材料への要求品質が年々高まっているのが現状である。そのために、染料・顕色剤・保存安定剤等の助剤の開発がなされているが、発色感度と画像の保存安定性とをバランス良く十分に満足できるものは未だ見出されていない。
そこでロイコ染料や顕色剤と共融し、融点降下を起こす材料である低融点の顕色剤や増感剤を添加することが行われている。例えば、ジフェニルスルホン架橋型化合物を顕色剤として用い、これにアミノスルホニル基(−SO2NH2)を有する芳香族化合物を増感剤として用いることにより、記録感度を向上させることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし低融点化すると感度は向上するが、発色温度が低下するため、感度向上と共に地肌かぶりが発生してくるという問題点が発生する。
上記問題点の改善、すなわち、感度と地肌カブリの両立のために、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと様々な高分子型顕色剤とを組み合わせることが提案されている(例えば、特許文献2、3参照。)。これらの手法により感度と地肌かぶりの両立が図られてるが、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと高分子型顕色剤との組み合わせでは、光によって印字画像部が退色するという課題がある。
耐光性を向上させるためには、従来より様々な方法が試みられてきている。その中でも紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール化合物を含有させることが提案されている(例えば、特許文献4、5、6参照。)。
しかし、多くのベンゾトリアゾール化合物は融点が100℃程度の低融点であり、かつ高い結晶性と昇華性を有するために、融点近くの環境下での使用や長期間の保存において、ベンゾトリアゾール化合物の蒸散、結晶化もしくはブリードアウトが起こってしまう。このため、析出した紫外線吸収剤で感熱記録材料の表面が粉ふき状態、所謂、粉ふき発生(あるいは、白粉発生)になったり、またサーマルヘッドに紫外線吸収剤が付着して印字障害が生じる問題がある。
特開2000−135867号公報 特開2001−310561号公報 特開2004−276593号公報 特開昭63−307981号公報 特開昭61―193883号公報 特開2005−262548号公報
本発明は、発色感度と地肌かぶりを高品位に維持しつつ光による印字画像の退色を防止し、更に粉ふき発生(白粉発生)を回避した高感度で保存安定性の優れた感熱記録材料を提供することを目的とする。
なお、本発明で言う「粉ふき発生(あるいは、白粉発生)」とは、主に紫外線吸収剤(トリアゾール化合物)が分離(蒸散、結晶化もしくは滲み出し(ブリードアウト)等)により感熱記録材料表面に析出することを指す。
本発明者らは上記課題を解決するべく検討を行った結果、下記〔1〕〜〔12〕に記載する構成によって解決されることを見出し本発明に至った。以下、本発明について具体的に説明する。
〔1〕:上記課題は、支持体上に熱により呈色する感熱記録層を設けた感熱記録材料であって、前記感熱記録層中にロイコ染料及び4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ‐P−フェニレンスルホニル)]ジフェノールを主成分とする重合物とを顕色剤として含有すると共に、2−〔2−ヒドロキシー3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕2H−ベンゾトリアゾールと2−(3’−t−ブチルー2’−ヒドロキシー5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールとを紫外線吸収剤として含有することを特徴とする感熱記録材料により解決される。
上記〔1〕によれば、高感度で地肌かぶりがなく、耐光性が優れ、粉ふき発生(白粉発生)のない優れた感熱記録材料が得られる。
〔2〕:上記〔1〕に記載の感熱記録材料において、前記4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ‐P−フェニレンスルホニル)]ジフェノールを主成分とする重合物の含有量が、前記4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン1重量部に対して4.0〜8.0重量部であることを特徴とする。
4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン1重量部に対して4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ‐P−フェニレンスルホニル)]ジフェノールを主成分とする重合物の含有量を4.0〜8.0重量部の範囲とすることで、良好な発色感度と地肌かぶり防止を両立しつつ、優れた保存安定性を保つことができる。
〕:上記〔1〕又は〔2〕に記載の感熱記録材料において、前記感熱記録層中に含有される紫外線吸収剤の総含有量が、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ‐P−フェニレンスルホニル)]ジフェノールを主成分とする重合物との総重量部(1重量部)に対して0.03〜0.60重量部であることを特徴とする。
4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ‐P−フェニレンスルホニル)]ジフェノールを主成分とする重合物との総重量部(1重量部)に対して紫外線吸収剤の総含有を0.03〜0.60の範囲とすることで、効果的に耐光性を向上することができる。
〕:上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の感熱記録材料において、前記支持体と感熱記録層との間に、アンダーコート層を設けたことを特徴とする。
アンダーコート層を設けることによって、地肌かぶり防止、保存安定性を維持しつつ、更に発色感度を向上することができる。
〕:上記〔4〕に記載の感熱記録材料において、前記アンダーコート層が、熱可塑性樹脂を殻とした中空率30%以上の中空粒子を含むことを特徴とする。
中空率30%以上の中空粒子を含むアンダーコート層とすることにより、断熱性が高まると共に、ヘッドとの密着性が向上して発色感度が向上する。
〕:上記〔〕に記載の感熱記録材料において、前記中空粒子の平均粒子径が、1.0〜5.0μmであることを特徴とする。
1.0μm未満では任意の中空率にするのが困難である等の生産上の問題があり、5.0μmを超えるものは、塗布乾燥後の表面の平滑性が低下し、サーマルヘッドとの密着性が低下して感度向上効果が低下するなどの問題がある。中空粒子の平均粒子径を1.0〜5.0μmの範囲とすれば、〔〕の機能を保ちつつ、更に発色感度が向上する。
〕:上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の感熱記録材料において、感熱記録層上に少なくとも結着性樹脂と無機フィラーを含む保護層を設けたことを特徴とする。
結着性樹脂と無機フィラーを含む保護層を設けることにより、耐光性が格段に向上すると共に、ヘッドマッチング性が飛躍的に向上して、例えば、市販(各メーカ)の各種プリンターにおいても印字適正が得られる。
〕:上記〔〕に記載の感熱記録材料において、前記結着性樹脂が、分子鎖中に少なくともビニルアルコール構造及びジアセトン基が結合したビニル誘導体構造を繰り返し単位として有するジアセトン変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする。
上記ジアセトン変性ポリビニルアルコールを結着性樹脂として用いることにより、温湿度環境下(特に低温低湿環境条件)でのスティッキング抑制を図ることができる。
〕:上記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の感熱記録材料において、前記感熱記録層が設けられた側の感熱記録材料の表面にOPニス加工が施されたことを特徴とする。
10〕:上記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の感熱記録材料において、前記感熱記録材料における感熱記録層が設けられた側とは逆の面である支持体裏面に、アイマーク加工が施されたことを特徴とする。
上記〔9〕におけるOP(Over Print)ニス加工を施すことで光沢性を付与し、更に〔10〕における支持体裏面にアイマーク加工を施せばハンディープリンターに適用することが可能となり、例えば、検針・振込み用紙としても使用可能となる。
11〕:上記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の感熱記録材料において、前記感熱記録材料における感熱記録層が設けられた側とは逆の面である支持体裏面に、擬似接着加工が施されたことを特徴とする。
感熱記録材料の裏面に擬似接着加工を施せば、例えば、物流配送用の帳票(宅配便帳票などに使用)、あるいはラベル用途として使用することが可能である。
12〕:上記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の感熱記録材料において、前記感熱記録材料における感熱記録層が設けられた側とは逆の面である支持体裏面に、磁気記録層が設けられ感熱記録型磁気材料とされたことを特徴とする。
感熱記録材料の裏面に磁気記録層を設けて感熱記録型磁気材料とすれば、例えば、乗車券、入場券等の自動券売機分野において使用するが可能である。
本発明の感熱記録材料における、感熱記録層[ロイコ染料及び4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ‐P−フェニレンスルホニル)]ジフェノールを主成分とする重合物とを顕色剤として含有すると共に、融点が130℃以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2種(2−〔2−ヒドロキシー3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕2H−ベンゾトリアゾールと、2−(3’−t−ブチルー2’−ヒドロキシー5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)含有する]は、主要成分が4成分にもかかわらず共融解現象が生じず、これにより地肌カブリを防止すると共に、融点が130℃以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を少なくとも2種(2−〔2−ヒドロキシー3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕2H−ベンゾトリアゾールと、2−(3’−t−ブチルー2’−ヒドロキシー5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)用いることによって粉ふき発生(白粉発生)の回避を達成することができ、このような本発明の構成により、発色感度と地肌かぶりを高品位に維持しつつ光による印字画像の退色を防止し、高感度で保存安定性の優れた感熱記録を可能にすることができる。
本発明の高感度で保存安定性の優れた感熱記録材料を用いれば、例えば、情報処理分野(卓上計算機、コンピュータ等のアウトプット)、医療計測用レコーダー分野、低、高速ファクシミリ分野、自動券売機分野(乗車券、入場券等)、感熱複写機分野、P0Sシス
テムのラベル分野等に適用することができる。
前述のように本発明における感熱記録材料は、支持体上に熱により呈色する感熱記録層を設けた感熱記録材料であって、前記感熱記録層中にロイコ染料及び4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと下記一般式(I)で表されるヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体(好ましくは、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ‐P−フェニレンスルホニル)]ジフェノールを主成分とする重合物である)とを顕色剤として含有すると共に、融点が130℃以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を少なくとも2種(2−〔2−ヒドロキシー3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕2H−ベンゾトリアゾールと、2−(3’−t−ブチルー2’−ヒドロキシー5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールとである)含有することを特徴とするものである。

[式(I)中、X及びYは各々相異なってもよく直鎖または分枝を有してもよい炭素数1〜12の飽和あるいは不飽和で、エーテル結合を有してもよい炭化水素基であるか、または、下記一般式(a)もしくは(b);
〔式(a)中、Rはメチレン基またはエチレン基を表し、式(b)中、Tは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。〕
で示される2価基を表す。R1〜R6はそれぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基を示す。また、m、n、p、q、r、tは各々0〜4の整数を表し、2以上の時はR1〜R6はそれぞれ異なっていてもよい。aは0〜10の整数を表す。]
通常、ロイコ染料と3成分以上の化合物が混合されると共融解現象により、耐熱性の低下を招き、地肌かぶりが生じる。共融解現象においては、例えば、示差走査熱量分析装置[EXSTAR6000:エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製〕で測定すると、図1に示すような測定結果(吸熱ピークが1つ)が得られる。
しかし、本発明における、ロイコ染料、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、一般式(I)で表されるヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体、及び融点が130℃以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤からなる4成分系においては、同上記示差走査熱量分析装置で測定すると、図2に示すような測定結果(吸熱ピークが複数)が得られ、各組成分が互いに共融しない状態であることを見出した。この共融しない状態のために地肌かぶりが生じることなく、耐光性に関して大きく改善される。
なお、上記4成分系においては、共融解現象が生じないことで地肌カブリが生じないというメリットがある反面、融点が130℃以下であるベンゾトリアゾール化合物を用いると、ベンゾトリアゾール化合物が分離(蒸散、結晶化もしくは滲み出し(ブリードアウト)等)しやすいというデメリットもある。このようなベンゾトリアゾール化合物の分離が生じると、所謂、粉ふき発生(あるいは、白粉発生)が起生する。
本発明によれば、経時での分離を防ぐための手段を鋭意検討した結果、融点が130℃以上のベンゾトリアゾール化合物を少なくとも2種用いることで、分離を防ぐことが可能であることを見出した。
すなわち、ベンゾトリアゾール化合物の融点が130℃以上であることにより分子移動が容易な状態になりにくく、かつ異種のベンゾトリアゾール化合物が混在しすることにより互いに影響し合い、相互作用を及ぼして分離を防いでいるためであると思われる。
以下、本発明の感熱記録材料について、図面を用いて詳しく説明する。
図3(a)は、本発明の感熱記録材料の構成例を示す断面図であり、支持体1上に、ロイコ染料及び4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと前記一般式(I)で表されるヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体とを顕色剤として含有すると共に、融点が130℃以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を少なくとも2種含有する感熱記録層2を積層した構成からなる。
図3(b)は、本発明の感熱記録材料の別の構成例を示す断面図であり、図1(a)における支持体1と感熱記録層2の間に、アンダーコート層3を設けた構成からなる。
図3(c)は、本発明の感熱記録材料の更に別の構成例を示す断面図であり、図1(b)における感熱記録層2の上に保護層4を設けた構成からなる。
前記感熱記録層に含有される顕色剤[4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと前記一般式(I)で表されるヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体]の添加量は、ロイコ染料1重量部に対して顕色剤全体で1〜7重量部、好ましくは2〜5重量部が適当である。
また、前記一般式(I)で表されるヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体の含有量が、前記4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン1重量部に対して4.0〜8.0重量部が適当である。
前記少なくとも2種含有される融点が130℃以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の総含有量が、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと前記一般式(I)で表されるヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体との総重量部(1重量部)に対して0.03〜0.60重量部であることが好ましく、より好ましくは0.10〜0.40重量部でである。ベンゾトリアゾール化合物が0.60重量部を超える場合は、発色が不十分となり好ましくない。また、0.03重量部未満では紫外線吸収剤としての効果が小さくなり好ましくない。
前記一般式(I)で表されるヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体にける具体例としては、例えば、X及びYが同じで、かつ、エーテル結合を有する炭素数1〜12の飽和炭化水素基が挙げられ、好ましくは、X及びYが同じで、かつ、エーテル結合を有する炭素数1〜6の飽和炭化水素基が挙げられ、更に、X及びYが同一であり、CH2CH2OCH2CH2であるものが最も好ましい例として挙げられる。
また、前記Rは、好ましくはH(水素原子)であり、Tは、好ましくは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基で、より好ましくはH(水素原子)である。
1〜R6は、それぞれ独立に好ましくは、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルケニル基で、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。
また、m、n、p、q、r、tは、好ましくは各々0〜4の整数で、より好ましくは0〜1である。aは、好ましくは0〜10の整数で、より好ましくは1〜7の整数である。
本発明においては前記一般式(I)で表されるヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体が、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ‐P−フェニレンスルホニル)]ジフェノールを主成分とする重合物であることが好ましい。
なお、上記本発明の一般式(I)で表されるヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体としては、例えば、日本曹達株式会社から商品名「D−90」として市販されているものを使用することができる。「D−90」は4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ‐P−フェニレンスルホニル)]ジフェノールを主成分とする重合物からなるものである。
上記本発明に用いられるベンゾトリアゾール化合物としては、2−〔2−ヒドロキシー3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕2H−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチルー2’−ヒドロキシー5’−メチルフェニル)−5―クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチルー2’−ヒドロキシー5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシー5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビスー〔6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3―テトラメチルブチル)フェノール〕、2−(2’−ヒドロキシー3’,5’−ジーt−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
また、本発明において感熱記録層に含有される前記ロイコ染料は、単独または2種以上混合して適用される。このようなロイコ染料としては、この種の感熱記録材料に用いられているものが任意に適用され、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フエノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。このようなロイコ染料の具体例としては、以下に示すようなものが例示される。
例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチル−アミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチル−アミノ−5,7−ジメチル−フルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ−)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3−トリフルオルメチル−フェニル)アミノ}−1−6−ジエチルアミノ−フルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチル−アニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ−)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノースピロピラン、6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノースピロピラン、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチル−フェニル)フタリド、3−(2’−メトキシ−4’−ジメチル−アミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチル−フェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチル−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジルトリフルオロメチル−アニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ−)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エチル−7−(3−メチルアニリノ)フルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−p−クロロフェニルー1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、3−(4’−ジメチル−アミノ−2’−ベンジルオキシ)−3−(1”−p−ジメチル−アミノ−フェニル−1”−フェニル−1”,3”−ブタジエンイ)イル}ベンゾフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3’(6’−ジメチル−アミノ−)フタリド、3,3−ビス12−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル1−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)4−p−トリルスルホニルメタン等が挙げられる。
上記の中でも、高感度で地肌カブリ少なく、耐熱保存性に優れた感熱記録材料を得るためには、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランのいずれかを用いることが好ましい。
また、本発明の感熱記録材料における顕色剤は、前述のように、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと前記一般式(I)で表されるヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体であるが、必要に応じて補助添加剤として、電子受容性であるが発色能力の比較的少ない種々のヒンダードフェノール化合物及びヒンダードアミン化合物を併用することができる。その具体例としては以下に示すようなものが例示される。
例えば、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(6−ターシャリーブチル−2−メチルフェノール)、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4」チオビス(2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−クロロフェノール)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。
本発明の感熱記録材料を製造するに際しては、前記ロイコ染料及びび顕色剤を支持体上に結合支持させるために慣用の種々の結合剤を適宜用いることができ、その具体例としては、以下のものが挙げられる。
例えば、ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックス等が挙げられる。
また本発明においては、その目的に応じて(例えば、感度向上のため)、種々の熱可融性物質を使用することができる。その具体例としては以下に示すものが挙げられるが、これらに限られるわけではない。
例えば、ステアリン酸、べヘン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、m−ターフェニル、p−アセチルビフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシー2−ナフト酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、ジフェニルカーボネート、グレヤコールカーボネート、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジロキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ジフェノキシ−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ジフェニルチオブタン、1,4−ジフェニルチオ−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−ベンジルオキシベンジルアルコール、1,3−フェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)プロパン、1,5−ビス(4−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(4−メチルベンジル)、シュウ酸ビス(4−クロロベンジル)等が挙げられる。
本発明の感熱記録材料における支持体として、上質紙、古紙パルプからなる支持体(古紙パルプを50%以上使用)、プラスチックフィルム、合成紙、ラミネート紙等のいずれも用いることができる。また、支持体と感熱記録層との間のアンダーコート層や感熱記録層上に保護層を設けてもよい。アンダーコート層や保護層を形成する材料は、前記した感熱記録層に使用した結合剤、フィラー、架橋剤等が使用できる。
アンダーコート層には中空樹脂粒子をフィラーとして用いるとその断熱性により感度を向上させることができるため特に好ましい。また、本発明において用いられる中空粒子は、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気その他の気体を含有するもので、すでに発泡状態となっている微小中空粒子であり、平均粒子径は1.0〜5.0μmのものが用いられる。好ましくは2.0〜4.0μmである。
上記平均粒子径(粒子外径)が1.0μmより小さいものは、任意の中空率にすることが難しい等の生産上の問題があり、逆に5.0μmより大きいものは、塗布乾燥後の表面の平滑性が低下するため、サーマルヘッドとの密着性が低下し、感度向上効果が低下する。従って、このような粒子分布は粒子径が前記範囲にあると同時に、バラツキの少ない分布ピークの均一なものが好ましい。
更に、本発明で用いられる微小中空粒子は、中空率が30%以上のものが好ましく、70%以上のものが更に好ましく、90%〜98%の範囲が特に好ましい。なお、ここで言う中空率とは、中空粒子の外径と内径の比であり、下記式で表されるものである。
中空率=[(中空粒子の内径)/(中空粒子の外径)]×100
なお、本発明で用いる微小中空粒子は、前記したように熱可塑性樹脂を殻とするものであるが、このような樹脂としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエンあるいはそれらの共重合体樹脂が挙げられる。
特に上記したような中空率を得るためには、塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂が好ましい。
通常、中空粒子は、感熱記録層(感熱発色層)と支持体の間に中間層として用いることにより、高い断熱性及びヘッドとの密着性を向上させ発色感度が向上する。
次に、本発明において保護層を形成する場合に使用されるバインダーとしては、従来公知の水溶性高分子及び/又は水溶性高分子エマルジョンを適宜用いることができる。
その具体例としては、感熱発色層用及びアンダーコート層用のバインダーと重複するところがあるが、ポリビニルアルコ−ル、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、殿粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、エチルセルロ−スなどのセルロ−ス誘導体、ポリアクリル酸ソ−ダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソ−ダ、ゼラチン、カゼインなどの水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレ−ト、エチレン/酢酸ビニル共重合体などのエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体などのラテックスなどが挙げられる。これらの中でも、スティッキング抑制に対しては特にジアセトン変性ポリビニルアルコールが好ましい。
ここで、上記ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂とは、分子鎖中に少なくともビニルアルコール構造及びジアセトン基が結合したビニル誘導体構造を繰り返し単位として有するものであり、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
適宜合成する場合には、例えば、ジアセトン基を有するビニル誘導体(ジアセトン基を有するビニルモノマー)と、脂肪酸ビニルエステルとを共重合して得られた共重合体を鹸化する等の公知の方法により製造することができる。
前記ジアセトン基を有するビニルモノマーとしては、例えば、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタアクリルアミドなどが挙げられる。
前記脂肪酸ビニルエステルとしては、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられるが、これらの中でも、酢酸ビニルが特に好ましい。
また、前記ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂は、他の共重合可能なビニルモノマーを共重合させたものでもよい。これらの共重合可能なビニルモノマーとしては、例えばアクリル酸エステル、ブタジエン、エチレン、プロピレン、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸などが挙げられる。
前記ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂中の反応性カルボニル基の含有量は、ポリマー中に0.5〜20モル%が好ましく、2〜10モル%がより好ましい。前記含有量が2モル%未満であると、耐水性が実用上不十分となることがあり、10モル%を超えると、耐水化の向上が見られなく、経済的に高価となることがある。
前記ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂の重合度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、300〜3,000が好ましく、500〜2,000がより好ましい。
また、上記ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂と共に架橋剤を用いることができる。このような架橋剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ヒドラジド化合物が好適である。
ヒドラジン化合物としては、ヒドラジド基を有すれば特に制限はないが、例えば、ヒドラジン、カルボヒドラジド、蓚酸ジヒドラジド、蟻酸ヒドラジド、酢酸ヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,7−ナフトエ酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐水性及び安全性の面からアジピン酸ジヒドラジドが特に好ましい。
上記架橋剤の添加量は、架橋剤の官能基の変性量、種類によっても異なるが、前記ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
なお、本発明の架橋剤には機能を損ねない範囲で、例えば、グリオキザール、メラミン、アジリジン化合物、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、炭酸ジルコニウムアンモン、エチレンジアミン等の公知の架橋剤を組み合わせて使用してもよい。
また、上記保護層中には無機顔料及び有機顔料、滑剤を含有させることができる。
無機顔料としては、従来からフィラーとして用いられている公知の顔料を用いることができる。例えば、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸亜鉛、無定形シリカ等のケイ酸塩や、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
有機顔料としては、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生デンプン粒子等の有機顔料が挙げられる。
特に、二酸化ケイ素やカオリン、炭酸カルシウム等の吸油量の大きなフィラーが捺印性向上のために望ましく、更にはヘッド磨耗を低減するために一次粒子の凝集体であることが好ましい。
これら無機顔料の添加量としては前記保護層樹脂に対して重量比で50〜400%であることが望ましい。また、保存性を高めるために150%以下が好ましく、捺印性を有するためには200%以上が好ましい。また400%よりも多くなると保護層の結着力が低下して層ハガレや顔料の剥離が発生したり、ヘッド磨耗が大きくなる。
滑剤としては、感熱発色層用として記載したものと重なるが、モンタン酸ワックスやステアリン酸亜鉛、パラフィンワックス等の高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、シリコーンオイル、動物性、植物性、鉱物性又は石油系の各種ワックス類などを用いることができる。
更に、本発明の感熱記録材料の層構成に関しては、感熱発色層、アンダー層、保護層の他に、必要に応じて、感熱記録層が設けられた側とは逆の面である支持体裏面にバック層を設けることができる。バック層は主に結着性樹脂及び填料からなり、必要に応じて種々の滑剤、帯電防止剤などを含有してもよい。
バック層に用いられる結着性樹脂及び填料、滑剤としては前記保護層の際に挙げた種々の材料を使用することができ、特に支持体にプラスチックフィルム及び合成紙を用いた場合には帯電防止剤の添加は効果的である。
また、必要に応じて感熱記録材料の表面にOP(Over Print)ニス加工を実施することで、光沢性を有し、さらに、裏面にアイマーク加工することで、ハンディープリンターに展開が可能となり、検針・振込み用紙としても使用可能となる。
更に、必要に応じて感熱記録材料の裏面に粘着剤層及び剥離台紙を順次積層することもできる。このような粘着剤層及び剥離台紙を順次積層させた感熱記録材料の使用用途としては、例えば、POSラベルやチケットタグ、物流配送用ラベルなどが挙げられる。
また、必要に応じて本発明の感熱記録材料の裏面に擬似接着加工を施すことにより、主に宅配便帳票などに使用されている物流配送用の帳票、あるいはラベル用途として使用することも有用である。
更に、必要に応じて感熱記録材料の裏面に磁気記録層を設けて感熱記録型磁気材料とすることで、乗車券、入場券等の自動券売機分野において使用することも有用である。
本発明の感熱記録材料の記録方法としては、使用目的によって熱ペン、サーマルヘッド、レーザー加熱等の記録方法があるが特に限定されない。
なお、支持体上にアンダーコート層、感熱記録層(感熱発色層)及び保護層を形成するには従来公知の方法を用いればよく、支持体上にアンダーコート層、感熱発色層用塗布液及び保護層用塗布液を順次塗布して乾燥させればよい。感熱発色層用塗布液及び保護層用塗布液の塗布方法としては、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法、エクストルージョン塗布法などの従来公知の塗布方法が利用できる。
また、本発明においては必要に応じて、この種感熱記録材料に慣用される補助添加成分、例えば、填料、界面活性剤、滑剤、圧力発色防止剤等を併用することができる。
この場合の填料としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレーカオリン、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂等の有機系の微粉末を挙げることができる。また、滑剤としては高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性、植物性、鉱物性又は石油系の各種ワックス類等が挙げられる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。なお、以下に示す「部」及び「%」は何れも重量基準である。
[実施例1〜17]及び[比較例1〜7]
以下の要領で感熱記録層形成液、アンダーコート層形成液、保護層形成液をそれぞれ調製し、これらを用いて感熱記録紙を作製した。
先ず、感熱記録層形成液を構成する各成分の調製〔A]液〜〔H]液を以下の処方で調製した。
(1)感熱記録層を構成する各成分の調製
下記組成の〔A]液〜〔H]液の各液は、サンドグラインダーを用いて、各液の平均粒径が1.0μmとなるように調製した。
〔A液〕
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン:20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液:20部
水:60部
〔B液〕
4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン:20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液:20部
水:60部
〔C液〕
前記一般式(I)で表される顕色剤〔ヒドロキシル基を有する
ジフェニルスルホン誘導体:日本曹達社製D−90〕:20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液:20部
非晶質シリカ:10部
水:50部
〔D液〕
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン
(日本曹達社製D−8):20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液:20部
水:60部
〔E液〕
2−〔2−ヒドロキシー3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕2H−
ベンゾトリアゾール:20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 :20部
水:60部
〔F液〕
2−(3’−t−ブチルー2’−ヒドロキシー5’−メチルフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール:20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 :20部
水:60部
〔G液〕
2−(2’−ヒドロキシー3’,5’−ジーt−アミルフェニル)ベンゾ
トリアゾール:20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液:20部
水:60部
〔H液〕
2−(2’−ヒドロキシー5’−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール:20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 :20部
水:60部
(2)感熱記録層形成液の調製
上記のようにして得た〔A液〕を20部とし、〔B液〕〜〔H液〕は、下記表1に記載の割合になるように計量して、ガラスビーカー等の容器に攪拌しながら注ぎ入れ、実施例1〜17及び比較例1〜7で用いる感熱記録層塗布液を作製した。
(3)アンダーコート層形成液の調製
下記組成分にて配合した〔a液〕〜〔g液〕をそれぞれ撹拌分散して、アンダーコート層形成液を調製した。
〔a液〕
焼成カオリン:20部
スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47.5%):20部
水:60部
〔b液〕
中空樹脂粒子(中空率20%、平均粒径3.5μm、固形分33%):25部
スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47.5%):15部
水:60部
〔c液〕
中空樹脂粒子(中空率30%、平均粒径3.5μm、固形分33%):25部
スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47.55%):15部
水:60部
〔d液〕
中空樹脂粒子(中空率90%、平均粒径1.0μm、固形分33%):25部
スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47.5%):15部
水:60部
〔e液〕
中空樹脂粒子(中空率90%、平均粒径3.5μm、固形分33%):25部
スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47.5%):15部
水:60部
〔f液〕
中空樹脂粒子(中空率90%、平均粒径5.0μm、固形分33%):25部
スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47.5%):15部
水:60部
〔g液〕
中空樹脂粒子(中空率90%、平均粒径10μm、固形分33%):25部
スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47.5%):15部
水 :60部
(4)保護層形成液の調製
下記組成にて配合した〔I液〕を用いて、〔II液〕及び〔III液〕を以下の割合になるように計量して、ガラスビーカー等の容器に攪拌しながら注ぎ入れ、保護層形成液を調製した。
〔I液〕
シリカ:30部
水:70部
〔II液〕
I液:65部
イタコン酸変性ポリビニルアルコールのアルカリ金属塩10%水溶液:100部
ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂25%水溶液:16部
水:14部
〔III液〕
I液:65部
ジアセトン変性ポリビニルアルコール10%水溶液:100部
(日本酢ビ・ポバール(株)社製、D−700VH)
アジピン酸ジヒドラジド10%水溶液:40部
水:14部
(5)感熱記録紙の作製
坪量80g/m2の紙上に上記で得たアンダーコート層形成液を乾燥塗布量が3.0g/m2になるように塗工し乾燥し、次いで、その上に上記で得た感熱発色塗工液を、染料付着量が0.50g/m2になるように塗布乾燥して感熱発色層を設け、次に、上記で得た保護層形成液を乾燥塗布量が2.0g/m2になるように塗工し乾燥した後、スーパーキャレンダーにて処理し、実施例1〜17、比較例1〜7の感熱記録材料を得た。なお、各塗工液はワイヤーバーを用いて塗布を行い、熱風乾燥機を用いて乾燥した。実施例1〜17、比較例1〜7の感熱記録材料の構成をまとめて下記表1に示す。
[評価試験]
以上のようにして作製した感熱記録材料について、下記条件で発色特性試験、耐熱性試験、耐光性試験及び粉ふき発生(白粉発生)評価試験を実施した。評価結果を下記表2に示す。
<発色特性試験>
大倉電機(株)製感熱記録材料の印字シミュレーター
TH−PMDにて、通常エネルギーとして、0.3mj/dot、0.45mj/dot、低エネルギー印字として、0.45mj/dotの60%エネルギーである0.27mj/dotで印加して印字し、それぞれの発色濃度をマクベス濃度計RD−914にて測定した。
<耐熱性試験>
80℃の環境条件で1時間保管した後のサンプル地肌部の濃度をマクベス濃度計RD−914にて測定した。
<耐光性試験>
上記シミュレーターを用いてエネルギー0.45mj/dotで印字した試験片を、島津製作所製卓上型促進耐光性試験機(SUNTESTER XF-180CPS)を用いて、24時間後の画像部・地肌部の濃度測定をし、画像部については残存率(試験後の濃度/試験前濃度×100)を算出した。画像部の残存率が高いことは、光による退色が少なく、耐光性に優れることを示す。
<粉ふき発生(白粉発生)評価試験>
22℃/65%RHの環境条件で30日間保管した後のサンプルを日立製走査型電子顕微鏡S−3100HによりSEM観察し、粉ふき発生の有無を観察した。
上記評価結果から次のことが明らかになった。
本発明の実施例1〜17では融点が140度のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2−〔2−ヒドロキシー3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕2H−ベンゾトリアゾール(〔E液〕)、及び2−(3’−t−ブチルー2’−ヒドロキシー5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(〔F液〕)の2種類を添加することにより「粉ふき」が発生していない。
一方、比較例4〜7の場合;2−〔2−ヒドロキシー3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕2H−ベンゾトリアゾール(E液)1種類のみを添加した場合(比較例4)、あるいは、融点が140℃異常のベンゾトリアゾール(E液)と融点が130℃以下の2−(2’−ヒドロキシー3’,5’−ジーt−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(〔G液〕)の2種類を添加した場合(比較例5)、あるいは融点が130℃以下の2−(2’−ヒドロキシー3’,5’−ジーt−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(〔G液〕)1種類のみを添加した場合(比較例6)、あるいは融点が130℃以下の2−(2’−ヒドロキシー3’,5’−ジーt−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(〔G液〕)と融点が130℃以下の2−(2’−ヒドロキシー5’−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール(〔H液〕)の2種類を添加した場合(比較例7)には「粉ふき」発生が認められた。すなわち、比較例4〜7と実施例を対比すると、融点が130℃以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤1種のみ、または融点が130℃以下のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を1種でも含むと、粉ふきが起こる。
また、本発明の(実施例1〜17)では、前記一般式(I)で表される顕色剤〔ヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体(〔C液〕使用)の含有量を4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン 1重量部(〔B液使用〕)に対して4.0〜8.0重量部添加することで、発色感度と地肌かぶりが両立され、保存安定性にも優れている。
一方、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン(〔B液〕使用)のみの場合(比較例1)、〔B液〕と〔D液〕の組み合せの場合(比較例2)には地肌かぶりが見られ、保存安定性も悪い。なお、前記一般式(I)で表される顕色剤の含有量が4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン 1重量部に対して8.0重量部を超え、融点が130℃以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含まないる場合(比較例3)には、耐光性は更に低下する。
また、実施例において、感熱記録層中に含有される融点が130℃以上の紫外線吸収剤の総含有量を、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと前記一般式(I)で表されるヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体との総重量部(1重量部)に対して0.03〜0.60重量部とする(例えば、実施例3、5〜7)ことで、耐光性がより向上する。
また、実施例において、アンダーコート層を設けることで(実施例9〜17)、アンダーコート層のないものよりも更に感度が向上する。そして、アンダーコート層中の中空樹脂粒子の中空率が30%以上であるものを用いることで感度がより向上する(例えば、実施例11、13と、実施例10を対比)。更に、アンダーコート層中の中空樹脂粒子の平均粒径が1.0〜5.0μmであるとき、感度がより向上する(例えば、実施例12、13、16と、実施例17を対比)。
なお、保護層を設けることで若干の感度低下を招くが、耐光性品質が格段に向上する(例えば、実施14、15と、実施例13を対比)。また保護層を設けることで、ヘッドマッチング性が飛躍的に向上し、市販(各メーカ)の各種プリンターにおいても印字適正が得られる。
以上述べたように本発明によれば、高感度で地肌カブリが少なく、耐光性に優れ、粉ふき発生が起きない感熱記録材料が提供され、情報処理分野(卓上計算機、コンピュータ等のアウトプット)、医療計測用レコーダー分野、低、高速ファクシミリ分野、自動券売機分野(乗車券、入場券等)、感熱複写機分野、P0Sシステムのラベル分野等における感熱記録材料として適用することができる。
従来のロイコ染料と3成分以上の化合物からなる混合物において示差走査熱量分析装置により測定される吸熱ピーク特性を示す示差熱チャートである。 本発明のロイコ染料と特定の顕色剤及び紫外線吸収剤からなる4成分系において示差走査熱量分析装置により測定される吸熱ピーク特性を示す示差熱チャートである。 本発明における感熱記録材料の構成例を示す断面図(a)、別の構成例を示す断面図(b)、更に別の構成例を示す断面図(c)である。
符号の説明
1 支持体
2 感熱記録層
3 アンダーコート層
4 保護層

Claims (12)

  1. 支持体上に熱により呈色する感熱記録層を設けた感熱記録材料であって、前記感熱記録層中にロイコ染料及び4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ‐P−フェニレンスルホニル)]ジフェノールを主成分とする重合物とを顕色剤として含有すると共に、2−〔2−ヒドロキシー3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕2H−ベンゾトリアゾールと2−(3’−t−ブチルー2’−ヒドロキシー5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールとを紫外線吸収剤として含有することを特徴とする感熱記録材料。
  2. 4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ‐P−フェニレンスルホニル)]ジフェノールを主成分とする重合物の含有量が、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン1重量部に対して4.0〜8.0重量部であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 前記感熱記録層中に含有される紫外線吸収剤の総含有量が、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ‐P−フェニレンスルホニル)]ジフェノールを主成分とする重合物との総重量部(1重量部)に対して0.03〜0.60重量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
  4. 前記支持体と感熱記録層との間に、アンダーコート層を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録材料。
  5. 前記アンダーコート層が、熱可塑性樹脂を殻とした中空率30%以上の中空粒子を含むことを特徴とする請求項4に記載の感熱記録材料。
  6. 前記中空粒子の平均粒子径が、1.0〜5.0μmであることを特徴とする請求項5に記載の感熱記録材料。
  7. 感熱記録層上に少なくとも結着性樹脂と無機フィラーを含む保護層を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感熱記録材料。
  8. 前記結着性樹脂が、分子鎖中に少なくともビニルアルコール構造及びジアセトン基が結合したビニル誘導体構造を繰り返し単位として有するジアセトン変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項7に記載の感熱記録材料。
  9. 前記感熱記録層が設けられた側の感熱記録材料の表面にOPニス加工が施されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の感熱記録材料。
  10. 前記感熱記録材料における感熱記録層が設けられた側とは逆の面である支持体裏面に、アイマーク加工が施されたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の感熱記録材料。
  11. 前記感熱記録材料における感熱記録層が設けられた側とは逆の面である支持体裏面に、擬似接着加工が施されたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の感熱記録材料。
  12. 前記感熱記録材料における感熱記録層が設けられた側とは逆の面である支持体裏面に、磁気記録層が設けられ感熱記録型磁気材料とされたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の感熱記録材料。
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