JP4986780B2 - 感熱記録材料 - Google Patents
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Description
しかし低融点化すると感度は向上するが、発色温度が低下するため、感度向上と共に地肌かぶりが発生してくるという問題点が発生する。
しかし、多くのベンゾトリアゾール化合物は融点が100℃程度の低融点であり、かつ高い結晶性と昇華性を有するために、融点近くの環境下での使用や長期間の保存において、ベンゾトリアゾール化合物の蒸散、結晶化もしくはブリードアウトが起こってしまう。このため、析出した紫外線吸収剤で感熱記録材料の表面が粉ふき状態、所謂、粉ふき発生(あるいは、白粉発生)になったり、またサーマルヘッドに紫外線吸収剤が付着して印字障害が生じる問題がある。
なお、本発明で言う「粉ふき発生(あるいは、白粉発生)」とは、主に紫外線吸収剤(トリアゾール化合物)が分離(蒸散、結晶化もしくは滲み出し(ブリードアウト)等)により感熱記録材料表面に析出することを指す。
本発明の高感度で保存安定性の優れた感熱記録材料を用いれば、例えば、情報処理分野(卓上計算機、コンピュータ等のアウトプット)、医療計測用レコーダー分野、低、高速ファクシミリ分野、自動券売機分野(乗車券、入場券等)、感熱複写機分野、P0Sシス
テムのラベル分野等に適用することができる。
で示される2価基を表す。R1〜R6はそれぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基を示す。また、m、n、p、q、r、tは各々0〜4の整数を表し、2以上の時はR1〜R6はそれぞれ異なっていてもよい。aは0〜10の整数を表す。]
しかし、本発明における、ロイコ染料、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、一般式(I)で表されるヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体、及び融点が130℃以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤からなる4成分系においては、同上記示差走査熱量分析装置で測定すると、図2に示すような測定結果(吸熱ピークが複数)が得られ、各組成分が互いに共融しない状態であることを見出した。この共融しない状態のために地肌かぶりが生じることなく、耐光性に関して大きく改善される。
すなわち、ベンゾトリアゾール化合物の融点が130℃以上であることにより分子移動が容易な状態になりにくく、かつ異種のベンゾトリアゾール化合物が混在しすることにより互いに影響し合い、相互作用を及ぼして分離を防いでいるためであると思われる。
図3(a)は、本発明の感熱記録材料の構成例を示す断面図であり、支持体1上に、ロイコ染料及び4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと前記一般式(I)で表されるヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体とを顕色剤として含有すると共に、融点が130℃以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を少なくとも2種含有する感熱記録層2を積層した構成からなる。
図3(b)は、本発明の感熱記録材料の別の構成例を示す断面図であり、図1(a)における支持体1と感熱記録層2の間に、アンダーコート層3を設けた構成からなる。
図3(c)は、本発明の感熱記録材料の更に別の構成例を示す断面図であり、図1(b)における感熱記録層2の上に保護層4を設けた構成からなる。
また、前記一般式(I)で表されるヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体の含有量が、前記4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン1重量部に対して4.0〜8.0重量部が適当である。
また、前記Rは、好ましくはH(水素原子)であり、Tは、好ましくは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基で、より好ましくはH(水素原子)である。
R1〜R6は、それぞれ独立に好ましくは、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルケニル基で、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。
また、m、n、p、q、r、tは、好ましくは各々0〜4の整数で、より好ましくは0〜1である。aは、好ましくは0〜10の整数で、より好ましくは1〜7の整数である。
本発明においては前記一般式(I)で表されるヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体が、4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ‐P−フェニレンスルホニル)]ジフェノールを主成分とする重合物であることが好ましい。
なお、上記本発明の一般式(I)で表されるヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体としては、例えば、日本曹達株式会社から商品名「D−90」として市販されているものを使用することができる。「D−90」は4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ‐P−フェニレンスルホニル)]ジフェノールを主成分とする重合物からなるものである。
上記の中でも、高感度で地肌カブリ少なく、耐熱保存性に優れた感熱記録材料を得るためには、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランのいずれかを用いることが好ましい。
中空率=[(中空粒子の内径)/(中空粒子の外径)]×100
特に上記したような中空率を得るためには、塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂が好ましい。
通常、中空粒子は、感熱記録層(感熱発色層)と支持体の間に中間層として用いることにより、高い断熱性及びヘッドとの密着性を向上させ発色感度が向上する。
その具体例としては、感熱発色層用及びアンダーコート層用のバインダーと重複するところがあるが、ポリビニルアルコ−ル、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、殿粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、エチルセルロ−スなどのセルロ−ス誘導体、ポリアクリル酸ソ−ダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソ−ダ、ゼラチン、カゼインなどの水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレ−ト、エチレン/酢酸ビニル共重合体などのエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体などのラテックスなどが挙げられる。これらの中でも、スティッキング抑制に対しては特にジアセトン変性ポリビニルアルコールが好ましい。
適宜合成する場合には、例えば、ジアセトン基を有するビニル誘導体(ジアセトン基を有するビニルモノマー)と、脂肪酸ビニルエステルとを共重合して得られた共重合体を鹸化する等の公知の方法により製造することができる。
前記ジアセトン基を有するビニルモノマーとしては、例えば、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタアクリルアミドなどが挙げられる。
前記脂肪酸ビニルエステルとしては、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられるが、これらの中でも、酢酸ビニルが特に好ましい。
前記ジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂の重合度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、300〜3,000が好ましく、500〜2,000がより好ましい。
ヒドラジン化合物としては、ヒドラジド基を有すれば特に制限はないが、例えば、ヒドラジン、カルボヒドラジド、蓚酸ジヒドラジド、蟻酸ヒドラジド、酢酸ヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,7−ナフトエ酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐水性及び安全性の面からアジピン酸ジヒドラジドが特に好ましい。
なお、本発明の架橋剤には機能を損ねない範囲で、例えば、グリオキザール、メラミン、アジリジン化合物、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、炭酸ジルコニウムアンモン、エチレンジアミン等の公知の架橋剤を組み合わせて使用してもよい。
無機顔料としては、従来からフィラーとして用いられている公知の顔料を用いることができる。例えば、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸亜鉛、無定形シリカ等のケイ酸塩や、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
有機顔料としては、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生デンプン粒子等の有機顔料が挙げられる。
これら無機顔料の添加量としては前記保護層樹脂に対して重量比で50〜400%であることが望ましい。また、保存性を高めるために150%以下が好ましく、捺印性を有するためには200%以上が好ましい。また400%よりも多くなると保護層の結着力が低下して層ハガレや顔料の剥離が発生したり、ヘッド磨耗が大きくなる。
バック層に用いられる結着性樹脂及び填料、滑剤としては前記保護層の際に挙げた種々の材料を使用することができ、特に支持体にプラスチックフィルム及び合成紙を用いた場合には帯電防止剤の添加は効果的である。
また、必要に応じて本発明の感熱記録材料の裏面に擬似接着加工を施すことにより、主に宅配便帳票などに使用されている物流配送用の帳票、あるいはラベル用途として使用することも有用である。
この場合の填料としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレーカオリン、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂等の有機系の微粉末を挙げることができる。また、滑剤としては高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性、植物性、鉱物性又は石油系の各種ワックス類等が挙げられる。
以下の要領で感熱記録層形成液、アンダーコート層形成液、保護層形成液をそれぞれ調製し、これらを用いて感熱記録紙を作製した。
先ず、感熱記録層形成液を構成する各成分の調製〔A]液〜〔H]液を以下の処方で調製した。
(1)感熱記録層を構成する各成分の調製
下記組成の〔A]液〜〔H]液の各液は、サンドグラインダーを用いて、各液の平均粒径が1.0μmとなるように調製した。
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン:20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液:20部
水:60部
4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン:20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液:20部
水:60部
前記一般式(I)で表される顕色剤〔ヒドロキシル基を有する
ジフェニルスルホン誘導体:日本曹達社製D−90〕:20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液:20部
非晶質シリカ:10部
水:50部
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン
(日本曹達社製D−8):20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液:20部
水:60部
2−〔2−ヒドロキシー3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕2H−
ベンゾトリアゾール:20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 :20部
水:60部
2−(3’−t−ブチルー2’−ヒドロキシー5’−メチルフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール:20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 :20部
水:60部
2−(2’−ヒドロキシー3’,5’−ジーt−アミルフェニル)ベンゾ
トリアゾール:20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液:20部
水:60部
2−(2’−ヒドロキシー5’−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール:20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 :20部
水:60部
上記のようにして得た〔A液〕を20部とし、〔B液〕〜〔H液〕は、下記表1に記載の割合になるように計量して、ガラスビーカー等の容器に攪拌しながら注ぎ入れ、実施例1〜17及び比較例1〜7で用いる感熱記録層塗布液を作製した。
下記組成分にて配合した〔a液〕〜〔g液〕をそれぞれ撹拌分散して、アンダーコート層形成液を調製した。
焼成カオリン:20部
スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47.5%):20部
水:60部
中空樹脂粒子(中空率20%、平均粒径3.5μm、固形分33%):25部
スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47.5%):15部
水:60部
中空樹脂粒子(中空率30%、平均粒径3.5μm、固形分33%):25部
スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47.55%):15部
水:60部
中空樹脂粒子(中空率90%、平均粒径1.0μm、固形分33%):25部
スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47.5%):15部
水:60部
中空樹脂粒子(中空率90%、平均粒径3.5μm、固形分33%):25部
スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47.5%):15部
水:60部
中空樹脂粒子(中空率90%、平均粒径5.0μm、固形分33%):25部
スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47.5%):15部
水:60部
中空樹脂粒子(中空率90%、平均粒径10μm、固形分33%):25部
スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47.5%):15部
水 :60部
下記組成にて配合した〔I液〕を用いて、〔II液〕及び〔III液〕を以下の割合になるように計量して、ガラスビーカー等の容器に攪拌しながら注ぎ入れ、保護層形成液を調製した。
シリカ:30部
水:70部
I液:65部
イタコン酸変性ポリビニルアルコールのアルカリ金属塩10%水溶液:100部
ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂25%水溶液:16部
水:14部
I液:65部
ジアセトン変性ポリビニルアルコール10%水溶液:100部
(日本酢ビ・ポバール(株)社製、D−700VH)
アジピン酸ジヒドラジド10%水溶液:40部
水:14部
坪量80g/m2の紙上に上記で得たアンダーコート層形成液を乾燥塗布量が3.0g/m2になるように塗工し乾燥し、次いで、その上に上記で得た感熱発色塗工液を、染料付着量が0.50g/m2になるように塗布乾燥して感熱発色層を設け、次に、上記で得た保護層形成液を乾燥塗布量が2.0g/m2になるように塗工し乾燥した後、スーパーキャレンダーにて処理し、実施例1〜17、比較例1〜7の感熱記録材料を得た。なお、各塗工液はワイヤーバーを用いて塗布を行い、熱風乾燥機を用いて乾燥した。実施例1〜17、比較例1〜7の感熱記録材料の構成をまとめて下記表1に示す。
以上のようにして作製した感熱記録材料について、下記条件で発色特性試験、耐熱性試験、耐光性試験及び粉ふき発生(白粉発生)評価試験を実施した。評価結果を下記表2に示す。
<発色特性試験>
大倉電機(株)製感熱記録材料の印字シミュレーター
TH−PMDにて、通常エネルギーとして、0.3mj/dot、0.45mj/dot、低エネルギー印字として、0.45mj/dotの60%エネルギーである0.27mj/dotで印加して印字し、それぞれの発色濃度をマクベス濃度計RD−914にて測定した。
<耐熱性試験>
80℃の環境条件で1時間保管した後のサンプル地肌部の濃度をマクベス濃度計RD−914にて測定した。
<耐光性試験>
上記シミュレーターを用いてエネルギー0.45mj/dotで印字した試験片を、島津製作所製卓上型促進耐光性試験機(SUNTESTER XF-180CPS)を用いて、24時間後の画像部・地肌部の濃度測定をし、画像部については残存率(試験後の濃度/試験前濃度×100)を算出した。画像部の残存率が高いことは、光による退色が少なく、耐光性に優れることを示す。
<粉ふき発生(白粉発生)評価試験>
22℃/65%RHの環境条件で30日間保管した後のサンプルを日立製走査型電子顕微鏡S−3100HによりSEM観察し、粉ふき発生の有無を観察した。
本発明の実施例1〜17では融点が140度のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2−〔2−ヒドロキシー3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕2H−ベンゾトリアゾール(〔E液〕)、及び2−(3’−t−ブチルー2’−ヒドロキシー5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(〔F液〕)の2種類を添加することにより「粉ふき」が発生していない。
一方、比較例4〜7の場合;2−〔2−ヒドロキシー3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕2H−ベンゾトリアゾール(E液)1種類のみを添加した場合(比較例4)、あるいは、融点が140℃異常のベンゾトリアゾール(E液)と融点が130℃以下の2−(2’−ヒドロキシー3’,5’−ジーt−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(〔G液〕)の2種類を添加した場合(比較例5)、あるいは融点が130℃以下の2−(2’−ヒドロキシー3’,5’−ジーt−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(〔G液〕)1種類のみを添加した場合(比較例6)、あるいは融点が130℃以下の2−(2’−ヒドロキシー3’,5’−ジーt−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(〔G液〕)と融点が130℃以下の2−(2’−ヒドロキシー5’−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール(〔H液〕)の2種類を添加した場合(比較例7)には「粉ふき」発生が認められた。すなわち、比較例4〜7と実施例を対比すると、融点が130℃以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤1種のみ、または融点が130℃以下のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を1種でも含むと、粉ふきが起こる。
また、本発明の(実施例1〜17)では、前記一般式(I)で表される顕色剤〔ヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体(〔C液〕使用)の含有量を4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン 1重量部(〔B液使用〕)に対して4.0〜8.0重量部添加することで、発色感度と地肌かぶりが両立され、保存安定性にも優れている。
一方、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン(〔B液〕使用)のみの場合(比較例1)、〔B液〕と〔D液〕の組み合せの場合(比較例2)には地肌かぶりが見られ、保存安定性も悪い。なお、前記一般式(I)で表される顕色剤の含有量が4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン 1重量部に対して8.0重量部を超え、融点が130℃以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含まないる場合(比較例3)には、耐光性は更に低下する。
また、実施例において、感熱記録層中に含有される融点が130℃以上の紫外線吸収剤の総含有量を、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと前記一般式(I)で表されるヒドロキシル基を有するジフェニルスルホン誘導体との総重量部(1重量部)に対して0.03〜0.60重量部とする(例えば、実施例3、5〜7)ことで、耐光性がより向上する。
また、実施例において、アンダーコート層を設けることで(実施例9〜17)、アンダーコート層のないものよりも更に感度が向上する。そして、アンダーコート層中の中空樹脂粒子の中空率が30%以上であるものを用いることで感度がより向上する(例えば、実施例11、13と、実施例10を対比)。更に、アンダーコート層中の中空樹脂粒子の平均粒径が1.0〜5.0μmであるとき、感度がより向上する(例えば、実施例12、13、16と、実施例17を対比)。
なお、保護層を設けることで若干の感度低下を招くが、耐光性品質が格段に向上する(例えば、実施14、15と、実施例13を対比)。また保護層を設けることで、ヘッドマッチング性が飛躍的に向上し、市販(各メーカ)の各種プリンターにおいても印字適正が得られる。
2 感熱記録層
3 アンダーコート層
4 保護層
Claims (12)
- 支持体上に熱により呈色する感熱記録層を設けた感熱記録材料であって、前記感熱記録層中にロイコ染料及び4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ‐P−フェニレンスルホニル)]ジフェノールを主成分とする重合物とを顕色剤として含有すると共に、2−〔2−ヒドロキシー3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕2H−ベンゾトリアゾールと2−(3’−t−ブチルー2’−ヒドロキシー5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールとを紫外線吸収剤として含有することを特徴とする感熱記録材料。
- 4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ‐P−フェニレンスルホニル)]ジフェノールを主成分とする重合物の含有量が、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン1重量部に対して4.0〜8.0重量部であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
- 前記感熱記録層中に含有される紫外線吸収剤の総含有量が、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンと4,4’−[オキシビス(エチレンオキシ‐P−フェニレンスルホニル)]ジフェノールを主成分とする重合物との総重量部(1重量部)に対して0.03〜0.60重量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
- 前記支持体と感熱記録層との間に、アンダーコート層を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 前記アンダーコート層が、熱可塑性樹脂を殻とした中空率30%以上の中空粒子を含むことを特徴とする請求項4に記載の感熱記録材料。
- 前記中空粒子の平均粒子径が、1.0〜5.0μmであることを特徴とする請求項5に記載の感熱記録材料。
- 感熱記録層上に少なくとも結着性樹脂と無機フィラーを含む保護層を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 前記結着性樹脂が、分子鎖中に少なくともビニルアルコール構造及びジアセトン基が結合したビニル誘導体構造を繰り返し単位として有するジアセトン変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項7に記載の感熱記録材料。
- 前記感熱記録層が設けられた側の感熱記録材料の表面にOPニス加工が施されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 前記感熱記録材料における感熱記録層が設けられた側とは逆の面である支持体裏面に、アイマーク加工が施されたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 前記感熱記録材料における感熱記録層が設けられた側とは逆の面である支持体裏面に、擬似接着加工が施されたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 前記感熱記録材料における感熱記録層が設けられた側とは逆の面である支持体裏面に、磁気記録層が設けられ感熱記録型磁気材料とされたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の感熱記録材料。
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